(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記波長変換層形成工程において、前記半導体発光素子の上面及び側面に前記スラリーを塗布して塗布層を形成する工程と、当該塗布層を前記熱硬化性樹脂が硬化する温度である硬化温度よりも低い所定温度で所定時間加熱することにより仮硬化させる仮硬化工程とを、複数回繰り返すことにより前記波長変換層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る発光装置及び発光装置の製造方法の実施形態について説明する。
なお、以下の説明において参照する図面は、本発明を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、平面図とその断面図において、各部材のスケールや間隔が一致しない場合もある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。
【0014】
<第1実施形態>
[発光装置の構成]
まず、
図1(a)を参照して、本発明の第1実施形態に係る発光装置の構成について説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態に係る発光装置100は、支持体10と、支持体10上に設けられた半導体発光素子1(以下、適宜「発光素子」と呼ぶ)と、発光素子1の上面及び側面、並びに支持体10の側面上部を被覆する蛍光体層(波長変換層)7とを備えて構成されている。
また、発光装置100は、発光素子1が発光した光(例えば、青色光)と、発光素子1が発光した光の一部を蛍光体層7が波長変換した光(例えば、黄色光)とを混色して、混色光(例えば、白色光)を上面及び側面から出力するものである。
【0015】
発光素子1は、成長基板2と、半導体積層体3と、n側電極4n及びp側電極4pと、全面電極5a及びカバー電極5bと、保護層6とを備えて構成されるLEDである。
また、本実施形態における発光素子1は、半導体積層体3と、n側電極4n及びp側電極4pとが設けられた面を実装面とし、発光素子1の蛍光体層7が設けられた成長基板2側を光取り出し面とするフェイスダウン実装型の発光装置である。
【0016】
支持体10は、発光素子1を載置して、発光素子1の上面及び側面に蛍光体層7をスプレー塗布により形成する際に、発光素子1を、スプレー装置における被塗布物の載置面からかさ上げするための部材である。なお、スプレー塗布による蛍光体層7の形成方法の詳細については後記する。
また、本実施形態に係る発光装置100は、支持体10がフェイスダウン実装型の発光素子1を載置した状態で実装基板(例えば、
図2の実装基板9参照)に実装される。そのために、支持体10は、樹脂層11と、導電部材12n,12pと、パッド電極13n,13pと、を備えて構成されている。
【0017】
次に、発光装置100の各部について詳細に説明する。
発光素子1は、成長基板2の下面側に、n型半導体層3nとp型半導体層3pとを積層した半導体積層体3を備えている。半導体積層体3は、電流を通電することにより発光するようになっており、n型半導体層3nとp型半導体層3pとの間に発光層3aを備えることが好ましい。
【0018】
半導体積層体3には、p型半導体層3p及び発光層3aが部分的に存在しない領域、すなわちp型半導体層3pの表面から窪んだ領域(この領域を「段差部3b」と呼ぶ)が形成されている。段差部3bの底面(
図1(a)において下面)はn型半導体層3nの露出面であり、段差部3bには、n側電極4nが形成されている。また、p型半導体層3pの上面の略全面には、良好な反射性を有する全面電極5a及び全面電極5aを被覆するカバー電極5bが設けられ、カバー電極5bの下面の一部にp側電極4pが形成されている。
また、発光素子1のパッド電極であるn側電極4n及びp側電極4pを除き、半導体積層体3及びカバー電極5bの表面は、絶縁性及び透光性を有する保護層6で被覆されている。
【0019】
成長基板2は、半導体積層体3をエピタキシャル成長させるための基板である。成長基板2は、半導体積層体3をエピタキシャル成長させることができる基板材料で形成されればよく、大きさや厚さ等は特に限定されない。例えば、半導体積層体3をGaN(窒化ガリウム)などの窒化物半導体を用いて形成する場合には、基板材料としては、C面、R面、A面の何れかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl
2O
4)のような絶縁性基板、また炭化ケイ素(SiC)、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジム等の酸化物基板が挙げられる。
【0020】
半導体積層体3は、前記したように、発光層3aを含むn型半導体層3nとp型半導体層3pとが積層された積層体のことである。本実施形態においては、半導体積層体3は、表面の一部において、表面からp型半導体層3p及び発光層3aのすべてと、n型半導体層3nの一部とが除去された段差部3bが設けられている。そして、段差部3bの底面(下面)には、n型半導体層3nに電気的に接続されたn側電極4nが設けられている。また、段差部3b以外の半導体積層体3の下面であるp型半導体層3pの下面には、p型半導体層3pの略全面と電気的に接続された全面電極5aと、更に全面電極5aの下面及び側面を被覆するカバー電極5bと、カバー電極5bの下面の一部の領域に設けられたp側電極4pと、を積層してなる電極が設けられている。
【0021】
半導体積層体3は、GaN、GaAs、InGaN、AlInGaP、GaP、SiC、ZnOのように、半導体発光素子に適した材料を用いることができる。本実施形態においては、発光素子1が発光する光の一部が、蛍光体層7によって異なる波長の光に変換されるため、発光波長の短い青色や紫色に発光する半導体積層体3が好適である。
【0022】
n型半導体層3n、発光層3a及びp型半導体層3pは、In
