特許第6235981号(P6235981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6235981
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】被処理体を処理する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20171113BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20171113BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20171113BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20171113BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L29/78 301X
   H01L29/78 301P
   H01L21/28 L
   H01L21/90 C
【請求項の数】15
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-219285(P2014-219285)
(22)【出願日】2014年10月28日
(65)【公開番号】特開2016-27594(P2016-27594A)
(43)【公開日】2016年2月18日
【審査請求日】2017年7月6日
(31)【優先権主張番号】特願2014-135629(P2014-135629)
(32)【優先日】2014年7月1日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 光
(72)【発明者】
【氏名】本田 昌伸
(72)【発明者】
【氏名】辻 晃弘
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−307001(JP,A)
【文献】 特開平03−044469(JP,A)
【文献】 特表2013−529391(JP,A)
【文献】 特表2013−522882(JP,A)
【文献】 特開2007−189237(JP,A)
【文献】 特開平04−061333(JP,A)
【文献】 特開2015−154047(JP,A)
【文献】 特開2015−173240(JP,A)
【文献】 特開2015−216208(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0235860(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/28
H01L 21/336
H01L 21/768
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地層、該下地層上に互いに離間して設けられた二つの隆起領域、前記二つの隆起領域を覆う第1部分及び前記下地層を覆う第2部分を含む窒化シリコン製の窒化領域、及び、前記窒化領域を覆う酸化シリコン製の酸化領域を有する被処理体を処理して、前記二つの隆起領域の間を通って前記下地層まで達する開口を形成する方法であって、
前記二つの隆起領域の間で前記第2部分を露出させる開口を前記酸化領域に形成する工程と、
前記開口内の酸化シリコン製の残渣及び前記第2部分をエッチングする工程であり、水素を含有するガス及びNFガスを含む混合ガスのプラズマに前記被処理体を晒して前記残渣及び前記第2部分を変質させることにより変質領域を形成し、該変質領域を除去する、該工程と、
を含む方法。
【請求項2】
前記混合ガスは、Hガス及びNFガスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記残渣及び前記第2部分をエッチングする前記工程は、
NHガス及び前記NFガスを含む前記混合ガスのプラズマに前記被処理体を晒して前記変質領域を形成し、該変質領域を除去する工程と、
ガス及び前記NFガス含む前記混合ガスのプラズマに前記被処理体を晒して前記変質領域を形成し、該変質領域を除去する工程と、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記変質領域は、前記被処理体を加熱することによって、除去される、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記変質領域は、容量結合型のプラズマ処理装置のシリコン製の上部電極に正イオンを引きつけることによって該上部電極から放出される二次電子に前記被処理体を晒すことによって、除去される、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記開口を前記酸化領域に形成する前記工程は、
前記窒化領域上及び前記酸化領域上に保護膜を形成する工程であり、前記被処理体をフルオロカーボンガスのプラズマに晒して、前記酸化領域上に形成される保護膜よりも厚い保護膜を前記窒化領域上に形成する、該工程と、
前記酸化領域をエッチングする工程であり、フルオロカーボンガスのプラズマに前記被処理体を晒す、該工程と、
を含み、
前記保護膜を形成する前記工程において前記被処理体を載置する載置台に供給される高周波バイアス電力が、前記酸化領域をエッチングする前記工程において前記載置台に供給される高周波バイアス電力よりも小さく、
前記保護膜を形成する前記工程において、前記被処理体の温度が60℃以上250℃以下の温度に設定される、
請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記保護膜を形成する前記工程では、前記載置台に高周波バイアス電力が供給されない、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記保護膜を形成する前記工程においては、前記フルオロカーボンガスとして、C、C、及びCのうち少なくとも一種を含むガスが用いられる、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記保護膜を形成する前記工程及び前記酸化領域をエッチングする前記工程が交互に繰り返される、請求項6〜8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記開口を前記酸化領域に形成する前記工程は、
前記被処理体をフルオロカーボンガスを含む処理ガスのプラズマに晒す工程であり、前記酸化領域をエッチングし、且つ、該酸化領域上にフルオロカーボンを含む堆積物を形成する、該工程と、
前記堆積物に含まれるフルオロカーボンのラジカルにより前記酸化領域をエッチングする工程と、
を含み、
前記被処理体をフルオロカーボンガスのプラズマに晒す前記工程と、前記フルオロカーボンのラジカルにより前記酸化領域をエッチングする前記工程とが、交互に繰り返される、
請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記フルオロカーボンのラジカルにより前記酸化領域をエッチングする前記工程では、希ガスのプラズマに前記被処理体が晒される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記フルオロカーボンのラジカルにより前記酸化領域をエッチングする前記工程では、フルオロカーボンガスが供給されない、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記開口を前記酸化領域に形成する前記工程と前記残渣及び前記第2部分をエッチングする前記工程との間に、前記第1部分及び前記第2部分上に別の保護膜を形成する工程を更に含む、請求項1〜12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記別の保護膜を形成する工程では、フルオロカーボンガスのプラズマ処理が実行されることにより、フルオロカーボンを含む前記別の保護膜が形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記開口が形成された被処理体上の有機物を除去するためのアッシング処理を実行する工程を更に含み、
前記別の保護膜を形成する工程は、アッシング処理を実行する前記工程と前記残渣及び前記第2部分をエッチングする前記工程との間に、実行される、
請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被処理体を処理する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィン型の電界効果トランジスタといった素子を有する電子デバイスの製造においては、コンタクト形成のために、SAC(Self−Aligned Contact)加工が用いられている。
【0003】
SAC加工の対象となる被処理体は、下地層、二つの隆起領域、窒化領域、及び酸化領域を有している。下地層は、例えば多結晶シリコン層である。二つの隆起領域は、例えば、ゲートであり、多結晶シリコンから構成されている。これら隆起領域は互いに離間して下地層上に設けられている。窒化領域は、窒化シリコン製であり、二つの隆起領域及び下地層を覆うように設けられている。酸化領域は、酸化シリコン製であり、窒化領域を覆うように設けられている。
【0004】
SAC加工では、酸化領域の表面から二つの隆起領域の間の領域を通って下地層まで達するホールが酸化領域に形成される。一般的に、SAC加工では、このような開口を形成するために、フルオロカーボンガスのプラズマを用いて、酸化領域がエッチングされ、下地層に接する窒化領域がエッチングされる。なお、このようなSAC加工については、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−307001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フルオロカーボンガスのプラズマによる酸化領域のエッチングでは、ホールの底、特に、窒化領域の隅部に、酸化シリコンからなる残渣が発生する。したがって、形成されるホールの底の幅は狭くなる。このような形状のホールを更に深く加工するために、窒化領域をエッチングしようとしても、当該窒化領域のエッチングを十分に行うことができない。また、フルオロカーボンガスのプラズマ中の活性種、例えば、フッ素の活性種によって隆起領域を覆う窒化領域、特に、窒化領域の角部が削られてしまう。
