(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
基板を保持して研磨面に押圧する基板保持面を有するトップリング本体と、前記基板を囲むように配置され前記研磨面に接触するリテーナリングとを有する基板保持装置であって、
下面に前記リテーナリングを保持するリング部材と、前記トップリング本体の中心部に配置され前記トップリング本体に支持される中心部材と、前記リング部材と前記中心部材とを連結するための複数の連結用アームとを有したドライブリングを備え、
前記ドライブリングは、前記中心部材と前記複数の連結用アームとを含む中心部と、前記リング部材からなるリング部とを締結具によって接続して構成されるか、または前記中心部材と前記複数の連結用アームの半径方向内側部分とを含む中心部と、前記複数の連結用アームの半径方向外側部分と前記リング部材とを含むリング部とを締結具によって接続して構成され、
前記中心部は第一の材料で構成され、前記中心部と前記リング部との接続部に、第一の材料よりも縦弾性係数の小さい第二の材料で構成される部分を設けたことを特徴とする基板保持装置。
基板を保持して研磨面に押圧する基板保持面を有するトップリング本体と、前記基板を囲むように配置され前記研磨面に接触するリテーナリングとを有する基板保持装置であって、
下面に前記リテーナリングを保持するリング部材と、前記トップリング本体の中心部に配置され前記トップリング本体に支持される中心部材と、前記リング部材と前記中心部材とを連結するための複数の連結用アームとを有したドライブリングを備え、
前記中心部材は第一の材料で構成され、
前記ドライブリングの中心部材に固定されるとともに前記トップリング本体内に設置された軸受に挿入されるガイドシャフトと、前記ドライブリングの中心部材との間に該第一の材料よりも縦弾性係数の小さい第二の材料で構成される部分を設けたことを特徴とする基板保持装置。
前記連結用アームの接続部は、引っ張り、圧縮、せん断、曲げ方向の荷重を受けられるように互いが面で接触して面間にあるゴム部材を圧縮する形状であることを特徴とする請求項2に記載の基板保持装置。
前記ドライブリングは、該ドライブリングの中心部材に接続されたガイドシャフトと前記トップリング本体の中心部に配置された球面軸受によって傾きと上下動作が可能になるように支持され、前記連結用アームはメンブレンを保持するキャリアに支持された一対のローラーによって挟まれ、前記ドライブリングの回転方向の動きが拘束されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基板保持装置。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化・高密度化に伴い、回路の配線がますます微細化し、多層配線の層数も増加している。回路の微細化を図りながら多層配線を実現しようとすると、下側の層の表面凹凸を踏襲しながら段差がより大きくなるので、配線層数が増加するに従って、薄膜形成における段差形状に対する膜被覆性(ステップカバレッジ)が悪くなる。したがって、多層配線するためには、このステップカバレッジを改善し、然るべき過程で平坦化処理しなければならない。また光リソグラフィの微細化とともに焦点深度が浅くなるため、半導体デバイスの表面の凹凸段差が焦点深度以下に収まるように半導体デバイス表面を平坦化処理する必要がある。
【0003】
したがって、半導体デバイスの製造工程においては、半導体デバイス表面の平坦化がますます重要になっている。この表面の平坦化において最も重要な技術は、化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)である。この化学機械研磨は、シリカ(SiO
2)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッドの研磨面上に供給しつつウェハを研磨面に摺接させて研磨を行うものである。
【0004】
CMPを行うための研磨装置は、研磨パッドを支持する研磨テーブルと、ウェハ等の基板を保持するためのトップリング又は研磨ヘッド等と称される基板保持装置とを備えている。このような研磨装置を用いて基板の研磨を行う場合には、基板保持装置により基板を保持しつつ、基板を研磨パッドの研磨面に対して所定の圧力で押圧する。このとき、研磨テーブルと基板保持装置とを相対運動させることにより基板が研磨面に摺接し、基板の表面が研磨される。
【0005】
研磨中の基板と研磨パッドの研磨面との間の相対的な押圧力が基板の全面に亘って均一でない場合には、基板の各部分に与えられる押圧力に応じて研磨不足や過研磨が生じてしまう。そこで、基板に対する押圧力を均一化するために、基板保持装置の下部にメンブレン(弾性膜)から形成される圧力室を設け、この圧力室に空気などの流体を供給することでメンブレンを介して流体圧により基板を押圧することが行われている。
【0006】
上記研磨パッドは弾性を有するため、研磨中の基板のエッジ部(周縁部)に加わる押圧力が不均一になり、基板のエッジ部のみが多く研磨される、いわゆる「縁だれ」を起こしてしまう場合がある。このような縁だれを防止するため、基板のエッジ部を保持するリテーナリングをトップリング本体(又はキャリアヘッド本体)に対して上下動可能に設け、基板の外周縁側に位置する研磨パッドの研磨面をリテーナリングで押圧するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した研磨装置においては、研磨中に基板と研磨パッドの間に摩擦力が発生するため、この摩擦力をリテーナリングによって受けることにより基板がトップリング本体の下部から飛び出さないようにしている。また、上述したようにリテーナリングは研磨パッドを押圧することで研磨パッドを変形させ、この変形によって基板のエッジ部(周縁部)の研磨量を制御するようにしている。