XAl
YGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等のGaN系化合物半導体が好適に用いられる。また、これらの半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層3aは、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
【0023】
半導体積層体3としてGaN系化合物半導体を用いる場合は、例えば、MOCVD法(有機金属気相成長法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)等の公知の技術により形成することができる。また、半導体層の膜厚は特に限定されるものではなく、種々の膜厚のものを適用することができる。
【0024】
全面電極5aは、p型半導体層3pの下面の略全面を覆うように設けられる。また、全面電極5aの下面及び側面の全体を被覆するように、カバー電極5bが設けられている。全面電極5aは、カバー電極5b及びカバー電極5bの下面の一部に設けられたp側電極4pを介して供給される電流を、p型半導体層3pの全面に均一に拡散するための導体層である。また、全面電極5aは良好な反射性を有し、発光素子1が発光する光を、光取り出し面である上方向に反射する反射膜としても機能する。ここで、反射性を有するとは、発光素子1が発光する波長の光を良好に反射することをいう。更に、全面電極5aは、蛍光体層7によって変換された後の波長の光に対しても良好な反射性を有することが好ましい。
【0025】
全面電極5aは、良好な導電性と反射性とを有する金属材料を用いることができる。特に可視光領域で良好な反射性を有する金属材料としては、Ag、Al又はこれらの金属を主成分とする合金を好適に用いることができる。また、全面電極5aは、これらの金属材料を単層で、又は積層したものが利用できる。
【0026】
また、カバー電極5bは、全面電極5aを構成する金属材料のマイグレーションを防止するためのバリア層である。特に全面電極5aとして、マイグレーションし易いAgを用いる場合には設けることが好ましい。
カバー電極5bとしては、良好な導電性とバリア性とを有する金属材料を用いることができ、例えば、Al、Ti、W、Auなどを用いることができる。また、カバー電極5bは、これらの金属材料を単層で、又は積層したものが利用できる。
【0027】
n側電極4nは、n型半導体層3nが露出した半導体積層体3の段差部3bの底面に設けられている。また、p側電極4pは、カバー電極5bの下面の一部に設けられている。n側電極4nはn型半導体層3nに、p側電極4pはカバー電極5b及び全面電極5aを介してp型半導体層3pに、それぞれ電気的に接続して、発光素子1に外部からの電流を供給するためのパッド電極である。
【0028】
n側電極4n及びp側電極4pとしては、金属材料を用いることができ、例えば、Ag、Al、Ni、Rh、Au、Cu、Ti、Pt、Pd、Mo、Cr、Wなどの単体金属及びそれらの合金などを好適に用いることができる。また、n側電極4n及びp側電極4pは、これらの金属材料を単層で、又は積層したものを利用することができる。
【0029】
保護層6は、絶縁性及び透光性を有し、成長基板2と、n側電極4n及びp側電極4pの外部との接続部とを除き、発光素子1の表面全体を被覆する被膜である。保護層6は、発光素子1の保護膜及び帯電防止膜として機能する。
また、保護層6は、光が取り出される半導体積層体3の側面を被覆するため、発光素子1が発光した波長の光に対して、良好な透光性を有することが好ましい。更に、保護層6は、蛍光体層7が波長変換した後の波長の光に対しても良好な透光性を有することが好ましい。
【0030】
保護層6としては、金属酸化物や金属窒化物を用いることができ、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物又は窒化物を好適に用いることができる。
【0031】
蛍光体層(波長変換層)7は、粒状の蛍光体(波長変換部材)を含有する樹脂からなる層であり、発光素子1が発光する光の一部又は全部を吸収して、発光素子1が発光する波長とは異なる波長の光を発光することにより、波長変換する層である。
図1(a)に示した例では、蛍光体層7は、発光装置100がフェイスダウン実装された状態で、発光素子1の上面(すなわち、成長基板2の上面)の全面及び側面(すなわち、成長基板2の側面及び保護層6を介した半導体積層体3の側面)の全面、並びに支持体10の側面上部を被覆するように設けられている。
なお、
図1(a)において、H
A〜H
Eは、発光装置100の厚さ方向の位置(高さ)を示す記号として使用している。また、
図1(b)、
図6(a)、
図8、
図9及び
図10においても同様に、H
A〜H
Eは厚さ方向の位置を示す記号として使用している。
【0032】
発光素子1の上面に設けられた蛍光体層7の上面部7aは、ほぼ均一な厚さで形成されている。また、発光素子1の側面及び支持体10の側面に設けられる蛍光体層7の側面部7bにおいて、発光素子1の上端である位置H
Aから支持体10の途中の高さの位置H
Cまでの範囲に連続して設けられている側面上部7b
1は、ほぼ均一な厚さで形成されている。
なお、側面上部7b
1の厚さは、上面部7aの厚さと同程度に形成されることが好ましいが、これより薄く形成されてもよい。例えば、上面部7aの厚さを60μmとした場合に、側面上部7b
1の厚さが10〜40μm程度であってもよい。
【0033】
これに対して、前記した位置H
Cから、支持体10の途中の高さの位置H
Dまでの範囲に設けられている側面下部7b
2は、当該側面下部7b
2の上端である位置H
Cから下端である位置H
Dにかけて徐々に厚さが減少するように設けられている。
ここで、発光素子1の側面において、光が出射される部位となる成長基板2の側面及び半導体積層体3の側面については、少なくとも均一な厚さの側面上部7b
