特許第6233552号(P6233552)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6233552ウレタン樹脂組成物、及びそれを用いたウレタン樹脂成形物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6233552
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】ウレタン樹脂組成物、及びそれを用いたウレタン樹脂成形物
(51)【国際特許分類】
   C08G 18/44 20060101AFI20171113BHJP
   C08G 18/40 20060101ALI20171113BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   C08G18/44
   C08G18/40 009
   F16C13/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-539051(P2017-539051)
(86)(22)【出願日】2017年2月23日
(86)【国際出願番号】JP2017006770
【審査請求日】2017年7月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-34328(P2016-34328)
(32)【優先日】2016年2月25日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124970
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 通洋
(72)【発明者】
【氏名】瀧川 優子
(72)【発明者】
【氏名】坂元 保
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−184957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/44
C08G 18/40
F16C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記ポリカーボネートポリオール(a1)が、下記一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(c1)を含むヒドロキシ化合物(C)を原料として用いたものであることを特徴とする印刷ロールまたはコーターロール用ウレタン樹脂組成物。
【化1】
(一般式(1)中のnは、1〜7の整数である。)
【請求項2】
前記ポリオール(A)が、さらに、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、及び前記ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる1種以上のポリオール(a2)を含有するものである請求項1記載の印刷ロールまたはコーターロール用ウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
前記ポリオール(A)中の前記ポリカーボネートポリオール(a1)の含有量が、40質量%以上である請求項1記載の印刷ロールまたはコーターロール用ウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量が、500〜5000の範囲である請求項1記載の印刷ロールまたはコーターロール用ウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
前記ヒドロキシ化合物(C)中の前記ヒドロキシ化合物(c1)の含有量が、40質量%以上である請求項1記載の印刷ロールまたはコーターロール用ウレタン樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項記載のウレタン樹脂組成物の硬化成形物であることを特徴とする印刷ロールまたはコーターロール
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン樹脂組成物、及びそれを用いたウレタン樹脂成形物に関する。
【背景技術】
【0002】
ウレタン樹脂組成物を用いて得られる成形物は、現在、自動車部品、家電部品、包装材、皮革様シート、印刷ロール等の様々な用途で使用されている。
【0003】
前記成形物には、その用途に対応した様々な特性が求められる。例えば、前記成形物が印刷ロールの弾性部材として使用される場合においては、印刷に使用されるインキがこれまで有機溶剤型インキが主流であったため、前記成形物表面の溶解や変形、変色等を引き起こす場合があり、産業界からは耐溶剤性に優れるポリウレタン成形物の開発が求められてきた。
【0004】
前記耐溶剤性に優れるポリウレタン成形物としては、コハク酸系ポリエステルポリオールと、トリレンジイソシアネートを含有するウレタンエラストマー(例えば、特許文献1の実施例参照。)が開示されている。
【0005】
しかしながら、環境調和が謳われる昨今においては、前記有機溶剤型インキの代わりに、水性型インキの使用が増加しているのが現状であるため、耐加水分解性に優れる成形物の開発が重視されている。また、水性型インキにおいても、少量の溶剤や洗浄溶剤が使用されているため、従来と同様、耐溶剤性も求められているのが現状である。
【0006】
このように、産業界からは耐溶剤性及び耐加水分解性とを併せ持つウレタン樹脂組成物及びそれを用いた成形物が強く求められているものの、未だ見出されていないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−301335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、優れた耐溶剤性及び耐加水分解性を有するウレタン樹脂成形物を形成可能なウレタン樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、ウレタン樹脂のポリオール成分として、特定のヒドロキシ化合物を原料に用いたポリカーボネートポリオールを用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
すなわち、本発明は、ポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記ポリカーボネートポリオール(a1)が、下記一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(c1)を含むヒドロキシ化合物(C)を原料として用いるものであることを特徴とするウレタン樹脂組成物に関するものである。
