特許第6236794号(P6236794)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236794
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】光学系及び光学機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20171120BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G02B13/04
   G02B13/18
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-29566(P2013-29566)
(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-160098(P2014-160098A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2016年2月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(74)【代理人】
【識別番号】100097984
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100157417
【弁理士】
【氏名又は名称】並木 敏章
(72)【発明者】
【氏名】古井田 啓吾
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−114386(JP,A)
【文献】 特開2006−195068(JP,A)
【文献】 特開2003−195168(JP,A)
【文献】 特開2010−078801(JP,A)
【文献】 特開2002−014285(JP,A)
【文献】 特開2002−196238(JP,A)
【文献】 特開2011−095488(JP,A)
【文献】 米国特許第07068429(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0151829(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0154908(US,A1)
【文献】 特開2012−128294(JP,A)
【文献】 特開平09−297263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00−17/08
G02B 21/02−21/04
G02B 25/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口絞りを挟んで、最も物体側に配置された前群と、最も像側に配置された後群とから実質的に構成され
前記前群は、最も物体側に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズを有し、
前記後群は、物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと第2の正レンズからなる接合レンズと、第3の正レンズとから構成され、
以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
−1.2< (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) <−0.7
0.8< fGF/f <1.2
但し、
L21r2:前記後群の前記第1の正レンズの像側面の曲率半径、
L22r1:前記後群の前記負レンズの物体側面の曲率半径
fGF:前記前群の焦点距離、
f:前記光学系全系の焦点距離。
【請求項2】
開口絞りを挟んで、最も物体側に配置された前群と、最も像側に配置された後群とから実質的に構成され
前記前群は、物体側から順に並んだ、前記像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズと、正レンズと負レンズからなる接合レンズとから構成され、
前記後群は、物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと第2の正レンズからなる接合レンズと、第3の正レンズとから構成され、
以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
−1.2< (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) <−0.7
但し、
L21r2:前記後群の前記第1の正レンズの像側面の曲率半径、
L22r1:前記後群の前記負レンズの物体側面の曲率半径。
【請求項3】
開口絞りを挟んで、最も物体側に配置された前群と、最も像側に配置された後群とから実質的に構成され
前記前群は、最も物体側に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズを有し、
前記後群は、物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと第2の正レンズからなる接合レンズと、第3の正レンズとから構成され、前記負レンズと前記第2の正レンズからなる前記接合レンズの接合面は像側に対して凹面を向けており、
以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
−1.2< (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) <−0.7
−0.08< (nL22−nL23) <−0.05
但し、
L21r2:前記後群の前記第1の正レンズの像側面の曲率半径、
L22r1:前記後群の前記負レンズの物体側面の曲率半径
nL22:前記後群内に配置された前記接合レンズを構成する前記負レンズの光学材料のd線に対する屈折率、
nL23:前記後群内に配置された前記接合レンズを構成する前記第2の正レンズの光学材料のd線に対する屈折率。
【請求項4】
前記後群内に配置された、前記負レンズと前記第2の正レンズからなる前記接合レンズの接合面は像側に対して凹面を向けており、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
−0.08< (nL22−nL23) <−0.05
但し、
nL22:前記後群内に配置された前記接合レンズを構成する前記負レンズの光学材料のd線に対する屈折率、
nL23:前記後群内に配置された前記接合レンズを構成する前記第2の正レンズの光学材料のd線に対する屈折率。
【請求項5】
前記前群は、物体側から順に並んだ、前記像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズと、正レンズと負レンズからなる接合レンズとから構成されることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学系。
0.8< fGF/f <1.2
但し、
