特許第6232230号(P6232230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232230
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】ウェーハの加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20171106BHJP
   B23K 26/40 20140101ALI20171106BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20171106BHJP
【FI】
   H01L21/78 B
   H01L21/78 Q
   B23K26/40
   B23K26/00 P
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-179251(P2013-179251)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-50226(P2015-50226A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】特許業務法人東京アルパ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100087099
【弁理士】
【氏名又は名称】川村 恭子
(74)【代理人】
【識別番号】100063174
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功
(74)【代理人】
【識別番号】100124338
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 健
(72)【発明者】
【氏名】山下 陽平
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−199374(JP,A)
【文献】 特開2013−004584(JP,A)
【文献】 特許第3762409(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/301
B23K 26/00
B23K 26/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差する複数の分割予定ラインが設定されたウェーハの加工方法であって、
ウェーハを保持する保持面を含み透明材からなる保持部を有した保持手段でウェーハの表面側を保持してウェーハの裏面側を露出させる保持ステップと、
該保持ステップを実施した後、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点をウェーハの内部に位置づけた状態で該レーザビームをウェーハの裏面側から該分割予定ラインに沿って照射して改質層を形成するとともに、該改質層からウェーハの表面に至るクラックを生成するレーザビーム照射ステップと、
該保持部を介してウェーハの表面側を撮像し、ウェーハの表面に至る該クラックの有無を検出するクラック検出ステップと、
該レーザビーム照射ステップ及び該クラック検出ステップを実施した後、ウェーハの裏面側を研削して該改質層を除去するとともに該クラックによってウェーハを該分割予定ラインに沿って分割する研削ステップと、を備えるウェーハの加工方法。
【請求項2】
前記クラック検出ステップで検出された前記クラックが連続的にウェーハの表面に至るまで形成されていない領域に対し再度前記レーザビームをウェーハの裏面側から照射する追加工ステップを備える請求項1に記載のウェーハの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザビームの照射によってウェーハの内部に改質層を形成するウェーハの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被加工物であるウェーハを個々のデバイスに分割する方法として、ストリートに沿ってウェーハの内部にレーザビームを照射して分割起点となる改質層を形成することにより、改質層からウェーハの厚さ方向表面側に向けてクラックを発生させた後、ウェーハの裏面を研削して個々のデバイスに分割する加工方法がある(例えば、下記の特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3762409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したような加工方法を用いてウェーハをレーザ加工した際に、ウェーハの表面に至るクラックが長い距離にわたって形成されていない領域があると、ウェーハの裏面を研削してもウェーハが分割されない領域が発生するおそれがある。
【0005】
しかし、上記したようなウェーハの加工方法は、ウェーハの表面側に改質層を形成するものであるが、ウェーハは、デバイスの個数を増やすためにストリートの幅が狭く形成されるため、ウェーハの表面側を保持した状態でウェーハの裏面側からレーザビームを照射している。
【0006】
そのため、ウェーハの表面に至るクラックが形成されているか否かを加工中に認識することができず、ウェーハの裏面を研削することによってはじめて分割されない領域が検出されている。このようにウェーハが個々のデバイスに分割されないと、ウェーハ自体が不良となってしまい非常に生産性が悪いという問題があり、ウェーハの加工方法の改善が切望されている。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみてなされたものであり、ウェーハ自体が不良となるおそれを低減できるようにすることに発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、交差する複数の分割予定ラインが設定されたウェーハの加工方法であって、