【0011】
【化1】
【0012】
(一般式(1)中のnは、1〜7の整数である。)
【発明の効果】
【0013】
本発明のウレタン樹脂組成物は、優れた耐溶剤性及び耐加水分解性を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから、例えば、自動車部品、家電部品、包装材、皮革様シート、印刷ロール、コーターロール等の耐溶剤性及び耐加水分解性が求められる用途に好適に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記ポリカーボネートポリオール(a1)が、下記一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(c1)を含むヒドロキシ化合物(C)を原料として用いるものであることを特徴とする。
【0015】
前記ウレタン樹脂としては、ポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物を用いる。
【0016】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)としては、例えば、下記一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(c1)を含むヒドロキシ化合物(C)とカーボネート化合物とをエステル交換反応することにより得られるものを用いることができる。また、前記ポリカーボネートポリオール(a1)は、前記ヒドロキシ化合物(C)とホスゲンを反応させて得られたものなど、既知の製造方法を用いて得られたものを用いることができる。
【0017】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)としては、数平均分子量が500〜5000の範囲のものが好ましく、1000〜4000の範囲のものがより好ましい。なお、前記ポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を指す。
【0018】
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
【0019】
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
【0020】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)の含有量は、より一層優れた耐溶剤性及び耐加水分解性に優れたウレタン樹脂成形物を形成できることから、前記ポリオール(A)中の40質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上99質量%以下であることがより好ましい。
【0021】
前記ヒドロキシ化合物(C)としては、下記一般式(1)で表させるヒドロキシ化合物(c1)を必須として用いる。
【0022】
【化2】
【0023】
(一般式(1)中のnは、1〜7の整数である。)
【0024】
前記ヒドロキシ化合物(c1)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの中でもより一層優れた耐溶剤性及び耐加水分解性を有するウレタン樹脂成形物を得られることから、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールが好ましい。また、これらのヒドロキシ化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0025】
前記ヒドロキシ化合物(c1)の含有量は、耐溶剤性に優れたウレタン樹脂成形物を形成できることから、前記ヒドロキシ化合物(C)全量中の40質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上99質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
また、前記ヒドロキシ化合物(c1)として、ジエチレングリコールを用いる場合は、前記ジエチレングリコールの含有量が、前記ヒドロキシ化合物(C)中に40質量%以上99質量%以下であることが好ましい。
【0027】
また、前記ヒドロキシ化合物(C)は、前記ヒドロキシ化合物(c1)の他に、必要に応じてその他のヒドロキシ化合物を用いることができる。
【0028】
前記その他のヒドロキシ化合物としては、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの中でもより一層優れた耐溶剤性及び耐加水分解性を有するウレタン樹脂成形物を得られることから、トリメチロールプロパンが好ましい。これらのヒドロキシ化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0029】
前記カーボネート化合物としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、エチルイソブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジベンジルカーボネート、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、2,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネート、1,3−ペンチレンカーボネート、1,4−ペンチレンカーボネート、1,5−ペンチレンカーボネート、2,3−ペンチレンカーボネートおよび2,4−ペンチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、優れた耐溶剤性及び耐加水分解性を有するウレタン樹脂成形物を得られることから、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートが好ましい。また、これらのカーボネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0030】
また、本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば、前記ポリカーボネートポリオール(a1)の他に、その他のポリオール(a2)を併用しても良い。
【0031】
前記ポリオール(a2)としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、前記ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリオールが挙げられる。