fGF:前記前群の焦点距離、
f:前記光学系全系の焦点距離。
【請求項7】
合焦は、前記後群内で最も像側に配置された前記第3の正レンズを光軸に沿って移動させることにより行い、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学系。
4.0< fL24/f <7.0
0.35< dL23L24/f <0.60
但し、
fL24:前記後群の前記第3の正レンズの焦点距離、
f:前記光学系全系の焦点距離、
dL23L24:前記後群の前記第2の正レンズと前記第3の正レンズの光軸上での空気間隔。
【請求項8】
前記後群は、正の屈折力を持つことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項9】
前記前群内に配置された、前記正レンズと前記負レンズからなる前記接合レンズの接合面は物体側に対して凹面を向けており、
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学系。
0.06< (nL12−nL13) <0.09
但し、
nL12:前記前群内に配置された前記接合レンズを構成する前記正レンズの光学材料のd線に対する屈折率、
nL13:前記前群内に配置された前記接合レンズを構成する前記負レンズの光学材料のd線に対する屈折率。
【請求項10】
前記後群を構成する光学面のうち、少なくとも1つの面が非球面であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学系を搭載することを特徴とする光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、フィルムカメラ、ビデオカメラ等の撮影光学系に最適な広角大口径の光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で広い画角を有した、広角レンズが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−40033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の広角レンズは明るさが十分とはいえず、更なる大口径化が期待されている。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、小型で広い画角を有するとともに、大口径の光学系及び光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明に係る第1の光学系は、開口絞りを挟んで、最も物体側に配置された前群と、最も像側に配置された後群とから実質的に構成され、前記前群は、最も物体側に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズを有し、前記後群は、物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと第2の正レンズからなる接合レンズと、第3の正レンズとから構成され、次の条件式を満足する。
【0007】
−1.2< (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) <−0.7
0.8< fGF/f <1.2
但し、
L21r2:前記後群の前記第1の正レンズの像側面の曲率半径、
L22r1:前記後群の前記負レンズの物体側面の曲率半径
fGF:前記前群の焦点距離、
f:前記光学系全系の焦点距離。
また、本発明に係る第2の光学系は、開口絞りを挟んで、最も物体側に配置された前群と、最も像側に配置された後群とから実質的に構成され、前記前群は、物体側から順に並んだ、前記像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズと、正レンズと負レンズからなる接合レンズとから構成され、前記後群は、物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと第2の正レンズからなる接合レンズと、第3の正レンズとから構成され、以下の条件式を満足する。
−1.2< (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) <−0.7
但し、
L21r2:前記後群の前記第1の正レンズの像側面の曲率半径、
L22r1:前記後群の前記負レンズの物体側面の曲率半径。
また、本発明に係る第3の光学系は、開口絞りを挟んで、最も物体側に配置された前群と、最も像側に配置された後群とから実質的に構成され、前記前群は、最も物体側に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズを有し、前記後群は、物体側から順に並んだ、第1の正レンズと、負レンズと第2の正レンズからなる接合レンズと、第3の正レンズとから構成され、前記負レンズと前記第2の正レンズからなる前記接合レンズの接合面は像側に対して凹面を向けており、以下の条件式を満足する。
−1.2< (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) <−0.7
−0.08< (nL22−nL23) <−0.05
但し、
L21r2:前記後群の前記第1の正レンズの像側面の曲率半径、
L22r1:前記後群の前記負レンズの物体側面の曲率半径
nL22:前記後群内に配置された前記接合レンズを構成する前記負レンズの光学材料のd線に対する屈折率、
nL23:前記後群内に配置された前記接合レンズを構成する前記第2の正レンズの光学材料のd線に対する屈折率。
【0018】
本発明に係る光学機器は、上述のいずれかの光学系のいずれかを搭載する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、小型で広い画角を有するとともに、大口径の光学系及び光学機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図であり、(a)は無限遠合焦状態であり、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態を示す。
図2】第1実施例に係る光学系の諸収差図であり、(a)は無限遠合焦状態における諸収差図、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図をそれぞれ示す。
図3】第2実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図であり、(a)は無限遠合焦状態であり、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態を示す。
図4】第2実施例に係る光学系の諸収差図であり、(a)は無限遠合焦状態における諸収差図、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図である。
