(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る加工装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
[実施形態]
図1から
図4を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、加工装置に関する。
図1は、本発明の実施形態に係る加工装置を示す斜視図、
図2は、実施形態に係るブロック図、
図3は、実施形態に係るバーコードリーダを示す図、
図4は、実施形態に係るバーコードリーダによる識別コードの読取方法を示す図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る加工装置1は、チャックテーブル3と、加工手段10と、表示モニタ4と、バーコードリーダ5と、制御手段30とを含んで構成されている。本実施形態の表示モニタ4は、入力手段としての機能と、表示手段としての機能とを有する。また、本実施形態のバーコードリーダ5は、読取手段の構成要素である。制御手段30は、
図2に示すように、アドバイス情報記憶部31と、処理記憶部32と、集計部33とを含んで構成されている。
【0012】
図1に戻り、チャックテーブル3、表示モニタ4、バーコードリーダ5、加工手段10および制御手段30は、それぞれ加工装置1の本体2に配置されている。本体2は、箱状の筐体である。チャックテーブル3は、被加工物Wを保持する。実施形態のチャックテーブル3は、保持面3aに被加工物Wを吸引保持する。保持面3aは、吸引源と連通しており、吸引源から供給される負圧によって被加工物Wを吸引保持する。チャックテーブル3は、Z軸回りに回転可能である。
【0013】
被加工物Wは、例えば、半導体ウェーハや光デバイスウェーハである。被加工物Wは、例えば、粘着テープTを介して環状のフレームFに貼着された状態で、チャックテーブル3上に載置され、チャックテーブル3によって保持される。
【0014】
加工手段10は、チャックテーブル3に保持された被加工物Wを加工する。実施形態に係る加工手段10は、切削手段であり、切削ブレード11を有する。加工手段10は、回転する切削ブレード11によって、被加工物Wに対して切削加工を施す。加工装置1は、本体2に対してチャックテーブル3をX軸方向に相対移動させるX軸移動手段を有する。また、加工装置1は、本体2に対して加工手段10をY軸方向に相対移動させるY軸移動手段と、本体2に対して加工手段10をZ軸方向に相対移動させるZ軸移動手段とを有する。加工装置1は、各移動手段によって、チャックテーブル3と加工手段10とを相対移動させることにより、チャックテーブル3に保持された被加工物Wを加工する。
【0015】
表示モニタ4は、作業者が加工手段10の加工条件を入力する入力手段としての機能と、入力手段で入力された加工条件を表示する表示手段としての機能とを有する。本実施形態の表示モニタ4は、入力手段としてのタッチパネルを有するモニタ画面41を備えている。モニタ画面41の前面は、タッチパネルとなっている。作業者は、タッチパネルを操作して加工条件を含む各種の情報を入力することができる。
【0016】
また、モニタ画面41は、入力手段で入力された加工条件を表示する。モニタ画面41は、加工条件を含む各種の情報を表示することができる。また、本実施形態のモニタ画面41は、作業者に対するアドバイス情報を表示する機能を有している。表示モニタ4は、例えば、本体2の側面や正面に配置される。
【0017】
制御手段30は、加工装置1の各構成要素を制御する。制御手段30は、例えば、コンピュータを有する電子制御ユニットである。実施形態の制御手段30は、X軸、Y軸、Z軸に係る移動手段、チャックテーブル3、加工手段10、表示モニタ4およびバーコードリーダ5を制御する。
【0018】
バーコードリーダ5は、作業者を識別する識別コードを読み取る。本実施形態では、制御手段30とバーコードリーダ5とを含んで読取手段が構成されている。制御手段30は、バーコードリーダ5が読み取った識別コードに基づいて、作業者を特定する。バーコードリーダ5は、例えば、本体2における表示モニタ4の近傍に配置される。バーコードリーダ5は、表示モニタ4を介して制御手段30と接続されている。バーコードリーダ5による識別コードの読み込み等の詳細については、後述する。
【0019】
図2に示すように、制御手段30は、アドバイス情報記憶部31と、処理記憶部32と、集計部33と、アドバイス情報選定部34と、集計項目記憶部35と、作業者情報記憶部36とを有する。
