特許第6232272号(P6232272)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 6232272-位置合装置、薄膜形成装置 図000002
  • 6232272-位置合装置、薄膜形成装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6232272
(24)【登録日】2017年10月27日
(45)【発行日】2017年11月15日
(54)【発明の名称】位置合装置、薄膜形成装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20171106BHJP
【FI】
   G01B11/00 H
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-253368(P2013-253368)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-111081(P2015-111081A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100102875
【弁理士】
【氏名又は名称】石島 茂男
(74)【代理人】
【識別番号】100106666
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 英樹
(72)【発明者】
【氏名】羽根 功二
(72)【発明者】
【氏名】小泉 和彦
(72)【発明者】
【氏名】木村 孔
(72)【発明者】
【氏名】関根 元気
【審査官】 八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−338683(JP,A)
【文献】 特開2012−38794(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/39383(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/211409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
H01L 21/00−21/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板アラインメントマークが設けられた基板と、対象物アラインメントマークが設けられた位置合対象物とを位置合せする位置合せ工程を行う位置合装置であって、
各前記位置合対象物には、前記位置合対象物と一対一に対応した識別標識がそれぞれ設けられており、
当該位置合装置は、
前記位置合装置に配置された前記基板の前記基板アラインメントマークと、複数の前記位置合対象物の中から前記位置合装置に配置された前記位置合対象物の前記対象物アラインメントマークとを撮像する撮像装置と、
撮像された前記基板アラインメントマークの画像である基板マーク像と、撮像された前記対象物アラインメントマークの画像である対象物マーク像との間の相対位置から、前記基板と前記位置合対象物とを相対的に移動させて前記位置合せ工程を行う制御装置と、
前記位置合せ工程の際に前記対象物アラインメントマークを照明する照明装置と、
前記識別標識を検出する検出装置と、
を有し、
予め、前記照明装置が発光して前記対象物アラインメントマークを照明して前記位置合せ工程を行う際に、前記位置合対象物が前記照明装置によって照明されるべき照明強度の値が前記位置合対象物毎に求められ、前記識別標識から、前記識別標識に対応した前記照明強度が求められる照明関係が設けられており、
前記制御装置は、前記位置合せ工程を行う前に、前記位置合せ工程が行われる前記位置合対象物の前記識別標識を検出し、検出した前記識別標識から前記照明強度を求め、
求めた前記照明強度で前記照明装置を発光させて、前記位置合せ工程を行うように構成され
前記位置合対象物は、前記基板が配置されるトレイである位置合装置。
【請求項2】
予め、前記位置合せ工程を行うときに、前記撮像装置と前記位置合対象物とが離間すべき距離である位置合距離の大きさが、前記位置合対象物毎に求められ、前記識別標識から、前記識別標識に対応した前記位置合距離を求められる距離関係が設けられており、