1が設けられることが好ましい。
【0034】
図1(a)の例では、発光素子1の上端である位置H
Aから、発光素子1の側面において光が出射する下端の位置H
Bである半導体積層体3の下端までは、側面上部7b
1が設けられることが好ましい。また、発光装置100の蛍光体層7の側面下部7b
2が、含有される蛍光体の発光色で不必要に広い範囲で発光しないように、側面上部7b
1の下端の位置H
Cは、位置H
Bに近いことが好ましい。これによって、発光装置100の側面に設けられる側面部7bから出射される混色光の配光色度を均一にすることができる。
【0035】
また、側面下部7b
2の下端である位置H
Dは、支持体10の樹脂層11の下端である位置H
Eと同じか、位置H
Eより上方となるように設けられることが好ましい。これによって、発光装置100の裾部にまで蛍光体層7を介して光が伝播して、発光装置100の下部が蛍光体の発光色で光ることを低減することができる。
また、好ましくは、側面下部7b
2を下方ほど膜厚が徐々に薄くなるテーパ形状に構成し、更に好ましくは、下端の位置H
Dにおいて、厚さが「0」となるような先細り形状とする。先細り形状とすることで、例えば、製造工程において発光装置100を取り扱う際に、蛍光体層7の先端部に他の部材や治具が触れるようなことがあっても、蛍光体層7が支持体10及び発光素子1から剥離し難くすることができる。また、前記した側面下部7b
2の下端である位置H
Dを位置H
Eより上方とすることに加えて、側面下部7b
2を側面上部7b
1より膜厚を薄く形成することにより、過剰な蛍光体層7により側面下部7b
2が蛍光体の発光色で高強度に発光することを防止できる。
【0036】
蛍光体層7の上面部7a及び側面上部7b
1の膜厚は、蛍光体の含有量や、発光素子1が発光する光と波長変換後の光との混色後の所望する色調などに応じて定めることができ、例えば、1μm以上かつ500μm以下とすることができ、5μm以上かつ200μm以下とすることが好ましく、10μm以上かつ100μm以下とすることがより好ましい。
【0037】
また、蛍光体層7における蛍光体の含有量は、単位面積当たりの質量で、0.1〜50mg/cm
2となるように調整することが好ましい。蛍光体の含有量をこの範囲にすることにより、色変換を十分に行うことができる。
【0038】
樹脂材料としては、発光素子1が発光した光及び蛍光体層7が含有する蛍光体が波長変換した後の光に対して良好な透光性を有するものを用いることが好ましい。また、本実施形態では、溶剤と当該樹脂と粒状の蛍光体とを含有するスラリーを処方して、スプレー塗布した後、加熱することにより塗布した樹脂を硬化させて蛍光体層7を形成できるように、樹脂材料として熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
このような樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂若しくはこれらの樹脂を少なくとも1種以上含む樹脂、又はハイブリッド樹脂などを好適に用いることができる。
【0039】
また、蛍光体(波長変換部材)としては、発光素子1が発光する波長の光によって励起されて、この励起光と異なる波長の蛍光を発する蛍光物質であれば特に限定されず、粒状の蛍光体を好適に用いることができる。粒状の蛍光体は、光散乱性及び光反射性を有するため、波長変換機能に加えて光散乱部材としても機能し、光の拡散効果を得ることができる。蛍光体は、樹脂からなる層である蛍光体層7中にほぼ均一の割合で混合することが好ましい。また、蛍光体は、蛍光体層7中に、2種類以上を一様に混在させてもよいし、多層構造となるように分布させてもよい。
また、蛍光体は、溶剤及び熱硬化性樹脂とともに処方されるスラリーがスプレー塗布可能なように、フィッシャーサブシーブサイザーズナンバー(F.S.S.S.法)測定法による平均粒径が2.5〜30μm程度とすることが好ましい。
【0040】
蛍光体材料としては、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、Ce(セリウム)で賦活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Ceで賦活されたLAG(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Eu(ユーロピウム)及び/又はCr(クロム)で賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、Euで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF(K
2SiF
6:Mn)系蛍光体などを挙げることができる。また、量子ドット蛍光体も用いることができる。
また、青色発光素子と黄色発光の蛍光体との組み合わせ、青緑色発光素子と赤色発光の蛍光体との組み合わせでは効率のよいLEDを、青色発光素子と緑色発光の蛍光体及び赤色発光の蛍光体との組み合わせでは色再現性の高いLEDを、また、青色発光素子と黄色発光の蛍光体及び赤色発光の蛍光体との組み合わせでは演色性の高いLEDを作成することができる。
【0041】
また、前記した蛍光体材料に、蛍光体同士を結着させる結着材を添加することが好ましい。結着材としては、例えば、SiO
2,Al
2O
3,MSiO(Mは、Zn,Ca,Mg,Ba,Sr,Zr,Yなど)などの透光性の無機材料を用いることができる。
【0042】
また、スプレー時の粘度を調整するためや蛍光体層7に光拡散性を付与するために、透光性の無機化合物粒子、例えばSi、Al、Zn、Ca、Mg、Yなどの希土類若しくはZr、Tiなどの元素の、酸化物、炭酸塩、硫酸塩若しくは窒化物、又はベントナイト、チタン酸カリウムなどの複合塩などの無機フィラーを添加するようにしてもよい。
このような無機フィラーの平均粒径は、前記した蛍光体の平均粒径の範囲と同程度の範囲のものとすることができる。