【0009】
基板と研磨パッドの間の高い摩擦力と基板と研磨パッドの低い相対速度における研磨では、スティックスリップ等を原因とする振動が起こりやすい。このような厳しい研磨条件で起こる振動によって、研磨中の基板がトップリングから飛び出すことがある。この領域での研磨は避けなければならないため、研磨レシピで設定できる範囲よりも実際の研磨条件は狭くなる。この研磨不可領域を狭くすることはレシピの組み合わせ自由度を増すことになり、研磨性能の向上につながる。
【0010】
本発明者らの研究によれば、この振動の発振源は研磨パッドと基板の間であると考えられ、基板の振動がリテーナリングを介してトップリング本体に伝わり、トップリングの共振など複合的な要因によってリテーナリングの押圧が不安定となり、リテーナリングと研磨パッドの間に隙間が生じて研磨中の基板が飛び出すと考えられる。
【0011】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、リテーナリングからトップリング本体に伝わる振動を減衰することにより、トップリング全体の振動を軽減することができる基板保持装置および研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するため、本発明の
実施形態によれば、基板を保持して研磨面に押圧する基板保持面を有するトップリング本体と、前記基板を囲むように配置され前記研磨面に接触するリテーナリングとを有する基板保持装置であって、下面に前記リテーナリングを保持するリング部材と、前記トップリング本体の中心部に配置され前記トップリング本体に支持される中心部材と、前記リング部材と前記中心部材とを連結するための連結部とを有したドライブリングを備え、前記ドライブリングは、第一の材料と、該第一の材料よりも縦弾性係数の小さい第二の材料で構成されてい
る。
【0013】
上記実施形態によれば、ドライブリングを第一の材料と、第一の材料より縦弾性係数の小さい第二の材料で構成することにより、研磨中にリテーナリングで発生した振動は、ドライブリングの第一の材料から第二の材料に伝達される際に、第二の材料で減衰される。したがって、リテーナリングからドライブリングを介してトップリング本体に伝わる振動を減衰することができ、トップリング全体の振動を減衰することができ、トップリング全体の振動を軽減することができる。
【0014】
上記実施形態の好ましい態様は、前記第二の材料はゴム部材であ
る。
上記実施形態によれば、第二の材料にゴム部材を用いることにより、大きな振動減衰効果を得ることができる。
上記実施形態の好ましい態様は、前記連結部は複数の連結用アームから構成され
る。
【0015】
本発明の第
一の態様は、基板を保持して研磨面に押圧する基板保持面を有するトップリング本体と、前記基板を囲むように配置され前記研磨面に接触するリテーナリングとを有する基板保持装置であって、下面に前記リテーナリングを保持するリング部材と、前記トップリング本体の中心部に配置され前記トップリング本体に支持される中心部材と、前記リング部材と前記中心部材とを連結するための複数の連結用アームとを有したドライブリングを備え、前記ドライブリングは、前記中心部材と前記複数の連結用アームとを含む中心部と、前記リング部材からなるリング部とを締結具によって接続して構成されるか、または前記中心部材と前記複数の連結用アームの半径方向内側部分とを含む中心部と、前記複数の連結用アームの半径方向外側部分と前記リング部材とを含むリング部とを締結具によって接続して構成され
、前記中心部は第一の材料で構成され、前記中心部と前記リング部との接続部に、第一の材料よりも縦弾性係数の小さい第二の材料で構成される部分を設けたことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、ドライブリングを中心部とリング部とに二分割する構成とし、中心部とリング部との接続部に、該中心部やリング部より縦弾性係数が小さい部材を介在させることができる。これにより、研磨中にリテーナリングで発生した振動がドライブリングのリング部から中心部に伝達される際に、接続部に設けられた縦弾性係数の小さい部材により振動を減衰させることができる。したがってトップリング全体の振動を軽減することができる。
【0017】
本発明の
第二の態様は、
基板を保持して研磨面に押圧する基板保持面を有するトップリング本体と、前記基板を囲むように配置され前記研磨面に接触するリテーナリングとを有する基板保持装置であって、下面に前記リテーナリングを保持するリング部材と、前記トップリング本体の中心部に配置され前記トップリング本体に支持される中心部材と、前記リング部材と前記中心部材とを連結するための複数の連結用アームとを有したドライブリングを備え、前記ドライブリングは、前記中心部材と前記複数の連結用アームとを含む中心部と、前記リング部材からなるリング部とを締結具によって接続して構成されるか、または前記中心部材と前記複数の連結用アームの半径方向内側部分とを含む中心部と、前記複数の連結用アームの半径方向外側部分と前記リング部材とを含むリング部とを締結具によって接続して構成され、前記中心部と前記リング部との接続部にゴム部材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ドライブリングの中心部とリング部との接続部に設けたゴム部材により、大きな振動減衰効果を得ることができる。
