特許第6231693号(P6231693)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6231693ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6231693
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/04 20060101AFI20171106BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20171106BHJP
   C09J 7/02 20060101ALI20171106BHJP
【FI】
   C09J133/04
   C09J11/04
   C09J7/02 Z
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-544295(P2016-544295)
(86)(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公表番号】特表2016-538407(P2016-538407A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】KR2014008880
(87)【国際公開番号】WO2015046872
(87)【国際公開日】20150402
【審査請求日】2016年3月16日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0114502
(32)【優先日】2013年9月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ミ・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−ミン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ウォン・ハ
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・スプ・ハン
(72)【発明者】
【氏名】コン・ジュ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】クムヒョン・イ
【審査官】 上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−007132(JP,A)
【文献】 特開平11−349910(JP,A)
【文献】 特開2004−277601(JP,A)
【文献】 特開2013−151634(JP,A)
【文献】 特開2003−327933(JP,A)
【文献】 特表平10−511126(JP,A)
【文献】 特表2002−535475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00−201/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)単官能(メタ)アクリレート系単量体と、前記単官能(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対してカルボキシル基を有する単量体及びビニルエステル基を有する単量体の混合物1〜20重量部、内部架橋剤0.01〜1重量部を含む混合単量体、及びダイアセトンアクリルアミド0.1〜3重量部の反応で得られたアクリル系エマルジョン樹脂と、
(B)アルカリ中和剤と、
(C)前記アクリル系エマルジョン樹脂100重量部に対して0.1〜1重量部の外部架橋剤とを含むことを特徴とする、ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物であって、
前記アルカリ中和剤は、1価金属または2価金属の水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択される1種以上であり、
前記外部架橋剤は、アジピン酸ジヒドラジド(adipic acid dihydrazide;ADH)である有機系架橋剤または無機系架橋剤である、ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項2】
前記単官能(メタ)アクリレート系単量体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1つまたは2つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項3】
前記単官能(メタ)アクリレート系単量体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1つまたは2つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項4】
前記カルボキシル基を含む単量体は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、無水クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ミリストレイン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項5】