【0007】
したがって、SACでは、隆起領域を覆う窒化領域の削れを低減しつつ、ホールといった開口内の残渣及び下地層直上の窒化領域をエッチングすることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一側面においては、被処理体を処理する方法が提供される。被処理体は、下地層、該下地層上に互いに離間して設けられた二つの隆起領域、二つの隆起領域を覆う第1部分及び下地層を覆う第2部分を含む窒化シリコン製の窒化領域、及び、窒化領域を覆う酸化シリコン製の酸化領域を有する。本方法は、被処理体を処理して、酸化領域から二つの隆起領域の間を通って下地層まで達する開口を形成するものである。この方法は、(1)二つの隆起領域の間で第2部分を露出させる開口を酸化領域に形成する工程(以下、「第1工程」という)と、(2)開口内の酸化シリコン製の残渣及び第2部分をエッチングする工程(以下、「第2工程」という)であり、水素を含有するガス及びNFガスを含む混合ガスのプラズマに被処理体を晒して残渣及び第2部分を変質させることにより変質領域を形成し、該変質領域を除去する、該工程と、を含む。
【0009】
この方法では、残渣を化学的にケイフッ化アンモニウムに変質させて変質領域を形成し、当該変質領域を除去する。したがって、ホールの底の残渣を除去することが可能である。また、窒化シリコン製の第2部分をも、ケイフッ化アンモニウムに変質させて除去することができる。さらに、従来のフルオロカーボンガスのプラズマでは残渣を除去できないために第2部分を除去するまでに、隆起領域を覆う窒化領域、即ち第1部分、特に当該第1部分の肩部が大きく削られてしまうが、本方法によれば、残渣が除去されるので、第2部分の除去中の第1部分の削れを低減させることが可能である。
【0010】
一実施形態では、第2工程に用いられる混合ガスは、Hガス及びNFガスを含んでいてもよい。この混合ガスによれば、残渣及び第2部分を一括して除去することが可能である。
【0011】
一実施形態では、第2工程は、(2a)NHガス及びNFガスを含む混合ガスのプラズマに被処理体を晒して変質領域を形成し、該変質領域を除去する工程と、(2b)Hガス及びNFガス含む混合ガスのプラズマに被処理体を晒して変質領域を形成し、該変質領域を除去する工程と、を含む。
【0012】
酸化シリコンをケイフッ化アンモニウムに変質させるためには、混合ガスからフッ化アンモニウムを生成する必要がある。混合ガスがNHガス及びNFガスを含む場合には、低解離のプラズマを発生させることによってフッ化アンモニウムを生成することができる。したがって、窒化シリコンの削れの原因となるフッ素及びHFの活性種の発生量を低減させることができ、窒化シリコンに対して酸化シリコンを比較的高い選択性でエッチングすることができる。一方、混合ガスがHガス及びNFガスを含む混合ガスを用いる場合には、高解離のプラズマを発生させることによってフッ化アンモニウムを生成することができる。Hガス及びNFガスを含む混合ガスを用いる場合には、高解離のプラズマ中で比較的多量のフッ素及びHFの活性種が生成される。したがって、窒化シリコンのエッチング対する酸化シリコンのエッチング選択性は低くなるが、窒化シリコンのエッチングレートを高めることができる。
【0013】
上記実施形態では、残渣及び第2部分の除去の初期段階、特に残渣の除去時に、NHガス及びNFガスを含む混合ガスを用いることにより、残渣の除去が行われている期間中の第1部分の削れを抑制することができる。次いで、ガス及びNFガスを含む混合ガスを用いることにより、第2部分のエッチングレートを高めることができる。したがって、第1部分の削れを更に低減しつつ、残渣及び第2部分を除去することが可能となる。
【0014】
一実施形態では、被処理体を加熱することによって変質領域が除去されてもよい。或いは、一実施形態では、容量結合型のプラズマ処理装置のシリコン製の上部電極に正イオンを引きつけることによって該上部電極から放出される二次電子に被処理体を晒すことによって、変質領域が除去されてもよい。
【0015】
一実施形態では、第1工程は、(1a)窒化領域上及び酸化領域上に保護膜を形成する工程(以下、「第3工程」という)であり、被処理体をフルオロカーボンガスのプラズマに晒して、酸化領域上に形成される保護膜よりも厚い保護膜を窒化領域上に形成する、該工程と、(1b)酸化領域をエッチングする工程(以下、第4工程」という)であり、フルオロカーボンガスのプラズマに被処理体を晒す、該工程と、を含む。この実施形態では、第3工程において被処理体を載置する載置台に供給される高周波バイアス電力が、第4工程において載置台に供給される高周波バイアス電力よりも小さく、第3工程において被処理体の温度が60℃以上250℃以下の温度に設定される。一実施形態では、第3工程及び第4工程は、交互に繰り返されてもよい。また、一実施形態では、第3工程において高周波バイアス電力が載置台に供給されなくてもよい。また、一実施形態では、第3工程において、フルオロカーボンガスとして、C、C、及びCのうち少なくとも一種を含むガスが用いられてもよい。
【0016】
60℃以上250℃以下の温度環境下では、窒化領域上に形成されるフルオロカーボンの保護膜の厚さは、酸化領域上に形成される当該保護膜の厚さよりも大きくなる。また、比較的低いバイアス電力が供給された状態では、窒化領域のエッチングレートは低くなる。したがって、上記実施形態によれば、第3工程において厚い保護膜を窒化領域上に形成することができ、第4工程において選択的に酸化領域をエッチングする際に窒化領域の削れを抑制することが可能となる。
【0017】
一実施形態では、第1工程は、(1c)被処理体をフルオロカーボンガスを含む処理ガスのプラズマに晒す工程(以下、「第5工程」という)であり、酸化領域をエッチングし、且つ、該酸化領域上にフルオロカーボンを含む堆積物を形成する、該工程と、(1d)堆積物に含まれるフルオロカーボンのラジカルにより酸化領域をエッチングする工程(以下、「第6工程」という)と、を含む。この実施形態では、第5工程と第6工程が、交互に繰り返される。
【0018】
この実施形態では、第5工程において生成されるフルオロカーボンガスのプラズマによって酸化領域がエッチングされ、当該酸化領域上に堆積物が形成される。次いで、第6工程において、堆積物に含まれるフルオロカーボンのラジカルを用いて酸化領域が更にエッチングされる。また、第6工程では、堆積物の量が減少する、したがって、再び第5工程を行うことにより、酸化領域のエッチングが更に進行する。かかる第5工程及び第6工程が交互に繰り返されることにより、酸化領域、即ちシリコン酸化膜のエッチングの停止を防止することが可能となる。その結果、酸化領域のエッチングを継続して行うことが可能となる。
【0019】
一実施形態では、第6工程では、希ガスのプラズマに被処理体が晒されてもよい。この実施形態では、希ガス原子のイオンが堆積物に衝突することにより、当該堆積物中のフルオロカーボンラジカルが酸化領域をエッチングする。なお、一実施形態の第6工程では、フルオロカーボンガスが実質的に供給されなくてもよい。
【0020】
一実施形態の方法は、第1部分及び第2部分上に別の保護膜を形成する工程を更に含み、該別の保護膜を形成する工程は第1工程と第2工程との間に実行される。別の保護膜を形成する工程では、フルオロカーボンガスのプラズマ処理が実行されてもよい。即ち、別の保護膜は、フルオロカーボンを含む保護膜であってもよい。保護膜の形成に寄与する分子の量は、隆起領域の頂部近傍では多く、酸化領域に形成された開口の深部では少なくなる。したがって、保護膜の膜厚は、隆起領域の頂部近傍で大きくなり、開口の深部近傍では小さくなる。したがって、第1部分の削れを更に抑制しつつ、残渣及び第2部分をエッチングすることが可能となる。
【0021】
一実施形態の方法は、前記開口が形成された被処理体上の有機物を除去するためのアッシング処理を実行する工程を更に含み得る。別の保護膜を形成する工程は、アッシング処理を実行する工程と第2工程との間に実行され得る。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、SAC加工において隆起領域を覆う窒化領域の削れを低減しつつ、ホールといった開口内の残渣及び下地層直上の窒化領域をエッチングすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一実施形態に係る被処理体を処理する方法を示す流れ図である。
図2】被処理体の一例を示す断面図である。
図3】一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。
図4図1に示す工程S1の一実施形態を示す流れ図である。
図5図4に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図6図4に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図7図4に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図8図1に示す工程S1の別の実施形態を示す流れ図である。
図9図8に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図10図1に示す工程S3の一実施形態を示す流れ図である。
図11図10に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図12図1に示す工程S3の別の実施形態を示す流れ図である。