【0020】
アドバイス情報記憶部31は、表示手段としてのモニタ画面41に表示する複数のアドバイス情報を記憶する。アドバイス情報記憶部31は、予め定められた各種のアドバイス情報を記憶している。記憶されるアドバイス情報としては、例えば、当該加工装置1において頻発しているエラーに係る情報、当該作業者が過去に加工装置1を操作したときに発生したエラーに係る情報、切削ブレード11の交換時期に係る情報などが含まれる。また、アドバイス情報としては、当該作業者の操作時間に係る情報や、当該作業者の操作時間に係る統計情報が含まれてもよい。
【0021】
処理記憶部32は、加工装置1で実施した処理と該処理の発生時刻(発生日時)とを処理情報として記憶する。処理記憶部32は、各処理の処理コードa,b,c,d,e,f,g,…と、各処理の発生時刻とを関連付けて記憶する。処理記憶部32は、発生した各処理を時系列で記憶する。処理記憶部32は、例えば、加工装置1に係る全てのログ(イベント)を処理情報として記憶する。処理記憶部32によって記憶される処理には、例えば、アライメントエラーやカーフチェックエラー等の各種エラーの発生が含まれる。また、処理記憶部32によって記憶される処理には、例えば、アライメントの開始や終了、切削加工の開始や終了、カーフチェックの開始や終了、各作業者による加工装置1の使用開始や終了、セットアップ等、様々なログが含まれる。
【0022】
作業者情報記憶部36は、加工装置1に対するログインが許容される作業者についての情報が記憶されている。作業者情報記憶部36には、作業者を特定する識別コードが少なくとも記憶されている。識別コードは、例えば、数字や記号の組み合せであり、各作業者に対して個別に割り当てられている。
【0023】
集計項目記憶部35は、各作業者と、当該作業者に関して集計する処理とを関連付けて記憶する。例えば、作業者Aに関してa,b,c,d,e,f,gの各処理を集計することが定められている場合、集計項目記憶部35には、作業者Aと、処理a,b,c,d,e,f,gとが関連付けて記憶される。
【0024】
集計部33は、処理記憶部32に記憶された読取手段で特定された作業者の処理情報を集計する。ここで、読取手段による作業者の特定について説明する。
図3に示すように、バーコードリーダ5は、バーコード読取部51を有する。バーコードリーダ5は、各作業者が携帯しているIDカード6上のバーコード62を読み取る。IDカード6の本体61には、バーコード62および作業者の写真63が配置されている。バーコード読取部51は、バーコード62をスキャンし、取得した光信号を識別コードに復号する。
【0025】
バーコードリーダ5は、加工装置1の本体2に対して着脱可能である。バーコードリーダ5は、有線あるいは無線の通信によって、表示モニタ4や制御手段30との間で情報を授受する。バーコード読取部51は、受光窓52を有する。バーコード読取部51の内部には、光源部や受光部等が配置されている。バーコード読取部51は、受光窓52を介して入射する光を受光する。IDカード6のバーコード62を読み取る場合、作業者は、
図4に示すように、受光窓52をバーコード62と対向させる。バーコード読取部51は、バーコード62を読み取り、取得した光信号を識別コードに復号する。バーコードリーダ5は、復号された識別コードを出力する。本実施形態では、バーコードリーダ5が出力する識別コードは、表示モニタ4を介して制御手段30に送られる。
【0026】
制御手段30は、バーコードリーダ5から出力された識別コードを取得すると、取得した識別コードと、作業者情報記憶部36に記憶された情報とに基づいて、作業者を特定する。制御手段30は、取得した識別コードが作業者情報記憶部36に記憶された何れかの作業者の識別コードと一致する場合、当該作業者に対して加工装置1に対するログインを許可する。ログインが許可された作業者は、予め定められた操作内容の範囲内で加工装置1を操作することができる。各作業者に対して許可されている操作内容は、例えば、集計項目記憶部35から取得することができる。例えば、作業者Aは、処理a,b,c,d,e,f,gに係る操作を実行することが許可される。一例として、処理aがアライメントに係るものである場合、作業者Aは、アライメントに係る操作を実行することができる。
【0027】
