(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願発明の一実施形態に係る圧力校正用治具、及び、基板処理装置を図面に基づいて説明する。以下では、基板処理装置の一例として、CMP装置を説明するが、これには限られない。また、以下では、ロード/アンロードユニット2と、研磨ユニット3と、洗浄ユニット4と、を備える基板処理装置について説明するが、これには限られない。
【0020】
まず、CMP装置の構成について説明し、その後にエアバッグの圧力キャリブレーションについて説明する。
【0021】
<基板処理装置>
図1は本発明の一実施形態に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図1に示すように、このCMP装置は、略矩形状のハウジング1を備えており、ハウジング1の内部は隔壁1a,1bによってロード/アンロードユニット2と研磨ユニット3と洗浄ユニット4とに区画されている。ロード/アンロードユニット2、研磨ユニット3、及び洗浄ユニット4は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気される。また、洗浄ユニット4は、基板処理動作を制御する制御装置5を有している。
【0022】
<ロード/アンロードユニット>
ロード/アンロードユニット2は、多数のウェハ(基板)をストックするウェハカセットが載置される2つ以上(本実施形態では4つ)のフロントロード部20を備えている。これらのフロントロード部20はハウジング1に隣接して配置され、基板処理装置の幅方向(長手方向と垂直な方向)に沿って配列されている。フロントロード部20には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができるようになっている。ここで、SMIF、FOUPは、内部にウェハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
【0023】
また、ロード/アンロードユニット2には、フロントロード部20の並びに沿って走行
機構21が敷設されており、この走行機構21上にウェハカセットの配列方向に沿って移動可能な2台の搬送ロボット(ローダー、搬送機構)22が設置されている。搬送ロボット22は走行機構21上を移動することによってフロントロード部20に搭載されたウェハカセットにアクセスできるようになっている。各搬送ロボット22は上下に2つのハンドを備えている。上側のハンドは、処理されたウェハをウェハカセットに戻すときに使用される。下側のハンドは、処理前のウェハをウェハカセットから取り出すときに使用される。このように、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。さらに、搬送ロボット22の下側のハンドは、その軸心周りに回転することで、ウェハを反転させることができるように構成されている。
【0024】
ロード/アンロードユニット2は最もクリーンな状態を保つ必要がある領域であるため、ロード/アンロードユニット2の内部は、CMP装置外部、研磨ユニット3、及び洗浄ユニット4のいずれよりも高い圧力に常時維持されている。研磨ユニット3は研磨液としてスラリーを用いるため最もダーティな領域である。したがって、研磨ユニット3の内部には負圧が形成され、その圧力は洗浄ユニット4の内部圧力よりも低く維持されている。ロード/アンロードユニット2には、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、またはケミカルフィルタなどのクリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットからはパーティクルや有毒蒸気、有毒ガスが除去されたクリーンエアが常時吹き出している。
【0025】
<研磨ユニット>
研磨ユニット3は、ウェハの研磨(平坦化)が行われる領域であり、第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、第4研磨ユニット3Dを備えている。これらの第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、及び第4研磨ユニット3Dは、
図1に示すように、基板処理装置の長手方向に沿って配列されている。
【0026】
図1に示すように、第1研磨ユニット3Aは、研磨面を有する研磨パッド10が取り付けられた研磨テーブル30Aと、ウェハを保持しかつウェハを研磨テーブル30A上の研磨パッド10に押圧しながら研磨するためのトップリング31Aと、研磨パッド10に研磨液やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための研磨液供給ノズル32Aと、研磨パッド10の研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ33Aと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素ガス)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザ34Aとを備えている。トップリング31Aの内部には、ウェハをトップリング31Aへ吸着して保持したりウェハを研磨パッド10へ押圧したりするために、複数のエアバッグが設けられている。
【0027】
