特許第6231682号(P6231682)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231682複素環化合物及びこれを含む有機発光素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231682
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】複素環化合物及びこれを含む有機発光素子
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20171106BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20171106BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20171106BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   C07D401/14
   C07D403/14CSP
   H05B33/14 B
   C09K11/06 690
【請求項の数】6
【全頁数】71
(21)【出願番号】特願2016-531512(P2016-531512)
(86)(22)【出願日】2014年7月10日
(65)【公表番号】特表2016-532686(P2016-532686A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】KR2014006184
(87)【国際公開番号】WO2015016498
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2016年1月29日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0089869
(32)【優先日】2013年7月29日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ホヨン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソンミ・チョ
(72)【発明者】
【氏名】コンキョム・キム
(72)【発明者】
【氏名】サン・ヨン・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミンスン・チュン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン・ソク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ドンホン・キム
【審査官】 村守 宏文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−040830(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0069431(KR,A)
【文献】 国際公開第2012/048266(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/139055(WO,A1)
【文献】 特表2013−510141(JP,A)
【文献】 特表2013−510803(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/165192(WO,A1)
【文献】 特開2014−118410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
H01L
C09K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記化学式4で表される化合物:
【化1】
前記化学式4において、
は、NまたはCR11であり、Xは、NまたはCR12であり、Xは、NまたはCR13であり、
ないしR及びR11ないしR13は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素又は重水素であり、
a及びcは、それぞれ0ないし4の整数であり、b及びdは、それぞれ0ないし3の整数であり、aが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、bが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、cが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、dが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっている。
ないしZは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、ZないしZのうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、
11ないしY15及びY21ないしY25は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、Y11ないしY15及びY21ないしY25のうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、但し、Y11ないしY15のうち一つとY21ないしY25のうち一つは、隣接するカルバゾール基に結合する炭素原子であり、
11ないしX15及びX21ないしX25は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、X11ないしX15及びX21ないしX25のうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっている。
【請求項2】
下記表の化学式から選択される化合物:
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【請求項3】
第1電極;前記第1電極と対向して備えられた第2電極;及び前記第1電極と前記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、前記有機物層のうち1層以上は、請求項1又は2に記載の化合物を含むものである有機発光素子。
【請求項4】
前記化合物を含む有機物層は、発光層である請求項に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記発光層は、燐光発光層である請求項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記発光層は、燐光材料をさらに含むものである請求項に記載の有機発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2013年7月29日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2013−0089869号の出願日の利益を主張し、その内容はいずれも本明細書に含まれる。
【0002】
本明細書は、複素環化合物及びこれを含む有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、有機発光現象とは、有機物質を用いて電気エネルギーを光エネルギーに転換する現象を言う。有機発光現象を用いる有機発光素子は、通常、陽極と陰極及びこれらの間に有機物層を含む構造を有する。ここで、有機物層は、有機発光素子の効率と安定性を高めるために、それぞれ異なる物質で構成された多層の構造からなる場合が多く、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などからなることができる。このような有機発光素子の構造において、二つの電極の間に電圧をかけると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が有機物層に注入されるようになり、注入された正孔と電子が結合したとき、エキシトン(exciton)が形成され、このエキシトンが再び基底状態に戻る際に光を発生する。
