(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可動レンズの光軸方向における位置に応じた信号を出力する第一のセンサから出力される信号に基づいて前記可動レンズの光軸方向における第一の位置を検出する第一の位置検出部と、
前記第一の位置検出部により検出された第一の位置を記憶部に記憶する記憶制御部と、
前記可動レンズの光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第二のセンサから出力される信号と、前記記憶部に記憶されている最新の前記第一の位置と、に基づいて、前記可動レンズの光軸方向における第二の位置を検出する第二の位置検出部と、
前記第二の位置検出部により検出された第二の位置を出力する出力部と、
前記第二のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第二のセンサ状態検出部と、を備え、
前記第一の位置検出部は、予め決められたタイミングで前記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を検出し、前記第一の位置が前記記憶部に記憶された後は、前記第二のセンサ状態検出部により前記第二のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に前記第二のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された異常復帰状態において、前記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を再び検出し、
前記記憶制御部は、前記異常復帰状態において、前記第一の位置検出部により検出される第一の位置と、前記第二の位置検出部により検出される第二の位置との差が位置閾値以上となる位置ずれ状態であるか否かを判定し、前記位置ずれ状態である場合に、前記第一の位置検出部により検出された第一の位置を前記記憶部に記憶する可動レンズの位置検出装置。
可動レンズの光軸方向における位置に応じた信号を出力する第一のセンサから出力される信号に基づいて前記可動レンズの光軸方向における第一の位置を検出する第一の位置検出ステップと、
前記第一の位置検出ステップにより検出された第一の位置を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
前記可動レンズの光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第二のセンサから出力される信号と、前記記憶部に記憶されている最新の前記第一の位置と、に基づいて、前記可動レンズの光軸方向における第二の位置を検出する第二の位置検出ステップと、
前記第二の位置検出ステップにより検出された第二の位置を出力する出力ステップと、
前記第二のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第二のセンサ状態検出ステップと、を備え、
前記第一の位置検出ステップは、予め決められたタイミングで前記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を検出し、前記第一の位置が前記記憶部に記憶された後は、前記第二のセンサ状態検出ステップにより前記第二のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に前記第二のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された異常復帰状態において、前記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を再び検出し、
前記記憶制御ステップは、前記異常復帰状態において、前記第一の位置検出ステップにより検出される第一の位置と、前記第二の位置検出ステップにより検出される第二の位置との差が位置閾値以上となる位置ずれ状態であるか否かを判定し、前記位置ずれ状態である場合に、前記第一の位置検出ステップにより検出された第一の位置を前記記憶部に記憶する可動レンズの位置検出方法。
可動レンズの光軸方向における位置に応じた信号を出力する第一のセンサから出力される信号に基づいて前記可動レンズの光軸方向における第一の位置を検出する第一の位置検出ステップと、
前記第一の位置検出ステップにより検出された第一の位置を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
前記可動レンズの光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第二のセンサから出力される信号と、前記記憶部に記憶されている最新の前記第一の位置と、に基づいて、前記可動レンズの光軸方向における第二の位置を検出する第二の位置検出ステップと、
前記第二の位置検出ステップにより検出された第二の位置を出力する出力ステップと、
前記第二のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第二のセンサ状態検出ステップと、をコンピュータに実行させるための可動レンズの位置検出プログラムであって、
前記第一の位置検出ステップは、予め決められたタイミングで前記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を検出し、前記第一の位置が前記記憶部に記憶された後は、前記第二のセンサ状態検出ステップにより前記第二のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に前記第二のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された異常復帰状態において、前記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を再び検出し、
前記記憶制御ステップは、前記異常復帰状態において、前記第一の位置検出ステップにより検出される第一の位置と、前記第二の位置検出ステップにより検出される第二の位置との差が位置閾値以上となる位置ずれ状態であるか否かを判定し、前記位置ずれ状態である場合に、前記第一の位置検出ステップにより検出された第一の位置を前記記憶部に記憶する可動レンズの位置検出プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像システムの概略構成を示す外観図である。
図1に示す撮像システムは、撮像装置1と、撮像装置1に装着されたレンズ装置2と、を備える。
【0023】
レンズ装置2は円筒形状等の筒状の筐体10を備える。この筐体10内には、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む撮影レンズと、開口量を調整できる絞り装置が内蔵されている。
【0024】
レンズ装置2の筐体10の基部にはマウント部3が設けられている。このマウント部3の接続部を、撮像装置1の前部に設けられているレンズ装着部に装着することで、レンズ装置2が撮像装置1に固定される。
【0025】
撮像装置1には、レンズ装置2が装着された状態で、レンズ装置2の光軸上に撮像素子が配置される。そして、この撮像素子により、レンズ装置2の撮影レンズを通して被写体が撮像される。撮像素子の出力信号は、撮像装置1に内蔵される画像処理部によって処理されて、各種画像データが生成される。
【0026】
撮影者5は、この撮像装置1を右肩に担いで例えば右眼でファインダ装置6を覗く。そして、撮影者5は、右手7でレンズ装置2の把持部を把持して撮像装置を固定しながら、被写体を撮影することになる。
【0027】
レンズ装置2の先端側(被写体側)には、フォーカスレンズの焦点位置を調整するフォーカスリング8が、筐体10の外周囲を回動可能に設けられている。このフォーカスリング8を撮影者5が手で任意角度回転させることで、フォーカス位置の調整を行うことができる。
【0028】
レンズ装置2の中間部分には、ズームレンズのズーム位置を調整するズームリング9が筐体10の外周囲を回動可能に設けられている。このズームリング9を撮影者5が手で任意角度回転させることで、ズーム倍率の調整を行うことができる。
【0029】
レンズ装置2には、ズームリング9の更に撮像装置1側に、絞り装置の開口量を調整するためのアイリスリング11が設けられている。アイリスリング11は、レンズ装置2の外周囲を回動可能に設けられている。
