(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記グルーピングデータは、前記照明器具を前記複数の照明器具のうちの1つ以上と共にグルーピングするために少なくとも部分的に使用される請求項1に記載の照明器具。
前記照明器具を前記複数の照明器具のうちの1つ以上と共にグルーピングするために、前記回路は、前記グルーピングデータを、前記複数の照明器具をどのようにグルーピングするかを決定するリモートエンティティに送信し、前記照明器具が属するグループを識別する情報を受信するように構成される請求項2に記載の照明器具。
前記照明器具を前記複数の照明器具のうちの1つ以上と共にグルーピングするために、前記回路は、前記グルーピングデータを、前記複数の照明器具をどのようにグルーピングするかを決定する前記複数の照明器具の1つに送信するように構成される請求項2に記載の照明器具。
前記照明器具を前記複数の照明器具のうちの1つ以上と共にグルーピングするために、前記回路は、前記グルーピングデータを、前記複数の照明器具のうちの1つ以上から受信される他のグルーピングデータと共に処理して、前記照明器具が属する前記複数の照明器具のグループを決定するように構成される請求項2に記載の照明器具。
前記回路は、前記照明器具が割当てられた前記複数の照明器具のグループを識別し、前記グループのために意図される命令に応答して前記光源を駆動するように更に構成される請求項1に記載の照明器具。
前記回路は、前記照明器具が割当てられた前記複数の照明器具の少なくとも2つのグループを識別し、前記少なくとも2つのグループのために意図される命令に応答して前記光源を駆動するように更に構成される請求項1に記載の照明器具。
前記複数の照明器具のそれぞれは、前記グルーピングデータに基づいて、複数のグループのうちの少なくとも1つに自動的に割当てられる請求項16に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のうちの任意の2つの照明器具に関連する前記グルーピングデータは、前記2つの照明器具のうちの第1の照明器具によって提供された前記投光信号が、前記2つの照明器具のうちの第2の照明器具によって受信されたかどうかを示す請求項17に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のうちの任意の2つの照明器具に関連する前記グルーピングデータは、前記2つの照明器具のうちの第1の照明器具によって提供され、及び、前記2つの照明器具のうちの第2の照明器具によって受信された前記投光信号の相対的大きさを示す請求項17に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のそれぞれは、前記複数の照明器具のうちの他の照明器具について収集される前記グルーピングデータを交換し、前記グルーピングデータに基づいて複数のグループのうちの特定のグループに自身を自動的に割当てるように構成され、それにより、前記複数のグループのそれぞれは、前記特定のグループ内の他の照明器具からの前記投光信号を検出できた照明器具を備える請求項16に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のそれぞれは、前記複数の照明器具のうちの他の照明器具について収集される前記グルーピングデータを交換し、前記グルーピングデータに基づいて複数のグループのうちの特定のグループに自身を自動的に割当てるように構成され、それにより、前記複数のグループのそれぞれは、前記特定のグループ内の他の照明器具からの前記投光信号を、設定閾値を超えた大きさで検出できた照明器具を備える請求項16に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のそれぞれによって収集される前記グルーピングデータは、リモートエンティティに送信され、前記リモートエンティティは、前記複数の照明器具を前記グルーピングデータに基づいて複数のグループに割当てる請求項16に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のそれぞれによって収集される前記グルーピングデータは、前記複数の照明器具の1つの照明器具に送信され、前記1つの照明器具は、前記複数の照明器具を前記グルーピングデータに基づいて複数のグループに割当てる請求項16に記載の照明ネットワーク。
各照明器具についての前記光出力レベルは、前記照明器具のセンサを用いて検出される前記周囲光の量に少なくとも部分的に基づいて決定される請求項26に記載の照明ネットワーク。
各照明器具についての前記光出力レベルは、前記照明器具のグループのうちの別の照明器具のセンサを用いて検出される前記周囲光の量に少なくとも部分的に基づいて決定される請求項26に記載の照明ネットワーク。
各照明器具についての前記光出力レベルは、前記照明器具のセンサ及び照明器具の前記グループのうちの別の照明器具のセンサを用いて検出される前記周囲光の量に少なくとも部分的に基づいて決定される請求項26に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のそれぞれは、受信モード中に、関連付けられた光源を駆動して、前記複数の照明器具のうちの他の照明器具がモニターするための前記投光信号を提供するように更に構成される請求項32に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のそれぞれは、前記グルーピングデータに基づいて、複数のグループのうちの少なくとも1つに、前記複数のグループのうちの1つが前記照明器具のグループであるように自動的に割当てられる請求項32に記載の照明ネットワーク。
前記複数の照明器具のそれぞれは、前記複数の照明器具のうちの他の照明器具について収集される前記グルーピングデータを交換し、前記グルーピングデータに基づいて前記複数のグループのうちの特定のグループに、自身を自動的に割当てるように構成にされ、それにより、前記複数のグループのそれぞれは、前記特定のグループ内の他の照明器具からの投光信号を、設定閾値を超える大きさで検出できた照明器具を含む請求項36記載の照明ネットワーク。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[詳細な説明]
以下で述べる実施形態は、当業者が本開示を実施することを可能にし、本開示を実施する最良態様を示すために必要な情報を示す。添付図面に照らして以下の説明を読むと、当業者は、本開示の概念を理解し、本明細書で特に述べられない概念の適用形態を認識するであろう。これらの概念及び適用が本開示及び添付する特許請求の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0022】
「前の(front)」、「前方の(forward)」、「後の(rear)」、「下の(below)」、「上の(above)」、「上側の(upper)」、「下側の(lower)」、「水平の(horizontal)」、及び「垂直の(vertical)」等の相対的用語は、図に示すように、1つの要素、層、又は領域と、別の要素、層、又は領域と、の関係を述べるために、本明細書で使用され得る。これらの用語は、図面に示す配向に加えて、デバイスの様々な配向を包含することを意図されることが理解される。
【0023】
本開示は、照明ネットワークであって、ネットワークにおける照明器具の制御が照明器具間で分散され得る照明ネットワークに関する。照明器具は、異なる照明ゾーンに関連する複数のグループに分割され得る。照明器具の少なくとも幾つかは、占有センサ、周囲光センサなどのような1つ以上のセンサを有する、又は、それに関連付けられる。照明ネットワーク全体又は種々の照明ゾーン内で、照明器具は、センサからのセンサデータを共有し得る。各照明器具は、それが有するセンサ、遠隔のスタンドアロンセンサ又は照明器具によって提供されるセンサデータを処理し、また、照明器具自身の内部ロジックに従ってセンサデータを処理して、照明器具の動作を制御し得る。照明器具はまた、他の照明器具、制御ノード、光スイッチ、及びコミッショニングツールからの制御入力を受信し得る。制御入力は、内部ロジックに従ってセンサデータと共に処理されて、照明器具の制御を更に向上し得る。
【0024】
したがって、本開示の照明ネットワークの制御は、各照明器具が本質的には照明ネットワークから独立して動作するように分散化され得る。しかしながら、照明器具のそれぞれの内部ロジックは、それらの照明器具がグループとして協調動作するように構成される。協調しながら、各照明器具は、特定の照明用途についての目標に応じて異なる方法で動作し得る。照明器具はまた、提示される任意のユーザ入力に応答し得る。
【0025】
例えば、スイッチが使用されて、特定ゾーン内の照明器具の全てをオンし得る。しかし、種々の照明器具によって提供される光の量は、存在する周囲光の量又は照明ゾーンの異なる複数エリア内の相対的占有率に基づいて、一つの照明器具から次の照明器具へと変化し得る。窓に近い照明器具は、内壁に近い照明器具に比べて少ない光、又は、異なる色若しくは色温度の光を提供し得る。更に、人々に近い照明器具、又はより大きなグループの人々に近接する照明器具は、他の照明器具に対してより多くの光、又は、異なる色若しくは色温度の光を提供し得る。例えば、長い廊下では、占有者の存在は、廊下グループの照明器具をオンするだけでなく、種々の器具についての調光レベルに影響する可能性があるため、1人の占有者(複数人の占有者)のすぐ周りのエリア(又は複数のエリア)がより高い光レベルを有する一方、廊下全体は、低い光レベルで点灯される。より多くの占有者を有するエリアは、より少ない又はより多くの占有者を有するエリアより高い光出力を有する可能性がある。移動速度もまた、相対的な光出力レベルに影響する可能性がある。
【0026】
従来の照明制御システムは、中央コントローラに依存して、遠くから全ての決定を行い、種々の照明器具を制御する。本開示の分散型制御アプローチはそのように制限されない。中央コントローラが使用され得るが、中央コントローラからのコマンドは、各照明器具の内部ロジックによって考慮される提案又は単なる別の入力として扱われ得る。本開示に特にユニークであるのは、照明器具間でセンサデータを共有する能力である。センサデータを共有可能であることは、協調方式でグループとして働くように照明器具を別途独立に機能させることを可能にする。
【0027】
例えば、照明ゾーン内の各照明器具は、それ自身の周囲光の測定値を取得し得るが、それ自身の周囲光の測定値に従ってのみ動作するのではなく、周囲光の測定値が、そのグループ内の他の照明器具と共有される。照明ゾーン内の照明器具の全てが、それらの周囲光の測定値を共有すると、各照明器具は、グループ全体からの周囲光の測定値に基づいて平均又は最小光出力を独立に決定することができる。このように、グループ内の照明器具は、互いから独立して動作しながら、互いに一貫性があるように出力を調整する。
【0028】
本開示の詳細を掘下げる前に、分散型照明制御システムが使用され得る例示的な照明器具の概要を述べる。本開示の概念は、任意のタイプの照明システムで使用され得るが、すぐ後に続く説明は、
図1〜3に示す照明器具10等のトロッファ型照明器具における、これらの概念を述べる。開示される照明器具10は、最初に光が光源から上方に放出され、次に下方に反射される間接照明構成を使用するが、直接照明構成もまた、本開示の概念を利用し得る。トロッファ型照明器具に加えて、本開示の概念は、埋め込み型照明構成、壁取付け照明構成、室外照明構成等において使用され得る。同時係属中でかつ同一譲受人に譲渡された、2013年8月20日に出願された米国特許出願第13/589,899号、2012年10月11日に出願された米国特許出願第13/649,531号、及び2012年9月7日に出願された米国特許出願第13/606,713号に対する参照が行われ、それらのコンテンツは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。更に、以下で述べる機能及び制御技法が使用されて、異なるタイプの照明器具、並びに、同じ又は異なるタイプの照明器具の異なるグループを同時に制御し得る。
【0029】
一般に、照明器具10等のトロファ型照明器具は、天井に取付けるように設計される。ほとんどの用途では、トロファ型照明器具は、商業施設、教育施設、又は官公庁施設の吊り天井(図示せず)に取付けられる。
図1〜3に示すように、照明器具10は、正方形又は長方形の外側フレーム12を含む。照明器具10の中央部分には、2つの長方形レンズ14が存在し、長方形レンズ14は、一般に、透明、半透明、又は不透明である。反射体16は、外側フレーム12からレンズ14の外側エッジまで延在する。レンズ14は、反射体16の最も内側の部分の間で細長いヒートシンク18まで有効に延在し、ヒートシンク18は、レンズ14の2つの内側エッジを接合するように機能する。
【0030】
ここで特に
図2及び3を考えると、ヒートシンク18の後側は、LEDアレイ20用の取付け構造を提供し、LEDアレイ20は、適切な基板上に取付けられた個々のLEDの1つ以上の列を含む。LEDは、凹状カバー22に向かって上方に光を主に放出するように配向される。カバー22、レンズ14、ヒートシンク18の後部によって境界付けられる体積は、混合チャンバ24を提供する。したがって、光は、
図3に示すように、LEDアレイ20のLEDからカバー22に向かって上方に発せられ、それぞれのレンズ14を通過するように下方に反射される。特に、LEDから放出される光線全てが、カバー22の底部からダイレクトに離れてし、1回の反射で特定のレンズ14を通過するようには反射しない。光線の多くは、混合チャンバ24内で跳ね返り、他の光線と効果的に混合し、それにより、好ましく均一な光がそれぞれのレンズ14を通じて放出される。
【0031】
多くの変数の中でも、レンズ14のタイプ、LEDのタイプ、カバー22の形状、及びカバー2の底面上の任意のコーティングが、照明器具10によって放出される光の量及び品質に影響を及ぼすことを当業者は認識するであろう。以下でより詳細に論じるように、LEDアレイ20は、異なる色のLEDを含むことができ、種々のLEDから放出される光は、共に混合されて、特定の実施形態用の設計パラメータに基づく所望の色温度及び品質を有する白色光を形成する。
【0032】
図2及び3から明らかであるように、ヒートシンク18の細長いフィンが、照明器具10の底部から見られ得る。ヒートシンク18の上側に沿って熱接触した状態でLEDアレイ20のLEDを設置することは、LEDによって生成されるあらゆる熱が、ヒートシンク18の底側の細長いフィンに効率的に伝達されて、照明器具10が取付けられる部屋内で消散することを可能にする。やはり、
図1〜3に示す照明器具10の特定の構成は、本開示の概念がそこで適用可能である照明器具10用の事実上無限の構成の内の1つに過ぎない。
【0033】
引き続き
図2及び3を参照すると、電子デバイスハウジング26が、照明器具の一端に取付けられて示され、LEDアレイ20に対する電力供給及び制御に使用される電子デバイスの全て又は一部を収容するために使用される。これらの電子デバイスは、適切なケーブル配線28を通じてLEDアレイ20に結合される。
図4を参照すると、電子デバイスハウジング26内に設けられる電子デバイスは、ドライバモジュール30及び通信モジュール32に分割され得る。
【0034】
高いレベルでは、ドライバモジュール30は、ケーブル配線28を通じてLEDアレイ20に結合され、通信モジュール32によって提供される制御情報に基づいてLEDアレイ20のLEDを直接駆動する。ドライバモジュール30は、照明器具10のためのインテリジェンスを提供し、LEDアレイ20のLEDを所望の方式で駆動することが可能である。ドライバモジュール30は、設計者の欲求に応じて、単一の集積モジュールに設けられ得る、又は、2つ以上のサブモジュールに分割され得る。
【0035】
通信モジュール32は、ドライバモジュール30と、他の照明器具10、リモート制御システム(図示せず)、又は、可搬型で手持ち式のコミッショニングツールとの間の通信を容易にするインテリジェント通信インタフェースとして機能し、有線又は無線方式でリモート制御システムと通信する構成にもされ得る。コミッショニングツールは、照明ネットワークのコミッショニングを含む種々の機能のために使用され得るコミッショニングツール36として本明細書で参照される。先に述べたように、これらの通信は、照明ネットワーク内の種々の照明器具10の間でのセンサデータ、命令、及びその他の任意データの共有を含み得る。本質的に、通信モジュール32は、照明器具10の間でのインテリジェンス及びデータの共有を調整(コーディネート)するように機能する。
【0036】
図4の実施形態では、通信モジュール32は、ドライバモジュール30とは別のプリント回路板(PCB)上に実装され得る。ドライバモジュール30及び通信モジュール32のそれぞれのPCBは、通信モジュール32のコネクタがドライバモジュール30のコネクタにプラグインされることを可能にするように構成され得て、通信モジュール32のコネクタがドライバモジュール30のコネクタに差し込まれると、通信モジュール32は、ドライバモジュール30に機械的にマウントされる又は固着される。
【0037】
他の実施形態では、ドライバモジュール30及び通信モジュール32のそれぞれのコネクタを接続するケーブルが使用され得る、通信モジュール32をドライバモジュール30に物理的に結合する他の取付け機構が使用され得る、又は、ドライバモジュール30及び通信モジュール32が電子デバイスハウジング26の内側に別々に固着され得る。こうした実施形態では、電子デバイスハウジング26の内部は、ドライバモジュール30と通信モジュール32の両方を収容するよう適切にサイズ決定される。多くの事例では、電子デバイスハウジング26は、ドライバモジュール30と通信モジュール32の両方のためのプレナム定格格納容器を提供する。
【0038】
図4の実施形態で、通信モジュール32を追加すること又は置換することは、電子デバイスハウジング26の内部にアクセスすることを必要とする。これが望ましくない場合、ドライバモジュール30は、電子デバイスハウジング26内に単独で設けられ得る。通信モジュール32は、電子デバイスハウジング26の外側に露出方式で取付けられ得る、又は、
図5に示すように電子デバイスハウジング26の外側に直接的に又は間接的に接続され得る補助ハウジング34内に搭載され得る。補助ハウジング34は、電子デバイスハウジング26にボルト留めされ得る。補助ハウジング34は、代替的に、スナップフィット又は、フック−アンド−スナップ機構を使用して電子デバイスハウジングに接続され得る。補助ハウジング34は、単独で又は電子デバイスハウジング26の外部表面に結合されたとき、プレナム定格格納容器を提供し得る。
【0039】
電子デバイスハウジング26及び補助ハウジング34がプレナム定格格納容器内に取付けられる実施形態では、補助ハウジング34は、プレナム定格である必要はない。更に、通信モジュール32は、通信モジュール32内に設けられる電子デバイスの性質、照明器具10がどのようにまたどこに取付けられることになるか等に応じて、補助ハウジング34についての必要性がない状態で電子デバイスハウジング26の外部に直接取付けられ得る。通信モジュール32が電子デバイスハウジング26の外側に取付けられる後者の実施形態は、通信モジュール32が、他の照明器具10、リモート制御システム、或は他のネットワーク又は補助デバイスとの無線通信を容易にするときに有益であることがわかるだろう。本質的に、ドライバモジュール30は、無線通信に対して伝導性でない場合があるプレナム定格電子デバイスハウジング26内に設けられ得る。通信モジュール32は、それ自身で電子デバイスハウジング26の外側に、又は、無線通信に対してより伝導性がある補助ハウジング34内に取付けられ得る。ケーブルは、定義された通信インタフェースに従ってドライバモジュール30と通信モジュール32との間に設けられ得る。
【0040】
電子デバイスハウジング26の外側への通信モジュール32の取付けを使用する実施形態は、費用効果性が多少低いが、通信モジュール32又は他の補助デバイスが照明器具10に追加される、点検される、又は置換されることを可能にするときのかなりの柔軟性を提供し得る。通信モジュール32用の補助ハウジング34は、プレナム定格プラスチック又は金属で作られ、スナップ、ネジ、ボルト等を通じて電子デバイスハウジング26に容易に取付けられると共に、通信モジュール32を容易に受容するように構成され得る。通信モジュール32は、スナップフィット、ネジ、ツイストロック等を通じて補助ハウジング34の内側に取付けられ得る。通信モジュール32をドライバモジュール30に接続するために使用されるケーブル配線及びコネクタは、RJ45コネクタ、エッジカードコネクタ、ブラインドメイトコネクタ対、ターミナルブロック及び個々のワイヤ等を有する標準カテゴリ5(cat5)ケーブル等の、利用可能な任意の形態をとり得る。ドライバモジュール30を含む電子デバイスハウジング26に対して外部取付け式通信モジュール32を有することは、所与のドライバモジュール30に対して様々なタイプの通信モジュール32の容易な現場設置を可能にする。
【0041】
一実施形態では、照明器具10の能力は、それらが異なる照明ゾーンに容易にグルーピングされることを可能にする。
図6を参照して、18個の天井取付け式照明器具10が存在すると仮定する。18個の天井取付け式照明器具10は、照明器具A〜Rとして一意に参照され、フロアプランFP
1の、様々な部屋RM
1〜RM
4及び廊下HW
1内に設置される。
【0042】
特に、照明器具Aは部屋RM
1内に存在し、照明器具B〜Eは部屋RM
2内に存在し、照明器具I、J、L、M、Q、及びRは部屋RM
3内に存在し、照明器具N及びOは部屋RM
4内に存在し、照明器具F、G、H、K、及びPは廊下HW
1内に存在する。廊下HW
1からそれぞれの部屋RM
1〜RM
4に入る扉が閉まり、照明器具A〜Rが、投光プロシージャを使用して5つのユニークな照明ゾーンにグルーピングされ得ると仮定する。投光プロシージャにおいて、1つの照明器具A〜Rは、その光出力を調整又は変調し、一方で、他の照明器具A〜Rは、最初の照明器具A〜Rの調整された又は変調された光出力をモニター又は検出しようとする。
【0043】
変調された又は調整された投光信号が、種々の照明器具A〜R内に設けられる、又は種々の照明器具A〜Rに関連付けられる周囲光センサによって検出され得る赤外線光信号等の可視又は近可視の信号であると仮定する。最初に、照明器具Aが可視又は近可視の投光信号を放出し、一方、残りの照明器具B〜Rがそれらの周囲光センサをモニターして、一体化されるか又は関連付けられた周囲光センサによって受信される投光信号の相対的強度を検出すると仮定する。やはり、部屋RM
1と廊下HW
1との間の扉が閉まり、他の照明器具A〜Rはどれも、照明器具Aによって提供される投光信号を検出せず、したがって、照明器具Aが単独でグルーピングされることになると仮定する。次に、照明器具Bが投光信号を提供し、照明器具A及びC〜Rが、照明器具Bによって提供される投光信号をモニターし始めることになる。この事例では、照明器具Cが投光信号を比較的強く検出し、照明器具Dが投光信号をより弱く検出し、照明器具Eが、投光信号が少しでも検出される場合、かすかな投光信号を検出することになる。
【0044】
相対的大きさが、照明器具C〜Eのそれぞれによってモニターされる投光信号に割当てられ得る。これらの大きさが使用されて、
図7に示す表、又は、特定の照明器具A〜Rに該当する表の一部等に投入され得る。この例では、照明器具Bによって放出される投光信号は、照明器具Cで0〜1.0の範囲に対し0.7の相対的強度を割当てられ、照明器具Dで0.3の相対的強度を、照明器具Eで0.1の相対的強度を割当てられる。部屋RM
2と廊下HW
1との間の扉が閉じているため、他の照明器具A又はF〜Rはどれも、照明器具Bからの投光信号を検出できない。
【0045】
次に、照明器具Cが投光信号を提供し始め、他の照明器具A、B、及びD〜Rが、照明器具Cによって提供される投光信号をモニターし始めることになる。部屋RM
2内の照明器具B、D、及びEは、投光信号を検出し、その投光信号について相対的大きさを割当てることになる。それらの大きさは、
図7に提供される。やはり、照明器具A及びF〜Rは、それらの相対的な場所のせいで投光信号を検出しない。このプロセスは、残りの照明器具D〜Rのそれぞれについて系統的に反復され、それにより、
図7の表が完全に埋められる。種々の照明器具A〜Rの信号強度の大きさを解析することによって、照明器具A〜Rの種々のグループを、関連する照明ゾーンに容易に分割することができる。視覚的に、照明器具Aは、それ自身によるゾーン内にあるべきであり、照明器具B〜Eは、第2のゾーン内にあるべきであり、照明器具I、J、L、M、Q、及びRは、第3のゾーン内にあるべきであり、照明器具N及びOは、第4のゾーン内にあるべきであり、照明器具F、G、H、K、及びPは、第5のゾーン内にあるべきであると容易に判定することができる。これらのゾーンのそれぞれは、部屋RM