【0004】
上記のような有機発光素子のための新しい材料の開発が引き続き要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2010−021524 A3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書には、新規な複素環化合物及びこれを含む有機発光素子が記載される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施様態は、下記化学式1で表される化合物を提供する:
【化1】
上記化学式1において、
は、直接結合;置換もしくは非置換のフェニレン;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の2価の単環複素環基であり;
は、直接結合;置換もしくは非置換のアリーレン基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の2価の複素環基であり;
は、NまたはCR11であり、Xは、NまたはCR12であり、Xは、NまたはCR13であり、
Aは、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミド基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基; 置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアリールホスフィン基; 置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の芳香族または脂肪族の単環6員複素環基であり、
Ar及びArは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミド基; 置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基; 置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアリールホスフィン基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のフルオレニル基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の芳香族または脂肪族の複素環基であり、カルバゾール基を含まず、
ないしR及びR11ないしR13は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミド基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアリールホスフィン基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のフルオレニル基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の芳香族または脂肪族の複素環基であり、
a及びcは、それぞれ0ないし4の整数であり、b及びdは、それぞれ0ないし3の整数であり、aが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、bが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、cが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、dが2以上の場合、Rは、互いに同一であるか異なっている。
【0008】
また、本明細書の一実施様態は、第1電極;上記第1電極と対向して備えられた第2電極;及び上記第1電極と上記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、上記有機物層のうち1層以上は、上記化学式1の化合物を含むものである有機発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載の化合物は、有機発光素子の有機物層の材料として使用されることができる。少なくとも一部の実施様態に係る化合物は、有機発光素子において効率の向上、低い駆動電圧及び/または寿命特性を向上することができる。特に、本明細書に記載の化合物は、燐光発光層のホストまたは発光層に隣接した電子輸送物質として使用される場合、高効率及び/または長寿命の有機発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】基板1、陽極2、発光層3、陰極4からなる有機発光素子の例を示すものである。
図2】基板1、陽極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8及び陰極4からなる有機発光素子の例を示すものである。
図3】主要化合物の合成確認資料を示す。
図4】主要化合物の合成確認資料を示す。
図5】主要化合物の合成確認資料を示す。
図6】主要化合物の合成確認資料を示す。
図7】主要化合物の合成確認資料を示す。
図8】主要化合物の合成確認資料を示す。
図9】主要化合物の合成確認資料を示す。
図10】主要化合物の合成確認資料を示す。
図11】主要化合物の合成確認資料を示す。
図12】主要化合物の合成確認資料を示す。
図13】主要化合物の合成確認資料を示す。
図14】主要化合物の合成確認資料を示す。
図15】主要化合物の合成確認資料を示す。
図16】主要化合物の合成確認資料を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0012】
本明細書の一実施様態は、上記化学式1で表される化合物を提供する。
【0013】
本明細書において、
【化2】
は、他の置換基に連結される結合を意味する。
【0014】
上記置換基の例示は、下記に説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;イミド基;アミド基;ヒドロキシ基;チオール基;アルキル基;アルケニル基;アルコキシ基;シクロアルキル基;シリル基;アリールアルケニル基;アリール基;アリールオキシ基;アルキルチオキシ基;アリールチオキシ基;アルキルスルホキシ基;アリールスルホキシ基;シリル基;ホウ素基;カルバゾール基;アリール基;フルオレニル基;アリールアルキル基;アリールアルケニル基;及び異種元素としてO、N及びSのうち1つ以上を含む複素環基からなる群より選択された1つ以上の置換基で置換もしくは非置換されるか、上記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換もしくは非置換されたことを意味する。例えば、「2以上の置換基が連結された置換基が連結された置換基」は、ビフェニル基であってもよい。すなわち、ビフェニル基はアリール基であってもよく、2個のフェニル基が連結された置換基と解釈されることができる。
【0016】
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素がある。
【0017】
本明細書において、カルボニル基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1ないし50であることが好ましい。具体的に下記のような構造の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
【化3】
【0018】
本明細書において、エステル基は、エステル基の酸素が炭素数1ないし25の直鎖、分枝鎖または 環状アルキル基または炭素数6ないし25のアリール基で置換されることができる。具体的に、下記構造式の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
【化4】
【0019】
本明細書において、イミド基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1ないし25であることが好ましい。具体的に下記のような構造の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