制御手段30の集計部33は、作業者に対して加工装置1に対するログインが許可されると、処理記憶部32に記憶された読取手段で特定された作業者の処理情報を集計する。集計部33は、特定された作業者について集計すべき処理を、処理記憶部32に記憶された処理から抽出する。例えば、特定された作業者が作業者Kである場合、集計部33は、集計項目記憶部35から作業者Kについて集計すべき項目を取得する。作業者Kについて集計すべき処理が、処理a,d,e,f,gである場合、集計部33は、処理記憶部32に記憶された処理のうち、処理a,d,e,f,gを抽出し、集計する。
【0028】
集計部33によって実行される集計は、例えば、各処理の発生回数や時間あたりの発生頻度、発生間隔、これらの増減の算出を含んでいてもよい。また、集計部33によって実行される集計は、各処理に要した時間やその増減の算出を含んでいてもよい。また、集計部33によって実行される集計は、各種の交換作業やメンテナンスを実行すべき時期の算出を含んでいてもよい。
【0029】
集計部33は、特定された作業者が加工装置1を操作している間に発生した処理と、それ以外の処理、例えば他の作業者が加工装置1を操作している間に発生した処理とを分けて集計するようにしてもよい。これにより、特定された作業者に適したアドバイスを選択することが可能である。
【0030】
また、集計部33は、特定された作業者が最後に加工装置1の操作を終了(ログアウト)してから現在までに発生した処理や、現在までの所定の稼働時間の間に発生した処理など、直近に発生した処理を集計してもよい。これにより、特定された作業者に対して直近の加工装置1の状況に基づくアドバイスを行うことができる。
【0031】
アドバイス情報選定部34は、集計部33の集計結果に対応するアドバイス情報を選定し、読取手段で特定された作業者に対するアドバイス情報を表示手段に表示する。アドバイス情報には、挨拶が含まれてもよい。アドバイス情報選定部34は、例えば、直近に同一のエラーが頻発している場合、その旨のアドバイス情報を選定し、当該アドバイス情報を表示モニタ4に表示する。アドバイス情報選定部34は、例えば、エラーWの時間あたりの発生頻度が閾値以上である場合や、エラーWが所定時間未満の間隔で発生した場合に、エラーWが頻発しているとのアドバイス情報を選定する。
【0032】
また、アドバイス情報選定部34は、部品の交換時期が近づいている場合、部品の交換時期が近づいている旨のアドバイス情報を選定する。アドバイス情報選定部34は、例えば、切削ブレード11の交換時期が近づいている場合、ブレード交換が近づいている旨のアドバイス情報を選定し、当該アドバイス情報を表示モニタ4に表示する。切削ブレード11の交換時期は、例えば、切削ブレード11の加工距離や摩耗量等に基づいて予測される。作業者に対して切削ブレード11等の交換時期が近いことを予めアドバイスしておくことにより、交換作業の準備を行っておくことが可能となる。これにより、加工装置1の稼働率の低下を抑制することができる。
【0033】
また、アドバイス情報選定部34は、特定された作業者が過去に作業していたときに発生したエラーに基づくアドバイス情報を選定する。アドバイス情報選定部34は、例えば、特定された作業者が前回加工装置1を操作していたときにエラーYが発生していた場合、「前回作業時はエラーYが発生していましたので、注意しましょう」というアドバイス情報を選定し、当該アドバイス情報を表示モニタ4に表示する。
【0034】
また、アドバイス情報選定部34は、エラーの回避や加工時間の短縮に有用なアドバイス情報を選定する。アドバイス情報選定部34は、例えば、特定された作業者が前回の作業時にアライメントエラーを発生させている場合、エラーの発生を回避させるアドバイス情報を選定する。一例として、アドバイス情報選定部34は、画像処理のエラーによるアライメントエラーが発生していた場合、アライメント時の画像処理に係る設定値として適切な値についてのアドバイス情報を選定する。
【0035】
アドバイス情報選定部34は、アライメント時の画像処理に係る設定値として適切な値を予め記憶している。また、処理記憶部32には、画像処理に係る設定値の入力・変更に係る処理が記憶されている。アドバイス情報選定部34は、画像処理に係る設定値を手動により設定する処理がなされ、かつ画像処理に係るエラーが発生していた場合、当該作業者に対して適切な値を用いることを推奨する旨のアドバイス情報を選定する。これにより、作業者は、エラーの発生原因を知ることができるだけでなく、エラーの発生を回避する方法を知ることができる。作業者は、マニュアルを確認することなくエラーの回避方法について学習することができるため、作業者の習熟度向上に有利である。
【0036】