1〜RM
4及び廊下HW
1内の種々の照明器具A〜Rの配置に直接対応する。様々な部屋の照明器具A〜Rを、対応するゾーンに単にグルーピングすることに加えて、投光信号の相対的大きさに基づいて互いに対する種々の照明器具A〜Rの相対的近接性及び配置を容易に判断することができる。
【0046】
以下で更に述べるように、種々の照明器具A〜Rはまた、互いからのRF信号強度をモニターし得る。種々の照明器具A〜Rの間のRF信号強度を使用して、照明器具A〜R間の距離及び照明器具A〜Rの相対的場所を判定し得る。更に、互いに対するグループ間の相対的距離及びグループの相対的場所を判定し得る。このように、相対的な距離及び場所は、投光信号、RF信号強度、又はそれらの組合せを使用して、RFネットワーク内の全ての器具及びそれらの任意のグループに対して判定し得る。その結果を使用して、照明ネットワーク内の照明器具A〜R及び他の要素のスケーリングされたマップを生成し得る。そのマップは、コミッショニングツール36も含み得る。RF信号強度を使用することに加えて、マイクロフォン及びスピーカが、グルーピングのための投光技法、通信等に関連して又はそれに代えて使用される可能性がある。各照明器具A〜Rは、マイクロフォン又は同様の音響(音波又は超音波)センサ、並びに、オーディオ増幅器及びスピーカ(音波又は超音波)を有する、又は、それに関連付けられる可能性がある。
【0047】
マイクロフォンは、照明器具が、「より明るく(brighter)」、「より暗く(dimmer)」、「オン(on)」、又は「オフ(off)」(あるいは、他の音響データ、おそらくは占有に関する足音)のような音声コマンドを捕捉し、音響情報を処理することを可能にするだろう。この情報によって、照明器具は、光源を望ましい方式で制御する、他の照明器具A〜R(又は他のノード)にコマンドを発行する、又は、音響情報を他の照明器具A〜R(又は他のノード)と共有し得る。照明器具A〜Rによって提供される又は照明器具A〜Rに関連付けられる分散型マイクロフォンのネットワークは、音がどこからやって来るか(ユーザが同じ部屋にいるか?)のようなことだけでなく、音源がどの方向にまたどれだけ速く移動しているかもまた判定し得る(ユーザが出口に向かって急いでいる、又は更に「火事だ(fire)」と大声で叫んでいる場合、緊急事態が存在するかもしれず、空間が、安全のためにより十分に照明されるべきである)。
【0048】
オフィス空間を静かに保つために全てが一緒に働く、ノイズ抑制又はノイズ消去照明器具のネットワークを提供する可能性もまた存在する。周囲ノイズの影響を減少させるように構成されるスピーカは、白色又はピンクノイズで駆動され得る。真のノイズ消去のために、照明器具A〜Rの1つ又はグループでマイクロフォンによってモニターされる周囲ノイズは、反転され(又は、周囲ノイズに対して位相がずれるように再生され)、近傍の占有者に対しノイズ消去効果を提供することになるボリュームで、対応するスピーカによって再生され得る。
【0049】
特に、各照明器具A〜Rは、
図7に示すように、自身の表、又は表の一部を生成し得る。例えば、各照明器具A〜Rは、他の照明器具A〜Rからの投光信号の相対的大きさを格納する配列を単に維持し得る。この事例では、照明器具A〜Rのそれぞれは、コマンドに応答して、投光信号が少しでも検出された又はある大きさを超えて検出された照明器具A〜Rだけとデータを共有する。これらの事例では、各照明器具A〜Rは、自身をゾーンに効果的に関連付けることができる。あるいは、投光信号データの全てを、マスター照明器具10に送出することができ、マスター照明器具10は、
図7の表についてのデータの全てを収集し、データを解析し、照明器具A〜Rのそれぞれを種々のゾーンに割当て、ゾーン化情報を照明器具A〜Rに通信することができる。更に、マスター照明器具10によって提供される処理はまた、コミッショニングツール36又は中央制御システム等のリモート制御エンティティに外部委託され得る。
【0050】
前の例では、廊下HW
1の扉の全ては閉じられた。したがって、種々の照明器具A〜Rを5つの異なるゾーンにグルーピングすることは比較的明確であり、部屋RM
1〜RM
4又は廊下HW
1にある照明器具の全ては、異なるゾーンにグルーピングされた。このように、照明器具A〜Rはどれも2つ以上のゾーンに割当てられなかった。
【0051】
しかし、ある照明器具A〜Rを2つ以上のゾーンに割当てることが望ましい場合がある。一例として、部屋RM
1に入る扉が、通常、開口している場合、廊下HW
1内にある照明器具F及びGを、照明器具Aを含む部屋RM
1用のゾーンに何らかの方式で関連付けることが望ましい場合がある。引き続きこの概念によって、照明器具Aが投光信号を提供しているとき、廊下HW
1の照明器具F及びGが投光信号を検出し得る。同様に、照明器具F及びGは、投光信号を提供しているとき、それぞれの他の投光信号を捕捉し、照明器具Aは、照明器具F及びGの投光信号を同様に捕捉し得る。したがって、各照明器具A、F、及びG又は別の制御エンティティは、投光信号情報を解析し、
図8Aに示すように、照明器具A、F、及びGをゾーンZ
1に関連付けることになる。廊下HW
1の扉の全てが開口したままである場合、投光プロセスは、部屋RM
2の照明器具B、C、D、及びEが、
図8Bに示すゾーンZ
2において、廊下HW
1の照明器具G、H、及びKと共にグルーピングされるように継続し得る。同様に、部屋RM
3の照明器具I、J、L、M、Q、及びRはまた、
図8Cに示すゾーンZ
3において、廊下HW
1の照明器具G、H、及びKに関連付けられ得る。部屋RM
4の照明器具N及びOは、
図8Dに示すゾーンZ
4において、廊下HW
1の照明器具F及びGに関連付けられ得る。
【0052】
廊下HW
1を参照すると、扉が全て開口しているとき、照明器具H、G、K、及びPは、種々の部屋RM
1〜RM
4の種々の照明器具A、B、C、I、L、N、及びOに関連付けられ得る。これが望まれない場合、ユーザは、照明器具F、G、H、K、及びPだけがゾーンZ
4に関連付けられるように、種々の照明器具A〜Rのグルーピングを修正することができ、これは、
図8Eに示すように廊下HW
1だけのための照明を示す。したがって、照明器具10の自動グルーピングは、照明器具10のそれぞれとの直接相互作用を通じて、又は、コミッショニングツール36のようなリモート制御エンティティから、容易に修正され得る。照明器具10がどのように、互い通信し、データを共有し、協調して動作するかに関する更なる詳細は、以下で更に提供される。
【0053】
図9を参照すると、プロセスに関係する各照明器具の例示的な投光プロセス及び機能を示すために、部分的な通信フローが提供される。同じ部屋にあると仮定される照明器具B〜Dの動作が強調表示される。最初に、照明器具Bは、照明器具A、又はある他の制御エンティティからの命令に基づいて投光モードに入ることを決定する(ステップ100)。投光モードに入ることを決定することは、内部的に、有線又は無線ネットワークを通じて外部入力から、又は、光学的に或るシグネチャを有する投光信号を受信することに応じて、引き起こされ得る。例えば、照明器具Bは、時刻に基づいて、定期的に、センサの測定値に基づいて、又は手動(ユーザ)要求に応答して投光モードに入り得る。あるいは、投光信号は、常にモニターされ、モニタリングする照明器具10によって自動的に検出及び測定される光の特定のオフ/オンシグネチャ又は変調の形態をとり得る。
【0054】
投光モードに入ると、照明器具Bは、照明器具Bからの投光信号を探す命令を、直接に又はブロードキャスト信号を介して他の照明器具10に送信する。特に、これらの命令は、1つの照明器具10から別の照明器具10に直接送信され得る、又は、照明器具ネットワーク全体にわたって1つの照明器具10から別の照明器具10に中継され得る。図示されるように、照明器具Bによって提供される投光信号を探す命令は、照明器具Cによって受信され(ステップ102)、照明器具Dに中継される(ステップ104)。しかしながら、命令は、中継されることなしに、照明器具Bから照明器具Dに直接送信されてもよい。
【0055】
この時点で、照明器具C及びDは共に、照明器具Bによって提供される投光信号をモニターし始めることになる(ステップ106及び108)。したがって、照明器具Bは、投光信号を提供するために、その光源を何らかの方式で調整又は変調し始めることになる(ステップ110)。特に、投光信号は、1つの照明器具10から別の照明器具10に中継されない光信号である。代わりに、照明器具C及びDは、その投光信号を検出し処理して、グルーピングデータを生成する(ステップ112及び114)。グルーピングデータは、
図7の表に関連して論じるように、投光信号が検出されるか否か、又は所与の閾値を超えて検出されるか否かを単に判定することから、相対的大きさを投光信号に割当てることまでに及び得る。一定時間後に、照明器具Bは、投光信号を提供することを停止し(ステップ116)、照明器具Cが投光モードに入るための命令を提供する(ステップ118)。代替的に、コミッショニングツール36等のリモート制御エンティティは、投光モードに入る命令を照明器具Cに提供し得る。この時点で、照明器具Cは、投光モードに入ることを決定し(ステップ120)、プロセスは、照明器具Cについて繰返される。このイベントのシーケンスは、照明ネットワーク内の照明器具10のそれぞれについて続けられる。
【0056】
投光信号を処理することに関して、受信側の照明器具10によってモニターされる投光信号測定値は、送信側の照明器具10、受信側の照明器具10、又は両方のIDに関連付けられ得る。送信側の照明器具10は、(ステップ110の)投光信号を探すメッセージ内に提供されるID、又は、送信側の照明器具10のIDを含む若しくはその照明器具10に関連するユニークな変調信号に基づいて識別され得る。関連付けは、内部又はリモート制御システムによって行われ得る。更に、関連付けは、タイムスタンプ処理することに基づいて、又は、異なる照明器具10による投光信号の送信を同期化することに基づいて行われ得て、それにより、送信側の照明器具10は、種々の受信側の照明器具10からの投光信号測定値に関連付けられ得る。
【0057】
受信側の照明器具10は、受信側の照明器具10の付属ID、及び、投光信号を特定の送信側の照明器具10と関連付けるために使用され得る同期化情報又は識別情報と共に、投光信号測定値をレポートし得る。タイムスタンプ情報又は他のセンサ情報は、こうした測定値レポートに含まれ得る。これらのタイプの投光信号測定値レポートは、
図7に示すような情報の表を、異なる時間に対して展開するために使用され得て、更には他のセンサパラメータを含み得る。したがって、より大きな粒状性が、照明器具10の制御又は光グルーピングにもたらされ、制御の型が、様々な時間に、及び/又はセンサからの様々な入力に基づいて変化し得る。例えば、制御は、1時間に1回、又は、あるセンサの測定値がモニターされると変化し得る。
【0058】
このプロセス全体にわたって又はプロセスの終わりに、照明器具10のそれぞれは、グルーピングデータを交換する、又は、グルーピングデータをマスター照明器具10若しくはリモート制御エンティティに提供して、グルーピングデータを処理し、種々の照明器具10を対応するゾーンに割当てる(ステップ122)。主に分散型制御プロセスにおいて、照明器具10のそれぞれに設けられる内部ロジックは、照明器具10が、グルーピングデータに基づいて自身を適切なゾーンに効果的に割当てることを可能にする。照明器具10が、ゾーンに割当てられている、又は、照明器具10のグループに関連付けられているとして自身を識別すると、種々の情報が、所与のゾーン内の照明器具10間で交換され得る。この情報は、センサデータから、動作を制御するための命令に及び得る。
【0059】
投光技法はまた、占有又は非占有を検出するのに使用され得る。照明器具10(及びその他の投光能力があるデバイス)は、おそらく人の目に見えないか又は知覚されない方法で、定期的に又は比較的連続的に投光を提供して、空いた部屋に対して投光の測定値を相対比較するように構成され得る。参照投光測定値の変化は、占有者の存在を示し、変化量は占有者の数を示し、変化の場所は占有者の場所を示し得る。参照投光測定値への戻りは、そのエリアが空になったことを示し、したがって、従来の身体の熱又はモーションセンサを使用して空きをチェックする必要性を潜在的に除去する。
【0060】
特に、肯定応答が、各通信信号又はメッセージに応答して、並びに、投光信号を検出すると提供され得る。これらの肯定応答は、照明器具内通信を支援する有線又は無線ネットワークを通じて提供され得る、又は、肯定応答を示す一定の変調シグネチャを有するタイプの投光信号を使用して光学的に提供され得る。肯定応答信号又は他の応答信号を使用して、ステータス、信号強度情報、追加情報の要求等を交換し得る。所与の照明システム内で、様々な通信技法(有線、無線、投光変調)が、様々な型の通信、データ/情報交換、制御等のために使用され得る。通信はまた、従来技法を用いてAC電力線を通じて提供され得る。
【0061】
図10を参照すると、通常ゾーン又は照明ネットワーク内の種々の照明器具10間でセンサデータがどのように交換され得るかを示すために、部分的な通信フローが提供される。照明器具B、C、及びDが特定のゾーンに割当てられていると仮定する。動作中、照明器具B、C、及びDは、センサデータをモニター及び交換し、センサデータをまとめて使用して、それぞれの光出力をどのように調整するかを決定する。最初に、照明器具Bは、付属する周囲光センサ、占有センサ、又は他のセンサからのデータであるそのセンサデータをモニターする(ステップ200)。照明器具Bは、そのゾーン内の他の照明器具C及びDにそのセンサデータを送信する(ステップ202)。一方、照明器具Cは、そのセンサデータをモニターし(ステップ204)、センサデータを照明器具B及びDに提供する(ステップ206)。同様に、照明器具Dは、そのセンサデータをモニターし(ステップ208)、センサデータを照明器具C及びBに提供する(ステップ210)。そのため、照明器具B、C、及びDは、それ自身のセンサデータ及びそのゾーン内の他の照明器具のセンサデータにアクセスする。この例はゾーン指向型であるが、照明ネットワーク全体の照明器具10の全てが、互いに全てのセンサデータを提供し得る、又は、照明ネットワーク内の照明器具の全て又はある一定の照明器具に、一定のセンサデータを提供し得る。所与のゾーン内で、器具の一グループは、それら自身の周囲光センサがそのゾーン内の残りの照明器具より多くの光を検出する場合、1つ以上の別個の(又はサブ)ゾーンに、自身を分離し得る。これは、窓に最も近い光のグループに対応する可能性がある。
【0062】
比較的連続的な方式で、照明器具Bは、それ自身のセンサからのセンサデータ並びに他の照明器具C及びDからのセンサデータを処理し(ステップ212)、その光出力をセンサデータに基づいてどのように調整するかを決定する(ステップ214)。したがって、照明器具Bは自身の光出力を独立に制御する。しかし、照明器具Bの内部ロジックは、その光出力をどのように調整するかを正確に決定する場合、それ自身のセンサデータだけでなく他の照明器具C及びDからのセンサデータもまた考慮し得る。独立しているが協調した方式で、照明器具C及びDはまた、それらのセンサデータ及び他の照明器具からのセンサデータを処理し、そのセンサデータに基づいてそれらの光出力を調整する(ステップ216〜222)。
【0063】
興味深いことに、異なる照明器具B、C、及びDの内部ロジックは、互いに全く同じになるように、又は互いに異なるように機能する構成にされ得る。例えば、照明器具B、C、及びDは、そのゾーン内の他の照明器具B、C、及びDと同じ重み付けをセンサデータに適用し得る。そのため、それ自身のセンサから及び他の照明器具B、C、及びDから同じセンサデータが与えられると、各照明器具B、C、及びDは、その光出力をまさに同じ方式で調整する。内部ロジックが照明器具B、C、及びDの間で変わる場合、それぞれの照明器具B、C、及びDの光出力は、同じセンサデータが与えられる場合、変わり得る。特に、センサデータは、異なる型のセンサからのデータを含み得る。例えば、周囲光センサと占有センサの両方からのセンサデータは、それぞれの光出力をどのように調整するかを決定するために、各照明器具B、C、及びDの内部ロジックによって指示されるように、交換及び処理され得る。
【0064】
センサデータを交換し、それを考慮して動作を制御することに加えて、照明器具B、C、及びDはまた、自分自身のセンサデータ並びに他の照明器具B、C、及びDから受信されるセンサデータを使用して、他の照明器具B、C、及びDの動作を制御し得る。
図11を参照すると、その概念を示すために、部分的な通信フローが示される。最初に、照明器具B及び照明器具Dが、それらのそれぞれのセンサからセンサデータを収集し、そのセンサデータを照明器具Cに提供すると仮定する(ステップ300及び302)。図示されないが、照明器具Cは、自身のセンサデータを他の照明器具B及びDに提供し得る。照明器具Cはまた、それ自身のセンサデータをモニターし(ステップ304)、自身のセンサからのセンサデータ並びに他の照明器具B及びDからのセンサデータを処理して(ステップ306)、照明器具B及びDに対する命令を生成し得る(ステップ308)。命令は、生成されると、それぞれの照明器具B及びDに提供され得る(ステップ310及び312)。したがって、照明器具Bは、照明器具Bの内部ロジックによって、照明器具Cから提供される命令、照明器具Dのセンサデータ、又はその組合せに基づいてその光出力を調整し得る(ステップ314)。照明器具Cは、それ自身のセンサデータ、又は、それ自身のセンサデータと照明器具B及びDから受信されるセンサデータとの組合せに基づいて、その光出力を調整し得る(ステップ316)。照明器具Bと同様に、照明器具Dは、照明器具Cから受信される命令、照明器具Dからのセンサデータ、又はその組合せに基づいて、その光出力を調整し得る(ステップ318)。
【0065】
実用的な例として、照明器具B、C、及びDは、光出力の強度、光出力の色温度、光出力の色、又はその任意の組合せに影響し得る周囲光情報を共有し得る。しかし、照明器具Cはまた、占有センサに関連付けられ得る。したがって、照明器具Cによって照明器具B及びDに提供される命令は、オンすること、ある一定のレベル、色温度、又は色で光出力を提供することを照明器具B及びDに指示し得る。照明器具B及びDは、これらの命令に直接応答し得る、又は、それらのそれぞれの内部ロジックに照らしてこれらの命令を処理して、オンするかどうか、また、それぞれの光出力をどのように制御するかを決定し得る。したがって、1つの照明器具10から別の照明器具10に提供される命令は、絶対コマンドとして考えられ、それに従って応答され得る、又は、命令を受信する照明器具10のプログラミングに応じて単なる「提案(suggestion)」として考えられ得る。例えば、照明器具Bがオンするように照明器具Cが指示する上記シナリオでは、照明器具Bがオンする必要性を否定する、照明器具Bで測定される十分な太陽光が存在し得る。又は、照明器具Bが、オンすることを決定しない場合、光の色、強度、又は色温度は、照明器具Bで測定される太陽光の量及び色によって調整され得る。やはり、本開示で述べる分散型制御は、これらの照明器具10が、内部ロジックがそのように指示する場合、独立であるがしかし協調動作することを可能にする。
【0066】
図12の部分的な通信フローに示すように、1つの照明器具10から別の照明器具10に提供される命令は、中間照明器具10を通じて中継され得る。更に、命令は、1つの照明器具10から別の照明器具10に渡されるときに、内部ロジック、センサデータ等に基づいて修正され得る。最初に、照明器具A、コミッショニングツール36、又は、何らかの他の制御ポイント、スイッチ、若しくはノードが、命令を照明器具Bに提供すると仮定する(ステップ400)。照明器具Bは、これらの命令を受信し、未修正の命令を、照明器具C等の1つ以上の他の照明器具10に渡し得る(ステップ402)。照明器具Bは、その後、自身のセンサデータをモニターし(ステップ404)、センサデータを処理し(ステップ406)、自身のセンサデータ、他の照明器具のセンサデータ、提供される命令、又はその組合せに基づいて、照明器具Cを含む他の照明器具10に対する修正した命令を生成し得る(ステップ408)。修正された命令は、照明器具C等の他の照明器具10に送信され得る(ステップ410)。照明器具Bは、その後、自身のセンサデータ、他の照明器具のセンサデータ、受信される命令に基づいてその光出力を調整し得る(ステップ418)。照明器具Cは、自身のセンサデータをモニターし(ステップ412)、そのセンサデータを処理し(ステップ414)、種々のセンサデータ、修正された命令、未修正の命令、又はその組合せに基づいて、光出力を調整し得る(ステップ416)。センサデータを共有し、互いに通信し、内部ロジックに従って独立に動作するこの能力を通じて、種々の照明器具10は、照明構成にとてつもない柔軟性を提供する。
【0067】
図13A及び13Bを参照すると、照明器具A〜Rを有するフロアプランFP2が示される。
図13Aでは、照明器具A〜Rは、部屋の窓側の端から最も遠い6つの照明器具A、B、G、H、M、及びNがオンのときにフル光出力であり、部屋の中央の6つの照明器具C、D、I、J、O、及びPがオンのときに中間光出力を生成し、窓に最も近い6つの照明器具E、F、K、L、Q及びRがオンのときに最も少ない量の光出力を生成し、太陽光が、照明器具A〜Rのうちの1つ以上によって検出されるように、グルーピングされ得る。この事例では、最も多くの周囲太陽光を有する部屋の部分が、最も少ない量の人工光を使用する。照明器具A〜Rのそれぞれは、その部屋に関して全体のゾーンに、また、6つの照明器具A〜Rの3つのセットのそれぞれに関して異なるサブゾーンに関連付けられる。照明器具A〜Rは、周囲太陽光が検出されると3つの別個の光出力レベルを提供する3つのグループに分割されるが、照明器具A〜Rは、照明器具A〜Rの全てが、周囲太陽光が検出されると異なる強度(又は色及び色温度)で光出力を提供するように構成され得る。
【0068】
例えば、また
図13Bを参照すると、照明器具A〜Rのそれぞれは、同じゾーン内にあるものとして扱われ得るが、光出力は、ゾーン全体にわたって生じる勾配の対象となる。勾配は直線又は非直線であり得る。例えば、どの窓からも最も遠い照明器具Mは、最も多くの光出力を提供することになり、一方、最も多くの周囲太陽光を受けるエリア内にあるような照明器具Fは最も少ない光出力を提供する。
【0069】
照明器具MとFとの間の照明器具のそれぞれは、照明器具A〜Rの間で共有される定義された直線又は非直線勾配に従って連続的に減少する量の光出力を提供し得る。特に、勾配は、照明器具A〜Rの全ての照明器具で知ることができ、勾配は、利用可能な周囲太陽光の量に基づいて連続的に調整される。そのため、勾配の有効傾斜は、照明器具Fが周囲太陽光の最大量を検出し、照明器具MとFとの間の光出力差が最大であるときに最大である。夜間、周囲太陽光が全く存在せず、もしあっても非常にわずかな光が窓を通じて受け取られるとき、照明器具A〜Rの全ては、そのゾーン内の他の照明器具A〜Rと周囲光センサデータを共有する、窓に最も近い照明器具A〜Rに基づいて、同じ量の光出力を提供することを決定し得る。やはり、照明器具A〜Rは、自身の又は共有されたセンサデータに基づいて独立に機能することが可能である。種々のセンサデータに基づいて光出力を制御するために使用される内部ロジックは、固定であり得る、手動調整され得る、照明器具A〜Rの間での相互作用に基づいて動的に調整され得る。
【0070】
引き続き
図13A及び13Bを参照すると、出入り口(図示せず)が照明器具Aの近くに位置付けられ、少なくとも照明器具Aが占有センサS
Oを有する又はそれに関連付けられると仮定する。更に、照明器具A〜Rの全て又は少なくとも幾つかの照明器具が周囲光センサS
Aを有しており又はそれに関連付けられており、目下のところオフ状態にあると仮定する。誰かが出入り口を通じて部屋に歩いて入るとき、占有センサS
Oは、占有信号を提供することになり、占有信号は、その部屋が現在占有されていることを照明器具Aに報知することになる。これに呼応して、照明器具Aは、他の照明器具B〜Rの全てがオンするように指示する、ようにプログラムされ得る。あるいは、照明器具Aは、その占有センサ(又は、他のセンサ)情報を他の照明器具B〜Rと共有することができ、他の照明器具B〜Rは、自身の内部ロジックを独立に使用して、占有センサ情報を処理し、自身をオンする。
【0071】
あるいは、照明器具Aは、ゾーンに関連付けられたサブグループだけがオンするように指示し得る。後者の場合、照明器具Aは、照明器具A、B、G、H、M、及びNだけがオンするように指示する、ようにプログラムされ得る。部屋内の他のゾーン[C、D、I、J、O、P]及び[E、F、K、L、Q、R]は、これらのゾーンに関連付けられた占有センサS