【化5】
【0020】
本明細書において、アミド基は、アミド基の窒素が水素、炭素数1ないし25の直鎖、分枝鎖または 環状アルキル基または炭素数6ないし25のアリール基で1または2置換されることができる。具体的に、下記構造式の化合物であってもよいが、これに限定されるものではない。
【化6】
【0021】
本明細書において、上記アルキル基は、直鎖または分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1ないし50であることが好ましい。具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、1−メチル−ブチル、1−エチル−ブチル、ペンチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n−オクチル、tert−オクチル、1−メチルヘプチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、n−ノニル、2,2−ジメチルヘプチル、1−エチル−プロピル、1,1−ジメチル−プロピル、イソヘキシル、2−メチルペンチル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書において、シクロアルキル基は、特に限定されないが、炭素数3ないし60であることが好ましく、具体的にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2,3−ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2,3−ジメチルシクロヘキシル、3,4,5−トリメチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これに限定されない。
【0023】
本明細書において、上記アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖または 環状であってもよい。アルコキシ基の炭素数は、特に限定されないが、炭素数1ないし20であることが好ましい。具体的に、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、i−プロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、3,3−ジメチルブチルオキシ、2−エチルブチルオキシ、n−オクチルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、ベンジルオキシ、p−メチルベンジルオキシなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0024】
本明細書において、上記アルケニル基は、直鎖または分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、2ないし40であることが好ましい。具体的な例としては、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、1,3−ブタジエニル、アリル、1−フェニルビニル−1−イル、2−フェニルビニル−1−イル、2,2−ジフェニルビニル−1−イル、2−フェニル−2−(ナフチル−1−イル)ビニル−1−イル、2,2−ビス(ジフェニル−1−イル)ビニル−1−イル、スチルベニル基、スチレニル基などがあるが、これらに限定されない。
【0025】
本明細書において、アリール基は、単環式アリール基または多環式アリール基であってもよく、炭素数1ないし25のアルキル基または炭素数1ないし25のアルコキシ基が置換される場合を含む。また、本明細書内におけるアリール基は、芳香族環を意味することができる。
【0026】
上記アリール基が単環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6ないし25であることが好ましい。具体的に、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、スチルベニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0027】
上記アリール基が多環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数10ないし24であることが好ましい。具体的に、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0028】
本明細書において、フルオレニル基は置換されることができ、置換基2個が互いに結合してスピロ構造を形成することができる。
【0029】
上記フルオレニル基が置換される場合
【化7】
などであってもよい。但し、これに限定されるものではない。
【0030】
本明細書において、シリル基は、具体的に、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジフェニルシリル基、フェニルシリル基などがあるが、これに限定されない。
【0031】
本明細書において、複素環基は、異種元素としてO、N及びSのうち1つ以上を含む複素環基であって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2ないし60であることが好ましい。複素環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジン基、トリアゾール基、アクリジル基、ピリダジン基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリン基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジニル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリン基 、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリン基(phenanthroline)、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、フェノチアジニル基及びジベンゾフラニル基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0032】
本明細書において、アリールオキシ基、アリールチオキシ基及びアリールスルホキシ基中のアリール基は、上述したアリール基の例示の通りである。具体的に、アリールオキシ基としては、フェノキシ、p−トリルオキシ、m−トリルオキシ、3,5−ジメチル-フェノキシ、2,4,6−トリメチルフェノキシ、p−tert−ブチルフェノキシ、3−ビフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、4−メチル−1−ナフチルオキシ、5−メチル-2−ナフチルオキシ、1−アントリルオキシ、2−アントリルオキシ、9−アントリルオキシ、1−フェナントリルオキシ、3−フェナントリルオキシ、9−フェナントリルオキシなどがあり、アリールチオキシ基としては、フェニルチオキシ基、2−メチルフェニルチオキシ基、4−tert−ブチルフェニルチオキシ基などがあり、アリールスルホキシ基としては、ベンゼンスルホキシ基、p−トルエンスルホキシ基などがあるが、これに限定されない。
【0033】
本明細書において、アルキルチオキシ基、アルキルスルホキシ基中のアルキル基は、上述したアルキル基の例示の通りである。具体的に、アルキルチオキシ基としては、メチルチオキシ基、エチルチオキシ基、tert−ブチルチオキシ基、ヘキシルチオキシ基、オクチルチオキシ基などがあり、アルキルスルホキシ基としては、メチルスルホキシ基、エチルスルホキシ基、プロピルスルホキシ基、ブチルスルホキシ基などがあるが、これに限定されない。
【0034】
本明細書において、アリーレン基は、アリール基に結合位置が二つあること、すなわち2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基であることを除いては、上述したアリール基の説明が適用されることができる。