前記ビニルエステル基を含む単量体は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、及びラウリン酸ビニルからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項6】
前記アクリル系エマルジョン樹脂(A)は、
単官能(メタ)アクリレート系単量体と、前記単官能(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して、カルボキシル基を有する単量体0.5〜4重量部、ビニルエステル基を有する単量体8〜14重量部、内部架橋剤0.05〜0.5重量部を含む混合単量体、及びダイアセトンアクリルアミド0.5〜2重量部の反応で得られたことを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項7】
前記内部架橋剤は、アリルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート、ヘキサンジオールプロポキシレートジアクリレート、ネオペンチルグリコールエトキシレートジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジアクリレート、トリメチルプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチルプロパンプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートトリアクリレート、ビニルトリメトキシシラン、及びジビニルベンゼンからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項8】
前記アルカリ中和剤は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項9】
前記無機系架橋剤は、アルミニウムアセチルアセトネート、酢酸アルミニウム、酢酸亜鉛、酢酸クロム、亜鉛アンモニウムカーボネート、及びジルコニウムアンモニウムカーボネートからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項10】
前記外部架橋剤は、前記アクリル系エマルジョン樹脂100重量部に対して0.1〜0.5重量部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物。
【請求項11】
(A)単官能(メタ)アクリレート系単量体と、前記単官能(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して1〜20重量部のカルボキシル基を有する単量体及びビニルエステル基を有する単量体の混合物、0.01〜1重量部の内部架橋剤を混合し、0.1〜5重量部の第1重合開始剤を添加して、プレエマルジョンを製造するステップと、
(B)前記ステップ(A)のプレエマルジョンにダイアセトンアクリルアミド0.1〜3重量部を混合し、0.1〜5重量部の第2重合開始剤を添加して、アクリル系エマルジョン樹脂を製造するステップと、
(C)前記ステップ(B)のアクリル系エマルジョン樹脂をアルカリ中和剤を使用して中和するステップと、
(D)前記ステップ(C)のアクリル系エマルジョン樹脂100重量部に対して外部架橋剤0.1〜1重量部を使用して前記アクリル系エマルジョン樹脂を架橋させるステップと、
を含むことを特徴とする、ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物の製造方法であって、
前記アルカリ中和剤は、1価金属または2価金属の水酸化物及び炭酸塩からなる群から選択される1種以上であり、
前記外部架橋剤は、アジピン酸ジヒドラジド(adipic acid dihydrazide;ADH)である有機系架橋剤または無機系架橋剤である、ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物の製造方法。
【請求項12】
前記第1重合開始剤及び第2重合開始剤は、それぞれアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩、及び水溶性重合開始剤からなる群から選択される1つであることを特徴とする、請求項11に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物の製造方法。
【請求項13】
前記単官能(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して0.3〜1.2重量部の第1重合開始剤を添加することを特徴とする、請求項11に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物の製造方法。
【請求項14】
前記単官能(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して0.1〜0.5重量部の第2重合開始剤を添加することを特徴とする、請求項11に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物の製造方法。
【請求項15】