Oが占有を検出するときにだけ、ターンオンし得る。いずれの場合も、照明器具A〜Rの全ては、窓及びもしかすると出入り口を通じて受け取られる周囲光の量をモニターし、オンされると出力すべき光のレベル、色、及び色温度を個々に制御し得る。レベル、色、及び色温度は、周囲光レベルが変化するにつれて動的に変化し得る。
【0072】
別の照明器具によりオンするよう指示される代わりに、照明器具A〜Rのそれぞれは、占有センサS
Oを有し又はそれに関連付けられ、占有を検出することに対して独立に反応し得る。占有センサS
Oは、人々の移動又は存在を検出することができる、任意の利用可能なタイプのモーション、熱等のセンサ技術を使用し得る。照明器具A〜Rはまた、別の照明器具A〜Rからの光が検出されるときにオンするようにプログラムされる可能性がある。そのため、占有を検出することに応答して照明器具Aがオンするとき、他の照明器具B〜Rは、照明器具Aからの光の存在を検出し、照明器具Aがオンすることによる光を検出することに応答してオンすることになる。
【0073】
ある実施形態では、照明器具A〜Rの1つだけが、オン/オフスイッチ又は調光器に有線又は無線で結合される必要がある。照明器具Aがスイッチ又は調光器に結合される場合、照明器具Aは、他の照明器具がオンする(及び、一定レベルまで調光する)ように指示し得る。あるいは、照明器具Aは、単にオンして一定の出力レベルになるだけであり得る。他の照明器具B〜Rは、照明器具Aがオンする結果としての光、おそらくは、関連付けられた周囲光センサS
Aを通じた相対的な調光レベルを検出して、オンし、ある出力レベルになる。検知されない場合、相対的な調光レベルは、照明器具Aによって照明器具B〜Rと共有され得る。
【0074】
ネットワークのインテリジェンスは、実質的に無限であり、非常にインテリジェントな照明システムについての可能性を与える。例えば、照明器具A〜Rは、互いに対する自分の相対的な場所を判定可能であり得る(プログラムされ得る)。占有センサS
Oを使用して、照明器具A〜Rのまとまったグループは、履歴的な占有データに基づいて予測アルゴリズムを開発し、これらの予測アルゴリズムを使用して、どれだけの期間、光をオンに維持するか、人が歩いて部屋に入る又は廊下を通るときにどんな光がオンされるべきか等を決定するように構成され得る。例えば、廊下に沿う照明器具10は、順次に、及び、人が歩いて廊下を通ることに十分に先んじてオンし得る。光は、順次に、及び、同様に人の背後でオフし得る。光を順次にオンすることは、人を検出する第1の照明器具10によって引き起こされ得るが、廊下内の残りの照明器具10は、予測アルゴリズムにおいて具現化されるヒストリカルな歩行速度、経路等に基づいて順次オンし得る。照明器具10のそれぞれは、センサデータ、命令等を共有し、そして、この共有情報に照らして独立に動作し得る。
【0075】
「光追跡(light tracking)」の上記概念は、2つの例で以下に示される。第1の例の場合、
図8Aに対して参照が行われ、
図8Aは、人が廊下HW
1に沿って歩行する場合の光追跡の例を提供する。人が照明器具Fの近くで廊下に入り、照明器具Pの近くで廊下を出ると仮定する。同様に、照明器具F、G、H、K、及びPのそれぞれが占有センサS
Oを含むと仮定する。人が照明器具Fの近くで廊下に入ると、照明器具Fは、その占有センサS
Oによって人の存在を検知し、自身をオンする。照明器具Fは、照明器具Fがユーザを検出したことを照明器具Gに報知するようにプログラムされ得る。照明器具Gは、照明器具Hが目下のところオフであることをわかっており、照明器具Fがユーザの存在を検出しているため、予測方式で自身をオンし得る。照明器具Gは、その後、人の存在を検出する場合、照明器具H及び照明器具Fに報知し得る。照明器具Hは、照明器具Gの占有センサが人を検出したという指示を受信すると、オンし得る。照明器具Hが、その占有センサS
Oによって人の存在を検出する場合、照明器具K、照明器具G、及び照明器具Fに報知し得る。照明器具Fは、この情報を、人が廊下HW
1に沿って照明器具Pに向かって移動しているという指示として考え、したがってもはや必要とされないとして、オフし得る。照明器具Gは、当分の間、オンのままである場合があり、一方、照明器具Kは、予測方式でオンする。このプロセスは、1つ、2つ、又は3つ以上の光が、人の目下の場所の近くのHW
1においてオンになるように継続し得る。隣接する占有センサの検出間の時間はまた、人が移動する速度を概算するために使用され得る。これは、人又は物体がどこに進んで行くかを予測するために使用され得る。例えば、誰かが部屋に入るために減速する場合、その部屋の光が、それに従って反応し得る。
【0076】
更に、光が互いに通信し、それらの占有センサ情報を共有する能力は、廊下HW
1内の照明器具のグループが、人の目下の場所を照明し、人が特定の照明器具に達する前に照明器具を予測的にオンすることを可能にする。もちろん、廊下HW
1内の照明器具の全ては、照明器具Fが人の存在を検出するとオンし、ある時間後に照明器具F、G、H、K、及びPがどれも人の存在を検出しないときにオフし得る。更に別の追跡の例として、照明器具F、G、H、K、及びPのそれぞれは、単に、人の存在を検出するとオンし、人の存在をもはや検出しない一定時間後に、又は、そのグループ内の照明器具がどれも人の存在を検出しない場合にオフし得る。
【0077】
追跡の概念は、複数の部屋又は戸外のエリア等のより大きなエリアに同様に適用可能である。以下の例について
図13A及び13Bに対する参照が行われる。単純化した例では、照明器具A〜Rのそれぞれは、占有センサS
Oを含み、以下のようにプログラムされ得る。特定の照明器具A〜Rについての占有センサS
Oが人の存在を検出する場合、その照明器具は、オンし、隣接する照明器具が、まだオンでない場合、オンするように即座に指示する。したがって、照明器具A〜Rうちの異なる照明器具又はグループが、オンし、部屋の中の人々を追跡し得る。人の存在を検出した照明器具(及び、その照明器具によってオンするように指示された照明器具)は、人の存在がもはや検出されなくなった後の設定された期間、オンに留まり得る。先の例は、部屋占有の単純化した追跡及びそれに基づく照明器具のオン又はオフであるが、予測アルゴリズムもまた使用され得る。例えば、人が照明器具Mの近くで部屋に入り、部屋を横切って照明器具Fに近い反対側の角まで斜めに歩くと仮定する。照明器具Mは、人の存在を検出すると、オンし、照明器具G、H、及びNがオンするように指示し得る。残りの照明器具はオフのままである。照明器具Nが、その後、人の存在を検出する場合、照明器具Nは、オンのままであり、照明器具I及びOがオンするように指示する。その理由は、照明器具Mが最初に人を検出し、現在、照明器具Nが人を検出していることを照明器具Nがわかっているからである。照明器具Iは、人を検出すると、オンしていることを照明器具B、C、D、H、J、N、O、及びPにも報知し、また、照明器具Mにも報知し得る。照明器具Mは、人の存在をもはや検出せず、また、照明器具Mが人の存在をもはや検出せず、照明器具N及びIが、その後、人の存在を検出したという知識に基づいてオフし得る。このプロセスは、人が部屋の対応するエリアを去った後に照明器具M、H、N、等がオフするため、照明器具J、K、E、L、及びFが漸進的にオンするように、部屋を横切って継続し得る。そのため、基本的な追跡及び予測制御は、実質的に任意の環境で使用されて、部屋、グループ等の中の照明器具を、選択的にオン及びオフする又はその他の方法で制御し得る。
【0078】
ここで
図14を参照すると、一実施形態に従う照明器具10のブロック図が提供される。説明のために、ドライバモジュール30、通信モジュール32、及びLEDアレイ20が最終的に接続されて、照明器具10のコアを形成すること、及び、通信モジュール32が、有線又は無線技術を通じて、他の照明器具10、コミッショニングツール36、又は他の制御エンティティと双方向に通信するように構成されると仮定する。この実施形態では、標準的な通信インタフェース及び第1の又は標準的なプロトコルが、ドライバモジュール30と通信モジュール32との間で使用される。この標準的なプロトコルは、ドライバモジュール30及び通信モジュール32が共に、標準的な通信インタフェースによって使用される標準的なプロトコルに従って動作すると仮定すると、様々なドライバモジュール30が様々な通信モジュール32と通信し、様々な通信モジュール32によって制御されることを可能にする。用語「標準的なプロトコル(standard protocol)」は、任意のタイプの、公知である又は将来開発される、独自又は業界標準化されたプロトコルを意味するものと定義される。
【0079】
図示される実施形態では、ドライバモジュール30及び通信モジュール32は、通信(COMM)バス38及び電力(PWR)バス40を介して結合される。通信バス38は、通信モジュール32がドライバモジュール30から情報を受信すると共に、ドライバモジュール30を制御することを可能にする。典型的な通信バス38は、周知の集積回路間(I
2C:inter−integrated circuitry)バスであり、集積回路間(I
2C)バスは、シリアルバスであり、データ線とクロック線を使用する2ワイヤインタフェースによって通常実装される。他の利用可能なバスは、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)バス、ダラス セミコンダクタ コーポレーションの1ワイヤシリアルバス、ユニバーサルシリアルバス(USB)、RS−232、マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッドのUNI/O(登録商標)等を含む。
【0080】
この実施形態では、ドライバモジュール30は、周囲光センサS
A及び占有センサS
Oからデータを収集し、LEDアレイ20のLEDを駆動するように構成される。周囲光センサS
A及び占有センサS
Oから収集されるデータ並びにドライバモジュール30の任意の他の動作パラメータは、通信モジュール32と共有され得る。したがって、通信モジュール32は、ドライバモジュール30の構成又は動作に関するデータ、及び、LEDアレイ20、周囲光センサS
A、及び占有センサS
Oによってドライバモジュール30に利用可能にされる任意の情報を収集し得る。収集されたデータは、通信モジュール32によって使用されてドライバモジュール30がどのように動作するかを制御し得る、他の照明器具10若しくは制御エンティティと共有され得る、又は、他の照明器具10に送信される命令を生成するために処理され得る。
【0081】
通信モジュール32はまた、コミッショニングツール36や別の照明器具10のようなリモート制御エンティティによって、全体的に又は部分的に制御され得る。一般に、通信モジュール32は、センサデータ、及び、他の照明器具10又はリモート制御エンティティによって提供される命令を処理し、次に、命令を、通信バス38を通じてドライバモジュール30に提供する。別の見方では、通信モジュール32が、占有検知、周囲光検知、調光器スイッチ設定等を含むシステムの情報の共有を容易にし、この情報をドライバモジュール30に提供し、ドライバモジュール30が、その後、自身の内部ロジックを使用して、とるべきアクション(複数可)を決定する。ドライバモジュール30は、LEDアレイ20に提供する駆動電流又は電圧を適宜制御することによって応答する。仮定のプロトコルに関する例示的なコマンドセットが以下に提供される。
【0083】
上記表は、4つの列、すなわち、コマンド、ソース、レシーバ、及び説明を有する。コマンドは、通信モジュール32からドライバモジュール30に、又はドライバモジュール30から通信モジュール32に渡される実際の命令を示す。ソースは、コマンドの送信者を識別する。レシーバは、意図されるコマンドの受信者を識別する。通信列は、コマンドの説明を提供する。例えば、「オン/オフ(on/off)」コマンドは、通信モジュール32からドライバモジュール30に送信され、LEDアレイ20をオンする又はオフするよう通信モジュール32がドライバモジュール30に指示することを有効に可能にする。「色温度」コマンドは、所望の色温度を生成するようにLEDアレイ20を駆動することを通信モジュール32がドライバモジュール30に指示することを可能にする。「色温度」コマンドは、実際には、所望の色温度又は利用可能な色温度に対する参照を含み得る。
【0084】
「調光レベル」コマンドは、通信モジュール32からドライバモジュール30に送信されて、所望の調光レベルに基づいて、全体的な光レベルを設定する。「器具ID」コマンドは、ドライバモジュール30が、通信モジュール32に対して、自身の身元を明らかにすることを可能にする。「健全度」コマンドは、ドライバモジュール30が通信モジュール32にその動作能力又は換言すれば健全度に関する情報を送信することを可能にする。「電力使用」コマンドは、ドライバモジュール30が通信モジュール32に、ドライバモジュール30の能力に応じて、どれだけの電力が平均して又は任意の所与の時間にドライバモジュール30によって使用されるかを教えることを可能にする。「使用」コマンドは、ドライバモジュール30が、通信モジュール32に対して総使用時間、一貫性の使用についての総使用時間等を明らかにすることを可能にする。「寿命」コマンドは、ドライバモジュール30が通信モジュール32に、ドライバモジュール30、LEDアレイ20、又はその組合せの有効余寿命の推定値を提供することを可能にする。ドライバモジュール30の能力に基づいて、余寿命の量は、過去の使用、周囲温度、電力レベル等に起因し得る。
【0085】
「ゾーンID」コマンドは、ドライバモジュール30が通信モジュール32に、どのゾーンにドライバモジュール30が存在するかを教えることを可能にする。このコマンドは、他の照明器具10又はリモート制御エンティティが複数の照明器具を制御し、照明器具10が存在するゾーンに関する情報を収集するときに有用である。「温度」コマンドは、ドライバモジュール30が通信モジュール32に対してドライバモジュール30又はLEDアレイ20についての周囲温度情報を提供することを可能にする。
【0086】
「緊急時使用可能」コマンドは、ドライバモジュール30が通信モジュール32に、照明器具10が、緊急時照明のために使用され得る緊急時使用可能器具であることを教えることを可能にする。「緊急時健全度」コマンドは、ドライバモジュール30が、当該ドライバモジュール30又は照明器具10が緊急時照明器具として機能する能力に関する情報を提供することを可能にする。簡単な実施形態では、そのコマンドは、緊急の場合に照明器具10を駆動するために利用可能にされた緊急時バックアップ電池の状態を提供し得る。「緊急時試験」コマンドは、照明器具10が、必要とされる場合、緊急時照明モードで動作することができることを保証する緊急時照明試験を実行する命令を通信モジュール32がドライバモジュール30に送信することを可能にする。「緊急時パス」コマンドは、ドライバモジュール30が通信モジュール32に、緊急時試験に通った(又は落ちた)ことを知らせることを可能にする。上記コマンドは、情報の流れの方向を主に述べる。しかし、プロトコルは、通信モジュール32又はドライバモジュール30が、この情報又は他の情報のどちらの情報も、特別に又はバッチで、選択的に又は定期的に要求することを可能にし得る。
【0087】
ドライバモジュール30と通信モジュール32との間の通信のための標準的な通信インタフェース及び標準的なプロトコルの使用は、ドライバモジュール30及び通信モジュール32に対するモジュール式アプローチを支援する。例えば、異なる製造業者は、特定のドライバモジュール30とインタフェースする様々な通信モジュール32を作り得る。異なる通信モジュール32は、異なる照明用途、利用可能な特徴、価格帯等に基づいて、ドライバモジュール30を異なる方法で駆動するように構成され得る。したがって、通信モジュール32は、様々なタイプのドライバモジュール30と通信するように構成され得る。通信モジュール32がドライバモジュール30に結合されると、通信モジュール32は、ドライバモジュール30のタイプを識別し、それに従ってドライバモジュール30とインタフェースする。更に、ドライバモジュール30は、異なる照明パラメータの種々の範囲にわたって動作可能であり得る。異なる通信モジュール32は、これらのパラメータをいろいろな程度に制御するように構成され得る。第1の通信モジュール32は、限られたパラメータセットに対するアクセスを与えられるだけであり得て、別の通信モジュール32は、ずっと大きなパラメータセットに対するアクセスを与えられ得る。以下の表は、所与のドライバモジュール30に対する例示的なパラメータセットを提供する。
【0089】
上記表のパラメータは、所与のドライバモジュール30に対する利用可能な制御ポイントを示し得る。所与のパラメータセットは、製造過程でドライバモジュール30に割当てられ得る、又は、照明器具10の設置過程で又は通信モジュール32をドライバモジュール30に関連付けるときに通信モジュール32によって設定され得る。パラメータセットは、パルス幅変調(PWM)調光周波数、最高光レベル、及び色温度等の種々のパラメータを含む。パラメータセットは、これらのパラメータのそれぞれについての許容可能な範囲を示す。各パラメータは、設計者の希望又は特定の用途に応じて、通信モジュール32又はリモート制御システムによって、動作中等に、パラメータセットにおいて特定される範囲内に設定され得る。
【0090】
一例として、例示的なパラメータセットに対する最高光レベルは、ドライバモジュール30及び関連付けられたLEDアレイ20の能力の50%〜100%のどこからでも設定され得ることを示す。照明器具10を使用する照明システムのエンドユーザ又はオーナーが、しかるべき指示を開始する場合、最高光レベルは、適切なパラメータフィールドにおける80%に設定され得る。したがって、通信モジュール32がドライバモジュール30にLEDアレイ20の最大能力の80%を超えて照明レベルを増加させるコマンドを提供しても、ドライバモジュール30は、80%を超えるようにはLEDアレイ20を駆動しない。これらのパラメータは、ドライバモジュール30又は通信モジュール32内で不揮発性メモリに格納され得る。
【0091】
ある実施形態では、ドライバモジュール30は、交流(AC)入力信号(AC IN)を処理し、通信モジュール32及びおそらくはLEDアレイ20に電力供給するのに十分な、適切な整流済み又は直流(DC)信号を提供するのに十分な電子デバイスを含む。したがって、通信モジュール32は、通信モジュール32内に存在する電子デバイスに電力供給する別個のAC−DC変換回路を必要とせず、電力バス40を通じてドライバモジュール30からDC電力を単に受け取ることができ、電力バス40は、以下で述べるように、通信バス38から分離され得る、又は、通信バス38と統合され得る。
【0092】
一実施形態において、標準的な通信インタフェースの一側面は、標準的な電力伝送システムの定義である。例えば、電力バス40は、5ボルト、12ボルト、24ボルト等のような低電圧レベルに設定され得る。ドライバモジュール30は、AC入力信号を処理して、定義された低電圧レベルを提供し、その電圧を、電力バス40を通じて提供するように構成され、したがって、通信モジュール32又は補助デバイスは、通信モジュール32の電子デバイスに電力供給するため、DC電力信号に接続すること又はAC信号を処理することを心配することなく、所望の低電圧レベルがドライバモジュール30によって電力バス40を通じて提供されることを予想して設計され得る。
【0093】
LEDアレイ20、ドライバモジュール30、及び通信モジュール32の例示的な実施形態の説明は次の通りである。述べたように、LEDアレイ20は、
図15及び16に示すLED42等の複数のLEDを含む。
図15を参照すると、単一LEDチップ44は、はんだ又は導電性エポキシを使用して反射性カップ46上に取付けられ、それにより、LEDチップ44のカソード(又はアノード)についてのオーミックコンタクトが反射性カップ46の底に電気的に結合される。反射性カップ46は、LED42の第1のリード線48に結合される又は一体成形される。1つ以上のボンドワイヤ50は、LEDチップ44のアノード(又はカソード)についてのオーミックコンタクトを第2のリード線52に接続する。
【0094】
反射性カップ46は、LEDチップ44を封入する封入材料54で充填され得る。封入材料54は、透明であり得る、又は、以下でより詳細に述べる蛍光体等の波長変換材料を含み得る。アセンブリ全体が、透明の保護樹脂56内に封入され、透明の保護樹脂56は、LEDチップ44から放出される光を制御するため、レンズ形状に成形され得る。
【0095】
LED42に対する代替パッケージが
図16に示され、ここでは、LEDチップ44が基板58上に取付けられる。特に、LEDチップ44のアノード(又はカソード)についてのオーミックコンタクトは、基板58の表面上の第1のコンタクトパッド60に直接取付けられる。LEDチップ44のカソード(又はアノード)についてのオーミックコンタクトは、同様に基板58の表面上にある第2のコンタクトパッド62にボンドワイヤ64を使用して接続される。LEDチップ44は、反射体構造65のキャビティ内に存在し、反射体構造65は、反射性材料から形成され、LEDチップ44から放出される光を、反射体構造65によって形成される開口を通じて反射するように機能する。反射体構造65によって形成されるキャビティは、LEDチップ44を封入する封入材料54で充填され得る。封入材料54は、透明であり得る、又は、蛍光体等の波長変換材料を含み得る。
【0096】
図15及び16の実施形態のいずれかにおいて、封入材料54が透明である場合、LEDチップ44によって放出される光は、色の実質的なシフトが全くない状態で、封入材料54及び保護樹脂56を通過する。したがって、LEDチップ44から放出される光は、事実上LED42から放出される光である。封入材料54が波長変換材料を含む場合、第1の波長範囲のLEDチップ44によって放出される光の実質的に全て又は一部は、波長変換材料によって吸収され得て、波長変換材料は、これに応じて、第2の波長範囲の光を放出する。波長変換材料の濃度及びタイプは、LEDチップ44によって放出される光のどれだけが波長変換材料によって吸収されるか、及び、波長変換の程度に影響する。LEDチップ44によって放出される光の一部が、吸収されることなく波長変換材料を通過する実施形態では、波長変換材料を通過する光は、波長変換材料によって放出される光と混合される。そのため、波長変換材料が使用されると、LED42から放出される光は、LEDチップ44から放出される実際の光から色がシフトされる。
【0097】
例えば、LEDアレイ20は、BSY又はBSG LED42のグループ、及び赤色LED42のグループを含み得る。BSY LED42は、青味がかった光を放出するLEDチップ44を含み、波長変換材料は、青色光を吸収し、黄味がかった光を放出する黄色蛍光体である。青味がかった光の一部が蛍光体を通過する場合でも、BSY LED42全体から放出される結果として生じる光の混合物は、黄味がかった光である。BSY LED42から放出される黄味がかった光は、1931CIE色度図上の黒体軌跡(BBL)上に乗る色点を有し、BBLは白色光の種々の色温度に対応する。
【0098】
同様に、BSG LED42は、青味がかった光を放出するLEDチップ44を含む。しかし、波長変換材料は、青色光を吸収し、緑味がかった光を放出する緑色蛍光体である。青味がかった光の一部が蛍光体を通過する場合でも、BSG LED42から放出される結果として生じる光の混合物は、緑味がかった光である。BSG LED42から放出される緑味がかった光は、1931CIE色度図上のBBL上に乗る色点を有し、BBLは白色光の種々の色温度に対応する。
【0099】
赤色LED42は、一般に、BSY又はBSG LED42の黄味がかった光又は緑味がかった光のように、BBLの反対側の色点で赤味がかった光を放出する。したがって、赤色LED42からの赤味がかった光は、BSY又はBSG LED42から放出される黄味がかった光又は緑味がかった光と混合されて、所望の色温度を有し、BBLの所望の近傍内に落ちる白色光を生成する。実際には、赤色LED42からの赤味がかった光は、BSY又はBSG LED42からの黄味がかった光又は緑味がかった光を、BBL上の又はBBLの近くの所望の色点に引寄せる。特に、赤色LED42は、生来的に赤味がかった光を放出するLEDチップ44を有し得て、そこでは、波長変換材料は使用されない。あるいは、LEDチップ44は、波長変換材料に関連付けられ得て、そこでは、波長変換材料から放出される結果として生じる光、及び波長変換材料によって吸収されることなくLEDチップ44から放出される任意の光が混合されて、赤味がかった所望の光を形成する。
【0100】