【0035】
本明細書において、2価複素環基は、複素環基に結合位置が二つあること、すなわち2価基を意味する。これらはそれぞれ2価基であることを除いては、上述した複素環基の説明が適用されることができる。
【0036】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のAは、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の芳香族または脂肪族の単環6員複素環基である。A位置に多環の環が位置する場合には、合成が容易でないだけでなく、分子量が過度に大きくなって蒸着温度があまりにも高くなり、この場合、工程性が良くない。
【0037】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のAは、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;またはNを含む置換もしくは非置換の単環6員複素環基である。
【0038】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1は、下記化学式2で表されることができる。
【化8】
上記化学式2において、
ないしZは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、ZないしZのうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、残りの置換基は化学式1で定義した通りである。
【0039】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のAは、アルキル基、アリール基または複素環基で置換もしくは非置換のフェニル基;アルキル基、アリール基または複素環基で置換もしくは非置換のビフェニル基;またはアルキル基、アリール基または複素環基で置換もしくは非置換の、N、O及びS原子のうち1つ以上を含む単環6員複素環基である。Aに単環の環が位置する場合には、三重項エネルギーが高くて黄緑色、緑色、青色の燐光ホストとして好適である。
【0040】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のAは、アルキル基、フェニル基またはN含有単環6員複素環基で置換もしくは非置換のフェニル基;アルキル基、フェニル基またはN含有単環6員複素環基で置換もしくは非置換のビフェニル基;またはアルキル基、フェニル基またはN含有単環6員複素環基で置換もしくは非置換のN含有単環6員複素環基である。ここで、N含有単環6員複素環基は、窒素原子を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有する単環構造、例えば、ピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基またはトリアジン基であってもよい。上記アルキル基は、C〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであってもよい。
【0041】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のAは、アルキル基で置換もしくは非置換のフェニル基;またはアルキル基で置換もしくは非置換のビフェニル基である。
【0042】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、置換もしくは非置換のフェニレン;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の2価の単環複素環基である。L位置に多環の環が位置する場合には合成が容易でないだけでなく、分子量が過度に大きくなって蒸着温度があまりにも高くなり、この場合、工程性が良くない。Lに単環の環が位置する場合には、三重項エネルギーが高くて黄緑色、緑色、青色の燐光ホストとして好適である。
【0043】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、置換もしくは非置換のフェニレン;またはNを含む置換もしくは非置換の2価の単環複素環基である。
【0044】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、ハロゲン基、ニトリル基、アルキル基、アリール基または複素環基で置換もしくは非置換のフェニレン;またはハロゲン基、ニトリル基、アルキル基、アリール基または複素環基で置換もしくは非置換の2価の単環N含有複素環基である。
【0045】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、ハロゲン基、ニトリル基、アルキル基、フェニル基またはN含有複素環基で置換もしくは非置換のフェニレン;またはハロゲン基、ニトリル基、アルキル基、フェニル基またはN含有複素環基で置換もしくは非置換の2価のN含有単環複素環基である。
【0046】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、ハロゲン基、ニトリル基、アルキル基、フェニル基またはN含有単環複素環基で置換もしくは非置換のフェニレン;またはハロゲン基、ニトリル基、アルキル基、フェニル基またはN含有単環複素環基で置換もしくは非置換の2価のN含有単環複素環基である。ここで、N含有単環複素環基は、窒素原子を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有する単環構造、例えばピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基またはトリアジン基であってもよい。上記アルキル基は、C〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであってもよい。
【0047】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、カルバゾール構造を含まない。
【0048】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、置換もしくは非置換のアリーレン基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の2価の複素環基である。
【0049】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、置換もしくは非置換の単環アリーレン基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の2価の単環複素環基である。
【0050】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のLは、置換もしくは非置換の単環アリーレン基;または置換もしくは非置換の2価の単環N含有複素環基である。
【0051】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1は、下記化学式3で表されることができる。
【化9】
上記化学式3において、
ないしZは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、ZないしZのうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、
11ないしY15及びY21ないしY25は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、Y11ないしY15及びY21ないしY25のうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、但し、Y11ないしY15のうち一つとY21ないしY25のうち一つは、隣接するカルバゾール基に結合する炭素原子であり、
残りの置換基は、化学式1で定義した通りである。
