特許第6235930号(P6235930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235930
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】竜田揚げ用ミックス
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/157 20160101AFI20171113BHJP
   A23L 29/212 20160101ALI20171113BHJP
   A23L 29/206 20160101ALI20171113BHJP
   A23L 5/10 20160101ALI20171113BHJP
【FI】
   A23L7/157
   A23L29/212
   A23L29/206
   A23L5/10 E
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-29833(P2014-29833)
(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公開番号】特開2015-149979(P2015-149979A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年7月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】398012306
【氏名又は名称】日清フーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(74)【代理人】
【識別番号】100112818
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 昭久
(72)【発明者】
【氏名】中馬 麻子
(72)【発明者】
【氏名】榊原 通宏
【審査官】 西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−103839(JP,A)
【文献】 特開昭63−063356(JP,A)
【文献】 特開2006−115713(JP,A)
【文献】 特開2013−201931(JP,A)
【文献】 ホワイトソルガムと片栗粉のからあげ,食物アレルギーレシピ![online],2006年12月 9日,[rerieved on 5.1.2017],URL,http://hiyokoarerugi.ti-da.net/e1194117.html
【文献】 にんにく醤油 ,蔵工房・二反田醤油店[online],2010年 6月12日,[rerieved on 5.2.2017],URL,http://www.nitanda.com/shop556/slim.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/117− 9/20
A23L 23/00 −25/10
A23L 29/20 −29/225
A23L 35/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
馬鈴薯澱粉及びソルガム粉を含有し、ソルガム粉の含有量が1〜30質量%である竜田揚げ用ミックス。
【請求項2】
澱粉の含有量が40質量%以上である請求項1に記載の竜田揚げ用ミックス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のミックスを具材に付着させる工程と、該ミックスを付着させた具材を油ちょうする工程とを有する、竜田揚げの製造方法。
【請求項4】
前記ミックスを具材に付着させる前に、増粘多糖類を含有する下味付け用組成物を具材に付着させる請求項に記載の竜田揚げの製造方法。
【請求項5】
前記下味付け用組成物は増粘多糖類を0.2〜3質量%含有する請求項に記載の竜田揚げの製造方法。
【請求項6】
前記下味付け用組成物は粉体である請求項又はに記載の竜田揚げの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竜田揚げの製造に必要な粉状の各種材料を配合してなる粉状物である、竜田揚げ用ミックスに関する。詳細には、衣の外観及び食感が良好で経時変化耐性に優れる竜田揚げを簡便に製造し得る竜田揚げ用ミックスに関する。
【背景技術】
【0002】