【0030】
図2は、
図1に示すレンズ装置2のズームリング9近傍の筐体10内部の構成を示す模式図である。
【0031】
ズームリング9が外周に設けられた筐体10の内部には、レンズ装置2の光軸を中心に回転可能な回転筒10aと、回転筒10a内部に設けられた光軸方向に移動可能な可動レンズとしてのズームレンズ21と、ズームレンズ21を保持するズームレンズ保持部22とが設けられている。
【0032】
回転筒10aは、回転運動をズームレンズ保持部22の直線運動に変換するためのカム溝(不図示)を有している。カム溝にはズームレンズ保持部22の一部が移動可能に係合されている。したがって、ズームリング9が操作されて、ズームレンズ保持部22が光軸方向へ移動すると、この移動に伴って回転筒10aが光軸を中心に回転する。
【0033】
ズームレンズ保持部22には磁石23が固定されている。筐体10内において回転筒10aの外側には、ホール効果を利用して磁石23により形成される磁界を電気信号に変換するホール素子24が固定されている。
【0034】
磁石23は、ズームレンズ21に固定されているため、ホール素子24から出力される信号は、ズームレンズ21の位置に応じた信号となる。
【0035】
ホール素子24は、ズームレンズ21の位置に応じた信号を出力する第一のセンサを構成する。この第一のセンサとしては、ホール素子24以外に、可変抵抗体やポテンショメータ等を用いることもできる。
【0036】
回転筒10aの外周には、回転筒10aの回転方向に沿って伸びる環状の磁気記録部材20が固定されている。磁気記録部材20は、回転筒10aの回転方向に沿ってS極とN極の磁気信号を交互に着磁したものである。
【0037】
筐体10内において回転筒10aの外側には、磁気記録部材20と対向する位置に磁気センサ25が固定して配置されている。
【0038】
磁気センサ25は、印加磁界に応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗素子を2つ有しており、磁気記録部材20の磁気信号を検出して、正弦波信号と、この正弦波信号に対し位相が90°ずれた余弦波信号を出力する。
【0039】
磁気記録部材20は、回転筒10aに固定されており、回転筒10aの回転量はズームレンズ21の光軸方向への移動量に対応する。このため、磁気センサ25から出力される正弦波信号と余弦波信号は、ズームレンズ21の光軸方向における移動量に応じた信号となる。
【0040】
このように、磁気センサ25は、ズームレンズ21の光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第二のセンサを構成する。第二のセンサとしては、ズームレンズ21の光軸方向における移動量を検出できるものであればよく、磁気センサ以外のセンサを用いてもよい。
【0041】
図3は、
図1に示すレンズ装置2のフォーカスリング8近傍の筐体10内部の構成を示す模式図である。
【0042】
フォーカスリング8が外周に設けられた筐体10の内部には、レンズ装置2の光軸を中心に回転可能な回転筒10bと、回転筒10b内部に設けられた光軸方向に移動可能な可動レンズとしてのフォーカスレンズ31と、フォーカスレンズ31を保持するフォーカスレンズ保持部32とが設けられている。
【0043】
回転筒10bは、フォーカスリング8の回転に同期して回転する。回転筒10bは、回転運動をフォーカスレンズ保持部32の直線運動に変換するためのカム溝(不図示)を有している。カム溝にはフォーカスレンズ保持部32の一部が移動可能に係合されている。
【0044】
したがって、フォーカスリング8が回転されると、回転筒10bが回転してフォーカスレンズ31が光軸方向へ移動する。
【0045】
フォーカスレンズ保持部32には、フォーカスレンズ31の移動方向に沿って伸びる直線状の磁気記録部材33が固定されている。磁気記録部材33は、フォーカスレンズ31の移動方向に沿ってS極とN極の磁気信号を交互に着磁したものである。
【0046】
筐体10内において回転筒10bの外側には、磁気記録部材33と対向する位置に磁気センサ34が固定して配置されている。磁気センサ34は、印加磁界に応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗素子を2つ有しており、磁気記録部材33から磁気信号を検出し、正弦波信号と、この正弦波信号に対し位相が90°ずれた余弦波信号を検出し出力する。
【0047】
磁気記録部材33は、フォーカスレンズ31に固定されている。このため、磁気センサ34から出力される正弦波信号と余弦波信号は、フォーカスレンズ31の光軸方向における移動量に応じた信号となる。
【0048】
このように、磁気センサ34は、フォーカスレンズ31の光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第三のセンサを構成する。第三のセンサとしては、フォーカスレンズ31の光軸方向における移動量を検出できるものであればよく、磁気センサ以外のセンサを用いてもよい。
【0049】
筐体10内には、フォーカスレンズ31を駆動するためのフォーカスレンズ駆動機構35が設けられている。フォーカスレンズ駆動機構35は、後述する位置検出装置からの指令にしたがってフォーカスレンズ31の位置を制御する。
【0050】
図4は、
図1に示すレンズ装置2に搭載される可動レンズの位置検出装置40の概略構成を示すブロック図である。
【0051】
位置検出装置40は、第一の位置検出部41と、第二の位置検出部42と、記憶制御部43と、記憶部44と、出力部45と、フォーカスレンズ位置検出部46と、初期位置検出部47と、センサ異常検出部48と、を備える。記憶部44は、位置検出装置40の外部に設けられていてもよい。
【0052】
位置検出装置40はプロセッサを主体に構成されており、第一の位置検出部41、第二の位置検出部42、記憶制御部43、出力部45、フォーカスレンズ位置検出部46、初期位置検出部47、及び、センサ異常検出部48は、プロセッサが位置検出プログラムを実行することにより形成される機能ブロックである。この位置検出プログラムは、例えば位置検出装置40に内蔵されたROM(Read Only Memory)に記憶される。ROMは、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体を構成する。
【0053】
第一の位置検出部41は、ホール素子24から出力される信号に基づいてズームレンズ21の光軸方向における第一の位置を検出し、検出した第一の位置を記憶制御部43に入力する。
【0054】
第一の位置検出部41は、ホール素子24から出力される複数の信号の平均値を算出し、この平均値に基づいて第一の位置を検出する。平均値の算出は、ホール素子24の出力バラツキを平準化して、第一の位置の検出精度を向上させるために行われる。
【0055】
第一の位置検出部41は、記憶制御部43の指令によってホール素子24の起動制御と停止制御を行う。
【0056】
初期位置検出部47は、レンズ装置2が起動すると、フォーカスレンズ駆動機構35を制御し、フォーカスレンズ31をフォーカスレンズ31の可動範囲における一端まで移動させ、その後、可動範囲の他端まで移動させる。
【0057】
初期位置検出部47は、このフォーカスレンズ31の移動過程で磁気センサ34から出力される信号に基づいて、フォーカスレンズ31の初期位置(レンズ装置2の起動時におけるフォーカスレンズ31の位置)を検出し、検出した初期位置を記憶制御部43に入力する。
【0058】
例えば、フォーカスレンズ31の可動範囲を50cmとし、フォーカスレンズ31の初期位置が可動範囲の一端から10cmの位置である場合を考える。
【0059】
この場合は、フォーカスレンズ31を可動範囲の一端まで移動させた時点で、磁気センサ34の出力信号により、フォーカスレンズ31の初期位置から一端までの移動量(第一の移動量)が10cmであることを検出できる。
【0060】
更に、フォーカスレンズ31を可動範囲の一端から他端まで移動させると、磁気センサ34の出力信号により、可動範囲の一端から他端までの移動量(第二の移動量)を検出できる。したがって、第一の移動量と第二の移動量の関係から、初期位置を検出することができる。
【0061】
初期位置検出部47は、レンズ装置2の起動時と、所定の条件を満たしたときと、で初期位置の検出を行い、それ以外のときは動作しない。
【0062】
