特許第6232002号(P6232002)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー・ケム・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6232002-ケーブル型二次電池 図000002
  • 特許6232002-ケーブル型二次電池 図000003
  • 特許6232002-ケーブル型二次電池 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232002
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ケーブル型二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/058 20100101AFI20171106BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 10/0565 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 4/75 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/66 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/485 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 4/38 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/42 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/44 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/46 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/48 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 4/36 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20171106BHJP
   H01M 4/78 20060101ALI20171106BHJP
   H01M 10/04 20060101ALN20171106BHJP
【FI】
   H01M10/058
   H01M10/052
   H01M10/0565
   H01M4/75 Z
   H01M4/66 A
   H01M4/485
   H01M4/38 Z
   H01M4/42
   H01M4/44
   H01M4/46
   H01M4/48
   H01M4/36 E
   H01M4/587
   H01M4/505
   H01M4/525
   H01M4/58
   H01M4/78 A
   !H01M10/04 Z
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-12658(P2015-12658)
(22)【出願日】2015年1月26日
(62)【分割の表示】特願2013-525801(P2013-525801)の分割
【原出願日】2011年6月7日
(65)【公開番号】特開2015-133322(P2015-133322A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0082593
(32)【優先日】2010年8月25日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ヨ−ハン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジェ−ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ−テ
(72)【発明者】
【氏名】シン、ホン−チョル
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒュン−マン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ヘ−ラン
【審査官】 市川 篤
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0203372(US,A1)
【文献】 特開平11−265730(JP,A)
【文献】 特表2007−533098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/00−10/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びる内部集電体、前記内部集電体を囲み、圧出コーティングで形成された正極活物質層、前記正極活物質層を囲み、圧出コーティングで形成された、イオンの通路である電解質層、前記電解質層を囲み、圧出コーティングで形成された負極活物質層、前記負極活物質層の外面に螺旋状に巻回されたワイヤ状の外部集電体、及び前記ワイヤ状の外部集電体の外面に形成された保護被覆からなるケーブル型二次電池。
【請求項2】
前記内部集電体は、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理したステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理した非伝導性高分子;もしくは伝導性高分子;から製造されたことを特徴とする請求項1に記載のケーブル型二次電池。
【請求項3】
前記外部集電体は、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理したステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理した非伝導性高分子;もしくは伝導性高分子;から製造されたことを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル型二次電池。
【請求項4】
前記導電材は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、酸化インジウムスズ(ITO)、銀、パラジウム、及びニッケルのうち選択された1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項2または3に記載のケーブル型二次電池。
【請求項5】
前記伝導性高分子は、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄のうち選択された1種の化合物または2種以上の混合物である高分子であることを特徴とする請求項2または3に記載のケーブル型二次電池。
【請求項6】
前記負極活物質層は、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO);Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類(Me);前記金属類(Me)の合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体からなる群から選択された何れか1つの活物質粒子またはこれらのうち2種以上の混合物を含む活性物質から形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のケーブル型二次電池。
【請求項7】