【0018】
本発明の第三の態様は、基板を保持して研磨面に押圧する基板保持面を有するトップリング本体と、前記基板を囲むように配置され前記研磨面に接触するリテーナリングとを有する基板保持装置であって、下面に前記リテーナリングを保持するリング部材と、前記トップリング本体の中心部に配置され前記トップリング本体に支持される中心部材と、前記リング部材と前記中心部材とを連結するための複数の連結用アームとを有したドライブリングを備え、前記中心部材は第一の材料で構成され、前記ドライブリングの中心部材に固定されるとともに前記トップリング本体内に設置された軸受に挿入されるガイドシャフトと、前記ドライブリングの中心部材との間に該第一の材料よりも縦弾性係数の小さい第二の材料で構成される部分を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ドライブリングとガイドシャフトの接続部にゴム部材を設けているため、リテーナリングからの振動がドライブリングを介してガイドシャフトに伝達される際に、ゴム部材で減衰されることになる。したがってトップリング全体の振動が軽減される。
【0019】
本発明の好ましい態様は、前記第二の材料はゴム部材であることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ゴム部材は、EPDM、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム又は、減衰能力が高められた合成ゴムからなることを特徴とする。
【0020】
本発明の好ましい態様は、前記ゴム部材は、モールドされたゴム部材であることを特徴とする。
本発明によれば、部品間にすきまを設け、そこにゴムを流し込むモールド式によっても、接続部にある部品間にゴム部材を設けることができる。
【0021】
本発明の好ましい態様は、前記連結用アームの接続部は、引っ張り、圧縮、せん断、曲げ方向の荷重を受けられるように互いが面で接触して面間にあるゴム部材を圧縮する形状であることを特徴とする。
【0022】
本発明の好ましい態様は、前記ドライブリングは、該ドライブリングの中心部材に接続されたガイドシャフトと前記トップリング本体の中心部に配置された球面軸受によって傾きと上下動作が可能になるように支持され、前記連結用アームはメンブレンを保持するキャリアに支持された一対のローラーによって挟まれ、前記ドライブリングの回転方向の動きが拘束されることを特徴とする。
本発明によれば、球面軸受とガイドシャフトのはめあいによって、ドライブリングおよびリテーナリングの上下移動および傾動を許容する一方で、ドライブリングおよびリテーナリングの横方向の移動(水平方向の移動)を制限する。基板の研磨中は、リテーナリングは基板と研磨パッドとの摩擦に起因した横方向の力(基板の半径方向外側に向かう力)を基板から受ける。この横方向の力は、ドライブリングを介して球面軸受に伝わり、球面軸受によって受けられる。このように、球面軸受は、基板の研磨中に、基板と研磨パッドとの摩擦に起因してリテーナリングが基板から受ける横方向の力(基板の半径方向外側に向かう力)を受けつつ、リテーナリングの横方向の移動を制限する(すなわちリテーナリングの水平方向の位置を固定する)。また、本発明によれば、各連結用アームは、キャリアに固定された一対のローラーにより挟まれており、ドライブリングの回転方向の自由度が拘束される。
【0023】
本発明の第四の態様は、請求項1乃至
8のいずれか一項に記載の基板保持装置と、研磨面を有する研磨パッドを支持する研磨テーブルとを備えたことを特徴とする研磨装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、リテーナリングからドライブリングを介してトップリング本体に伝わる振動を減衰することにより、トップリング全体の振動を軽減することができる。
また、本発明によれば、基板と研磨パッドの間の高い摩擦力と基板と研磨パッドの低い相対速度を組み合わせた研磨条件で発生していた振動を抑制することができるため、基板の破損を防止することができ、研磨条件の組み合わせ(プロセスウインドウ)を広げることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の基板保持装置および研磨装置の実施形態について
図1乃至
図11を参照して詳細に説明する。なお、
図1から
図11において同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板保持装置を備えた研磨装置の全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、研磨装置は、研磨パッド2を支持する研磨テーブル3と、研磨対象物であるウェハ等の基板Wを保持して研磨パッド2に押圧する基板保持装置としてのトップリング1とを備えている。
【0027】
研磨テーブル3は、テーブル軸3aを介してその下方に配置されるモータ(図示せず)に連結されており、そのテーブル軸3aを中心に回転可能になっている。研磨パッド2は、研磨テーブル3の上面に貼付されており、研磨パッド2の上面2aが基板Wを研磨する研磨面を構成している。研磨テーブル3の上方には研磨液供給機構5が設置されており、この研磨液供給機構5によって研磨パッド2上に研磨液が供給されるようになっている。