記憶制御部43は、予め決められたタイミングであるレンズ装置2の起動時に、第一の位置検出部41に第一の位置を検出させ、この第一の位置をRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体からなる記憶部44に記憶する。
【0063】
また、記憶制御部43は、レンズ装置2の起動時に第一の位置を記憶部44に記憶した後は、所定の条件を満たす場合に、記憶部44に記憶されている第一の位置の更新を行う。
【0064】
また、記憶制御部43は、初期位置検出部47により検出された初期位置を記憶部44に記憶する。
【0065】
第二の位置検出部42は、磁気センサ25から出力される信号と、記憶部44に記憶されている最新の第一の位置と、に基づいて、ズームレンズ21の光軸方向における第二の位置を検出する。
【0066】
具体的には、第二の位置検出部42は、記憶部44に記憶されている最新の第一の位置を基準位置とし、磁気センサ25から出力される信号に基づいて、この基準位置からのズームレンズ21の移動量を算出し、基準位置からこの移動量分だけ移動した位置を第二の位置として検出する。
【0067】
フォーカスレンズ位置検出部46は、記憶部44に記憶されている最新の初期位置と、磁気センサ34から出力される信号とに基づいて、フォーカスレンズ31の位置を検出する。
【0068】
具体的には、フォーカスレンズ位置検出部46は、記憶部44に記憶されている最新の初期位置を基準位置とし、磁気センサ34から出力される信号に基づいて、この基準位置からのフォーカスレンズ31の移動量を算出し、基準位置からこの移動量分だけ移動した位置をフォーカスレンズ31の位置として検出する。
【0069】
出力部45は、第二の位置検出部42により検出された第二の位置を、現在のズームレンズ21の位置情報として、レンズ装置2の表示部等に出力して利用者に通知したり、撮像装置1に出力したりする。
【0070】
出力部45は、フォーカスレンズ位置検出部46により検出されたフォーカスレンズ31の位置を、現在のフォーカスレンズ31の位置情報として、レンズ装置2の表示部等に出力したり、撮像装置1に出力したりする。
【0071】
センサ異常検出部48は、磁気センサ25の出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第二のセンサ状態検出部と、磁気センサ34の出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第三のセンサ状態検出部として機能する。
【0072】
センサ異常検出部48は、磁気センサ25の出力信号に基づいて磁気センサ25の出力信号の状態を判定するための判定値を生成し、この判定値と異常判定閾値との比較により、磁気センサ25の出力信号が異常状態と正常状態のどちらにあるかを検出する。
【0073】
同様に、センサ異常検出部48は、磁気センサ34の出力信号に基づいて磁気センサ34の出力信号の状態を判定するための判定値を生成し、この判定値と異常判定閾値との比較により、磁気センサ34の出力信号が異常状態と正常状態のどちらにあるかを検出する。
【0074】
図5は、磁気センサの出力信号に基づくリサージュ曲線を示す図である。
図5に示す曲線R1は、磁気センサ25の出力信号が正常状態である場合の磁気センサ25の出力信号に基づくリサージュ曲線である。
図5に示す曲線R2は、磁気センサ25の出力信号が異常状態である場合の磁気センサ25の出力信号に基づくリサージュ曲線である。
【0075】
図5に示すように、磁気センサ25の出力信号が正常状態であれば、曲線R1は予め決められた点Oを中心とする半径r1の円となる。一方、磁気センサ25に無線機等から強い電波が混入すると、リサージュ曲線は曲線R2のようになり、中心と半径が曲線R1に対して変化する。
【0076】
センサ異常検出部48は、磁気センサ25から出力される任意の時点での正弦波信号と余弦波信号をそれぞれSa,Caとし、磁気センサ25から出力される正弦波信号と余弦波信号の中心値(振幅がゼロとなる電圧レベル)をそれぞれSA及びCAとして、以下の式(1)の演算を行って、リサージュ曲線における
図5の点Oからの距離の二乗値を算出する。
【0077】
距離の二乗値=(Sa−SA)
2+(Ca−CA)
2 ・・・(1)
【0078】
式(1)で算出される距離の二乗値は、磁気センサ25が正常状態(設計通りに動作している状態)であれば、半径r1の二乗値との差が小さくなり、磁気センサ25が異常状態であれば、半径r1の二乗値との差が大きくなる。例えば、リサージュ曲線が曲線R2のようになる状態では、この曲線R2における点Oからの距離r2の二乗値は、半径r1の二乗値よりも十分に大きくなる。
【0079】
センサ異常検出部48は、式(1)によって算出した距離の二乗値と、予め決められた半径r1の二乗値との差を上記の判定値として算出する。
【0080】
センサ異常検出部48は、この判定値が異常判定閾値を超える場合に、磁気センサ25の出力信号が異常状態であることを検出し、この判定値が異常判定閾値以下である場合に、磁気センサ25の出力信号が正常状態であることを検出する。
【0081】
ここでは、式(1)によって算出した距離の二乗値と、予め決められた半径r1の二乗値との差を上記の判定値としたが、式(1)によって算出した距離の二乗値を判定値としてもよい。
【0082】
この場合は、予め決められた半径r1の二乗値の所定範囲(例えば0.7倍〜1.3倍の範囲)を異常判定閾値とする。
【0083】
センサ異常検出部48は、式(1)によって算出した距離の二乗値がこの所定範囲に入る場合は磁気センサ25が正常状態であると判定し、式(1)によって算出した距離の二乗値がこの所定範囲外にある場合は磁気センサ25が異常状態であることを検出する。
【0084】
センサ異常検出部48は、磁気センサ34の出力信号についても上記と同様の方法で正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する。
【0085】
図6は、
図4に示す位置検出装置40のズームレンズ21の位置検出動作を説明するためのフローチャートである。
【0086】
レンズ装置2の電源が投入され、レンズ装置2が起動すると、記憶制御部43は、第一の位置検出部41を介してホール素子24を起動させる。そして、第一の位置検出部41は、ホール素子24から出力される信号に基づいてズームレンズ21の第一の位置を検出し、第一の位置の検出後は、ホール素子24の電源をオフにする。
【0087】
第一の位置が検出されると、記憶制御部43は、この第一の位置を記憶部44に記憶する。第一の位置が記憶部44に記憶されると、第二の位置検出部42は、記憶部44に記憶された第一の位置と、磁気センサ25から出力される信号とに基づいて、ズームレンズ21の第二の位置を検出する。以降は、磁気センサ25から出力される信号に変化があると、第二の位置が変化する。
【0088】
第二の位置の検出が開始されると、センサ異常検出部48は、磁気センサ25の出力信号に基づいて上記の判定値を算出し、算出した判定値が異常判定閾値を超えるか否かを判定する(ステップS1)。
【0089】
なお、異常判定閾値が数値範囲で示される場合は、判定値が数値範囲外にある状態を、判定値が異常判定閾値を超える状態として扱い、判定値が数値範囲内にある状態を、判定値が異常判定閾値以下の状態として扱う。
【0090】
判定の結果、判定値が異常判定閾値以下である場合は(ステップS1:NO)、ステップS1の判定が繰り返される。
【0091】
判定値が異常判定閾値を超える場合(ステップS1:YES)、センサ異常検出部48は、判定値が異常判定閾値以下になったか否かを判定する(ステップS2)。
【0092】
判定値が異常判定閾値を超えている場合(ステップS2:NO)は、ステップS2の処理が繰り返され、判定値が異常判定閾値以下になった場合(ステップS2:YES)は、ステップS3の処理が行われる。
【0093】
ステップS3では、記憶制御部43が、第一の位置検出部41を介してホール素子24を起動し、第一の位置検出部41に第一の検出の指示を行う。この指示では、ホール素子24から出力される信号の平均数はm個(mは2以上の自然数)に指定される。
【0094】
この指示にしたがい、第一の位置検出部41は、ホール素子24から出力されるm個の信号の平均値を算出し、この平均値に基づいてズームレンズ21の第一の位置を検出する(ステップS3)。
【0095】