BSY又はBSG LED42を形成するために使用される青色LEDチップ44は、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、シリコンカーバイド(SiC)、セレン化亜鉛(ZnSe)、又は同様な材料系から形成され得る。赤色LEDチップ44は、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaP)、ガリウムリン(GaP)、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、又は同様な材料系から形成され得る。例示的な黄色蛍光体は、セリウムをドープしたイットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce)、黄色BOSE(Ba、O、Sr、Si、Eu)蛍光体等を含む。例示的な緑色蛍光体は、緑色BOSE蛍光体、ルテチウムアルミニウムガーネット(LuAg)、セリウムをドープしたLuAg(LuAg:Ce)、ニュージャージ州08540、プリンストン、201ワシントンロードのライトスケープ マテリアルズ インコーポレイテッドからのMaui M535等を含む。上記LEDアーキテクチャ、蛍光体、及び材料系は、単なる例示であり、本明細書で開示される概念に適用可能であるアーキテクチャ、蛍光体、及び材料系の網羅的リストを提供することを意図しない。
【0101】
述べたように、LEDアレイ20は、赤色LED及びBSY又はBSG LED42の混合物を含み得る。LEDアレイ20を駆動するためのドライバモジュール30は、本開示の一実施形態に従って
図17に示される。LEDアレイ20は、直列接続されたLED42の2つ以上のストリングに電気的に分割され得る。図示されるように、3つのLEDストリングS1、S2、及びS3が存在する。明確にするため、参照数字「42」は、以下のテキストにおいてLED42の色を示す下付き文字を含むことになり、「R」は赤色に対応し、「BSY」は青色からシフトされた黄色に対応し、「BSG」は青色からシフトされた緑色に対応し、「BSX」は、BSG又はBSY LED42に対応する。LEDストリングS1は、幾つかの赤色LED42
Rを含み、LEDストリングS2は、幾つかのBSY又はBSG LED42
BSXを含み、LEDストリングS3は、幾つかのBSY又はBSG LED42
BSXを含む。ドライバモジュール30は、それぞれのLEDストリングS1、S2、及びS3に送出される電流を制御する。LED42を駆動するために使用される電流は、一般に、パルス幅変調(PWM)され、パルス電流のデューティサイクルが、LED42から放出される光の強度を制御する。
【0102】
第2のLEDストリングS2内のBSY又はBSG LED42
BSXは、第3のLEDストリングS3内のBSY又はBSG LED42
BSXよりわずかに青味がかった色相(より黄味がかっていない色相又は緑味がかっていない色相)を有するように選択され得る。したがって、第2及び第3のストリングS2及びS3を通じて流れる電流は、第2及び第3のLEDストリングS2、S3のBSY又はBSG LED42
BSXによって効果的に放出される黄味がかった光又は緑味がかった光を制御するように調節され得る。第2及び第3のLEDストリングS2、S3の異なる色相のBSY又はBSG LED42
BSXから放出される黄味がかった光又は緑味がかった光の相対的強度を制御することによって、第2及び第3のLEDストリングS2、S3からの黄味がかった光又は緑味がかった光の組合せ光の色相が、所望の方式で制御され得る。
【0103】
第1のLEDストリングS1の赤色LED42
Rを通じて提供される電流と第2及び第3のLEDストリングS2及びS3のBSY又はBSG LED42
BSXを通じて提供される電流との比は、赤色LED42
Rから放出される赤味がかった光と種々のBSY又はBSG LED42
BSXから放出される黄味がかった又は緑味がかった光の組合せ光との相対的強度を有効に制御するために、調整され得る。したがって、BSY又はBSG LED42
BSXからの黄味がかった又は緑味がかった光の強度及び色点は、赤色LED42
Rから放出される赤味がかった光の強度を基準にして設定され得る。結果として生じる黄味がかった又は緑味がかった光は、赤味がかった光と混合されて、所望の色温度を有し、BBLの所望の近傍内に落ちる白色光を生成する。
【0104】
特に、LEDストリングS
Xの数は、1から多数まで変わり、LEDの色の様々な組合せが、様々なストリングにおいて使用され得る。各LEDストリングSxは、赤色、緑色、及び青色等の、同じ色、同じ色の複数のバリエーション、又は実質的に異なる複数色のLED42を有し得る。一実施形態では、単一LEDストリングが使用され得て、そのストリング内のLEDは、全て色が実質的に同一であるか、実質的に同じ色で変化するか、又は、異なる色を含む。別の実施形態では、赤色、緑色、及び青色LEDを有する3つのLEDストリングS
Xを使用することができ、各LEDストリングS
Xは単一の色に対して専用である。更に別の実施形態では、少なくとも2つのLEDストリングS
Xを使用することができ、様々な色のBSY LEDがそれらLEDストリングS
Xの1つで使用され、赤色LEDがそれらLEDストリングS
Xのうちの他のLEDストリングS
Xで使用される。
【0105】
図17に示すドライバモジュール30は、一般に、整流器及び力率改善(PFC)回路66、変換回路68、及び制御回路70を含む。整流器及び力率改善回路66は、AC電力信号(AC IN)を受けて、AC電力信号を整流し、AC電力信号の力率を補正するように構成される。その結果生じる信号は、変換回路68に提供され、変換回路68は、整流済みのAC電力信号をDC電力信号に変換する。変換回路68によって提供されるDC電力信号は、DC−DC変換回路によって1つ以上の所望のDC電圧に昇圧又は降圧され得る。ドライバモジュール30内に設けられる制御回路70及び任意の他の回路に電力供給するために、内部的に、DC電力信号が使用され得る。
【0106】
DC電力信号はまた、標準的な通信インタフェースの一部であり得る、1つ以上の電力ポートに結合される電力バス40に提供される。電力バス40に提供されるDC電力信号を使用して、電力バスに結合される1つ以上の外部デバイスであって、ドライバモジュール30とは別の外部デバイスに電力を提供し得る。これらの外部デバイスは、通信モジュール32、及び、以下で更に論じられる任意の数の補助デバイスを含み得る。したがって、これらの外部デバイスは、電力についてドライバモジュール30に頼ることができ、相応して、効率的かつ費用効果的に設計され得る。ドライバモジュール30の整流器及びPFC回路66及び変換回路68は、ドライバモジュール30の内部回路及びLEDアレイ20に電力を供給することだけでなく、これらの外部デバイスにも電力を供給することが必要されることを予想してロバストに設計される。こうした設計は、電源についての必要性を除去しない場合、電源設計を大幅に簡略化し、これらの外部デバイスについてのコストを低減する。
【0107】
図示されるように、DC電力信号は、ケーブル配線28によってLEDアレイ20に接続される別のポートに提供され得る。この実施形態では、DC電力信号の供給ラインは、最終的に、LEDアレイ20におけるLEDストリングS1、S2、及びS3のそれぞれの第1端に結合される。制御回路70は、ケーブル配線28によってLEDストリングS1、S2、及びS3のそれぞれの第2端に結合される。任意の数の固定又は動的パラメータに基づいて、制御回路70は、各LEDストリングS1、S2、及びS3を流れるパルス幅変調電流を個々に制御してもよく、それにより、得られるLEDストリングS1、S2、及びS3から放出される白色光は、所望の色温度を有し、BBLの所望の近傍内に落ちる。LEDストリングS1、S2、及びS3のそれぞれに提供される電流に影響を及ぼし得る多くの変数の幾つかは、AC電力信号の大きさ、得られる白色光、ドライバモジュール30又はLEDアレイ20の周囲温度を含む。特に、LEDストリングS1、S2、及びS3に提示される駆動電圧及び電流を制御するための他のアーキテクチャを当業者が認識することになるため、この実施形態でLEDアレイ20を駆動するために使用されるアーキテクチャは例示に過ぎない。
【0108】
ある事例では、調光デバイスはAC電力信号を制御する。整流器及びPFC回路66は、AC電力信号と関係する相対的な調光量を検出し、対応する調光信号を制御回路70に提供するように構成され得る。調光信号に基づいて、制御回路70は、LEDストリングS1、S2、及びS3のそれぞれに提供する電流を調整して、所望の色温度を維持しながら、LEDストリングS1、S2、及びS3から放出される、結果として生じる白色光の強度を効果的に減少させる。調光命令は、あるいは、通信モジュール32から制御回路70に通信バス38を介したコマンドの形態で送出され得る。
【0109】
LED42から放出される光の強度又は色は、周囲温度によって影響を受ける可能性がある。サーミスタS
T又は他の温度検知デバイスに関連付けられる場合、制御回路70は、悪い温度の影響を補償しようと、周囲温度に基づいてLEDストリングS1、S2、及びS3のそれぞれに提供する電流を制御し得る。LED42から放出される光の強度又は色はまた、経時的に変化する可能性がある。LED光センサS
Lに関連付けられる場合、制御回路70は、LEDストリングS1、S2、及びS3によって生成される、結果として生じる白色光の色を測定し、LEDストリングS1、S2、及びS3のそれぞれに提供する電流を調整して、得られる白色光が所望の色温度又は他の所望の計量値を維持することを保証し得る。制御回路70はまた、占有及び周囲光情報に関する占有及び周囲光センサS
O及びS
Aの出力をモニターし得る。
【0110】
制御回路70は、中央処理ユニット(CPU)を含み、更には、上述した標準プロトコル等の定義されたプロトコルを使用して、適切な通信インタフェース(I/F)74を通じて通信バス38上で、制御回路70が通信モジュール32又は他のデバイスと双方向通信することを可能にするのに十分なメモリ72を含み得る。制御回路70は、通信モジュール32又は他のデバイスからの命令を受信し、受信した命令を実現するため適切なアクションをとり得る。命令は、LEDアレイ20のLED42がどのように駆動されるかを制御することから、制御回路70によって収集された、温度、占有、光出力、又は周囲光情報等の動作データを、通信バス38を介して通信モジュール32又は他のデバイスに返すことに及び得る。
図21に関連して以下で更に述べるように、通信モジュール32の機能は、ドライバモジュール30に統合され得る、また、その逆も同様である。
【0111】
図18を参照すると、通信モジュール32の一実施形態のブロック図が示される。通信モジュール32は、CPU76、及び、本明細書で述べる動作を容易にするため、必須のソフトウェア命令及びデータを含む付属のメモリ78を含む。CPU76は、通信インタフェース80に関連付けられ得て、通信インタフェース80は、通信バス38を介して直接的又は間接的にドライバモジュール30に結合される。CPU76はまた、有線通信ポート82、無線通信ポート84、又は両方に連結されて、他の照明器具10及びリモート制御エンティティとの有線又は無線通信を容易にし得る。
【0112】
通信モジュール32の能力は、実施形態ごとに著しく変わり得る。例えば、通信モジュール32は、ドライバモジュール30と他の照明器具10又はリモート制御エンティティとの間の単純なブリッジとして働き得る。こうした実施形態では、CPU76は、他の照明器具10又はリモート制御エンティティから受信されるデータ及び命令をドライバモジュール30に主に渡すことになる、また、その逆も同様である。CPU76は、ドライバモジュール30と通信モジュール32との間の通信、並びに、通信モジュール32とリモート制御エンティティとの間の通信を容易にするために使用されるプロトコルに基づいて必要に応じて命令を翻訳し得る。他の実施形態では、CPU76は、照明器具10の間でインテリジェンスをコーディネートし、データを共有するとき、並びに、ドライバモジュール30の、完全でない場合、かなりの制御を提供するときに重要な役割を果たす。通信モジュール32は、自身でドライバモジュール30を制御できる場合があるが、CPU76はまた、他の照明器具10又はリモート制御エンティティからデータ及び命令を受信し、この情報を使用して、ドライバモジュール30を制御するように構成され得る。通信モジュール32はまた、関連付けられたドライバモジュール30からのセンサデータに基づく他の照明器具10及びリモート制御エンティティに対する命令、並びに他の照明器具10及びリモート制御エンティティから受信されるセンサデータ及び命令を提供し得る。
【0113】
CPU76、メモリ78、通信インタフェース80、並びに、有線及び/又は無線通信ポート82及び84に対する電力は、電力ポートを介して電力バス40を通じて提供され得る。先に述べたように、電力バス40は、DC電力信号を生成するドライバモジュール30からその電力を受け取り得る。したがって、通信モジュール32は、AC電力に接続される、又は整流器及び変換回路を含む必要がない場合がある。電力ポート及び通信ポートは、別個であり得る、又は、標準的な通信インタフェースと統合され得る。電力ポート及び通信ポートは、明確にするため別々に示される。通信バス38は多くの形態をとり得る。一実施形態では、通信バス38は、2ワイヤシリアルバスであり、コネクタ又はケーブル配線構成は、通信バス38及び電力バス40が、4つのワイヤ、すなわち、データ、クロック、電力、及びグラウンドを使用して設けられるように構成され得る。
【0114】
他の実施形態では、通信バス38及び電力バス40は、効果的に組み合わされて、
図19に示すように、双方向通信を支援するだけでなく、DC電力もまた提供する通信バス38
Pを提供し得る。4ワイヤシステムでは、2つのワイヤはデータ及びクロック信号のために使用され、別の2つのワイヤは、電力及びグラウンドのために使用され得る。通信バス38
P(又は通信バス38)の可用性により、補助モジュールを通信バス38
Pと結合することが可能になる。
図19に示すように、ドライバモジュール30、通信モジュール32、及び補助センサモジュール86は全て、通信バス38
Pに結合され、それらの間の通信を容易にするため標準プロトコルを使用するように構成される。補助センサモジュール86は、占有、周囲光、光出力、温度等を検知し、対応するセンサデータを通信モジュール32又はドライバモジュール30に提供するように特別に構成され得る。補助センサモジュール86を使用して、様々な照明用途又は要件に基づくドライバモジュール30並びに通信モジュールについての異なる型の補助制御を提供し得る。
【0115】
任意の数の機能又は制御技術が補助センサモジュール86によって使用され得るが、幾つかの例が
図20に示される。図示される補助センサモジュールは、占有モジュール86
O、周囲光モジュール86
A、温度モジュール86
T、及び緊急時モジュール86
Eを含む。占有モジュール86
Oは、占有センサによって構成され、照明器具10が取付けられる部屋が占有されているかどうかに関する情報を提供するように機能し得る。部屋が最初に占有されると、通信モジュール32は、照明器具10が有効にオンされるようにLEDアレイ20を駆動することを、ドライバモジュール30に対して指示し、同じゾーン内の他の照明器具10に対して、同じことを行う命令を提供し得る。
【0116】
周囲光モジュール86
Aは、周囲光を測定し、周囲光の特徴を判定し、次に、こうした情報を通信モジュール32又はドライバモジュール30に提供することが可能な周囲光センサを含み得る。結果として、周囲光の量又は特徴に基づく方法でLEDアレイ20を駆動するように、通信モジュール32はドライバモジュール30に対して指示する、又は、ドライバモジュール30は独立に機能する。例えば、大量の周囲光が存在する場合、ドライバモジュール30は、LEDアレイ20を、その最高光出力の20%に対応するレベルに駆動するだけであり得る。周囲光がほとんど又は全く存在しない場合、ドライバモジュール30は、LEDアレイ20を最大能力で又は最大能力の近くで駆動し得る。より洗練された実施形態では、周囲光モジュール86
A、ドライバモジュール30、又は通信モジュール32は、周囲光の品質を解析し、ドライバモジュール30に、周囲光の品質に基づく方法でLEDアレイ20を駆動させ得る。例えば、周囲光の中に比較的大きな赤味がかった光が存在する場合、周囲光モジュール86
Aは、効率が低い赤色LED42
Rが通常より低いレベルで駆動されるように、LEDアレイ20を駆動することをドライバモジュール30に対して指示し、照明器具10の総合効率を改善し得る。通信モジュール32は、他の照明器具10又はリモート制御エンティティと周囲光データを共有し得ると共に、1つ以上の照明器具10からの周囲光データを処理し、それに基づいて他の照明器具10に命令を提供し得る。
【0117】
温度モジュール86
Tは、部屋、LEDアレイ20、又は、任意のモジュールに関連付けられた電子デバイスの周囲温度を判定することが可能なセンサを含み得る。周囲温度データを使用して、ドライバモジュール30に適切な方式でLEDアレイ20を駆動させ得る。最後に示す補助センサモジュールは、緊急時モジュール86
Eである。緊急時モジュール86
Eは、用途型モジュールを示し、全体として照明器具10が、緊急時モジュール86
Eに関連付けられると、緊急時照明器具として動作するよう変換され得る。緊急時モジュール86
Eは、ドライバモジュール30と通信し、AC入力信号(AC IN)の状態、ドライバモジュール30の動作状態等を判定し、次に、ドライバモジュール30を適切な方式で制御する、又は、動作状態に関する情報を通信モジュール32に提供することができ得る。例えば、AC入力信号(AC IN)の電源異常が存在する場合、緊急時モジュール86
Eは、電池バックアップ電源(図示せず)に切り換え、緊急時照明条件用の適切なレベルでLEDアレイ20を駆動するようにドライバモジュール30に対して指示し得る。緊急時モジュール86
Eはまた、AC入力信号(AC IN)、ドライバモジュール30、又はLEDアレイ20についての種々の計量値を読み出し、この情報を通信モジュール32に渡し得る。通信モジュール32は、その後、その情報を渡す、又は他の照明器具10若しくはリモート制御エンティティに対する命令を生成し得る。
【0118】
通信バス38
Pに結合される種々のモジュールについて、一実施形態では、モジュールのそれぞれに一意のIDを割当てることにより、他のモジュールの1つ以上が、それらを一意に識別することができる。識別子はまた、モジュールの機能又はタイプに対応し得る。したがって、ドライバモジュール30は、通信バス38
P上に存在する種々の補助センサモジュール86及び通信モジュール32を識別し、これらのモジュールによって提供される機能を認識可能であり得る。したがって、ドライバモジュール30又は通信モジュール32は、種々のモジュールによって受信されるコマンドに優先順位を付け、モジュール間の競合を管理することができる。
【0119】
図21を参照すると、上述したドライバモジュール30及び通信モジュール32の機能が統合された実施形態が提供される。本質的に、制御回路70は、通信モジュール32の機能を含むように拡張される。したがって、上述したように、制御回路70は、種々の有線又は無線通信ポート82’及び84’と関連付けられて、他の照明器具10又はリモート制御エンティティとの通信を容易にし得る。こうした実施形態は、一般に、製造するのに費用がかからないが、別個の通信モジュール及びドライバモジュール30を使用する上記実施形態と同程度の柔軟性を提供しないかもしれない。
【0120】
図22に示すように、スタンドアロンセンサモジュール86’が照明システム内に設けられ得る。スタンドアロンセンサモジュール86’は、図示される周囲光センサS
A及び占有センサS
O等の1つ以上のセンサを含み、これらのセンサを持たない照明器具10に近接して位置付けられ得る。したがって、これらのセンサを持たない照明器具10の通信モジュール32は、スタンドアロンセンサモジュール86’と通信して、周囲光、占有、又は他の利用可能なセンサデータを取得し、次に、上述したように機能し得る。したがって、照明システムのゾーン又はエリア内の照明器具10の一部又は全ては、センサ又は一定タイプのセンサを持つ必要はない。例えば、部屋内の照明器具10の一部又は全てが、周囲光センサS
Aを有し得る。しかし、その部屋に少なくとも占有センサS
Oを有する1つ以上のスタンドアロンセンサモジュール86’が利用可能である場合、それら照明器具10は全く占有センサS
Oを必要としない場合がある。
【0121】
スタンドアロンセンサモジュール86’の電子デバイスは、通信モジュール32と同様に見える場合がある。例えば、通信モジュール32は、CPU76’、及び、本明細書で述べる動作を容易にするため、必須のソフトウェア命令及びデータを含む付属メモリ78’を含む。CPU76’はまた、有線通信ポート82、無線通信ポート84、又は両方に関連付けられて、他の照明器具10及びリモート制御エンティティとの有線又は無線通信を容易にし得る。スタンドアロンセンサモジュール86’はまた、センサデータに加えて、制御命令を、照明システムの他の照明器具10に提供するように構成され得る。種々のタイプの制御が、自身のセンサデータ並びに他の照明器具10及びスタンドアロンセンサモジュール86’から収集されるセンサデータに基づいて提供され得る。
【0122】
図23を参照すると、例示的なコミッショニングツール36が示される。コミッショニングツール36は、CPU88、及び、上述した機能を容易にするのに十分なメモリ90を含み得る。CPU88は、キーパッド94及びディスプレイ96に関連付けられ得て、キーパッド94及びディスプレイ96は、組合せによりユーザインタフェースを提供するように機能する。キーパッドは、従来の英数字キーパッド及び/又は特別に割当てられた機能を有するシリーズのボタンであり得る。ディスプレイ96は、別個のハードウェアベースのキーパッド94が必要とされないタッチスクリーンディスプレイであり得る。ステータスインジケータ98を使用して、機能のステータス、あるアクティビティ等に関するユーザフィードバックを提供し得る。CPU88は、照明器具10、他の制御エンティティ、スタンドアロンセンサモジュール86’等のうちの任意のものとの有線又は無線通信を容易にする、有線通信インタフェース100及び無線通信インタフェース102等の1つ以上の通信インタフェースに関連付けられる。LEDドライバ104はまた、通信インタフェースとして機能し、コミッショニングツール36が、周囲光センサS
A又は他の光受信器を装備する照明器具10、センサ、及びスイッチと通信することを可能にし得る。通信のために使用される周囲光は、可視及び/又は非可視光スペクトル内に存在し得る。例えば、通信は赤外線であり得る。
【0123】
コミッショニングツール36内の電子デバイスの全ては、電池などの適切な電源106から電力供給され得る。コミッショニングツール36を使用して、照明器具10、センサ、及びスイッチをプログラムすると共に、任意の設定を調整し、設定をロードし、センサデータを受信し、命令を提供すること等を行い得る。本質的に、コミッショニングツール36は、照明器具10及びスタンドアロンセンサ及びスイッチのそれぞれに対するポータブルユーザインタフェースとして機能し得ると共に、種々のデータ処理及び制御がそれを介して提供され得るリモート制御エンティティとして機能し得る。通常、コミッショニングツール36を使用して、照明ネットワークのセットアップを開始し、ネットワークに対して調整を行い、照明ネットワークから情報を受信する。コミッショニングツール36は、照明ネットワークが別のリモート制御エンティティに対する接続を容易にする他のインタフェースを全く持たないときに特に有用である。
【0124】
照明器具10及び任意のスタンドアロンセンサ及びスイッチが設置されると、アドレス又はIDがデバイスに事前プログラムされていない場合、コミッショニングツール36が最初に使用されて、アドレス又はIDが、照明器具10及びスタンドアロンセンサ及びスイッチに割当てられ得る。コミッショニングツール36が同様に使用されて、種々の照明器具10及びスタンドアロンセンサ及びスイッチが、特定ゾーンについての照明エンティティを示す種々のグループに割当てられ得る。コミッショニングツール36が同様に使用されて、概して、グループ割当てが変更されると共に、グループ又は照明システムから照明器具10又はスタンドアロンセンサ又はスイッチが取り除かれ得る。コミッショニングツール36は、特定の照明器具10又はスタンドアロンセンサ又はスイッチに対して、特定のゾーン又は全体的な照明システムのためにこの機能を提供するように指示可能であり得る。コミッショニングツール36を使用する例示的なコミッショニングプロセスは、以下で更に示される。
【0125】