竜田揚げは、から揚げの一種であり、具材に醤油、みりん、生姜等を用いて下味を付け、片栗粉をまぶし粉として付着させた後、油ちょうする調理法又はその調理された料理である。竜田揚げは、具材に醤油等の調味料で構成される下味を付ける点、及び具材に付着させるまぶし粉として片栗粉(馬鈴薯澱粉)のみを用いる点で、そのような限定の無いから揚げと異なる。そして、このような相違点に起因して、竜田揚げは、小麦粉をまぶし粉として用いた一般的なから揚げとは異なり、茶〜こげ茶色の衣の上にブツブツと白い粉を吹いたような外観を有し、カリカリ・サクサクとした独特な食感が特徴である。竜田揚げは、一般的なから揚げに比して、内在水分量が高くて外側の衣が薄いため、油ちょう後に内在水分が衣に徐々に移行することで、衣が時間経過と共に柔らかくなって独特の食感が失われやすいという問題を有している。
【0003】
このような竜田揚げに特有の問題を解決する技術に関し、特許文献1には、竜田揚げ用まぶし粉に膨潤抑制馬鈴薯澱粉を配合することが記載されている。この膨潤抑制馬鈴薯澱粉は、澱粉を水の存在下で加熱した際に起こる膨潤が抑制された馬鈴薯澱粉であり、架橋剤を用いて馬鈴薯澱粉に架橋処理を施すことにより得られる。特許文献2には、馬鈴薯澱粉に代えて、特定の性質を有するエステル化タピオカ澱粉配合する竜田揚げ用まぶし粉を用いることが記載されている。特許文献3には、竜田揚げ風のから揚げ用衣液として、澱粉と、食用油脂と、乳化剤及び/又は起泡剤と、水とを含み、食用油脂の含有割合が15質量%未満であり、20℃における粘度が0.2〜12.0Pa・sであるものが記載されている。特許文献4には、竜田揚げのような外観と食感を有するから揚げを得るための水溶きタイプのから揚げミックスとして、未化工の地下系でん粉を含まず、エーテル化架橋馬鈴薯でん粉と、リン酸架橋でん粉とを含有するものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−166514号公報
【特許文献2】特開2012−235752号公報
【特許文献3】特開2005−160312号公報
【特許文献4】特開2009−72128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、具材に対する付着性が良好で、厚みのある好ましい外観と、サクサクした歯もろさのある良好な食感とを有する衣を備え、且つ揚げてから時間が経過しても品質の低下が少ない竜田揚げを製造し得る竜田揚げ用ミックスに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記課題を解決すべく、竜田揚げの製造に必須な馬鈴薯澱粉に配合することで高い効果を示す素材の探索を行った結果、食用粉として公知のソルガム粉を見出し、さらに検討を重ねた結果、馬鈴薯澱粉を含む竜田揚げ用ミックスにソルガム粉を1〜30質量%含有させることで、前記課題を解決し得ることを知見した。ソルガム粉は従来、小麦アレルギーの人でも食することのできるグルテンフリーの穀粉として各種食品に使用されており、揚げ物の打ち粉や、バッターと称される衣液等にも使用される場合があるが、竜田揚げ用ミックスにソルガム粉、特にホワイトソルガム粉を配合することが、竜田揚げに特有の問題を解決する上で有効であることは知られていない。
【0007】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、澱粉及びソルガム粉を含有し、ソルガム粉の含有量が1〜30質量%である竜田揚げ用ミックスである。
【0008】
また本発明は、前記知見に基づきなされたもので、前記ミックスを具材に付着させる工程と、該ミックスを付着させた具材を油ちょうする工程とを有する、竜田揚げの製造方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の竜田揚げ用ミックスによれば、具材にまぶして付着させ、これを油ちょうするだけの簡便な操作で竜田揚げを製造することができる。本発明の竜田揚げ用ミックスを用いて製造された竜田揚げは、具材に対する付着性が良好で、厚みのある好ましい外観と、サクサクした歯もろさのある良好な食感とを有する衣を備え、且つ揚げてから時間が経過しても品質の低下が少ないという特長を有する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の竜田揚げ用ミックスは澱粉を含有する。澱粉としては、竜田揚げ特有の外観を得るためには馬鈴薯澱粉の単独使用が最も好ましいが、馬鈴薯澱粉と他の澱粉との混合澱粉でも良い。他の澱粉としては、例えば、タピオカ澱粉、サツマイモ澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉;これらの澱粉にアセチル化、エーテル化、架橋、酸化、α化等の化学・加工処理を施した加工澱粉が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。馬鈴薯澱粉と他の澱粉との混合澱粉における馬鈴薯澱粉の含有量は、好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