【0028】
トップリング1は、トップリングシャフト11に接続されており、このトップリングシャフト11は、トップリングヘッド16に設置された上下動機構(図示せず)により上下動するようになっている。このトップリングシャフト11の上下動により、トップリングヘッド16に対してトップリング1の全体を矢印で示すように昇降させ、位置決めするようになっている。さらに、トップリングシャフト11は、トップリングヘッド16内に設置された回転機構(図示せず)により回転するようになっている。したがって、トップリング1は、トップリングシャフト11の回転に伴って、矢印で示すように自身の軸心を中心に回転する。
【0029】
図2は、研磨装置の詳細な構成を示す図である。研磨テーブル3は、テーブル軸3aを介してその下方に配置されるモータ13に連結されており、そのテーブル軸3a周りに回転可能になっている。研磨テーブル3の上面には研磨パッド2が貼付されており、研磨パッド2の上面が基板Wを研磨する研磨面2aを構成している。モータ13により研磨テーブル3を回転させることにより、研磨面2aはトップリング1に対して相対的に移動する。
【0030】
トップリング1は、トップリングシャフト11に接続されており、このトップリングシャフト11は、上下動機構27によりトップリングヘッド16に対して上下動するようになっている。このトップリングシャフト11の上下動により、トップリングヘッド16に対してトップリング1の全体を昇降させ位置決めするようになっている。トップリングシャフト11の上端にはロータリージョイント25が取り付けられている。
【0031】
トップリングシャフト11およびトップリング1を上下動させる上下動機構27は、軸受26を介してトップリングシャフト11を回転可能に支持するブリッジ28と、ブリッジ28に取り付けられたボールねじ32と、支柱30により支持された支持台29と、支持台29上に設けられたサーボモータ38とを備えている。サーボモータ38を支持する支持台29は、支柱30を介してトップリングヘッド16に固定されている。
【0032】
ボールねじ32は、サーボモータ38に連結されたねじ軸32aと、このねじ軸32aが螺合するナット32bとを備えている。トップリングシャフト11は、ブリッジ28と一体となって上下動するようになっている。したがって、サーボモータ38を駆動すると、ボールねじ32を介してブリッジ28が上下動し、これによりトップリングシャフト11およびトップリング1が上下動する。トップリングヘッド16には、ブリッジ28に対向するトップリング高さセンサ39が設けられている。このトップリング高さセンサ39は、トップリング1と一体に上下動するブリッジ28の位置からトップリング1の高さを測定する。
【0033】
また、トップリングシャフト11はキー(図示せず)を介して回転筒12に連結されている。この回転筒12はその外周部にタイミングプーリ14を備えている。トップリングヘッド16にはトップリング用モータ18が固定されており、上記タイミングプーリ14は、タイミングベルト19を介してトップリング用モータ18に設けられたタイミングプーリ20に接続されている。したがって、トップリング用モータ18を回転駆動することによってタイミングプーリ20、タイミングベルト19、およびタイミングプーリ14を介して回転筒12およびトップリングシャフト11が一体に回転し、トップリング1がその軸心を中心として回転する。トップリングヘッド16は、フレーム(図示せず)に回転可能に支持されたトップリングヘッドシャフト21によって支持されている。
【0034】
トップリング1は、その下面に基板Wを保持できるようになっている。トップリングヘッド16はトップリングシャフト21を中心として旋回可能に構成されており、下面に基板Wを保持したトップリング1は、トップリングヘッド16の旋回により基板Wの受取位置から研磨テーブル3の上方に移動される。そして、トップリング1を下降させて基板Wを研磨パッド2の研磨面2aに押圧する。このとき、トップリング1および研磨テーブル3をそれぞれ回転させ、研磨テーブル3の上方に設けられた研磨液供給機構5から研磨パッド2上に研磨液を供給する。このように、研磨パッド2と基板Wとの間に研磨液が存在した状態で基板Wを研磨パッド2の研磨面2aに摺接させて基板Wの表面を研磨する。
【0035】
次に、基板保持装置を構成するトップリング1について説明する。
図3は、トップリング1の断面図である。
図3に示すように、トップリング1は、基板Wを研磨面2aに対して押圧するトップリング本体10と、基板Wを囲むように配置されたリテーナリング40とを備えている。トップリング本体10およびリテーナリング40は、トップリングシャフト11の回転により一体に回転するように構成されている。リテーナリング40は、トップリング本体10とは独立して上下動可能に構成されている。
【0036】
トップリング本体10は、円板状のフランジ42と、フランジ42の下面に取り付けられたスペーサ43と、スペーサ43の下面に取り付けられたキャリア44とを備えている。フランジ42は、トップリングシャフト11に連結されている。キャリア44は、スペーサ43を介してフランジ42に連結されており、フランジ42、スペーサ43、およびキャリア44は、一体に回転し、かつ上下動する。フランジ42、スペーサ43、およびキャリア44から構成されるトップリング本体10は、エンジニアリングプラスティック(例えば、PEEK)などの樹脂により形成されている。なお、フランジ42をSUS、アルミニウムなどの金属で形成してもよい。