アクセス制御のために、コミッショニングツール36は、特定のエンティティとの通信を確立し、自身を認証することができる。コミッショニングツール36が、特定のグループ又は全体的な照明システム内の、照明器具10若しくはスタンドアロンセンサ若しくはスイッチを用いて自身を認証すると、コミッショニングツール36は、そのグループ又は照明システムの他のメンバによって自動的に認証され得る。更に、種々の照明器具10又はスタンドアロンセンサ又はスイッチは、他の照明器具10とスタンドアロンセンサ又はスイッチとコミッショニングツール36との間の通信を促進することが可能であり得る。あるいは、コミッショニングツール36は、非常に接近しているときに照明器具10又はスタンドアロンセンサ又はスイッチと通信するだけであるように構成され得る。これは、物理的プラグイン接続を通じて、又は、低電力赤外線又は無線周波数通信リンクを通じて達成され得る。直接の又は短距離の通信技術を使用することは、コミッショニングツール36が、特定の照明器具10又はスタンドアロンセンサ又はスイッチに非常に接近して配置されて、制限された通信範囲内の1つのエンティティ又は複数のエンティティと通信するだけであることを可能にする。
【0126】
スタンドアロンセンサ若しくはスイッチの、内部ロジック又はプログラミングは、コミッショニングツール36又は他のリモート制御エンティティからダウンロードされ得る、コミッショニングツール36又は他のリモート制御エンティティによって修正され得る、又は、コミッショニングツール36又は他のリモート制御エンティティによって置換され得る。したがって、照明設計者及びメインテナンス技術者は、彼らの意図する照明目標を最もよく達成する方法で機能するように、全体的な照明ネットワークを構成する能力を備える。したがって、照明器具10、及び、スタンドアロンセンサ又はスイッチの、全ての又は種々のグループは、ある用途において、互いに同期して、また、他の用途において互いから独立して動作するように構成され得る。コミッショニングツール36は、スマートフォン又はタブレットと同様なフォームファクタを有する手持ち式デバイス等の種々の形態をとり得る。通信インタフェース100上の種々のポートを使用して、外部センサ、ディスプレイ、キーパッド等を設置し得て、また、パーソナルコンピュータ又はコンピュータネットワークに対するインタフェースを容易にし得る。コミッショニングツール36はまた、上述したアーキテクチャを有するデバイスであり、ノートブックPC、タブレット、又はスマートフォン等のポータブルコンピューティングデバイスに接続され得る。その組合せが、コミッショニングツールの機能性を実現し得る。
【0127】
先に示したように、種々の照明器具10並びに、スタンドアロンセンサ又はスイッチは、センサデータ、命令、及び他の情報を共有する。多くの事例では、こうした情報は、意図される目的地に達する前に1つ以上の中間照明器具10又はスタンドアロンセンサモジュール86’を通じてルーティングされる必要がある。したがって、これらの照明器具10、及び、スタンドアロンセンサ又はスイッチは、全体的な照明システム内でルーティングノードとして機能し得る。以下は、アドレスを割当て、ルーティングテーブルを構成し、これらのルーティングテーブルにアクセスして、照明システムの種々のエンティティの間で情報交換を容易にするユニークでかつ効率的な技法を述べる。これらの技法は、上述したような照明システムを、それらの要件の点でより信頼性がありかつ予測可能にする。
【0128】
図24を参照すると、例示的なスタンドアロンスイッチモジュール110が提供される。スイッチモジュール110は、CPU112、及びスイッチの動作を容易にするのに十分なメモリ114を含み得る。スイッチ回路116は、スイッチをオン又はオフにすべきかを判定することができ、更には、調光位置を判定することができる。オン/オフ/調光位置に基づいて、スイッチ回路116は、対応する情報をCPU112に提供し、CPU112は、その情報を処理し、コマンド、又は対応するステータス情報を照明ネットワーク内の1つ以上のノードに送信するか否かを判定することができる。スイッチモジュール110は、有線通信インタフェース120又は無線通信インタフェース122を通じて照明ネットワーク内の他のノードと通信し得る。有線通信インタフェース120の場合、接続タイプの範囲は、既存のACラインを通じて信号を通すものから、別個のインタフェースケーブル配線であって、おそらくシリアルバス通信をサポートすることになるインタフェースケーブル配線、又は独自インタフェースに及び得る。無線通信インタフェース122は、ネットワークとの無線通信を容易にし、また、実質上、照明ネットワークによって提供されるメッシュネットワーク内の別のノードであり得る。スイッチモジュール110はまた、CPU112に周囲光状態及び/又は占有情報を提供することができる周囲光センサS
A及び占有センサS
Oを含み得て、CPU112は、周囲光状態及び/又は占有情報を処理して、照明ネットワーク内の他のノードに対して機能するように指示する方法を制御し得る、又は、照明ネットワーク内の制御ノードに周囲光及び/又は占有情報を単に渡し得る。スイッチモジュール110はまた、LED等の光源118を含んで、ステータス表示を提供し得る、又は、コミッショニングツール36又は他のデバイスとの近接場可視光若しくは非可視光ベースの通信を容易にし得る。周囲光センサS
Aはまた、コミッショニングツール36又は他のデバイスから可視光又は非可視光ベースの通信を受信し得る。特に、スイッチモジュール110は、
図24に示す機能に対して更なる又は少ない機能を含み得る。
【0129】
例示的な照明システム内のネットワークデバイス
以下は、本開示の例示的な無線通信技術を使用する特定システムの説明である。システム内のデバイスは、種々の構成のスイッチ、センサ、及び照明器具10を含み得る。システムの通信トポロジはIEEE802.15.4規格に基づくRFメッシュネットワークであり得る。したがって、ネットワーク上の種々のノードは、2.4GHz帯の1つ以上のチャネル上で通信し得る。この構成のデータレートは、通常、200kbpsであるが、実際のスループットは、メッセージングオーバヘッド及びトラフィックボリュームに著しく依存する。
【0130】
ネットワークが形成されると、ほとんどの通信は、グループであって、タンデムに動作するスイッチ、センサ、及び照明器具等のデバイスを含む、グループ内で起こる。この特定のシステムがグルーピングに重きを置くことによって、RFトラフィックは、システムが起動して稼働すると、相対的に最小になるはずである。その結果、ほとんどの用途について、RFメッシュネットワークは、知覚的に瞬時の応答を提供することになり、それにより、遅延がユーザに気付かれない。実際には、これは、照明器具10が、通常、それらのグループ内のスイッチ、センサ、又は他の制御動作に対して100msec以内で応答し得ることを意味する。
【0131】
以下では、図示されるシステムのスイッチ、センサ、及び照明器具10の特定のコンポーネント及び構成を述べる。
図25に示すように、スマート器具130は、LEDアレイ20、周囲光センサS
A、及び占有センサS
Oに統合的に関連付けられるドライバモジュール30を含むコンポーネントである。以下で述べる他のモジュール式コンポーネントとの通信は、先に述べたように、I
2Cシリアルバス等を介して促進される。この構成では、ドライバモジュール30は、モジュール及びモジュールに接続されるコンポーネントにDC電力を提供することが可能である。
【0132】
図26及び27に示すように、室内RF通信モジュールiRFM32’及び室外RF通信モジュールoRFM32”は、通信モジュール32の変形である。iRFM32’及びoRFM32”は、メッシュネットワークに接続し、スマート器具130等の種々の照明コンポーネントに向けて、メッシュネットワークへの無線接続を提供し得る。iRFM32’及びoRFM32”は、標準的なコネクタを介して、結合されたスマート器具130又は他のコンポーネントから電力を受信し、それと通信し得る。iRFM32’及びoRFM32”は、無線通信能力を有する他のデバイスに対する無線接続を支援する。
図28は、照明器具10の変形を生成するため、スマート器具130に直接結合されたiRFM32’を示す。DC電力はスマート器具130によってiRFM32’に提供される。iRFM32’及びスマート器具130は、I
2Cシリアルバスを介して互いに通信する。
【0133】
図29に示すように、器具センサモジュール(FSM:fixture sensor module)132は、
図28のiRFM32’及びスマート器具130に接続されて、照明器具10に更なる検知能力を付加し得る。FSM132は、補助モジュール86(
図20)の一つの型であり、スマート器具130から電力を取得し、iRFM32’及びスマート器具130にプラグインするためのパススルーコネクタを提供するように構成される。周囲光センサS
A、占有センサS
O、又は他のセンサタイプが出力変化を生成すると、FSM132は、その変化を、I
2Cバスを介して、取付けられたスマート器具130、及び、存在する場合にはiRFM32’の両方に通信する。iRFM32’が接続される場合、iRFM32’は、そのシステム内の照明デバイスの関連するグループに、FSMセンサの更新情報を無線通信する。
【0134】
図30に示すように、AC又は電池駆動式である室内又は室外無線センサモジュール134もまた設けられ得る。無線センサ134は、無線通信インタフェースを有し、1つ以上の周囲光又は占有センサS
A、S
Oを使用して、周囲光状態、部屋占有等をモニターするように構成される。電池寿命を最大にするため、無線センサの通信及び処理回路は、その時間の99%より多くオフされたままにされ得る。センサからの出力が変化すると、通信及び処理回路は、オンし、関連するグループ内の照明デバイスにセンサの更新情報を送信する。無線センサ134は、他の照明器具10、スマート器具130等から物理的に離れて位置付けられることを意図される。無線センサ134は、必ずしも照明要素ではないセンサが必要又は所望される場所に配置され得る。
【0135】
図31に示すように、レガシー(照明)器具138の無線制御が、器具138のオン/オフ制御及び調光を提供することを可能にするために、無線中継モジュール136が使用され得る。無線通信回路が無線制御信号を受信すると、中継器がレガシー器具138に供給されるAC電力を制御し得る、及び/又は、制御信号(0V〜10V)が調光レベルを制御するために提供され得る。無線中継モジュール136はまた、周囲光及び占有センサS
A、S
Oを含み、出力変化を、関連するグループ内の他のデバイスに無線で報告し得る。
【0136】
図32に示すように、無線オン/オフ/調光スイッチ(WS)140として構成されるスイッチモジュール110のバージョンが設けられる。WS140は、無線通信ネットワーク上に存在し、上述したように、周囲光センサS
A、オン/オフ制御及び調光回路を含み得る。周囲光センサS
Aが活性化すると、WS140は、そのグループ内のデバイスに更新情報を送信する。RF設計は、電池電力について低電力動作を支援するが、AC電力源に実配線され得る。
【0137】
例示的なネットワークコミッショニングプロシージャ
コミッショニングを行うことは、一般に、1)ネットワークを形成するステップと、2)ネットワークデバイスを複数のグループにグルーピングするためにデータを収集するステップと、3)グルーピングプロセスを実行するステップと、4)各デバイスに対してグループを割当てるステップと、5)グループ割当てを修正するステップとを含む。
【0138】
この例では、手持ち式コミッショニングツール36を使用して、コミッショニングプロセスを開始し制御する。未初期化システムの場合、ユーザは、コミッショニングツール36から「コミッショニング開始(Start Commissioning)」プロセスをアサートして、ネットワーク形成を開始する。これは、単に、コミッショニングツール36を照明器具10等のルーティングノードの近くに移動させ、次に、「ネットワーク形成開始(start network formation)」メッセージを送信するコミッショニングツール36上のワンボタンコマンドを始動させることを伴い得る。ルーティングノードは、調整器(coordinator)として機能することが可能であり、更には、1つのノードから別のノードに情報を送ることが可能な照明器具10等のネットワーク上の任意のデバイスであり得る。
【0139】
ルーティングノードが調整器になるために、ルーティングノードは、メッセージ等に関連する受信信号強度インジケータ(RSSI)をモニターし、RSSIが定義された閾値を超えたことを判定し得る。他のルーティングノードは、そのメッセージを受信することができるが、RSSIは定義された閾値未満であることになる。電池駆動式無線センサ134、無線スイッチ140等のようなスリーパノードは、スリープ状態である又はネットワーク形成開始メッセージを無視する。
【0140】
この実施形態では、近接するルーティングノードがネットワーク形成開始メッセージを受け付け、自身を調整器としてアサートすると仮定する。調整器は、マイネットワーク参加(JMN:Join My Network)メッセージを他の非調整器ルーティングノードにブロードキャストし、その後、システム内の非調整器ノードがネットワークに参加することを可能にする。調整器は、参加を許可し、24、16、8、又はその程度のビットであり得る「短縮(short)」ネットワークアドレスを、ネットワークに参加した非調整器ルーティングノードに割当て得る。短縮アドレスは、デバイスについての対応するMACアドレスより短い点で「短縮」であり、MACアドレスの代わりに使用されて、短縮アドレスが割当てられると、ネットワーク全体にわたる通信を容易にする。ネットワーク形成のこの第1ステージでは、調整器は、ルーティングノードの全てを含むネットワークを効果的に確立する。
【0141】
特に、調整器には、全てではないが複数の利用可能な通信チャネル上でJMNメッセージを送信するタスクが課される。そのJMNメッセージにおいて、調整器は、非調整器ルーティングノードが応答すべきである選択チャネルを示し得る。参加プロセス中に、調整器は、ネットワークに参加する非調整器ルーティングノードに短縮アドレスを提供する。調整器は、デフォルトの短縮アドレスを同様に有する、又は、自身に短縮アドレスを割当てる。述べたように、これらの短縮アドレスは、通常のネットワークオペレーション中の通信のために使用される。調整器はまた、1つのルーティングノードから別のルーティングノードに情報をルーティングするときに使用するために、自身のルーティングテーブルを構築する。
【0142】
協同方式で、非調整器ルーティングノードは、最初にJMNメッセージを待つことになる。ブロードキャストされたJMNメッセージが受信されると、非調整器ルーティングノードは、調整器によって特定された選択チャネルに応答する。ルーティングノードはまた、調整器に割当てられた短縮アドレスを受信し、短縮アドレスを格納し、ルーティングノード自身のルーティングテーブルを構築する。種々のルーティングノードついての一意のMACアドレスはまた、このプロセス中に交換され得る。調整器は、応答したノードを追跡し、各ノードにネットワークを構成する他のノード及びそれぞれの短縮アドレスを知らせて、ネットワークのルーティングコアを有効に形成し得る。
【0143】
全てのルーティングノードが参加するために十分な時間を許容した後、調整器は、上述した投光プロセスを開始及び制御して、種々のルーティングノードを異なるグループにグルーピングするのを助ける。したがって、調整器は、それ自身、投光モードに入り、その後、投光モードに入るよう各ルーティングノードに順次要求する。例示的な投光は、予め定義されたPWM周波数で50%デューティサイクルの光出力を提供することを伴う。投光信号用のPWM周波数に対する代替法として、オン−オフシーケンシングが使用され得る。
【0144】
投光中、ルーティングノードは、「投光器(lightcaster)」と考えられ、複数のルーティングノードに、自身を特定するRFメッセージのストリームであって、そのルーティングノードが目下の投光器であることを示すRFメッセージのストリームを送信する。他のルーティングノードは、所与の投光器からの投光信号をモニターし、投光信号の大きさを計算し、所与の投光器に関する投光信号の大きさを格納することによって、投光受信器(又は、「光キャッチャ(lightcatcher)」)として機能する。電池駆動式無線センサ134、無線スイッチ140等のスリーパノードは、投光信号を受信し、自分の無線受信器をオンして、投光器の身元を示すRFメッセージを聞き得る。投光プロセス中に、スリーパノードは、ウェイクアップし、ネットワークに参加することを要求するように、誘発され得る。調整器ノードは、スリーパノードの参加要求を許可しながら、スリーパノードに短縮アドレスを割当てる。投光が全てのデバイスについて完了した後、調整器は、ネットワーク形成が完了したというメッセージをコミッショニングツール36に送信する。
【0145】
したがって、調整器は、投光要求メッセージをルーティングノードに順次送信し、スリーパノードから参加要求を受け付け、参加するスリーパノードに短縮アドレスを割当てる。調整器はまた、他の投光器が投光しているときに収集される投光受信データを保存する。調整器はまた、コミッショニングツール36又は他のデバイスによって要求されるまで投光受信データを保持する。非調整器投光ノードは、要求されると投光を実施すると共に、他の投光器からの投光中に投光受信データを収集し保存する。やはり、投光受信データは、コミッショニングツール36又は他のデバイスによって要求されるまで格納される。通常スリープ状態にあるスリーパノードの場合、スリーパノードは、完全にパワーオンし、投光信号の存在を検知するとすぐにネットワーク参加(JN:Join Network)要求メッセージを提示する。スリーパノードは、コミッショニングツール36から短縮アドレスを受信すると共に、投光受信データを収集し保存する。投光受信データは、コミッショニングツール36又は別のデバイスによって要求されるまで保存される。他の実施形態では、投光受信データは、収集されると、調整器等の指定ノードに、又は、コミッショニングツール36に送信され得る。
【0146】
投光受信データが、要求されるまで格納されると仮定すると、以下のプロセスが採用され得る。投光受信データを収集するため、コミッショニングツール36は、各ノードに自身の投光受信データがあるか質問する。無線メッシュネットワークが既に形成されているため、コミッショニングツール36は、任意のルーティングノードと通信して、ネットワークに対するエントリポイントを確立し得る。各ノードは、その投光データを用いて応答する。
【0147】
特に、コミッショニングツール36は、投光受信データについての要求を発信し得る。調整器と非調整器の両方のルーティングノードは、投光受信データで応答する。ある実施形態では、スリーパノードは、自分達の投光受信データを、非調整器ルーティングノード及び調整器等の、非スリーパノードと共有し得る。この場合、スリーパノードについての投光受信データは、コミッショニングツール36に提供され得る。スリーパノードが自分達の投光受信データを非スリーパノードと共有しない場合、スリーパノードは、アウェイク状態である場合、又は、自動的に、又は、投光若しくは光信号によって最終的にアウェイクされると、自身の投光受信データで応答し得る。
【0148】
投光受信データを収集した後、コミッショニングツール36は、グルーピングプロセスを進める。コミッショニングツール36それ自体、又は場合によっては取付けられたノートブックコンピュータは、投光受信データに基づいて最適なノードグルーピングを確定するためのグルーピングアルゴリズムを実行する。コミッショニングツール36(又は、取付けられたPC)がグルーピングアルゴリズムを実行すると、コミッショニングツール36は、グループ割当て及びグループアドレスをネットワーク内の各ルーティングノードに通信し、グループ割当てデータ(グループアドレスを誘導)は、各ルーティングノードに送信され、そのルーティングノードのグループ内の全てのノードを含む。
【0149】
全てのスリーピングノードは、少なくとも1つのルーティングノードと共にグルーピングされる。スリーピングノードは、自分のグループ割当てを2つの方法のいずれかによって受信し得る。第1に、各スリーピングノードは、定期的にウェイクアップして、そのセンサデータを発信し、ネットワークからのシステムステータス更新情報を要求する。スリーパノードのメッセージに応答して、関連するルーティングノードは、応答し、グループ割当てデータを介して、そのグループ割当てをスリーパノードに提供し得る。グループアドレスをスリーパノードに割当てるための第2の方法は、そのグループ内にスリーパノードを有するルーティングノードが、投光を実施して、スリーパノードをアウェイクさせることを必要とする。アウェイクされたスリーパノードは、その後、そのセンサデータを発信し、ネットワークからのシステムステータス更新情報を要求する。スリーパノードのメッセージに応答して、関連するルーティングノードは、応答し、スリーパノードにそのグループ割当てデータを提供する。
【0150】
当然に、一部のグループ割当ては修正される必要がある。コミッショニングツール36は、グループ割当てをチェックし変更する方法を提供する。コミッショニングツール36は、ユーザが周囲光センサS
Aに向けるLED(又は他の可視光又は非可視光)出力を含み得て、周囲光センサS
Aは、異なるグループに割当てられる必要がある照明器具10、無線センサ134、無線中継モジュール136、無線スイッチ140等に埋め込まれる。コミッショニングツール36は、LEDを使用して、投光信号を提供すると共に、RFメッセージを送信及び受信し、それにより、グループ割当て変更を行い得る。
【0151】
1つのグループから別のグループへスマート器具130等のノードを再割当てするための例示的なプロセスは次の通りである。最初に、ユーザは、再割当てされるべきスマート器具130にコミッショニングツール36を向け、1つのグループから別のグループへノードを再割当てすることに関連するユーザ入力を提供する。コミッショニングツール36は、そのLED出力によって、対応する投光信号を始動すると共に、スマート器具130の短縮アドレスを要求するRFメッセージを送信する。スマート器具130は、投光信号を受信し、RFメッセージを待つ。スマート器具130は、スマート器具130についての短縮アドレス及びグループアドレスを含むRF肯定応答メッセージを提供する。
【0152】
次に、ユーザは、スマート器具130が移される先の新しいグループ内のノードにコミッショニングツール36を向ける。ユーザは、ボタンを押す、又は、コミッショニングツール36がスマート器具130を新しいグループに移すよう指示する入力を提供する。これに応答して、コミッショニングツール36は、投光信号を始動すると共に、ノードが新しいグループに移されることを示す、対応するRFメッセージを送信する。RFメッセージは、スマート器具130の短縮アドレスを含む。投光信号を受信する新しいグループ内のノードはまた、コミッショニングツール36からRFメッセージを受信する。
【0153】
受信するとすぐに、新しいグループ内のノードは、肯定応答をコミッショニングツール36に送信すると共に、適切な短縮アドレスを使用してスマート器具130にメッセージを送信して、新しいグループ用のアドレスを提供する。スマート器具130は、そのグループアドレスを更新し、移動が終了したことを示すメッセージをコミッショニングツール36に送信する。新しいグループ内の他のノードに関連する情報はまた、メッシュネットワークを介してスマート器具130に提供され得る。新しいグループ内のノードから新しいグループアドレスを受信した後、スマート器具130はまた、肯定応答をコミッショニングツール36に返信すると共に、グループを変更していることを示すメッセージを、古いグループ内の1つ以上のノードに送信する。この時点で、スマート器具130は、任意のセンサレベルをモニターし、メッシュネットワークを介して新しいグループ内のノードに、利用可能な任意のセンサデータを提供し得る。この例では、1つのグループから別のグループにスマート器具130を再割当てしたが、この技法は、ネットワーク内の任意のタイプのノードに適用される。
【0154】
ネットワークが再初期化を必要とする場合、ユーザは、コミッショニングツール36を使用して、ネットワークノードの予めコミッショニング済みの設定に復帰するようにネットワークノードに対して指示し得る。おそらく、このプロセスを開始することは、意図しないアンドゥ(undo)コマンドを防止するため、マルチステップシーケンスを必要とする。コミッショニングが終了し、グルーピング補正が行われると、システムは、いつでも動作できる状態になる。一般に、スイッチ及びセンサがシステムに入力を提供する。照明器具10は、これに従って、これらの入力をそのエネルギー節約設定及び機能の枠組み内で解釈する。
【0155】
ネットワーク内での様々なタイプのデバイスの動作が以下で述べられる。無線中継モジュール136(