図5】第3実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図であり、(a)は無限遠合焦状態であり、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態を示す。
図6】第3実施例に係る光学系の諸収差図であり、(a)は無限遠合焦状態における諸収差図であり、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図である。
図7】第4実施例に係る光学系のレンズ構成を示す断面図であり、(a)は無限遠合焦状態であり、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態を示す。
図8】第4実施例に係る光学系の諸収差図であり、(a)は無限遠合焦状態における諸収差図であり、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図である。
図9】本実施形態に係る光学系を搭載するデジタルカメラ(光学機器)を説明する図であり、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
図10図9(a)のA−A´線に沿った断面図である。
図11】本実施形態に係る光学系の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
本実施形態に係る光学系WLは、図1に示すように、開口絞りSを挟んで、最も物体側に配置された前群GFと、最も像側に配置された後群GRとを有し、前群GFは、最も物体側に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11を有し、後群GRは、物体側から順に並んだ、第1の正レンズL21と、負レンズL22と第2の正レンズL23からなる接合レンズと、第3の正レンズL24とから構成され、次の条件式(1)を満足する。
【0025】
−1.2<(L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2)<−0.7 …(1)
但し、
L21r2:後群GRの第1の正レンズL21の像側面の曲率半径、
L22r1:後群GRの負レンズL22の物体側面の曲率半径。
【0026】
上記構成を有する光学系WLによれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、広い画角(画角77度程度)を有するとともに、大口径(Fno2.8程度)の光学系を提供することができる。
【0027】
条件式(1)は、後群GRの正レンズL21と負レンズL22との間に形成される空気間隔(いわゆる空気レンズ)の形状を規定するものである。条件式(1)を満足することにより、コマ収差、像面湾曲、非点収差をそれぞれ良好に補正することができる。条件式(1)が下限値を下回ると、コマ収差が増大し、補正が困難となる。条件式(1)が上限値を上回ると、非点収差、像面湾曲の補正が困難となる。また、コマ収差は内コマとなり、補正が困難となる。
【0028】
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の下限値を−1.0とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(1)の上限値を−0.8とすることが好ましい。
【0029】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、無限遠物体から近距離物体への合焦は、後群GR内で最も像側に配置された第3の正レンズL24を光軸に沿って移動させることにより行い、次の条件式(2)、(3)を満足することが好ましい。
【0030】
4.0< fL24/f <7.0 …(2)
0.35< dL23L24/f <0.60 …(3)
但し、
fL24:後群GRの第3の正レンズL24の焦点距離、
f:光学系WLの全系の焦点距離、
dL23L24:後群GRの第2の正レンズL23と第3の正レンズL24の光軸上での空気間隔。
【0031】
小型化という観点から、カメラ未使用時にレンズ鏡筒をカメラ内に沈胴させる場合、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングを、後群GR内の最も像側に配置された第3の正レンズL24で行うことが好ましい。また、第3の正レンズL24単体で行うことにより、フォーカシング時に駆動するレンズの重量が小さくなるため、迅速なフォーカシングが可能となる。
【0032】
条件式(2)は、後群GRの最も像側に位置する正レンズL24の焦点距離を規定するものである。条件式(3)は、後群GRを構成する正レンズL23と正レンズL24との光軸上での空気間隔を規定するものである。これら条件式(2),(3)を満たすことにより、フォーカス時に正レンズL24の十分な移動量を確保しながら、諸収差を良好に補正することができる。
【0033】
条件式(2)の下限値を下回ると、フォーカス移動量は減少するが、ペッツバール和が増大し、収差補正上不利となるため好ましくない。条件式(2)の上限値を上回ると、ペッツバール和が減少し、収差補正上は有利となるが、フォーカス移動量が増加するため、好ましくない。
【0034】
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の下限値を5.5とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(2)の上限値を6.5とすることが好ましい。
【0035】
条件式(3)の下限値を下回ると、フォーカシングによる正レンズL24の移動間隔の確保が難しく、ペッツバール和が増大し、収差補正が困難となる。また、有限系における収差変動が大きくなり、良好な性能を得るのが困難となるため好ましくない。条件式(3)の上限値を上回ると、フォーカシングによる正レンズL24の移動間隔の確保には有利であるが、有限系における収差変動が大きくなり、良好な性能を得るのが難しくなるため好ましくない。
【0036】
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の下限値を0.35とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(3)の上限値を0.45とすることが好ましい。
【0037】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、前群GFは、物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と、正レンズL12と負レンズL13からなる接合レンズとから構成され、次の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0038】
0.8< fGF/f <1.2 …(4)
但し、
fGF:前群GFの焦点距離、
f:光学系WLの全系の焦点距離。
【0039】
上記構成により、前群GFで画角に対する諸収差(特に、コマ収差)を良好に補正することができる。
【0040】