【0037】
キャリア44の下面には、基板Wの裏面に当接するメンブレン(弾性膜)45が取り付けられている。メンブレン45の下面が基板保持面45aを構成する。メンブレン45は同心状の複数の隔壁45bを有しており、これらの隔壁45bにより、メンブレン45とキャリア44との間に4つの圧力室、すなわち、センター室50、リプル室51、アウター室52およびエッジ室53が形成されている。これらの圧力室50〜53はロータリージョイント25(
図2参照)を経由して圧力調整装置(図示せず)に接続されており、圧力調整装置から加圧流体が供給されるようになっている。圧力調整装置は、これら4つの圧力室50〜53内の圧力を独立に調整できるようになっている。さらに、圧力調整装置は、圧力室50〜53内に負圧を形成することも可能となっている。メンブレン45は、リプル室51またはアウター室52に対応する位置に通孔(図示せず)を有しており、この通孔に負圧を形成することによりトップリング1はその基板保持面45a上に基板Wを保持できるようになっている。メンブレン45は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度および耐久性に優れたゴム材によって形成されている。センター室50、リプル室51、アウター室52およびエッジ室53は大気開放機構(図示せず)にも接続されており、センター室50、リプル室51、アウター室52およびエッジ室53を大気開放することも可能である。
【0038】
リテーナリング40は、トップリング本体10のキャリア44およびメンブレン45を囲むように配置されている。このリテーナリング40は、円周方向に間隔をおいて配置された複数のボルト46によってドライブリング41に結合されている。下面にリテーナリング40を保持するリング部材41Rと、トップリング本体10の中心部に配置されトップリング本体10に支持される中心部材41Cと、リング部材41Rと中心部材41Cとを連結するための複数の連結用アーム41Aとを備えている(後述する)。リテーナリング40は、基板Wの外周縁を囲むように配置されており、基板Wの研磨中に基板Wがトップリング1から飛び出さないように基板Wを保持している。
【0039】
キャリア44の中央部には球面軸受55が配置されている。球面軸受55は、キャリア44に固定された外輪56と、外輪56に支持された内輪57とから構成されており、キャリア44の中央部にフランジ59によって固定されている。外輪56の内周面と内輪57の外周面は、支点Oを中心とした球面に形成されて球面の滑り接触になっており、内輪57は支点Oを中心として外輪56に対して全方向(360°)に傾動可能となっている。
【0040】
一方、ドライブリング41の中心部にある中心部材41Cには、ガイドシャフト58が複数のボルト48によって固定されている。そして、ガイドシャフト58の軸部は内輪57の貫通孔57hに嵌合されており、ガイドシャフト58は球面軸受55の内輪57に対して上下方向に移動可能になっている。したがって、ガイドシャフト58に連結されたドライブリング41は、球面軸受55の直動ガイドを介してキャリア44に位置決めされる。ガイドシャフト58はステンレス(例えば、SUS304)等の金属かセラミックで製作される。セラミックは基板の膜厚を測定するセンサが渦電流式の場合に必要とされる。
球面軸受55の材質は、エンジニアリングプラスティック等の摩擦抵抗が低く耐磨耗性の高い樹脂やセラミックが用いられるが、ステンレス等の金属材料でもよい。
【0041】
球面軸受55とガイドシャフト58のはめあいによって、ドライブリング41およびリテーナリング40の上下移動および傾動を許容する一方で、ドライブリング41およびリテーナリング40の横方向の移動(水平方向の移動)を制限する。基板の研磨中は、リテーナリング40は基板と研磨パッド2との摩擦に起因した横方向の力(基板の半径方向外側に向かう力)を基板から受ける。この横方向の力は、ドライブリング41を介して球面軸受55に伝わり、球面軸受55によって受けられる。このように、球面軸受55は、基板の研磨中に、基板と研磨パッド2との摩擦に起因してリテーナリング40が基板から受ける横方向の力(基板の半径方向外側に向かう力)を受けつつ、リテーナリング40の横方向の移動を制限する(すなわちリテーナリング40の水平方向の位置を固定する)支持機構として機能する。
【0042】
図3に示すように、ドライブリング41の上部は、環状のリテーナリング押圧機構60に連結されており、このリテーナリング押圧機構60は、ドライブリング41の上面の全体に均一な下向きの荷重を与え、これによりリテーナリング40の下面を研磨パッド2の研磨面2aに対して押圧する。
【0043】
リテーナリング押圧機構60は、ドライブリング41の直上に位置するピストン61と、ピストン61の上面に接続された環状のローリングダイヤフラム62とを備えている。ローリングダイヤフラム62の内部にはリテーナリング圧力室63が形成されている。このリテーナリング圧力室63はロータリージョイント25(