図13図12に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図14図12に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図15】別の実施形態に係る被処理体を処理する方法を示す流れ図である。
図16図15に示す方法の幾つかの工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
図17】更に別の実施形態に係る被処理体を処理する方法を示す流れ図である。
図18】更に別の実施形態に係る被処理体を処理する方法を示す流れ図である。
図19】実験例1、比較実験例1、及び比較実験例2で計測した各種寸法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0025】
図1は、一実施形態に係る被処理体を処理する方法を示す流れ図である。図1に示す方法MTは、被処理体(以下、「ウエハW」という)に開口を形成する方法である。この方法MTは、一例においては、図2に示す被処理体にホールといった開口を形成するために利用することができる。
【0026】
図2は、被処理体の一例を示す断面図である。図2に示すウエハWは、下地層100、複数の隆起領域102、窒化領域104、酸化領域106、及び、マスク108を有している。このウエハWは、例えば、フィン型電界効果トランジスタの製造中に得られる生産物であり得る。
【0027】
下地層100は、例えば、多結晶シリコンから構成され得る。下地層100は、一例においては、基板に設けられたフィン型電界効果トランジスタのフィン領域であり、一対の側面と当該一対の側面の上端の間で延在する上面とによって規定される形状を有する。一例では、下地層100は、略直方体形状を有し得る。
【0028】
複数の隆起領域102は、下地層100よりも上方に隆起するように設けられた領域である。複数の隆起領域102は、下地層100上において互いに離間して設けられている。例えば、複数の隆起領域102は、互いに離間して略平行に配列されている。これら隆起領域102は、一例においては、フィン型電界効果トランジスタのゲート領域であり、多結晶シリコン製の領域であり得る。この一例においては、隆起領域102は、フィン領域である下地層100が延在する方向に直交する方向に延在しており、一対の側面と当該一対の側面の上端の間で延在する上面とによって規定される形状を有する。例えば、隆起領域102は、略直方体形状を有し得る。なお、隆起領域102の個数は2以上であれば、任意の個数であり得る。
【0029】
窒化領域104は、窒化シリコンから構成されており、第1部分104a及び第2部分104bを含んでいる。第1部分104aは、隆起領域102を覆うように設けられている。第1部分104aは、隆起領域102の表面に接している。また、第2部分104bは、第1部分104aに連続しており、隣接する隆起領域102の間において下地層100上に設けられている。
【0030】
酸化領域106は、酸化シリコンから構成されている。酸化領域106は、窒化領域104を覆うように設けられている。即ち、酸化領域106は、窒化領域104を覆うように隣接する隆起領域102の間に埋め込まれており、隆起領域102及び窒化領域104の上方に略平坦な面を提供している。この酸化領域106は、一例においてはフィン型電界効果トランジスタの層間絶縁層であり得る。
【0031】
酸化領域106上には、マスク108が設けられている。マスク108は、隣接する隆起領域102間の上方において開口するパターンを有している。このマスク108は、有機膜から構成されている。なお、マスク108は、フォトリソグラフィによって作成することが可能である。
【0032】
方法MTは、隣接する隆起領域102の間において酸化領域106の上面から下地層100の上面まで達する開口を形成するために利用される。即ち、隣接する隆起領域102の間に自己整合的に開口、例えば、ホールを形成するために利用される。以下、ウエハWに形成される開口がホールであるものとして説明を続ける。このホールは、一例においては、フィン領域のソース又はドレインに接続するコンタクト用のホールとなり得る。
【0033】
以下、方法MTの実施に利用可能なプラズマ処理装置について説明する。図3は、一実施形態に係るプラズマ処理装置を概略的に示す図である。図3に示すプラズマ処理装置10は、容量結合型プラズマエッチング装置であり、処理容器12を備えている。処理容器12は、略円筒形状を有している。処理容器12は、例えば、アルミニウムから構成されており、その内壁面には陽極酸化処理が施されている。この処理容器12は保安接地されている。
【0034】
処理容器12の底部上には、略円筒状の支持部14が設けられている。支持部14は、例えば、絶縁材料から構成されている。支持部14は、処理容器12内において、処理容器12の底部から鉛直方向に延在している。また、処理容器12内には、載置台PDが設けられている。載置台PDは、支持部14によって支持されている。
【0035】
載置台PDは、その上面においてウエハWを保持する。載置台PDは、下部電極LE及び静電チャックESCを有している。下部電極LEは、第1プレート18a及び第2プレート18bを含んでいる。第1プレート18a及び第2プレート18bは、例えばアルミニウムといった金属から構成されており、略円盤形状をなしている。第2プレート18bは、第1プレート18a上に設けられており、第1プレート18aに電気的に接続されている。
【0036】
第2プレート18b上には、静電チャックESCが設けられている。静電チャックESCは、導電膜である電極を一対の絶縁層又は絶縁シート間に配置した構造を有している。静電チャックESCの電極には、直流電源22がスイッチ23を介して電気的に接続されている。この静電チャックESCは、直流電源22からの直流電圧により生じたクーロン力等の静電力によりウエハWを吸着する。これにより、静電チャックESCは、ウエハWを保持することができる。
【0037】
第2プレート18bの周縁部上には、ウエハWのエッジ及び静電チャックESCを囲むようにフォーカスリングFRが配置されている。フォーカスリングFRは、エッチングの均一性を向上させるために設けられている。フォーカスリングFRは、エッチング対象の膜の材料によって適宜選択される材料から構成されており、例えば、石英から構成され得る。
【0038】
第2プレート18bの内部には、冷媒流路24が設けられている。冷媒流路24は、温調機構を構成している。冷媒流路24には、処理容器12の外部に設けられたチラーユニットから配管26aを介して冷媒が供給される。冷媒流路24に供給された冷媒は、配管26bを介してチラーユニットに戻される。このように、冷媒流路24には、冷媒が循環するよう、供給される。この冷媒の温度を制御することにより、静電チャックESCによって支持されたウエハWの温度が制御される。
【0039】
また、プラズマ処理装置10には、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャックESCの上面とウエハWの裏面との間に供給する。
【0040】
また、プラズマ処理装置10には、加熱素子であるヒータHTが設けられている。ヒータHTは、例えば、第2プレート18b内に埋め込まれている。ヒータHTには、ヒータ電源HPが接続されている。ヒータ電源HPからヒータHTに電力が供給されることにより、載置台PDの温度が調整され、当該載置台PD上に載置されるウエハWの温度が調整されるようになっている。なお、ヒータHTは、静電チャックESCに内蔵されていてもよい。
【0041】
また、プラズマ処理装置10は、上部電極30を備えている。上部電極30は、載置台PDの上方において、当該載置台PDと対向配置されている。下部電極LEと上部電極30とは、互いに略平行に設けられている。これら上部電極30と下部電極LEとの間には、ウエハWにプラズマ処理を行うための処理空間Sが提供されている。
【0042】
上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、処理容器12の上部に支持されている。一実施形態では、上部電極30は、載置台PDの上面、即ち、ウエハ載置面からの鉛直方向における距離が可変であるように構成され得る。上部電極30は、電極板34及び電極支持体36を含み得る。電極板34は処理空間Sに面しており、当該電極板34には複数のガス吐出孔34aが設けられている。この電極板34は、一実施形態では、シリコンから構成されている。
【0043】
電極支持体36は、電極板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成され得る。この電極支持体36は、水冷構造を有し得る。電極支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。このガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。また、電極支持体36には、ガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されており、このガス導入口36cには、ガス供給管38が接続されている。
【0044】
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介して、ガスソース群40が接続されている。ガスソース群40は、複数のガスソースを有している。複数のガスソースは、フルオロカーボンガスのソース、酸素ガス(Oガス)のソース、希ガスのソース、不活性ガスのソース、NFガスのソース、NHガスのソース、及び、水素ガス(Hガス)のソースを含み得る。なお、不活性ガスは、窒素ガス(Nガス)であることができる。また、希ガスは、Arガス、Heガスといった任意の希ガスであることができる。また、フルオロカーボンガスは、C、C、及びCのうち少なくとも一種を含むガスであり得る。
【0045】