同様に、第2研磨ユニット3Bは、研磨パッド10が取り付けられた研磨テーブル30Bと、トップリング31Bと、研磨液供給ノズル32Bと、ドレッサ33Bと、アトマイザ34Bとを備えている。第3研磨ユニット3Cは、研磨パッド10が取り付けられた研磨テーブル30Cと、トップリング31Cと、研磨液供給ノズル32Cと、ドレッサ33Cと、アトマイザ34Cとを備えている。第4研磨ユニット3Dは、研磨パッド10が取り付けられた研磨テーブル30Dと、トップリング31Dと、研磨液供給ノズル32Dと、ドレッサ33Dと、アトマイザ34Dとを備えている。トップリング31B,31C,31Dの内部にはそれぞれ、ウェハをトップリング31B,31C,31Dへ吸着して保持したりウェハを研磨パッド10へ押圧したりするために、複数のエアバッグが設けられている。
【0028】
第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、及び第4研磨ユニット3Dは、互いに同一の構成を有しているので、以下、第1研磨ユニット31Aに
ついて説明する。
【0029】
図2は、第1研磨ユニット3Aを模式的に示す斜視図である。トップリング31Aは、トップリングシャフト36に支持されている。研磨テーブル30Aの上面には研磨パッド10が貼付されており、この研磨パッド10の上面はウェハWを研磨する研磨面を構成する。なお、研磨パッド10に代えて固定砥粒を用いることもできる。トップリング31A及び研磨テーブル30Aは、矢印で示すように、その軸心周りに回転するように構成されている。ウェハWは、トップリング31Aの下面に真空吸着により保持される。研磨時には、研磨液供給ノズル32Aから研磨パッド10の研磨面に研磨液が供給され、研磨対象であるウェハWがトップリング31Aにより研磨面に押圧されて研磨される。
【0030】
次に、ウェハを搬送するための搬送機構について説明する。
図1に示すように、第1研磨ユニット3A及び第2研磨ユニット3Bに隣接して、第1リニアトランスポータ6が配置されている。この第1リニアトランスポータ6は、研磨ユニット3A,3Bが配列する方向に沿った4つの搬送位置(ロード/アンロードユニット側から順番に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4とする)の間でウェハを搬送する機構である。
【0031】
また、第3研磨ユニット3C及び第4研磨ユニット3Dに隣接して、第2リニアトランスポータ7が配置されている。この第2リニアトランスポータ7は、研磨ユニット3C,3Dが配列する方向に沿った3つの搬送位置(ロード/アンロードユニット側から順番に第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7とする)の間でウェハを搬送する機構である。
【0032】
ウェハは、第1リニアトランスポータ6によって研磨ユニット3A,3Bに搬送される。第1研磨ユニット3Aのトップリング31Aは、トップリングヘッドのスイング動作により研磨位置と第2搬送位置TP2との間を移動する。したがって、トップリング31Aへのウェハの受け渡しは第2搬送位置TP2で行われる。同様に、第2研磨ユニット3Bのトップリング31Bは研磨位置と第3搬送位置TP3との間を移動し、トップリング31Bへのウェハの受け渡しは第3搬送位置TP3で行われる。第3研磨ユニット3Cのトップリング31Cは研磨位置と第6搬送位置TP6との間を移動し、トップリング31Cへのウェハの受け渡しは第6搬送位置TP6で行われる。第4研磨ユニット3Dのトップリング31Dは研磨位置と第7搬送位置TP7との間を移動し、トップリング31Dへのウェハの受け渡しは第7搬送位置TP7で行われる。
【0033】
第1搬送位置TP1には、搬送ロボット22からウェハを受け取るためのリフタ11が配置されている。ウェハはこのリフタ11を介して搬送ロボット22から第1リニアトランスポータ6に渡される。リフタ11と搬送ロボット22との間に位置して、シャッタ(図示せず)が隔壁1aに設けられており、ウェハの搬送時にはシャッタが開かれて搬送ロボット22からリフタ11にウェハが渡されるようになっている。また、第1リニアトランスポータ6と、第2リニアトランスポータ7と、洗浄ユニット4との間にはスイングトランスポータ12が配置されている。このスイングトランスポータ12は、第4搬送位置TP4と第5搬送位置TP5との間を移動可能なハンドを有しており、第1リニアトランスポータ6から第2リニアトランスポータ7へのウェハの受け渡しは、スイングトランスポータ12によって行われる。ウェハは、第2リニアトランスポータ7によって第3研磨ユニット3C及び/または第4研磨ユニット3Dに搬送される。また、研磨ユニット3で研磨されたウェハはスイングトランスポータ12を経由して洗浄ユニット4に搬送される。
【0034】
<洗浄ユニット>
図3(a)は洗浄ユニット4を示す平面図であり、
図3(b)は洗浄ユニット4を示す側面図である。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、洗浄ユニット4は、第1洗浄室190と、第1搬送室191と、第2洗浄室192と、第2搬送室193と、乾燥室194とに区画されている。第1洗浄室190内には、縦方向に沿って配列された上側一次洗浄モジュール201A及び下側一次洗浄モジュール201Bが配置されている。上側一次洗浄モジュール201Aは下側一次洗浄モジュール201Bの上方に配置されている。同様に、第2洗浄室192内には、縦方向に沿って配列された上側二次洗浄モジュール202A及び下側二次洗浄モジュール202Bが配置されている。上側二次洗浄モジュール202Aは下側二次洗浄モジュール202Bの上方に配置されている。一次及び二次洗浄モジュール201A,201B,202A,202Bは、洗浄液を用いてウェハを洗浄する洗浄機である。これらの一次及び二次洗浄モジュール201A,201B,202A,202Bは垂直方向に沿って配列されているので、フットプリント面積が小さいという利点が得られる。