前記制御装置は、前記位置合せ工程を行う前に、検出された前記識別標識から前記位置合距離を求め、前記撮像装置と前記位置合対象物とを求められた前記位置合距離離間させて前記位置合せ工程を行うように構成された請求項1記載の位置合装置。
【請求項3】
基板アラインメントマークが設けられた基板と、対象物アラインメントマークが設けられた位置合対象物とを位置合せする位置合せ工程を行う位置合装置であって、
各前記位置合対象物には、前記位置合対象物と一対一に対応した識別標識がそれぞれ設けられており、
当該位置合装置は、
前記位置合装置に配置された前記基板の前記基板アラインメントマークと、複数の前記位置合対象物の中から前記位置合装置に配置された前記位置合対象物の前記対象物アラインメントマークとを撮像する撮像装置と、
撮像された前記基板アラインメントマークの画像である基板マーク像と、撮像された前記対象物アラインメントマークの画像である対象物マーク像との間の相対位置から、前記基板と前記位置合対象物とを相対的に移動させて前記位置合せ工程を行う制御装置と、
前記位置合せ工程の際に前記対象物アラインメントマークを照明する照明装置と、
前記識別標識を検出する検出装置と、
を有し、
予め、前記位置合せ工程を行うときに、前記撮像装置と前記位置合対象物とが離間すべき距離である位置合距離の大きさが、前記位置合対象物毎に求められ、前記識別標識から、前記識別標識に対応した前記位置合距離を求められる距離関係が設けられており、
前記制御装置は、前記位置合せ工程を行う前に、前記位置合せ工程が行われる前記位置合対象物の前記識別標識を検出し、検出した前記識別標識から前記位置合距離を求め、
前記撮像装置と前記位置合対象物とを求めた前記位置合距離離間させて前記位置合せ工程を行うように構成され、
前記位置合対象物は、前記基板が配置されるトレイである位置合装置。
【請求項4】
前記識別標識は、前記撮像装置によって撮像できる位置に設けられ、
前記検出装置は前記撮像装置で構成され、
撮像された前記識別標識の画像である識別像から、前記識別標識が求められるように構成された請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の位置合装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれか1項記載の位置合装置と、
真空槽内に配置され、薄膜材料の微粒子を放出する成膜源と、
前記位置合せ工程が行われた前記基板と前記位置合対象物とから成る搬送対象物を移動させる第一の搬送装置とを有し、
前記位置合対象物は前記成膜源と対面され、前記搬送対象物中の前記基板に前記微粒子が到達し、前記基板に薄膜が形成される薄膜形成工程が行われる薄膜形成装置。
【請求項6】
前記位置合対象物を前記位置合装置に搬送する第二の搬送装置を有し、
前記薄膜形成工程が行われた前記搬送対象物は、前記基板と前記位置合対象物に分離され、
分離された前記位置合対象物は、前記第二の搬送装置によって前記位置合装置に戻され、
前記薄膜形成工程が行われていない前記基板と、戻された前記位置合対象物とに、前記位置合せ工程が行われるように構成された請求項記載の薄膜形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置合装置の技術分野にかかり、特に、基板と位置合せする位置合対象物を繰り返し使用する位置合装置と、その位置合装置が設けられた薄膜形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の搬送トレイにそれぞれ基板を配置し、搬送トレイを搬送して基板表面に薄膜を形成するインライン方式では、基板と搬送トレイとを位置合せする際に、照明装置で搬送トレイやマスクと基板とを照明し、撮像装置でアラインメントマークを撮像し、画像解析によって基板と搬送トレイやマスクとの間の相対的な位置合せが行われている。
【0003】
しかしながら、搬送トレイやマスクは繰り返し使用されるため、表面粗さや表面の色等の表面状態が、搬送トレイやマスク毎に異なってしまう。
また、搬送トレイやマスク毎に、厚さや歪み方等の作成時の機械的精度が異なってしまう。
【0004】