【0011】
澱粉の含有量は、本発明の竜田揚げ用ミックス中、好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜93質量%である。澱粉の含有量が40質量%未満であると、竜田揚げ特有の粉を吹いたような衣の外観が得られ難く、さらには食感が低下するおそれがあり、澱粉の含有量が95質量%を超えると、油ちょう後の時間経過による竜田揚げの品質の低下が大きくなる傾向がある。
【0012】
本発明の竜田揚げ用ミックスは、澱粉に加えてさらにソルガム粉を含有する。ソルガム粉は、イネ科植物のタカキビの種子の粉砕物である。ソルガム粉の原料であるタカキビは、コーリャン、モロコシ等とも呼ばれる。一般にソルガム(タカキビ)は、タンニン含量によって、ソルガム、タンニンソルガム、ホワイトソルガム、ミックスソルガムの4種類に分類されるところ、本発明で用いるソルガム粉としては、これらのうちでタンニン含量が最も少ないホワイトソルガム(白タカキビ)を原料とすると、色調が良好で、苦味が少なくなるため、良好である。
【0013】
ソルガム粉の含有量は、本発明の竜田揚げ用ミックス中、1〜30質量%であり、好ましくは5〜20質量%である。ソルガム粉の含有量が1質量%未満であると、油ちょう後の時間経過による竜田揚げの品質の低下が大きくなり、ソルガム粉の含有量が30質量%を超えると、竜田揚げ特有の粉を吹いたような衣の外観が得られ難く、さらには食感が低下するおそれがある。
【0014】
本発明の竜田揚げ用ミックスは、澱粉及びソルガム粉以外の他の成分を含有していても良い。この他の成分としては、例えば、小麦粉等の穀粉、卵粉、増粘剤、ビタミン等の栄養成分、着色料、粉末油脂、膨張剤、乳化剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。澱粉及びソルガム粉以外の他の成分の含有量は、本発明の竜田揚げ用ミックス中、好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。本発明の竜田揚げ用ミックスは、前記各成分(粉体原料)を混合することにより製造することができる。粉体原料の混合方法は、通常の食粉原料粉末の混合方法を用いれば良い。
【0015】
次に、本発明の竜田揚げの製造方法について説明する。本発明の竜田揚げの製造方法は、本発明の竜田揚げ用ミックスを具材に付着させるミックス付着工程と、該ミックスを付着させた具材を油ちょうする工程とを有する。竜田揚げの具材としては、鶏、豚、牛、羊、ヤギ等の畜肉類;魚介類;野菜類等の種々のものを使用することができる。本発明は特に、具材として肉類や魚介類を使用する場合に好適である。
【0016】
前記ミックス付着工程において、竜田揚げ用ミックスは、通常、その粉体のままの状態で具材に付着させて使用されるが、水に溶いて液体又は半液体のバッターとし、このバッターを具材に付着させることもできる。但し、本発明の竜田揚げ用ミックスをバッターとして用いた場合は、竜田揚げの経時変化耐性の向上効果は期待できるものの、竜田揚げ特有の外観及び食感の向上効果に関しては、該ミックスをその粉体のままの状態で用いた場合に比して低下する傾向がある。従って、前記ミックス付着工程においては、本発明の竜田揚げ用ミックスを水に溶かずにそのまま具材に付着させることが好ましいと言える。
【0017】
前記ミックス付着工程において、竜田揚げ用ミックスを簡便に具材に付着させる方法としては、該ミックスを具材にまぶす方法が挙げられる。ここで「まぶす」とは、具材の表面にミックス(粉体)をそのまま付着させる操作であり、例えば、1)具材の上方からミックスを振り掛ける操作、2)ミックス及び具材を袋の中に投入し、該袋の開口部を閉じた状態で振盪する操作、3)皿等に比較的広い範囲でミックスを散布し、散布されたミックス上で具材を転がす操作、等が挙げられるがこれらの操作に限定されない。
【0018】
本発明の竜田揚げ用ミックスを付着させた具材の油ちょうは、常法に従って行うことができ、加熱温度(油温)、加熱時間等は具材の種類や大きさ等に応じて適宜設定すれば良い。油ちょうは例えば、油温160〜180℃で加熱時間2〜8分程度で実施することができる。
【0019】
本発明の竜田揚げの製造方法においては、竜田揚げ用ミックスを具材に付着させる前に、具材に下味を付けても良い。具材の下味付け方法は特に制限されず、従来公知の方法を利用することができる。具材の下味付けは例えば、食塩、醤油、発酵調味料、ショウガ、ニンニク、糖類、味噌、アミノ酸、増粘多糖類等を水等の液体に溶かして調味液(液体の下味付け用組成物)を得、該調味液中に具材を漬け込む等して、具材に該調味液を付着させた後、具材の余分な水分を除去することにより実施できる。