【0052】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のL及びLは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、ハロゲン基、ニトリル基、アルキル基またはアリール基で置換もしくは非置換のフェニル基;またはハロゲン基、ニトリル基、アルキル基またはアリール基で置換もしくは非置換の単環N含有複素環基である。
【0053】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のL及びLは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フッ素基、ニトリル基、アルキル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフェニル基;またはフッ素基、ニトリル基、アルキル基またはフェニル基で置換もしくは非置換の単環N含有複素環基である。ここで、N含有複素環基は、窒素原子を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有する単環構造、例えばピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基またはトリアジン基であってもよい。上記アルキル基は、C〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであってもよい。
【0054】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のL及びL2は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、フッ素基、ニトリル基、またはアルキル基で置換もしくは非置換のフェニル基である。
【0055】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1において、L及びLは、それぞれ下記のように表されることができる。
【化10】
は、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルボニル基;エステル基;イミド基;アミド基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリールオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルチオキシ基;置換もしくは非置換のアリールチオキシ基;置換もしくは非置換のアルキルスルホキシ基;置換もしくは非置換のアリールスルホキシ基;置換もしくは非置換のアルケニル基;置換もしくは非置換のシリル基;置換もしくは非置換のホウ素基;置換もしくは非置換のアルキルアミン基;置換もしくは非置換のアラルキルアミン基;置換もしくは非置換のアリールアミン基;置換もしくは非置換のヘテロアリールアミン基;置換もしくは非置換のアリールホスフィン基;置換もしくは非置換のホスフィンオキシド基;置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のフルオレニル基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の芳香族または脂肪族の複素環基であり、
fは、0ないし4の整数であり、fが2以上の場合、Rは互いに同一であるか異なっている。
【0056】
本明細書の一つの実施様態によれば、上記構造式において、Rは、ハロゲン基、ニトリル基、アルキル基またはアリール基である。
【0057】
上記化学式1ないし3において、構造式
【化11】
は、下記構造式の中から選択されることができる。
【化12】
【0058】
本明細書の一実施様態によれば、Ar及びArは、互いに同一であるか異なっており、置換もしくは非置換のアリール基;またはN、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の複素環基である。但し、Ar及びArはカルバゾール構造を含まない。ArまたはAr位置にカルバゾールが位置する場合には、合成が容易でない。
【0059】
本明細書の一実施様態によれば、Ar及びArは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、アルキル基、アリール基またはN含有複素環基で置換もしくは非置換のアリール基;またはアルキル基、アリール基またはN含有複素環基で置換または非置換の、N、O及びS原子のうち1つ以上を含む置換もしくは非置換の複素環基である。ここで、N含有複素環基は、窒素原子を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有する単環構造、例えばピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基またはトリアジン基であってもよい。上記アルキル基は、C〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであってもよい。
【0060】
本明細書の一実施様態によれば、Ar及びArは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、アルキル基、フェニル基またはN含有複素環基で置換もしくは非置換のフェニル基;アルキル基、フェニル基またはN含有複素環基で置換もしくは非置換のフルオレニル;またはアルキル基、フェニル基またはN含有複素環基で置換もしくは非置換のN含有複素環基である。ここで、N含有複素環基は、窒素原子を1ないし5個、好ましくは1ないし3個有する単環構造、例えばピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基またはトリアジン基であってもよい。上記アルキル基は、C〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであってもよい。
【0061】
本明細書の一実施様態によれば、Ar及びArは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、アルキル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフェニル基;アルキル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のフルオレニル;またはアルキル基またはフェニル基で置換もしくは非置換のN含有単環複素環基である。ここで、N含有単環複素環基は、ピリジン基、ピリミジン基、ピリダジン基、ピラジン基またはトリアジン基であってもよい。上記アルキル基は、C〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルなどであってもよい。
【0062】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1が下記化学式4で表されることができる。
【化13】
[化4]
上記化学式4において、
ないしZは、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、ZないしZのうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、
11ないしY15及びY21ないしY25は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、Y11ないしY15及びY21ないしY25のうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、但し、Y11ないしY15のうち一つとY21ないしY25のうち一つは、隣接するカルバゾール基に結合する炭素原子であり、
11ないしX15及びX21ないしX25は、互いに同一であるか異なっており、それぞれ独立して、CRまたはNであり、ここで、Rは、RないしRの定義の通りであり、X11ないしX15及びX21ないしX25のうち少なくとも2つがCRの場合、Rは、互いに同一であるか異なっており、
残りの置換基は、化学式1で定義した通りである。