加工条件等に係る各種の設定値には、加工装置1の種類や加工対象の被加工物Wに応じた好適な値がある。設定値の調整には、ノウハウ的な部分があり、習熟度の低い作業者が経験を積んでノウハウを取得するまでには多くの時間を要する。本実施形態に係る加工装置1によれば、記憶された処理に基づいて作業者に対して適切な設定をアドバイスすることが可能であり、短時間で作業者の習熟度を向上させることができる。また、エラーが発生した場合にそのエラーを回避するためのアドバイス情報を表示することにより、作業者が不得手とする操作を少なくしていくことができる。
【0037】
また、アドバイス情報選定部34は、ある処理に要した時間が長かった場合、所要時間を短縮できるようなアドバイス情報を選定する。例えば、特定された作業者が前回の作業時にアライメントを行った際のアライメント時間が所定よりも長時間であった場合、アライメント時間を短縮する方法についてのアドバイス情報が選定される。例えば、アライメントターゲットの高さ位置がばらつくことでアライメントターゲットの検出に多くの時間を要することがある。アドバイス情報選定部34は、アライメント時間が長かった場合、例えば「アライメントターゲットを確認しましょう」とのアドバイス情報を選定する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態に係る加工装置1によれば、作業者に対して適切にアドバイス情報を表示することができる。加工装置1は、作業者を特定した後、既に記録されている動作記録から作業者ごとに必要とされる解析を実施して、解析結果から作業者にとって有用なアドバイス情報を自動的に表示する。よって、作業者は、有用なアドバイスを自動的に得ることができる。
【0039】
[実施形態の第1変形例]
上記実施形態では、読取手段はバーコードリーダ5と制御手段30を含んで構成されていたが、例えば、バーコードリーダ5が単独で読取手段として機能してもよい。例えば、バーコードリーダ5は、作業者情報記憶部36から作業者の識別コードを取得して、読み取った識別コードに基づいて作業者を特定する機能を有していてもよい。また、読取手段は、バーコードリーダ5に代えて、他の読取機構を備えていてもよい。読取手段は、例えば、通信によって識別コードを読み取る通信装置や、電磁的に記録された識別コードを読み取るカードリーダ等を有していていてもよい。また、読取手段は、身体的特徴を識別コードとして読み取るようにしてもよい。
【0040】
[実施形態の第2変形例]
集計部33が特定された作業者の処理情報を集計するタイミングは、ログイン時以外であってもよい。例えば、作業者が加工装置1を操作している間に、適宜当該作業者の処理情報が集計されてもよい。また、表示モニタ4にアドバイス情報を表示するタイミングは、ログイン時以外であってもよい。例えば、集計部33が処理情報を集計するごとに、アドバイス情報選定部34がアドバイス情報を選定し、表示モニタ4に当該アドバイス情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、例えば、エラーが発生した場合に速やかにそのエラーに対応するためのアドバイス情報を表示することが可能となる。
【0041】
[実施形態の第3変形例]
集計部33は、一人の作業者について、同一の処理に要した時間の変化を集計するようにしてもよい。例えば、アライメント時間やブレード交換に要した時間などの推移が集計されてもよい。アドバイス情報選定部34は、所要時間が短縮してきている場合、その作業者に対して技量が向上している旨のアドバイス情報を表示するようにしてもよい。
【0042】
[実施形態の第4変形例]
上記実施形態では、加工装置1の加工手段10が切削手段であったが、加工装置1は、切削手段に代えて、研削手段や研磨手段、レーザ加工手段等を備えていてもよい。
【0043】
[実施形態の第5変形例]
処理記憶部32に記憶される処理情報には、作業者による指示内容が含まれてもよい。例えば、加工処理や画像処理に係る設定値の手動による入力内容が処理記憶部32に記憶されてもよい。このようにした場合、手動による条件の設定内容が適切でなかった場合に、適切な値を使用するようにアドバイスするアドバイス情報を選定することが可能である。アドバイス情報選定部34は、処理記憶部32に記憶された作業者による設定値が、記憶している適切な値とは異なる場合、当該作業者に対して適切な値を用いることを推奨する旨のアドバイス情報を選定する。
【0044】
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。