次に、記憶制御部43は、ステップS3で検出された第一の位置と、現時点で第二の位置検出部42により検出された第二の位置との差(絶対値)が位置閾値TH1以上となる位置ずれ状態か否かを判定する(ステップS4)。
【0096】
記憶制御部43は、位置ずれ状態であると判定した場合(ステップS4:YES)は、ステップS3で検出された第一の位置を記憶部44に記憶する(ステップS5)。
【0097】
記憶部44に第一の位置が新たに記憶されることで、第二の位置検出部42により、この最新の第一の位置と、磁気センサ25の出力信号とに基づいて第二の位置が検出される。
【0098】
記憶制御部43は、位置ずれ状態ではないと判定した場合(ステップS4:NO)は、ステップS3で検出された第一の位置を記憶部44に記憶せずに、ステップS6の処理を行う。
【0099】
ステップS6において、記憶制御部43は、ズームレンズ21が移動中であるか否かを判定する(ステップS6)。
【0100】
記憶制御部43は、ズームレンズ21の移動量(第二の位置検出部42により検出される第二の位置の単位時間あたりの変化量)が移動量閾値未満となっている場合には、ズームレンズ21が停止していると判定し、ズームレンズ21の移動量が移動量閾値以上となっている場合には、ズームレンズ21が移動中であると判定する。
【0101】
記憶制御部43は、ズームレンズ21が移動中であると判定した第一の場合(ステップS6:YES)では、第一の位置検出部41に第一の位置の検出を指示する。この指示では、ホール素子24から出力される信号の平均数はm個に指定される。
【0102】
この指示にしたがい、第一の位置検出部41は、ホール素子24から出力されるm個の信号の平均値を算出し、この平均値に基づいてズームレンズ21の第一の位置を検出する(ステップS7)。
【0103】
次に、記憶制御部43は、ステップS7で検出された第一の位置と、現時点で第二の位置検出部42により検出された第二の位置との差(絶対値)が位置閾値TH1以上となる位置ずれ状態か否かを判定する(ステップS8)。
【0104】
記憶制御部43は、位置ずれ状態であると判定した場合(ステップS8:YES)は、ステップS7で検出された第一の位置を記憶部44に記憶する(ステップS9)。
【0105】
記憶部44に第一の位置が新たに記憶されることで、第二の位置検出部42により、この最新の第一の位置と、磁気センサ25の出力信号とに基づいて第二の位置が検出される。
【0106】
記憶制御部43は、位置ずれ状態ではないと判定した場合(ステップS8:NO)は、ステップS7で検出された第一の位置を記憶部44に記憶せずに、ステップS6に処理を戻す。
【0107】
記憶制御部43は、ズームレンズ21が移動中ではないと判定した第二の場合(ステップS6:NO)では、第一の位置検出部41に第一の位置の検出を指示する。この指示では、ホール素子24から出力される信号の平均数はn個(nはmよりも大きい自然数)に指定される。
【0108】
この指示にしたがい、第一の位置検出部41は、ホール素子24から出力されるn個の信号の平均値を算出し、この平均値に基づいてズームレンズ21の第一の位置を検出する(ステップS10)。
【0109】
次に、記憶制御部43は、ステップS10で検出された第一の位置と、現時点で第二の位置検出部42により検出された第二の位置との差(絶対値)が位置閾値TH2以上となる位置ずれ状態か否かを判定する(ステップS11)。位置閾値TH2は、位置閾値TH1よりも小さい値である。
【0110】
記憶制御部43は、位置ずれ状態であると判定した場合(ステップS11:YES)は、ステップS10で検出された第一の位置を記憶部44に記憶する(ステップS12)。
【0111】
記憶部44に第一の位置が新たに記憶されることで、第二の位置検出部42により、この最新の第一の位置と、磁気センサ25の出力信号とに基づいて第二の位置が検出される。
【0112】
記憶制御部43は、位置ずれ状態ではないと判定した場合(ステップS11:NO)は、ステップS10で検出された第一の位置を記憶部44に記憶せず、更に、ホール素子24の電源をオフにする。その後、ステップS1に処理が戻る。
【0113】
以上のように、位置検出装置40によれば、磁気センサ25の出力信号が異常状態となり、その後、磁気センサ25の出力信号が正常状態に戻った磁気センサ25の異常復帰状態において、ホール素子24が起動し、第一の位置検出部41により第一の位置が検出される。
【0114】
そして、検出された第一の位置と第二の位置検出部42により検出される第二の位置との差が位置閾値TH1以上となる位置ずれ状態である場合には、記憶部44に記憶されている第一の位置が新しい情報に更新される。
【0115】
このように、異常復帰状態において、ホール素子24が起動して第一の位置検出部41が第一の位置を検出することで、記憶部44に記憶される第一の位置を更新することが可能となる。このため、磁気センサ25の出力信号に異常が発生したことに起因するズームレンズ21の第二の位置の誤差を補正して正しい値に戻すことが可能となる。
【0116】
したがって、強い電界等によって磁気センサ25の出力に異常が発生した場合でも、精度の高いズームレンズ21の位置検出を継続することができ、利用者は意図した撮影を継続して行うことができる。
【0117】
また、位置検出装置40は、
図6のステップS4において位置ずれ状態か否かの判定を行った後に、位置ずれ状態か否かの判定を更に少なくとも1回は行っている。
【0118】
このように、少なくとも2回は位置ずれ状態か否かの判定を行うことで、異常復帰状態における状況の変化に柔軟に対応することが可能となり、第二の位置の検出精度を向上させることができる。
【0119】
具体的には、ステップS4の判定の後にズームレンズ21が移動している場合には、ステップS8において再度判定が行われ、必要に応じて第一の位置の更新が行われる。
【0120】
このように、ズームレンズ21の移動中は、記憶部44に記憶される第一の位置が更新できる構成になっていることで、ズームレンズ21が動いている場合でも、ズームレンズ21の第二の位置の検出精度を向上させることができる。
【0121】
また、ステップS4の判定の後にズームレンズ21が停止している場合には、ステップS11において再度判定が行われ、必要に応じて第一の位置の更新が行われる。
【0122】
このように、ズームレンズ21が停止した状態で、記憶部44に記憶される第一の位置が更新できる構成になっていることで、ズームレンズ21が動いていた場合でも、ズームレンズ21の第二の位置の検出精度を向上させることができる。
【0123】
また、位置検出装置40では、ステップS8の判定で用いる位置閾値TH2が、ステップS11の判定で用いる位置閾値TH1よりも大きくなっている。このため、ステップS8とステップS11とで、第一の位置と第二の位置との差が同じ値であっても、ステップS8では、位置ずれ状態であると判定されにくくなる。
【0124】
つまり、ズームレンズ21の移動中には、ズームレンズ21の停止中よりも記憶部44に記憶される第一の位置の更新がされにくくなることで、ズーム操作中における第二の位置の変動を抑制することができる。この結果、ズーム操作中の撮像画像品質を向上させることができる。
【0125】
一方、ステップS11では、記憶部44に記憶される第一の位置の更新がされやすくなることで、第二の位置の検出精度を向上させることができる。
【0126】
また、位置検出装置40では、ステップS3で第一の位置を検出するために磁気センサ25の出力信号の平均をとる数(上記のm)が、ステップS10で第一の位置を検出するために磁気センサ25の出力信号の平均をとる数(上記のn)よりも少ない。
【0127】
このように、ステップS3では処理速度を優先して平均数を少なくし、ステップS10では第二の位置の検出精度を優先して平均数を多くすることで、処理速度と検出精度の両立を図ることができる。
【0128】
位置検出装置40によれば、電力消費が磁気センサ25よりも大きいホール素子24を、レンズ装置2の起動時と、異常復帰状態のときだけ起動させるため、電力消費量を少なくしながら、第二の位置の検出精度を向上させることができる。
【0129】
図6のフローチャートにおいて、ステップS4の判定を省略し、ステップS3の後にステップS5の処理が行われるようにしてもよい。このようにすることで、位置検出装置40の処理負荷を軽減することができる。
【0130】
同様に、ステップS8を削除し、ステップS7の後にステップS9を行うようにしてもよい。同様に、ステップS11を削除し、ステップS10の後にステップS12を行うようにしてもよい。