【0035】
上側二次洗浄モジュール202Aと下側二次洗浄モジュール202Bとの間には、ウェハの仮置き台203が設けられている。乾燥室194内には、縦方向に沿って配列された上側乾燥モジュール205A及び下側乾燥モジュール205Bが配置されている。これら上側乾燥モジュール205A及び下側乾燥モジュール205Bは互いに隔離されている。上側乾燥モジュール205A及び下側乾燥モジュール205Bの上部には、清浄な空気を乾燥モジュール205A,205B内にそれぞれ供給するフィルタファンユニット207,207が設けられている。上側一次洗浄モジュール201A、下側一次洗浄モジュール201B、上側二次洗浄モジュール202A、下側二次洗浄モジュール202B、仮置き台203、上側乾燥モジュール205A、及び下側乾燥モジュール205Bは、図示しないフレームにボルトなどを介して固定されている。
【0036】
第1搬送室191には、上下動可能な第1搬送ロボット(搬送機構)209が配置され、第2搬送室193には、上下動可能な第2搬送ロボット210が配置されている。第1搬送ロボット209及び第2搬送ロボット210は、縦方向に延びる支持軸211,212にそれぞれ移動自在に支持されている。第1搬送ロボット209及び第2搬送ロボット210は、その内部にモータなどの駆動機構を有しており、支持軸211,212に沿って上下に移動自在となっている。第1搬送ロボット209は、搬送ロボット22と同様に、上下二段のハンドを有している。第1搬送ロボット209は、
図3(a)の点線が示すように、その下側のハンドが上述した仮置き台180にアクセス可能な位置に配置されている。第1搬送ロボット209の下側のハンドが仮置き台180にアクセスするときには、隔壁1bに設けられているシャッタ(図示せず)が開くようになっている。
【0037】
第1搬送ロボット209は、仮置き台180、上側一次洗浄モジュール201A、下側一次洗浄モジュール201B、仮置き台203、上側二次洗浄モジュール202A、下側二次洗浄モジュール202Bの間でウェハWを搬送するように動作する。洗浄前のウェハ(スラリーが付着しているウェハ)を搬送するときは、第1搬送ロボット209は、下側のハンドを用い、洗浄後のウェハを搬送するときは上側のハンドを用いる。第2搬送ロボット210は、上側二次洗浄モジュール202A、下側二次洗浄モジュール202B、仮置き台203、上側乾燥モジュール205A、下側乾燥モジュール205Bの間でウェハWを搬送するように動作する。第2搬送ロボット210は、洗浄されたウェハのみを搬送するので、1つのハンドのみを備えている。
図1に示す搬送ロボット22は、その上側のハンドを用いて上側乾燥モジュール205Aまたは下側乾燥モジュール205Bからウェハを取り出し、そのウェハをウェハカセットに戻す。搬送ロボット22の上側ハンドが乾燥モジュール205A,205Bにアクセスするときには、隔壁1aに設けられているシャッタ(図示せず)が開くようになっている。
【0038】
<エアバッグの圧力キャリブレーション>
<第1実施形態>
次に、エアバッグの圧力キャリブレーションについて説明する。
図4は、第1実施形態の圧力校正用治具、及び、CMP装置の構成を示す図である。
図4では、説明を簡略化するために、トップリング31の内部に3つのエアバッグ310−1〜310−3が設けられている例を示すが、これに限らず、エアバッグの数は任意である。
【0039】
圧力校正用治具400は、トップリング31の内部に設けられた複数のエアバッグ310−1〜310−3への加圧圧力を校正するための治具である。
図4に示すように、圧力校正用治具400は、CMP装置及び校正用圧力センサ500と接続されて使用される。具体的には、CMP装置は、複数の流路を通流可能なマルチコネクタ360を備えており、圧力校正用治具400は、複数の流路を通流可能なマルチコネクタ420を備えている。CMP装置と圧力校正用治具400は、マルチコネクタ360,420を介して互いに接続される。また、圧力校正用治具400は、流路を通流可能なコネクタ430を備えており、コネクタ430を介して校正用圧力センサ500と接続される。
【0040】
圧力校正用治具400は、複数のエアバッグ310−1〜310−3のそれぞれに連通する複数の第1流路440−1〜440−3を備える。具体的には、CMP装置は、複数のエアバッグ310−1〜310−3に圧力(例えば空気圧力)を加えるための圧力レギュレータ320を備える。圧力レギュレータ320と複数のエアバッグ310−1〜310−3は、複数の本流路370−1〜370−3によって接続されている。なお、説明の簡略化のため、
図4では、本流路370−1についての構成のみを図示する。本流路370−1には、本流路370−1を開閉する開閉弁(第2開閉弁)340が設けられている。複数の第1流路440−1〜440−3は、複数の本流路370−1〜370−3における開閉弁340とエアバッグ310との間に接続されることによって、エアバッグ310−1〜310−3のそれぞれに連通する。
【0041】