バルブ群42は複数のバルブを含んでおり、流量制御器群44はマスフローコントローラといった複数の流量制御器を含んでいる。ガスソース群40の複数のガスソースはそれぞれ、バルブ群42の対応のバルブ及び流量制御器群44の対応の流量制御器を介して、ガス供給管38に接続されている。
【0046】
また、プラズマ処理装置10では、処理容器12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、処理容器12にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
【0047】
処理容器12の底部側、且つ、支持部14と処理容器12の側壁との間には排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材にY等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。この排気プレート48の下方、且つ、処理容器12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、処理容器12内の空間を所望の真空度まで減圧することができる。また、処理容器12の側壁にはウエハWの搬入出口12gが設けられており、この搬入出口12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
【0048】
また、プラズマ処理装置10は、第1の高周波電源62及び第2の高周波電源64を更に備えている。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の第1の高周波電力を発生する電源であり、27〜100MHzの周波数、一例においては40MHzの高周波電力を発生する。第1の高周波電源62は、整合器66を介して下部電極LEに接続されている。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。
【0049】
第2の高周波電源64は、ウエハWにイオンを引き込むための第2の高周波電力、即ち高周波バイアス電力を発生する電源であり、400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数、一例においては13MHzの高周波バイアス電力を発生する。第2の高周波電源64は、整合器68を介して下部電極LEに接続されている。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極LE側)の入力インピーダンスを整合させるための回路である。
【0050】
また、プラズマ処理装置10は、電源70を更に備えている。電源70は、上部電極30に接続されている。電源70は、処理空間S内に存在する正イオンを電極板34に引き込むための電圧を、上部電極30に印加する。一例においては、電源70は、負の直流電圧を発生する直流電源である。別の一例において、電源70は、比較的低周波の交流電圧を発生する交流電源であってもよい。電源70から上部電極に印加される電圧は、−150V以下の電圧であり得る。即ち、電源70によって上部電極30に印加される電圧は、絶対値が150V以上の負の電圧であり得る。このような電圧が電源70から上部電極30に印加されると、処理空間Sに存在する正イオンが、電極板34に衝突する。これにより、電極板34から二次電子及び/又はシリコンが放出される。
【0051】
また、一実施形態においては、プラズマ処理装置10は、制御部Cntを更に備え得る。この制御部Cntは、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータであり、プラズマ処理装置10の各部を制御する。具体的に、制御部Cntは、バルブ群42、流量制御器群44、排気装置50、第1の高周波電源62、整合器66、第2の高周波電源64、整合器68、電源70、ヒータ電源HP、及びチラーユニットに接続されている。
【0052】
制御部Cntは、入力されたレシピに基づくプログラムに従って動作し、制御信号を送出する。制御部Cntからの制御信号により、ガスソース群から供給されるガスの選択及び流量、排気装置50の排気、第1の高周波電源62及び第2の高周波電源64からの電力供給、電源70からの電圧印加、ヒータ電源HPの電力供給、チラーユニットからの冷媒流量及び冷媒温度を制御することが可能である。
【0053】
再び図1を参照し、制御部Cntの各種制御と共に、方法MTの各工程について詳細に説明する。図1に示すように、方法MTでは、まず、工程S1が実行される。工程S1では、隣接する隆起領域102の間で第2部分104bを露出させる開口が酸化領域106に形成される。図4は、図1に示す工程S1の一実施形態を示す流れ図である。以下、図4と共に、図5図6、及び図7を参照する。図5図6、及び図7は、図4に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
【0054】
図4に示すように、一実施形態の工程S1は、工程SA11〜工程SA17を含んでいる。工程SA11では、図2に示すウエハWの酸化領域106を変質させることにより、変質領域が形成される。具体的に、工程SA11では、ウエハWが、第1のガスのプラズマに晒される。この第1のガスは、水素、窒素、及びフッ素を含有する。例えば、第1のガスは、Hガス、Nガス、及びNFガスの混合ガス、或いは、NHガス及びNFガスの混合ガスであり得る。また、第1のガスは、Arガスといった希ガスを含んでいてもよい。この第1のガスのプラズマにウエハWが晒されると、酸化領域106を構成する酸化シリコンが、ケイフッ化アンモニウム((NHSiF)に変質する。これにより、図5の(a)に示すように、酸化領域106の少なくとも一部が変質領域106aへと変質する。
【0055】
プラズマ処理装置10を用いて工程SA11を行う場合には、制御部Cntは、ガスソース群40から上述した第1のガス供給するよう、バルブ群42及び流量制御器群44を制御する。また、制御部Cntは、第1のガスを励起させるため、高周波電力を下部電極LEに供給するよう、第1の高周波電源62を制御する。
【0056】
工程SA11では、処理容器12内の圧力は、例えば、400mTorr〜600mTorr(53.33Pa〜79.99Pa)の圧力に設定される。また、第1の高周波電源62から供給される高周波電力は、例えば、800W〜1200Wの間の電力に設定される。また、工程SA11では、第2の高周波電源64からの高周波バイアス電力は供給されなくてもよい。また、第1のガスとして、Hガス、Nガス、及びNFガスの混合ガスを用いる場合には、当該混合ガス中のNFガスとHガスの分圧は、1:2〜1:10の範囲内の分圧、例えば、1:2.5の分圧に制御される。また、ウエハWの温度は、60℃以下の温度、例えば、0℃の温度に制御される。このため、制御部Cntは、プラズマ処理装置10のヒータ電源HPを制御して、載置台PDの温度を調整することができる。また、工程SA11の処理時間は、30秒〜60秒に設定され得る。
【0057】
次いで、一実施形態の工程S1では、工程SA12が行われる。工程SA12では、変質領域106aが除去される。一例では、変質領域106aは、ウエハWを加熱することによって除去される。この例では、ウエハWは、例えば60℃〜250℃の温度範囲内の温度に加熱され得る。プラズマ処理装置10においてウエハWが加熱される場合には、制御部Cntは、ヒータ電源HPを制御することにより、載置台PDの温度を調整する。これにより、ウエハWが加熱される。なお、工程SA12では、ウエハWはプラズマ処理装置10とは別の加熱処理装置を用いて加熱されてもよい。
【0058】
また、工程SA12の別の一例では、ウエハWに対して二次電子が照射されることにより変質領域106aが除去される。この例の工程SA12をプラズマ処理装置10を用いて実行する場合には、ガスソース群40から不活性ガス又は希ガスが処理容器12内に供給され、排気装置50により処理容器12内の圧力が設定値に減圧される。なお、工程SA12で用いられるガスは、当該ガスが励起されることにより正イオンを生じさせることが可能なガスである。したがって、工程SA12では、Hガスが用いられてもよい。また、この例の工程SA12では、電源70からプラズマ処理装置10の上部電極30に電圧が印加される。また、この例の工程SA12では、ガスを励起させるために、第1の高周波電源62から高周波電力が下部電極LEに供給される。これにより、処理容器12内において正イオンが生成される。なお、この例の工程SA12では、必要に応じて、第2の高周波電源64からの高周波バイアス電力が下部電極LEに供給されてもよい。
【0059】
二次電子を利用する工程SA12では、処理容器12内の圧力は、例えば、40mTorr〜60mTorr(5.33Pa〜7.99Pa)の圧力に設定される。第1の高周波電源62から供給される高周波電力は、例えば、200W〜400Wの間の電力に設定される。また、第2の高周波電源64からの高周波バイアス電力は供給されなくてもよい。また、電源70からプラズマ処理装置10の上部電極30に印加される電圧は、その絶対値が1000Vの負の直流電圧であり得る。なお、工程SA12において上部電極30に印加される負の直流電圧の絶対値は、少なくとも500V以上であればよく、例えば800V〜1200Vの範囲内の絶対値に設定され得る。また、希ガスとしてArガスが供給される場合には、当該Arガスの流量は300sccm〜500sccmの範囲内の流量に設定され得る。また、ウエハWの温度は、60℃以下の温度、例えば、40℃に制御される。また、処理時間は、20秒〜40秒に設定され得る。
【0060】
これらの例に係る工程SA12によれば、変質領域106aのケイフッ化アンモニウムが昇華する。その結果、図5の(b)に示すように、変質領域106aが除去される。
【0061】