ウェーハを保持する保持面を含み透明材からなる保持部を有した保持手段でウェーハの表面側を保持してウェーハの裏面側を露出させる保持ステップと、該保持ステップを実施した後、ウェーハに対して透過性を有する波長のレーザビームの集光点をウェーハの内部に位置づけた状態で該レーザビームをウェーハの裏面側から該分割予定ラインに沿って照射して改質層を形成するとともに、該改質層からウェーハの表面に至るクラックを生成するレーザビーム照射ステップと、該保持部を介してウェーハの表面側を撮像し、ウェーハの表面に至る該クラックの有無を検出するクラック検出ステップと、該レーザビーム照射ステップ及び該クラック検出ステップを実施した後、ウェーハの裏面側を研削して該改質層を除去するとともに該クラックによってウェーハを該分割予定ラインに沿って分割する研削ステップと、を備える。
【0009】
本発明は、上記クラック検出ステップで検出された上記クラックが連続的にウェーハの表面に至るまで形成されていない領域に対し再度レーザビームをウェーハの裏面側から照射する追加工ステップを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかるウェーハの加工方法では、保持手段でウェーハの表面側を保持する保持ステップを実施した後、ウェーハの裏面側からレーザビームを照射して内部に改質層を形成するとともに改質層からウェーハの表面に至るクラックを生成するレーザビーム照射ステップを実施し、ウェーハの表面側から撮像してクラックの有無を検出するクラック検出ステップを実施するため、ウェーハのレーザ加工中や加工後に、ウェーハの表面側を撮像してウェーハの表面に至るクラックが形成されているか否かを検出することができる。したがって、ウェーハが分割されない領域をあらかじめ検出することができる。
また、当該ウェーハの加工方法では、クラック検出ステップの後、追加工ステップを実施するため、一定長のクラックがウェーハに形成されていない領域に対して再度レーザビームを照射して改質層を形成することができるため、ウェーハの表面に至るクラックを確実に生成することができる。したがって、ウェーハ自体が不良となるおそれをさらに低減することができ、製品の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】レーザ加工装置の構成を示す斜視図である。
図2】レーザ加工装置に備える筐体内部の構成を示す斜視図である。
図3】ウェーハの表面に表面保護テープを貼着する状態を示す斜視図である。
図4】保持ステップを示す断面図である。
図5】レーザビーム照射ステップ及びクラック検出ステップを示す断面図である。
図6】追加工ステップを示す断面図である。
図7】研削ステップを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に示すレーザ加工装置10は、装置ベース100を有している。装置ベース100の上面には、ウェーハを保持する保持手段11と、保持手段11をX軸方向に加工送りする第1のX軸方向送り手段13と、保持手段11をY軸方向に加工送りする第1のY軸方向送り手段18とが配設されている。保持手段11は、ウェーハを保持する保持面12を含み透明材からなる保持部110を有し、回転可能な構成となっている。
【0013】
第1のX軸方向送り手段13は、X軸方向にのびるボールネジ14と、ボールネジ14の一端に接続されたモータ15と、ボールネジ14と平行にのびる一対のガイドレール16と、ガイドレール16に沿ってX軸方向にガイドされる移動基台17とを有している。移動基台17は、内部に備えたナットがボールネジ14に螺合するとともに下部がガイドレール16に摺接している。第1のX軸方向送り手段13は、モータ15が駆動されてボールネジ14が回動することにより、一対のガイドレール16に沿って移動基台17をX軸方向に移動させることができる。
【0014】
第1のY軸方向送り手段18は、Y軸方向にのびるボールネジ19と、ボールネジ19の一端に接続されたモータ20と、ボールネジ19と平行にのびる一対のガイドレール21と、ガイドレール21に沿ってY軸方向にガイドされる筐体22を有している。筐体22は、内部に備えたナットにボールネジ19が螺合するとともに下部が一対のガイドレール21に摺接している。第1のY軸方向送り手段13は、モータ20が駆動されてボールネジ19が回動することにより、一対のガイドレール21に沿って筐体22をY軸方向に移動させることができる。
【0015】
レーザ加工装置10は、第1のX軸方向送り手段13の一方のガイドレール16に沿って配設され保持手段11のX軸方向の加工送り量を検出するスケール25と、第1のY軸方向送り手段18の一方のガイドレール21に沿って配設され保持手段11のY軸方向の加工送り量を検出するスケール26とを備えている。
【0016】
装置ベース100の上面には、Z軸方向にのびるコラム101が立設されており、コラム101の側部においてY軸方向にのびるケーシング102が連結されている。ケーシング102の先端部には、レーザビームを下方に照射するレーザ照射ヘッド31を有しウェーハの内部にレーザビームを照射して改質層を形成するレーザビーム照射手段30と、ウェーハに対しレーザビームを照射すべき位置を検出する撮像手段32とを備えている。
【0017】