【0043】
また、樹脂からなる層である蛍光体層7において、蛍光体粒子と無機フィラー粒子とを合わせた含有率である無機材料比率を、次式で定義する。
無機材料比率=(蛍光体質量+無機フィラー質量)/(蛍光体質量+無機フィラー質量+樹脂質量)
この無機材料比率は特に限定されるものではないが、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上とすることで、波長変換及び/又は光拡散させるために十分な量の蛍光体及び/又は無機フィラーを備えることができる。
また、無機材料比率を99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下とすることで、蛍光体層7に含有される樹脂によって十分な強度で無機材料同士及び無機材料と支持体付き発光素子20とを接着させることができる。
【0044】
支持体10は、前記したように、発光素子1を載置して、発光素子1の上面及び側面に蛍光体層7をスプレー塗布により形成する際に、発光素子1を、スプレー装置の被塗布物の載置面からかさ上げするための部材である。
本実施形態における支持体10は、樹脂層11と、導電部材12n,12pと、パッド電極13n,13pとを備えている。
支持体10の上面には、フェイスダウン実装型の発光素子1が、半導体積層体3、n側電極4n及びp側電極4pが形成された面と対向するように載置され、n側電極4nと導電部材12nと、及び、p側電極4pと導電部材12とがそれぞれ電気的に接続されている。
また、本実施形態における支持体10は、平面視で発光素子1とほぼ同じ形状で形成されている。
【0045】
支持体10の平面視での外形形状は、発光素子1の外形形状と同じか、発光素子の外形形状の内側になるように小さく形成することが好ましい。平面視において、支持体10の全てが発光素子1の外形の内側になることが特に好ましい。また、支持体10の厚さは、蛍光体層7の厚さと同程度か、それ以上とすることが好ましく、例えば、20〜200μm程度とすることができ、50〜100μmとすることが更に好ましい。
支持体10を前記した形状とすることにより、スプレー塗布によって蛍光体層7を形成する際に、支持体10の側面に形成される蛍光体層7の側面部7bを、短く、又は/及び厚さを下方ほど薄く形成することができる。
【0046】
樹脂層11は、発光素子1をかさ上げするための支持体10の本体である。また、樹脂層11内には、樹脂層11の厚さ方向に貫通するように、導電部材12n,12pが設けられている。
本実施形態における樹脂層11には、絶縁性の樹脂を用いることができ、例えば、フェノール樹脂組成物、熱硬化性ポリイミド樹脂組成物、ユリア樹脂組成物、シリコーン樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物、及びこれらのハイブリッド樹脂などの熱硬化性樹脂が好適に用いることができる。より好ましくは、耐熱・耐光性に優れた樹脂のシリコーン樹脂やエポキシ樹脂をベースとして用いたフォトリソグラフィ法で使用されるレジスト樹脂組成物、各種成形工程で充填されるモールディング樹脂組成物を挙げることができる。これらの樹脂組成物には反射率や機械強度を上げたり、線膨張係数を低下させるため無機フィラーが充填されていてもよい。樹脂組成物としての線膨張係数は、30ppm以下が好ましい。
なお、本実施形態では、支持体10の本体として樹脂層11を用いたが、樹脂材料に代えてガラスやその他の無機材料を用いるようにしてもよい。
【0047】
また、樹脂層11は、発光素子1が発光する波長の光に対して良好な光反射性を有することが好ましい。この場合は、樹脂層11に、光反射性を有する無機フィラーを含有させることで形成することができる。また、このとき、樹脂層11に用いる樹脂材料は、発光素子1が発光する波長の光に対して良好な透光性を有することが好ましい。
これによって、樹脂層11は、反射膜として機能し、発光素子1の下面側から漏出する光を反射して発光素子1内に戻すことができる。その結果、光取り出し面から取り出される光の取り出し効率を向上させることができる。
無機フィラーとしては、前記した蛍光体層7に含有させる光拡散性の無機フィラーと同様のものを用いることができる。
【0048】
導電部材12nは、樹脂層11を厚さ方向に貫通して設けられ、上端がn側電極4nと電気的に接続され、下端が、実装基板(例えば、
図2の実装基板9を参照)などと接続するためのパッド電極13nと電気的に接続されている。また、導電部材12pは、樹脂層11を厚さ方向に貫通して設けられ、上端がp側電極4pと電気的に接続され、下端が、実装基板などと接続するためのパッド電極13pと電気的に接続されている。
導電部材12n,12pとしては、Au,Cu,Ag,Alなどの電気伝導率の高い金属又はそれらを主成分とする合金を用いることが好ましい。
【0049】
パッド電極13n,13pは、発光装置100が実装基板に実装される際に、実装基板の電極と電気的に接続するための電極である。パッド電極13nは導電部材12nの下端と電気的に接続され、パッド電極13pは導電部材12pの下端と電気的に接続されて、それぞれ発光装置100の負電極及び正電極である。
パッド電極13n,13pとしては、電気伝導率が高く、耐腐食性に優れたAu又はAuを主成分とする合金を用いることが好ましい。
【0050】
なお、本実施形態では、パッド電極13n,13pは、平面視で導電部材12n,12pより広く形成しているが、同じか、狭く形成するようにしてもよい。また、本実施形態では、パッド電極13n,13pの下面が、樹脂層11の下面より下側に突出するように形成しているがこれに限定されず、樹脂層11に埋もれるように形成してもよい。更にまた、パッド電極13n,13pを設けずに、導電部材12n,12pをパッド電極として用いるようにしてもよい。
【0051】
<発光装置の変形例>
次に、
図1(b)を参照して、本発明の第1実施形態の変形例に係る発光装置について説明する。
