(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エポキシ化合物(α)が、2つのエポキシ環の立体配置に基づく4つの立体異性体の含有割合をガスクロマトグラフの面積比から求めたときに、エキソ−エンド体とエンド−エンド体の含有割合が、それぞれ、4つの立体異性体全体中10%以下のものである、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を、1)エポキシ樹脂組成物、2)封止材、及び、3)光半導体装置、に項分けして詳細に説明する。
【0025】
1)エポキシ樹脂組成物
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記の(A)成分〜(C)成分を含有するものである。
(A)成分:前記式(I)で示されるエポキシ化合物(α)と、前記式(II)で示されるエポキシ当量が250g/当量以上のエポキシ化合物(β1)および前記式(III)で示されるエポキシ化合物(β2)からなる群から選ばれるエポキシ化合物(β)とからなり、エポキシ化合物(α)とエポキシ化合物(β)の重量比〔エポキシ化合物(α):エポキシ化合物(β)〕が、20:80〜80:20であるエポキシ化合物成分
(B)成分:酸無水物
(C)成分:硬化促進剤
【0026】
〔(A)成分:エポキシ化合物成分〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)成分として、前記式(I)で示されるエポキシ化合物(α)と、前記式(II)で示されるエポキシ当量が250g/当量以上のエポキシ化合物(β1)および前記式(III)で示されるエポキシ化合物(β2)からなる群から選ばれるエポキシ化合物(β)とからなり、エポキシ化合物(α)とエポキシ化合物(β)の重量比〔エポキシ化合物(α):エポキシ化合物(β)〕が、20:80〜80:20であるエポキシ化合物成分を含有する。
【0027】
本発明に用いるエポキシ化合物(α)は、前記式(I)で示される化合物である。式(I)中のR
1〜R
12は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
R
1〜R
12のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
R
1〜R
12の炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等の炭素数2〜20のアルキリデン基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の炭素数6〜20のアリール基;等が挙げられる。
【0028】
これらの中でも、R
1〜R
12は、光透過性と耐黄変性により優れる硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物を得ることができることから、互いに独立して、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。前記式(I)においてR
1〜R
12の全てが水素原子である場合、エポキシ化合物(α)は、テトラヒドロインデンジエポキシドである。
エポキシ化合物(α)は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
エポキシ化合物(α)は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、下記に示すように、対応する環状ポリオレフィン化合物(下記式(V)で示される化合物)を、酸化剤により酸化(エポキシ化)することにより、エポキシ化合物(α)を製造することができる。
【0031】
(式中、R
1〜R
12は前記と同じ意味を表す。)
酸化剤としては、過酸化水素、脂肪族過カルボン酸、有機過酸化物等が挙げられる。
酸化剤の使用量は、環状ポリオレフィン化合物の不飽和結合に対して1当量以上、好ましくは、1〜2当量である。
【0032】
エポキシ化反応は、溶媒中で行うのが好ましい。用いる溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;等が挙げられる。
【0033】
反応温度は、0℃以上用いる溶媒の沸点以下、好ましくは20〜70℃である。
反応時間は、反応規模等にもよるが、通常1〜100時間、好ましくは2〜50時間である。
反応終了後は、例えば、貧溶媒で沈殿させる方法やエポキシ化物を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、直接脱溶媒法等により、目的とするエポキシ化合物を得ることができる。
【0034】
エポキシ化合物(α)には、2つのエポキシ環の立体配置に基づく4つの立体異性体が存在する。すなわち、エポキシ化合物(α)は、エキソ−エキソの立体配置を有する立体異性体(エキソ−エキソ体)、エキソ−エンドの立体配置を有する立体異性体(エキソ−エンド体)、エンド−エキソの立体配置を有する立体異性体(エンド−エキソ体)、エンド−エンドの立体配置を有する立体異性体(エンド−エンド体)の4つの立体異性体から構成される。
【0035】
これらの各立体異性体の含有割合は、例えば、ガスクロマトグラムの面積比から求めることができる。ガスクロマトグラフィーは、例えば、下記の測定条件で行うことができる。
【0036】
測定装置:7890A(アジレント社製)
カラム:HP−1(アジレント社製)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
液相:100%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):50℃で10分間保持、5℃/分で250℃まで昇温
スプリット比:50
サンプル:0.5μL
【0037】
また、ガスクロマトグラフィーで検出されるエポキシ化合物(α)の4つの立体異性体の構造は、
1H-NMRや
13C−NMRで帰属することができる。