【0131】
また、上記のnと上記のmは同じ値としてもよく、位置閾値TH1と位置閾値TH2を同じ値としてもよい。
【0132】
図7は、
図4に示す位置検出装置40のフォーカスレンズ31の位置検出動作を説明するためのフローチャートである。
【0133】
レンズ装置2の電源が投入され、レンズ装置2が起動すると、初期位置検出部47が、フォーカスレンズ駆動機構35を制御して、フォーカスレンズ31を現在位置から可動範囲の一端まで移動させ、その後、一端から他端まで移動させる。
【0134】
初期位置検出部47は、このフォーカスレンズ31の移動過程で磁気センサ34から出力される信号に基づいて、フォーカスレンズ31の初期位置を検出する。検出された初期位置は、記憶制御部43によって記憶部44に記憶される(ステップS21)。
【0135】
初期位置が記憶部44に記憶されると、フォーカスレンズ位置検出部46は、記憶部44に記憶された初期位置と、磁気センサ34から出力される信号とに基づいて、フォーカスレンズ31の位置を検出する(ステップS22)。以降は、磁気センサ34から出力される信号に変化があると、検出されるフォーカスレンズ31の位置が変化する。
【0136】
フォーカスレンズ31の位置の検出が開始されると、センサ異常検出部48は、磁気センサ34の出力信号に基づいて上記の判定値を算出し、算出した判定値が異常判定閾値を超えるか否かを判定する(ステップS23)。判定値が異常判定閾値以下である場合は(ステップS23:NO)、ステップS23の判定が繰り返される。
【0137】
判定値が異常判定閾値を超える場合(ステップS23:YES)、センサ異常検出部48は、判定値が異常判定閾値以下になったか否かを判定する(ステップS24)。
【0138】
判定値が異常判定閾値を超えている場合(ステップS24:NO)は、ステップS24の処理が繰り返され、判定値が異常判定閾値以下になった場合(ステップS24:YES)は、ステップS25の処理が行われる。
【0139】
ステップS25では、初期位置検出部47が、フォーカスレンズ駆動機構35を制御して、フォーカスレンズ31を現在位置から可動範囲の一端まで移動させ、その後、一端から他端まで移動させる。
【0140】
初期位置検出部47は、このフォーカスレンズ31の移動過程で磁気センサ34から出力される信号に基づいて、フォーカスレンズ31の初期位置を再度検出する。検出された初期位置は、記憶制御部43によって記憶部44に記憶される。ステップS25の後は、ステップS22に処理が戻る。
【0141】
以上のように、位置検出装置40によれば、磁気センサ34の出力信号が異常状態となり、その後、磁気センサ34の出力信号が正常状態に戻った磁気センサ34の異常復帰状態において、フォーカスレンズ31の初期位置が再検出され、記憶部44に記憶されている初期位置が更新される。そして、更新後の初期位置と磁気センサ34の出力信号とに基づいて、フォーカスレンズ位置検出部46によりフォーカスレンズの位置が検出される。
【0142】
このように、異常復帰状態において、初期位置を再検出して更新することで、磁気センサ34の出力信号に異常が発生したことに起因するフォーカスレンズ31の位置検出誤差を補正して正しい値に戻すことができる。
【0143】
したがって、強い電界等によって磁気センサ34の出力に異常が発生した場合でも、精度の高いフォーカスレンズ31の位置検出を行うことができ、利用者は意図した撮影を継続して行うことができる。
【0144】
ここまで説明してきたセンサ異常検出部48は、判定値と異常判定閾値との比較により、磁気センサ25と磁気センサ34の各々が異常状態と正常状態のどちらにあるのかを検出するものとしている。
【0145】
この異常判定閾値は、レンズ装置2の個体差に対して適正な検出精度を確保するために、レンズ装置2毎に実験的に求めた値を位置検出装置の内部メモリに記憶しておくのがよい。
【0146】
例えば、レンズ装置2の製造工程において、磁気センサ25と磁気センサ34に電波が混入しない環境下にレンズ装置2をおいた第一の状態で、磁気センサ25から出力される信号に基づくリサージュ曲線の半径の二乗値と、磁気センサ34から出力される信号に基づくリサージュ曲線の半径の二乗値とを算出する。
【0147】
その後、磁気センサ25と磁気センサ34に既知の電波を混入させた第二の状態で、磁気センサ25から出力される信号に基づくリサージュ曲線の半径の二乗値と、磁気センサ34から出力される信号に基づくリサージュ曲線の半径の二乗値とを算出する。
【0148】
そして、磁気センサ25と磁気センサ34の各々について、第一の状態で得られた二乗値と、第二の状態で得られた二乗値と、から異常判定閾値を決定し、決定した異常判定閾値を内部メモリに記憶する。このようにすることで、電波による影響度合いがレンズ装置2毎に異なる場合でも、磁気センサの異常状態の検出を精度よく行うことができる。
【0149】
この異常判定閾値は、予め決められた固定値としてレンズ装置2に記憶しておいてもよいが、センサ異常検出部48が、磁気センサ25の出力信号や磁気センサ34の出力信号に基づいて異常判定閾値を生成する機能を有していてもよい。この場合、センサ異常検出部48は異常判定閾値生成部として機能する。
【0150】
具体的には、センサ異常検出部48は、レンズ装置2の起動中に、磁気センサ25から出力される正弦波信号と余弦波信号を少なくとも1周期分取得する。
【0151】
センサ異常検出部48は、この1周期の全ての位相における式(1)の二乗値のばらつきが所定値以下となっていれば正常状態と判定し、この正常状態における二乗値の平均値を算出する。
【0152】
そして、センサ異常検出部48は、算出した平均値に1以下の所定値を加えた値や、算出した平均値の±所定%の範囲を異常判定閾値として内部メモリに記憶する。
【0153】
磁気センサ25から出力される正弦波信号と余弦波信号の振幅は、磁気センサの個体差によって異なる。このため、センサ異常検出部48は、上記の所定値や所定%の値を、正常状態において磁気センサ25から出力された正弦波信号と余弦波信号の振幅に応じた値に設定する。
【0154】
このようにすることで、磁気センサの個体差を考慮した異常判定閾値を設定することができ、異常状態の検出を精度よく行うことができる。ここでは、磁気センサ25についてのみ説明したが、磁気センサ34についても同様にしてセンサ異常検出部48が異常判定閾値を生成することが好ましい。
【0155】
なお、このようにして生成される異常判定閾値の精度を更に高めるために、センサ異常検出部48は、内部メモリに記憶した異常判定閾値を補正する機能を有していてもよい。
【0156】
例えば、センサ異常検出部48は、磁気センサ25の異常復帰状態において最初に第一の位置検出部41により検出される第一の位置と、異常復帰状態の直前において第二の位置検出部42により検出された第二の位置と、の差に基づいて、内部メモリに記憶している異常判定閾値を補正する。
【0157】
図6のフローチャートにおいて、ステップS3で検出される第一の位置と、ステップS2の判定がYESとなる直前において第二の位置検出部42により検出された第二の位置との差が小さいということは、磁気センサ25の出力信号に異常が生じていない可能性が高い。つまり、異常判定閾値が異常状態として判定されやすい値になっていることを意味する。
【0158】
そこで、センサ異常検出部48は、ステップS3で検出される第一の位置と、ステップS2の判定がYESとなる直前において第二の位置検出部42により検出された第二の位置との差が閾値以下であるか否かを判定する。
【0159】
センサ異常検出部48は、差が閾値以下の場合には、異常判定閾値が1つの数値であればこれを増加(例えば1.1倍)した値を補正後の異常判定閾値として内部メモリに記憶する。
【0160】
センサ異常検出部48は、異常判定閾値が数値範囲で示される場合には、数値範囲の上限値を例えば1.1倍にし、下限値を例えば0.9倍した値を補正後の異常判定閾値として記憶する。
【0161】
このように、異常判定閾値を補正することで、
図6に示すステップS1以降の動作が過剰に行われるのを防ぐことができ、位置検出装置40の処理効率を向上させることができる。
【0162】
異常復帰状態の直前とは、異常状態であることが検出された時点から、正常状態であることが検出された時点までの期間(後者の時点は除く)における任意のタイミングである。
【0163】