図1(b)に示した第1実施形態の変形例に係る発光装置100Aは、
図1(a)に示した発光装置100に対して、発光素子1に代えて、成長基板2を有さない発光素子1Aを備えることが異なる。発光装置100Aの他の構成は、発光装置100と同様であるから、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0052】
変形例に係る発光装置100Aは、発光装置100と同様に、発光素子1Aが、n側電極4n及びp側電極4pが設けられた面が支持体10と対向するように設けられている。そして、蛍光体層7の側面上部7b
1は、その下端の位置H
Cが、発光素子1Aの側面において光が出射する下端の位置H
Bである半導体積層体3の下端と同じか、位置H
Bよりも下方に位置するように設けられている。また、蛍光体層7の側面下部7b
2は、下方ほど厚さが薄くなるように形成されており、その下端の位置H
Dが、支持体10の樹脂層11の下端の位置H
Eと同じか、位置H
Eよりも上方に位置するように形成されている。
【0053】
<実装基板付き発光装置>
次に、
図2を参照して、前記した発光装置100を、実装基板に実装した状態である実装基板付きの発光装置について説明する。
図2に示すように、実装基板付きの発光装置110は、実装基板9に複数の発光装置100が実装されたものである。なお、実装基板9に実装される発光装置100の個数は特に限定されるものではなく、1個以上が実装されていればよい。また、実装される発光装置は、
図1(a)に示した発光装置100に限定されるものではなく、発光装置100に代えて、
図1(b)に示した発光装置100Aを用いることもできる。
【0054】
図2(a)に示した例は、3個の発光装置100を実装する領域を抜粋して模式的に示したものである。また、発光装置100は、3個の実装領域94の内の中央の1個の実装領域94に発光装置100を実装した様子を示している。
【0055】
図2(a)に示すように、実装基板9は、絶縁性の支持基板91上に、平面視で櫛状の負極側配線電極92n及び正極側配線電極92pが、櫛の歯に相当する箇所が互いに対向するように設けられている。負極側配線電極92n及び正極側配線電極92pの、一対の櫛の歯に相当する箇所を含む領域が、1個の発光装置100を実装するための実装領域94である。
【0056】
各実装領域94の、発光装置100のn側電極4n及びp側電極4pと接続する箇所には、負極用接続層93n及び正極用接続層93pとして、半田層が設けられている。負極用接続層93n及び正極用接続層93pは、リフロー工法等により溶融され、n側電極4nと負極側配線電極92nと、及び、p側電極4pと正極側配線電極92pとが、それぞれ接合される。
なお、負極側配線電極92n及び正極側配線電極92pは、それぞれ不図示の給電端子と接続されており、当該給電端子を介して外部電源から電力が供給されるように構成されている。
【0057】
また、実装基板9の実装領域94を除く左右の上面領域は、絶縁性の反射層95によって被覆されている。
図2に示した例では、反射層95は実装領域94の左右側のみ被覆しているが、更に、負極用接続層93n及び正極用接続層93pが設けられた領域以外を被覆するようにしてもよい。
【0058】
反射層95は、発光素子1が発光する波長の光及び蛍光体層7が発光する波長の光に対して良好な反射性を有する反射膜である。反射層95としては、前記した樹脂層11と同様の材料を用いることができる。すなわち、光反射性を有する無機フィラーを含有させた樹脂を塗布することで形成することができる。
【0059】
また、本発明の実装基板付きの発光装置110は、発光装置100の全体を、透光性の封止部材で封止するようにしてもよい。封止部材としては、前記した蛍光体層7や反射層95に用いる樹脂材料、又は、ガラスやシリカゲルなどの無機材料を用いることができる。また、封止部材に、光拡散部材を添加するようにしてもよい。これによって、発光素子1が発光した光と、蛍光体層7が発光した光とを、良好に混色させることができる。光拡散部材としては、反射層95の光反射部材として例示したものと同様の部材を用いることができる。
【0060】
また、本発明の発光装置100は、青色光と黄色光との組み合わせに限定されるものではなく、発光素子1が発光した波長の光の少なくとも一部を、蛍光体層7が波長変換して出力するものであればよい。例えば、発光素子1が青色光を発光し、蛍光体層7が赤色光及び/又は緑色光に変換するものや、発光素子1が紫外光を発光し、蛍光体層7がこれより長波長の青色光、緑色光、黄色光、赤色光などに変換するものも含まれる。
【0061】
[発光装置の動作]
次に、
図2を参照(適宜
図1(a)参照)して、実装基板付きの発光装置110の動作について説明する。なお、説明の便宜上、発光素子1は青色光を発光し、蛍光体層7は黄色光を発光するものとして説明する。
【0062】
図2に示した実装基板付きの発光装置110は、実装基板9に設けられた不図示の給電端子に外部電源が接続されると、正極側配線電極92p及び負極側配線電極92n、パッド電極13p及びパッド電極13n、を介して、発光装置100のパッド電極13p及びパッド電極13n、並びに導電部材12p及び導電部材12nを介して、発光素子1のp側電極4p及びn側電極4n間に電流を供給する。そして、p側電極4p及びn側電極4n間に電流が供給されると、発光素子1の発光層3aが青色光を発光する。
【0063】
発光素子1の発光層3aが発光した青色光は、半導体積層体3及び成長基板2内を伝播して、発光素子1の上面又は側面から出射して、一部は蛍光体層7が含有する蛍光体粒子に吸収され、黄色光に変換されて外部に取り出される。また、青色光の一部は、蛍光体に吸収されずに蛍光体層7を透過して外部に取り出される。
なお、発光素子1内を下方向に伝播する光は、全面電極5aによって上方向に反射され、発光素子1の上面又は側面から出射する。
そして、発光装置100の外部に取り出された黄色光及び青色光が混色することにより、白色光が生成される。