これらの工程SA11及び工程SA12は、窒化領域104の上面が露出するまで、交互に所定回数(例えば、7回)実行される。工程SA13では、工程SA11及び工程SA12の繰り返し回数が停止条件を満たすか否かが判定される。即ち、工程SA13では、工程SA11及びSA12が所定回数実行されたか否かが判定される。この停止条件が満たされない場合には、工程SA11及び工程SA12が再び繰り返される。一方、停止条件が満たされる場合には、プロセスは工程SA14に移行する。このように工程SA11及び工程SA12が繰り返される結果、図5の(c)に示すように、酸化領域106が部分的に除去され、窒化領域104、即ち第1部分104aの上面が露出する。これら工程SA11及び工程SA12の処理は、窒化領域104に対して酸化領域106を比較的高い選択比で除去することができる。したがって、窒化領域104の損傷が抑制され得る。
【0062】
次いで、工程S1では、工程SA14が実行される。工程SA14では、窒化領域104及び酸化領域106上に保護膜が形成される。この工程SA14では、窒化領域104上に形成される保護膜の厚さが酸化領域106上に形成される保護膜の厚さよりも大きくなるように、保護膜の形成が調整される。
【0063】
具体的に、工程SA14では、ウエハWが第2のガスのプラズマに晒される。第2のガスは、フルオロカーボンガスを含むガスである。フルオロカーボンガスは、C、C、及びCのうち少なくとも一種を含有するガスであり得る。また、第2のガスは、Arガスといった希ガス、及び、Oガスを更に含み得る。工程SA14では、下部電極LEに供給される高周波バイアス電力が、後述する工程SA15において下部電極LEに供給される高周波バイアス電力よりも小さい電力となるように調整される。例えば、工程SA14では、下部電極LEに高周波バイアス電力が供給されない。これにより、窒化領域104のエッチングレートが低くなり、窒化領域104は実質的にはエッチングされなくなる。
【0064】
また、工程SA14では、ウエハWの温度が60℃以上250℃以下の温度に設定される。これにより、図6の(a)に示すように、フルオロカーボン系の保護膜PFが窒化領域104及び酸化領域106上に形成され、酸化領域106上の保護膜PFの厚さよりも窒化領域104上の保護膜PFの厚さが大きくなる。なお、250℃を超える温度領域では、マスク108のガラス転移温度となり、また、当該温度では、酸化領域106に形成される保護膜の厚さと窒化領域104の保護膜の厚さの差が少なくなる。また、60℃より低い温度でも、酸化領域106に形成される保護膜の厚さと窒化領域104の保護膜の厚さの差が少なくなる。
【0065】
プラズマ処理装置10を用いて工程SA14を行う場合には、制御部Cntは、ガスソース群40から第2のガスを供給するように、バルブ群42及び流量制御器群44を制御する。また、制御部Cntは、下部電極LEに高周波電力が供給されるように第1の高周波電源62を制御する。また、制御部Cntは、高周波バイアス電力が低い電力となるように、例えば、高周波バイアス電力が供給されないように、第2の高周波電源64を制御する。また、制御部Cntは、プラズマ処理装置10のヒータ電源HPを制御することにより、載置台PDの温度を調整し、これによりウエハWの温度を調整する。
【0066】
例えば、工程SA14では、処理容器12内の圧力は、10mTorr〜30mTorr(1.333Pa〜4Pa)の圧力に設定される。また、工程SA14では、第1の高周波電源62から、60MHz且つ500W〜2000Wの高周波電力が下部電極LEに供給される。また、第2のガス中のCガス、Arガス、Oガスの流量はそれぞれ、15sccm〜25sccmの流量、500sccm〜600sccmの流量、10sccm〜20sccmの流量に設定される。また、工程SA14の処理時間は、10秒〜20秒であり得る。
【0067】
次いで、工程S1では、工程SA15が実行される。工程SA15では、酸化領域106がエッチングされる。本例においては、隣接する隆起領域102の間に存在する酸化領域106がエッチングされる。
【0068】
具体的に、工程SA15では、第3のガスのプラズマに晒される。第3のガスは、フルオロカーボンガスを含むガスである。フルオロカーボンガスは、C、C、及びCのうち少なくとも一種を含有するガスであり得る。また、第3のガスは、Arガスといった希ガス、及び、Oガスを更に含み得る。工程SA15では、下部電極LEに比較的高い高周波バイアス電力が供給される。これにより、比較的薄い保護膜PFがその上に形成されている酸化領域106が、図6の(b)に示すように、エッチングされる。
【0069】
プラズマ処理装置10を用いて工程SA15を行う場合には、制御部Cntは、ガスソース群40から第3のガスを供給するように、バルブ群42及び流量制御器群44を制御する。また、制御部Cntは、下部電極LEに高周波電力が供給されるように第1の高周波電源62を制御する。また、制御部Cntは、下部電極LEに高周波バイアス電力が供給されるように第2の高周波電源64を制御する。
【0070】
例えば、工程SA15では、処理容器12内の圧力は、10mTorr〜30mTorr(1.333Pa〜4Pa)の圧力に設定される。また、工程SA15では、第1の高周波電源62から、60MHz且つ500W〜2000Wの高周波電力が下部電極LEに供給される。また、工程SA15では、第2の高周波電源64から、1000W〜2000Wの高周波バイアス電力が下部電極LEに供給される。また、第3のガス中のCガス、Arガス、Oガスの流量はそれぞれ、15sccm〜25sccmの流量、500sccm〜600sccmの流量、10sccm〜20sccmの流量に設定される。また、工程SA15の処理時間は、10秒〜30秒であり得る。なお、工程SA15におけるウエハWの温度は、工程SA14におけるウエハWの温度と同じ温度であってもよく、或いは、工程SA14のウエハWの温度よりも低い温度であってもよい。
【0071】
これらの工程SA14及び工程SA15は交互に所定回数実行される。工程SA16では、工程SA14及び工程SA15の繰り返し回数が停止条件を満たすか否かが判定される。即ち、工程SA16では、工程SA14及びSA15が所定回数実行されたか否かが判定される。この停止条件が満たされない場合には、工程SA14及び工程SA15が再び繰り返される。一方、停止条件が満たされる場合には、工程SA14及び工程SA15の実行が終了する。このように工程SA14及び工程SA15が交互に所定回数実行されることにより、図6の(c)に示すように、隣接する隆起領域102の間に存在する酸化領域106が、ある深さまでエッチングされる。なお、図6の(c)では、酸化領域106のエッチングは窒化領域104の第2部分104bの上面まで達していないが、工程SA14及び工程SA15は、酸化領域106のエッチングが第2部分104bの上面に達するまで実行されてもよい。
【0072】
これらの工程SA14及び工程SA15によれば、露出直後において保護膜が形成されていない窒化領域104の削れを抑制しつつ、酸化領域106をエッチングすることが可能となる。かかる工程SA14及び工程SA15を所定回数実行すると、窒化領域104上では保護膜PFが維持される。また、フルオロカーボンを含有するガスのエッチングでは、酸化領域106上への保護膜の形成と酸化領域106のエッチングとが同時に進行する。したがって、工程SA14及び工程SA15を所定回数実行した後に、工程SA15と同様のエッチングを実行することによって、酸化領域106を更にエッチングすることができる。これにより、酸化領域106のエッチングレートを高めることが可能である。
【0073】
具体的には、工程SA16に続いて、工程SA17を実行することができる。工程SA17では、工程SA15と同様の条件で、隣接する隆起領域102の間に存在する酸化領域106のエッチングが進められる。この工程SA17をプラズマ処理装置10を用いて行う場合には、制御部Cntは、工程SA15における制御と同様の制御を実行することができる。この工程SA17を行うと図7の(a)に示すように、ウエハWには、第2部分104bを露出させる開口OPが形成される。但し、図7の(a)に示すように、第2部分104bと第1部分104aによって囲まれた隅部には、酸化シリコンから構成された残渣106bが残される。この残渣106bの除去については後述する。
【0074】
以下、工程S1の別の実施形態について説明する。図8は、図1に示す工程S1の別の実施形態を示す流れ図である。図8に示すように、別の実施形態では、工程S1は、上述した工程SA11、工程SA12、及び工程SA13に加えて、工程SB14及び工程SB15を含んでいる。以下、図8と共に、図9を参照して工程SB14及び工程SB15について説明する。図9は、図8に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
【0075】
図8に示す工程S1では、工程SA11及び工程SA12の所定回数の実行により、ウエハWは、図5の(c)に示す状態となる。図8に示す工程S1では、この状態のウエハWに対して、工程SB14及び工程SB15が所定回数実行される。
【0076】
工程SB14では、ウエハWがフルオロカーボンガスを含む第4のガスのプラズマに晒される。工程SB14では、第4のガスが励起されることによりプラズマが生成され、生成されたプラズマにウエハWが晒される。第4のガスは、フルオロカーボンガスを含むガスである。フルオロカーボンガスは、C、C、及びCのうち少なくとも一種を含有するガスであり得る。また、第のガスは、Arガスといった希ガス、及び、Oガスを更に含み得る。
【0077】