【0038】
エポキシ化合物(α)は、各立体異性体の含有割合を、ガスクロマトグラムの面積比から求めたときに、エキソ−エンド体とエンド−エンド体の含有割合が、それぞれ、4つの立体異性体全体中10%以下のものが好ましく、3%以下のものがより好ましい。エキソ−エンド体とエンド−エンド体の割合が、それぞれ、10%以下であることで、光透過性と耐黄変性により優れる硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物が得られ易くなる。
【0039】
エキソ−エンド体とエンド−エンド体を上記の割合で含有するエポキシ化合物(α)は、例えば、4つの立体異性体の混合物を、蒸留やカラムクロマトグラフィー等の公知の精製方法に供し、分離・精製することにより得ることができる。
【0040】
エポキシ化合物(β)は、前記式(II)で示されるエポキシ当量が250g/当量以上のエポキシ化合物(β1)および前記式(III)で示されるエポキシ化合物(β2)からなる群から選ばれるものである。
【0041】
エポキシ化合物(β1)は、前記式(II)で示されるエポキシ当量が250g/当量以上の化合物である。式(II)中のR
13、R
14は、互いに独立して、水素原子、又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。mは0〜20の整数を表す。
R
13、R
14の炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、R
1〜R
12の炭素数1〜20の炭化水素基として示したものと同様のものが挙げられる。
mは、0〜20の整数、好ましくは0〜10の整数を表す。
【0042】
エポキシ化合物(β1)のエポキシ当量は、250g/当量以上、好ましくは250〜2,000g/当量、より好ましくは260〜1,500g/当量である。エポキシ当量が250g/当量未満のときは、エポキシ樹脂組成物を硬化させる際に発泡したり、硬化物に熱が加わったときに黄変し易くなる。
【0043】
エポキシ化合物(β1)は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせて用いる場合、エポキシ当量は、混合物のエポキシ当量をいう。
2種以上のエポキシ化合物(β1)を用いる場合、繰り返し単位の数(m)の平均値は、通常、0.3以上、好ましくは0.3〜20である。
【0044】
エポキシ化合物(β1)は、公知の方法、例えば、対応する芳香族エポキシ樹脂を合成し、このものの芳香環を水素化することにより得ることができる。水素化反応の方法は特に限定されない。例えば、芳香族エポキシ樹脂を適当な有機溶剤に溶解し、得られた溶液にロジウム触媒やルテニウム触媒等の水素化触媒を添加し、このものに水素を導入することにより水素化反応を行うことができる。
【0045】
エポキシ化合物(β1)は、市販品を利用することもできる。かかる市販品としては、商品名:jER YX8034、YX8040(三菱化学社製のエポキシ樹脂)等が挙げられる。
【0046】
エポキシ化合物(β2)は、前記式(III)で示される化合物である。式(III)中のR
15は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。pは1〜50の整数、qは1〜10の整数を表す。
【0047】
R
15の炭素数1〜20の炭化水素基は、価数がqのものであれば、特に限定されない。
例えば、1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜20のアルキル基;ビニル基、アリル基等の炭素数2〜20のアルケニル基;エチリデン基、プロピリデン基等の炭素数2〜20のアルキリデン基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜20のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の炭素数6〜20のアリール基;等が挙げられる。
【0048】
また、多価の炭化水素基としては、メタン、エタン等のアルカン;エチレン等のアルケン;シクロプロパン等のシクロアルカン;ベンゼン等の芳香族化合物;等の炭化水素化合物から2以上の水素原子を結合手に代えた構造の炭化水素基が挙げられる。
【0049】
pは、1〜50の整数、好ましくは1〜30の整数である。qが2以上のとき、複数のpは、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよい。
qは、1〜10の整数、好ましくは1〜5の整数である。
エポキシ化合物(β2)は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0050】
エポキシ化合物(β2)は、例えば、[R
15−(OH)
q]で示されるq価のアルコール化合物に、1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサンを付加させることにより得ることができる。
q価のアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール等の1価のアルコール化合物;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の2価のアルコール化合物;グリセリン、ジグリセリン、エリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノール)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の3価以上のアルコール化合物が挙げられる。
【0051】
エポキシ化合物(β2)は、市販品を利用することもできる。かかる市販品としては、商品名:EHPE3150(ダイセル社製)等が挙げられる。
【0052】
