特許第6236795号(P6236795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236795
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】光学系及び光学機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/04 20060101AFI20171120BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G02B13/04 D
   G02B13/18
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-29581(P2013-29581)
(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-160105(P2014-160105A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2016年2月3日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100092897
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正悟
(72)【発明者】
【氏名】古井田 啓吾
【審査官】 小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2001−523836(JP,A)
【文献】 特開2007−025499(JP,A)
【文献】 特開2010−231190(JP,A)
【文献】 特開平05−203872(JP,A)
【文献】 特開平10−142497(JP,A)
【文献】 特開平10−170821(JP,A)
【文献】 特開2003−161878(JP,A)
【文献】 特開2007−272216(JP,A)
【文献】 特開2001−296476(JP,A)
【文献】 特開2008−310364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 13/04
G02B 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1レンズ群と、開口絞りと、第2レンズ群とにより実質的に構成され、
前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズとからなり、
前記第2レンズ群は、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けた形状を有し、最も像側に配置されたレンズが像側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正レンズであり、
以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
0.172 < L1r2/L2r2 < 0.700
1.00 < f1/f2 <9.00
但し、
L1r2:前記第1レンズ群の前記負レンズの像側レンズ面の曲率半径、
L2r2:前記第1レンズ群の前記正レンズの像側レンズ面の曲率半径、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離。
【請求項2】
前記第1レンズ群は、正の屈折力を有することを特徴とする請求項に記載の光学系。
【請求項3】
前記第2レンズ群の最も像側に配置された前記正レンズは、単レンズであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
【請求項4】
前記第1レンズ群の前記負レンズは、像側に凹面を向けた形状を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項5】
前記第2レンズ群は、少なくとも2つの接合レンズを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系。
1.9 < TL/f < 2.5
但し、
TL:前記光学系の最も物体側のレンズ面から近軸像面までの距離、
f:前記光学系の焦点距離。
【請求項7】
前記第2レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正レンズと像側に凹面を向けた負レンズとの接合レンズと、物体側に凹面を向けた負レンズと像側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記第2レンズ群は、少なくとも1つの面が非球面であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の光学系を搭載することを特徴とする光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ、フィルムカメラ、ビデオカメラ等の撮影光学系に最適な光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、広い画角を有し、コンパクトな単焦点レンズが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−076021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の広角単焦点レンズは、光学系全長が長く、前玉径が大きい。このため、カメラ未使用時にレンズ鏡筒をカメラ内に沈胴することが可能なコンパクトカメラに搭載すると、該カメラの小型化には不利になる。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、小型で、高い光学性能を有する光学系及び光学機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明に係る光学系は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1レンズ群と、開口絞りと、第2レンズ群とにより実質的に構成され、前記第1レンズ群は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズとからなり、前記第2レンズ群は、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向けた形状を有し、最も像側に配置されたレンズが像側に凸面を向けたメニスカス形状を有する正レンズであり、以下の条件式を満足する。