図31)は、そのグループからの入力データをモニターする。これは、他のスイッチ、リモートセンサ、及び自身の内部センサからのデータを含む。スイッチ及びリモートセンサからのデータは、無線ネットワーク通信によって到着する。内部センサからのデータは、内部で収集され格納される。無線中継モジュール136は、内部ロジックを独立に実行し、内部ロジックは、種々の入力及び設定を解釈し、それに従って、0〜10V調光制御及び中継オン/オフ制御を出力する。無線中継モジュール136は、その無線通信回路に依存して、メッシュネットワーク内でメッセージルーティングを実施する。ルーティングは、バックグラウンド活動として起こり、光制御動作に影響を全く与えない。
【0156】
無線中継モジュール136は、そのグループ内のスリープ状態のスリーパノードについてのメッセージを保持し得る。ノードが、その後、アウェイクし、更新情報を要求すると、無線中継モジュール136は、保持されたメッセージをアウェイクしたスリーパノードに送信する。特に、無線中継モジュール136は、その内部の周囲光センサデータを処理し、投光信号を探す。ネットワークが通常動作モードにある状態で、唯一予想される投光信号は、コミッショニングツール36からのものである。無線中継モジュール136は、コミッショニングツールの投光信号を受信すると、要求される無線コマンドを実施する。
【0157】
ほとんどの点で、スマート器具130は、無線中継モジュール136と同様に動作する。1つの主要な差は、スマート器具130が、一般的に、通信モジュール32に結合されて、照明器具を形成することである。2つのモジュールは、I
2Cバスを介して互いに通信し得る。これらモジュールのうちのいずれかは、センサデータを処理し格納するために使用され得る。しかし、通信は、通信モジュール32によって提供される。
【0158】
無線センサ134は、そのグループに周囲光及び占有センサデータを提供する。無線スイッチ140は、RFメッセージによってオン/オフ及び調光情報を提供する。無線センサ134は、定期的に、ウェイクアップし、センサをモニターし、センサ更新メッセージをそのグループに送信する。無線スイッチ140は、オン、オフ、及び調光状態変化を示すRFメッセージを提供する。これは、グループメンバが、グループ内の無線センサ134及び無線スイッチ140をモニターし、メッセージ内に提供される情報を処理し、相応して反応することを可能にする。グループ内のルーティングノードが無線センサ134に対するメッセージを有する場合、起床期間中にこれらのメッセージを通信する。
【0159】
自動による調整器選択及びグルーピング始動
先の例は、調整器として機能するように、照明器具10等のルーティングノードを選択することによって、ネットワーク形成を開始するコミッショニングツール36に依存したものであった。調整器は、その後、短縮アドレスを種々のネットワーク要素に割当て、コミッショニングツール36が、投光プロセスを通じてグループ割当てを行うのを補助する。次の実施形態の場合、ルーティングノードが、自動的に互いに発見し共に働いて、コミッショニングツール36又は他のエンティティからの外部補助無しで調整器を識別する変形が述べられる。調整器は、ネットワーク内で通常の通信に関して使用するために短縮アドレスを自動的に割当てると共に、先に述べた投光を使用してグルーピングプロセスを自動的に始動し制御する。
【0160】
この実施形態における調整器の識別は、反復的プロセスであり、種々のルーティングノードは、本質的に、通常64ビットである自分達のMACアドレスを交換し、より小さい(又はより大きい)MACアドレスを有するルーティングノードが、少なくとも当分の間、調整器であるべきと判定することになる。より小さいMACアドレスを有するルーティングノード(調整器)は、より大きいMACアドレスを有するルーティングノードに一意の短縮アドレスを割当てる。調整器及び他のルーティングノードは、自分達のネットワークに参加するためにJMN要求等の要求を定期的に発信する。調整器として割当てられた第1のルーティングノードが、より小さいMACアドレスを有する第2のルーティングノードとMACアドレスを交換する場合、第1のルーティングノードは、その調整器の役割をより小さいMACアドレスを有する第2のルーティングノードに譲渡する。第2のルーティングノードは、短縮アドレスを第1のルーティングノードに即座に割当てる。数回の反復後に、ネットワーク内の最も小さい(又は最も大きい)MACアドレスを有するルーティングノードが、調整器として設定され、ネットワーク内の各ルーティングノードに短縮アドレスを割当てていることになる。やはり、調整器割当てプロセスは、最小MACアドレスを有するルーティングノードと対照的に、最大MACアドレスを有するルーティングノードを同じくらい容易に見出し得る。同様に、他の一意の識別基準が交換されて、同様のプロセスで調整器を識別し得る。更に、短縮アドレスはオプションであり、通常動作中にルーティングプロセスを加速するだけのために使用される。代替の実施形態では、短縮アドレスの使用を放棄し、従来のメッシュネットワークで行われるように、ルーティングのためにMACアドレス又は他のアドレスに頼ってもよい。
【0161】
スリーパノード又は他の非ルーティングノードは、定期的にウェイクアップし、自分達の短縮アドレスを直接調整器から又は関連するルーティングノードを介して調整器から得る。全体的な制御、スイッチ及びセンサ情報を交換すること、ルーティングテーブルをセットアップすること、ネットワークを通じてメッセージをルーティングすること、投光制御、グルーピング等のような他の全ての機能は、上述したように扱われ得る。更に、コミッショニングツール36を、依然として使用して、上述したように、設定を微調整する、要素を再グループ化する等をし得る。
【0162】
少数の例示的な通信フローが、ネットワークについて調整器を選択することに関する種々のシナリオを示すために以下で述べられる。これらのフローでは、4つの異なるルーティングノードA〜Dが述べられる。種々のフローにおいて、64ビットMACアドレスが、これらのノードのために提供される。簡単にするため、使用されるMACアドレスは、EEEE EEEE EEEE EEEE(例における最大MACアドレス);AAAA AAAA AAAA AAAA;8888 8888 8888 8888;及び1111 1111 1111 1111(例における最小MACアドレス)である。簡潔さ及び読み易さのために、これらのMACアドレスは、以下でまた関連する通信フローにおいて、[E−E]、[A−A]、[8−8]、[1−1]としてそれぞれ参照される。
【0163】
図33の通信フローを参照して、ルーティングノードAが[A−A]のMACアドレスを有し、ルーティングノードBが[E−E]のMACアドレスを有すると仮定する。したがって、ルーティングノードBは、ルーティングノードAより大きいMACアドレスを有する。この例ではまたこの例に続く例では、調整器の役割が最小MACアドレスを有するルーティングノードに割当てられるべきであると仮定する。最初に、ルーティングノードAは、デフォルト設定にセットされ、他のルーティングノードに対して、この時点では1要素ネットワークであるルーティングノードAのネットワークに参加するよう要求するJMN(Join My Network)メッセージを定期的にブロードキャストするようプログラムされる。このように、ルーティングノードAの初期ネットワークは、ルーティングノードAを含むだけである。本質的に、ルーティングノードAは、デフォルトで、ルーティングノードAが調整器であると考えることになり得る。
【0164】
引き続き
図33を参照して、ルーティングノードAが、そのMACアドレス(MAC−A)を含むJMNメッセージをブロードキャストする(ステップ600)と仮定する。ルーティングノードBは、JMNメッセージを聞き、ルーティングノードAについてのMACアドレス(MAC−A)を格納し(ステップ602)、その後、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)を自身のMACアドレス(MAC−B)と比較する(ステップ604)ことによってルーティングノードAのJMNメッセージに応答する。ルーティングノードBは、ルーティングノードAのMACアドレス[A−A]がルーティングノードBのMACアドレス[E−E]より小さいことを認識し、その関連するネットワークについての調整器をルーティングノードAのMACアドレスに設定する(ステップ606)。この時点で、ルーティングノードBは、MACアドレス[A−A]に関連付けられたルーティングノードAが、ルーティングノードAが属するネットワークの調整器であると仮定する。
【0165】
JMNメッセージに応答して、ルーティングノードBはまた、そのMACアドレス(MAC−B)を有するJMN応答をルーティングノードAに返信する(ステップ608)。ルーティングノードAは、そのMACアドレス(MAC−A)をルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)と比較し(ステップ610)、ルーティングノードAがより小さいMACアドレスを有するため、ネットワークの調整器のままであるべきであることを認識する。したがって、ルーティングノードAは、ルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)用の短縮アドレス(B
A)を生成し(ステップ612)、短縮アドレスをルーティングノードBに送信する(ステップ614)。ルーティングノードBは、その後、ルーティングノードAによって割当てられた短縮アドレス(B
A)を保存し(ステップ616)、調整器になる別のルーティングノードによってその後変更されない場合、ネットワーク内の通信及びルーティングに関して、この短縮アドレスを使用する。
【0166】
上記例では、より小さいMACアドレスを有するルーティングノード(A)がJMNメッセージを発信し、より大きいMACアドレスを有するルーティングノード(B)がJMNメッセージ発信者のネットワークに参加した。
図34に示す次の例では、JMNメッセージを受信するルーティングノード(B)は、より小さいMACアドレスを有するため、調整器になる。この例ではまた
図34を参照して、ルーティングノードAは、より小さいMACアドレス[8−8]を有するルーティングノードBより大きいMACアドレス[A−A]に関連付けられる。ある時点で、ルーティングノードAが、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)を含むJMNメッセージをブロードキャストすると仮定する(ステップ700)。ブロードキャストされたメッセージは、ルーティングノードBによって受信され、ルーティングノードBは、ルーティングノードAについてのMACアドレス(MAC−A)を格納する手順(ステップ702)に進み、その後、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)をルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)と比較する(ステップ704)。
図33に示す例と対照的に、ルーティングノードBは、そのMACアドレス(MAC−B)がルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)より小さいため、自身を調整器として設定すべきであると認識する(ステップ706)。ルーティングノードBは、調整器であるため、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)に関連する短縮アドレス(A
B)を生成する(ステップ708)。次に、ルーティングノードBは、ルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)を含むJMN応答メッセージをルーティングノードAに送信し(ステップ710)、ルーティングノードAに短縮アドレス(A
B)を提供するメッセージによって即座に追従する(ステップ712)。ルーティングノードAは、その後、ルーティングノードAがもはや調整器でないことを認識し、調整器をルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)に設定する(ステップ714)ことになり、ルーティングノードAは、ルーティングノードAが属するネットワークについてルーティングノードBを調整器として事実上認識する。ルーティングノードAはまた、ネットワークを通じた通信のためにルーティングノードAが使用する短縮アドレスとして短縮アドレス(A
B)を保存する(ステップ716)。
【0167】
ここで
図35A〜35Cに示す通信を考えると、複数のルーティングノード(B及びC)がルーティングノードAから初期JMNメッセージを受信するより複雑なシナリオが示される。例はまた、第4のルーティングノードDを示し、第4のルーティングノードDは、最初にルーティングノードAのJMNメッセージを受信するのではなく、最終的に、ネットワークに参加し、ネットワークの調整器を認識し、短縮アドレスを調整器から受信する。この例は、調整器が、ルーティングノードAからルーティングノードBに、そして、ルーティングノードCに移行することを示す。ルーティングノードA、B、C、及びD用のMACアドレスは次の通りである:
MAC−A [A−A];
MAC−B [8−8];
MAC−C [1−1];及び、
MAC−D [E−E]。
【0168】
そのため、ルーティングノードCが最小MACアドレスを有し、ルーティングノードDが最大MACアドレスを有する。
最初に、ルーティングノードAが、そのMACアドレス(MAC−A)を有するJMNメッセージブロードキャストする(ステップ800)と仮定する。ルーティングノードB及びルーティングノードCがJMNメッセージを受信し、ルーティングノードDがJMNメッセージを受信しないと仮定する。ルーティングノードBが、JMNメッセージにより高速に応答するルーティングノードであると更に仮定する。したがって、ルーティングノードBは、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)を格納し(ステップ802)、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)を自身のMACアドレス(MAC−B)と比較する(ステップ804)ことによってJMNメッセージを処理する。先の例の場合と同様に、ルーティングノードBは、ルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)がルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)より小さいため、自身を調整器として設定する(ステップ806)。ルーティングノードBは、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)についての短縮アドレス(A
B)を生成し(ステップ808)、ルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)を含む適切なJMN応答をルーティングノードAに送信する(ステップ810)。ルーティングノードBはまた、ルーティングノードAについての短縮アドレス(A
B)をルーティングノードAに別のメッセージで送信する(ステップ812)。別個のメッセージが、JMN応答に対して使用され、短縮アドレスを提供するが、この情報が単一メッセージで提供され得ることを当業者は認識するであろう。やはり、より大きいMACアドレスを有するルーティングノードAは、調整器をルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)に設定する(ステップ814)ことになり、少なくとも当分の間、ルーティングノードBが調整器になることを示す。ルーティングノードAはまた、ルーティングノードBによって割当てられた短縮アドレス(A
B)を格納する(ステップ816)。
【0169】
実質的に同時に、ルーティングノードCはまた、ルーティングノードAによって提供されたJMNメッセージを処理する(ステップ800)。これに応答して、ルーティングノードCは、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)を格納し(ステップ818)、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)をルーティングノードCのMACアドレス(MAC−C)と比較する(ステップ820)。ルーティングノードCはまた、そのMACアドレス(MAC−C)がルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)より小さいことを認識し、自身を調整器として設定する(ステップ822)。調整器として、ルーティングノードCは、ルーティングノードAのMACアドレス(MAC−A)についての短縮アドレス(A
C)を生成する(ステップ824)。ルーティングノードCは、その後、そのMACアドレス(MAC−C)を含むJMN応答メッセージ(ステップ826)及びルーティングノードAについての短縮アドレス(A
C)を提供する別のメッセージ(ステップ828)をルーティングノードAに送信する。ルーティングノードAは、ルーティングノードCが調整器であるべきとルーティングノードCが考えていることを認識し、ルーティングノードCのMACアドレスがルーティングノードBのMACアドレスより小さいため、識別された調整器をルーティングノードCのMACアドレス(MAC−C)に再設定する(ステップ830)。ルーティングノードAはまた、その短縮アドレスを、ルーティングノードCによって割当てられた短縮アドレス(A
C)で更新する(ステップ832)。それゆえに、ルーティングノードBは、ルーティングノードAの視点から調整器として追い立てられる。ある例では、ルーティングノードBがより小さいMACアドレスを有している場合、ルーティングノードAは、ルーティングノードBが調整器であることを維持し、ルーティングノードCからのメッセージを無視することになる。この例のこの部分は、複数のルーティングノードが、この反復的な調整器識別プロセス中に自分達が調整器であると考え得ることを強調する。
【0170】
このとき、ルーティングノードBは、ルーティングノードBが調整器であると考え続ける場合があり、他のルーティングノードに定期的にブロードキャストすることになる。この事例では、ルーティングノードBは、ルーティングノードAとルーティングノードCの両方で受信されるルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)を含むJMNメッセージをブロードキャストする(ステップ834)。ルーティングノードAは、目下割当てられた調整器である、ルーティングノードCがルーティングノードBのMACアドレスより小さいMACアドレスを有することを認識するため、ルーティングノードBによって送信されるJMNメッセージを事実上無視する(ステップ836)。しかし、ルーティングノードCは、ルーティングノードCがルーティングノードBより小さいMACアドレス(MAC−C)を有するため、異なるように応答する。このように、ルーティングノードCは、ルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)を格納し(ステップ838)、ルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)をルーティングノードCのMACアドレス(MAC−C)と比較する(ステップ840)。ルーティングノードCは、その後、ルーティングノードCがより小さいMACアドレスを有するため、調整器のままである(ステップ842)べきであることを認識し、その後、ルーティングノードBのMACアドレス(MAC−B)についての短縮アドレス(B
C)を生成する(ステップ844)。ルーティングノードCは、その後、自身のMACアドレス(MAC−C)を含むJMN応答メッセージ(ステップ846)及びルーティングノードCについての短縮アドレス(B
C)を含む短縮アドレスメッセージ(ステップ848)をルーティングノードBに送信する。これに応答して、ルーティングノードBは、ルーティングノードCのMACアドレス(MAC−C)を使用して調整器をルーティングノードCに再設定し(ステップ850)、B
Cをその短縮アドレスとして格納する(ステップ852)。
【0171】
この時間中、ルーティングノードDが利用可能になり(ステップ854)、ルーティングノードCが調整器としてJMNメッセージを定期的にブロードキャストし始める。このように、ルーティングノードCは、ルーティングノードA、ルーティングノードB、及びルーティングノードDで受信される自身のMACアドレス(MAC−C)を含むJMNメッセージを送信する(ステップ856)。ルーティングノードA及びBは、JMNメッセージが、認識済みの調整器である、ルーティングノードCによって送信されることを認識しているため、JMNメッセージを事実上無視する(ステップ858及び860)。ルーティングノードDは、ネットワークの通信範囲内の新しい関係者であるため、JMNメッセージを処理することになる。したがって、ルーティングノードDは、ルーティングノードCのMACアドレス(MAC−C)を格納し(ステップ862)、ルーティングノードCのMACアドレス(MAC−C)をルーティングノードDのMACアドレス(MAC−D)と比較する(ステップ864)。ルーティングノードDは、ルーティングノードDがルーティングノードCより大きいMACアドレスを有することを認識することになるため、ルーティングノードCが調整器であるべきと認識し、調整器をルーティングノードCのMACアドレス(MAC−C)に設定する(ステップ866)。このように、ルーティングノードDは、ルーティングノードCが調整器であるため、ルーティングノードCについての短縮アドレスを割当てないことになる。ルーティングノードDは、ルーティングノードCに対して、ルーティングノードDのMACアドレス(MAC−D)を含むJMN応答メッセージを提供することによってJMNメッセージに応答する(ステップ868)だけである。ルーティングノードCは、そのMACアドレス(MAC−C)をルーティングノードDのMACアドレス(MAC−D)と比較する(ステップ870)。ルーティングノードCがより小さいMACアドレスを有し、調整器のままであるべきであるため、ルーティングノードCは、ルーティングノードDのMACアドレス(MAC−D)についての短縮アドレス(D
C)を生成し(ステップ872)、ルーティングノードDについての短縮アドレス(D
C)を含むメッセージをルーティングノードDに送信する(ステップ874)。ルーティングノードDは、その後の通信で使用するための短縮アドレス(D
C)を格納する(ステップ876)。
【0172】
プロセス中のある時点で、ルーティングノードCが、他のルーティングノードに知られているデフォルトの短縮アドレスを持たない場合、ルーティングノードCは、それ自身に短縮アドレスを割当てる(ステップ878)。ルーティングノードCは、自身に短縮アドレスを割当て、任意の所望の方式で、他のルーティングノードにその短縮アドレスを提供し得る。調整器用のデフォルトの短縮アドレスを有することの利益は、全ての他のルーティングノードが、短縮アドレスを割当てられても割当てられなくても、短縮アドレスを使用して、メッセージを、従来のメッシュネットワークルーティング技術を使用して調整器にネットワークを通じてルーティングし得ることである。
【0173】
この時点で、調整ルーティングノードCは、非ルーティング(スリーパ)ノードをネットワークに参加させ、それらのノードに短縮アドレスを割当てる(ステップ880)と共に、上述したグルーピングプロセスを開始し(ステップ882)、割当てられた短縮アドレスを使用して種々の制御、ルーティング等を実行する(ステップ884)ことができる。その後、ネットワークに付加されるノードは、ルーティングノードCのMACアドレスより小さいMACアドレスを有する場合があり、こうした状況では、より小さいMACアドレスを有する新しく付加されたルーティングノードが、調整器を引継ぎ、ネットワーク内の全てのルーティングノード及び非ルーティングノードに短縮アドレスを再割当てし得る。更に、コミッショニングツール36は、自動的に識別された調整器に相互作用し、グルーピング割当て等を修正し得る。調整器はまた、ネットワーク管理者が所望するように、コミッショニングツール36によって変更又は再割当てされ得る。
【0174】
複数のマスター照明器具構成
図36を参照すると、例示的な照明器具10が、関連するLEDアレイ20を有するドライバモジュール30、通信モジュール32、器具センサモジュール132、及びゲートウェイ142を有するものとして示される。ドライバモジュール30、通信モジュール32、器具センサモジュール132、及びゲートウェイ142は、I