また、圧力校正用治具400は、複数の第1流路440−1〜440−3を1つに合流して校正用の圧力センサ500へ接続する第2流路450を備える。
図4に示すように、第1流路440−1〜440−3は、第2流路450において1つに合流する。第2流路450は、コネクタ430を介して校正用圧力センサ500に接続される。
【0042】
また、圧力校正用治具400は、複数の第1流路440−1〜440−3のうち圧力校正用として選択されたエアバッグに対応する流路について、エアバッグ310から第2流路450の方向へ流体を通流可能とするとともに、選択された1つの流路以外の流路について、第2流路450からエアバッグ310の方向へ流体が流れるのを阻止する、流れ制御部410を備える。
【0043】
具体的には、流れ制御部410は、複数の第1流路440−1〜440−3のそれぞれに設けられ複数の第1流路440−1〜440−3を開閉する複数の開閉弁(第1開閉弁)410−1〜410−3を含む。ここで、複数の開閉弁410−1〜410−3は、圧力レギュレータ320と複数のエアバッグ310−1〜310−3とを接続する複数の本流路370−1〜370−3にそれぞれ設けられた開閉弁340と同期して動作する。
【0044】
具体的には、本流路370−1については、開閉弁340は、電磁弁(SV1)352から出力される制御空気圧に基づいて開閉する。電磁弁352から出力される制御空気圧は、マルチコネクタ360,420を介して開閉弁410−1に接続される。これにより、開閉弁340と開閉弁410−1(電磁弁352)は同期する。なお、開閉弁340と開閉弁410−1は共に、常時閉で空気加圧時に開になるノーマルクローズ(NC)の開閉弁である。これにより、開閉弁340が開になれば開閉弁410−1も開になり、開閉
弁340が閉になれば開閉弁410−1も閉になる。本流路370−2,370−3についても同様である。例えば、本流路370−2と第1流路440−2は連通し、本流路370−2に設置された開閉弁340の開閉を制御するための制御空気圧は開閉弁410−2に接続される。
【0045】
次に、エアバッグ310の圧力のキャリブレーション(校正)について説明する。ここでは、一例として、エアバッグ310−1に対するキャリブレーションについて説明する。まず、制御部(PLC)5から圧力レギュレータ320へ送られるD/A値のキャリブレーション(校正)が行われる。制御部5は、エアバッグ310−1が所定の圧力(例えば25hPa)となるよう指令値(D/A値)を圧力レギュレータ320へ送り、圧力レギュレータ320は受信した指令値に基づいてエアバッグ310−1を加圧する。
【0046】
キャリブレーションに際には、開閉弁340は開に制御され、これに同期して開閉弁410−1も開に制御される。これにより、エアバッグ310−1に加圧された圧力は、本流路370−1、第1流路440−1、及び第2流路450を介して校正用圧力センサ500に供給される。
【0047】
一方、開閉弁410−2,410−3は閉に制御されるので、第2流路450にかかる圧力は、エアバッグ310−2,310−3側へは伝わらない。したがって、校正用圧力センサ500は、エアバッグ310−1にかかる圧力のみを計測することができる。校正用圧力センサ500によって計測された圧力値は、制御部5へフィードバックされる。
【0048】
制御部5は、上記の処理を異なる圧力(例えば100hPa,200hPaなど)でも同様に行い、校正用圧力センサ500からフィードバックされた圧力値に基づいて、制御部5から圧力レギュレータ320へ送られるD/A値のキャリブレーションを行う。つまり、指令値に対して実測の圧力値が高ければD/A値が小さくなるよう補正し、指令値に対して実測の圧力値が低いればD/A値が大きくなるよう補正し、指令値に対して実測の圧力値が等しければ補正を行わない。
【0049】
制御部5は、エアバッグ310−1について、制御部5から圧力レギュレータ320へ送られるD/A値のキャリブレーションが終了したら、他のエアバッグ310−2,310−3についても同様にキャリブレーションを行う。
【0050】
また、制御部5は、全てのエアバッグ310−1〜310−3について、制御部5から圧力レギュレータ320へ送られるD/A値のキャリブレーションが終了したら、次に、CMP装置の内部に設けられた圧力センサ322から制御部5へ送られた圧力のA/D値のキャリブレーションを行う。
【0051】
具体的には、制御部5は、所定の圧力(例えば25hPa)となるよう指令値(D/A値)を圧力レギュレータ320へ送り、圧力レギュレータ320は受信した指令値に基づいて圧力センサ322を加圧する。圧力センサ322によって測定された圧力値は制御部5へフィードバックされる。
【0052】
制御部5は、上記の処理を異なる圧力(例えば100hPa,200hPaなど)でも同様に行い、圧力センサ322からフィードバックされた圧力値に基づいて、圧力センサ322から制御部5へ送られた圧力のA/D値のキャリブレーションを行う。つまり、指令値に対して実測の圧力値が高ければA/D値が小さくなるよう補正し、指令値に対して実測の圧力値が低いればA/D値が大きくなるよう補正し、指令値に対して実測の圧力値が等しければ補正を行わない。
【0053】
また、制御部5は、圧力センサ322から制御部5へ送られた圧力のA/D値のキャリブレーションが終了したら、次に、CMP装置の内部に設けられた圧力センサ324から制御部5へ送られた圧力のA/D値のキャリブレーションを行う。
【0054】