【0007】
.172 < L1r2/L2r2 < 0.700
1.00 < f1/f2 <9.00
但し、
L1r2:前記第1レンズ群の前記負レンズの像側レンズ面の曲率半径、
L2r2:前記第1レンズ群の前記正レンズの像側レンズ面の曲率半径、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離、
f2:前記第2レンズ群の焦点距離。
【0017】
本発明に係る光学機器は、上述の光学系のいずれかを搭載する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、小型で、高い光学性能を有する光学系及び光学機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施例に係る光学系の構成を示す断面図である。
図2】第1実施例に係る光学系の無限遠撮影時における諸収差図である。
図3】第2実施例に係る光学系の構成を示す断面図である。
図4】第2実施例に係る光学系の無限遠撮影時における諸収差図である。
図5】第3実施例に係る光学系の構成を示す断面図である。
図6】第3実施例に係る光学系の無限遠撮影時における諸収差図である。
図7】第4実施例に係る光学系の構成を示す断面図である。
図8】第4実施例に係る光学系の無限遠撮影時における諸収差図である。
図9】第5実施例に係る光学系の構成を示す断面図である。
図10】第5実施例に係る光学系の無限遠撮影時における諸収差図である。
図11】本実施形態に係る光学系を搭載するデジタルカメラ(光学機器)を説明する図であり、(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
図12図11(a)のA−A´線に沿った断面図である。
図13】本実施形態に係る光学系の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
本実施形態に係る光学系WLは、図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2とを有し、第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、負レンズL1と、正レンズL2とからなり、第2レンズ群G2は、最も物体側のレンズ面(図1ではレンズ面m6が該当)が物体側に凸面を向けた形状を有し、最も像側に正レンズ(図1ではレンズL8が該当)が配置され、次の条件式(1)を満足する。
【0024】
0.172 < L1r2/L2r2 < 0.700 …(1)
但し、
L1r2:第1レンズ群G1の負レンズL1の像側レンズ面の曲率半径、
L2r2:第1レンズ群G1の正レンズL2の像側レンズ面の曲率半径。
【0025】
この構成によれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、広画角(画角76°程度)で、明るく(Fno2.8程度)、高い光学性能を有する光学系を提供することができる。
【0026】
条件式(1)は、第1レンズ群G1の負レンズL1の像側面と、正レンズL2の像側面の曲率半径比を規定し、第1レンズ群G1で発生するコマ収差、非点収差、歪曲収差を良好に補正するための条件式である。条件式(1)の下限値を下回ると、負レンズL1の像側面が正レンズL2の像側面よりも相対的に小さくなり、ペッツバール和の補正、レンズの小型化には有利であるが、レンズ全系でのコマ収差、歪曲収差の補正が困難となる。条件式(1)を上回ると、負レンズL1の像側面が正レンズL2の像側面よりも相対的に大きくなり、レンズ全系での歪曲収差の補正には有利であるが、像面湾曲、コマ収差の補正が困難となる。さらに、第1レンズ群G1でペッツバール和を補正するために、負レンズL1と正レンズL2との間隔を広げなければならず、小型化を達成することができない。
【0027】
本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(1)の下限値を0.175とすることが好ましい。本実施形態の効果を最大限に発揮するために、条件式(1)の下限値を0.180とすることが好ましい。
【0028】
本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(1)の上限値を0.600とすることが好ましい。本実施形態の効果を最大限に発揮するために、条件式(1)の上限値を0.500とすることが好ましい。
【0029】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、第1レンズ群G1は、正の屈折力を有し、第1レンズ群G1の最も物体側に配置された負レンズL1は、像側に凹面を向けた形状を有することが好ましい。この構成により、第1レンズ群G1で発生する歪曲収差を小さくしながら、諸収差をレンズ全系で良好に補正することができる。
【0030】
本実施形態に係る光学系WLは、次の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0031】
1.00 < f1/f2 <9.00…(2)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離。
【0032】
条件式(2)は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との焦点距離の比を規定するものである。条件式(2)が下限値を下回ると、開口絞りSに対する対称性が良く、コマ収差、歪曲収差、倍率色収差の補正には有利であるが、ペッツバール和が増大し、像面湾曲の補正が困難となる。条件式(2)の上限値を上回ると、第1レンズ群G1の焦点距離が第2レンズ群G2の焦点距離よりも相対的に大きくなりすぎるため、開口絞りSに対する対称性が悪くなり、コマ収差、歪曲収差、倍率色収差の補正に不利となる。
【0033】
本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(2)の下限値を1.05とすることが好ましい。本実施形態の効果を最大限に発揮するために、条件式(2)の下限値を1.10とすることが好ましい。
【0034】
本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(2)の上限値を8.00とすることが好ましい。
【0035】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、第2レンズ群G2の最も像側に配置された正レンズは、像側に凸面を向けたメニスカス形状を有することが好ましい。この構成により、バックフォーカスや全長を伸ばすことなく、像面への入射角を抑えることができるので小型化が達成できる。また、像面湾曲やコマ収差等を良好に補正することができる。