条件式(4)は、小型化を達成しつつ、諸収差を良好に補正するために、前群GFの焦点距離を規定するものである。条件式(4)の下限値を下回ると、バックフォーカスが短くなり、コンパクト化には有利となるが、諸収差(特に、コマ収差)を十分に補正することが困難となるため、好ましくない。条件式(4)の上限値を上回ると、後群GRの焦点距離を短くすることになり、球面収差の補正に不利となる。また、バックフォーカスが長くなってしまうため、コンパクト化に不利となるため好ましくない。
【0041】
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(4)の下限値を0.9とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(4)の上限値を1.1とすることが好ましい。
【0042】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、後群GRは、正の屈折力を持つことが好ましい。この構成により、球面収差を良好に補正することができる。
【0043】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、後群GR内に配置された、負レンズL22と第2の正レンズL23からなる接合レンズの接合面は像側に対して凹面を向けており、次の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0044】
−0.08< (nL22−nL23) <−0.05 …(5)
但し、
nL22:後群GR内に配置された接合レンズを構成する負レンズL22の光学材料のd線に対する屈折率、
nL23:後群GR内に配置された接合レンズを構成する第2の正レンズL23の光学材料のd線に対する屈折率。
【0045】
条件式(5)は、小型化を達成しつつ、ペッツバール和を適切な値にするために、後群GRを構成する負レンズL22と正レンズL23との屈折率差を規定するものである。負レンズL22と正レンズL23との接合面が像側に対して凹面を向けて、条件式(5)を満たす場合、ペッツバール和の補正に有利となり、像面湾曲、非点収差を良好に補正することができる。条件式(5)を満たさない場合、ペッツバール和を下げるために、後群GRの最も像側に位置する正レンズのL24の屈折力を弱くするか、または第2の正レンズL23と第3の正レンズL24との間隔を広くしなければならず、これに伴い光学系全長が長くなり、小型化に不利となるため好ましくない。
【0046】
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の下限値を−0.07とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(5)の上限値を−0.06とすることが好ましい。
【0047】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、前群GF内に配置された、正レンズL12と負レンズL13からなる接合レンズの接合面は物体側に対して凹面を向けており、次の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0048】
0.06< (nL12−nL13) <0.09…(6)
但し、
nL12:前群GF内に配置された接合レンズを構成する正レンズL12の光学材料のd線に対する屈折率、
nL13:前群GF内に配置された接合レンズを構成する負レンズL13の光学材料のd線に対する屈折率。
【0049】
条件式(6)は、小型化を達成しつつ、ペッツバール和を適切な値にするために、前群GFの正レンズL12と負レンズL13との適切な屈折率差を規定するものである。正レンズL12と負レンズL13との接合面が物体側に対して凹面を向けて、条件式(6)を満たす場合、ペッツバール和の補正に有利となり、像面湾曲、非点収差を良好に補正することができる。条件式(6)を満たさない場合、ペッツバール和を下げるために、正レンズL12の屈折力を強くするか、または負レンズL11と正レンズL12との間隔を広くしなければならず、これに伴い光学系全長が長くなり、小型化には不利となるため好ましくない。
【0050】
本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の下限値を0.07とすることが好ましい。本実施形態の効果を確実なものとするために、条件式(6)の上限値を0.08とすることが好ましい。
【0051】
本実施形態に係る光学系WLは、後群GRを構成する光学面のうち、少なくとも1つの面が非球面であることが好ましい。この構成により、球面収差、コマ収差、像面湾曲の補正が良好となる。
【0052】
以上のような構成の本実施形態に係る光学系WLによれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、広い画角を有するとともに、大口径の光学系を実現することができる。また、これにより、沈胴収納状態でのレンズ鏡筒部分の厚み寸法を極力減らして、カメラの薄型化を達成することができる。
【0053】
図9及び図10に、上述の光学系WLを備える光学機器として、デジタルスチルカメラCAM(光学機器)の構成を示す。このデジタルスチルカメラCAMは、不図示の電源釦を押すと、撮影レンズ(光学系WL)の不図示のシャッタが開放されて、光学系WLで被写体(物体)からの光が集光され、像面I(図1参照)に配置された撮像素子C(例えば、CCDやCMOS等)に結像される。撮像素子Cに結像された被写体像は、デジタルスチルカメラCAMの背後に配置された液晶モニターMに表示される。撮影者は、液晶モニターMを見ながら被写体像の構図を決めた後、レリーズ釦B1を押し下げて被写体像を撮像素子Cで撮影し、不図示のメモリーに記録保存する。
【0054】
カメラCAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部EF、デジタルスチルカメラCAMの種々の条件設定等に使用するファンクションボタンB2等が配置されている。ここでは、カメラCAMと光学系WLとが一体に成形されたコンパクトタイプのカメラを例示したが、光学機器としては、光学系WLを有するレンズ鏡筒とカメラボディ本体とが着脱可能な一眼レフカメラでも良い。
【0055】
上記構成のカメラCAMによれば、撮影レンズとして上述の光学系WLを搭載することにより、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、広い画角を有するとともに、大口径のカメラを実現することができる。
【0056】
続いて、図11を参照しながら、上述の光学系WLの製造方法について説明する。まず、鏡筒内に、開口絞りSを挟んで、最も物体側に前群GFが、最も像側に後群GRが位置するように、各レンズを組み込む(ステップST10)。このとき、前群GFとして、最も物体側に、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11が位置するように、レンズを組み込む(ステップST20)。また、後群GRとして、物体側から順に、第1の正レンズL21と、負レンズL22と第2の正レンズL23からなる接合レンズと、第3の正レンズL24とが並ぶように、各レンズを組み込む(ステップST30)。そして、条件式(1)を満足するように、鏡筒内に各レンズを組み込む(ステップST40)。