プラズマ処理装置10を用いて工程SB14を実行する場合には、ガスソース群40から第4のガスが処理容器12内に供給される。また、工程SB14では、第1の高周波電源62からの高周波電力が下部電極LEに供給される。また、工程SB14では、第2の高周波電源64からの高周波バイアス電力が下部電極LEに供給され得る。また、工程SB14では、排気装置50によって処理容器12内の空間の圧力が所定の圧力に設定される。例えば、処理容器12内の空間の圧力は、20mTorr(2.666Pa)〜50mTorr(6.666Pa)の範囲内の圧力に設定される。さらに、工程SB14では、上部電極30と載置台PDの上面との間の距離が、20mm〜50mmの範囲内の距離に設定される。これにより、処理容器12内においてフルオロカーボンガスのプラズマが生成され、載置台PD上に載置されたウエハWが当該プラズマに晒される。なお、工程SB14では、上部電極30に電源70からの電圧が印加されてもよい。電源70によって上部電極30に印加される電圧は、−150V以下の電圧であり得る。即ち、電源70によって上部電極30に印加される電圧は、絶対値が150V以上の負の電圧であり得る。この工程SB14の実行時のプラズマ処理装置10の各部の動作は、制御部Cntによって制御され得る。
【0078】
工程SB14では、初期的には図5の(c)に示す状態を有するウエハWの酸化領域106に、フルオロカーボンに由来する原子及び/又は分子の活性種、例えば、フッ素及び/又はフルオロカーボンの活性種が衝突する。これにより、工程SB14では、酸化領域106がエッチングされる。また、工程SB14では、図9の(a)に示すように、フルオロカーボンを含む堆積物が酸化領域106に付着する。これにより、フルオロカーボンを含む堆積物DPが酸化領域106上に形成される。この堆積物DPの膜厚は、工程SB14の実行時間の経過につれて増加する。
【0079】
また、工程SB14では、初期的には図5の(c)に示すウエハWの窒化領域104にも、フルオロカーボンに由来する原子及び/又は分子の活性種、例えば、フッ素及び/又はフルオロカーボンの活性種が衝突する。かかる活性種が窒化領域104に衝突すると、図9の(a)に示すように、窒化領域104の表面からある深さの表層部分が改質され、改質領域TRが形成され得る。改質領域TRは、窒化領域104を構成するシリコン及び窒素、第4のガスに含まれる原子及び/又は分子を含有する。例えば、改質領域TRは、シリコン及び窒素に加えて、第4のガスに含まれる炭素、フッ素、及び酸素を含有し得る。また、工程SB14では、改質領域TR上に堆積物DPが形成される。
【0080】
なお、工程SB14において電源70からの電圧が上部電極30に印加される場合には、処理空間Sに存在する正イオンが、電極板34に衝突する。これにより、電極板34からシリコンが放出される。放出されたシリコンは、処理空間S内に存在するフッ素の活性種、例えば、フッ素ラジカル及びフッ素イオンと結合し、フッ素の活性種の量を低減させる。これにより、フッ素の活性種による窒化領域104のエッチングが抑制される。一方、酸化領域106はプラズマ中のフルオロカーボンの活性種によってエッチングされる。
【0081】
このような工程SB14の処理により形成された堆積物DPの膜厚が大きくなると、酸化領域106をエッチングし得る活性種が酸化領域106に到達することが当該堆積物DPによって阻害される。したがって、工程SB14を連続的に継続すると、酸化領域106のエッチングが停止する。このようなエッチングの停止を防止するために、次いで、工程SB15が実行される。
【0082】
工程SB15では、堆積物DPに含まれるフルオロカーボンのラジカルにより酸化領域106がエッチングされる。一実施形態の工程SB15では、工程SB14の処理後のウエハWが、希ガスのプラズマに晒される。この工程SB15の処理時間と工程SB14の処理時間は任意に設定され得る。一実施形態においては、工程SB14の処理時間と工程SB15の処理時間の合計において工程SB14の処理時間が占める割合は、30%〜70%の範囲内の割合に設定され得る。
【0083】
プラズマ処理装置10を用いて工程SB15を実行する場合には、ガスソース群40から希ガスが供給される。また、工程SB15では、希ガスに加えて酸素ガス(O2ガス)が供給されてもよく、或いは、酸素ガスが供給されなくてもよい。また、工程SB15では、第1の高周波電源62からの高周波電力が下部電極LEに供給される。また、工程SB15では、第2の高周波電源64からの高周波バイアス電力が下部電極LEに供給され得る。また、工程SB15では、排気装置50によって処理容器12内の空間の圧力が所定の圧力に設定される。例えば、処理容器12内の空間の圧力は、20mTorr(2.666Pa)〜50mTorr(6.666Pa)の範囲内の圧力に設定される。さらに、工程SB15では、上部電極30と載置台PDの上面との間の距離が、20mm〜50mmの範囲内の距離に設定される。これにより、処理容器12内において希ガスのプラズマが生成され、載置台PD上に載置されたウエハWが当該プラズマに晒される。なお、工程SB15では、上部電極30に電源70からの電圧が印加されてもよい。電源70によって上部電極30に印加される電圧は、−150V以下の電圧であり得る。即ち、電源70によって上部電極30に印加される電圧は、絶対値が150V以上の負の電圧であり得る。この工程SB15の実行時のプラズマ処理装置10の各部の動作は、制御部Cntによって制御され得る。
【0084】
工程SB15では、希ガス原子の活性種、例えば、希ガス原子のイオンが、堆積物DPに衝突する。これにより、図9の(b)に示すように、堆積物DP中のフルオロカーボンラジカルが、酸化領域106のエッチングを進行させる。また、この工程SB15により、堆積物DPの膜厚が減少する。また、工程SB15では、図9の(b)に示すように、窒化領域104上の堆積物DPの膜厚も減少する。ただし、窒化領域104上には改質領域TRが存在するので、窒化領域104のエッチングは抑制される。
【0085】
なお、工程SB15において電源70からの電圧が上部電極30に印加される場合には、処理空間Sに存在する正イオンが、電極板34に衝突する。これにより、電極板34からシリコンが放出される。工程SB15の実行期間中には、工程SB14において生成されたフッ素の活性種が除去されずに処理容器12内に残存し得る。電極板34から放出されたシリコンは、処理空間S内に存在するフッ素の活性種と結合し、フッ素の活性種の量を低減させる。これにより、フッ素の活性種による窒化領域104のエッチングが抑制される。一方、酸化領域106は堆積物DP中のフルオロカーボンラジカルによってエッチングされる。また、工程SB15において酸素ガスが供給されない場合には、酸化領域106が窒化領域104に対して更に選択的にエッチングされ得る。
【0086】
図8に示す工程S1では、工程SB15の実行の後、再び、工程SB14が実行される。先の工程SB15の実行によって堆積物DPの膜厚が減少しているので、再び工程SB14を実行して第4のガスのプラズマにウエハWを晒すと、酸化領域106を更にエッチングすることができる。その後、更に工程SB15を実行することで、堆積物DP中のフルオロカーボンラジカルにより酸化領域106をエッチングすることができる。
【0087】
図8に示す工程S1では、工程SB16において停止条件が満たされるか否かが判定される。停止条件は、例えば、工程SB14及び工程SB15を含むサイクルの繰り返し回数が所定回数に達したときに満たされたものと判定される。停止条件が満たされない場合には、工程SB14及び工程SB15を含むサイクルが再び実行される。一方、停止条件が満たされる場合には、工程S1が終了する。
【0088】
図8に示す工程S1によれば、工程SB14及び工程SB15を交互に複数回実行することにより、酸化領域106のエッチングの停止を防止することができる。その結果、酸化領域106のエッチングを継続することができる。さらに、酸化領域106を窒化領域104に対して選択的にエッチングすることができる。かかる工程S1の実行により、ウエハWは、図7の(a)に示す状態となる。
【0089】
再び図1を参照する。方法MTでは、次いで、工程S2が実行される。工程S2では、マスク108が除去される。マスク108は、酸素ガスのプラズマを用いたアッシング処理によって除去される。この工程S2では、ウエハW上に堆積している堆積物、即ち、フルオロカーボンを含有する堆積物も除去される。即ち、工程S2では、ウエハW上の有機物が除去される。この工程S2により、ウエハWは図7の(b)に示した状態となる。プラズマ処理装置10において工程S2を実行する場合には、制御部Cntは、酸素ガスを処理容器12内に供給するよう、バルブ群42及び流量制御器群44を制御する。また、制御部Cntは、処理容器12内に供給されたガスを励起させるため、高周波電力を下部電極LEに供給するよう、第1の高周波電源62を制御する。また、制御部Cntは、高周波バイアス電力を下部電極LEに供給するよう、第2の高周波電源64を制御してもよい。
【0090】
方法MTでは、次いで、工程S3が実行される。工程S3では、残渣106b及び第2部分104bがエッチングされる。このため、ウエハWは、水素を含有するガス及びNFガスを含む混合ガスのプラズマに晒される。これにより、変質領域が形成される。そして、変質領域が除去される。
【0091】
以下、図10及び図11を参照して、工程S3の一実施形態について詳細に説明する。図10は、図1に示す工程S3の一実施形態を示す流れ図である。図11は、図10に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
【0092】
図10に示すように、一実施形態の工程S3は、工程SA21及び工程SA22を含んでいる。工程SA21では、図7の(b)に示す状態のウエハWが、Hガス及びNFガスを含む第5のガス(混合ガス)のプラズマに晒される。この第5のガスは、更にNガス、及びArガスといった希ガスを含んでいてもよい。この工程SA21では、第5のガスのプラズマが生成されることにより、フッ化アンモニウム、フッ素の活性種、及び、HFの活性種が生成される。フッ化アンモニウムは残渣106bを構成する酸化シリコンと反応する。これにより、図11の(a)に示すように、残渣106bを構成する酸化シリコンがケイフッ化アンモニウムに変質して、当該残渣106bから変質領域106cが形成される。また、HFの活性種は第2部分104bを構成する窒化シリコンと反応する。これにより、第2部分104bを構成する窒化シリコンがケイフッ化アンモニウムに変質して、当該第2部分104bから変質領域104cが形成される。