請求項1に記載のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物がフィルムの片面又は両面に塗布されて形成されたことを特徴とする、ポリプロピレンフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部架橋剤を含むポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常ラベルあるいはラベルステッカーと呼ばれる粘着ラベルは、製品の商標、広告はもちろん、印刷、化学、医薬品、化粧品、食品産業、家電製品、自動車、文具などのほとんどの産業分野で使用されている。一般に、粘着ラベルが付着される被着物の素材として、アート紙、模造紙、ミラー紙、金銀紙、感熱紙、クラフト紙、蛍光紙、滅菌紙、印画紙などの紙類、またはPET、PVC、PE、PP、PS、PIなどのフィルム類が使用され、通常、表面に一定の印刷を経て最終製品に適用され得る。
【0003】
このような粘着ラベルに使用される粘着剤は、用途に応じて粘着力の強度が決定される。例えば、永久型(permanent)粘着剤は、標準被着物を使用して180度の剥離強度を基準として約8N/in以上の強い粘着力を示すが、紙を表面紙として使用する場合、再剥離時に紙の破壊が起こる。一方、再剥離型(removable)粘着剤は、標準被着物を使用して180度の剥離強度を基準として約5〜8N/inの粘着力を示し、必要に応じて再剥離が可能な水準の粘着力を示し、大概一時的にラベルを付着する用途に使用される。すなわち、粘着剤は、目的に応じて、永久的あるいは一時的に付着される用途に区分できる。
【0004】
一般的に粘着剤の物性を示す項目として、初期粘着力(initial tack)、維持力(shear resistance)、剥離力(peel strength)があり、その他に、製品群の細部分類や用途に応じて、低温粘着力(low temperature adhesion)、老化後の粘着力、寸法安定性(dimensional stability)、耐化学性(chemical resistance)、マンドレルホールド(Mandrel hold)などの様々なテスト方法が存在する。
【0005】
通常、永久型粘着剤は、持続粘着力、初期粘着力、維持力がいずれも優れた製品のことをいい、最近、粘着剤が適用される粘着ラベルが多様化されるに伴い、特定の基材に対する粘着力を向上させると同時に、安定性及びコーティング性を保持することができる技術に対する必要性が高い実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような従来技術を補完し、過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0007】
本出願の発明者らは、様々な実験を重ねた結果、ダイアセトンアクリルアミドと所定の外部架橋剤を一定の含量で含む粘着剤組成物をポリプロピレンフィルムに使用する場合、初期粘着力、維持力、剥離力がいずれも向上して優れた粘着性を発揮することができることを確認し、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、本発明に係るポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物は、(A)(メタ)アクリレート系単量体と、前記(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対してカルボキシル基及び/又はビニルエステル基を有する単量体、またはこれらの混合物1〜20重量部、内部架橋剤0.01〜1重量部を含む混合単量体、及びダイアセトンアクリルアミド0.1〜3重量部の反応で得られたアクリル系エマルジョン樹脂;(B)アルカリ中和剤;及び(C)0.1〜1重量部の外部架橋剤を含むことを特徴とする。
【0009】
本明細書において使用された用語、“混合単量体”は、前記単量体をベースとしてアクリル系エマルジョン樹脂(A)が重合されるものであれば特に制限がなく、例えば、前記単量体が共に混合された状態で投入されて重合されてもよく、前記単量体が順次投入されて重合されてもよいなど、多様である。
【0010】
下記に示したように、本発明に係る粘着剤組成物は、所定の単量体を重合して製造されたプレエマルジョンをダイアセトンアクリルアミドと重合反応させてアクリル系エマルジョン樹脂を製造し、その後、所定の外部架橋剤を使用して追加的に重合反応させるステップを含んで製造されるので、特にポリプロピレンフィルムに使用する場合、初期粘着力及び剥離力の低下なしに維持力を大きく向上させることができる。
【0011】
一具体例において、前記(メタ)アクリレート系単量体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、n−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1つまたは2つ以上であってもよく、詳細には、前記(メタ)アクリレート系単量体は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群から選択される1つまたは2つ以上であってもよい。
【0012】
詳細には、前記(メタ)アクリレート系単量体は、(メタ)アクリレート系単量体の全重量を基準として、ブチルアクリレート40〜80重量%、2−エチルヘキシルアクリレート15〜50重量%、及びメチルメタクリレート2〜20重量%の混合物であってもよい。
【0013】