具体的には、制御部5は、エアバッグ310−1が所定の圧力(例えば25hPa)となるよう指令値(D/A値)を圧力レギュレータ320へ送り、圧力レギュレータ320は受信した指令値に基づいてエアバッグ310−1を加圧する。エアバッグ310にかかる圧力は圧力センサ324によって測定され、圧力センサ322によって測定された圧力値は制御部5へフィードバックされる。
【0055】
制御部5は、上記の処理を異なる圧力(例えば100hPa,200hPaなど)でも同様に行い、圧力センサ324からフィードバックされた圧力値に基づいて、圧力センサ324から制御部5へ送られた圧力のA/D値のキャリブレーションを行う。つまり、指令値に対して実測の圧力値が高ければA/D値が小さくなるよう補正し、指令値に対して実測の圧力値が低いればA/D値が大きくなるよう補正し、指令値に対して実測の圧力値が等しければ補正を行わない。
【0056】
制御部5は、エアバッグ310−1について、圧力センサ324から制御部5へ送られた圧力のA/D値のキャリブレーションが終了したら、他のエアバッグ310−2,310−3についても同様にキャリブレーションを行う。
【0057】
以上、第1実施形態によれば、エアバッグのキャリブレーション作業を簡素化することができる。すなわち、従来技術では、校正用圧力センサを対象のエアバッグに接続してキャリブレーションを行い、キャリブレーションが終了したら校正用圧力センサを他の対象のエアバッグに接続し直してキャリブレーションを行う、という作業をエアバッグの数に応じて繰り返す必要がある。これによれば、キャリブレーション作業にかかる作業員の人数が多くなるしキャリブレーション作業が長時間になる。これに対して第1実施形態によれば、圧力校正用治具400をCMP装置及び校正用圧力センサ500に接続した後は、自動で複数のエアバッグに対するキャリブレーションを行うことができる。したがって、第1実施形態によれば、複数のエアバッグの圧力のキャリブレーションを短時間かつ少ない手間で行うことができる。
【0058】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のエアバッグの圧力キャリブレーションについて説明する。
図5は、第2実施形態の圧力校正用治具、及び、CMP装置の構成を示す図である。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、圧力校正用治具400の内部の開閉弁をノーマルクローズからノーマルオープンの開閉弁へ変更する点、及び、圧力校正用治具400の内部の開閉弁に対する制御信号の接続先が変更される点が異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0059】
流れ制御部410は、複数の第1流路440−1〜440−3のそれぞれに設けられ複数の第1流路440−1〜440−3を開閉する複数の第1開閉弁412−1〜412−3を含む。第1開閉弁412−1〜412−3は、常時開で空気加圧時に閉になるノーマルオープン(NO)の開閉弁である。
【0060】
本流路370−1については、本流路370−1における開閉弁340と圧力レギュレータ320との間には流量計330が設けられており、本流路370−1には、流量計330及び開閉弁340をバイパスするバイパス流路380が設けられる。バイパス流路380には、バイパス流路380を開閉する開閉弁(第3開閉弁)342が設けられる。なお、バイパス流路380は、エアバッグ310−1への加圧立ち上げを早くするため、言
い換えると、エアバッグ310−1への加圧立ち上げ時に流量計330の絞りによって立ち上がりが遅くなるのを抑制するために設けられている。本流路370−2,370−3は、本流路370−1と同様になっている。
【0061】
複数の第1開閉弁412−1〜412−3は、第3開閉弁と同期して動作する。具体的には、本流路370−1については、開閉弁342は、電磁弁(SV2)354から出力される制御空気圧に基づいて開閉する。電磁弁354から出力される制御空気圧は、マルチコネクタ360,420を介して開閉弁412−1に接続される。これにより、開閉弁342(電磁弁354)と開閉弁412−1は同期する。なお、開閉弁342はノーマルクローズの開閉弁であり、開閉弁412−1はノーマルオープンの開閉弁であるため、開閉弁342が開になれば開閉弁412−1は閉になり、開閉弁342が閉になれば開閉弁412−1は開になる。本流路370−2,370−3についても同様である。
【0062】
以上、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、エアバッグのキャリブレーション作業を簡素化することができる。また、第2実施形態では、圧力校正用治具400内の開閉弁412をバイパス流路380の開閉弁342(電磁弁354)と同期させているので、圧力校正用治具400内での第1流路440間のリークを防止することができる。すなわち、電磁弁352は、エアバッグ310を加圧する際にON、エアバッグ310を吸着する際にOFF、加圧も吸着も行っていないフリーの際にONに設定される場合がある。この場合、加圧を行う状態とフリーの状態とで電磁弁352の動作が同じであるため、開閉弁412を電磁弁352に同期させると、圧力校正用治具400内の全ての開閉弁412が開いて第1流路440間のリークが発生するおそれがある。
【0063】