【0036】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、第2レンズ群G2は、少なくとも2つの接合レンズを有することが好ましい。この構成により、軸上色収差、非点収差、倍率色収差、コマ収差を良好に補正することができる。
【0037】
本実施形態に係る光学系WLは、次の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0038】
1.9 < TL/f < 2.5 …(3)
但し、
TL:光学系WLの最も物体側のレンズ面から近軸像面までの距離、
f:光学系WLの全系の焦点距離。
【0039】
条件式(3)は、全系の小型化と収差補正のバランスを取るための、適切な光学系WLの全長を規定するものである。条件式(3)の下限値を下回ると、光学系WLの全長は小さくなり小型化には有利であるが、非点収差、像面湾曲、コマ収差などの諸収差の補正が困難となり、高い光学性能が得られないので好ましくない。条件式(3)の上限値を上回ると、非点収差、像面湾曲、コマ収差などの諸収差の補正上は有利となり、高い光学性能が得られるが、光学系WLの全長が大きくなりすぎるため、小型化には好ましくない。
【0040】
本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(3)の下限値を2.0とすることが好ましい。本実施形態の効果を最大限に発揮するために、条件式(3)の下限値を2.1とすることが好ましい。
【0041】
本実施形態の効果をより確実なものとするために、条件式(3)の上限値を2.4とすることが好ましい。本実施形態の効果を最大限に発揮するために、条件式(3)の上限値を2.3とすることが好ましい。
【0042】
本実施形態に係る光学系WLにおいて、第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた正レンズと像側に凹面を向けた負レンズとの接合レンズと、物体側に凹面を向けた負レンズと像側に凸面を向けた正レンズとの接合レンズと、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとを有することが好ましい。この構成により、球面収差、コマ収差などの諸収差を良好に補正することが可能であり、レンズ全体として高い光学性能を得ることができる。
【0043】
本実施形態及びに係る光学系WLにおいて、第2レンズ群G2は、少なくとも1つの面が非球面であることが好ましい。この構成により、球面収差、非点収差、コマ収差を良好に補正することができる。
【0044】
以上のような構成の本実施形態に係る光学系WLによれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、広画角で、明るく、高い光学性能を有する光学系を実現することができる。また、これにより、沈胴収納状態でのレンズ鏡筒部分の厚み寸法を極力減らして、カメラの薄型化を達成することができる。
【0045】
図11及び図12に、上述の光学系WLを備える光学機器として、デジタルスチルカメラCAM(光学機器)の構成を示す。このデジタルスチルカメラCAMは、不図示の電源釦を押すと、撮影レンズ(光学系WL)の不図示のシャッタが開放されて、光学系WLで被写体(物体)からの光が集光され、像面I(図1参照)に配置された撮像素子C(例えば、CCDやCMOS等)に結像される。撮像素子Cに結像された被写体像は、デジタルスチルカメラCAMの背後に配置された液晶モニターMに表示される。撮影者は、液晶モニターMを見ながら被写体像の構図を決めた後、レリーズ釦B1を押し下げて被写体像を撮像素子Cで撮影し、不図示のメモリーに記録保存する。
【0046】
カメラCAMには、被写体が暗い場合に補助光を発光する補助光発光部EF、デジタルスチルカメラCAMの種々の条件設定等に使用するファンクションボタンB2等が配置されている。ここでは、カメラCAMと光学系WLとが一体に成形されたコンパクトタイプのカメラを例示したが、光学機器としては、光学系WLを有するレンズ鏡筒とカメラボディ本体とが着脱可能な一眼レフカメラでも良い。
【0047】
上記構成のカメラCAMによれば、撮影レンズとして上述の光学系WLを搭載することにより、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、広画角で、明るく、高い光学性能を有するカメラを実現することができる。
【0048】
続いて、図13を参照しながら、上述の光学系WLの製造方法について説明する。まず、鏡筒内に、光軸に沿って物体側から順に、第1レンズ群G1と、開口絞りSと、第2レンズ群G2とが並ぶように、各レンズを組み込む(ステップST10)。このとき、第1レンズ群G1として、光軸に沿って物体側から順に、負レンズL1と、正レンズL2とが並ぶように、各レンズを組み込む(ステップST20)。第2レンズ群G2として、最も物体側のレンズ面が物体側に凸面を向き、最も像側に正レンズが配置されるように、各レンズを組み込む(ステップST30)。そして、次の条件式(1)を満足するように、各レンズを組み込む(ステップST40)。
【0049】
0.172 < L1r2/L2r2 < 0.700 …(1)
但し、
L1r2:第1レンズ群G1の負レンズL1の像側レンズ面の曲率半径、
L2r2:第1レンズ群G1の正レンズL2の像側レンズ面の曲率半径。
【0050】
ここで、本実施形態におけるレンズ配置の一例を挙げると、図1に示す光学系WLでは、第1レンズ群G1として、光軸に沿って物体側から、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL1と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL2との順で並ぶように、各レンズが鏡筒内に組み込まれている。また、第2レンズ群G2として、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL3と両凸形状の正レンズL4との接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL5と、両凹形状の負レンズL6と両凸形状の正レンズL7との接合レンズと、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL8の順で並ぶように、各レンズが鏡筒内に組み込まれている。そしてこのとき、条件式(1)を満足している(対応値0.437)。