詳細には、前記カルボキシル基及び/又はビニルエステル基を有する単量体、またはこれらの混合物は、(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して9〜18重量部を含むことができる。前記カルボキシル基及び/又はビニルエステル基を有する単量体、またはこれらの混合物の含量が少なすぎる場合、粘着剤が柔軟になりすぎて十分な粘着物性を確保することができず、多すぎる場合、粘着剤が硬くなりすぎて著しい粘着力の低下が発生するため好ましくない。
【0014】
前記カルボキシル基を含む単量体は、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、無水クロトン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ミリストレイン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸からなる群から選択される1種以上であってもよく、より詳細には、(メタ)アクリル酸であってもよい。
【0015】
前記ビニルエステル基を含む単量体は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、及びビニルピロリドンからなる群から選択される1種以上であってもよく、より詳細には酢酸ビニルであってもよい。
【0016】
詳細には、前記アクリル系エマルジョン樹脂(A)は、(メタ)アクリレート系単量体と、前記(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して、カルボキシル基を有する単量体0.5〜4重量部、ビニルエステル基を有する単量体8〜14重量部、内部架橋剤0.05〜0.5重量部を含む混合単量体、及びダイアセトンアクリルアミド0.5〜2重量部の反応で得ることができる。
【0017】
前記アクリル酸の含量が少なすぎる場合、初期粘着力、剥離力、維持力などの粘着剤の諸特性が減少することがあり、アクリル酸の含量が多すぎる場合、維持力は増加するが、初期粘着力及び剥離力が減少することがある。したがって、前記カルボキシル基を有する単量体の含量は、(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して0.8〜2.5の範囲であってもよく、より詳細には、1.3〜1.8の範囲であってもよい。
【0018】
また、前記ダイアセトンアクリルアミドの含量が少なすぎる場合、その効果を十分に発揮できないため粘着物性が低下し、多すぎる場合、初期粘着力及び剥離力が低下し得るため好ましくない。したがって、前記ダイアセトンアクリルアミドの含量は、(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して1.2〜1.8の範囲であってもよい。
【0019】
前記内部架橋剤は、維持力を補強するために添加されるものであって、アリルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート、ヘキサンジオールプロポキシレートジアクリレート、ネオペンチルグリコールエトキシレートジアクリレート、ネオペンチルグリコールプロポキシレートジアクリレート、トリメチルプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチルプロパンプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールプロポキシレートトリアクリレート、ビニルトリメトキシシラン、及びジビニルベンゼンからなる群から選択される1種以上であってもよく、詳細には、ポリエチレングリコールジアクリレートであってもよい。
【0020】
前記アルカリ中和剤(B)は、1価金属または2価金属の水酸化物、塩化物、炭酸塩、及び有機アミンからなる群から選択される1種以上であってもよく、より詳細には、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アニリン及びジエチルアミンからなる群から選択される1種以上であってもよく、より詳細には水酸化ナトリウムであってもよい。
【0021】
前記外部架橋剤は、有機系架橋剤または無機系架橋剤であってもよい。
【0022】
詳細には、前記有機系架橋剤はアジピン酸ジヒドラジド(adipic acid dihydrazide;ADH)であってもよく、前記無機系架橋剤は、アルミニウムアセチルアセトネート、酢酸アルミニウム、酢酸亜鉛、酢酸クロム、亜鉛アンモニウムカーボネート、及びジルコニウムアンモニウムカーボネートからなる群から選択される1種以上であってもよく、特にアジピン酸ジヒドラジド(adipic acid dihydrazide;ADH)を好ましく使用することができる。
【0023】
前記外部架橋剤は、前記アクリル系エマルジョン樹脂100重量部に対して0.1〜0.5重量部を含むことができる。前記外部架橋剤の含量が少なすぎる場合、その効果を十分に発揮できないため粘着物性が低下し、多すぎる場合、初期粘着力及び剥離力が低下し得るため好ましくない。
【0024】
本発明はまた、前記ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物の製造方法を提供する。
【0025】
前記ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物の製造方法は、
【0026】
(A)(メタ)アクリレート系単量体と、前記(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して1〜20重量部のカルボキシル基又はビニルエステル基を有する単量体、またはこれらの混合物、0.01〜1重量部の内部架橋剤を混合し、0.1〜5重量部の第1重合開始剤を添加して、プレエマルジョンを製造するステップと、