また、別の補正方法として、センサ異常検出部48は、上述した方法で異常判定閾値を生成した後、生成した異常判定閾値を小さくした仮異常判定閾値を生成し、内部メモリに記憶する。
【0164】
仮異常判定閾値は、異常判定閾値が1つの数値で示される場合には、この数値を小さくしたものである。仮異常判定閾値は、異常判定閾値が数値範囲で示される場合には、この数値範囲の上限値を小さくし、下限値を大きくしたものである。
【0165】
センサ異常検出部48は、磁気センサ25の出力信号に基づいて判定値を算出し、算出した判定値が仮異常判定閾値を超え、かつ、異常判定閾値以下であるか否かを判定する。
【0166】
判定値が仮異常判定閾値を超えるとは、仮異常判定閾値が数値範囲で示される場合は、この数値範囲外に判定値があることを意味する。判定値が異常判定閾値以下であるとは、異常判定閾値が数値範囲で示される場合は、この数値範囲内に判定値があることを意味する。
【0167】
センサ異常検出部48は、算出した判定値が仮異常判定閾値を超えかつ異常判定閾値以下であると判定した場合には、第二の位置検出部42により検出される直近の2つの第二の位置の差分を第二の位置の変動量として算出する。
【0168】
そして、センサ異常検出部48は、この変動量が変動閾値を超えている場合には、内部メモリの異常判定閾値を削除し、仮異常判定閾値を異常判定閾値として設定する。
【0169】
センサ異常検出部48は、算出した判定値が仮異常判定閾値を超えかつ異常判定閾値以下であると判定した状態で、第二の位置の変動量が変動閾値以下である場合には、内部メモリの異常判定閾値をそのまま有効とする。
【0170】
第二の位置の変動量が変動閾値を超えているのにもかかわらず、磁気センサ25の出力信号が正常状態であることが検出されている状態は、異常判定閾値が正常状態として判定されやすい値になっていることを意味する。
【0171】
このため、このような状態では、異常判定閾値を仮異常判定閾値に置き換えることで、異常状態を正確に検出することができ、第二の位置検出精度を向上させることができる。
【0172】
以上の説明では、磁気センサ25の出力信号の異常状態を検出するための異常判定閾値の補正方法について説明したが、以下では、磁気センサ34の出力信号の異常状態を検出するための異常判定閾値の補正方法について説明する。
【0173】
センサ異常検出部48は、磁気センサ34の異常復帰状態において最初に初期位置検出部47により検出される初期位置と、磁気センサ34の異常復帰状態の直前においてフォーカスレンズ位置検出部46により検出されたフォーカスレンズの位置と、の差に基づいて、内部メモリに記憶している異常判定閾値を補正する。
【0174】
図7のフローチャートにおいて、ステップS25で検出される初期位置と、ステップS24の判定がYESとなる直前においてフォーカスレンズ位置検出部46により検出されたフォーカスレンズの位置との差が小さいということは、磁気センサ34の出力信号に異常が生じていない可能性が高い。つまり、異常判定閾値が異常状態として判定されやすい値になっていることを意味する。
【0175】
そこで、センサ異常検出部48は、ステップS25で検出される初期位置と、ステップS24の判定がYESとなる直前において検出されたフォーカスレンズの位置との差が閾値以下であるか否かを判定する。
【0176】
センサ異常検出部48は、差が閾値以下である場合には、異常判定閾値が1つの数値であればこれを増加(例えば1.1倍)した値を補正後の異常判定閾値として内部メモリに記憶する。
【0177】
センサ異常検出部48は、異常判定閾値が数値範囲で示される場合には、数値範囲の上限値を例えば1.1倍にし、下限値を例えば0.9倍した値を補正後の異常判定閾値として記憶する。
【0178】
このように、異常判定閾値を補正することで、
図7に示すステップS24以降の動作が過剰に行われるのを防ぐことができ、位置検出装置40の処理効率を向上させることができる。
【0179】
磁気センサ34の異常復帰状態の直前とは、磁気センサ34の出力信号が異常状態であることが検出された時点から、磁気センサ34の出力信号が正常状態であることが検出された時点までの期間(後者の時点は除く)における任意のタイミングである。
【0180】
別の補正方法として、センサ異常検出部48は、上述した方法で異常判定閾値を生成した後、生成した異常判定閾値を小さくした仮異常判定閾値を生成し、内部メモリに記憶する。
【0181】
仮異常判定閾値は、異常判定閾値が1つの数値で示される場合には、この数値を小さくしたものである。仮異常判定閾値は、異常判定閾値が数値範囲で示される場合には、この数値範囲の上限値と下限値を小さくしたものである。
【0182】
センサ異常検出部48は、磁気センサ34の出力信号に基づいて判定値を算出し、算出した判定値が仮異常判定閾値を超えかつ異常判定閾値以下であるか否かを判定する。
【0183】
センサ異常検出部48は、算出した判定値が仮異常判定閾値を超えかつ異常判定閾値以下であると判定した場合には、フォーカスレンズ位置検出部46により検出される直近の2つのフォーカスレンズの位置の差分をフォーカスレンズの位置の変動量として算出する。
【0184】
そして、センサ異常検出部48は、この変動量が変動閾値を超えている場合には、内部メモリの異常判定閾値を削除し、仮異常判定閾値を異常判定閾値として設定する。
【0185】
センサ異常検出部48は、算出した判定値が仮異常判定閾値を超えかつ異常判定閾値以下であると判定した状態で、フォーカスレンズの位置の変動量が変動閾値以下である場合には、内部メモリの異常判定閾値をそのまま有効とする。
【0186】
フォーカスレンズの位置の変動量が変動閾値を超えているのにもかかわらず、磁気センサ34の出力信号が正常状態であることが検出されている状態は、異常判定閾値が正常状態として判定されやすい値になっていることを意味する。
【0187】
このため、このような状態では、異常判定閾値を仮異常判定閾値に置き換えることで、異常状態を正確に検出することができ、フォーカスレンズの位置検出精度を向上させることができる。
【0188】
レンズ装置2において、ズームレンズ21をフォーカスレンズ31に変更し、フォーカスレンズ31をズームレンズ21に変更した構成としてもよい。また、レンズ装置2において、初期位置検出部47により起動時に検出された初期位置を、レンズ装置2の起動中は使用し続けてフォーカスレンズ31の位置を検出するようにしてもよい。
【0189】
また、レンズ装置2は、業務用のレンズ装置として説明したが、撮像装置としてのデジタルカメラに着脱可能なレンズ装置にも適用可能である。
【0190】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0191】
開示された可動レンズの位置検出装置は、可動レンズの光軸方向における位置に応じた信号を出力する第一のセンサから出力される信号に基づいて上記可動レンズの光軸方向における第一の位置を検出する第一の位置検出部と、上記第一の位置検出部により検出された第一の位置を記憶部に記憶する記憶制御部と、上記可動レンズの光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第二のセンサから出力される信号と、上記記憶部に記憶されている最新の上記第一の位置と、に基づいて、上記可動レンズの光軸方向における第二の位置を検出する第二の位置検出部と、上記第二の位置検出部により検出された第二の位置を出力する出力部と、上記第二のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第二のセンサ状態検出部と、を備え、上記第一の位置検出部は、予め決められたタイミングで上記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を検出し、上記第一の位置が上記記憶部に記憶された後は、上記第二のセンサ状態検出部により上記第二のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に上記第二のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された異常復帰状態において、上記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を再び検出する可動レンズの位置検出装置。