図2参照)を経由して前記圧力調整装置に接続されている。この圧力調整装置からリテーナリング圧力室63に加圧流体(例えば、加圧空気)を供給すると、ローリングダイヤフラム62がピストン61を下方に押し下げ、さらに、ピストン61はドライブリング41の全体を下方に押し下げる。このようにして、リテーナリング押圧機構60は、リテーナリング40の下面を研磨パッド2の研磨面2aに対して押圧する。さらに、圧力調整装置によりリテーナリング圧力室63内に負圧を形成することにより、リテーナリング40およびドライブリング41の全体を上昇させることができる。リテーナリング圧力室63は大気開放機構(図示せず)にも接続されており、リテーナリング圧力室63を大気開放することも可能である。
【0044】
ドライブリング41は、リテーナリング押圧機構60に着脱可能に連結されている。より具体的には、ピストン61は金属などの磁性材から形成されており、ドライブリング41の上部には複数の磁石64が円周方向に間隔をおいて配置されている(
図3では1個の磁石64のみ示す)。これら磁石64がピストン61を引き付けることにより、ドライブリング41がピストン61に磁力により固定される。ピストン61の磁性材としては、例えば、耐蝕性の磁性ステンレスが使用される。なお、ドライブリング41を磁性材で形成し、ピストン61に磁石を配置してもよい。
【0045】
図3に示すように、トップリングシャフト11はフランジ42に接続し、トップリング全体を保持する。メンブレン圧力、リテーナリング圧力の配管はトップリングシャフト内を通って供給される。トップリングシャフト11はボールネジ32とモータ38(
図2参照)に接続され、研磨時のトップリング1の高さを制御する。メンブレン45を用いて研磨するトップリング1においては、メンブレン45の変形具合によって研磨特性が変化する。メンブレン45は上下方向に非線形の伸びを示すので、トップリング1の高さが変化するとメンブレン45の基板への面圧分布が変化する。そのため、メンブレン45を保持するキャリア44と研磨パッド2の距離を等しく維持し、変形形状を均一にすることは安定した研磨特性を得るために必要とされる。本発明においては、研磨時のトップリング1の高さは、メンブレン45、基板W、および研磨パッド2の相対的位置関係が研磨プロセス的に最適な位置になるように制御される。
【0046】
リテーナリング40は研磨中の研磨パッド2との摩擦によって減耗する。減耗しても研磨パッド2への押圧力が維持されるように、リテーナリング40はメンブレンを保持するキャリア44に対して上下に自由に動くようになっている。リテーナリング40はトップリング1の高さが変化しても研磨パッド2に接触することができるように、エアバック(ローリングダイヤフラム62)で加圧される。特にエアバック(ローリングダイヤフラム62)は、
図3に示すとおりピストン61の内径側と外径側に折り返しが設けられた形状であり、ピストン61が上下するとこの折り返し部が転がるように移動する。これによって、ピストン61が上下にストロークしてもゴムの伸び量は変化しないので、推力の損失が抑えられる。
【0047】
図4は、ドライブリング41を示す平面図である。
図4に示すように、ドライブリング41は、下面にリテーナリング40を保持するリング部材41Rと、中心部にあるハブ状の中心部材41Cと、中心部材41Cとリング部材41Rとを連結するための放射状に延びる複数の連結用アーム41Aとを備えている。
図4においては、リング部材41Rの下面にリテーナリング40を固定するための円周方向に間隔をおいて配置された多数のボルト46が図示されている。中心部にある中心部材41Cに前記ガイドシャフト58が複数のボルト48によって固定されている。中心部材41Cとリング部材41Rとを連結するための放射状に延びる複数の連結用アーム41Aは、半径方向内側部分と半径方向外側部分とに二分割されボルト65により連結されている(後述する)。各連結用アーム40Aは、キャリア44に固定された一対のローラー49,49により挟まれており、ドライブリング41の回転方向の自由度が拘束されている。
【0048】
研磨処理前後では処理する基板の受け渡しを行う。基板の受け渡し動作では基板の外周に位置するリテーナリング40が邪魔になるため、リテーナリング40を外から押し上げる機構が必要となる。この押し上げ機構はプッシャー、もしくはリテーナリングステーションと呼ばれる。また、押し上げ機構が下降した際にはリテーナリング40は自重で落下し、元の位置に戻る必要がある。これら押し上げ動作と落下動作の際にリテーナリング40を保持するドライブリング41の上下動作が妨げられないように、ローラー49とドライブリング41との間に隙間寸法が必要となっている。本実施形態では、ローラー49とドライブリング41の連結用アーム41Aとの間には0.2〜0.5mmほどのすき間が設定され、ドライブリング41の傾動と上下動作が必要以上に拘束されないようになっている。
【0049】
ローラー49は樹脂の一体物でも良いが、振動の吸収や製作誤差によるローラー49とドライブリング41の位置ずれが吸収できるように内輪と外輪の間にゴムがモールドされたものがより良い。
図5は、内輪と外輪の間にゴムがモールドされたローラーを示す断面図である。
図5に示すように、連結用アーム41Aは一対のローラー49,49により挟まれている。各ローラー49と連結用アーム41Aとの間には、上述したように、0.2〜0.5mm程度のすき間が設定されている。各ローラー49は、内輪49aと外輪49bと内外輪間にモールドされたゴム49cとから構成されている。内輪49aの内側にはシャフト49dが設けられており、シャフト49dの両端はキャリア44に支持されている(図示せず)。