【0032】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールと、ポリカルボン酸とを反応して得られるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルポリオール;これらを共重合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。これらのポリエステルポリオールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0033】
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール等の分子量が50〜300程度である脂肪族ポリオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族環式構造を有するポリオール;ビスフェノールA及びビスフェノールF等の芳香族構造を有するポリオールが挙げられる。
【0034】
前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸;それらの無水物またはエステル化物等が挙げられる。
【0035】
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2つ以上有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものが挙げられる。前記活性水素原子を2つ以上有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、水、ヘキサントリオール等が挙げられる。また、前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらのポリエーテルポリオールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0036】
前記ポリカーボネートポリオール(a1)以外のポリカーボネートポリオールとしては、例えば、上述の前記その他のヒドロキシ化合物と前記カーボネート化合物とを反応させて得られたものを用いることができる。
【0037】
また、前記ウレタン樹脂の製造に使用するポリイソシアネート(B)としては、例えば、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。これらの中でも4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、カルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネート、クルードジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。また、これらのポリイソシアネート(a2)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0038】
前記ポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応は、例えば、前記ポリイソシアネート(B)のイソシアネート基当量を[NCO]で表し、前記ポリオールの水酸基当量を[OH]で表す場合に、前記ポリイソシアネート(B)と前記ポリオール(A)との当量比([NCO]/[OH])は、0.5〜2.5の範囲で行うことが好ましく、0.7〜1.1の範囲で行うことがより好ましい。
【0039】
本発明のウレタン樹脂組成物は、より一層優れた耐溶剤性及び耐加水分解性を有するウレタン樹脂成形物を形成できることから、前記ポリオール(A)及び前記ポリイソシアネート(B)の他に、必要に応じて鎖伸長剤を使用することができる。
【0040】
前記鎖伸長剤としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3,3’−ジメチロールへプタン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、3,3−ビス(ヒドロキシメチル)へプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等が挙げられる。
【0041】
また、本発明のウレタン樹脂組成物は、必要に応じて添加剤を含有してもよく、前記添加剤としては、例えば、可塑剤、充填材、顔料、染料、安定剤、難燃剤等、従来知られている各種添加物を、本発明の効果を損なわない範囲で使用することができる。
【0042】
本発明のウレタン樹脂成形物としては、例えば、前記ウレタン樹脂組成物を加熱成形したものが挙げられる。
【0043】
前記加熱成形する方法としては、例えば、均一に混合された前記ウレタン樹脂組成物を、シート状金型または円柱金型に注入し、熱硬化する方法が挙げられる。
【0044】
前記熱硬化としては、100〜150℃、1〜4時間の一次硬化を施し、次いで、90〜130℃、10〜20時間の二次硬化を施すことが好ましい。
【0045】
熱硬化後は、前記ウレタン樹脂組成物のウレタン化反応が完結していることが好ましい。
【0046】
本発明のウレタン樹脂成形物は、例えば、自動車部品、家電部品、包装材、皮革様シート、印刷ロール、コーターロール、印刷用スキージ、ドクターブレード等の耐溶剤性及び耐加水分解性が求められる用途に好適に使用できる。これらの中でも印刷ロール、コーターロール、印刷用スキージまたはドクターブレードの弾性部材として特に好適に使用できる。
【実施例】
【0047】
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。
【0048】
(合成例1:ポリカーボネートポリオール(1)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール100質量部とジフェニルカーボネート193質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(1)を得た。このポリカーボネートポリオール(1)の水酸基値は32.0mgKOH/gであった。
【0049】
(合成例2:ポリカーボネートポリオール(2)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、エチレングリコール15質量部とジエチレングリコール50質量部とトリエチレングリコール35質量部とジフェニルカーボネート189質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(2)を得た。このポリカーボネートポリオール(2)の水酸基値は60.0mgKOH/gであった。