前記正極活物質層は、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は、互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg、及びMoからなる群から選択された何れか一つであり、x、y及びzは、互いに独立して、酸化物組成元素の原子分率であって0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、0<x+y+z≦1である)からなる群から選択された何れか1つの活物質粒子またはこれらのうち2種以上の混合物を含む活性物質から形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のケーブル型二次電池。
【請求項8】
前記電解質層は、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル(PAN)またはポリ酢酸ビニル(PVAC)のゲル型高分子電解質;およびPEO、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンスルフィド(PES)またはPVAcの固体電解質;のうち選択された電解質から形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のケーブル型二次電池。
【請求項9】
前記電解質層は、リチウム塩をさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のケーブル型二次電池。
【請求項10】
前記リチウム塩は、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及びテトラフェニルホウ酸リチウムのうち選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項9に記載のケーブル型二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形自在なケーブル型二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年8月25日出願の韓国特許出願第10−2010−0082593号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書および図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【0003】
二次電池とは、外部の電気エネルギーを化学エネルギーの形態に変えて貯蔵しておき、必要時に電気を作り出す装置をいう。数回充電できるという意味で「充電式電池」という名称も使われる。よく使われる二次電池としては、鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム(Ni‐Cd)電池、ニッケル・水素(Ni‐MH)蓄電池、リチウムイオン(Li‐ion)電池、リチウムイオンポリマー(Li‐ion polymer)電池がある。二次電池は、使い捨ての一次電池に比べて経済的な利点及び環境的な利点を共に提供する。
【0004】
二次電池は現在低い電力を使用する所に使われる。言わば、自動車の始動を助ける機器、携帯用装置・道具、無停電電源装置が挙げられる。最近、無線通信技術の発展は携帯用装置の大衆化を主導しており、従来の多くの種類の装置を無線化する傾向もあって、二次電池に対する需要が急増している。また、環境汚染などの防止のため、ハイブリッド自動車、電気自動車が実用化されており、これら次世代自動車は二次電池を使用して価格と重さを減らし、寿命を伸ばす技術を採用している。
【0005】
一般に、二次電池は、円筒型、角型またはポーチ型の電池が殆どである。これは、二次電池は、負極、正極及び分離膜からなる電極組立体を円筒型または角型の金属缶、またはアルミニウムラミネートシートからなるポーチ型ケースの内部に入れ、前記電極組立体に電解質を注入して製造するからである。したがって、二次電池を装着するための一定の空間が必ず求められるので、このような二次電池の円筒型、角型またはポーチ型の形態は多様な形態の携帯用装置の開発に対する制約として作用する問題点がある。
【0006】
これに応じるために、多様な形態が可能な新しい形態の二次電池が求められており、断面直径に対して長さの比が非常に大きい電池である線型電池が提案された。特許文献1は、負極と正極との間に分離膜が介された複数の負極と正極からなる線型電池を開示しており、特許文献2は、糸形態の正極糸と負極糸とからなる可変型電池を開示しているが、可撓性が良くない。また、外部から加えられる力によってケーブル型二次電池の外部集電体に変形が発生した場合には、内部集電体との接触による短絡が発生し得る問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国特許登録第10−0804411号公報
【特許文献2】韓国特許登録第10−0742739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、変形が容易でありながらも、二次電池の安定性及び優れた性能が維持可能であり、外部集電体の変形による短絡の恐れがない新しい線型構造の二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のケーブル型二次電池は、内部集電体、負極活物質層、電解質層、及び正極活物質層を備え、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びた電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体とを備える。
【0010】
集電体は、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;カーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理したステンレススチール;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理した非伝導性高分子;もしくは伝導性高分子;から製造されたものが望ましい。このような導電材としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、酸化インジウムスズ(ITO)、銀、パラジウム、及びニッケルなどを使用し得、伝導性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄などを使用し得る。
【0011】
活物質層は、負極活物質のパターン層としては、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO);Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類(Me);前記金属類(Me)からなる合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体などからなるものを使用し得る。また、正極活物質のパターン層としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は、互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg、及びMoからなる群から選択された何れか一つであり、x、y及びzは、互いに独立して、酸化物組成元素の原子分率であって0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)を使用し得る。
【0012】