図5に示すように、内輪49aと外輪49bの間にゴム49cがモールドされることにより、振動の吸収と、製作誤差によるローラー49とドライブリング41の位置ずれが吸収できる。
【0050】
図6および
図7(a),(b),(c)は、本発明のドライブリング41の第1の態様を示す図であり、
図6はドライブリング41の分解斜視図であり、
図7(a),(b),(c)は
図6のVII部分を示す拡大図である。
図6に示すように、ドライブリング41は、放射状に延びる複数の連結用アーム41Aの途中で、中心側と外周側とに分割した二分割構造になっている。すなわち、ドライブリング41は、中心部材41Cと中心部材41Cから半径方向外側に延びる複数の連結用アーム41Aの主要部分とを備えた中心部41aと、リング部材41Rとリング部材41Rから半径方向内側に延びる複数の連結用アーム41Aの一部とを備えたリング部41bとに二分割されている。中心部41aの中心部材41Cにはガイドシャフト58がボルト48で固定されている。中心部41aとリング部41bは、それぞれから伸びる連結用アーム41Aの端部同士でボルト65およびクランプ66を用いて締結される。
【0051】
図7(a)は中心部41aとリング部41bとの接続前の状態を示し、
図7(b)は中心部41aとリング部41bとの接続後の状態を示す。
図7(a)に示すように、中心部41aの連結用アーム41Aの端部とリング部41bの連結用アーム41Aの端部との間にはゴムシート67が設けられ、リング部41bの連結用アーム41Aの端部とクランプ66との間にはゴムシート67が設けられている。クランプ66にはねじ穴66sが形成されている。リング部41bの連結用アーム41Aの端部には、上下面に凸部t,tが形成されている。また、中心部41aの連結用アーム41Aの端部下面およびクランプ66の上面にも、それぞれ凸部tが形成されている。
図7(b)に示すように、ボルト65をクランプ66のねじ穴66sに締め込むことにより、中心部41aの連結用アーム41Aの端部とクランプ66とでリング部41bの連結用アーム41Aの端部を2枚のゴムシート67と一緒に挟み込んで固定している。これによって、中心部41aとリング部41bの間にはゴムシート67が介在することになり、リテーナリング40で発生した振動はゴムシート67により減衰されて中心部41aに伝わることになるので、トップリング全体の振動は軽減される。接続部(締結部)の固定力を高めるため、
図7(a),(b)に示すように、ゴムシート67を挟み込む部分に凹凸を付けてゴムに各部品が食い込む形状にすることが望ましい。また、この例のように、中心部41aとリング部41bとは互いが面で接触してゴムを圧縮する形状にすることで、引っ張り、圧縮、せん断、曲げの力を受けることができるようになる。
【0052】
また、接続部における各部品のスキマはその自由度を考慮して決定する。この自由度分だけ中心部41aとリング部41bが相対的に動けることになり、ゴムによる振動の減衰効果を得ることができる。一方、この自由度を増やしすぎるとゴムの挟み込みによる固定力以上の摩擦力が作用した場合に中心部41aとリング部41bがずれてしまう。
図6および
図7に示す例においては、連結用アーム41Aの端部相互の横方向の自由度は各部品のはめ合い部のすきまで設定し、回転方向の自由度は、
図7(c)に示すように連結用アーム41Aの端部にくの字形の凹凸を設け、すなわち、中心部41aの連結用アーム41Aの端部にはくの字形の凸部Taを設け、リング部41bのアームAの端部にはくの字形の凹部Tbを設け、凹凸部Ta,Tbの噛み合いによって設定する。
なお、
図7(c)に示すように、連結用アーム41Aの端部のくの字形の凹凸部Ta,Tbの対向面間にゴム68,68を設けて、凹凸部Ta,Tbの直接接触を防止するようにしてもよい。
図6および
図7に示す例ではゴムシートを挟む組立式であるが、部品間にすきまを設け、そこにゴムを流し込むモールド式でもよい。
【0053】
次に、一対のローラー49,49とドライブリング41の連結用アーム41Aとの位置関係について説明する。一対のローラー49,49と、
図6および
図7に示すような二分割構造である中心部41aとリング部41bとからなるドライブリング41の位置関係については、リテーナリング40からの負荷や振動が中心部41aに伝達される前に受け止めることができるようにすることが好ましい。そのため、
図4に示すように、一対のローラー49,49は、リング部41bから伸びる連結用アーム41Aを挟むような位置に配置し、リテーナリング40からの負荷や振動をリング部41b側の連結用アーム41Aで受け止めて中心部41aに伝達されないようにすることが好ましい。
【0054】
図8および
図9は、本発明のドライブリング41の第2の態様を示す図であり、
図8はドライブリング41とガイドシャフト58の分解斜視図であり、
図9はドライブリング41とガイドシャフト58とを接続した状態を示す部分断面図である。第2の態様では、ドライブリング41とガイドシャフト58の接続部にゴムシートを設置している。
図8に示すように、第2の態様においては、ドライブリング41は、リング部材41Rと中心部材41Cと複数の連結用アーム41Aとが分割構造ではなく一体構造になっている。振動を減衰するゴムシート71,71、上フランジ72および下フランジ73がドライブリング41の中心部材41Cのガイドシャフト58を固定する部分に配置されている。ドライブリング41の中心部材41Cには、ゴムシート71,71、上フランジ72、下フランジ73が設置できるように窪みrと切り欠きnが設けられている。下フランジ73には複数のネジ穴73sが形成されている。