【0051】
以上のような本実施形態に係る光学系WLの製造方法によれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、高い光学性能を有する光学系を得ることができる。また、沈胴収納状態でのレンズ鏡筒部分の厚み寸法を極力減らして、カメラの薄型化に貢献できる光学系を得ることができる。
【実施例】
【0052】
これより本実施形態に係る各実施例について、図面に基づいて説明する。以下に、表1〜表5を示すが、これらは第1実施例〜第5実施例における各諸元の表である。
【0053】
なお、第1実施例に係る図1に対する各参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。ゆえに、他の実施例に係る図面と共通の参照符号を付していても、それらは他の実施例とは必ずしも共通の構成ではない。
【0054】
各実施例では収差特性の算出対象として、C線(波長656.2730nm)、d線(波長587.5620nm)、F線(波長486.1330nm)、g線(波長435.8350nm)を選んでいる。
【0055】
表中の[レンズ諸元]において、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序、Rは各光学面の曲率半径、Dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔、ndは光学部材の材質のd線に対する屈折率、νdは光学部材の材質のd線を基準とするアッベ数をそれぞれ示す。物面は物体面、(可変)は可変の面間隔、曲率半径の「∞」は平面又は開口、(絞りS)は開口絞りS、像面は像面I、をそれぞれ示す。空気の屈折率「1.00000」は省略する。光学面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径Rの欄には近軸曲率半径を示す。
【0056】
表中の[非球面データ]には、[レンズ諸元]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離を、rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)を、κは円錐定数を、Aiは第i次の非球面係数を示す。「E-n」は、「×10-n」を示す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
【0057】
X(y)=(y2/r)/{1+(1−κ×y2/r21/2
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10 …(a)
【0058】
表中の[各種データ]において、fは光学系WL全系の焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角(最大入射角、単位:°)、Yは像高、BFはバックフォーカス(光軸上でのレンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表したもの)、TL´はレンズ全長(光軸上でのレンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたもの)を示す。
【0059】
表中の[レンズ群データ]において、Gは群番号、群初面は各群の最も物体側の面番号を、群焦点距離は各群の焦点距離を示す。
【0060】
表中の[条件式]には、上記の条件式(1)〜(3)に対応する値を示す。
【0061】
以下、全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径R、面間隔D、その他の長さ等は、特記のない場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
【0062】
ここまでの表の説明は全ての実施例において共通であり、以下での説明を省略する。
【0063】
(第1実施例)
第1実施例について、図1図2及び表1を用いて説明する。第1実施例に係る光学系WL(WL1)は、広角単焦点レンズであり、図1に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、フィルタ群FLとから構成されている。
【0064】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL1と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL2とからなる。
【0065】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL3と両凸形状の正レンズL4との接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL5と、両凹形状の負レンズL6と両凸形状の正レンズL7との接合レンズと、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL8とからなる。なお、正レンズL8の像側のレンズ面には非球面が形成されている。
【0066】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0067】
下記の表1に、第1実施例における各諸元の値を示す。表1における面番号1〜19が、図1に示すm1〜m19の各光学面に対応している。第1実施例では、第15面が非球面である。
【0068】
(表1)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 2.2578 0.0654 1.57957 53.74
2 0.5236 0.4054
3 0.6149 0.1396 1.77250 49.62
4 1.1992 0.1253
5(絞りS) ∞ 0.0832
6 0.8390 0.0327 1.75520 27.57
7 0.5307 0.1382 1.83481 42.73
8 -3.2042 0.0163
9 2.3764 0.0327 1.69895 30.13
10 0.9620 0.0954
11 -0.6331 0.0381 1.74077 27.74
12 1.4300 0.0969 1.88300 40.66
13 -3.4365 0.0109
14 -5.3852 0.0817 1.79050 45.01
*15(非球面) -0.9963 0.7377
16 ∞ 0.0997 1.51680 64.20
17 ∞ 0.0801
18 ∞ 0.0381 1.51680 64.20
19 ∞ 0.0272
像面 ∞