【0093】
プラズマ処理装置10を用いて工程SA21を行う場合には、制御部Cntは、ガスソース群40から第5のガスを供給するようにバルブ群42及び流量制御器群44を制御する。また、制御部Cntは、第5のガスを励起させるため、高周波電力を下部電極LEに供給するように第1の高周波電源62を制御する。
【0094】
工程SA21では、処理容器12内の圧力は、例えば、400mTorr〜600mTorr(53.33Pa〜79.99Pa)の圧力に設定される。また、第1の高周波電源62から供給される高周波電力は、例えば、800W〜1200Wの間の電力に設定される。また、工程SA21では、第2の高周波電源64からの高周波バイアス電力は供給されなくてもよい。また、第5のガス中のNFガスとHガスの分圧は、1:2〜1:10の範囲内の分圧、例えば、1:2.5の分圧に制御される。また、ウエハWの温度は、60℃以下の温度、例えば、0℃の温度に制御される。このため、制御部Cntは、プラズマ処理装置10のヒータ電源HPを制御して、載置台PDの温度を調整することができる。また、工程SA21の処理時間は、30秒〜60秒に設定され得る。
【0095】
続く工程SA22では、変質領域106c及び変質領域104cが除去される。変質領域106c及び変質領域104cの除去のために行われる処理は、上述した工程SA12と同様である。また、工程SA22をプラズマ処理装置10を用いて実行する場合には、制御部Cntは、工程SA12における制御と同様の制御を実行する。この工程SA22が実行されることにより、図11の(b)に示すように、酸化領域106の上面から隣接する隆起領域102の間を通って下地層100の上面まで達するホールHLが形成される。
【0096】
これらの工程SA21及び工程SA22は、交互に所定回数実行されてもよい。工程SA23では、工程SA21及び工程SA22の繰り返し回数が停止条件を満たすか否かが判定される。即ち、工程SA23では、工程SA21及びSA22が所定回数実行されたか否かが判定される。この停止条件が満たされない場合には、工程SA21及び工程SA22が再び繰り返される。一方、停止条件が満たされる場合には、工程S3が終了する。即ち、方法MTが終了する。
【0097】
なお、従来から用いられているフルオロカーボンガスのプラズマでは、残渣106bを除去できないので、第2部分104bを除去するまでに、第1部分104a、特に第1部分104aの肩部104s(図11の(b)を参照)が、フッ素の活性種又はHFの活性種によって大きく削られてしまう。一方、図10に示す実施形態の工程S3によれば、残渣106bが除去されるので、第1部分104a、特に肩部104sの削れを低減することができる。また、図10に示す実施形態の工程S3によれば、残渣106b及び第2部分104bを一括して除去することが可能である。
【0098】
以下、図12図13、及び図14を参照して、工程S3の別の実施形態について詳細に説明する。図12は、図1に示す工程S3の別の実施形態を示す流れ図である。図13及び図14は、図12に示す各工程に関連する被処理体の断面を示す図である。
【0099】
図12に示すように、一実施形態の工程S3は、工程SB21〜工程SB26を含んでいる。工程SB21では、図7の(b)に示す状態のウエハWが、NHガス及びNFガスを含む第6のガス(混合ガス)のプラズマに晒される。この第6のガスは、更にArガスといった希ガスを含んでいてもよい。この工程SB21により、図13の(a)に示すように、残渣106bを構成する酸化シリコンがケイフッ化アンモニウムに変質して、変質領域106cが形成される。
【0100】
上述した第5のガス、即ち、Hガス及びNFガスに比べて、第6のガス、即ち、NHガス及びNFガスを含むガスは、低解離のプラズマを発生させることによってフッ化アンモニウムを生成することができる。したがって、第5のガスに比べて、第6のガスによれば、プラズマ中でのフッ素の活性種及びHFの活性種の発生量が低減される。その結果、第2部分104bの変質及び削れを抑制しつつ、残渣106bを変質させて、変質領域106cを形成することができる。
【0101】
プラズマ処理装置10を用いて工程SB21を行う場合には、制御部Cntは、ガスソース群40から第6のガスを供給するようにバルブ群42及び流量制御器群44を制御する。また、制御部Cntは、第6のガスを励起させるため、高周波電力を下部電極LEに供給するように第1の高周波電源62を制御する。
【0102】
工程SB21では、処理容器12内の圧力は、例えば、400mTorr〜600mTorr(53.33Pa〜79.99Pa)の圧力に設定される。また、第1の高周波電源62から供給される高周波電力は、例えば、800W〜1200Wの間の電力に設定される。また、工程SB21では、第2の高周波電源64からの高周波バイアス電力は供給されなくてもよい。また、ウエハWの温度は、60℃以下の温度、例えば、0℃の温度に制御される。このため、制御部Cntは、プラズマ処理装置10のヒータ電源HPを制御して、載置台PDの温度を調整することができる。また、工程SB21の処理時間は、30秒〜60秒に設定され得る。
【0103】
続く工程SB22では、変質領域106cが除去される。変質領域106cの除去のために行われる処理は、上述した工程SA12と同様である。また、工程SB22をプラズマ処理装置10を用いて実行する場合には、制御部Cntは、工程SA12における制御と同様の制御を実行する。この工程SB22が実行されることにより、図13の(b)に示すように、変質領域106cが除去される。即ち、残渣106bが除去される。
【0104】
これらの工程SB21及び工程SB22は、交互に所定回数実行されてもよい。工程SB23では、工程SB21及び工程SB22の繰り返し回数が停止条件を満たすか否かが判定される。即ち、工程SB23では、工程SB21及びSB22が所定回数実行されたか否かが判定される。この停止条件が満たされない場合には、工程SB21及び工程SB22が再び繰り返される。一方、停止条件が満たされる場合には、プロセスは工程SB24に移行する。
【0105】
工程SB24では、図13の(b)に示す状態のウエハWが、第5のガスのプラズマに晒される。工程SB24の処理は、上述した工程S21と同様の処理である。この工程SB24が実行されることにより、第2部分104bを構成する窒化シリコンがケイフッ化アンモニウムに変質する。これにより、図14の(a)に示すように、第2部分104bから変質領域104cが形成される。
【0106】
続く工程SB25では、変質領域104cが除去される。変質領域104cの除去のために行われる処理は、上述した工程SA12と同様である。また、工程SB25をプラズマ処理装置10を用いて実行する場合には、制御部Cntは、工程SA12における制御と同様の制御を実行する。かかる工程SB25が実行されることにより、図14の(b)に示すように、変質領域104cが除去される。即ち、第2部分104bが除去される。その結果、図14の(b)に示すように、酸化領域106の上面から隣接する隆起領域102の間を通って下地層100の上面まで達するホールHLが自己整合的に形成される。
【0107】
図12に示す実施形態の工程S3によれば、残渣106bの除去時には、低解離状態のプラズマを発生させることによりフッ化アンモニウムを生成することが可能な第6のガスが用いられれる。したがって、残渣106bの除去が行われている期間中の第1部分104aの削れを抑制することができる。次いで、Hガス及びNFガスを含む第5のガスを用いることにより、第2部分104bのエッチングレートを高めることができる。したがって、図12に示す実施形態の工程S3によれば、第1部分104aの削れを更に低減しつつ、残渣106b及び第2部分104bを除去することが可能となる。
【0108】
以下、別の実施形態に係る被処理体を処理する方法について、図15を参照しつつ説明する。図15は、別の実施形態に係る被処理体を処理する方法を示す流れ図である。図16は、図15に示す方法の幾つかの工程に関連する被処理体の断面を示す図である。図15に示す方法MT2は、工程S2と工程S3との間に実行される工程S4を含む点で方法MTとは、異なっている。
【0109】
工程S4では、第1部分104a及び第2部分104b上に保護膜PF2が形成される。この保護膜PF2の形成のために、工程S4では、フルオロカーボンガスを含む処理ガスのプラズマが生成され、工程S2の実行後のウエハW、即ち、図7の(b)に示すウエハWが当該プラズマによって処理される。フルオロカーボンガスとしては、C、C、C、C、及びCのうち少なくとも一種を含むガスが用いられる。また、工程S4に用いられる処理ガスは、Arガスといった希ガスを更に含み得る。この処理ガスの全流量に対するフルオロカーボンガスの流量の割合は、1%以下の割合であってもよく、残りの割合は希ガスが占めていてもよい。なお、工程S4において保護膜PF2の形成のために使用される処理ガスは、フルオロカーボンガスに代えて、ハイドロフルオロカーボンガス、又はシリコン含有ガスを含んでいてもよい。ハイドロフルオロカーボンガスとしては、CH又はCHFを含むガスが例示される。また、シリコン含有ガスとしては、SiFとHを含むガス、又は、SiClとHを含むガスが例示される。
【0110】
プラズマ処理装置10を用いて工程S4を行う場合には、制御部Cntは、ガスソース群40からフルオロカーボンガスを含む処理ガスを供給するように、バルブ群42及び流量制御器群44を制御する。また、制御部Cntは、下部電極LEに高周波電力が供給されるように第1の高周波電源62を制御する。また、制御部Cntは、高周波バイアス電力が低い電力となるように、例えば、高周波バイアス電力が供給されないように、第2の高周波電源64を制御する。なお、例えば、工程S4において下部電極LEに供給される高周波電力は、500Wであり、工程S4における処理容器12内の圧力は、30mTorr(4Pa)であり得る。
【0111】