電解質層としては、PEO、PVdF、PMMA、PANまたはPVACを使用したゲル型高分子電解質;もしくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンスルフィド(PES)またはポリビニルアセテート(PVAc)を使用した固体高分子電解質;などを使用し得る。
【0013】
本発明のケーブル型二次電池において、電解質層は、リチウム塩をさらに含み得る。リチウム塩としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及び4フェニルホウ酸リチウムなどを使用し得る。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体は、可撓性に優れているだけでなく、一定の程度の弾性を有していることから、これを備えたケーブル型二次電池の可撓性が向上する。
【0015】
また、外部から過度の力が本発明のケーブル型二次電池に加えられる場合にも、本発明のワイヤ状の外部集電体は、形態的特性上、折れたりするなどの過度の変形が少ないことから、内部集電体との接触による短絡の恐れが少ない。
【0016】
そして、電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体は、弾性を有するので、外部の力による変形時に力を分散する役割を果たすことから、活物質層の変形が少なく、したがって活物質の脱離が予防できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に添付される下記の図面は本発明の望ましい実施例を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはいけない。
図1】一実施例による一つの内部電極を有するケーブル型二次電池の図面である。
図2】一実施例による複数の負極を有するケーブル型二次電池の断面図である。
図3】一実施例による電解質層が外面に形成された複数の負極を有するケーブル型二次電池の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図面を参照しながら詳しく説明する。本明細書及び図面に示された構成は本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するものではないため、本出願時点においてこれらに代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0019】
本発明のケーブル型二次電池は、内部集電体、負極活物質層、電解質層、及び正極活物質層を備え、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びた電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体とを備える。ここで、所定形状とは、特に形状を制限しないということであって、本発明の本質を損なわない何れの形状も可能であるという意味である。本発明のケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、水平断面に対する長手方向に長く伸びた線型構造を有し、可撓性を持っていて変形自在である。
【0020】
本発明の電極組立体は、特にその形態を限定するのではなく、一般的な電気化学作用が可能であるように電極及び正極と負極との電極間にイオンの通路である電解質層を備える場合を意味し、内部集電体は、正極活物質層または負極活物質層と結合して内部電極を構成する。但し、外部電極を構成するために、電極組立体の外面に巻回されるワイヤ状の外部集電体と接触する電極組立体の最外面は活物質層からなるべきである。
【0021】
このような電極組立体の外面にワイヤ状の外部集電体を巻回し、電極組立体の最外面の活物質層と結合して外部電極を構成するようになる(図1参照)。既存のワイヤ状の集電体は、可撓性は優れていたが、活物質層との接触面積が少ないことから、外部集電体として使う場合に所望のレベルの伝導性が確保し難かった。しかし、本発明のように、電極組立体の外面にワイヤ状の集電体を巻回する場合には、活物質層との接触面積が十分広くなることから、一定のレベルの電池性能が保障される。このときの巻回されたワイヤ状の集電体は、その形態によって弾性を有することになり、全体的なケーブル型二次電池の可撓性を向上させる役割を果たす。
【0022】
また、外部から過度の力が本発明のケーブル型二次電池に加えられる場合にも、本発明のワイヤ状の外部集電体は、形態的特性上、折れたりするなどの過度の変形が少ないことから、内部集電体との接触による短絡の恐れが少ない。
【0023】
電極活物質層は、電極活物質、バインダー、及び導電材を備え、集電体と結合して電極を構成する。電極が外部の力によって折れるか酷く曲がるなどの変形が起こる場合には、電極活物質の脱離が発生するようになる。このような電極活物質の脱離によって電池の性能及び電池容量の低下が発生するようになる。しかし、本発明のケーブル型二次電池は、電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体が弾性を有するので、外部の力による変形時に力を分散する役割を果たすことから、活物質層の変形が少なく、したがって活物質の脱離が予防できる。
【0024】
本発明の電極活物質層は、集電体を通じてイオンを移動させる作用をし、これらイオンの移動は、電解質層からのイオンの吸蔵及び電解質層へのイオンの放出を通じた相互作用による。
【0025】
前記集電体としては、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅;ステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタンまたは銀で表面処理したもの;アルミニウム‐カドミウム合金;導電材で表面処理した非伝導性高分子;もしくは伝導性高分子;から製造されたものが望ましい。
【0026】
集電体は、活物質の電気化学反応によって生成された電子を集めるか、電気化学反応に必要な電子を供給する役割を果たすものであって、一般的に銅やアルミニウムなどの金属を使用する。特に、導電材で表面処理した非伝導性高分子または伝導性高分子から製造された高分子伝導体を使用する場合には、銅やアルミニウムのような金属を使用した場合よりも相対的に可撓性に優れている。また、金属集電体に代替して高分子集電体を使用することで、電池の軽量性が達成できる。
【0027】
このような導電材としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ窒化硫黄、酸化インジウムスズ(ITO)、銀、パラジウム、及びニッケルなどを使用し得、伝導性高分子としては、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、及びポリ窒化硫黄などを使用し得る。但し、集電体に使われる非伝導性高分子は、特に種類を限定しない。
【0028】
負極活物質パターン層20の非制限的な例としては、天然黒鉛、人造黒鉛、炭素質材料;リチウム含有チタン複合酸化物(LTO);Si、Sn、Li、Zn、Mg、Cd、Ce、NiまたはFeである金属類(Me);前記金属類(Me)からなる合金類;前記金属類(Me)の酸化物(MeOx);及び前記金属類(Me)と炭素との複合体などからなるものを使用し得る。
【0029】