エポキシ化合物(β)として用いるエポキシ化合物(β1)又はエポキシ化合物(β2)は、25℃で固体の化合物が好ましい。エポキシ化合物(β1)又はエポキシ化合物(β2)が25℃で固体であることで、耐熱性に優れる硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物が得られ易くなる。
【0053】
エポキシ化合物(β)としては、エポキシ化合物(β1)又はエポキシ化合物(β2)を単独で用いてもよいし、エポキシ化合物(β1)とエポキシ化合物(β2)を組み合わせて用いてもよい。
【0054】
(A)成分を構成するエポキシ化合物(α)とエポキシ化合物(β)の重量比〔エポキシ化合物(α):エポキシ化合物(β)〕は、20:80〜80:20、好ましくは、40:60〜75:25、より好ましくは、50:50〜70:30である。
エポキシ化合物(α)の割合が少なすぎると、エポキシ樹脂組成物の粘度が上がり易く、エポキシ樹脂組成物の調製時や封止材の製造時の作業性が低下する。また、エポキシ化合物(α)の割合が多すぎると硬化時に発泡し易くなる。
【0055】
〔(B)成分:酸無水物〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(B)成分として、酸無水物を含有する。
酸無水物は、(A)成分と反応し、エポキシ樹脂組成物を硬化させる化合物である。酸無水物は、エポキシ樹脂組成物を硬化させ得るものであれば特に限定されず、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として慣用されているものを使用することができる。酸無水物としては、例えば、分子内に脂肪族環又は芳香族環を1個又は2個有するとともに、酸無水物基を1個又は2個有する、炭素原子数4〜25個、好ましくは8〜20個の化合物が挙げられる。
【0056】
酸無水物は、25℃で液体のものであってもよく、固体のものであってもよい。
25℃で液体の酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
25℃で固体の酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
これらの中でも、他の成分と容易に混合することができ、エポキシ樹脂組成物を効率よく調製することができることから、25℃で液体の酸無水物が好ましい。
【0057】
これらの酸無水物は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
特に25℃で固体の酸無水物を用いる場合、より均一なエポキシ樹脂組成物を効率よく調製することができることから、25℃で液体の酸無水物と組み合わせて用いることが好ましい。
好ましい酸無水物又はその組合せとしては、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及び、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸とヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物が挙げられる。
【0058】
酸無水物は、市販品を利用することもできる。かかる市販品としては、商品名:リカシッドMH−700、リカシッドMH−700G、リカシッドHNA−100(新日本理化社製の硬化剤)、商品名:HN−5500E、HN−7000(日立化成工業社製の硬化剤)等が挙げられる。
【0059】
酸無水物の含有量は、硬化剤として機能し得る量であれば特に限定されない。例えば、エポキシ基に対して、0.5〜1.5当量、好ましくは0.8〜1.2当量となる量である。
【0060】
〔(C)成分:硬化促進剤〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(C)成分として、硬化促進剤を含有する。
硬化促進剤は、前記(A)成分と(B)成分の硬化反応を促進させる化合物である。硬化促進剤は、この硬化反応を促進させるものであれば特に限定されない。
【0061】
硬化促進剤の具体例としては、ベンジルジメチルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルシクロヘキシルアミン等の3級アミン系硬化促進剤;1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系硬化促進剤;トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン系硬化促進剤;テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩系硬化促進剤;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン系硬化促進剤;オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫やアルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物系硬化促進剤;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩系硬化促進剤;三フッ化ホウ素、トリフェニルボレート等のホウ素化合物系硬化促進剤;塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化物系硬化促進剤;等が挙げられる。
【0062】
また、高融点イミダゾール化合物、ジシアンジアミド、アミンをエポキシ樹脂等に付加したアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性促進剤;イミダゾール系、リン系、ホスフィン系促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性促進剤;アミン塩型潜在性硬化促進剤;ルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型の熱カチオン重合型の潜在性硬化促進剤;紫外線や放射線等の活性エネルギー線によりプロトンを発生する光解離型の光カチオン重合型の潜在性硬化促進剤等に代表される潜在性硬化促進剤を使用することもできる。