そのため、搬送トレイやマスクを撮像装置によって観察したときに位置、高さ、マスクの見え方、明るさが違うため、撮像装置によって得られる画像の鮮明さが異なり、搬送トレイやマスク毎に、位置合精度が異なってしまう。
【0005】
下記引用特許文献のように、位置合せの際に、照度や距離を測定し、基準値となるように制御する技術は見られるが、位置合せの度に照度や距離を測定することは処理時間が長くなり、望ましいものと言うことはできない。
搬送トレイやマスク等、基板との間で位置合せが繰り返し行われる位置合対象物と基板との位置合せを精度良く行うことができる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−25669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するために創作されたものであり、位置合せと真空処理とが繰り返し行われる位置合対象物と基板との位置合せ精度を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、基板アラインメントマークが設けられた基板と、対象物アラインメントマークが設けられた位置合対象物とを位置合せする位置合せ工程を行う位置合装置であって、各前記位置合対象物には、前記位置合対象物と一対一に対応した識別標識がそれぞれ設けられており、当該位置合装置は、前記位置合装置に配置された前記基板の前記基板アラインメントマークと、複数の前記位置合対象物の中から前記位置合装置に配置された前記位置合対象物の前記対象物アラインメントマークとを撮像する撮像装置と、撮像された前記基板アラインメントマークの画像である基板マーク像と、撮像された前記対象物アラインメントマークの画像である対象物マーク像との間の相対位置から、前記基板と前記位置合対象物とを相対的に移動させて前記位置合せ工程を行う制御装置と、前記位置合せ工程の際に前記対象物アラインメントマークを照明する照明装置と、前記識別標識を検出する検出装置と、を有し、予め、前記照明装置が発光して前記対象物アラインメントマークを照明して前記位置合せ工程を行う際に、前記位置合対象物が前記照明装置によって照明されるべき照明強度の値が前記位置合対象物毎に求められ、前記識別標識から、前記識別標識に対応した前記照明強度が求められる照明関係が設けられており、前記制御装置は、前記位置合せ工程を行う前に、前記位置合せ工程が行われる前記位置合対象物の前記識別標識を検出し、検出した前記識別標識から前記照明強度を求め、求めた前記照明強度で前記照明装置を発光させて、前記位置合せ工程を行うように構成され、前記位置合対象物は、前記基板が配置されるトレイである位置合装置である。
本発明は、予め、前記位置合せ工程を行うときに、前記撮像装置と前記位置合対象物とが離間すべき距離である位置合距離の大きさが、前記位置合対象物毎に求められ、前記識別標識から、前記識別標識に対応した前記位置合距離を求められる距離関係が設けられており、前記制御装置は、前記位置合せ工程を行う前に、検出された前記識別標識から前記位置合距離を求め、前記撮像装置と前記位置合対象物とを求められた前記位置合距離離間させて前記位置合せ工程を行うように構成された位置合装置である。
本発明は、基板アラインメントマークが設けられた基板と、対象物アラインメントマークが設けられた位置合対象物とを位置合せする位置合せ工程を行う位置合装置であって、各前記位置合対象物には、前記位置合対象物と一対一に対応した識別標識がそれぞれ設けられており、当該位置合装置は、前記位置合装置に配置された前記基板の前記基板アラインメントマークと、複数の前記位置合対象物の中から前記位置合装置に配置された前記位置合対象物の前記対象物アラインメントマークとを撮像する撮像装置と、撮像された前記基板アラインメントマークの画像である基板マーク像と、撮像された前記対象物アラインメントマークの画像である対象物マーク像との間の相対位置から、前記基板と前記位置合対象物とを相対的に移動させて前記位置合せ工程を行う制御装置と、前記位置合せ工程の際に前記対象物アラインメントマークを照明する照明装置と、前記識別標識を検出する検出装置と、を有し、予め、前記位置合せ工程を行うときに、前記撮像装置と前記位置合対象物とが離間すべき距離である位置合距離の大きさが、前記位置合対象物毎に求められ、前記識別標識から、前記識別標識に対応した前記位置合距離を求められる距離関係が設けられており、前記制御装置は、前記位置合せ工程を行う前に、前記位置合せ工程が行われる前記位置合対象物の前記識別標識を検出し、検出した前記識別標識から前記位置合距離を求め、前記撮像装置と前記位置合対象物とを求めた前記位置合距離離間させて前記位置合せ工程を行うように構成され、前記位置合対象物は、前記基板が配置されるトレイである位置合装置である。