これに対して、電磁弁354は、エアバッグ310を加圧する際にOFF、エアバッグ310を吸着する際にOFF、加圧も吸着も行っていないフリーの際にONに設定される。これによれば、加圧を行う状態とフリーの状態とで電磁弁354の動作が異なるため、圧力校正対象のエアバッグに対応する第1流路を開、それ以外の第1流路を閉にすることができる。その結果、圧力校正対象のエアバッグに対応する第1流路について、エアバッグから第2流路の方向へ流体を通流可能とするとともに、それ以外の第1流路について、第2流路からエアバッグの方向へ流体が流れるのを阻止することができる。
【0064】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態のエアバッグの圧力キャリブレーションについて説明する。
図6は、第3実施形態の圧力校正用治具、及び、CMP装置の構成を示す図である。第3実施形態は、第1実施形態と比較して、第1流路440−1〜440−3の接続先が変更される点、及び、圧力校正用治具400の内部の開閉弁に対する制御空気圧の接続先が変更される点が異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0065】
流れ制御部410は、複数の第1流路440−1〜440−3のそれぞれに設けられ複数の第1流路440−1〜440−3を開閉する複数の開閉弁410−1〜410−3を含む。本流路370−1については、本流路370−1における開閉弁340のエアバッグ310−1側から吸引用流路390が分岐している。吸引用流路390には、吸引用流路390を開閉する開閉弁(第4開閉弁)344が設けられる。開閉弁344は、電磁弁(SV3)356から出力される制御空気圧に基づいて開閉する。本流路370−2,370−3については、本流路370−1と同様である。
【0066】
本流路370−1〜370−3から分岐した複数の吸引用流路390は、1本の吸引用流路392に合流する。ウェハWをトップリング31へ吸着する際には、吸引用流路392を介してエアバッグ310が真空引きされる。吸引用流路392には、吸引用流路39
2を開閉する開閉弁(第5開閉弁)346が設けられる。開閉弁346は、電磁弁(SV4)358から出力される制御空気圧に基づいて開閉する。
【0067】
複数の開閉弁410−1〜410−3は、開閉弁344と同期して動作する。具体的には、本流路370−1については、開閉弁344は、電磁弁(SV3)356から出力される制御空気圧に基づいて開閉する。電磁弁356から出力される制御空気圧は、マルチコネクタ360,420を介して開閉弁410−1に接続される。これにより、開閉弁344(電磁弁356)と開閉弁410−1は同期する。なお、開閉弁344はノーマルオープンの開閉弁であり、開閉弁410−1はノーマルクローズの開閉弁であるため、開閉弁344が開になれば開閉弁410−1は閉になり、開閉弁344が閉になれば開閉弁410−1は開になる。エアバッグ310−1のキャリブレーションを行う際には、本流路370−1に連通する開閉弁344は閉になり、開閉弁410−1は開になる。また、エアバッグ310−1のキャリブレーションを行う際には、本流路370−2,370−3に連通する開閉弁344は開になり、開閉弁410−2,410−3は閉になる。本流路370−2,370−3についても同様である。
【0068】
また、複数の第1流路440−1〜440−3は、本流路370−1〜370−3における開閉弁340と圧力レギュレータ320との間に接続される。より具体的には、複数の第1流路440−1〜440−3は、本流路370−1〜370−3における開閉弁340と流量計330との間に接続される。
【0069】
以上、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、エアバッグのキャリブレーション作業を簡素化することができる。また、第3実施形態では、エアバッグのキャリブレーション作業時に、エアバッグ310から空気が漏れるのを防ぐために研磨パッド10にウェハWを押圧することによる研磨パッド10の形崩れなどを防止することができる。すなわち、エアバッグのキャリブレーション作業時に、エアバッグにウェハWがセットされていないとエアバッグから空気が漏れる。これを解消するためにウェハWをセットしてウェハWを研磨パッド10に押圧することが考えられるが、この場合、ウェハWを準備する必要があるし、押圧によって研磨パッド10の型崩れが生じるおそれがある。
【0070】
これに対して第3実施形態では、第1流路440−1〜440−3は、本流路370−1〜370−3における開閉弁340と圧力レギュレータ320との間に接続される。このため、第3実施形態では、開閉弁410−1〜410−3は、開閉弁344と同期して動作する。したがって、第3実施形態によれば、エアバッグのキャリブレーション作業時に、ウェハWを準備したり、研磨パッド10の形崩れが生じたりすることを防止することができる。
【0071】
これに加えて、第3実施形態では、キャリブレーション時にエアバッグが意図せず真空吸着されるのを防止することができる。すなわち、キャリブレーション時に、開閉弁346は閉になる。開閉弁346は、真空吸着の元栓のような開閉弁であるため、開閉弁346を閉にすることによって、たとえ吸引用流路390のいずれかが開であったとしても、エアバッグが意図せず真空吸着されるのを防止することができる。
【0072】
なお、第3実施形態においては、キャリブレーションを行わない通常操作時においてエアバッグを加圧する際には、開閉弁340は開、開閉弁342,344,346は閉に制御される。また、通常操作時においてエアバッグを吸着する際には、開閉弁340,342は閉、開閉弁344,346は開に制御される。通常操作時においてエアバッグを加圧又は吸着しない際には、開閉弁340,342は開、開閉弁344,346は閉に制御される。