なお、発光装置100の側面から下方向に取り出された光は、反射層95によって上方向に反射され、発光装置110から出射される。
また、発光装置100に代えて、発光装置100Aを用いた場合は、半導体積層体3の上面から出射した青色光が、直接に蛍光体層7に入射すること以外は同様であるから、説明は省略する。
【0064】
[発光装置の製造方法]
次に、
図3を参照して、
図2に示した発光装置110の製造方法について説明する。
図3に示すように、発光装置110の製造方法は、発光素子準備工程S11と、支持体形成工程S12と、個片化工程S13と、発光素子選別工程S14と、発光素子配列工程S15と、蛍光体層形成工程(波長変換層形成工程)S16と、実装工程S17と、を含み、この順で各工程が行われる。
以下、
図4及び
図5を参照(適宜
図1、
図2及び
図3参照)して、各工程について詳細に説明する。なお、
図4及び
図5の各図において、発光素子1の詳細な構成(例えば、保護層6、半導体積層体3の積層構造など)については、記載を省略している。
【0065】
発光素子準備工程S11は、
図1に示した構成の発光素子1を準備する工程である。本実施形態における発光素子準備工程S11では、複数の発光素子1が一枚の成長基板2上に配列されたウエハ状態で形成する。
【0066】
具体的には、まず、サファイアなどからなる成長基板2上(
図1において下面)に、前記した半導体材料を用いて、n型半導体層3n、発光層3a及びp型半導体層3pを順次積層した半導体積層体3を形成する。
半導体積層体3が形成されると、半導体積層体3の表面(
図1において下面)の一部の領域について、p型半導体層3p、発光層3a及びn型半導体層3nの一部をエッチングにより除去してn型半導体層3nが底面に露出した段差部3bを形成する。
次に、段差部3bの底面にパッド電極であるn側電極4nを形成する。また、p型半導体層3p及び発光層3aを有する発光領域となる領域には、p型半導体層3pの下面の略全面を覆う反射性を有する全面電極5a及び全面電極5aの表面を被覆するカバー電極5bと、カバー電極5bの下面の一部にパッド電極であるp側電極4pを形成する。
更に、n側電極4n及びp側電極4pを除くウエハの表面全体に、例えば、スパッタリングにより、絶縁性のSiO
2などの保護層6を形成する。
以上により、
図4(a)に示すように、ウエハ状態の発光素子1が形成される。
【0067】
次に、支持体形成工程S12において、ウエハ上に、支持体10を形成する。この工程は、
図4(b)〜
図4(d)に示すように、3つのサブ工程からなる。
(樹脂層形成工程)
第1サブ工程である樹脂層形成工程では、
図4(b)に示すように、ウエハ上の全面に、支持体10の母体となる樹脂層11の被膜を形成する。樹脂層11は、スプレー塗布法、スピンコート法、キャスト法などにより形成することができる。樹脂層11の材料としては、前記したポリイミドなどの樹脂材料を用いることができる。
なお、また、樹脂層11に用いる樹脂材料は、感光性ポリイミドなどの感光性樹脂を用いることが好ましい。これによって、次の第2サブ工程において、フォトプロセスにより樹脂層11に貫通孔11n,11pを形成することができる。
【0068】
(貫通孔形成工程)
第2サブ工程である貫通孔形成工程では、
図4(c)に示すように、樹脂層形成工程で形成した樹脂層11に、貫通孔11n,11pを形成する。貫通孔11n及び貫通孔11pは、それぞれn側電極4n及びp側電極4pを露出させるためのものである。
貫通孔11n,11pは、前記したように樹脂層11を感光性を有する樹脂で形成した場合は、フォトプロセスを用いて形成することができる。すなわち、樹脂層11の上面の、n側電極4n及びp側電極4pの直上領域に開口を有するマスクを用いるなどして上方から露光した後、未露光部を現像により除去することで、貫通孔11n,11pを形成することができる。なお、樹脂層11がネガ型現像される場合は、貫通孔11n,11pを形成する領域を露光すればよい。
また、樹脂層11が感光性を有さない場合は、マスク及びエッチングを用いたフォトリソグラフィ法等により、貫通孔11n,11pを形成することができる。
【0069】
(導電部材形成工程)
第3サブ工程である導電部材形成工程では、
図4(d)に示すように、貫通孔形成工程で形成した貫通孔11n,11pの内部に導電部材12n,12pを形成し、更に、導電部材12n,12pの上面にパッド電極13n,13pを形成する。
導電部材12n,12p及びパッド電極13n,13pは、例えば、電解メッキ法により形成することができる。そのために、まず、貫通孔11n,11pの内面を含めた樹脂層11の表面全体に、金属材料(例えば、Ni、Au)を用いてスパッタ法などによりシード層を形成する。次に、当該シード層を一方の電極として電解メッキを行うことにより、貫通孔11n,11p内を含めた樹脂層11の表面に、例えば、金属(例えば、Cu)の層を積層させることができる。ここで、貫通孔11n,11p内に充填された金属が導電部材12n,12pとなる。
【0070】
次に、樹脂層11の上面に積層された不要な金属層を樹脂層11の上層部とともに、切削や研磨により除去する。これによって、樹脂層11の上面と、導電部材12n,12pの上面とが同一平面となるように支持体10が形成される
パッド電極13n,13pを形成する場合は、続けて、支持体10の上面に、パッド電極13n,13pを形成する領域に開口を有するレジストマスクを形成し、スパッタ法や電解メッキ法等により金属層を形成する。その後に、レジストマスクとともにその上面に積層された金属層を除去することにより、パッド電極13n,13pが形成される。
【0071】