【0063】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1のRないしRが水素である。
【0064】
本明細書の一実施様態によれば、上記化学式1の化合物は、下記構造式で表されることができる。
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【0065】
上記化学式1で表される化合物は、後述する製造例に基づいて製造されることができる。一実施様態によれば、下記反応式1あるいは反応式2のような方式で製造されることができる。
【化28】
上記反応式1において、各置換基の定義は化学式1で定義した通りであり、X及びXは、ハロゲン原子(BrまたはCl)である。
【0066】
また、本明細書は、上記化学式1で表される化合物を含む有機発光素子を提供する。
【0067】
本明細書の一実施様態において、第1電極;上記第1電極と対向して備えられた第2電極;及び上記第1電極と上記第2電極との間に備えられた1層以上の有機物層を含む有機発光素子であって、上記有機物層のうち1層以上は、上記化学式1の化合物を含むものである有機発光素子を提供する。
【0068】
本明細書の有機発光素子の有機物層は、断層構造からなることもできるが、2層以上の有機物層が積層された多層構造からなることができる。例えば、本発明の有機発光素子は、有機物層として正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含む構造を有することができる。しかしながら、有機発光素子の構造は、これに限定されることなく、より少ない数の有機層を含むことができる。
【0069】
本明細書の一実施様態において、上記有機物層は、正孔注入層または正孔輸送層を含み、上記正孔注入層または正孔輸送層は、上記化学式1の化合物を含む。
【0070】
また一つの実施様態において、上記有機物層は、発光層を含み、上記発光層は、上記化学式1の化合物を含む。具体的に、上記化学式1の化合物は、燐光発光層のホストとして含まれることができる。本明細書において、上記燐光発光層は、燐光材料をさらに含むことができる。上記燐光材料は、金属錯体を含有し、上記金属錯体は、Ir、Pt、Os、Au、Cu、Re及びRuから選択される金属原子と配位子を有することが好ましい。
【0071】
好ましい金属錯体の具体例を、以下に示す。
【化29】
【0072】
本明細書の一実施様態において、上記有機物層は、電子輸送層または電子注入層を含み、上記電子輸送層または電子注入層は、上記化学式1の化合物を含む。
【0073】
本明細書の一実施様態において、上記電子輸送層、電子注入層または電子輸送及び電子注入を同時にする層は、上記化学式1の化合物を含む。
【0074】
また一つの実施様態において、上記有機物層は、発光層及び電子輸送層を含み、上記電子輸送層は、上記化学式1の化合物を含む。
【0075】
本明細書の一実施様態において、上記有機物層は、上記化学式1の化合物を含む有機物層以外にアリールアミノ基、カルバゾール基またはベンゾカルバゾール基を含む化合物を含む正孔注入層または正孔輸送層をさらに含む。
【0076】
本明細書の一実施様態において、上記化学式1の化合物を含む有機物層は、上記化学式1の化合物をホストとして含み、他の有機化合物、金属または金属化合物をドーパントとして含む。
【0077】
また一つの実施様態において、有機発光素子は、基板上に陽極、1層以上の有機物層及び陰極が順次積層された構造(normal type)の有機発光素子であってもよい。
【0078】
また一つの実施様態において、有機発光素子は、基板上に、陰極、1層以上の有機物層及び陽極が順次積層された逆方向構造(inverted type)の有機発光素子であってもよい。
【0079】
例えば、本明細書の一実施様態に係る有機発光素子の構造は、図1及び2に例示されている。
【0080】
図1は、基板1、陽極2、発光層3、陰極4からなる有機発光素子の例を示すものである。このような構造において、上記化合物は、上記発光層に含まれることができる。
【0081】
図2は、基板1、陽極2、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8及び陰極4からなる有機発光素子の例を示すものである。このような構造において、上記化合物は、上記正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層のうち1層以上に含まれることができる。
【0082】
本明細書の有機発光素子は、有機物層のうち1層以上が、本明細書の化合物、すなわち上記化学式1の化合物を含むことを除いては、当技術分野に知られている材料と方法で製造されることができる。
【0083】
上記有機発光素子が、複数個の有機物層を含む場合、上記有機物層は同じ物質または異なる物質から形成されることができる。
【0084】
本明細書の有機発光素子は、有機物層のうち1層以上が上記化学式1の化合物、すなわち上記化学式1で表される化合物を含むことを除いては、当技術分野に知られている材料と方法で製造されることができる。
【0085】
例えば、本明細書の有機発光素子は、基板上に第1電極、有機物層及び第2電極を順次積層させることで製造することができる。このとき、スパッタリング法(sputtering)や電子ビーム蒸着法(e-beam evaporation)のようなPVD (physical Vapor Deposition)法を用いて、基板上に金属または導電性を有する金属酸化物またはこれらの合金を蒸着させて陽極を形成し、その上に正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層を含む有機物層を形成した後、その上に陰極として使用できる物質を蒸着させることで製造されることができる。 このような方法以外にも、基板上に陰極物質から有機物層、陽極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作製することができる。
【0086】
また、上記化学式1の化合物は、有機発光素子の製造時に真空蒸着法だけでなく、溶液塗布法によって有機物層として形成されることができる。ここで、溶液塗布法とは、スピンコート、ディップコート、ドクターブレード、インクジェットプリント、スクリーンプリント、スプレー法、ロールコートなどを意味するが、これらにのみ限定されるものではない。
【0087】
このような方法以外にも、基板上に陰極物質から有機物層、陽極物質を順に蒸着させて有機発光素子を作製することもできる(国際特許出願公開第2003/012890号)。但し、製造方法がこれに限定されるものではない。
【0088】
本明細書の一実施様態において、上記第1電極は陽極であり、上記第2電極は陰極である。
【0089】
また一つの実施様態において、上記第1電極は陰極であり、上記第2電極は陽極である。
【0090】
上記陽極物質としては、通常、有機物層への正孔注入が円滑になるように、仕事関数が大きい物質が好ましい。本発明で使用されることができる陽極物質の具体的な例としては、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnO:AlまたはSNO:Sbのような金属と酸化物との組合わせ;ポリ(3−メチルチオフェン)、 ポリ[3,4−(エチレン-1,2−ジオキシ)チオフェン](PEDOT)、ポリピロール及びポリアニリンのような導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0091】
上記陰極物質としては、通常、有機物層への電子注入が容易になるように、仕事関数が小さい物質であることが好ましい。陰極物質の具体的な例としては、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ及び鉛のような金属またはこれらの合金;LiF/AlまたはLiO/Alのような多層構造物質などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0092】