【0063】
これらの中でも、より黄変しにくい硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物が得られ易いことから、4級ホスホニウム塩系硬化促進剤が好ましく、分子内に硫黄原子を有しない4級ホスホニウム塩系硬化促進剤がより好ましい。
分子内に硫黄原子を有しない4級ホスホニウム塩系硬化促進剤の具体例としては、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラn−ブチルホスホニウムブロマイド、テトラn−ブチルホスホニウムテトラフルオロボーレート等が挙げられる。
硬化促進剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0064】
硬化促進剤の含有量は、硬化促進効果が得られる量であれば特に限定されない。例えば、(A)成分であるエポキシ化合物成分100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0065】
〔その他の成分〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)成分〜(C)成分のほかに、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、反応調整剤、変色防止剤、(A)成分以外のエポキシ化合物、各種添加剤等が挙げられる。
【0066】
反応調整剤は、エポキシ樹脂組成物の硬化反応を穏やかにさせる化合物である。反応調整剤としては、公知のものを利用することができる。なかでも多価アルコール化合物が好ましい。
【0067】
多価アルコール化合物の炭素数は、4以上が好ましく、4〜10がより好ましい。多価アルコール化合物の水酸基の数は、3以上が好ましく、3〜10がより好ましい。
炭素数が4以上で、かつ、水酸基の数が3以上の多価アルコール化合物を含有するエポキシ樹脂組成物を用いることで、より耐熱性に優れる硬化物を得ることができる。
多価アルコール化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
多価アルコール化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコール化合物を含有する場合、その含有量は、(B)成分の酸無水物に対して、通常3〜20重量%、好ましくは3〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%である。
【0068】
変色防止剤は、硬化物の変色を防止する化合物である。
変色防止剤としては、リン系変色防止剤、ヒンダードフェノール系変色防止剤、チオエーテル系変色防止剤等が挙げられる。
これらの変色防止剤は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0069】
変色防止剤としては、耐熱性に優れる硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物が得られ易いことから、リン系変色防止剤が好ましく、下記式(IV)で示される化合物がより好ましい。
【0071】
リン系変色防止剤を含有する場合、その含有量は、(A)成分のエポキシ化合物成分に対して、通常0.5重量%以上、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0072】
(A)成分以外のエポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂等の、ビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、リモネンジエポキシド、エポキシ化3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス3−シクロヘキセニルメチルエステル及びそのε−カプロラクトン付加物、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス−3−シクロヘキセニルメチルエステル及びそのε−カプロラクトン付加物等の脂環式エポキシ樹脂;水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔ただし、エポキシ化合物(β1)を除く。〕、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の水添ビスフェノール型エポキシ樹脂;水添フェノールノボラック型エポキシ樹脂、水添クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の水添ノボラック型エポキシ樹脂;トリグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂等の含複素環エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0073】
これらの他のエポキシ化合物は、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのエポキシ化合物を含有する場合、その含有量は、これらのエポキシ化合物と(A)成分との合計量中、好ましくは30〜50重量%であり、より好ましくは35〜45重量%である。この範囲内であることで、気泡がほとんどなく、光透過性に優れ、高温下に長時間置かれても黄変しにくい硬化物を形成し得るエポキシ樹脂組成物が得られ易くなる。
【0074】
添加剤としては、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、充填剤、難燃剤、着色剤、酸化防止剤(フェノール系、リン系、イオウ系酸化防止剤等)、紫外線吸収剤、蛍光体、イオン吸着体、染料、顔料、低応力化剤、可撓性付与剤、離型剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤等が挙げられる。