レーザ加工装置10は、少なくとも第1のX軸方向送り手段13、第1のY軸方向送り手段18、レーザビーム照射手段30及び撮像手段32による各動作を制御する制御部40を備えている。制御部40は、制御プログラムによって演算処理するCPU41と、CPU41からアクセス可能であってデータを記憶するROM42と、CPU41による演算結果を読み書き可能なRAM43と、CPU41に接続されたカウンタ44と、スケール25、スケール26及びアライメント手段32からの検出信号が入力される入力インターフェース45と、第1のX軸方向送り手段13、第1のY軸方向送り手段18及びレーザビーム照射手段30に制御信号を出力する出力インターフェース46とにより少なくとも構成されている。
【0018】
図1に示すように、第1のY軸方向送り手段18の筐体22は、保持手段11を下方から支持している。また、筐体22の内部には、保持手段11に保持されたウェーハを下方から撮像する図2に示すカメラユニット51を有する撮像手段50を備えている。図2に示すように、筐体22の上部には、円形の開口部23が形成されており、筐体22の底部24には、撮像手段50をX軸方向に加工送りする第2のX軸方向送り手段60と、撮像手段50をY軸方向に加工送りする第2のY軸方向送り手段65とが配設されている。
【0019】
第2のX軸方向送り手段60は、X軸方向にのびるボールネジ61と、ボールネジ61の一端に接続されたモータ62と、ボールネジ61と平行にのびる一対のガイドレール63と、ガイドレール63に沿ってX軸方向にガイドされる移動基台64とを有している。
移動基台64は、内部に備えたナットがボールネジ61に螺合するとともに下部が一対のガイドレール63に摺接している。モータ62が駆動されてボールネジ61が回動すると、移動基台64をX軸方向に移動させることができる。
【0020】
第2のY軸方向送り手段65は、Y軸方向にのびるボールネジ66と、ボールネジ66の一端に接続されたモータ67と、ボールネジ66と平行にのびる一対のガイドレール68と、ガイドレール68に沿ってY軸方向にガイドされる移動基台69を有している。移動基台69の一方の面には、撮像手段50が配設されており、他方の面における中央部に備えたナットがボールネジ66に螺合するとともに下部が一対のガイドレール68に摺接している。モータ67が駆動されてボールネジ66が回動すると、移動基台69をY軸方向に移動させることができる。
【0021】
移動基台69には、コラム70が立設されており、コラム70の前方においてカメラユニット51を昇降させる昇降手段71が配設されている。昇降手段71は、Z軸方向にのびるボールネジ72と、ボールネジ72の上端に接続されたモータ73と、ボールネジ72と平行にのびる一対のガイドレール74とを備えている。カメラユニット51に備えたナットがボールネジ72に螺合するとともに側部が一対のガイドレール74に摺接している。モータ73が駆動されてボールネジ72が回動すると、カメラユニット51をZ軸方向に昇降させることができる。
【0022】
次に、レーザ加工装置10を用いてウェーハに対しレーザ加工を行う方法について説明する。図3に示す円形のウェーハ1は、被加工物の一例であって、縦横に複数交差する分割予定ライン4によって区画されたそれぞれの領域にデバイス5が形成されている。ウェーハ1は、デバイス5が形成された面が表面2となっており、表面2と反対側にある面が図1に示す保持手段11に保持される裏面3となっている。そして、レーザ加工時には、図3に示すように、ウェーハ1と略同径の表面保護テープ6をウェーハ1の表面2に貼着する。
【0023】
(1)保持ステップ
図4に示すように、表面保護テープ6が表面2に貼着されたウェーハ1を裏返して表面保護テープ6側を保持手段11の保持面12に載置し、ウェーハ1の裏面3を上向きに露出させる。次いで、図示しない吸引源が作動し、ウェーハ1の表面2を保持手段11で吸引保持する。
【0024】
(2)レーザビーム照射ステップ
保持ステップを実施した後、図5に示すように、ウェーハ1に対して透過性を有するレーザビーム7を使用してウェーハ1の内部に改質層を形成するためのレーザ加工を実施する。レーザ加工条件として、例えば下記の加工条件をレーザビーム照射手段30に設定する。
【0025】
[加工条件]
光源:YAGパルスレーザ/YVO4パルスレーザ
波長:1064nm
出力:1.5W
【0026】
まず、図1に示す撮像手段32によって分割予定ライン4を検出し、レーザ照射しようとする分割予定ライン4とレーザ照射ヘッド31とのY軸方向の位置をあわせる。そして、X軸方向送り手段13によって保持手段11をX軸方向に移動させながら、レーザビーム照射手段30は、上記加工条件に基づいてレーザビーム7の集光点をウェーハ1の内部であって表面2に近い側に位置づけ、図3に示した分割予定ライン4に沿って図5に示すレーザ照射ヘッド31からレーザビーム7をウェーハ1の裏面3側に向けて照射する。
【0027】
このように、ウェーハ1の内部にレーザビーム7を照射することにより、図5の部分拡大図に示すように、改質層8をウェーハ1の内部に形成する。そして、改質層8が形成されると、改質層8を形成した位置から表面2に至るクラック9が生成される。改質層とは、レーザビームの照射によって溶融・再硬化した領域である。図3に示す縦横に向く全ての分割予定ライン4に沿ってレーザビーム7を照射して改質層8及びクラック9を形成すると、レーザビーム照射ステップを終了する。なお、改質層8は、後の研削工程により研削され除去される高さ位置に形成する。
【0028】
(3)クラック検出ステップ