本発明は、前記識別標識は、前記撮像装置によって撮像できる位置に設けられ、前記検出装置は前記撮像装置で構成され、撮像された前記識別標識の画像である識別像から、前記識別標識が求められるように構成された位置合装置である。
本発明は、上記記載の位置合装置と、真空槽内に配置され、薄膜材料の微粒子を放出する成膜源と、前記位置合せ工程が行われた前記基板と前記位置合対象物とから成る搬送対象物を移動させる第一の搬送装置とを有し、前記位置合対象物は前記成膜源と対面され、前記搬送対象物中の前記基板に前記微粒子が到達し、前記基板に薄膜が形成される薄膜形成工程が行われる薄膜形成装置である。
本発明は、前記位置合対象物を前記位置合装置に搬送する第二の搬送装置を有し、前記薄膜形成工程が行われた前記搬送対象物は、前記基板と前記位置合対象物に分離され、分離された前記位置合対象物は、前記第二の搬送装置によって前記位置合装置に戻され、前記薄膜形成工程が行われていない前記基板と、戻された前記位置合対象物とに、前記位置合せ工程が行われるように構成された薄膜形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
表面状態が異なる複数の位置合対象物について、鮮明な画像が得られる最適な発光強度を求めておき、位置合せの際に各位置合対象物に対応した照度で照明すると、撮像装置の撮像結果から各位置合対象物と基板とを正確に位置合せをすることができる。
【0010】
また、厚みや歪み方等の機械的な状態が異なる複数の位置合対象物について、鮮明な画像が得られる位置合対象物と撮像装置との間の撮像位置を求めておき、位置合せの際に、各位置合対象物に対応された撮像位置で撮像すると、各位置合対象物と基板とを正確に位置合せをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の位置合装置と、薄膜形成装置を説明するための図
図2】その薄膜形成装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1、2の符号3は、本発明の薄膜形成装置を示している。
図1は内部を示す断面図、図2は真空槽間の接続を示す平面図である。
この薄膜形成装置3は、複数の真空槽111〜115を有している。
各真空槽111〜115には、真空排気装置42が接続されており、各真空槽111〜115の内部は真空雰囲気にされている。
この薄膜形成装置3の前段には、他の真空処理装置の真空槽11Aが配置されており、その前段の真空槽11Aの内部も真空雰囲気にされている。
【0013】
複数の真空槽111〜115は直列に接続されており、前段の真空槽11Aと、薄膜形成装置3の先頭の真空槽111との間には、ゲートバルブ41Aが設けられており、ゲートバルブ41Aを開け、前段の真空槽11Aの内部に配置された基板に、ゲートバルブ41Aを通過させて、薄膜形成装置3の先頭の真空槽111の内部に搬入する。
【0014】
先頭の真空槽111には、位置合装置28が設けられており、搬入された基板は、先ず、位置合装置28に配置される。
薄膜形成装置3の位置合装置28では、真空槽111の内部に、基板保持装置22が設けられており、搬入された基板は、基板保持装置22に配置される。図1の符号4は、基板保持装置22に配置された基板を示している。
【0015】
先頭の真空槽111の内部又は外部には先頭の真空槽111の内部を照明する照明装置12が配置されている。ここでは、照明装置12は、先頭の真空槽111の内部に設けられている。
薄膜形成装置3には、基板4との間で位置合せがされる位置合対象物7が配置されている。
【0016】
薄膜形成装置3では、基板保持装置22の下方位置に、載置台24が配置されており、載置台24上には、基板4が配置される搬送トレイが配置されている。この薄膜形成装置3では、符号6が搬送トレイを示しており、基板保持装置22の上方位置に、マスク保持装置26が配置されており、マスク保持装置26上には、基板4にパターニングされた薄膜を形成するマスクが配置されている。この薄膜形成装置3では、マスクが位置合対象物7になっている。