本発明の効果を阻害しない限り、添加剤の含有量は特に限定されない。本発明のエポキシ樹脂組成物は、任意の量の添加剤を含有してもよい。
【0075】
〔エポキシ樹脂組成物の調製〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)成分〜(C)成分、及び、必要に応じて用いられるその他の成分を、公知の方法に従って撹拌、混合することにより調製することができる。
撹拌、混合の際の温度は、配合する成分によっても異なるが、10〜80℃程度であるのが好ましい。調製時の温度が低すぎると、粘度が高すぎて均一な撹拌、混合作業が困難になるおそれがあり、逆に、調製時の温度が高すぎると、硬化反応が起き、この場合もエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなるおそれがあるので、好ましくない。
【0076】
撹拌や混合をする際は、例えば、三本ロール、ニーダー、万能攪拌機、ボールミル、プラネタリーミキサー、ホモジナイザー、ホモディスパーザー等を用いることができる。
【0077】
本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において、通常、1〜20Pa・s、好ましくは3〜15Pa・sである。上記範囲内であることで、封止材を形成する際の作業性に優れるものとなる。
【0078】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化させたときにほとんど発泡せず、さらに、光透過性に優れ、高温下に長時間置かれても黄変しにくい硬化物を形成し得るものである。
したがって、本発明のエポキシ樹脂組成物は、封止材の形成用に好ましく用いられ、なかでも光半導体封止用に好ましく用いられる。
【0079】
2)封止材
本発明の封止材は、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物からなるものである。
本発明の封止材は、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を所定の場所に塗布した後、このものを加熱して硬化させることにより得ることができる。
【0080】
エポキシ樹脂組成物の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート法、スプレー法、ディップ法等を用いることができる。
加熱温度は、通常、100〜200℃、好ましくは100〜180℃、より好ましくは100〜150℃である。
加熱時間は、通常、1〜24時間、好ましくは2〜12時間である。
また、急激に硬化反応が進行すると、内部応力によるクラックの発生を誘引するおそれがあるため、段階的に加熱温度を変化させることが好ましい。例えば、1次硬化を100〜130℃で1〜3時間程度、2次硬化を130〜180℃で2〜6時間程度行うことで、クラックの発生を抑えることができる。
【0081】
本発明の封止材のガラス転移温度(Tg)は、高温下に置かれたときの黄変を防ぐ観点から、150℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましい。
【0082】
本発明の封止材は、気泡がほとんどなく、光透過性に優れ、高温下に長時間置かれても黄変しにくいものである。また、ガラス転移温度(Tg)が高く、線膨張係数が小さいものである。
これらの特性を有するため、本発明の封止材は、発光素子の発光体を封止する封止材として有用である。具体的には、本発明の封止材は、発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラー、電荷結合素子(CCD)、EPROM、フォトセンサー等の発光素子の発光体を封止する封止材として有用である。
【0083】
3)光半導体装置
本発明の光半導体装置は、発光体と、この発光体を封止する本発明の封止材を有するものである。
【0084】
発光体としては、発光ダイオード(LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトカプラー、電荷結合素子(CCD)、EPROM、フォトセンサー等の発光素子の発光体が挙げられる。
【0085】
光半導体装置は、例えば、封止する発光体の周囲にエポキシ樹脂組成物を塗布した後、このものを加熱して硬化させることにより、製造することができる。
エポキシ樹脂組成物の塗布方法や硬化方法としては、封止材の項で示したものが挙げられる。を利用することができる。
【0086】
本発明の光半導体装置は、本発明の封止材を有するものであるため、輝度が高く、さらに長時間使用しても、黄変しにくいものである。
【実施例】
【0087】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。各例中の部及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
【0088】
<ジエポキシ化合物Aの合成例>
温度計を備えた3つ口反応器内において、窒素気流中、3a,4,7,7a−テトラヒドロインデン40.0g(0.333mol)をアセトン400mlに溶解させ、さらに、炭酸水素ナトリウム201.3g(2.396mol)及び蒸留水400mlを加えた。得られた混合液を水浴で10℃に冷却した後、一過硫酸カリウム〔オキソン(登録商標)、デュポン社製〕327.4g(0.532mol)を加え、反応液の液温が20〜30℃になるように水浴温度を調整しながら2時間攪拌した。その後、反応液を0℃に冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液300ml、蒸留水300ml、および飽和食塩水300mlを加え、n−ヘキサン500mlで2回抽出した。有機層を集め、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、硫酸ナトリウムをろ別した。ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した後、濃縮物を真空乾燥させることで、ジエポキシ化合物A(粗生成物)を41.5g得た(収率82%)。