正極活物質層の非制限的な例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiCoPO4、LiFePO4、LiNiMnCoO2、及びLiNi1-x-y-zCoxM1yM2z2(M1及びM2は、互いに独立して、Al、Ni、Co、Fe、Mn、V、Cr、Ti、W、Ta、Mg、及びMoからなる群から選択された何れか一つであり、x、y及びzは、互いに独立して、酸化物組成元素の原子分率であって0≦x<0.5、0≦y<0.5、0≦z<0.5、x+y+z≦1である)などからなるものを使用し得る。
【0030】
また、本発明のケーブル型二次電池において、電解質層は、内部電極を囲んで充填されており、このようなイオンの通路である電解質層は、PEO、PVdF、PMMA、PANまたはPVACを使用したゲル型高分子電解質;もしくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンスルフィド(PES)またはポリビニルアセテート(PVAc)を使用した固体電解質などを使用する。固体電解質のマトリックス(matrix)は、高分子またはセラミックスガラスを基本骨格にすることが望ましい。一般的な高分子電解質の場合には、イオン伝導度が充分であっても反応速度面においてイオンが非常に遅く移動する恐れがあるので、固体である場合よりは、イオンの移動が容易なゲル型高分子電解質を使用することが望ましい。ゲル型高分子電解質は機械的特性に優れていないので、これを補うために気孔構造の支持体または架橋高分子を含み得る。本発明の電解質層は分離膜としての役割が可能であるので、別途の分離膜を使用しなくても良い。
【0031】
本発明の電解質層は、リチウム塩をさらに含み得る。リチウム塩は、イオン伝導度及び反応速度を向上させることができ、これらの非制限的な例としては、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4、LiBF4、LiB10Cl10、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiAlCl4、CH3SO3Li、CF3SO3Li、(CF3SO22NLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、及び4フェニルホウ酸リチウムを使用し得る。
【0032】
本発明は、保護被覆を備え、保護被覆は、絶縁体であって、空気中の水分及び外部衝撃から電極を保護するために外部集電体の外面に形成する。保護被覆としては通常の高分子樹脂を使用し得、一例として、PVC、HDPEまたはエポキシ樹脂を使用し得る。
【0033】
以下、一実施例によるケーブル型二次電池及びその製造方法を図1を参照しながら簡略に見てみる。
【0034】
一実施例によるケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びる内部集電体10、前記内部集電体を囲んで形成された負極活物質層20、前記負極活物質層を囲んで充填した、イオンの通路である電解質層30、及び前記電解質層を囲んで形成された正極活物質層40を備える電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体50とを備える。
【0035】
まず、線型のワイヤ状の負極集電体10を用意し、該負極集電体10の表面に負極活物質層20をコーティングする。このようなコーティング方法としては、一般的なコーティング方法が適用可能であり、具体的には、電気メッキ(electroplating)または陽極酸化処理(anodic oxidation process)方法が使用可能であるが、一定の間隔を維持するために活物質を含む電極スラリーを押出機を通じて圧出コーティングする方法を使用して製造することが望ましい。
【0036】
次いで、前記負極活物質層20を囲むように電解質層30を形成する。電解質層30を形成する方法も特に限定されないが、線型であるケーブル型二次電池の特性上、圧出コーティングする方法を使用することが製造しやすい。
【0037】
前記コーティングされた電解質層30の表面に正極活物質層40をコーティングして形成する。負極活物質層20のコーティング方法を正極活物質層40のコーティングにも同様に適用し得る。その後、前記正極活物質層40の外面にワイヤ状の正極集電体50を巻く。巻く方法は特に限定されないが、巻回機を応用して正極活物質層40の外面にワイヤ状の集電体50を巻き得る。
【0038】
最後に、前記ワイヤ状の集電体50の外面に保護被覆60を形成する。前記保護被覆60は、絶縁体であって、空気中の水分及び外部衝撃から電極を保護するために最外面に形成する。保護被覆60としては通常の高分子樹脂が使用でき、一例として、PVC、HDPEまたはエポキシ樹脂が使用できる。
【0039】
他の一実施例として、内部電極が正極であり外部電極が負極であるケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びる内部集電体10、前記内部集電体を囲んで形成された正極活物質層20、前記正極活物質層を囲んで充填した、イオンの通路である電解質層30、及び前記電解質層を囲んで形成された負極活物質層40を備える電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体50とを備える。
【0040】
以下、また他の可能な実施例を図2及び図3を参照しながら説明する。
【0041】
図2を参照すれば、一実施例によるケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びる内部集電体10と、前記内部集電体を囲んで形成された負極活物質層20とを備える2以上の負極が平行に配置された内部電極、前記内部電極を囲んで充填した、イオンの通路である電解質層30、及び前記電解質層を囲んで形成された正極活物質層40を備える電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体50とを備える。
【0042】
また他の一実施例として、内部電極が正極であり外部電極が負極であるケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びる内部集電体10と、前記内部集電体を囲んで形成された正極活物質層20とを備える2以上の正極が平行に配置された内部電極、前記内部電極を囲んで充填した、イオンの通路である電解質層30、及び前記電解質層を囲んで形成された負極活物質層40を備える電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体50とを備える。
【0043】
図3を参照すれば、一実施例によるケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びる内部集電体10と、前記内部集電体を囲んで形成された負極活物質層20と、前記負極活物質層を囲んで形成されたイオンの通路である電解質層30とを備える2以上の負極が平行に配置された内部電極、及び前記電解質層を囲んで形成された正極活物質層40を備える電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体50とを備える。
【0044】
また他の一実施例として、内部電極が正極であり外部電極が負極であるケーブル型二次電池は、所定形状の水平断面を有し、長手方向に伸びる内部集電体10と、前記内部集電体を囲んで形成された正極活物質層20と、前記正極活物質層を囲んで形成されたイオンの通路である電解質層30とを備える2以上の正極が平行に配置された内部電極、及び前記電解質層を囲んで形成された負極活物質層40を備える電極組立体と、前記電極組立体の外面に巻回されたワイヤ状の外部集電体50とを備える。
【符号の説明】
【0045】
10:内部集電体
20:内部集電体の活物質層
30:電解質層
40:外部集電体の活物質層
50:巻回されたワイヤ状の外部集電体
60:保護被覆
図1
図2
図3