【0017】
薄膜形成装置3に用いられる位置合対象物7には、対象物アラインメントマークがそれぞれ設けられており、また、基板保持装置22に配置される基板4には、基板アラインメントマークが設けられている。
位置合装置28には、一台又は複数台の撮像装置(カメラ)13と、カメラ移動装置23とが設けられており、先頭の真空槽111の外部には、コンピュータ等の制御装置10が設けられている。
【0018】
撮像装置13は、カメラ移動装置23に取り付けられており、撮像装置13はカメラ移動装置23の動作によって、先頭の真空槽111に対して移動できるようにされている。
撮像装置13とカメラ移動装置23とは、制御装置10に接続されており、カメラ移動装置23は、制御装置10から入力される信号によって、撮像装置13を移動させ、撮像装置13は、移動された位置で撮像された画像を制御装置10に出力するようにされている。
【0019】
ここでは、撮像装置13は先頭の真空槽111の外部に配置されており、撮像装置13は、カメラ移動装置23によって移動された位置で、先頭の真空槽111に設けられた透明な窓18を介して、位置合装置28に配置された位置合対象物7と基板4とに設けられた対象物アラインメントマークと基板アラインメントマークとを撮像できるように配置されている。
【0020】
撮像装置13によって撮像される画像には、基板4のうちの基板アラインメントマークを含む部分と、位置合対象物7の対象物アラインメントマークを含む部分とが含まれており、撮像された画像には、対象物アラインメントマークの画像である対象物マーク像と、基板アラインメントマークの画像である基板マーク像とが含まれている。
【0021】
制御装置10に、撮像装置13から出力された対象物マーク像と基板マーク像とを含む画像が入力されると、制御装置10は、撮像した際の実際の位置合対象物7と基板4との間の相対位置を求める。
制御装置10には、基板4と位置合対象物7との間の予め設定された相対位置である基準位置が記憶されており、求められた相対位置と記憶された基準位置とを比較し、基準位置に対する相対位置の誤差角度、誤差量、誤差方向等の位置誤差を求める。
【0022】
位置合対象物7と、基板4との間の相対位置は変更できるように構成されている。
位置合装置28では、マスク保持装置26が位置合対象物(マスク)7を水平面内での平行移動及び回転移動と、上下方向での昇降移動とをさせるようにされており、位置合対象物7と基板4との間の水平面内での相対関係と、上下方向の距離とを変更できるようにされている。
【0023】
制御装置10は、位置合対象物7と基板4との間を離間させた状態で、求めた位置誤差を無くすように、相対移動装置によって位置合対象物7と基板4とを相対移動させ、位置合せを行う。
図1の符号29は、相対移動装置を模式的に示しており、薄膜形成装置3では、相対移動装置29は、マスク保持装置26を移動させることで、マスクである位置合対象物7を水平面内で直線移動と回転移動をさせ、位置合対象物7を先頭の真空室111内で移動させている。
【0024】
各真空槽111〜115の間には、ゲートバルブ411〜414が設けられており、真空槽111〜115間で位置合対象物7を移動させる際には、ゲートバルブ411〜414は空けられる。
位置合せ後、基板4と位置合対象物7とは二番目以降の真空槽112〜115を順番に移動して、基板4や、位置合対象物7の表面に薄膜が形成された後、位置合対象物7は、形成された薄膜が剥離されない状態で位置合装置28に戻され、再度の位置合せが行われる。
【0025】
このように位置合せと移動がされる基板4は、先頭の真空槽111の外部から一枚ずつ搬入される。それに対し、位置合対象物7は、真空槽111〜115以外の場所に複数個準備されており、撮像装置13によって得られる対象物マーク像の画像は、鮮明度が位置合対象物7毎に異なる。
【0026】
そのため、各位置合対象物7毎に撮像装置13によって鮮明な対象物マーク像が得られる条件を求めるために、先ず、各位置合対象物7は、基板4との間で位置合せが行われる前に、各位置合対象物7は位置合装置28に配置され、位置合対象物(マスク)7は、基板4との位置合せの際に配置されるマスク保持装置26に配置される。