【0027】
(B)前記ステップ(A)のプレエマルジョンにダイアセトンアクリルアミド0.1〜3重量部を混合し、0.1〜5重量部の第2重合開始剤を添加して、アクリル系エマルジョン樹脂を製造するステップと、
【0028】
(C)前記ステップ(B)のアクリル系エマルジョン樹脂100重量部に対してアルカリ中和剤を使用して前記アクリル系エマルジョン樹脂を中和するステップと、
【0029】
(D)前記ステップ(C)のアクリル系エマルジョン樹脂100重量部に対して外部架橋剤0.1〜1重量部を使用して前記アクリル系エマルジョン樹脂を架橋させるステップと、を含む。
【0030】
本発明に係る製造方法は、所定の単量体を重合して製造されたプレエマルジョンをダイアセトンアクリルアミドと重合反応させてアクリル系エマルジョン樹脂を製造する2つのステップの重合過程を含む。この場合、アクリル系エマルジョン樹脂の外郭には、外部架橋剤との反応性の高いダイアセトンアクリルアミドが位置するので、それによって外部架橋剤の効果をより一層高めることができ、維持力を向上させることができるので、結果的に、これによるポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物は、初期粘着力及び剥離力の低下なしに維持力を大きく向上させることができる。
【0031】
アクリル系エマルジョン樹脂の重合は、溶液、UV、バルク、乳化、懸濁重合をはじめとする一般的な重合法により製造することができ、より好ましくは、乳化重合が適し得る。本発明の乳化重合に使用される第1重合開始剤及び第2重合開始剤は、例えば、それぞれアンモニウム又はアルカリ金属の過硫酸塩、及び水溶性重合開始剤からなる群から選択される1つであってもよく、詳細には過硫酸アンモニウムであってもよい。
【0032】
重合開始剤の含量が過度に少ないまたは多い場合、適切な水準の重合反応が起こることができないため、前記第1重合開始剤の含量は、詳細には、(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して0.3〜1.2重量部であってもよく、前記第2重合開始剤の含量は、詳細には、(メタ)アクリレート系単量体100重量部に対して0.1〜0.5重量部であってもよい。
【0033】
本発明のアクリル系エマルジョン樹脂の重合に使用される乳化剤は、当業界で一般的に乳化重合に使用される乳化剤から選択することができ、具体的な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルアリールナフタレン硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキシド硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマーなどの非イオン系乳化剤などであってもよく、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0034】
前記乳化剤は、重合に使用される単量体及び架橋剤の合計100重量部を基準として、0.5〜3重量部使用することが好ましい。
【0035】
前記アクリル系エマルジョン樹脂は、アルカリ性物質で酸度(pH)を調整することができ、アクリル系エマルジョン樹脂のpHは、詳細には6〜9であってもよく、より詳細には7〜8であってもよい。
【0036】
前記重合反応の温度は、詳細には0〜100℃であってもよく、より詳細には、粘着剤の物性を考慮するとき、40〜90℃であってもよく、前記開始剤を単独、または前記開始剤と前記還元剤のうちの1種以上を混合して使用する方法などで調節することができる。
【0037】
本発明のポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物を製造するにおいて、必要に応じて、粘着付与剤、消泡剤、浸潤剤、増粘剤、分散剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、腐敗防止剤、充填剤などの添加剤をさらに使用することができる。
【0038】
前記で製造されたポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物は、粘着ラベル用表面紙としてのポリプロピレンフィルムに好ましく使用することができる。
【0039】
本発明は、前記ポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物がフィルムの片面又は両面に塗布されて形成されたことを特徴とするポリプロピレンフィルムを提供し、前記ポリプロピレンフィルムに塗布された粘着剤層は、10〜30μmの厚さであってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0040】
<実施例1>
【0041】
温度計、撹拌機、滴下漏斗、窒素導入管及び還流冷却器を備えた2L容量のガラス反応器に、水160gを入れ、攪拌しながら、反応器の内部を窒素で置換した後、窒素雰囲気下で80℃に昇温させ、これを60分間維持した。
【0042】