【0073】
なお、第3実施形態においては、キャリブレーションを行うモードにおいて、実際に例えばエアバッグ310−1のキャリブレーションを行っている際には、開閉弁340,342は開、開閉弁344,346は閉、開閉弁410−1は開、開閉弁410−2,410−3は閉に制御される。また、キャリブレーションを行うモードにおいて、キャリブレーションが行われていない際には、開閉弁340,342,346は閉、開閉弁344は開、開閉弁410−1〜410−3は閉に制御される。
【0074】
<第4実施形態>
次に、第4実施形態のエアバッグの圧力キャリブレーションについて説明する。
図7は、第4実施形態の圧力校正用治具、及び、CMP装置の構成を示す図である。第4実施形態は、第1実施形態と比較して、圧力校正用治具400内の開閉弁が逆止弁に変更される点、圧力校正用治具400内の開閉弁を制御するための制御空気ラインが削除される点、が異なる。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0075】
流れ制御部410は、複数の第1流路440−1〜440−3のそれぞれに設けられエアバッグ310から第2流路450の方向へのみ流体を通流させる複数の逆止弁(チェック弁)414−1〜414−3を含む。
【0076】
第4実施形態では、本流路370−1〜370−3に設けられた開閉弁340のうち、キャリブレーション対象のエアバッグに対応する開閉弁340が開に制御され、キャリブレーション対象ではないエアバッグに対応する開閉弁340が閉に制御される。
【0077】
例えば、エアバッグ310−1がキャリブレーション対象である場合、本流路370−1に設置された開閉弁340が開になり、本流路370−2,370−3に設置された開閉弁は閉になる。本流路370−1を通る流体は、第1流路440−1、逆止弁414−1、及び第2流路450を介して校正用圧力センサ500に供給される。ここで、第1流路440−2,440−3には逆止弁414−2、414−3が設けられているので、第2流路450からエアバッグ310−2,310−3の方向へは流体が流れない。その結果、エアバッグ310−1の圧力のキャリブレーションを正確に行うことができる。
【0078】
以上のように、第4実施形態によれば、CMP装置側を一次、校正用圧力センサ500側を二次側とした場合、一次側から二次側への方向にのみ加圧流体が流れるよう制御ことにより、加圧中以外のエリアへの流体漏出を防ぐことができる。また、第4実施形態によれば、第1〜第3実施形態と比べて、圧力校正用治具400内の弁の開閉制御が不要であるため、圧力校正用治具400の構造を簡略化することができる。
【0079】
なお、圧力校正用治具400内の第1流路(配管)440−1〜440−3にチェック弁を挿入すると治具配管内に入った流体を排出することができないため、エアバッグ加圧中以外でも流体が留まり続けることになってしまう。そこで、加圧していない状態での配管内の流体を排出するために、校正用圧力センサ500の近傍に排気用エアオペレイトバルブを分岐させることができる。具体的には、二次側を大気開放としたノーマルオープンバルブを設置し、エアバッグ加圧時にのみ開く動作をするCMP装置側バルブの操作エア配管と接続する。接続する配管は各エアバッグの配管をすべて合流して接続する。すなわち、ノーマルオープンバルブの動作は何れかのエアバッグ加圧時に閉、それ以外の場合に開となるので、加圧していない場合に配管に残った流体を大気開放することができる。
【0080】
<フローチャート>
次に、第1〜第4実施形態の圧力校正用治具を用いたキャリブレーションの処理の流れを説明する。
図8は、圧力校正用治具を用いたキャリブレーションのフローチャートであ
る。
【0081】
図8に示すように、キャリブレーション方法は、まず、ユニットを選択する(ステップS101)。具体的には、キャリブレーション方法は、CMP装置の第1研磨ユニット3A、第2研磨ユニット3B、第3研磨ユニット3C、及び第4研磨ユニット3Dの中から、キャリブレーション対象となるユニットを選択する。
【0082】
続いて、キャリブレーション方法は、外部コネクタ閉止用ソケットを取り外す(ステップS102)。CMP装置は、通常は、マルチコネクタ360の端子が剥き出しにならないように、マルチコネクタ360に外部コネクタ閉止用ソケットが取り付けられている。キャリブレーションの際には、外部コネクタ閉止用ソケットが取り外される。
【0083】
続いて、キャリブレーション方法は、圧力校正用治具400、及び、校正用圧力センサ500を接続する(ステップS103)。続いて、キャリブレーション方法は、エアバッグを選択する(ステップS104)。
図4〜
図7の例でいえば、エアバッグ310−1〜310−3のうちキャリブレーション対象となるエアバッグを選択する。
【0084】
続いて、キャリブレーション方法は、キャリブレーションを実行する(ステップS105)。キャリブレーションの手順については、上述のとおりである。
【0085】
続いて、キャリブレーション方法は、キャリブレーション対象の研磨ユニット内のすべてのエアバッグのキャリブレーションが終了したか否かを判定する(ステップS106)。
【0086】
キャリブレーション方法は、すべてのエアバッグのキャリブレーションが終了していないと判定した場合には(ステップS106,No)、ステップS104へ戻り、キャリブレーションを未実施のエアバッグを選択する。