【0057】
−1.2<(L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2)<−0.7 …(1)
但し、
L21r2:後群GRの第1の正レンズL21の像側面の曲率半径、
L22r1:後群GRの負レンズL22の物体側面の曲率半径。
【0058】
ここで、本実施形態におけるレンズ配置の一例を挙げると、図1に示す光学系WLでは、前群GFとして、光軸に沿って物体側から、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13からなる接合レンズの順で並ぶように、各レンズが鏡筒内に組み込まれている。後群GRとして、光軸に沿って物体側から、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL24の順で並ぶように、各レンズが鏡筒内に組み込まれている。そしてこのとき、条件式(1)を満足している(対応値-0.972)。
【0059】
上記のような光学系WLの製造方法によれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、広い画角を有するとともに、大口径の光学系を得ることができる。
【実施例】
【0060】
これより本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表4を示すが、これらは第1実施例〜第4実施例における各諸元の表である。
【0061】
なお、第1実施例に係る図1に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
【0062】
各実施例では収差特性の算出対象として、C線(波長656.2730nm)、d線(波長587.5620nm)、F線(波長486.1330nm)、g線(波長435.8350nm)を選んでいる。
【0063】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数をそれぞれ示す。物面は物体面、(可変)は可変の面間隔、曲率半径の「∞」は平面又は開口、(絞りS)は開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示す。空気の屈折率「1.00000」は省略する。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0064】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、Rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
【0065】
X(y)=(y2/R)/{1+(1−κ×y2/R21/2
+A4×y4+A6×y6+A8×y8 …(a)
【0066】
表中の[各種データ]において、fは光学系WL全系の焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角(最大入射角、単位:°)、Yは像高、BFはバックフォーカス(光軸上でのレンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算距離)、TLはレンズ全長(光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離に、BFを加えたもの)を示す。
【0067】
表中の[可変間隔データ]において、無限遠合焦状態(撮影倍率β=0.00)、撮影倍率β=-1/20の状態それぞれにおける各可変間隔Diを示す。なお、Diは、第i面と第(i+1)面の可変間隔を示す。
【0068】
表中の[レンズ群データ]において、Gは群番号、群初面は各群の最も物体側の面番号を、群焦点距離は各群の焦点距離を示す。
【0069】
表中の[条件式]には、上記の条件式(1)〜(6)に対応する値を示す。
【0070】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0071】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0072】
(第1実施例)
第1実施例について、図1図2及び表1を用いて説明する。第1実施例に係る光学系WL(WL1)は、図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ前群GFと、開口絞りSと、正の屈折力を持つ後群GRと、フィルタ群FLとから構成されている。
【0073】
前群GFは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13からなる接合レンズとからなる。
【0074】
後群GRは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL24とからなる。正レンズL23の像側レンズ面には、非球面が形成されている。
【0075】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするための、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0076】
本実施例に係る光学系WL1において、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングは、後群GR内の最も像側に配置された正レンズL24を光軸に沿って移動させることにより行っている。
【0077】
下記の表1に、第1実施例における各諸元の値を示す。表1における面番号1〜17が、図1に示す曲率半径R1〜R17の各光学面に対応している。第1実施例では、第11面が非球面形状に形成されている。
【0078】
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 3.0935 0.0653 1.62280 57.10
2 0.5713 0.5438
3 0.6509 0.2284 1.81600 46.59
4 -1.3074 0.1088 1.74077 27.74
5 25.1245 0.1196
6(絞りS) ∞ 0.0778
7 2.7190 0.0979 1.79504 28.69
8 34.1231 0.0696
9 -0.4895 0.0435 1.69895 30.13
10 0.8594 0.1903 1.76802 49.23
*11(非球面) -0.8257 D11(可変)
12 4.2417 0.1088 1.69680 55.52
13 -114.5150 D13(可変)
14 ∞ 0.0865 1.51680 64.20
15 ∞ 0.0544
16 ∞ 0.0381 1.51680 64.20
17 ∞ 0.033
像面 ∞