また、パッド電極13n,13pを、平面視で導電部材12n,12pと同じ形状に形成する場合は、導電部材12n,12pを形成するための電解メッキに続けて、メッキ液を交換して、パッド電極13n,13pとして金属層(例えば、Au)を積層形成するようにしてもよい。なお、パッド電極13n,13pを電解メッキ法で導電部材12n,12pに連続して形成する場合は、導電部材12n,12p及びパッド電極13n,13pを合わせた厚さが、樹脂層11の厚さよりも薄くなるように形成するものとする。前記したように、パッド電極13n,13pが露出するように樹脂層11の上層部を切削して除去することにより、パッド電極13n,13pの上面と樹脂層11の上面とが同一平面となる支持体10が形成される。
【0072】
また、前記した例では、電解メッキ法による導電部材12n,12pの形成の際に、導電部材12n,12pの形状を定めるために形成したレジストマスクを、そのまま樹脂層11として用いるようにしたが、樹脂層11を他の樹脂材料に置き換えて形成するようにしてもよい。
例えば、導電部材12n,12pを、電解メッキ法等のウェットプロセスやスパッタリング法等のドライプロセスにより成長させた後、一旦、レジストマスクを剥離し、その後にEMC(エポキシモールディングコンパウンド)やSMC(シリコーンモールディングコンパウンド)で樹脂層11を形成することも可能である。このようにすることで、要求される機能に適した樹脂の選択が可能となる。
【0073】
具体的には、導電部材12n,12pを電解メッキ法で形成する場合は、アクリル樹脂系のレジスト材料を用いて前記したレジストマスクを形成し、電解メッキが終了した後にレジストマスクを剥離する。そして、酸化チタンなどの白色フィラーを含有させたエポキシ樹脂組成物を用いて圧縮成型又はトランスファーモールド成型などにより樹脂層11を形成することにより、高い反射性を有する支持体10を得ることもできる。
【0074】
次に、個片化工程S13において、支持体10が形成された発光素子1、すなわち、支持体付き発光素子20を、
図4(e)に示すように、破線で示した割断線Xに沿って個片化する。
また、ウエハ状態の支持体付き発光素子20の割断は、ダイシング法、スクライブ法などにより、行うことができる。
なお、ウエハを割断する前に、成長基板2の裏面を研磨して薄肉化するようにしてもよいし、割断線Xに沿って、樹脂層11の厚さ方向に掘られた溝を設けておいてもよい。このような溝は、前記した貫通孔形成工程において貫通孔の形成と同様にして設けることができる。これにより、ウエハ状態の支持体付き発光素子20を容易に割断することができる。
【0075】
また、発光装置として、
図1(b)に示した発光装置100Aを用いる場合は、支持体10を形成した後に、LLO(レーザリフトオフ)法やケミカルリフトオフ法などにより、成長基板2を剥離した後に、個片化工程S13を行うようにする。
なお、成長基板2を剥離した後に、半導体積層体3の上面を研磨し、更にウェットエッチングなどにより半導体積層体3の上面を粗面化して凹凸形状を形成するようにしてもよい。これによって、発光装置100Aからの光取り出し効率を向上させることができる。
【0076】
次に、発光素子選別工程S14において、個片化工程S13で個片化した支持体付き発光素子20から所定範囲の発光特性を有するものを選別する。ここで、所定範囲の発光特性とは、発光素子1が発光する光の中心波長及び/又は発光強度である。発光特性が揃った支持体付き発光素子20を選別することにより、後記する蛍光体層形成工程S16により高い均一性で蛍光体層7を形成することと併せて、製造される発光装置100の装置間の色調のばらつきを抑制することができる。
【0077】
次に、発光素子配列工程S15において、
図5(a)に示すように、表面に粘着性を有するシート(又は治具基板)40上に、発光素子選別工程S14で選別した支持体付き発光素子20を、側面が露出するように互いに離間して配列する。このとき、支持体10が設けられた側を下向きとして、すなわち、パッド電極13n,13pが設けられた面がシート40に対向するように載置する。
シート40としては、塩化ビニルなどの樹脂からなる半導体ウエハのダイシング用のシートを用いることができ、例えば、日東電工社製のダイシングテープV−8−Sを挙げることができる。
【0078】
また、発光素子1を載置する面に、粘着剤としてUV(紫外線)硬化型の樹脂を設けたシート40を用いるようにしてもよい。後記する実装工程S17において、シート40にUV光を照射して粘着性の樹脂を硬化させることにより、粘着性を消失させることができる。これによって、例えば、コレット50及びピン51(
図5(c)参照)を用いて、シート40から、蛍光体層7が設けられた支持体付き発光素子20、すなわち、発光装置100を容易に剥離することができる。
【0079】
次に、蛍光体層形成工程(波長変換層形成工程)S16において、
図5(b)に示すように、支持体付き発光素子20が配列して載置されたシート40上に、スプレー装置30によって、蛍光体層7の原料であるスラリーのスプレーSPを噴射することにより塗布し、蛍光体層7を形成する。また、本実施形態では、加熱装置60を用いて、スプレー塗布された蛍光体層7を加熱することにより、蛍光体層7に含有される熱硬化性樹脂を硬化させる。
【0080】
ここで、支持体付き発光素子20は、1次元に配列されていてもよく、2次元に配列されていてもよい。何れの配列の場合でも、支持体付き発光素子20同士は、側面が露出するように互いに離間して配列されている。また、シート40は、不図示の載置台上に載置され、当該載置台とスプレー装置30とが、少なくとも水平方向に相対的に移動可能に構成されている。そして、スプレー塗布により、支持体付き発光素子20の表面である上面及び側面に、蛍光体層7が形成される。
【0081】
このとき、スプレー塗布により支持体付き発光素子20の側面部に形成される蛍光体層7の側面部7bは、
図1(a)に示したように、上面の位置H
Aから、少なくとも半導体積層体3の側面下端の位置H
Bまでは、均一な厚さで形成されるが、位置H
Bより下部ではスプレー塗布により形成される蛍光体層7の膜厚が次第に薄くなる。更に、蛍光体層7は、側面部7bの下端の位置H