2Cバス等の2つ以上のワイヤシリアルインタフェースを通じて互いに通信して、デバイスのそれぞれが、所望のデータ及び制御情報等の情報を交換するように構成され得る。上述したように、通信モジュール32は、無線ネットワーク内の他のノードとの無線通信を容易にし、本質的には、概して照明器具10に対する、特には、ゲートウェイ142、ドライバモジュール30、及び器具センサモジュール132に対する通信インタフェースとして機能し得る。ゲートウェイ142は、おそらく異なる無線通信インタフェースを使用して、リモートコントローラ等のネットワーク外のエンティティとの、又は、リモートネットワークへの無線通信を容易にし得る。例えば、通信モジュール32は、2.4GHz帯の1つ以上のチャネル上でIEEE802.15.4を使用する照明ネットワーク内の他のノードとの無線通信を容易にし、一方、ゲートウェイ142は、セルラー又は他のIEEE規格等のような異なる通信規格を使用して、異なる帯域での通信を容易にし得る。したがって、照明器具10のうちの1つは、ゲートウェイ142を備えることができ、ゲートウェイ142は、照明ネットワーク全体についてのアクセスポイント又はノードとして機能する。ゲートウェイ142は、CPU144、無線通信インタフェース146、及びシリアル通信インタフェース148と共に示される。無線通信インタフェース146は外部ネットワーク又はデバイスとの無線通信を支援し、一方、シリアル通信インタフェース148は2ワイヤシリアルインタフェースを通じた通信を容易にする。
【0175】
同様に、例示的な(オン/オフ/調光)スイッチ140’が示され、スイッチ140’は、周囲光センサS
A、及び、この実施形態では、照明器具10の2ワイヤシリアルインタフェースとインタフェース接続可能なケーブルを有する。したがって、スイッチ140’は、照明器具10から遠隔に位置付けられ、更に、2ワイヤシリアルインタフェースを介して統合され得る。オン、オフ、及び調光制御は、2ワイヤシリアルインタフェースを介して通信モジュール32又はドライバモジュール30に提供されることができ、通信モジュール32又はドライバモジュール30のいずれかが、これらのコマンドを内部で処理すると共に、照明器具10と同じグループ内に存在する他の照明器具等の他のノードにそのコマンドを提供する。器具センサモジュール132は、周囲光及び占有センサS
A及びS
Oを共に有し、周囲光及び占有測定値は、通信モジュール32又はドライバモジュール30のいずれかと共有されることができ、両者のいずれかは、コマンドを処理し、これに従って内部的に反応すると共に、グループのうちの他のメンバと情報を共有し得る。やはり、ドライバモジュール30はまた、図示される周囲光センサS
A等の種々のセンサを含み得る。
【0176】
照明器具10についての全体制御は、通信モジュール32によって提供されることができ、内部の、また直接アタッチされた全ての制御情報は、通信モジュール32に送信され、通信モジュール32は、その内部ロジックに従って情報を処理し、関連するドライバモジュール30を、これに従って制御すると共に、そのグループ内の他のノードに、又は、ネットワークに制御情報を丸ごと送信する。逆に、ドライバモジュール30がこの機能を提供することができ、センサ及びスイッチ情報は、ドライバモジュール30に提供され、その内部ロジックによって処理されて、LEDアレイ20を制御し得る。ドライバモジュール30はまた、この制御情報又はデータ、及びセンサ情報を、通信モジュール32を介してネットワークの他のメンバと共有し得る。このシナリオの更なる変形例は、オン/オフ/調光スイッチ140’が、通信モジュール32と無線通信することが可能であり、そのセンサ入力を共有すると共に、情報をネットワーク上の他のデバイスに送信するものである。
【0177】
述べたように、種々のシリアルインタフェース技術が使用され得る。以下の例では、I
2Cインタフェースが、非特徴的な方式で使用される。この実施形態では、照明器具10の主要な制御は、ドライバモジュール30内に設けられる。I
2Cインタフェースが使用される場合、ドライバモジュール30はスレーブデバイスとして構成され、一方、通信モジュール32、器具センサモジュール132、ゲートウェイ142、及びオン/オフ/調光スイッチ140’を含む、I
2Cインタフェースを通じて通信する他のエンティティは全て、マスターデバイスとして構成される。この構成は、I
2Cベースのバス構造の先の実装態様に対して反直観的である。ドライバモジュール30がスレーブデバイスとして働く状態で、他のマスターデバイスは、転送を開始することに先立って待機する又はドライバモジュール30に報知する必要なく、いつでも転送を開始し、したがって、ドライバモジュール30へデータを送信する、又は、ドライバモジュール30からのデータを要求することができる。したがって、ドライバモジュール30は、スイッチ変化、センサ変化、又は通信変化の探索のために、I
2Cインタフェースに取付けられる他のデバイスに対し定期的に又は絶えずポーリングする必要はない。代わりに、マスターデバイスは、スイッチ変化、センサ変化、又は通信変化をドライバモジュール30に自動的に教えるように構成され、ドライバモジュール30は、この情報を容易に受信し、これに従ってその情報を処理するように構成される。マスターデバイスはまた、ドライバモジュール30から情報を要求することができ、ドライバモジュール30は、手近に情報を有し、その情報を要求元のマスターデバイスに返し得る、又は、通信モジュール32を介して別のネットワークから、又は照明器具10内の若しくは照明器具10に関連する別のデバイスから情報を取出し得る。
【0178】
一例として、器具センサモジュール132の周囲光センサS
A又は占有センサS
Oが変化を検出する場合、器具センサモジュール132は、1つ以上のセンサ変化を示す情報のドライバモジュール30への転送を開始するように構成される。ドライバモジュール30はその情報を処理し、LEDアレイ20が、それ自身の内部ロジックに基づいて、オンする、オフする、又は光出力を変化させる必要があるか否かを判定する。ドライバモジュール30はまた、センサ情報を含む制御コマンド又はメッセージを生成することができ、制御コマンド又はメッセージは、概して通信モジュール32を介してドライバモジュール30の関連するグループ又はネットワーク内の他のノードに送信される。制御コマンドの場合、受信側デバイスは指示通りに応答し得る。センサ情報の場合、受信側デバイスは、センサ情報を処理し、センサ情報に基づいて自身をどのように制御するかを決定し得る。同様なオペレーションはオン/オフ/調光スイッチ140’によって提供され、オン/オフ又は調光調整が検出され、オン/オフ/調光スイッチ140’は、スイッチステータス又はステータス変化のドライバモジュール30への転送を開始し、ドライバモジュール30は、やはり、その情報を処理して、必要に応じてLEDアレイ20を制御し、任意の必要な命令を、通信モジュール32を介してネットワーク上の他のノードに提供する。
【0179】
コマンド、又はセンサ情報等の共有データはまた、通信モジュール32を介して照明器具10に到達し得る。したがって、通信モジュール32は、通常、関連するグループ又はネットワーク内の別のノードからのコマンド又は共有データを受信し、ドライバモジュール30への転送を開始することになり、ドライバモジュール30は、自身の内部ロジックに基づいてコマンドを処理し又は共有データを解釈し、光アレイ20を適切な方式で制御することになる。ステータス情報、データ、及びコマンドをドライバモジュール30に単に提供することに加えて、これらのデバイスのどれもが、ドライバモジュール30が維持する情報を要求し得る。例えば、投光プロセスにおいて、通信モジュール32は、コミッショニングツール36から投光データについての要求を受信し得る。通信モジュール32は、情報に対する要求をドライバモジュール30に教えて、ドライバモジュール30は、その情報を通信モジュール32に返すことになる。通信モジュール32は、その後、ネットワーク内の他のルーティングノードを通じて直接的又は間接的に、コミッショニングツール36に返すようにその情報をルーティングする。
【0180】
図示されるマスター−スレーブ構成は非常に有益であるが、本明細書で開示する概念を実施する必要はない。このタイプの構成の利益は、照明器具10内の他のデバイスが、自分のデータ及びステータス情報が収集されてドライバモジュール30上に維持される場合に、他のデバイスの存在を知る必要がないことである。他のノードは、通信モジュール32又はゲートウェイ142に対して要求を行う必要があるだけであり、通信モジュール32又はゲートウェイ142は、ドライバモジュール30から情報を得て、これに従って応答することになる。特に、ドライバモジュール30は、照明器具10についての全てのタイプのステータス又は性能情報を維持又は収集し、その情報を、通信モジュール32を介してネットワーク上の照明器具10内の任意のデバイスにとって、又は、ゲートウェイ142を介してリモートエンティティにとって利用可能にし得る。更に、所与の照明器具10についてのマスター及びスレーブデバイスは、照明器具10のハウジング内に維持される必要はない。
【0181】
ある実施形態では、通信モジュール32の機能は、ドライバモジュール30に統合され得る、又は、その逆も同様である。例えば、統合されたモジュールは、組込み式の又は密に関連付けられた無線周波数トランシーバを有するマイクロコントローラを有することができ、マイクロコントローラは、ドライバモジュール30及び通信モジュール32の必須の処理の全てを提供することになる。トランシーバは、照明ネットワークの他の要素(器具、センサ、スイッチ等)並びにコミッショニングツール36及び他のリモートエンティティとのRF通信を容易にする。したがって、統合されたモジュールはまた、ゲートウェイ142の機能を提供し得る。統合されたモジュールはまた、周囲光センサS
A、占有センサS
O等のような種々のセンサを含み得る。任意のAC−DC変換が、マイクロコントローラ及び送受信機と同じPCB上に設けられる可能性がある、又は、リモートモジュール若しくはPCBによって提供され得る。
【0182】
広範な研究が、概して無線ネットワークを改善することに関して、過去数十年間に実施されてきた。しかし、この研究の多くは、電力要件を減少させること、又は、スループットを増加させることに焦点をあててきた。照明システムの場合、これらの優先度は、応答時間を速めること及びコストを低減することにシフトされるべきである。第1の実施形態では、照明器具10並びにスタンドアロンセンサ及びスイッチ等の照明ノードは、数字1から始まる一意のアドレスを割当てられ得る。更に、所与の照明システム内の照明ノードの最大数は、256等の定義された数で境界付けされる。以下の例では、照明ネットワーク内に6つの照明ノードが存在し、各ノードが順次、1〜6でアドレス指定されると仮定する。こうした照明ネットワークの表示は、
図37にて提供される。
【0183】
ルーティングテーブルは、ルーティング経路に沿う次のホップ、及び、おそらくは、目下の場所から目的地に達するために必要なホップの数を識別するために使用される。関連する技術の技法に従って構築された照明ノード1に対する例示的なルーティングテーブルは、すぐ下に提供される(表A)。この例の場合、データのパケットが照明ノード1から照明ノード6にルーティングされる必要があると仮定する。以下のルーティングテーブルでは、情報の3つの列、すなわち、目的地アドレス、次のホップアドレス、及び目下の場所から目的地までのホップの数が必要とされる。動作中、照明ノードは、ルーティングされるデータのパケットについて目的地アドレスを識別し、ルーティングテーブル内の目的地アドレスフィールドを探索して、一致するものを見つけ出す。ルーティングされるパケットについての目的地アドレスが数字6である場合、照明ノード1は、目的地アドレスフィールド内のエントリを探索して、照明ノード6についてのエントリを見つけ出す。目的地アドレス6についての対応する次のホップアドレス(5)が識別され、データのパケットは、次のホップアドレス(5)にルーティングされ、このプロセスは、データのパケットがその意図する目的地に達するまで各照明ノードで繰返される。
【0185】
本開示の場合、ルーティングテーブルのサイズは、約1/3に減少し、したがって、必要とされるシステムメモリの量、及び次のホップアドレスを識別するために必要な処理の量を節約し得る。以下のテーブル(テーブルB)に示すように、目的地アドレスの列は除去される。代わりに、ルーティングテーブルは、行が目的地アドレスに対応するように再編成される。換言すれば、ルーティングテーブル内の第1のエントリは目的地アドレス1に対応し、ルーティングテーブルの第2の行は目的地アドレス2に対応し、ルーティングテーブル内の第3の行は目的地アドレス3に対応する等である。したがって、また再び、以下のルーティングテーブルが照明ノード1に対応すると仮定すると、ルーティング決定は、次の通りに確定される。データのパケットに対する目的地が確定される。目的地アドレスがルーティングテーブル内の位置に直接対応するため、照明ノード1は、照明ノード6に対応する目的地アドレス6にデータのパケットをルーティングするための次のホップアドレスを識別するために、ルーティングテーブル内の6番目のエントリにアクセスする必要があるだけである。特に、ルーティングテーブルは、好ましくは、目的地アドレスに対応するよう順序付けられる。しかし、目的地アドレスは、ルーティングテーブル内の位置に一致する必要はない。オフセット等を使用して、1で始まるアドレスに関連付けられていない照明ノードを使用する照明ネットワーク又はゾーンを補償し得る。この実施形態によって、ルーティングテーブルのサイズが低減され、ルーティングテーブル内で目的地アドレスを種々のエントリと比較するために必要とされる処理の量が低減される。本質的に、テーブル内の位置が目的地アドレスに対応するため、一致する目的地アドレスを見つけ出すためにテーブルを通してスキャンする必要性は存在しない。
【0187】
図38を参照すると、照明ノード用のアドレスは、照明ノードが存在する照明ゾーンに基づいて割当てられ得る。例えば、3つの照明ゾーン、すなわち、グループ1、グループ2、及びグループ3が存在する。照明ノード1〜6はグループ1内にあり、照明ノード7〜9及び11はグループ2内にあり、照明ノード10、12、及び13はグループ3内にある。テーブルCは、照明ノード9用のルーティングテーブルに対応し、従来のルーティングテーブルアーキテクチャが採用される。
図38についての構成を解析すれば、グループ1内の全てのノードを含む多数の照明ノードが、1つのグループから別のグループにルーティングするときに、照明ノード8を通じてルーティングすることになる。照明ノード9が、以下のテーブルD及びテーブルEに対応する2つの別個のセクションを有することがより効率的であることを出願人等は発見した。
【0190】
照明ノード9についてのルーティングテーブルの第1のセクションは、3つのフィールド(又は列)、すなわち、目的地グループ、次のホップアドレス、及びホップの数を含む。これは、グループセクションと呼ばれる。次のホップアドレスを確定するとき、照明ノード9は、目的地アドレスが存在するグループを識別し、テーブルを使用して、そのグループ目的地に対する次のホップアドレスを確定する。そのため、目的地アドレスがグループ3の10、12、又は13に対応する場合、ルーティングテーブルは、次のホップアドレスを10として特定する。目的地アドレスがグループ1に対応する1〜6である場合、目的地アドレス8であるグループ1に対する次のホップアドレスが選択され、データのパケットをルーティングするために使用される。特に、目的地アドレスが同じグループ内に存在する場合、ルーティングテーブルの第2のセクションが探索される。第2のセクションは、従来のルーティングテーブルの構成をとればよく、以下のテーブルEに示すような目的地アドレスが使用される。
【0192】
あるいは、目的地アドレスフィールドの全体は、ルーティングテーブルの第2のセクションから省略され得る。
図37に関連して述べる技法を使用して、ルーティングテーブルの第2のセクション内の次のホップアドレスは、ルーティングテーブル内で目的地アドレスに対応する位置に位置決めされ得る。そのため、ルーティングテーブルの第2のセクションが使用されると、ルーティングテーブル内の次のホップアドレスの位置決めは、実際の目的地アドレスに対応することになる。
【0193】
図39を参照すると、更に別のルーティングテーブル構成が示される。
図39に示す照明ネットワークの基本構成は、
図38の基本構成と同じである。唯一の差は、それぞれの照明ノード用のアドレスが、非常に凝縮されたルーティングテーブルの作成を容易にするため再割当てされたことである。照明ノード9用の例示的なルーティングテーブルは以下(テーブルF)に示される。
【0195】
図示されるように、ルーティングテーブルは2つのフィールドを有するだけであり、実際の目的地アドレス又は実際の目的地アドレスが存在するグループに基づいて次のホップアドレスを確定する代わりに、次のホップアドレスを選択するためのルーティング基準が定義される。ルーティング基準は、複数の目的地アドレスが入る範囲、及びある事例では、実際の目的地アドレスに基づく。例えば、また再び、照明ノード9を使用すると、9より小さい任意の目的地アドレスに対する次のホップアドレスは目的地アドレス7である。10より大きい任意の目的地アドレスに対する次のホップアドレスは目的地アドレス11である。最後に、目的地アドレスが10である場合、次のホップアドレスは目的地アドレス10である。この実施形態は、ルーティングテーブルに目を向けて、個々のゾーン(又はグループ)及びシステム全体内の種々の照明ノードにアドレスを割当てる概念を示す。ルーティングテーブルを念頭に置いて、アドレスは、ルーティングテーブル内のエントリ数を大幅に減少させるように種々の照明ノードに割当てられ得て、少なくとも幾つかの次のホップアドレスの選択は、目的地アドレスが入る範囲に基づく。ルーティングするときのこれらの改善は、事実上任意のネットワーキングスキームで使用されることができ、照明用途だけに限定されない。
【0196】
上述した実施形態ではトロッファ型照明器具10に的を絞ったが、本明細書に開示される概念は、任意の型の照明器具に適用される。例えば、
図40に示す凹型照明器具10’も、上述した概念の全てを組込み得る。図示されるように、照明器具10’は、主ハウジング12’、レンズ14’、及び電子デバイスハウジング26’を含む。上述した種々のモジュールは、補助プレナム定格格納容器の内外で、電子デバイスハウジング26’内に収容され得る、又は、電子デバイスハウジング26’に取付けられ得る。これらの構成は、特定の用途に基づいて変化する。しかし、複数モジュールのうちの任意のモジュールが容易に置換され、新しいモジュールが付加されることを可能にするモジュール式システムの概念は、本開示及び添付特許請求の範囲内であると考えられる。
【0197】
本開示は、ネットワーク内での照明器具の制御が照明器具の間で分散され得る照明ネットワークに関する。照明器具は、異なる照明ゾーンに関連する複数のグループに分割され得る。照明器具の少なくとも幾つかは、占有センサ、周囲光センサ等のような1つ以上のセンサを有する又はそれに関連付けられる。照明ネットワーク全体又は種々の照明ゾーン内で、照明器具は、センサからのセンサデータを共有し得る。各照明器具は、自身のセンサ、リモートスタンドアロンセンサ、又は照明器具によって提供されるセンサデータを処理し、また、照明器具自身の内部ロジックに従ってセンサデータを処理して、照明器具の動作を制御し得る。照明器具はまた、他の照明器具、制御ノード、光スイッチ、及びコミッショニングツールからの制御入力を受信し得る。制御入力は、内部ロジックに従ってセンサデータと共に処理されて、照明器具の制御を更に向上し得る。
【0198】
したがって、本開示の照明ネットワークの制御は、各照明器具が本質的には照明ネットワークから独立して動作するように分散化される。しかしながら、照明器具のそれぞれの内部ロジックは、それらの照明器具がグループとして協調動作するように構成される。協調しながら、各照明器具は、特定の照明用途についての目標に応じて異なる方法で動作し得る。照明器具はまた、提示される任意のユーザ入力に応答し得る。
【0199】
一実施形態では、光センサとソリッドステート光源と関連する回路とを有する照明器具が提供される。回路は、複数の照明器具の内の所与の照明器具が投光モードに入ることを決定するように構成される。光センサを用いて、回路は、所与の照明器具によって提供される第1の投光信号をモニターし、第1の投光信号の受信に基づいて所与の照明器具に対するグルーピングデータの生成を行う。グルーピングデータは、その照明器具を複数の照明器具のうちの1つ以上とグルーピングするために少なくとも部分的に使用され得る。照明器具を複数の照明器具の1つ以上とグルーピングするために、回路は、グルーピングデータを、複数の照明器具をどのようにグルーピングするかを決定するリモートエンティティに送信し、照明器具が属するグループを識別する情報を受信し得る。あるいは、回路は、グルーピングデータを、複数の照明器具をどのようにグルーピングするかを決定する複数の照明器具の1つに送信し得る。
【0200】
照明器具を複数の照明器具のうちの1つ以上とグルーピングするために、回路は、グルーピングデータを、複数の照明器具の1つ以上の照明器具から受信される他のグルーピングデータと共に処理して、照明器具が属する複数の照明器具のグループを決定し得る。第1の投光信号が検出される場合、グルーピングデータは第1の投光信号の相対的な信号強度を示し得る。
【0201】
別の実施形態において、回路は、投光モードに入り、次に、ソリッドステート光源を駆動して、複数の照明器具によってモニターされる第2の投光信号を提供するように構成され得る。投光信号を提供する前に、回路は、複数の照明器具に対し、第2の投光信号をモニターし始めるように命令を送信し得る。
【0202】
回路は、複数の照明器具の少なくとも1つからリモートセンサデータを受信し、リモートセンサデータに基づいてソリッドステート光源を駆動するように更に構成され得る。したがって、回路は、光センサ又は照明器具の別のローカルセンサからのローカルセンサデータを判別し、リモートセンサデータとローカルセンサデータの両方に基づいてソリッドステート光源を駆動し得る。回路はまた、ローカルセンサデータを複数の照明器具の少なくとも1つに送信し得る。
【0203】
回路はまた、照明器具が割当てられた複数の照明器具のグループを識別し、グループのために意図される命令に応答してソリッドステート光源を駆動し得る。各照明器具は、ただ1つのグループに割当てられ得る、又は、少なくとも1つの照明器具を共有する、オーバラップするグループ群の場合、複数のグループに割当てられ得る。
【0204】
回路は、ソリッドステート光源を駆動するように構成されるドライバモジュール、及び、複数の照明器具と通信し、ドライバモジュールを制御するように構成される通信モジュールに分割され得る。ドライバモジュール及び通信モジュールは、通信バスを通じて互いに通信する。
【0205】
更に別の実施形態では、関連付けられた光センサを有する複数の照明器具を備える照明ネットワークが提供される。モニターモード中に、複数の照明器具のそれぞれは、複数の照明器具のうちの所与の照明器具が投光モードに入ることを判定し、光センサを用いて、所与の照明器具によって提供される投光信号をモニターし、第1の投光信号の受信に基づいて所与の照明器具に対するグルーピングデータの生成を行うように構成される。受信モード中に、各照明器具は、関連付けられたソリッドステート光源を駆動して、複数の照明器具のうちの他の照明器具がモニターするための投光信号を提供する。複数の照明器具のそれぞれは、グルーピングデータに基づいて複数のグループのうちの少なくとも1つに自動的に割当てられ得る。
【0206】
複数の照明器具のうちの任意の2つに関連するグルーピングデータは、それら2つのうちの第1の照明器具によって提供される投光信号であって、それら2つのうちの第2の照明器具によって受信される投光信号の相対的大きさ(マグニチュード)を示し得る。更に、複数の照明器具のそれぞれは、複数の照明器具のうちの他の照明器具について収集されるグルーピングデータを交換し、グルーピングデータに基づいて複数のグループのうちの1つに自身を自動的に割当てるように構成され、その結果、複数のグループのそれぞれは、特定のグループ内の他の照明器具からの投光信号を検出できた照明器具を含む。あるいは、複数の照明器具のそれぞれは、複数の照明器具のうちの他の照明器具について収集されるグルーピングデータを交換し、グルーピングデータに基づいて複数のグループのうちの1つに自身を自動的に割当てるように構成され、その結果、複数のグループのそれぞれは、設定閾値を超えた大きさで、特定のグループ内の他の照明器具からの投光信号を検出できた照明器具を含む。
【0207】
複数の照明器具のそれぞれによって収集されるグルーピングデータは、リモートエンティティに送信され得て、リモートエンティティは、複数の照明器具をグルーピングデータに基づいて複数のグループに割当て得る。複数の照明器具のそれぞれによって収集されるグルーピングデータはまた、複数の照明器具の1つに送信され得て、この1つの照明器具は、複数の照明器具をグルーピングデータに基づいて複数のグループに割当て得る。