レーザビーム照射ステップが実施されると、保持手段11の下方に配設されている図2に示したカメラユニット51によって保持手段11に保持されたウェーハ1の表面2側を撮像し、表面2側にクラック9が形成されているかどうかを検出する。クラック検出ステップでは、例えば、図1に示した撮像手段32が分割予定ライン4をあらかじめ撮像してその位置情報をRAM43に記憶させておくことにより、図2に示した第2のX軸方向送り手段60及び第2のY軸方向送り手段65が、レーザ照射される分割予定ライン4の下方にカメラユニット51を位置付ける。そして、改質層8が形成された分割予定ライン4に沿ってその下方から撮像することでクラック9を検出する。保持手段11を構成する保持部110が透明材により構成されているため、カメラユニット51は、保持部110を介して表面2を撮像することができる。かかる撮像により、クラック9が連続的に形成されていない箇所がある場合は、その位置情報をクラック非形成位置情報としてRAM43に記憶する。
【0029】
クラック検出ステップは、レーザビーム照射ステップと並行して行ってもよいし、1列または複数の分割予定ライン4に対して改質層8を形成した後に行ってもよい。例えば、5列もしくは10列の分割予定ライン4をレーザ加工した後にクラック検出ステップを実施することもできる。カメラユニット51を備えた筐体22は保持手段11を下方から支持しているため、クラック検出ステップをレーザビーム照射ステップと並行して実施する場合は、保持手段11のX軸方向の動きにあわせてカメラユニット51もX軸方向に移動させることができる。
【0030】
(4)追加工ステップ
クラック検出ステップを実施することにより、ウェーハ1の表面2に至るクラック9が形成されていない領域を検出した場合は、図6に示すように、レーザビーム照射ステップと同様の動作により追加工を実施する。すなわち、例えばレーザビーム照射ステップと同様の条件のレーザビーム7を、クラック9が形成されてない領域(クラック検出ステップにおいてRAM43に記憶させたクラック非形成位置情報が示す位置)の裏面3側から分割予定ライン4に沿って照射して改質層8を形成する。これにより、新たに改質層8を形成した位置から表面2に至るクラック9が生成される。追加工ステップでは、レーザビーム照射ステップで照射したレーザビーム7の出力よりも高い出力でレーザビームを照射してもよい。なお、追加工ステップを実施した後、再度クラック検出ステップを実施し、クラック9が形成されたか否かを確認してもよい。また、クラック検出ステップにおいてクラック9が形成されていない領域が検出されなかった場合は、追加工ステップを実施しない。
【0031】
(5)研削ステップ
レーザビーム照射ステップ及びクラック検出ステップを実施した後(追加工ステップを実施した場合はその後)、図7に示す保持手段11aにウェーハ1を搬送し、研削手段80によってウェーハ1の裏面3を研削する。研削手段80は、鉛直方向の軸心を有するスピンドル81と、スピンドル81の下端にマウンタ82を介して装着された研削ホイール83と、研削ホイール83の下部に環状に固着された研削砥石84と、を少なくとも備えている。
【0032】
研削手段80は、スピンドル81が回転することにより研削ホイール83を回転させつつ鉛直方向に下降し、回転する研削砥石84によって改質層8が除去されるまでウェーハ1を研削する。その結果、クラック9が起点となってウェーハ1を図3に示した個々のデバイス5に分割することができる。
【0033】
以上のとおり、本実施形態に示す加工ステップでは、レーザビーム照射ステップを実施するとともにクラック検出ステップを実施することにより、ウェーハ1のレーザ加工中に、撮像手段50によってウェーハ1の表面2に至るクラック9が形成されているか否かを検出することができる。したがって、ウェーハ1の研削前にウェーハ1の分割されない領域をあらかじめ検出することができる。
また、クラック検出ステップを実施後、追加工ステップを実施することにより、一定長のクラック9がウェーハ1に形成されていない領域に対して再度レーザビーム7を照射して改質層8を形成することができるため、ウェーハ1の表面2に至るクラック9を確実に生成することができる。したがって、ウェーハ1自体が不良となるおそれを低減することができ、製品の生産性を向上させることが可能となる。
【符号の説明】
【0034】
1:ウェーハ 2:表面 3:裏面 4:分割予定ライン 5:デバイス
6:表面保護テープ 7:レーザビーム 8:改質層 9:クラック
10:レーザ加工装置 100:装置ベース 101:コラム 102:ケーシング
11:保持手段 110:保持部 12:保持面
13:第1のX軸方向送り手段 14:ボールネジ 15:モータ
16:ガイドレール 17:移動基台
18:第1のY軸方向送り手段 19:ボールネジ 20:モータ 21:ガイドレール22:筐体 23:開口部 24:底部 25,26:スケール
30:レーザビーム照射手段 31:レーザ照射ヘッド 32:撮像手段
40:制御部 41:CPU 42:ROM 43:RAM 44:カウンタ
45:入力インターフェース 46:出力インターフェース
50:撮像手段 51:カメラユニット
60:第2のX軸方向送り手段 61:ボールネジ 62:モータ 63:ガイドレール
64:移動基台 65:第2のY軸方向送り手段 66:ボールネジ 67:モータ
68:ガイドレール 69:移動基台 70:コラム
71:Z軸方向送り手段 72:ボールネジ 73:モータ 74:ガイドレール
80:研削手段 81:スピンドル 82:マウンタ 83:研削ホイール
84:研削砥石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7