【0027】
そして、その状態で照明装置12に通電して発光させ、生成された照射光によって位置合対象物7を照明しながら、撮像装置13によって対象物アラインメントマークを撮像し、対象物マーク像を得る。
【0028】
対象物マーク像の鮮明さは、位置合対象物7が照明装置12によって照明される強さによって変化するため、制御装置10は、照明装置12によって位置合対象物7が照明される光の強さである照明強度を変化させて各位置合対象物7を撮像し、対象物マーク像が鮮明に得られるときの照明装置12による光の強さである照明強度を、各位置合対象物7毎に求める。ここでは、対象物マーク像が最も鮮明に得られたときの照明強度を求める。
【0029】
照明装置12は、通電量によって発光強度を変更することで、照明強度を変更できるときは、照明強度に代え、通電量を照明強度として記憶してもよいし、照明装置12に設けられたシャッター等によって、照明装置12の発光強度を一定にしたまま、位置合対象物7の照明強度が変更できるときは、照明強度に代え、シャッターの開度等を照明強度として記憶してもよい。
【0030】
各位置合対象物7には、位置合対象物7毎に異なる識別標識が撮像装置13によって撮像できる位置に設けられている。
各位置合対象物7毎に、照明強度を求める際には、照明強度を求める位置合対象物7の識別標識も撮像され、撮像された識別標識の画像である識別像が求められている。
【0031】
制御装置10には、記憶装置17が接続されており、位置合対象物7毎に求められた照明強度は、識別像から得られた識別標識と対応付け、識別標識から、識別標識で特定される位置合対象物7の照明強度を求める照明関係を作成して、記憶装置17に記憶させる。
【0032】
また、対象物マーク像の鮮明さは、撮像される際の位置合対象物7と撮像装置13との間の距離によって変化する。
位置合装置28は、撮像装置13と、位置合対象物7との間の上下方向の距離を、移動装置によって変更できるように構成されており、ここではカメラ移動装置23が、撮像装置13と位置合対象物7との間の距離を変更する移動装置となり、対象物アラインメントマークを撮像する際に、撮像装置13と位置合対象物7との間の距離を変更することができる。
【0033】
各位置合対象物7毎に撮像装置13によって鮮明な対象物マーク像が得られる条件を求めるために、位置合装置28に配置された位置合対象物7と撮像装置13と間の距離を変更しながら撮像装置13によって対象物アラインメントマークを撮像し、鮮明な対象物マーク像が得られたときの距離を位置合距離として求める。
【0034】
ここでは、最も鮮明な対象物マーク像が得られたときの距離を位置合距離とし、識別像から得られた識別標識に対応付け、識別標識から、識別標識で特定される位置合対象物7の位置合距離を求められる距離関係を作成して記憶装置17に記憶させる。
【0035】
載置台24を上下方向に移動可能に構成し、載置台24を移動装置として、基板4を位置合対象物7とし、移動装置によって位置合対象物7を上下方向に移動させ、撮像装置13と位置合対象物7との間の距離を変更し、位置合距離を求めるようにしてもよい。
【0036】
各位置合対象物7に対して、照明強度と位置合距離の両方を求めるときには、先ず、照明強度を求め、次に、その照明強度で各位置合対象物7が照明されるようにして、位置合距離を求めることができるし、先に位置合距離を求めた後、照明強度を求めてもよい。
【0037】
また、先ず、設定された位置合距離で照明強度を求めた後、求めた照明強度で位置合距離を求めることと、求めた位置合距離で照明強度を求めることとを繰り返し行って、正確な照明強度と位置合距離を求めることができる。
【0038】
この場合、先ず、設定された照明強度で位置合距離を求めた後、求めた位置合距離で照明強度を求めることと、求めた照明強度で位置合距離を求めることとを繰り返し行って正確な照明強度と位置合距離を求めることができる。
【0039】
基板4へ薄膜を形成する際には、先ず、先頭の真空槽111内に搬入された基板4と、先頭の真空槽111内に位置する位置合対象物7を位置合装置28に配置し、撮像装置13によって対象物マーク像を求め、求めた照明強度で位置合対象物7が照明されるように照明装置12を設定し、撮像装置13と位置合対象物7との間の距離を位置合距離にし、撮像装置13で基板アラインメントマークと対象物アラインメントマークとを撮像し、距離誤差が所定値よりも小さくなるように、基板4と位置合対象物7との間の位置合せを行う。