上記正孔注入層は、電極から正孔を注入する層であって、正孔注入物質としては、正孔を輸送する能力を有して陽極における正孔注入の効果、発光層または発光材料に対して優れた正孔注入の効果を有し、 発光層で生成された励起子の電子注入層または電子注入材料への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。正孔注入物質のHOMO(highest occupied molecular orbital)が、陽極物質の仕事関数と周辺有機物層のHOMOとの間であることが好ましい。正孔注入物質の具体的な例としては、金属ポルフィリン(porphyrin)、オリゴチオフェン、アリールアミン系の有機物、ヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン系の有機物、キナクリドン(quinacridone)系の有機物、ペリレン(perylene) 系の有機物、アントラキノン及びポリアニリンとポリチオフェン系の導電性高分子などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0093】
上記正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受取して発光層まで正孔を輸送する層であって、正孔輸送物質としては、陽極や正孔注入層から正孔を輸送されて発光層に移すことができる物質であって、正孔に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては、アリールアミン系の有機物、導電性高分子、及び共役部分と非共役部分とが共にあるブロック共重合体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0094】
上記発光物質としては、正孔輸送層と電子輸送層から正孔と電子をそれぞれ輸送されて結合させることで可視光線領域の光を出すことができる物質であって、蛍光や燐光に対する量子効率の良い物質が好ましい。具体的な例としては、 8−ヒドロキシ−キノリンアルミニウム錯体(Alq); カルバゾール系化合物;二量体化スチリル(dimerized styryl)化合物;BAlq;10−ヒドロキシベンゾキノリン−金属化合物;ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール及びベンゾイミダゾール系の化合物;ポリ(p−フェニレンビニレン)(PPV) 系の高分子;スピロ(spiro)化合物;ポリフルオレン、ルブレンなどがあるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0095】
上記発光層は、ホスト材料及びドーパント材料を含むことができる。ホスト材料は、縮合芳香族環誘導体または複素環含有化合物などがある。具体的に、縮合芳香族環誘導体としては、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、ペンタセン誘導体、フェナントレン化合物、フルオランテン化合物などがあり、複素環含有化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、梯子状フラン化合物、ピリミジン誘導体などがあるが、これに限定されない。
【0096】
ドーパント材料としては、芳香族アミン誘導体、スチリルアミン化合物、ホウ素錯体、フルオランテン化合物、金属錯体などがある。具体的に、芳香族アミン誘導体としては、置換もしくは非置換のアリールアミド基を有する縮合芳香族環誘導体であって、 アリールアミド基を有するピレン、アントラセン、クリセン、ペリフランテンなどがあり、スチリルアミン化合物としては、置換もしくは非置換のアリールアミンに少なくとも1個のアリールビニル基が置換されている化合物であって、アリール基、シリル基、アルキル基、シクロアルキル基及びアリールアミド基からなる群より1または2以上選択される置換基が置換もしくは非置換される。具体的に、スチリルアミン、スチリルジアミン、スチリルトリアミン、スチリルテトラアミンなどがあるが、これに限定されない。また、金属錯体としては、イリジウム錯体、白金錯体などがあるが、これに限定されない。
【0097】
上記電子輸送層は、電子注入層から電子を受取して発光層まで電子を輸送する層であって、電子輸送物質としては、陰極から電子をよく注入されて発光層に移すことができる物質であって、電子に対する移動性の大きい物質が好適である。具体的な例としては、8−ヒドロキシキノリンのAl錯体;Alqを含む錯体;有機ラジカル化合物;ヒドロキシフラボン−金属錯体などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。電子輸送層は、従来の技術によって使用されたように、任意の所望のカソード物質と共に使用することができる。特に、適切なカソード物質の例は、低い仕事関数を有し、アルミニウム層または銀層が伴う通常の物質である。具体的に、セシウム、バリウム、カルシウム、イッテルビウム及びサマリウムであり、各場合、アルミニウム層または銀層が伴う。
【0098】
上記電子注入層は、電極から電子を注入する層であって、電子を輸送する能力を有し、陰極からの電子注入の効果、発光層または発光材料に対して優れた電子注入の効果を有し、発光層で生成された励起子の正孔注入層への移動を防止し、また、薄膜形成能力に優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フルオレニリデンメタン、アントロンなどと、それらの誘導体、金属錯体化合物及び含窒素5員環誘導体などがあるが、これに限定されない。
【0099】
上記金属錯体化合物としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(2−ナフトラート)ガリウムなどがあるが、これに限定されない。
【0100】
本明細書に係る有機発光素子は、使用される材料によって前面発光型、後面発光型または両面発光型であってもよい。
【0101】
本明細書の一実施様態において、上記化学式1の化合物は、有機発光素子以外にも、有機太陽電池または有機トランジスタに含まれることができる。
【0102】
上記化学式1で表される化合物及びこれを含む有機発光素子の製造は、以下の実施例で具体的に説明する。ところが、下記実施例は、本明細書を例示するためのものであり、本明細書の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0103】
<実施例>
<製造例1> 化学式P1の製造
【化30】
【0104】
2−ブロモカルバゾール(10.0g、40.6mmol)、2,4−ジフェニル−6−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−1,3,5−トリアジン(2,4-diphenyl-6-(3-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)phenyl)-1,3,5-triazine)(18.1g、41.5mmol)、及び炭酸カリウム(17.0g、123mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)及び水(50mL)の混合物内に懸濁させた。窒素充填後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.9g、0.7mmol)を上記懸濁液に加えた。窒素下で、混合物を還流で約12時間撹拌した。室温に冷却後、生成された固体を濾過した。淡黄色の固体をクロロホルムに沈殿させて撹拌後、濾過し乾燥して白色の固体P1(17.8g、92%)を得た。
【0105】
製造例1の化合物P1の製造方法によって化合物P2〜P40を製造した。その構造と形状、収率、MSを、下記表にまとめた。
【0106】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0107】
<製造例41> 化学式1−1の製造
【化31】
【0108】