【0192】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記記憶制御部は、上記異常復帰状態において、上記第一の位置検出部により検出される第一の位置と、上記第二の位置検出部により検出される第二の位置との差が位置閾値以上となる位置ずれ状態であるか否かを判定し、上記位置ずれ状態である場合に、上記第一の位置検出部により検出された第一の位置を上記記憶部に記憶する可動レンズの位置検出装置。
【0193】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記記憶制御部は、上記異常復帰状態において上記位置ずれ状態であるか否かの判定を行った後に、上記判定を少なくとも1回行う可動レンズの位置検出装置。
【0194】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記可動レンズはズームレンズを含み、上記記憶制御部は、上記異常復帰状態において上記位置ずれ状態であるか否かの判定を行った後、上記ズームレンズの移動量が移動量閾値以上となっている第一の場合では、上記ズームレンズの移動量が上記移動量閾値未満となるまで上記判定を繰り返し行い、上記ズームレンズの移動量が上記移動量閾値未満となっている第二の場合では、上記判定を1回行う可動レンズの位置検出装置。
【0195】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第一の場合に行われる上記判定に用いられる位置閾値は、上記第二の場合に行われる上記判定に用いられる位置閾値よりも大きい可動レンズの位置検出装置。
【0196】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第一の位置検出部は、上記第一のセンサから出力される信号の平均値に基づいて第一の位置を検出し、上記第一のセンサから出力される信号の平均をとる数を、上記異常復帰状態において最初に行われる上記判定に用いる第一の位置を検出する場合よりも、上記第二の場合に行われる上記判定に用いる第一の位置を検出する場合の方を多くする可動レンズの位置検出装置。
【0197】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第二のセンサ状態検出部は、上記第二のセンサの出力信号に基づいて上記第二のセンサの出力信号の状態を判定するための判定値を生成し、上記判定値と異常判定閾値との比較により異常状態と正常状態のどちらにあるかを検出し、
上記異常判定閾値を上記第二のセンサの出力信号に基づいて生成する異常判定閾値生成部を更に備える可動レンズの位置検出装置。
【0198】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第二のセンサ状態検出部は、上記異常復帰状態において上記第一の位置検出部により検出された位置と、上記異常復帰状態の直前において上記第二の位置検出部により検出された第二の位置と、の差に基づいて上記異常判定閾値を補正する可動レンズの位置検出装置。
【0199】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第二のセンサ状態検出部は、上記判定値が上記異常判定閾値より小さい仮異常判定閾値を超えかつ上記異常判定閾値以下である状態で、上記第二の位置検出部により検出される第二の位置の変動量が変動閾値を超えている場合には、上記仮異常判定閾値を上記異常判定閾値として設定する位置検出装置。
【0200】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記可動レンズはズームレンズであり、上記ズームレンズとは別の可動レンズであるフォーカスレンズの移動量に応じた信号を出力する第三のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第三のセンサ状態検出部と、上記フォーカスレンズを上記フォーカスレンズの可動範囲において現在位置から一端まで移動させ、上記一端から他端まで移動させる過程で上記第三のセンサから出力される信号に基づいて、上記フォーカスレンズの初期位置を検出する初期位置検出部と、上記初期位置検出部により検出された初期位置と上記第三のセンサから出力される信号とに基づいて上記フォーカスレンズの位置を検出するフォーカスレンズ位置検出部と、を更に備え、上記初期位置検出部は、予め決められたタイミングで初期位置を検出した後は、上記第三のセンサ状態検出部により上記第三のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に上記第三のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された第三のセンサ異常復帰状態において初期位置を再検出する可動レンズの位置検出装置。
【0201】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第三のセンサ状態検出部は、上記第三のセンサの出力信号に基づいて上記第三のセンサの出力信号の状態を判定するための判定値を生成し、上記判定値と異常判定閾値との比較により異常状態と正常状態のどちらにあるかを検出し、上記異常判定閾値を上記第三のセンサの出力信号に基づいて生成する異常判定閾値生成部を更に備える可動レンズの位置検出装置。
【0202】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第三のセンサ状態検出部は、上記第三のセンサ異常復帰状態において上記初期位置検出部により検出された初期位置と、上記第三のセンサ異常復帰状態の直前において上記フォーカスレンズ位置検出部により検出された位置と、の差に基づいて上記異常判定閾値を補正する可動レンズの位置検出装置。
【0203】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第三のセンサ状態検出部は、上記判定値が上記異常判定閾値より小さい仮異常判定閾値を超えかつ上記異常判定閾値以下である状態で、上記フォーカスレンズ位置検出部により検出される上記フォーカスレンズの位置の変動量が変動閾値を超えている場合には、上記仮異常判定閾値を上記異常判定閾値として設定する位置検出装置。
【0204】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第二のセンサは、磁気抵抗素子を含むセンサである可動レンズの位置検出装置。
【0205】
開示された可動レンズの位置検出装置は、上記第二のセンサと上記第三のセンサは、磁気抵抗素子を含むセンサである可動レンズの位置検出装置。
【0206】
開示されたレンズ装置は、上記位置検出装置と、上記位置検出装置により位置が検出される可動レンズと、を備えるレンズ装置。
【0207】
開示された撮像装置は、上記位置検出装置と、上記位置検出装置により位置が検出される可動レンズを通して被写体を撮像する撮像素子と、を備える撮像装置。
【0208】
開示された可動レンズの位置検出方法は、可動レンズの光軸方向における位置に応じた信号を出力する第一のセンサから出力される信号に基づいて上記可動レンズの光軸方向における第一の位置を検出する第一の位置検出ステップと、上記第一の位置検出ステップにより検出された第一の位置を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、上記可動レンズの光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第二のセンサから出力される信号と、上記記憶部に記憶されている最新の上記第一の位置と、に基づいて、上記可動レンズの光軸方向における第二の位置を検出する第二の位置検出ステップと、上記第二の位置検出ステップにより検出された第二の位置を出力する出力ステップと、上記第二のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第二のセンサ状態検出ステップと、を備え、上記第一の位置検出ステップは、予め決められたタイミングで上記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を検出し、上記第一の位置が上記記憶部に記憶された後は、上記第二のセンサ状態検出ステップにより上記第二のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に上記第二のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された異常復帰状態において、上記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を再び検出する可動レンズの位置検出方法。