[非球面データ]
第11面
κ=-2.1683,A4=2.51801E-01,A6=4.63597E+00,A8=-2.43802E+00

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 39.03
Y 0.79
BF 0.49
TL 2.55

[可変間隔データ]
無限遠 β=-1/20
D11 0.40785 0.17389
D13 0.31544 0.54940

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
GF 1 1.00
GR 7 5.36

[条件式]
条件式(1) (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) = -0.972
条件式(2) fL24/f = 5.872
条件式(3) dL23L24/f = 0.408
条件式(4) fGF/f = 0.997
条件式(5) (nL22−nL23) = -0.069
条件式(6) (nL12−nL13) = 0.075
【0079】
表1から、本実施例に係る光学系WL1は、条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
【0080】
図2は、第1実施例に係る光学系WL1の諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は無限遠合焦状態(撮影倍率β=0.00)における諸収差図、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図をそれぞれ示す。
【0081】
各収差図において、FNOはFナンバー、NAは開口数、Aは各像高に対する半画角(単位:°)、H0は物体高をそれぞれ示す。dはd線、gはg線、CはC線、FはF線における収差をそれぞれ示す。また、記載のないものは、d線における収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面を、破線はメリディオナル像面を示す。
【0082】
これら収差図に関する説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
【0083】
図2に示す各収差図から明らかなように、第1実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0084】
(第2実施例)
第2実施例について、図3図4及び表2を用いて説明する。第2実施例に係る光学系WL(WL2)は、図3に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ前群GFと、開口絞りSと、正の屈折力を持つ後群GRと、フィルタ群FLとから構成されている。
【0085】
前群GFは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13からなる接合レンズとからなる。
【0086】
後群GRは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL24とからなる。正レンズL23の像側レンズ面には、非球面が形成されている。
【0087】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするための、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0088】
本実施例に係る光学系WL2において、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングは、後群GR内の最も像側に配置された正レンズL24を光軸に沿って移動させることにより行っている。
【0089】
下記の表2に、第2実施例における各諸元の値を示す。表2における面番号1〜17が、図3に示す曲率半径R1〜R17の各光学面に対応している。第2実施例では、第11面が非球面形状に形成されている。
【0090】
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 2.81876 0.06533 1.65100 56.24
2 0.57178 0.53895
3 0.62198 0.22320 1.81600 46.59
4 -1.46662 0.10888 1.74077 27.74
5 5.74708 0.11977
6(絞りS) ∞ 0.06533
7 1.63318 0.13610 1.77250 49.62
8 8.16592 0.07077
9 -0.43794 0.03811 1.69895 30.13
10 1.49543 0.18509 1.76802 49.23
*11(非球面) -0.73787 D11(可変)
12 4.35516 0.10888 1.69680 55.52
13 -114.64001 D13(可変)
14 ∞ 0.08656 1.51680 64.20
15 ∞ 0.05444
16 ∞ 0.03811 1.51680 64.20
17 ∞ 0.037
像面 ∞