化合物P1(8.2g、17.2mmol)と 3−(3−クロロフェニル)−9−フェニル−9H−カルバゾール(6.0g、16.9mmol)、 ビス(トリ−tert−ブチルホスフィン)パラジウム(0.1g、0.2mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(2.8g,29.1mmol)を混ぜて、窒素下でキシレン(50ml)で6時間撹拌しながら還流させた。常温に温度を下げた後、生成された固体を濾過した。淡黄色の固体をクロロホルムで溶かして硫酸マグネシウムと酸性白土を入れて撹拌した後、濾過して減圧蒸留した。クロロホルムとエチルアセテートを用いて再結晶して、白色の固体化合物である化学式1−1(8.8g、64%)を得た。
【0109】
製造例41の化学式1−1の製造方法によって化合物化学式1−2ないし1−231を製造した。その構造と形状、収率、MSを、下記表にまとめた。
【0110】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【0111】
図3ないし図16は、主要化合物の合成確認資料を示す。
【0112】
<実験例1>
ITO(indium tin oxide)が1,500Åの厚さで薄膜コーティングされたガラス基板を、洗剤を溶かした蒸留水に入れて超音波で洗浄した。このとき、洗剤としては、フィッシャー社(Fischer Co.)製を使用し、蒸留水としては、ミリポア社(Millipore Co.)製のフィルター(Filter)で2次で濾過された蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水で2回繰り返して超音波洗浄を10分間進行した。蒸留水洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの溶剤で超音波洗浄をして乾燥させた後、プラズマ洗浄機に輸送させた。また、酸素プラズマを用いて上記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着器に基板を輸送させた。
【0113】
このように用意されたITO透明電極の上に、下記化学式のヘキサニトリルヘキサアザトリフェニレン(hexanitrile hexaazatriphenylene;HAT)を500Åの厚さで熱真空蒸着して、正孔注入層を形成した。
【化32】
【0114】
上記正孔注入層の上に下記構造のNPB(N, N-Bis-(1-naphthalenyl)-N, N-bis-phenyl-(1, 1-biphenyl)-4, 4-diamine)化合物を400Åの厚さで熱真空蒸着して、正孔輸送層を形成した。
【化33】
【0115】
次いで、上記正孔輸送層の上に膜厚300Åで、上記製造例41で製造された化学式1−1の化合物をIr(ppy) ドーパントと10%濃度で真空蒸着して、発光層を形成した.
【0116】
上記発光層の上に、下記のような電子輸送物質を200Åの厚さで真空蒸着して、電子注入及び輸送層を形成した。
【化34】
【0117】
上記電子注入及び輸送層の上に順次に12Åの厚さでフッ化リチウム(LiF)と2,000Åの厚さでアルミニウムを蒸着して、陰極を形成した。
【0118】
上記の過程で有機物の蒸着速度は、0.4〜0.7Å/secを維持し、陰極のフッ化リチウムは0.3Å/sec、アルミニウムは2Å/secの蒸着速度を維持し、蒸着時の真空度は2×10−7〜5 ×10−8torrを維持した。
【0119】
<実験例2>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−2の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0120】
<実験例3>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−4の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0121】
<実験例4>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−23の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0122】
<実験例5>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−29の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0123】
<実験例6>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−40の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0124】
<実験例7>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−62の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0125】
<実験例8>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−74の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0126】
<実験例9>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−98の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0127】
<実験例10>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−109の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0128】
<実験例11>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−142の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0129】
<実験例12>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−152の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0130】
<実験例13>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−200の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0131】
<実験例14>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−211の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0132】
<実験例15>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−219の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0133】
<実験例16>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに化学式1−231の化合物を使用したこと以外には、同一に実験した。
【0134】
<比較例1>
上記実験例1で化学式1−1の化合物の代わりに下記のH1を使用したこと以外には、同一に実験した。
【化35】
【0135】
上記実験例1〜16及び比較例1でそれぞれの化合物を発光層として使用して作製した素子の結果を、表1に示す。
【0136】
【表15】
【0137】
上記表1から確認できるように、実験例1ないし16は、本明細書の化合物が緑色発光層のホストとして用いられることができ、比較例1よりも低電圧特性と向上した効率を有することできるということを示している。
【0138】
〈符号の説明〉
1:基板
2: 陽極
3:発光層
4:陰極
5:正孔注入層
6:正孔輸送層
7:発光層
8:電子輸送層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16