【0089】
得られたジエポキシ化合物Aをガスクロマトグラフィーにより分析した結果を
図1に示す。ジエポキシ化合物Aを構成する4つの立体異性体(エキソ−エンド体、エンド−エキソ体、エキソ−エキソ体、エンド−エンド体)の含有割合をガスクロマトグラフの面積比から算出したところ、エキソ−エンド体:エンド−エキソ体:エキソ−エキソ体:エンド−エンド体=25.7:20.1:52.6:1.3であった。
【0090】
なお、本合成例及び後述の精製例におけるガスクロマトグラフィーの測定条件等は、以下に記載の通りである。
測定装置:7890A(アジレント社製)
カラム:HP−1(アジレント社製)、長さ30m、内径0.25mm、膜厚0.25μm
液相:100%−ジメチルポリシロキサン
キャリアガス:窒素
キャリアガス流量:1.0ml/分
検出器:FID
注入口温度:250℃
検出器温度:250℃
昇温パターン(カラム):50℃で10分間保持、5℃/分で250℃まで昇温
スプリット比:50
サンプル:0.5μL
【0091】
<ジエポキシ化合物Aの精製例>
上記合成例で得たジエポキシ化合物Aの粗生成物40.1gを、小型高速回転バンド式精密蒸留装置(型式;HSB−605FF、東科精機社製)を用いて減圧蒸留(真空度;0.3kPa)により精製した。
ジエポキシ化合物Aを構成する4つの立体異性体の沸点は、(エキソ−エンド体の沸点)<(エンド−エキソ体の沸点)<(エキソ−エキソ体の沸点)<(エンド−エンド体の沸点)の順に高くなる。
減圧蒸留により、ジエポキシ化合物A(精製物)を得た。このものをガスクロマトグラフィーにより分析した結果を
図2に示す。
ジエポキシ化合物A(精製物)を構成する4つの立体異性体の含有割合をガスクロマトグラフの面積比から算出したところ、エキソ−エンド体:エンド−エキソ体:エキソ−エキソ体:エンド−エンド体=0.3:9.1:88.9:1.6であり、エキソ−エンド体及びエンド−エンド体の含有割合はそれぞれ10%以下であった。
第1表に、ジエポキシ化合物Aの精製前後における異性体比率をまとめて示す。
【0092】
【表1】
【0093】
なお、立体異性体の構造はNMRで同定した。同定結果は以下のとおりである。
【0094】
【化7】
【0095】
以下の実施例及び比較例において用いた化合物を以下に示す。
・エポキシ化合物(1):前記精製例で得たジエポキシ化合物A(精製物)
・エポキシ化合物(2):前記合成例で得たジエポキシ化合物A(粗生成物)
・エポキシ化合物(3):前記式(II)において、R
13及びR
14が水素原子であって、mの平均値が6.2であるエポキシ化合物〔jER(登録商標)YX8040、エポキシ当量1005、三菱化学社製〕
・エポキシ化合物(4):前記式(II)において、R
13及びR
14が水素原子であって、mの平均値が0.77であるエポキシ化合物〔jER(登録商標)YX8034、エポキシ当量266、三菱化学社製〕
・エポキシ化合物(5):2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物〔EHPE3150、エポキシ当量176、ダイセル社製〕
・エポキシ化合物(6):前記式(II)において、R
13及びR
14が水素原子であって、mの平均値が0.19であるエポキシ化合物〔YX8000、エポキシ当量 204、三菱化学社製〕
・エポキシ化合物(7):3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〔セロキサイド(登録商標)2021P、ダイセル社製)
【0096】
・酸無水物(1):メチルヘキサヒドロ無水フタル酸およびヘキサヒドロ無水フタル酸の混合物〔リカシッド(登録商標)MH−700G、新日本理化社製〕
・硬化促進剤(1):メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート〔ヒシコーリン(登録商標)PX−4MP、日本化学工業社製〕
・硬化促進剤(2):テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオエート〔ヒシコーリン(登録商標)PX−4ET、日本化学工業社製〕
・反応調整剤(1):トリメチロールプロパン
・反応調整剤(2):エチレングリコール
・変色防止剤(1):9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド(SANKO Epoclean、三光社製)
・変色防止剤(2):ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]〔イルガノックス(登録商標)1010、BASF社製〕
【0097】
以下の実施例及び比較例において得られた硬化物について、以下に示す試験を行った。それらの試験結果を第2表に示す。
【0098】
<硬化物の外観>
硬化物の外観を下記に示す基準により目視で評価した。
○:硬化物中に気泡の混入が無い。
△:硬化物中に1個以上5個未満の気泡がある。
×:硬化物中に5個以上の気泡がある。
【0099】
<初期光線透過率・黄色度>
硬化物の透過スペクトルを、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製、V−570)にて測定し、波長400nmにおける光線透過率を求めた。また、同様に硬化物の黄色度を、分光色差計(日本電色工業社製、SE−2000)にて測定した。
【0100】
<耐熱試験後の光線透過率・黄色度>
硬化物を、150℃に温度設定した恒温槽中に100時間静置した後、前記<初期光線透過率・黄色度>と同様の方法により光線透過率・黄色度を測定した。
【0101】
<ガラス転移温度(Tg)・平均線膨張率>