別途に、プレエマルジョンの製造のために、ビーカーにブチルアクリレート360g、2−エチルヘキシルアクリレート230g、酢酸ビニル70g、メチルメタクリレート40g、アクリル酸10g、ポリエチレングリコールジアクリレート1g及びn−ドデシルメルカプタン0.3gが混合された混合物に、30%ソジウムラウリルサルフェート溶液5g、30%ソジウムポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート15g、50%アルキルジフェニルオキシドジスルホネート7g、ソジウムカーボネート2g、ソジウムメチルアリルスルホネート3g及び水160gからなる溶液を投入し、撹拌機で攪拌して、白濁の乳化液を製造した。
【0043】
前記ガラス反応器に、10%過硫酸アンモニウム溶液3.5gを投入し、10分間攪拌して溶解させた。
【0044】
前記ガラス反応器に、前記乳化液と10%過硫酸アンモニウム溶液90gを4時間の間均等に連続投入した。反応3時間後、30%希釈されたダイアセトンアクリルアミド10gを乳化液に投入して十分に攪拌させた後、前記反応器に継続的に投入した。その後、10%過硫酸アンモニウム溶液2gをさらに投入した後、30分間80℃に昇温し、この温度を1時間の間維持させた後、常温に冷却して、アクリル系エマルジョンを製造した。
【0045】
前記アクリル系エマルジョンに7%水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを7〜8に調節した。架橋剤は、アジピン酸ジヒドラジド(adipic acid dihydrazide;ADH)10%水溶液を2g添加して30分攪拌した。
【0046】
<実施例2>
【0047】
前記実施例1の製造過程において、プレエマルジョンの製造時にFunctional monomerであるアクリル酸を8g投入した以外は、同様の方法で実施した。
【0048】
<実施例3>
【0049】
前記実施例1の製造過程において、プレエマルジョンの製造時にFunctional monomerであるアクリル酸を13g投入した以外は、同様の方法で実施した。
【0050】
<実施例4>
【0051】
前記実施例1の製造過程において、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレートを3g使用した以外は、同様の方法で実施した。
【0052】
<比較例1>
【0053】
前記実施例1の製造過程において、ダイアセトンアクリルアミドとADHを使用しなかった以外は、同様の方法で実施した。
【0054】
<比較例2>
【0055】
前記実施例2の製造過程において、ダイアセトンアクリルアミドとADHを使用しなかった以外は、同様の方法で実施した。
【0056】
<比較例3>
【0057】
前記実施例3の製造過程において、ダイアセトンアクリルアミドとADHを使用しなかった以外は、同様の方法で実施した。
【0058】
<比較例4>
【0059】
前記実施例1の製造過程において、架橋剤をイソブトキシメチルアクリルアミドに変更した以外は、同様の方法で実施した。
【0060】
<比較例5>
【0061】
前記実施例1の製造過程において、中和剤を28%アンモニア水溶液に変更した以外は、同様の方法で実施した。
【0062】
<比較例6>
【0063】
前記実施例2の製造過程において、中和剤を28%アンモニア水溶液に変更した以外は、同様の方法で実施した。
【0064】
<比較例7>
【0065】
前記実施例3の製造過程において、中和剤を28%アンモニア水溶液に変更した以外は、同様の方法で実施した。
【0066】
<比較例10>
【0067】
前記実施例1の製造過程において、中和剤として7%水酸化ナトリウム水溶液を使用しなかった以外は、同様の方法で実施した。
【0068】
<比較例11>
【0069】
前記実施例1の製造過程において、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレートを使用しなかった以外は、同様の方法で実施した。
【0070】
<比較例12>
【0071】
前記実施例1の製造過程において、内部架橋剤としてポリエチレングリコールジアクリレートを11g使用した以外は、同様の方法で実施した。
【0072】
<実験例1>
【0073】
粘着剤がコーティングされた粘着試片の製造
【0074】
前記アクリル系エマルジョンを39μmのPETフィルム上に塗布し、120℃のオーブンで1分間乾燥して、アクリル系エマルジョン粘着層が17μmの厚さを有するようにした。これをシリコン離型紙シートに塗布し、120℃のオーブンで1分間乾燥して、ポリプロピレンフィルムにラミネートして粘着テープを作り、1inchx200mmの大きさに裁断して、粘着テープシートを製造した。
【0075】
前記実施例1〜3及び比較例1〜7から製造されたアクリル系エマルジョン粘着剤の粘着特性を下記の方法で試験し、その結果を下記表1に示す。
【0076】
*初期粘着力試験:試験法FINAT TEST METHOD NO.9に準拠して、アクリル系エマルジョン粘着剤の粘着テープシートを環状に作って、ガラスの表面に圧力を加えずに貼り付け、5秒後、TA Texture Analyzer機器を使用して300mm/minの速度で剥離しながら測定した。
【0077】
*剥離力試験:試験法FINAT TEST METHOD NO.2に準拠して、アクリル系エマルジョン粘着剤の粘着テープシートを、2kgローラを300mm/minの速度で2回往復させてガラス板上に付着させ、20分間常温で熟成させた後、TA Texture Analyzer機器を使用して300mm/minの速度で90度剥離しながら測定した。
【0078】