[非球面データ]
第11面
κ=-0.9570,A4=3.34667E-01,A6=4.42540E+00,A8=-2.28401E+00

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.98
Y 0.79
BF 0.43
TL 2.53

[可変間隔データ]
無限遠 β=-1/20
D11 0.43552 0.18100
D13 0.26000 0.51452

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
GF 1 1.06
GR 7 4.48

[条件式]
条件式(1) (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) = -0.898
条件式(2) fL24/f = 6.024
条件式(3) dL23L24/f = 0.436
条件式(4) fGF/f = 1.062
条件式(5) (nL22−nL23) = -0.069
条件式(6) (nL12−nL13) = 0.075
【0091】
表2から、本実施例に係る光学系WL2は、条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
【0092】
図4は、第2実施例に係る光学系WL2の諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は無限遠合焦状態(撮影倍率β=0.00)における諸収差図、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図をそれぞれ示す。
【0093】
図4に示す各収差図から明らかなように、第2実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0094】
(第3実施例)
第3実施例について、図5図6及び表3を用いて説明する。第3実施例に係る光学系WL(WL3)は、図5に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ前群GFと、開口絞りSと、正の屈折力を持つ後群GRと、フィルタ群FLとから構成されている。
【0095】
前群GFは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13からなる接合レンズとからなる。
【0096】
後群GRは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL24とからなる。正レンズL23の像側レンズ面には、非球面が形成されている。
【0097】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするための、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0098】
本実施例に係る光学系WL3において、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングは、後群GR内の最も像側に配置された正レンズL24を光軸に沿って移動させることにより行っている。
【0099】
下記の表3に、第3実施例における各諸元の値を示す。表3における面番号1〜17が、図5に示す曲率半径R1〜R17の各光学面に対応している。第3実施例では、第11面が非球面形状に形成されている。
【0100】
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 3.67143 0.06515 1.58913 61.22
2 0.57061 0.54292
3 0.64353 0.22803 1.81600 46.59
4 -1.26794 0.10858 1.74077 27.74
5 9.64318 0.11944
6(絞りS) ∞ 0.06515
7 1.90022 0.12759 1.78800 47.35
8 7.20062 0.07058
9 -0.46932 0.03800 1.69895 30.13
10 1.65587 0.18459 1.76802 49.23
*11(非球面) -0.76832 D11(可変)
12 4.34336 0.10858 1.69680 55.52
13 -114.32956 D13(可変)
14 ∞ 0.08632 1.51680 64.20
15 ∞ 0.05429
16 ∞ 0.03800 1.51680 64.20
17 ∞ 0.010
像面 ∞