硬化物を、切断装置(マルトー社製、ラボカッターMC−120)にて5mm角に切断し、熱機械分析(TMA)測定装置(エスアイアイナノテクノロジー社製、EXSTER TMA/SS7100)を用いて、膨張・圧縮法によりTMA測定を行った。得られたデータから、ガラス転移温度(Tg)と30〜150℃の範囲の平均線膨張率を算出した。
【0102】
[実施例1]
エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(1) 60部、エポキシ化合物(3) 40部、硬化剤として、酸無水物(1) 116部、硬化促進剤として、硬化促進剤(1) 1部、反応調整剤として、反応調整剤(1) 5.8部、変色防止剤として、変色防止剤(1) 1部を加え、得られた混合物をプラネタリーミキサーにて10分間攪拌し、エポキシ樹脂組成物を調製した。硬化剤とエポキシ化合物成分の当量比は、酸無水物当量/エポキシ当量の値で0.9であった。
得られたエポキシ樹脂組成物を、あらかじめ離型フィルムで被覆した1対のガラス基板の間(3mmのスペーサーで間隔が調整されている)に注入し、1次硬化を120℃のオーブン中で2時間、さらに2次硬化を150℃のオーブン中で4時間実施して、厚さ3mmの硬化物を得た。
【0103】
[実施例2]
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(1) 50部とエポキシ化合物(3) 50部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 99部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 5.0部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0104】
[実施例3]
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(1) 70部とエポキシ化合物(3) 30部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 133部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 6.7部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0105】
[実施例4]
実施例1において、エポキシ化合物(3)の代わりに、エポキシ化合物(4) 40部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 130部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 6.5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0106】
[実施例5]
実施例1において、エポキシ化合物(3)の代わりに、エポキシ化合物(5) 40部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 134部を用い、反応調整剤として、反応調整剤(1) 6.7部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0107】
[実施例6]
実施例1において、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0108】
[実施例7]
実施例1において、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0109】
[実施例8]
実施例1において、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0110】
[実施例9]
実施例8において、エポキシ化合物(1)の代わりに、エポキシ化合物(2) 60部を用いたこと以外は、実施例8と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0111】
[比較例1]
実施例1において、エポキシ化合物(3)の代わりに、エポキシ化合物(6) 40部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 139部を用い、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0112】
[比較例2]
比較例1において、エポキシ化合物(1)の代わりに、エポキシ化合物(2) 60部を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0113】
[比較例3]
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(2) 50部、エポキシ化合物(7)50部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 142部を用い、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0114】
[比較例4]
実施例1において、エポキシ化合物成分として、エポキシ化合物(2) 100部を用い、硬化剤として、酸無水物(1) 170部を用い、硬化促進剤(1)の代わりに、硬化促進剤(2) 1部を用い、反応調整剤(1)の代わりに、反応調整剤(2) 1部を用い、変色防止剤(1)の代わりに、変色防止剤(2) 1部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬化物を得た。
【0115】
【表2】
【0116】
第2表から、以下のことがわかる。
実施例1〜9の硬化物は、気泡がなく、優れた外観を有し、さらに、耐黄変性及び光透過性に優れている。
また、実施例1〜9の硬化物はガラス転移温度が高く、平均線膨張率が小さいことから、封止材として用いた場合、耐久性に優れるものである。
一方、比較例1〜4の硬化物は、気泡を有し、さらに、耐熱試験後の黄色度や光透過性が劣っている。