【0055】
図9に示すように、ドライブリング41の中心部材41Cを挟み込むようにゴムシート71が上下に2枚配置され、ゴムシート71を挟むように上フランジ72と下フランジ73が配置され、下フランジ73に用意されたネジ穴73sを用いてガイドシャフト58を固定するボルト48で共締めされる。これによって、ガイドシャフト58、上フランジ72、下フランジ73はゴムシート71を介してドライブリング41に固定されることになり、リテーナリング40からの振動がドライブリング41を介してガイドシャフト58に伝達される際に、ゴムシート71で減衰されることになる。したがってトップリング全体の振動が軽減される。
【0056】
図10および
図11(a),(b)は、本発明のドライブリング41の第3の態様を示す図であり、
図10はドライブリング41の分解斜視図であり、
図11(a),(b)は
図10のXI部の拡大図である。第3の態様では、第1の態様と同様にドライブリング41を中心部41aとリング部41bとに二分割し、中心部41aとリング部41bの接続部にゴムシートを設置している。
図10に示すように、ドライブリング41は中心部41aとリング部41bとに二分割されている。中心部41aは中心部材41Cと複数の連結用アーム41Aとから構成され、中心部41aの複数の連結用アーム41Aはリング部41bの環状部分まで延びている。リング部41bはリング部材41Rのみから構成されている。連結用アーム41Aの端部とリング部材41Rとの間にはゴムシート75が配置されている。連結用アーム41Aの端部の上方には複数のボルト74が配置されている。
【0057】
図11(a)は中心部41aとリング部41bとの接続前の状態を示し、
図11(b)は中心部41aとリング部41bとを接続した状態を示す。
図11(a)に示すように、中心部41aの連結用アーム41Aの端部とリング部41bのリング部材41Rとの間にはゴムシート75が設けられている。中心部41aの連結用アーム41Aの上方にはボルト74が配置されている。リング部材41Rには複数のネジ穴41sが形成されている。
図11(b)に示すように、中心部41aの複数の連結用アーム41Aの端部がリング部41bのリング部材41Rにボルト74によって固定されることでドライブリング41が一体化され、前記連結用アーム41Aがリング部材41Rに接続される面にゴムシート75が挟まれている。これによって、リテーナリング40からの振動がドライブリング41を介してガイドシャフト58に伝達される際に、ゴムシート75で減衰されることになる。したがってトップリング全体の振動が軽減される。
【0058】
本発明のドライブリングの第1および第3の態様においては、ドライブリング41を中心部41aとリング部41bとの二分割構造にし、中心部41aとリング部41bとの接続部にゴムシート67,75を介装し、中心部41aとリング部41bとをボルト等の締結具によって一体化している。すなわち、剛性が高く縦弾性係数が大きいステンレス等の金属、エンジニアリングプラスティック等の樹脂、セラミック等からなる第一の材料で中心部41aとリング部41bとを構成し、第一の材料よりも縦弾性係数の小さいゴムシート67,71からなる第二の材料を介して中心部41aとリング部41bとを接続している。ゴムシートは、EPDM、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム又は、減衰能力が高められた合成ゴムからなる。すなわち、ドライブリング41は、第一の材料と、第一の材料よりも縦弾性係数の小さい第二の材料とで構成される。
【0059】
本発明のドライブリングの第2の態様においては、ドライブリング41と、ドライブリング41をトップリング本体10の中心部(具体的には、キャリア44の中心部)に配置された球面軸受55に連結するためのガイドシャフト58との間に、ゴムシート71を介装している。すなわち、剛性が高く縦弾性係数が大きいステンレス等の金属、エンジニアリングプラスティック等の樹脂、セラミック等からなる第一の材料でドライブリング41を構成し、ドライブリング41を第一の材料よりも縦弾性係数が小さいゴムシート71からなる第二の材料を介してガイドシャフト58に連結している。ゴムシートは、EPDM、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム又は、減衰能力が高められた合成ゴムからなる。ゴムシート71は、
図8に示すように、ドライブリング41とは別体でもよく、またドライブリング41の中心部材41Cにゴムモールドで一体に形成したものでもよい。したがって、第二の態様においても、ドライブリング41は、第一の材料と、第一の材料よりも縦弾性係数の小さい第二の材料とで構成される。
【0060】
このように、本発明のドライブリングの第1〜第3の態様によれば、ドライブリング41を第一の材料と、第一の材料より縦弾性係数の小さい第二の材料で構成することにより、研磨中にリテーナリングで発生した振動は、ドライブリングの第一の材料から第二の材料に伝達される際に、第二の材料で減衰される。したがって、リテーナリングからドライブリングを介してトップリング本体に伝わる振動を減衰することができ、トップリング全体の振動を減衰することができ、トップリング全体の振動を軽減することができる。
【0061】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。