[非球面データ]
第15面
κ=1.0000,A4=1.21955E+00,A6=3.81700E+00,A8=5.93920E+00,A10=-3.00852E+01

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.86
Y 0.79
BF 0.932
TL´ 2.21

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 66.96
G2 6 1.22

[条件式]
条件式(1) L1r2/L2r2 = 0.437
条件式(2) f1/f2 = 54.707
条件式(3) TL/f = 2.209
【0069】
表1から、第1実施例に係る光学系WL1は、条件式(1)〜(3)を満たすことが分かる。
【0070】
図2は、第1実施例に係る光学系WL1の無限遠撮影時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)である。
【0071】
各収差図において、FNOはFナンバー、Aは各像高に対する半画角(単位:°)を示す。dはd線、gはg線、CはC線、FはF線における収差をそれぞれ示す。また、記載のないものは、d線における収差を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面を、破線はメリディオナル像面を示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。
【0072】
図2に示す各収差図から明らかなように、第1実施例に係る光学系WL1は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0073】
(第2実施例)
第2実施例について、図3図4及び表2を用いて説明する。第2実施例に係る光学系WL(WL2)は、広角単焦点レンズであり、図3に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、フィルタ群FLとから構成されている。
【0074】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL1と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL2とからなる。
【0075】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL3と両凹形状の負レンズL4との接合レンズと、両凹形状の負レンズL5と両凸形状の正レンズL6との接合レンズと、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL7とからなる。正レンズL7の像側のレンズ面には非球面が形成されている。
【0076】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0077】
下記の表2に、第2実施例における各諸元の値を示す。表2における面番号1〜17が、図3に示すm1〜m17の各光学面に対応している。第2実施例では、第13面が非球面である。
【0078】
(表2)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 -629.2740 0.0545 1.57957 53.74
2 0.6862 0.4030
3 0.6216 0.1498 1.71300 53.96
4 3.8122 0.1225
5(絞りS) ∞ 0.0654
6 0.8972 0.1253 1.88300 40.66
7 -1.2949 0.0408 1.69895 30.13
8 1.2951 0.1062
9 -0.5587 0.0381 1.69895 30.13
10 1.4075 0.1470 1.75500 52.34
11 -1.5477 0.0109
12 -2.1784 0.0926 1.79050 44.98
*13(非球面) -0.9062 0.6873
14 ∞ 0.0997 1.51680 64.20
15 ∞ 0.0801
16 ∞ 0.0381 1.51680 64.20
17 ∞ 0.0272
像面 ∞

[非球面データ]
第13面
κ=1.0000,A4=1.04405E+00,A6=4.01005E+00,A8=1.69331E+00,A10=0.00000E+00

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.91
Y 0.79
BF 0.885
TL´ 2.24