【0208】
また、各照明器具は、その光センサ又は別の関連付けられたセンサからのセンサデータを、複数の照明器具のうちの他の照明器具と共有し、自身の内部ロジックに照らして、センサデータに基づき光出力を制御するように構成され得る。内部ロジックは、複数の照明器具のそれぞれが、協調方式で光を提供しながら互いから独立して動作するように構成され得る。
【0209】
更に別の実施形態では、センサ及びソリッドステート光源を有する照明器具のグループを備える照明ネットワークが提供される。照明器具のグループの各照明器具は、照明器具のグループの少なくとも1つと連携して、光出力レベルを決定し、ソリッドステート光源を駆動して、光出力を提供するように構成され得る。照明器具のグループの少なくとも幾つかは、異なる光出力レベルを同時に提供する。照明器具のグループにおける異なるサブグループは、異なる光出力レベル又は照明器具のグループ間で累進的である異なる光出力レベルを提供し得る。各照明器具についての光出力レベルは、周囲光に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。周囲光の量は、照明器具の光センサを用いて検出され得る。特に、各照明器具についての光出力レベルは、照明器具のグループのうちの別の照明器具のセンサを用いて検出される周囲光の量に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0210】
照明器具のグループを備える複数の照明器具のそれぞれは、複数の照明器具のうちの所与の照明器具が投光モードに入ることを判定し、光センサを用いて、所与の照明器具によって提供される投光信号をモニターし、投光信号の受信に基づいて所与の照明器具に対するグルーピングデータの生成を行うように構成され得る。複数の照明器具のそれぞれは、関連付けられたソリッドステート光源を駆動して、複数の照明器具のうちの他の照明器具がモニターするための投光信号を提供し得る。複数の照明器具のそれぞれは、グルーピングデータに基づいて、複数のグループの少なくとも1つに自動的に割当てられ得る。
【0211】
本開示は、ネットワーク内での照明器具の制御が照明器具の間で分散され得る照明ネットワークに関する。照明器具は、異なる照明ゾーンに関連する複数のグループに分割され得る。照明器具の少なくとも幾つかは、占有センサ、周囲光センサ等のような1つ以上のセンサを有する又はそれに関連付けられる。照明ネットワーク全体又は種々の照明ゾーン内で、照明器具は、それらセンサからのセンサデータを共有し得る。各照明器具は、自身のセンサ、リモートスタンドアロンセンサ、又は照明器具によって提供されるセンサデータを処理し、また、照明器具自身の内部ロジックに従ってセンサデータを処理して、照明器具の動作を制御し得る。照明器具はまた、インターネット又は他の同様なネットワークを介して他の照明器具、制御ノード、光スイッチ、コミッショニングツール、ゲートウェイ、及びリモードデバイスからの制御入力を受信し得る。制御入力は、内部ロジックに従ってセンサデータと共に処理されて、照明器具の制御を更に向上し得る。
【0212】
したがって、本開示の照明ネットワークの制御は、各照明器具が本質的には照明ネットワークから独立して動作するように分散化され得る。しかしながら、照明器具のそれぞれの内部ロジックは、それらの照明器具がグループとして協調動作するように構成される。協調しながら、各照明器具は、特定の照明用途についての目標に応じて、異なる光出力レベルを提供することなど、異なる方法で動作し得る。照明器具はまた、提示される任意のユーザ入力に応答し得る。
【0213】
一実施形態では、各照明器具は、ソリッドステート光源及び動作を制御する回路を含む。特に、回路は、少なくとも1つの照明器具からリモートセンサデータを受信し、リモートセンサデータに基づいてソリッドステート光源を駆動するように構成される。照明器具は、周囲光センサ、占有センサ等のようなローカルセンサを含み得る。ローカルセンサを用いて、回路は、ローカルセンサからのローカルセンサデータを判定し、リモートセンサデータとローカルセンサデータとの両方に基づいてソリッドステート光源を駆動するように更に構成される。ローカルセンサデータはまた、他の照明器具に送信されることができ、他の照明器具は、ローカルセンサデータを使用して、これらの照明器具を制御するのを助け得る。照明器具を制御することに加えて、センサ活動は、細部における使用パターンを示すことができる。幾つかの例は、部屋内でどのエリアが長期間にわたって使用されているかを示す部屋内の占有センサパターン、又は、昼光がどれだけ効率的に窓から取込まれ、部屋に分配されるかを示す周囲光センサであるだろう。
【0214】
したがって、これらの照明器具は、自身らのセンサデータを、照明ネットワーク内の他の照明器具と共有し、自身らの内部ロジックに照らしてローカル及びリモートセンサデータに基づき自身らの光出力を制御し得る。内部ロジックは、照明器具のそれぞれが、光又は機能を協調方式で提供しながら、互いから独立して動作するように構成される。
【0215】
例えば、スイッチが使用されて、特定ゾーン内の照明器具の全てをオンし得る。しかし、種々の照明器具によって提供される光の量は、照明ゾーンの異なる複数のエリアに存在する周囲光の量に基づいて、一つの照明機器から隣接する照明器具へと変化し得る。窓に近い照明器具は、内壁の近くにある照明器具に比べて少ない光又は異なる色若しくは色温度の光を提供し得る。
【0216】
本開示は、ネットワーク内での照明器具の制御が照明器具の間で分散され得る照明ネットワークに関する。照明器具は、異なる照明ゾーンに関連する複数のグループに分割され得る。照明器具の少なくとも幾つかは、占有センサ、周囲光センサ等のような1つ以上のセンサを有する又はそれに関連付けられる。照明ネットワーク全体又は種々の照明ゾーン内で、照明器具は、センサからのセンサデータを共有し得る。各照明器具は、自身のセンサ、リモートスタンドアロンセンサ、又は照明器具によって提供されるセンサデータを処理し、また、照明器具自身の内部ロジックに従ってセンサデータを処理して、照明器具の動作を制御し得る。照明器具はまた、他の照明器具、制御ノード、光スイッチ、及びコミッショニングツールから制御入力を受信し得る。制御入力は、内部ロジックに従ってセンサデータと共に処理されて、照明器具の制御を更に向上し得る。
【0217】
したがって、本開示の照明ネットワークの制御は、各照明器具が本質的には照明ネットワークから独立して動作するように分散化され得る。しかしながら、照明器具のそれぞれの内部ロジックは、それらの照明器具がグループとして協同動作するように構成される。協調しながら、各照明器具は、特定の照明用途についての目標に応じて、異なる光出力レベルを提供すること等、異なる方法で動作し得る。照明器具はまた、提示される任意のユーザ入力に応答し得る。
【0218】
こうした照明器具では、照明器具は、自身らの間で情報を通信し、多くの事例では、1つの照明器具から別の照明器具へデータパケットの形態で情報をルーティングする必要がある。したがって、照明器具は、データパケットを生成し、データパケットを別の照明器具にルーティングし、別の照明器具は、データパケット内の情報を処理する又はデータパケットを別の照明器具に向けてルーティングし得る。
【0219】
第1の実施形態では、各照明器具は、光源及び動作を制御する回路を含む。光出力を提供するため、回路は、光源を駆動して光出力を提供するように構成される。データパケットをルーティングするために、回路は、複数の目的地アドレスのそれぞれについて次のホップアドレスを有するルーティングテーブルを使用する。それぞれの次のホップアドレスは、複数の目的地アドレスのうちの対応するアドレスに基づいてルーティングテーブル内に位置決めされる。したがって、複数の目的地アドレスは、ルーティングテーブルにアクセスするために使用される必要はない。
【0220】
回路は、最初に、データパケットの目的地アドレスに基づいてルーティングテーブル内の位置を確定し得る。次に、目的地アドレスに対する次のホップアドレスが、ルーティングテーブル内の位置に基づいてアクセスされ、その後、データパケットが、次のホップアドレスに向かってルーティングされる。本質的に、複数の目的地アドレスのそれぞれについて次のホップアドレスは、複数の目的地アドレスの数値の順序付けに対応する順序でルーティングテーブル内に位置決めされ得る。目的地アドレスに対する次のホップアドレスにアクセスするため、回路は、インデックスとして目的地アドレスを使用して、ルーティングテーブルから目的地アドレスに対する次のホップアドレスを識別し得る。ルーティングテーブルは、それぞれの次のホップアドレスについてホップ数を含み得る。複数のノードの数は、ルーティングテーブル内の位置の数に対応し得る。1つのシナリオでは、各目的地アドレスの値は、ルーティングテーブル内の対応する次のホップアドレスを含む位置に直接対応する。
【0221】
第2の実施形態では、ルーティングテーブルは、少なくとも第1のセクション及び第2のセクションに分割される。第1のセクションは、照明器具が属さない、複数の照明器具のグループのそれぞれに対する次のホップアドレスを含む。第2のセクションは、照明器具が属する照明器具のグループに関連する複数の目的地アドレスのそれぞれの目的地アドレスに対応する次のホップアドレスを含む。
【0222】
一実装態様では、第2のセクションは、対応する次のホップアドレスに関連する複数の目的地アドレスのそれぞれの目的地アドレスを含む。次のホップアドレスは、対応する目的地アドレスに直接基づいてアクセスされる。別の実装態様では、それぞれの次のホップアドレスは、複数の目的地アドレスのうちの対応するアドレスに基づいてルーティングテーブル内で位置決めされ、それにより、複数の目的地アドレスは、ルーティングテーブルにアクセスするために使用されない。
【0223】
データパケットが、照明器具が属さない複数の照明器具のグループのうちの1つのグループに対して意図される場合、回路は、第1のセクションにアクセスし、照明器具が属さない複数の照明器具のグループの1つのグループに基づいて次のホップアドレスを確定する。データパケットが、照明器具が属する照明器具のグループに対して意図される場合、回路は、第2のセクションにアクセスして、データパケット用の次のホップアドレスを確定する。次のホップアドレスが識別されると、回路は、データパケットを次のホップアドレスに向けてルーティングする。
【0224】
第3の実施形態では、目的地アドレスの少なくとも2つの範囲のそれぞれに対する次のホップアドレスを有する、ルーティグ基準を含む照明器具が提供される。目的地アドレスの少なくとも2つの範囲のうちの1つの範囲に向かってデータパケットをルーティングするとき、回路は、最初に、データパケットについての目的地アドレスを確定する。次に、回路は、目的地アドレスが入る、目的地アドレスの少なくとも2つの範囲のうちの1つの範囲に基づいて、ルーティング基準から次のホップアドレスを選択する。ルーティング基準はまた、少なくとも1つの目的地アドレスに対する次のホップアドレスを含み得る。次のホップアドレスが、アドレスの範囲ではなく、目的地アドレスに直接関連付けられている場合、回路は、データパケットについての目的地アドレスを確定し、少なくとも1つの目的地アドレスに基づいてルーティング基準から次のホップアドレスを選択し、データパケットを次のホップアドレスに向けてルーティングする。
【0225】
本開示は、ネットワーク内での照明器具の制御が照明器具の間で分散され得る照明ネットワークに関する。照明器具は、異なる照明ゾーンに関連する複数のグループに分割され得る。照明器具の少なくとも幾つかは、占有センサ、周囲光センサ等のような1つ以上のセンサを有する又はそれに関連付けられる。照明ネットワーク全体又は種々の照明ゾーン内で、照明器具は、センサからのセンサデータを共有し得る。各照明器具は、自身のセンサ、リモートスタンドアロンセンサ、又は照明器具によって提供されるセンサデータを処理し、また、照明器具自身の内部ロジックに従ってセンサデータを処理して、照明器具の動作を制御し得る。照明器具はまた、他の照明器具、制御ノード、光スイッチ、及びコミッショニングツールからの制御入力を受信し得る。制御入力は、内部ロジックに従ってセンサデータと共に処理されて、照明器具の制御を更に向上し得る。
【0226】
したがって、本開示の照明ネットワークの制御は、各照明器具が本質的には照明ネットワークから独立して動作するように分散化され得る。しかしながら、照明器具のそれぞれの内部ロジックは、それらの照明器具がグループとして協調動作するように構成される。協調しながら、各照明器具は、特定の照明用途についての目標に応じて、異なる光出力レベルを提供すること等、異なる方法で動作し得る。照明器具はまた、提示される任意のユーザ入力に応答し得る。
【0227】
一実施形態では、照明器具が照明ネットワーク内に設置されると、手持ち式デバイスを使用して、有線又は無線通信手段を通じて種々の照明器具をセットアップし、構成し、制御し得る。手持ち式デバイスを使用して、所望の協調方式で動作するよう種々の照明器具の内部ロジックを構成する、複数の照明器具を定義された複数の照明ゾーンに関連する複数のグループに割当る、照明器具を他のグループに再割当てする等を行い得る。グルーピングのため、手持ち式デバイスは、種々の照明器具からグルーピングデータを受信し、グルーピングデータに基づいて照明器具をグルーピングするように構成され得る。グループが決定されると、手持ち式デバイスは、照明器具が割当てられた1つ又は複数のグループを各照明器具に知らせ得る。
【0228】
本開示は、ドライバモジュール、及び、少なくとも1つの他のモジュールであって、センサ機能、照明ネットワーク通信機能、ゲートウェイ機能等のような照明器具機能を提供する、少なくとも1つの他のモジュールを含む照明器具に関する。ドライバモジュールは、通信バスを通じてマスター/スレーブスキームで他のモジュールと通信する。ドライバモジュールは、スレーブ通信デバイスとして構成され、他のモジュールは、マスター通信デバイスとして構成される。したがって、他のモジュールは、ドライバモジュールとの通信を開始して、情報を、ドライバモジュールに送信し得る又はドライバモジュールから取出し得る。
【0229】
一実施形態では、ドライバモジュール及び通信モジュールを含む照明器具が提供される。ドライバモジュールは、関連付けられた光源を駆動し、スレーブ通信デバイスとして通信バスを通じた通信を容易にするように構成される。通信モジュールは、照明ネットワーク内の他の要素との無線通信を容易にし、通信バスを通じてドライバモジュールと、マスター通信デバイスとして通信するように構成される。照明器具はまた、補助モジュールを含むことができ、補助モジュールは、照明器具のために照明器具機能を提供すると共に、通信バスを通じたドライバモジュールとの、マスター通信デバイスとしての通信を容易にするように構成される。マスター通信デバイスであることで、補助モジュールと通信モジュールは共に、ドライバモジュールとの通信を開始し得る。ドライバモジュールは、AC電力を受け取り、DC電力を通信モジュール及び補助モジュールに提供するように構成され得る。通信バスは、I
2Cバス等のシリアル通信バスであり得る。
【0230】
ドライバモジュールとの通信は、ドライバモジュールからの情報を要求すること及び情報をドライバモジュールに転送することを含み得る。補助モジュールは、1)照明器具機能が占有を検出することである占有センサ、2)照明器具機能が周囲光を検出することである周囲光センサ、及び3)照明器具機能がリモートデバイス及び照明ネットワーク外のネットワークの少なくとも一方に対して無線通信ゲートウェイを提供することである通信ゲートウェイを有するように構成され得る。
【0231】
1つのシナリオでは、通信モジュールは、照明ネットワークの他の要素のうちの1つから第1の情報を無線で受信し、マスター通信デバイスとして、ドライバモジュールに対する第1の情報の転送を開始するように構成され、ドライバモジュールは、第1の情報に基づいて光源を制御する。更に、補助モジュールは、センサを含み、センサの出力に関係する第2の情報を確定するように構成され得る。マスター通信デバイスとして、補助モジュールは、ドライバモジュールへの第2の情報の転送を開始し得て、ドライバモジュールは、第2の情報に基づいて光源を制御する。
【0232】
通信モジュールは、照明ネットワークの他の要素のうちの1つから情報を無線で受信し、マスター通信デバイスとして、ドライバモジュールへの情報の転送を開始するように構成され、ドライバモジュールは、この情報に基づいて光源を制御する。
【0233】
ドライバモジュールは、通信バスを介してリモートスイッチと通信するように更に構成され得て、リモートスイッチはまた、ドライバモジュールへのスイッチ情報の転送を開始するように構成されるマスター通信デバイスとして構成され、ドライバモジュールは、スイッチ情報に基づいて光源を制御する。
【0234】
本開示は、照明ネットワーク内で使用するための照明器具に関し、照明器具及び他の要素は、有線又は無線通信技術を介して互いに通信可能である。照明ネットワークが形成される又は修正されると、照明器具は、互いに通信することができ、また、コミッショニングプロセス中に調整器として機能する単一の照明器具を自動的に判定し得る。本質的には、照明器具は、MACアドレス等の自身らの通信アドレスを交換する可能性があり、最小(又は最高)のノーマル通信アドレスを有する照明器具が調整器になる。調整器はまた、照明ネットワークが形成されると、通信のために使用する短縮アドレスを、長いMACアドレス又は同様のアドレスの代わりに割当てるように構成され得る。短縮アドレスは、ルーティングオーバヘッドを減少させ、したがって、制御情報、センサデータ等を含むメッセージのルーティングをより効率的にする可能性がある。
【0235】
1つの例示的な実施形態では、第1のアドレスを有し、任意の数の要素を有する照明ネットワーク内で使用されることを意図される照明器具が提供される。照明器具は、一般に、光源、通信インタフェース、及び照明器具を制御するための回路を含む。光源を制御することに加え、回路は、第1のリモート照明器具から、第1のリモート照明器具についての第2のアドレスを含む第1の「マイネットワークに参加(join my network)」メッセージを受信するように構成される。回路は、第1のアドレスを第2のアドレスと比較する。第1のアドレスが第2のアドレスとの予め定義された関係を持たない場合、回路は、第1のリモート照明器具を照明ネットワークに対する調整器として認識し得る。第1のアドレスが第2のアドレスとの予め定義された関係を持つ場合、回路は、自身の照明器具を照明ネットワークに対する調整器として設定し得る。予め定義された関係は、単に、第1のアドレスが第2のアドレスより大きいか、小さいかであり得るが、本明細書で開示される概念は、これらの2つの関係に限定されない。
【0236】
短縮アドレスが使用される場合、回路は、第1のアドレスが第2のアドレスとの予め定義された関係を持つ場合において、第1のリモート照明器具に対する短縮アドレスを生成し、そのアドレスを第1のリモート照明器具に送信し得る。この場合、照明器具は、少なくとも一時的に、自身を第1のリモート照明器具の調整器と考える。やはり、第1の短縮アドレスは、第1のアドレスより短い。例えば、第1のアドレスは64ビットMACアドレスであり、短縮アドレスは、8、16、又は24ビットアドレス等であり得る。回路は、第1の短縮アドレスを第1のリモート照明器具に送信する。第1のアドレスが第2のアドレスとの予め定義された関係を持たない場合、回路は、照明器具が照明ネットワークと通信するために使用する第1の短縮アドレスを受信するために待ち得る。ここで、第1の短縮アドレスは第1のアドレスより短い。
【0237】
照明器具は、コミッショニングプロセス中に異なる照明器具から「マイネットワークに参加(join my network)」メッセージを受信し得る。照明器具は、第1の交換中に1つのリモート照明器具に対して自分が調整器であると最初に考え、その後、別のリモート照明器具との第2の交換中にその調整器の役割をあきらめ得る。例えば、回路は、第2のリモート照明器具から、第2のリモート照明器具についての第3のアドレスを含む第2の「マイネットワークに参加(join my network)」メッセージを受信し、第1のアドレスを第3のアドレスと比較するように構成され得る。第1のアドレスが第3のアドレスとの予め定義された関係を持たない場合、回路は、第1のリモート照明器具を照明ネットワークに対する調整器として認識し得る。第1のアドレスが第3のアドレスとの予め定義された関係を持つ場合、回路は、少なくとも一時的に、自身の照明器具を照明ネットワークに対する調整器として設定し得る。
【0238】
照明器具が主にメッシュネットワーク用のルーティングノードであるとき、最終的に調整器になる照明器具用の回路は、照明ネットワーク内で、センサモジュール、スイッチモジュール、一定の照明器具等を含み得る非ルーティング要素のそれぞれに短縮アドレスを割当て得る。
【0239】
調整器用の回路は、種々の要素(ルーティング用と非ルーティング用の両方)に対する命令の伝送を行って、グルーピングプロセスを開始し得て、複数の要素は、互いに協調して、複数の要素についての複数のグループを形成する。グルーピングプロセスは、投光処理を採用することができ、1つの要素が投光信号を放出するとき、要素のうちの他の複数の要素が、投光信号をモニターして、要素についての複数のグループを決定するために使用される投光データを確定する。調整器等の1つ以上の要素は、要素のうちの他の複数の要素から投光データを収集すると共に、要素のうちの他の複数の要素に、要素のうちの複数の要素のそれぞれが割当てられるグループを識別する情報を送信し得る。調整器は、実際にグループを決定し得る、又は、コミッショニングツール又は他の制御システム等のリモートエンティティを使用して、グループを決定し得る。代替的に、要素のうちの幾つかは、データの全てを交換し、自身を独立して、一つのグループと一体にし得る。
【0240】
本開示は、照明ネットワーク内で使用するための照明器具に関し、照明器具及び他の要素は、有線又は無線通信技術を介して互いに通信可能である。照明ネットワークが形成又は修正されると、照明ネットワークを形成するための調整器として機能する照明器具が選択される。例えば、ユーザは、コミッショニングツールを使用して、特定の照明器具を調整器として選択し得る。調整器は、照明ネットワークの他の要素に向けて1つ以上の「マイネットワークに参加(join my network)」メッセージを送信する。「マイネットワークに参加(join my network)」メッセージを受信する要素は、応答して、調整器に自分たちの存在を知らせ、自身らを照明ネットワークに参加させ得る。
【0241】
ある実施形態では、調整器は、短縮アドレスを、自身にまた照明ネットワーク内の他の要素に割当てる。要素が既にMACアドレス又は同様なアドレスを持っているが、短縮アドレスが割当てられると、ルーティングネットワークの要素は、通常の通信に短縮アドレスを使用する。短縮アドレスは、ルーティングオーバヘッドを減少させ、したがって、制御情報、センサデータ等を含むメッセージのルーティングをより効率的にする可能性がある。
【0242】
照明ネットワークは、幾つかの要素がルーティングノードとして働き、他の要素が非ルーティングノードとして働く種々の要素から形成されるメッシュネットワークであるとすることができる。例えば、選択実施形態では、照明器具の一部又は全てがルーティングノードであり得て、一方、スイッチ、スタンドアロンセンサ等が非ルーティングノードであり得る。しかし、特定のタイプの要素がルーティング要素として構成され得るか、非ルーティング要素として構成され得るかに関する制限は存在しない。
【0243】
調整器は、種々の要素(ルーティング用と非ルーティング用の両方)に対する命令の伝送を行って、グルーピングプロセスを開始し得て、複数の要素は、互いに協調して、複数の要素についての複数のグループを形成する。グルーピングプロセスは、投光処理を採用することができ、1つの要素が投光信号を放出するとき、要素のうちの他の複数の要素が、投光信号をモニターして、要素についての複数のグループを決定する。調整器等の1つ以上の要素は、要素のうちの他の複数の要素から投光データを収集すると共に、要素のうちの他の複数の要素に、要素のうちの複数の要素のそれぞれが割当てられるグループを識別する情報を送信し得る。調整器は、実際にグループを決定し得る、又は、コミッショニングツール又は他の制御システム等のリモートエンティティを使用して、グループを決定し得る。代替的に、要素のうちの幾つかは、データの全てを交換し、自身を独立して、一つのグループと一体にし得る。
【0244】
当業者は、本開示の実施形態に対する改良及び変形を認識するであろう。全てのこうした改良及び変形は、本明細書で開示される概念及び添付特許請求項の範囲内にあると考えられる。