【0020】
具材の下味付けに用いる下味付け用組成物は、調味液の如き液体でも良いが、粉体であると、これを用いて得られる竜田揚げの時間経過による品質の低下をより一層効果的に防止することが可能となる。以下、粉体の下味付け用組成物を「下味ミックス」とも言う。
【0021】
下味ミックスは調味料を含有する。下味ミックスに含有可能な調味料としては、例えば、食塩、粉末醤油、発酵調味料粉末、ショウガ粉末、ニンニク粉末、香辛料粉末、糖類、粉末味噌、アミノ酸等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。調味料の含有量(調味料を複数種用いる場合はそれらの合計含有量)は、下味ミックス中、好ましくは50〜99.8質量%である。
【0022】
下味ミックスは増粘多糖類を含有していることが好ましい。即ち、本発明の竜田揚げの製造方法においては、本発明の竜田揚げ用ミックスを具材に付着させる前に、増粘多糖類を含有する粉体の下味付け用組成物を具材に付着させることが好ましい。そうすることにより、増粘多糖類の作用効果によって、具材のジューシーさが増して食感が一層良好になると共に、油ちょう後の時間経過による竜田揚げの品質の低下が一層低減され、さらには、竜田揚げらしい粉吹きがより顕著となって衣の外観が向上する。増粘多糖類としては、キサンタンガム、タマリンドガム、グアガム、アルギン酸、ペクチン、カラギナン等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。増粘多糖類の含有量は、下味ミックス中、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。増粘多糖類の含有量が少なすぎると所望の効果が得られ難く、該含有量が多すぎると、竜田揚げの衣の食感が劣化するおそれがある。
【0023】
下味ミックスは重曹を含有していても良い。重曹入りの下味ミックスを具材に付着させると、具材が軟らかくなり、食感が一層良好になり得る。重曹の含有量は、下味ミックス中、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.5〜2質量%である。重曹の含有量が少なすぎると所望の効果が得られ難く、該含有量が多すぎると、苦味を呈するおそれがある。
【0024】
下味ミックスは、調味料及び増粘多糖類以外の他の成分を含有していても良い。この他の成分としては、例えば、小麦粉、米粉等の穀粉、澱粉、卵粉、香料、ビタミン等の栄養成分、着色料、粉末油脂等が挙げられ、下味ミックスの取り扱い性等を考慮して、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。調味料及び増粘多糖類以外の他の成分の含有量は、下味ミックス中、好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である。下味ミックスは、前記各成分(粉体原料)を混合することにより製造することができる。粉体原料の混合方法は、通常の食粉原料粉末の混合方法を用いれば良い。
【実施例】
【0025】
以下、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
【0026】
〔実施例1〜7及び比較例1〜3〕
馬鈴薯澱粉(東海澱粉株式会社製、商品名「美幌」)、ホワイトソルガム粉(山形県食糧株式会社製、商品名「ホワイトソルガムフラワー」)を下記表1の通り配合して、竜田揚げ用ミックスを製造した。
【0027】
〔試験例1〕
生の鶏もも肉を複数個の肉片(肉片1個の重量25g)に切り分け、醤油と酒とを質量比1:1で混合した調味液に5分間浸漬した後、取り出して表面をペーパータオルで拭いた。こうして下味付けを施した肉片の表面に、試験対象の竜田揚げ用ミックスを、該ミックスの付着量が肉100gあたり20gとなるよう、ふりかけて付着させた。ミックスが付着した鶏もも肉を、170℃に熱したサラダ油で3分間油ちょうして、竜田揚げを製造した。油ちょう直後の竜田揚げにおける衣の外観を10名のパネラーに下記評価基準(5点満点)により評価してもらった。また、油ちょう直後の竜田揚げ、及び油ちょう後に室温(約25℃)で1時間放置した竜田揚げそれぞれについて、衣の外観及び食感をそれぞれ10名のパネラーに下記評価基準(5点満点)により評価してもらった。それらの評価結果(10名のパネラーの平均点)を下記表1に示す。
【0028】
(衣の外観の評価基準)
5点:竜田揚げらしい不均一な衣と粉吹きが全体にあり、極めて良好。
4点:竜田揚げらしい不均一な衣と粉吹きがあり、良好。
3点:粉吹きが部分的であり、から揚げにやや近い外観。