工程S4では、図16の(a)に示すように、フルオロカーボンの分子によって保護膜PF2が、第1部分104a、第2部分104b、及び、残渣106b上に形成される。保護膜PF2の形成に寄与する分子の量は、隆起領域102の頂部近傍、即ち開口OPの開口端近傍では多く、開口OPの深部では少なくなる。したがって、保護膜PF2の膜厚は、隆起領域102の頂部近傍で大きくなり、開口OPの深部近傍では小さくなる。即ち、第1部分104a上では保護膜PF2の膜厚は大きくなり、残渣106b及び第2部分104b上では保護膜PF2の膜厚は小さくなる。
【0112】
方法MT2では、かかる保護膜PF2が形成された後に、工程S3が実行される。上述したように、第1部分104a上では保護膜PF2の膜厚は大きく、残渣106b及び第2部分104b上では保護膜PF2の膜厚は小さいので、工程S3の実行時には、第2部分104b及び残渣106b上に形成された保護膜PF2は、早期に消失し、残渣106b及び第2部分104bはエッチングされる。一方、第1部分104a上に形成された保護膜PF2は、工程S3の実行期間中において維持される。したがって、図16の(b)に示すように、工程S3の実行による第1部分104aの削れ、特に肩部104sの削れが更に抑制される。
【0113】
なお、工程S4の実行と工程S3における変質領域の形成及び変質領域の除去を含むシーケンスの1回以上の実行とが交互に行われてもよい。図17及び図18は、更に別の実施形態に係る被処理体を処理する方法を示す流れ図である。図17に示す方法MT3では、工程S4の実行後、図10を参照して説明した工程SA21及び工程SA22を含むシーケンスSQの実行が1回以上行われる。方法MT3では、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQの実行とが交互に所定回数行われる。工程S5において停止条件が満たされない、即ち、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQの実行との交互の繰り返しの回数が所定回数に至っていないと判定される場合には、工程S4が再び実行される。一方、工程S5において、停止条件が満たされる、即ち、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQの実行との交互の繰り返しの回数が所定回数に至っていると判定される場合には、方法MT3が終了する。
【0114】
図18に示す方法MT4では、工程S4の実行後、図12を参照して説明した工程SB21及び工程SB22を含むシーケンスSQ1の実行が1回以上行われる。方法MT4では、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQ1の実行とが交互に所定回数行われる。工程S6において、停止条件が満たされない、即ち、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQ1の実行との交互の繰り返しの回数が所定回数に至っていないと判定される場合には、工程S4が再び実行される。一方、工程S6において、停止条件が満たされる、即ち、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQ1の実行との交互の繰り返しの回数が所定回数に至っていると判定される場合には、工程S4の実行と、図12を参照して説明した工程SB24及び工程SB25を含むシーケンスSQ2の1回以上の実行とが交互に所定回数行われる。工程S7において、停止条件が満たされない、即ち、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQ2の実行との交互の繰り返しの回数が所定回数に至っていないと判定される場合には、工程S4が再び実行される。一方、工程S7において、停止条件が満たされる、即ち、工程S4の実行と1回以上のシーケンスSQ2の実行との交互の繰り返しの回数が所定回数に至っていると判定される場合には、方法MT4が終了する。
【0115】
以下、上述した種々の実施形態に係る方法の評価のために行った実験例1について説明する。この実験例1では、図2に示すウエハWを処理対象として、図3に示すプラズマ処理装置10を用いて、図1図4、及び図10に示す方法MTの処理を行った。図10に示す各工程の実験例1での処理条件を以下に示す。
<処理条件>
・工程SA21
NFガス流量/Hガス流量/Nガス流量/Arガス流量=120sccm/300sccm/300sccm/1000sccm
第1の高周波電源62の高周波電力:1000W
ウエハWの温度:0℃
処理時間:45秒
・工程SA22
ウエハWの温度:180℃
処理時間:60秒
・工程SA21と工程SA22の実行回数:5回
【0116】
また、比較実験例1及び比較実験例2において、同様のウエハWに対して、実験例1の工程SA21及び工程SA22に代えて以下に示す処理条件の工程S101、工程S102をそれぞれ行った。
<比較実験例1の工程S101の処理条件>
ガス流量/Arガス流量/Nガス流量/Oガス流量=120sccm/300sccm/300sccm/1000sccm
第1の高周波電源62の高周波電力:400W
第2の高周波電源64の高周波バイアス電力:50W
処理時間:30秒
<比較実験例2の工程S102の処理条件>
CHガス流量/Arガス流量/Oガス流量=30sccm/600sccm/14sccm
第1の高周波電源62の高周波電力:200W
第2の高周波電源64の高周波バイアス電力:200W
処理時間:10秒
【0117】
そして、実験例1、比較実験例1、及び比較実験例2のそれぞれの処理後のウエハWの各種寸法、即ち、図19に示す各種の寸法を計測した。具体的に、幅CD、削れ量Δy1、削れ量Δy2、及びエッチング量EAを計測した。なお、幅CDは、第2部分104bの上面が存在していた位置、即ち、酸化領域106の底面が存在していた位置での、開口OPの幅である。また、削れ量Δy1は、開口OPの中心線CAから当該中心線CAに直交する方向に40nmの位置での第1部分104aの削れ量であり、実験例1については工程SA21及び工程SA22の処理によって発生した第1部分104aの削れ量であり、比較実験例1については工程S101の処理によって発生した第1部分104aの削れ量であり、比較実験例については工程S102の処理によって発生した第1部分104aの削れ量である。また、エッチング量EAは、第2部分104bが深さ方向にエッチングされた距離である。
【0118】
表1に計測結果を示す。表1に示すように、実験例1によれば、残渣106bを除去して開口OPの幅CDを大きくすることができ、第2部分104bを大きくエッチングすることができ、且つ、第1部分104aの削れを低減させることが可能であることが確認された。一方、比較実験例1では、残渣106bの除去が不十分である結果、開口OPの幅CDが小さくなっていた。また、比較実験例1では、第1部分104aが大きく削られていた。また、比較実験例2では、第2部分104bのエッチング量が小さくなっていた。したがって、これらの計測結果から、方法MTの有効性が確認された。
【表1】
【0119】
以下、実験例2及び実験例3について説明する。実験例2では、窒化シリコン製の領域及び酸化シリコン製の領域を有するウエハを第5のガスのプラズマに晒し、次いで、変質領域を除去した。また、実験例3では、窒化シリコン製の領域及び酸化シリコン製の領域を有するウエハを第6のガスのプラズマに晒し、次いで、変質領域を除去した。以下、実験例2及び実験例3の処理条件を記す。
<実験例2の処理条件>
・第5のガスによるプラズマ処理
NFガス流量/Hガス流量/Nガス流量/Arガス流量=120sccm/300sccm/300sccm/800sccm
第1の高周波電源62の高周波電力:1000W
ウエハWの温度:0℃
処理時間:30秒
・変質領域の除去処理
ウエハWの温度:180℃
<実験例3の処理条件>
・第6のガスによるプラズマ処理
NFガス流量/NHガス流量/Arガス流量=30sccm/90sccm/120sccm
第1の高周波電源62の高周波電力:200W
ウエハWの温度:0℃
処理時間:30秒
・変質領域の除去処理
ウエハWの温度:180℃
【0120】
実験例2及び実験例3のそれぞれについて、窒化シリコン製の領域及び酸化シリコン製の領域が深さ方向に削られた距離を求めて、当該距離から、窒化シリコン製の領域のエッチングに対する酸化シリコン製の領域のエッチングの選択比を求めた。実験例2、即ち、第5のガスを用いた実験例では選択比は3.15であった。また、実験例、即ち、第6のガスを用いた実験例では選択比は15.2であった。この結果から、第6のガスを用いることにより、第1部分104aの削れを更に低減させることができ、且つ、酸化領域106を除去することが可能であることが確認された。
【0121】
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、上述したプラズマ処理装置10は、容量結合型のプラズマ処理装置であったが、方法MTの実施のために用いることができるプラズマ処理装置は、容量結合型のプラズマ処理装置、マイクロ波を用いるプラズマ処理装置といったように任意のプラズマ処理装置であってよい。また、工程S1は、図4及び図6に示した実施形態の工程に限定されるものではない。例えば、工程S1は、フルオロカーボンガスといった処理ガスを用いるプラズマエッチングのみを含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0122】
10…プラズマ処理装置、12…処理容器、ESC…静電チャック、LE…下部電極、30…上部電極、34…電極板、40…ガスソース群、50…排気装置、62…第1の高周波電源、64…第2の高周波電源、70…電源、Cnt…制御部、W…ウエハ、100…下地層、102…隆起領域、104…窒化領域、104a…第1部分、104b…第2部分、106…酸化領域、106b…残渣、104c,106c…変質領域。
図1
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