[非球面データ]
第11面
κ=-0.8431,A4=4.39025E-01,A6=4.29306E+00,A8=-1.16486E+00

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.65
Y 0.78
BF 0.46
TL 2.53

[可変間隔データ]
無限遠 β=-1/20
D11 0.40719 0.16188
D13 0.31493 0.56024

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
GF 1 1.03
GR 7 5.02

[条件式]
条件式(1) (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) = -0.878
条件式(2) fL24/f = 6.007
条件式(3) dL23L24/f = 0.407
条件式(4) fGF/f = 1.029
条件式(5) (nL22−nL23) = -0.069
条件式(6) (nL12−nL13) = 0.075
【0101】
表3から、本実施例に係る光学系WL3は、条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
【0102】
図6は、第3実施例に係る光学系WL3の諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は無限遠合焦状態(撮影倍率β=0.00)における諸収差図、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図をそれぞれ示す。
【0103】
図6に示す収差図から明らかなように、第3実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0104】
(第4実施例)
第4実施例について、図7図8及び表4を用いて説明する。第4実施例に係る光学系WL(WL4)は、図7に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ前群GFと、開口絞りSと、正の屈折力を持つ後群GRと、フィルタ群FLとから構成されている。
【0105】
前群GFは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と、両凸形状の正レンズL12と両凹形状の負レンズL13からなる接合レンズとからなる。
【0106】
後群GRは、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL21と、両凹形状の負レンズL22と両凸形状の正レンズL23からなる接合レンズと、両凸形状の正レンズL24とからなる。正レンズL23の像側レンズ面には、非球面が形成されている。
【0107】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするための、ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0108】
本実施例に係る光学系WL4において、無限遠物体から有限距離物体へのフォーカシングは、後群GR内の最も像側に配置された正レンズL24を光軸に沿って移動させることにより行っている。
【0109】
下記の表4に、第4実施例における各諸元の値を示す。表4における面番号1〜17が、図7に示す曲率半径R1〜R17の各光学面に対応している。第4実施例では、第11面が非球面形状に形成されている。
【0110】
(表4)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 3.81559 0.06487 1.58913 61.22
2 0.57102 0.54057
3 0.65152 0.22704 1.81600 46.59
4 -1.24961 0.10811 1.74077 27.74
5 13.99216 0.11892
6(絞りS) ∞ 0.06487
7 1.89198 0.12703 1.78800 47.35
8 5.40565 0.07027
9 -0.48370 0.03784 1.69895 30.13
10 1.43940 0.18379 1.76802 49.23
*11(非球面) -0.78223 D11(可変)
12 4.32452 0.10811 1.69680 55.52
13 -113.83359 D13(可変)
14 ∞ 0.08595 1.51680 64.20
15 ∞ 0.05406
16 ∞ 0.03784 1.51680 64.20
17 ∞ 0.023
像面 ∞

[非球面データ]
第11面
κ=-0.6683,A4=5.30186E-01,A6=4.42920E+00,A8=-1.47383E+00

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.66
Y 0.78
BF 0.47
TL 2.53

[可変間隔データ]
無限遠 β=-1/20
D11 0.40542 0.16424
D13 0.31356 0.55475

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
GF 1 1.02
GR 7 5.17

[条件式]
条件式(1) (L22r1+L21r2)/(L22r1−L21r2) = -0.836
条件式(2) fL24/f = 5.982
条件式(3) dL23L24/f = 0.405
条件式(4) fGF/f = 1.024
条件式(5) (nL22−nL23) = -0.069
条件式(6) (nL12−nL13) = 0.075
【0111】
表4から、本実施例に係る光学系WL4は、条件式(1)〜(6)を満たすことが分かる。
【0112】
図8は、第4実施例に係る光学系WL4の諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)であり、(a)は無限遠合焦状態(撮影倍率β=0.00)における諸収差図、(b)は撮影倍率β=-1/20の状態における諸収差図をそれぞれ示す。
【0113】
図8に示す各収差図から明らかなように、第4実施例では、諸収差が良好に補正され、優れた光学性能を有することが分かる。
【0114】
上記の各実施例によれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、画角が77度程度と広く、Fnoが2.8程度と明るい光学系を実現することができる。
【0115】
ここまで本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
WL(WL1〜WL4) 光学系
GF 前群
S 開口絞り
GR 後群
FL フィルタ群
I 像面
CAM デジタルスチルカメラ(光学機器)
図1
図2
図3
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図8
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図11