2点:粉吹きがほとんど無く、色の濃いから揚げに近い外観を有し、やや不良。
1点:竜田揚げらしい外観が全く無く、不良。
(衣の食感の評価基準)
5点:サクサクとして歯もろさに富み、極めて良好。
4点:サクサクとしており、良好。
3点:ややサクサク感に欠ける。
2点:やや硬いかややベタついており、サクサク感に乏しく、やや不良。
1点:硬すぎるかベタつきが大きく、サクサク感が無く、不良。
【0029】
【表1】
【0030】
表1に示す通り、各実施例のミックスは各比較例に比して、竜田揚げにおける衣の外観及び食感が良好であった。実施例3〜5のミックスは特に良好であり、このことから、ミックス中におけるホワイトソルガム粉の含有量を7〜15質量%とすることの有効性が明らかである。
【0031】
〔実施例8〜13及び比較例4〕
馬鈴薯澱粉(東海澱粉株式会社製、商品名「美幌」)、ホワイトソルガム粉(山形県食糧株式会社製、商品名「ホワイトソルガムフラワー」)、小麦粉(日清製粉株式会社製、商品名「フラワー」)、タピオカ澱粉(松谷化学工業株式会社製、商品名「松谷乾燥タピオカでん粉」)を下記表2の通り配合して、竜田揚げ用ミックスを製造した。製造した竜田揚げ用ミックスを用い、前記〔試験例1〕に従って、竜田揚げの製造並びにその衣の外観及び食感の評価を行った。その評価結果(10名のパネラーの平均点)を下記表2に示す
【0032】
【表2】
【0033】
表2に示す通り、馬鈴薯澱粉の含有量が40質量%以上である実施例4、10、11及び13のミックスは、他の例に比して竜田揚げにおける衣の外観及び食感に優れていた。このことから、竜田揚げにおける衣の外観及び食感の向上には、澱粉及びホワイトソルガム粉を含有するミックスにおいて、澱粉として馬鈴薯澱粉を用い且つ馬鈴薯澱粉の含有量を40質量%以上に設定することが有効であることがわかる。
【0034】
〔実施製造例1〜10〕
生の鶏もも肉を複数個の肉片(肉片1個の重量25g)に切り分け、下記表3に示す組成の下味ミックスを、該ミックスの付着量が肉100gあたり10gとなるよう、ふりかけて付着させた後、さらに実施例4のミックスを、該ミックスの付着量が肉100gあたり20gとなるよう、ふりかけて付着させた。下味ミックス及び竜田揚げ用ミックスが付着した鶏もも肉を、170℃に熱したサラダ油で3分間油ちょうして、竜田揚げを製造した。製造した竜田揚げについて、下記評価基準(5点満点)に従って衣の外観及び食感、具材の食感の評価を行った。その評価結果(10名のパネラーの平均点)を下記表3に示す。
【0035】
(衣の外観の評価基準)
5点:竜田揚げらしい不均一な衣と粉吹きが全体にあり、極めて良好。
4点:竜田揚げらしい不均一な衣と粉吹きがあり、良好。
3点:粉吹きが部分的であり、から揚げにやや近い外観。
2点:粉吹きがほとんど無く、色の濃いから揚げに近い外観を有し、やや不良。
1点:竜田揚げらしい外観が全く無く、不良。
(衣の食感の評価基準)
5点:サクサクとして歯もろさに富み、極めて良好。
4点:サクサクとしており、良好。
3点:ややサクサク感に欠ける。
2点:やや硬いかややベタついており、サクサク感に乏しく、やや不良。
1点:硬すぎるかベタつきが大きく、サクサク感が無く、不良。
(具材の食感の評価基準)
5点:非常にソフトでジューシーであり、味が肉に良く染み込んでおり、極めて良好。
4点:ソフトでジューシーであり、味が肉に染み込んでおり、良好。
3点:ソフトであるがややジューシーさに欠け、肉への味の染み込みがやや劣る。
2点:やや硬いかやや軟らかすぎ、ジューシーさに欠け、肉への味の染み込みが悪く、やや不良。
1点:硬いか軟らかすぎ、ジューシーさがほとんど無く、肉への味の染み込みが非常に悪く、不良。
【0036】
【表3】
【0037】
表3に示す各実施製造例は、下味ミックスを使用していない実施例4と同様にして得られた竜田揚げに比して概ね、竜田揚げにおける衣の外観及び特に食感に優れていた。このことから、竜田揚げにおける衣の外観及び特に食感の向上には、竜田揚げ用ミックスに先立って下味ミックス(粉体の下味付け用組成物)を具材に付着させることが有効であることがわかる。
実施製造例1〜5からは、下味ミックスの含有成分としての増粘多糖類の影響がうかがえるところ、実施製造例3及び4が特に良好な結果であったことから、増粘多糖類の含有量は2〜3質量%程度が特に有効であることがわかる。
実施製造例1及び6〜9からは、下味ミックスの含有成分としての重曹の影響がうかがえるところ、実施製造例7及び8が特に良好な結果であったことから、重曹の含有量は2〜3質量%程度が特に有効であることがわかる。
実施製造例10は、下味ミックスに増粘多糖類及び重曹の両方を含有させた例であり、全実施製造例中で最も高い評価となった。