【0087】
一方、キャリブレーション方法は、すべてのエアバッグのキャリブレーションが終了したと判定した場合には(ステップS106,Yes)、圧力校正用治具400、及び、校正用圧力センサ500を取り外す(ステップS107)。続いて、キャリブレーション方法は、外部コネクタ閉止用ソケットを取り付ける(ステップS108)。
【0088】
続いて、キャリブレーション方法は、すべての研磨ユニットのキャリブレーションが完了したか否かを判定する(ステップS109)。キャリブレーション方法は、すべての研磨ユニットのキャリブレーションが完了していないと判定した場合には(ステップS109,No)、ステップS101へ戻り、キャリブレーションを未実施の研磨ユニットを選択する。
【0089】
一方、キャリブレーション方法は、すべての研磨ユニットのキャリブレーションが完了したと判定した場合には(ステップS109,Yes)、キャリブレーション処理を終了する。
【0090】
以上、第1〜第4実施形態の圧力校正用治具400によれば、各研磨テーブル内のすべてのエアバッグを校正用圧力センサ500と一括接続でき、かつ、測定対象となるエアバッグ圧力のみを自動的に選択することができる。
【0091】
すなわち、圧力測定及びCMP装置内パラメータの変更作業は、CMP装置内のオートキャリブレーションツールを用いることにより半自動化することが可能である。従来方法における、圧力実測値の取得、実測値から校正後パラメータの計算、パラメータの適用、
といった一連の手動作業をCMP装置内で自動的に実施できるようにすることで、作業時間の短縮が可能になる。しかしながら、キャリブレーションを自動化しても、対象となるエアバッグと校正用圧力センサ500との接続を手動で切り替えなければならないため、作業者は装置の操作と接続変更を交互に繰り返さなければならない。この工程を省略することにより、更なる作業短縮が期待される。
【0092】
この点、研磨ユニットを分解して各アバッグと校正用圧力センサ500を測定ごとに接続する作業を省略するため、エアバッグから配管を研磨ユニットの外まで分岐し、外部で一括に接続できるコネクタを配置することも考えられる。そのコネクタに校正用圧力センサ500を接続することで、研磨テーブル内の全エアバッグと校正用圧力センサ500を接続することが可能となる。ただし、全エアバッグと校正用圧力センサ500を接続しただけでは、加圧時に加圧流体がエアバッグ同士で漏れてしまうため、正しい圧力が測定できない。そのため、コネクタと校正用圧力センサ500の間に第1〜第4実施形態の圧力校正用治具400を設置することによって、測定対象となるエアバッグのみ校正用圧力センサ500と接続できる。
【0093】
第1〜第3実施形態の圧力校正用治具400は、圧力校正用治具400内にバルブマニホールドを設けるものである。バルブはエアバッグ一エリアに付き一台用意し、加圧時には開、それ以外の場合は閉となるよう操作する。バルブの種類はエアオペレイト式とし、CMP装置内の操作エアを利用して動作させる。具体的には、各エアバッグの加圧時に動作する装置側バルブの操作エア配管と圧力校正用治具400側バルブを繋ぐことで動作を同期させる。この方法により、加圧しているエアバッグのバルブのみが自動的に開となり、校正用圧力センサ500と接続状態にすることが可能である。使用する圧力校正用治具400側バルブの操作方式として、ノーマルクローズ(NC)とノーマルオープン(NO)のどちらの方式でも可能である。NCバルブを利用する場合は、操作エア加圧時に開且つそれ以外の場合閉となるので、CMP装置内バルブのうちエアバッグ加圧時のみ動作するバルブと同期させることで操作可能である。一方、NOバルブを利用する場合、操作エア加圧時に閉、かつ、それ以外の場合開と、NCバルブと反対の動作をするので、エアバッグ加圧時に閉じるバルブと同期させることで目的の操作可能である。
【0094】
第4実施形態は、圧力校正用治具400内の各エアバッグ配管にチェック弁を設ける方法である。CMP装置側を一次、校正用圧力センサ500側を二次側とすることで、CMP装置から校正用圧力センサ500の方向にのみ加圧流体が流れるよう制御する。これにより、加圧中以外のエリアへの流体漏出を防ぐことができる。
【0095】
以上の何れかの実施形態により、配管の繋ぎ換え、及びCMP装置以外の独立した操作を必要とせずに、指定エアバッグの加圧時圧力を計測することが可能となる。また、従来のキャリブレーション方法では、研磨テーブル1台毎に必要とされる作業時間は2人作業で3時間程度であった。それに対して、本実施形態の手段を用いることにより、研磨テーブル1台毎に1人作業で45分程度まで短縮することが可能である。従って、研磨装置の立ち上げ、或いはメンテナンスにおける作業効率の大幅な改善が期待される。
【0096】
また、従来の方法ではエアバッグのメンブレン近傍のエアバッグ配管を取り外して校正用圧力センサ500と接続していたため、キャリブレーション後に再び接続する際の誤配管などの危険性が考えられるが、本実施形態では、圧力校正用治具400による一括接続のため、配管接続時の作業ミスを防止する効果が期待される。また、圧力キャリブレーションの際、従来の方法では校正用圧力センサ500の値の計測を作業者自身が行うため、作業者によっては計測結果にばらつきが生じる。本実施形態では、圧力計測及びパラメータ計算を自動で行うので、結果にばらつきが生じることを防ぐことができ、キャリブレーションの安定性の向上が見込まれる。