*維持力試験:試験法FINAT TEST METHOD NO.8に準拠して、アクリル系エマルジョン粘着剤の紙ラベル試片をステンレススチールの表面(SUS304)に付着面が1x1inchになるように付着した後、シートの先端に1kgの錘をぶら下げ、錘が落ちる時間を測定する。
【0079】
<比較例8>
【0080】
前記実施例1の粘着剤を用いた粘着試片の製造時に、実験例1におけるポリプロピレンフィルムではなく、紙にラミネートして粘着テープを製造した。
【0081】
<比較例9>
【0082】
前記実施例1の粘着剤を用いた粘着試片の製造時に、実験例1におけるポリプロピレンフィルムではなく、PVCにラミネートして粘着テープを製造した。
【0083】
【表1】
【0084】
前記表1からわかるように、実施例1〜4による組成物をポリプロピレンフィルムに使用する場合、比較例1〜12による組成物と比較して、初期粘着力及び剥離力の低下なしに維持力が向上することがわかる。
【0085】
具体的に、実施例1は、初期粘着力及び剥離力に優れ、特に維持力が非常に高いという結果を示した。実施例1と比較してアクリル酸の量が少ない実施例2では、相対的に全ての物性が低下する傾向を示し、アクリル酸の量を増量した実施例3では、高い維持力を示したが、これに反して初期粘着力と剥離力が減少することがわかる。
【0086】
アジピン酸ジヒドラジド(ADH)は、粘着剤内でカルボニル基を有するダイアセトンアクリルアミド(DAAM)とカップリングによって架橋される。それだけでなく、モノマーとして使用されるアクリル酸もカルボニル基を有しているので、カップリング反応に影響を及ぼすと知られている。この実験では、アクリル酸の量を調節することによって、目標とする物性を得ることができた。すなわち、適正水準以上のアクリル酸を使用した場合、維持力が増加する一方、他の粘着物性が低下し、少ない量を使用したときは望むだけの維持力を得ることができない。
【0087】
比較例1〜3を比較したとき、外部架橋剤を使用しない場合、維持力が著しく低下することがわかる。比較例2及び3の場合、初期粘着力及び剥離力が多少上昇する傾向を示したが、上昇する程度に比べて維持力が著しく低下してしまい、ポリプロピレンフィルム用粘着剤として活用するのに不向きであった。
【0088】
また、比較例4からわかるように、アミド系架橋剤であるイソブトキシメチルアクリルアミドを使用して実験した場合、維持力が実施例1の水準だけ大きく増加せず、初期粘着力及び剥離力物性の低下が生じた。ポリプロピレンフィルム用水性粘着剤の組成においてアミド系架橋剤対比DAAM/ADH架橋剤の効果が非常に大きく現れることがわかる。
【0089】
比較例5〜7を比較したとき、中和剤として水酸化ナトリウムの代わりにアンモニアを使用した場合、維持力が著しく減少した。したがって、DAAM/ADH外部架橋剤の使用時に水酸化ナトリウムで中和した場合、ポリプロピレンフィルムでの維持力が非常に優れることがわかる。
【0090】
特に、この組成の粘着剤がポリプロピレンフィルムに優れた効果を奏することを、比較例8及び9の結果を通じて確認できる。比較例8において、粘着物性の測定のための粘着シートの作製時に、ポリプロピレンフィルムではなく紙にラミネートして物性を測定した場合、維持力が大きく増加しなかった。また、比較例9において、ポリプロピレンフィルムの代わりにPVCにラミネートして物性を測定した場合、維持力が少し増加したが、初期粘着力及び剥離力が大きく低下した。したがって、比較例8及び9からわかるように、粘着剤の物性の測定時に、粘着剤がコーティングされている基材に大きく影響を受けることがわかる。すなわち、ポリプロピレンフィルムでのDAAM/ADH架橋剤の影響が、紙やPVCと比較して、初期粘着力及び剥離力の粘着物性がほぼ同一であり、特に、維持力物性では非常に卓越した効果を奏する特徴を示すことがわかる。
【0091】
また、比較例12の場合、維持力は実施例4の水準だけ増加したが、初期粘着力及び剥離力物性の低下が生じた。
【0092】
本発明に係るポリプロピレンフィルム粘着剤組成物は、水性粘着剤であって、初期粘着力及び剥離力が一定水準以上に高く、特に高い数値の維持力を示す。特に、所定含量のアクリル酸が含まれた場合に適した中和剤を選択して使用することによって、外部架橋剤の効果を大きく向上させることができ、粘着シートの作製時に使用した基材の中でも特にポリプロピレンフィルムに使用した場合に、非常に優れた維持力を示すことがわかる。
【0093】
これによって、ポリプロピレンフィルム用粘着剤として、初期粘着力及び剥離力の低下なしに非常に高い維持力を示すアクリル系水性粘着剤を開発することができる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上の説明のように、本発明に係るポリプロピレンフィルム用粘着剤組成物は、所定の単量体を重合して製造されたプレエマルジョンをダイアセトンアクリルアミドと重合反応させてアクリル系エマルジョン樹脂を製造し、その後、所定の外部架橋剤を使用して重合反応させるステップを含んで製造されるので、特にポリプロピレンフィルムに使用する場合、初期粘着力及び剥離力の低下なしに維持力を大きく向上させることができる。
【0095】
本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記内容に基づいて本発明の範疇内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。