【0209】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記記憶制御ステップは、上記異常復帰状態において、上記第一の位置検出ステップにより検出される第一の位置と、上記第二の位置検出ステップにより検出される第二の位置との差が位置閾値以上となる位置ずれ状態であるか否かを判定し、上記位置ずれ状態である場合に、上記第一の位置検出ステップにより検出された第一の位置を上記記憶部に記憶する可動レンズの位置検出方法。
【0210】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記記憶制御ステップは、上記異常復帰状態において上記位置ずれ状態であるか否かの判定を行った後に、上記判定を少なくとも1回行う可動レンズの位置検出方法。
【0211】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記可動レンズはズームレンズを含み、上記記憶制御ステップは、上記異常復帰状態において上記位置ずれ状態であるか否かの判定を行った後、上記ズームレンズの移動量が移動量閾値以上となっている第一の場合では、上記ズームレンズの移動量が上記移動量閾値未満となるまで上記判定を繰り返し行い、上記ズームレンズの移動量が上記移動量閾値未満となっている第二の場合では、上記判定を1回行う可動レンズの位置検出方法。
【0212】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第一の場合に行われる上記判定に用いられる位置閾値は、上記第二の場合に行われる上記判定に用いられる位置閾値よりも大きい可動レンズの位置検出方法。
【0213】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第一の位置検出ステップは、上記第一のセンサから出力される信号の平均値に基づいて第一の位置を検出し、上記第一のセンサから出力される信号の平均をとる数を、上記異常復帰状態において最初に行われる上記判定に用いる第一の位置を検出する場合よりも、上記第二の場合に行われる上記判定に用いる第一の位置を検出する場合の方を多くする可動レンズの位置検出方法。
【0214】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第二のセンサ状態検出ステップは、上記第二のセンサの出力信号に基づいて上記第二のセンサの出力信号の状態を判定するための判定値を生成し、上記判定値と異常判定閾値との比較により異常状態と正常状態のどちらにあるかを検出し、上記異常判定閾値を上記第二のセンサの出力信号に基づいて生成する異常判定閾値生成ステップを更に備える可動レンズの位置検出方法。
【0215】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第二のセンサ状態検出ステップは、上記異常復帰状態において検出される第一の位置と、上記異常復帰状態の直前において上記第二の位置検出ステップにより検出された第二の位置と、の差に基づいて上記異常判定閾値を補正する可動レンズの位置検出方法。
【0216】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第二のセンサ状態検出ステップは、上記判定値が上記異常判定閾値より小さい仮異常判定閾値を超えかつ上記異常判定閾値以下である状態で、上記第二の位置検出ステップにより検出される第二の位置の変動量が変動閾値を超えている場合には、上記仮異常判定閾値を上記異常判定閾値として設定する位置検出方法。
【0217】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記可動レンズはズームレンズであり、上記ズームレンズとは別の可動レンズであるフォーカスレンズの移動量に応じた信号を出力する第三のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第三のセンサ状態検出ステップと、上記フォーカスレンズを上記フォーカスレンズの可動範囲において現在位置から一端まで移動させ、上記一端から他端まで移動させる過程で上記第三のセンサから出力される信号に基づいて、上記フォーカスレンズの初期位置を検出する初期位置検出ステップと、上記初期位置検出ステップにより検出された初期位置と上記第三のセンサから出力される信号とに基づいて上記フォーカスレンズの位置を検出するフォーカスレンズ位置検出ステップと、を更に備え、上記初期位置検出ステップは、予め決められたタイミングで初期位置を検出した後は、上記第三のセンサ状態検出ステップにより上記第三のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に上記第三のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された第三のセンサ異常復帰状態において初期位置を再検出する可動レンズの位置検出方法。
【0218】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第三のセンサ状態検出ステップは、上記第三のセンサの出力信号に基づいて上記第三のセンサの出力信号の状態を判定するための判定値を生成し、上記判定値と異常判定閾値との比較により異常状態と正常状態のどちらにあるかを検出し、上記異常判定閾値を上記第三のセンサの出力信号に基づいて生成する異常判定閾値生成ステップを更に備える可動レンズの位置検出方法。
【0219】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第三のセンサ状態検出ステップは、上記第三のセンサ異常復帰状態において上記初期位置検出ステップにより検出された初期位置と、上記第三のセンサの異常復帰状態の直前において上記フォーカスレンズ位置検出ステップにより検出された位置と、の差に基づいて上記異常判定閾値を補正する可動レンズの位置検出方法。
【0220】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第三のセンサ状態検出ステップは、上記判定値が上記異常判定閾値より小さい仮異常判定閾値を超えかつ上記異常判定閾値以下である状態で、上記フォーカスレンズ位置検出ステップにより検出される上記フォーカスレンズの位置の変動量が変動閾値を超えている場合には、上記仮異常判定閾値を上記異常判定閾値として設定する位置検出方法。
【0221】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第二のセンサは、磁気抵抗素子を含むセンサである可動レンズの位置検出方法。
【0222】
開示された可動レンズの位置検出方法は、上記第二のセンサと上記第三のセンサは、磁気抵抗素子を含むセンサである可動レンズの位置検出方法。
【0223】
開示された可動レンズの位置検出プログラムは、可動レンズの光軸方向における位置に応じた信号を出力する第一のセンサから出力される信号に基づいて上記可動レンズの光軸方向における第一の位置を検出する第一の位置検出ステップと、上記第一の位置検出ステップにより検出された第一の位置を記憶部に記憶する記憶制御ステップと、上記可動レンズの光軸方向における移動量に応じた信号を出力する第二のセンサから出力される信号と、上記記憶部に記憶されている最新の上記第一の位置と、に基づいて、上記可動レンズの光軸方向における第二の位置を検出する第二の位置検出ステップと、上記第二の位置検出ステップにより検出された第二の位置を出力する出力ステップと、上記第二のセンサの出力信号が正常状態と異常状態のどちらであるかを検出する第二のセンサ状態検出ステップと、をコンピュータに実行させるための可動レンズの位置検出プログラムであって、上記第一の位置検出ステップは、予め決められたタイミングで上記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を検出し、上記第一の位置が上記記憶部に記憶された後は、上記第二のセンサ状態検出ステップにより上記第二のセンサの出力信号が異常状態であることが検出され、その後に上記第二のセンサの出力信号が正常状態にあることが検出された異常復帰状態において、上記第一のセンサから出力される信号に基づいて第一の位置を再び検出する可動レンズの位置検出プログラム。