【0050】
(合成例3:ポリカーボネートポリオール(3)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール50質量部とポリエチレングリコール(日油株式会社製「PEG#200」)50質量部とジフェニルカーボネート140質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(3)を得た。このポリカーボネートポリオール(3)の水酸基値は58.7mgKOH/gであった。
【0051】
(合成例4:ポリカーボネートポリオール(4)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール97質量部とトリメチロールプロパン3質量部とジフェニルカーボネート193質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(4)を得た。このポリカーボネートポリオール(4)の水酸基値は35.4mgKOH/gであった。
【0052】
(合成例5:ポリカーボネートポリオール(5)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール50質量部とポリエチレングリコール(日油株式会社製「PEG#400」)50質量部とジフェニルカーボネート114質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(5)を得た。このポリカーボネートポリオール(5)の水酸基値は59.4mgKOH/gであった。
【0053】
(合成例6:ポリカーボネートポリオール(6)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール60質量部とブタンジオール40質量部とジフェニルカーボネート200質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、200℃で5時間反応させ、次いで、減圧条件下で10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(6)を得た。このポリカーボネートポリオール(6)の水酸基値は56.2mgKOH/gであった。
【0054】
(合成例7:ポリカーボネートポリオール(7)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール40質量部とブタンジオール60質量部とジエチルカーボネート125質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、120℃で10時間反応させ、次いで190℃で2時間反応させたのち、減圧しながら10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(7)を得た。このポリカーボネートポリオール(7)の水酸基値は59.4mgKOH/gであった。
【0055】
(合成例8:ポリカーボネートポリオール(8)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ジエチレングリコール30質量部とブタンジオール70質量部とジエチルカーボネート125質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、120℃で10時間反応させ、次いで190℃で2時間反応させたのち、減圧しながら10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(8)を得た。このポリカーボネートポリオール(8)の水酸基値は56.5mgKOH/gであった。
【0056】
(合成例9:ポリカーボネートポリオール(9)の合成)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに、ブタンジオール100質量部とジエチルカーボネート132質量部を仕込み、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネートを0.01重量%添加し、120℃で10時間反応させ、次いで190℃で2時間反応させたのち、減圧しながら10時間反応させ、ポリカーボネートポリオール(9)を得た。このポリカーボネートポリオール(9)の水酸基値は55.7mgKOH/gであった。
【0057】
合成例1〜9で合成したポリカーボネートポリオールの原料及び水酸基価を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
(実施例1:ウレタン樹脂成形物(1)の作製)
合成例1で得られたポリカーボネートポリオール(1)とメチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(1)を得た。
【0060】
(実施例2:ウレタン樹脂成形物(2)の作製)
合成例2で得られたポリカーボネートポリオール(2)とメチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(2)を得た。
【0061】
(実施例3:ウレタン樹脂成形物(3)の作製)
合成例3で得られたポリカーボネートポリオール(3)100質量部と可塑剤としてフタル酸ベンジルブチル(以下、「BBP」と略記する。)25質量部を混合し、メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(3)を得た。
【0062】
(実施例4:ウレタン樹脂成形物(4)の作製)
合成例4で得られたポリカーボネートポリオール(4)100質量部と可塑剤BBP25質量部を混合し、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートMX」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(4)を得た。
【0063】
(実施例5:ウレタン樹脂成形物(5)の作製)
合成例5で得られたポリカーボネートポリオール(5)100質量部と可塑剤BBP25質量部を混合し、メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(5)を得た。
【0064】
(実施例6:ウレタン樹脂成形物(6)の作製)
合成例5で得られたポリカーボネートポリオール(6)100質量部と可塑剤BBP25質量部を混合し、メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(6)を得た。
【0065】
(実施例7:ウレタン樹脂成形物(7)の作製)