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 2.21
G2 6 1.99

[条件式]
条件式(1) L1r2/L2r2 = 0.180
条件式(2) f1/f2 = 1.109
条件式(3) TL/f = 2.242
【0079】
表2から、第2実施例に係る光学系WL2は、条件式(1)〜(3)を満たすことが分かる。
【0080】
図4は、第2実施例に係る光学系WL2の無限遠撮影時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図および倍率色収差図)である。図4に示す各収差図から明らかなように、第2実施例に係る光学系WL2は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0081】
(第3実施例)
第3実施例について、図5図6及び表3を用いて説明する。第3実施例に係る光学系WL(WL3)は、広角単焦点レンズであり、図5に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、フィルタ群FLとから構成されている。
【0082】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL1と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL2とからなる。
【0083】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL3と両凹形状の負レンズL4との接合レンズと、両凹形状の負レンズL5と両凸形状の正レンズL6との接合レンズと、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL7とからなる。正レンズL7の像側のレンズ面には非球面が形成されている。
【0084】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0085】
下記の表3に、第3実施例における各諸元の値を示す。表3における面番号1〜17が、図5に示すm1〜m17の各光学面に対応している。第3実施例では、第13面が非球面である。
【0086】
(表3)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 2.3006 0.0654 1.57957 53.74
2 0.5242 0.3268
3 0.6120 0.1198 1.79500 45.31
4 1.2254 0.1389
5(絞りS) ∞ 0.0545
6 0.8972 0.1471 1.88300 40.66
7 -0.6104 0.0381 1.69895 30.13
8 1.9132 0.1144
9 -0.5568 0.0381 1.69895 30.13
10 2.3580 0.1416 1.75500 52.34
11 -1.0186 0.0109
12 -1.7973 0.0817 1.79050 44.98
*13(非球面) -1.0056 0.7339
14 ∞ 0.0997 1.51680 64.20
15 ∞ 0.0801
16 ∞ 0.0381 1.51680 64.20
17 ∞ 0.0272
像面 ∞

[非球面データ]
第13面
κ=1.0000,A4=9.92351E-01,A6=2.97273E+00,A8=8.26531E+00,A10=-3.36149E+01

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.86
Y 0.79
BF 0.932
TL´ 2.21

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 66.96
G2 6 1.22

[条件式]
条件式(1) L1r2/L2r2 = 0.428
条件式(2) f1/f2 = 54.707
条件式(3) TL/f = 2.209
【0087】
表3から、第3実施例に係る光学系WL3は、条件式(1)〜(3)を満たすことが分かる。
【0088】
図6は、第3実施例に係る光学系WL3の無限遠撮影時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)である。図6に示す各収差図から明らかなように、第3実施例に係る光学系WL3は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0089】
(第4実施例)
第4実施例について、図7図8及び表4を用いて説明する。第4実施例に係る光学系WL(WL4)は、広角単焦点レンズであり、図7に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、フィルタ群FLとから構成されている。
【0090】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズL1と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL2とからなる。
【0091】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL3と両凹形状の負レンズL4との接合レンズと、両凹形状の負レンズL5と両凸形状の正レンズL6との接合レンズと、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL7とからなる。正レンズL7の像側のレンズ面には非球面が形成されている。
【0092】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0093】
下記の表4に、第4実施例における各諸元の値を示す。表4における面番号1〜17が、図7に示すm1〜m17の各光学面に対応している。第4実施例では、第13面が非球面である。
【0094】
(表4)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 -13.2676 0.0654 1.53172 48.78
2 0.6131 0.2945
3 0.6163 0.1371 1.79500 45.31
4 1.5253 0.1253
5(絞りS) ∞ 0.0708
6 0.7852 0.1743 1.88300 40.66
7 -1.0156 0.0408 1.75211 25.05
8 2.3728 0.1171
9 -0.5930 0.0381 1.69895 30.13
10 1.1609 0.1634 1.79952 42.09
11 -1.7522 0.0109
12 -2.7233 0.0817 1.79050 45.01
*13(非球面) -1.1464 0.6216
14 ∞ 0.0997 1.51680 64.20
15 ∞ 0.0801
16 ∞ 0.0381 1.51680 64.20
17 ∞ 0.0272
像面 ∞