【0040】
位置合せの際には、基板4の下方に位置する載置台24上に、搬送トレイ6が配置されており、位置合対象物7であるマスクと基板4とが位置合せされると、水平方向の相対位置を維持しながら密着され、搬送トレイ6に配置され、反転室である二番目の真空槽112に移動されて、互いに固定されて搬送対象物36が構成された後、上下が反転され、成膜室である三番目の真空槽113に移動され、搬送装置43上に配置される。符号37、4Aは、反転されて搬送装置43に配置された搬送対象物と基板とを示している。
【0041】
この状態の搬送対象物37は、位置合対象物7が下端に位置し、基板4Aと搬送トレイ6とが、この順序で位置合対象物7上に配置されており、搬送対象物37は搬送装置43によって搬送され、位置合対象物7が成膜源25と対面すると、薄膜材料微粒子は、位置合対象物7の開口を通過し、基板4A表面にパターニングされた薄膜を形成する。
【0042】
次いで、搬送対象物37は、出口側反転室である四番目の真空槽114内に搬入され、反転されて分離され、分離された基板4Bは五番目の真空槽115から次段の真空槽11Bに移動される。
【0043】
先頭〜五番目の真空槽111〜115の側方には、細長の搬送室である六番目の真空槽116が配置されており、六番目の真空槽116の一端と、他端は、ゲートバルブ415、416によって、五番目の真空槽115と先頭の真空槽111にそれぞれ接続されている。
このゲートバルブ415、416は開けられており、分離された位置合対象物7と搬送トレイ6は、六番目の真空槽116内に搬入され、移動される。
【0044】
六番目の真空槽116の途中には、ゲートバルブ417を介してマスクストッカー室45が接続されており、そのゲートバルブ417は開けた状態で、六番目の真空槽116内を搬送中の位置合対象物7の一部をマスクストッカー室45に搬入させると共に、表面が洗浄された位置合対象物7をマスクストッカー室45から六番目の真空槽116内に搬入し、六番目の真空槽116内に配置された第二の搬送装置によって搬送トレイ6と共に、位置合対象物7を六番目の真空槽116の内部を移動させ、先頭の真空槽111内に戻して搬入すると、位置合対象物7と搬送トレイ6とは、位置合装置28に戻され、位置合装置28に配置される。
【0045】
位置合装置28に配置された位置合対象物7は、識別標識が撮像され、識別像から求められた識別標識が照明関係と位置関係とに照合され、照明強度と位置合距離とが求められ、搬入された基板4との間で位置合せが行われる。
このように、薄膜形成装置3の位置合装置28では、最適な照明強度と位置合距離によって位置合対象物7の対象物アラインメントマークが撮像されるから、鮮明な対象物マーク像が得られる。
【0046】
制御装置10は、撮像装置13から入力された対象物マーク像と基板マーク像との相対的位置から、撮像した際の実際の基板4と位置合対象物7との相対的位置と、予め設定された基板4と位置合対象物7との相対的位置との間の誤差角度、誤差量、誤差方向等の位置合誤差を正確に求めることができる。
【0047】
なお、上記薄膜形成装置3では、撮像装置13によって識別標識の形状を撮像して得られた識別像から、識別標識を検出して位置合対象物を区別していたが、異なる磁気パターンによって識別標識を構成させ、識別標識の磁気パターンを認識して、識別標識を検出すること等、識別標識を撮像せずに、識別標識を検出することもできる。但し、コストの面からは、識別像から識別標識を検出することが望ましい。
なお、上記例では、マスクを位置合対象物7としたが、搬送トレイ6を、位置合対象物7として、基板4との間で位置合せを行う装置も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
3‥‥薄膜形成装置
4、4A、4B‥‥基板
7‥‥位置合対象物(マスク)
6‥‥搬送トレイ
10‥‥制御装置
111〜116‥‥真空槽
12‥‥照明装置
13‥‥撮像装置
17‥‥記憶装置
25‥‥成膜源
28‥‥位置合装置
29‥‥相対移動装置
図1
図2