合成例7で得られたポリカーボネートポリオール(7)100質量部と可塑剤BBP25質量部を混合し、メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(7)を得た。
【0066】
(実施例8:ウレタン樹脂成形物(8)の作製)
合成例8で得られたポリカーボネートポリオール(8)とメチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(8)を得た。
【0067】
(実施例9:ウレタン樹脂成形物(9)の作製)
合成例1で得られたポリカーボネートポリオール(1)80質量部とポリエステルポリオール(DIC株式会社製「ポリライトOD−X−2195」)20質量部を混合し、メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(9)を得た。
【0068】
(実施例10:ウレタン樹脂成形物(10)の作製)
合成例1で得られたポリカーボネートポリオール(1)60質量部とポリエステルポリオール(DIC株式会社製「ポリライトOD−X−2195」)40質量部を混合し、メ4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートMX」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(10)を得た。
【0069】
(実施例11:ウレタン樹脂成形物(11)の作製)
合成例1で得られたポリカーボネートポリオール(1)30質量部と合成例9で得られたポリカーボネートポリオール(9)70質量部を混合し、メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(11)を得た。
【0070】
(比較例1:ウレタン樹脂成形物(C1)の作製)
ポリエステルポリオール(DIC株式会社製「ポリライトOD−X−2195」)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートMX」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C1)を得た。
【0071】
(比較例2:ウレタン樹脂成形物(C2)の作製)
合成例で得られたポリカーボネートポリオール()とメチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)をNCO/OH=1.00(モル比)の配合比率で混合攪拌し、直径4.0cm×厚み1.2cmの円柱金型に注入した。それら金型を120℃で2時間、一次硬化させ、さらに110℃で17時間、二次硬化させ、円柱状のウレタン樹脂成形物(C2)を得た。
【0072】
上記の実施例及び比較例で得られたウレタン樹脂成形物を用いて、下記の評価を行った。
【0073】
[JIS−A硬度の測定方法]
実施例1〜11、及び、比較例1〜2で得られた円柱状のウレタン樹脂成形物を試験体とし、JIS−K−6253に規定の硬度測定法にてJIS−A硬度を測定した。
【0074】
[耐加水分解性の評価方法]
耐加水分解性の評価は、ウレタン樹脂成形物の硬度保持率で判断した。実施例1〜11、及び、比較例1〜2で得られた円柱状のウレタン樹脂成形物を試験体とし、該試験体を75℃、湿度95%の雰囲気下に28日間養生し、養生前後のウレタン樹脂成形物のJIS−A硬度を下記式に代入し、硬度保持率を算出し、以下のように評価した。
硬度保持率(%)=(養生後のJIS−A硬度/養生前のJIS−A硬度)×100
◎:硬度保持率が70%以上
○:硬度保持率が50%以上70%未満
×:硬度保持率が50%未満
【0075】
[耐溶剤性の評価方法]
耐溶剤性の評価は、ウレタン樹脂成形物を溶剤に浸漬させた前後の質量変化で判断した。実施例1〜11、及び、比較例1〜2で得られた円柱状のウレタン樹脂成形物を試験体とし、該試験体を、トルエン、MEKにそれぞれ7日間浸漬させ、浸漬前後の試験体の質量を下記式に代入して質量変化率を算出し、以下のように評価した。
質量変化率(%)=((浸漬後の質量−浸漬前の質量)/(浸漬前の質量))×100
耐溶剤性の評価:
(耐トルエン性)
◎:質量変化率が10%未満
○:質量変化率が10%以上30%未満
△:質量変化率が30%以上50%未満
×:質量変化率が50%以上
(耐MEK性)
◎:質量変化率が60%未満
○:質量変化率が60%以上70%未満
△:質量変化率が70%以上80%未満
×:質量変化率が80%以上
【0076】
実施例1〜11で作製したウレタン樹脂成形物(1)〜(11)の組成、及び評価結果、並びに比較例1〜2で作製したウレタン樹脂成形物(C1)〜(C2)の組成、及び評価結果を表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
表1及び2中の用語について説明する。
「DEG」:ジエチレングリコール
「EG」:エチレングリコール
「TEG」:トリエチレングリコール
「TMP」:トリメチロールプロパン
「BG」:ブタンジオール
「PEG200」「PEG400」:ポリエチレングリコール
「DPC」:ジフェニルカーボネート
「DEC」:ジエチルカーボネート
「NCO−1」:メチレンジフェニルジイソシアネートのホルマリン縮合体(日本ポリウレタン工業株式会社製「ミリオネートMR−200」)
「NCO−2」:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートのカルボジイミド変性体(日本ポリウレタン工業株式会社製「コロネートMX」)
【0079】
表2に示した評価結果から、本発明のウレタン樹脂組成物を用いて形成されたウレタン樹脂成形物は、優れた耐加水分解性及び耐溶剤性を有していることが確認できた。
【0080】
一方、比較例1は、ポリカーボネートポリオールの代わりにポリエステルポリオールをポリオール成分として用いたウレタン樹脂組成物を使用した例であるが、耐溶剤性には優れるものの、耐加水分解性が著しく不十分であることが確認できた。
【0081】
比較例2は、本発明の範囲外のポリカーボネートポリオールをポリオール成分として用いたウレタン樹脂組成物を使用した例である。耐加水分解性には優れるものの、耐溶剤性は著しく不十分であることが確認できた。
【要約】
本発明は、ポリカーボネートポリオール(a1)を含むポリオール(A)とポリイソシアネート(B)との反応物であるウレタン樹脂を含有するウレタン樹脂組成物であって、前記ポリカーボネートポリオール(a1)が、下記一般式(1)で表されるヒドロキシ化合物(c1)を含むヒドロキシ化合物(C)を原料として用いたものであることを特徴とするウレタン樹脂組成物を提供する。このウレタン樹脂組成物は、優れた耐溶剤性及び耐加水分解性を有するウレタン樹脂成形物を形成可能である。