[非球面データ]
第13面
κ=1.0000,A4=1.22717E+00,A6=3.46350E+00,A8=4.93210E+00,A10=-3.04555E+01

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.86
Y 0.79
BF 0.820
TL´ 2.14

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 10.42
G2 6 1.31

[条件式]
条件式(1) L1r2/L2r2 = 0.402
条件式(2) f1/f2 = 7.957
条件式(3) TL/f = 2.139
【0095】
表4から、第4実施例に係る光学系WL4は、条件式(1)〜(3)を満たすことが分かる。
【0096】
図8は、第4実施例に係る光学系WL4の無限遠撮影時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)である。図8に示す各収差図から明らかなように、第4実施例に係る光学系WL4は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0097】
(第5実施例)
第5実施例について、図9図10及び表5を用いて説明する。第5実施例に係る光学系WL(WL5)は、広角単焦点レンズであり、図9に示すように、光軸に沿って物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、開口絞りSと、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、フィルタ群FLとから構成されている。
【0098】
第1レンズ群G1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL1と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL2とからなる。
【0099】
第2レンズ群G2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズL3と両凹形状の負レンズL4との接合レンズと、両凹形状の負レンズL5と両凸形状の正レンズL6との接合レンズと、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL7とからなる。正レンズL6の像側のレンズ面には非球面が形成されている。
【0100】
フィルタ群FLは、像面Iに配設される固体撮像素子(例えば、CCDやCMOS等)の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルタや赤外カットフィルタ等で構成されている。
【0101】
下記の表5に、第5実施例における各諸元の値を示す。表5における面番号1〜17が、図9に示すm1〜m17の各光学面に対応している。第5実施例では、第11面が非球面である。
【0102】
(表5)
[レンズ諸元]
面番号 R D nd νd
物面 ∞
1 1.7851 0.0545 1.56883 56.00
2 0.5120 0.3595
3 0.5721 0.1307 1.71300 53.96
4 1.2689 0.1280
5(絞りS) ∞ 0.0681
6 0.8681 0.1362 1.88300 40.66
7 -0.6973 0.0381 1.67270 32.19
8 1.3555 0.1198
9 -0.5636 0.0381 1.69895 30.13
10 1.1330 0.1634 1.77377 47.25
*11(非球面) -0.9531 0.0109
12 -5.4466 0.0763 1.76684 46.78
13 -2.0345 0.6752
14 ∞ 0.0997 1.51680 64.20
15 ∞ 0.0801
16 ∞ 0.0381 1.51680 64.20
17 ∞ 0.0272
像面 ∞

[非球面データ]
第11面
κ=1.0000,A4=1.15623E+00,A6=6.18674E+00,A8=-9.96092E+00,A10=0.00000E+00

[各種データ]
f 1.00
Fno 2.88
ω 38.88
Y 0.79
BF 0.871
TL´ 2.19

[レンズ群データ]
群番号 群初面 群焦点距離
G1 1 8.13
G2 6 1.33

[条件式]
条件式(1) L1r2/L2r2 = 0.403
条件式(2) f1/f2 = 6.123
条件式(3) TL/f = 2.195
【0103】
表5から、第5実施例に係る光学系WL5は、条件式(1)〜(3)を満たすことが分かる。
【0104】
図10は、第5実施例に係る光学系WL5の無限遠撮影時における諸収差図(球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、コマ収差図及び倍率色収差図)である。図10に示す各収差図から明らかなように、第5実施例に係る光学系WL5は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することが分かる。
【0105】
上記の各実施例によれば、カメラ未使用時にレンズ鏡筒がカメラ内に沈胴することが可能であり、小型で、画角が76°程度と広角で、Fnoが2.8程度と明るく、高い光学性能を有する光学系を実現することができた。
【0106】
本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0107】
WL(WL1〜WL5) 光学系
G1 第1レンズ群
S 開口絞り
G2 第2レンズ群
FL フィルタ群
I 像面
CAM デジタルスチルカメラ(光学機器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13