Dが、支持体10の樹脂層11の側面下端の位置H
Eと同じか、位置H
Eより上方となるように形成される。
【0082】
また、支持体付き発光素子20の上方からスプレー塗布すると、支持体付き発光素子20の表面だけでなく、支持体付き発光素子20の配列の隙間から露出するシート40上にも蛍光体層7cが形成される。このとき、支持体付き発光素子20の上面及び側面に、前記した構成の蛍光体層7が形成されるような条件でスプレー塗布することにより、発光装置100に形成される蛍光体層7と、シート40上に形成される蛍光体層7cとは分離した状態で形成される。
【0083】
ここで、
図6を参照して、支持体10でかさ上げした発光素子1と、支持体を有さない発光素子1とについて、上方からスプレー塗布して蛍光体層7を形成する様子を説明する。
図6(b)に示すように、支持体を有さない場合は、発光素子1の上面から、その載置面であるシート40の上面までの距離が短いため、発光素子1の上面、側面及びシート40上まで連続した蛍光体層7が形成される。そのため、蛍光体層7が形成された発光素子1を改めて個片化するために、樹脂からなる層である蛍光体層7を切断する工程が必要となる。
なお、発光素子1の下端部に蛍光体層7が形成されないような条件でスプレー塗布すると、発光素子1の側面に形成される蛍光体層7を十分な厚さで形成することができず、また、厚さのむらが大きくなる。更に、発光素子1の側面の下部には蛍光体層7が設けられないため、発光素子1から光(例えば、青色光)がそのまま漏出することになる。
更にまた、蛍光体層7を切断する際に、切断部にバリが発生し、蛍光体層7の剥がれの原因ともなる。
【0084】
これに対して、
図6(a)に示すように、支持体10を備えた場合は、発光素子1の上面(位置H
A)からシート40の上面までの距離が長くなる。このため、少なくとも発光素子1の側面(位置H
Aから位置H
Bの範囲)には、ほぼ均一な厚さの蛍光体層7を形成し、支持体10の側面の下端(位置H
E)には蛍光体層7が形成されないようにスプレー塗布の条件を設定することが可能となる。
蛍光体層形成工程S16において、個片化された状態を維持したまま発光装置100を形成することができるため、発光装置100上に形成される蛍光体層7とシート40上に形成される蛍光体層7cとを切断するなどして個片化する工程が不要となる。
また、蛍光体層7の側面下部7b
2にバリなどが生じることなく、薄く形成することで、発光装置100を実装基板に実装する際に、狭ピッチで実装することができ、部品の実装密度を向上させることができる。
【0085】
なお、均一な厚さで形成される側面上部7b
1及び下方ほど膜厚が薄くなる側面下部7b
2の領域、すなわち、
図1(a)に示した位置H
C、位置H
Dは、スプレー塗布するスラリーの処方、噴射量、仮硬化の条件などにより調整することができる。例えば、スラリーにおける溶剤の割合を多くするほど、スラリーの噴射量を多くするほど、又は、仮硬化の温度を低くするほど、側面上部7b
1及び側面下部7b
2が形成される領域を長くして、下方まで形成することができる。反対に、スラリーにおける溶剤の割合を少なくするほど、スラリーの噴射量を少なくするほど、又は、仮硬化の温度を高くするほど、側面上部7b
1及び側面下部7b
2が形成される領域を短くすることができる。
【0086】
また、前記したように、スプレー塗布により蛍光体層7を形成する際に、支持体10側面に形成される蛍光体層7と、シート40上に形成される蛍光体層7cとが連続しないようにすることが好ましいが、両者が連続するようにしてもよい。両者が連続する場合であっても、支持体10で発光素子1をかさ上げしているため、支持体10の側面の下端(位置H
E)近傍では蛍光体層7の膜厚が、少なくとも発光素子1の側面部よりも薄く形成される。このため、後記する実装工程S17において、コレット50及びピン51などを用いて発光装置100を上方にピックアップすることにより、蛍光体層7が、支持体10側面の下端部(位置H
E)の近傍で引き千切られて、シート40上の蛍光体層7cから容易に分離することができる。また、シート40として延伸性を有するエキスパンドシートを用いて、蛍光体層7を形成後に、シート40をシート面内で延伸させることによっても、蛍光体層7を引き千切りにより、シート40上の蛍光体層7cから容易に分離することができる。
【0087】
スプレー装置30としては、特に限定されるものではないが、パルス状に、すなわち間欠的にスプレーSPを噴射するパルススプレー方式を用いることが好ましい。間欠的にスプレー噴射することにより、単位時間当たりの噴射量を少なくすることができる。このため、スプレー装置30を、少ない噴射量でスプレー噴射させながら低速で移動させることにより、凹凸形状を有する塗布面の側面や角部にも均一に塗布することができる。また、パルススプレー方式では、連続スプレー方式に比べて、ノズルからのスラリーの噴出速度を低減することなく、エアの風速を低減することができる。このため、パルススプレー方式では、連続スプレー方式と同様に塗布面に良好にスラリーを供給することができ、かつ、塗布されたスラリーがエア流によって乱されない。その結果、蛍光体の粒子と発光素子1の表面との密着性が高い塗布膜を形成することができる。
【0088】
また、パルススプレー方式では、噴射量を少なくすることができるため、1回のスプレー塗布による塗布量を低減して薄膜の塗布層を形成することができる。そして、スプレー塗布を複数回繰り返すことにより、蛍光体層7を、薄膜の塗布層の積層体として精度のよい膜厚で形成することができる。また、複数回のスプレー塗布の間に、1回ごと又は所定回数(例えば、3回)ごとに熱硬化性樹脂の仮硬化処理を行うことにより、側面部においても液垂れすることなく、均一性の高い良好な膜厚精度で蛍光体層7を形成することができる。
なお、パルススプレー方式及び仮硬化処理の詳細については、後記する。
【0089】
また、スプレー装置30によって塗布されるスラリーは、溶剤と、熱硬化性樹脂と、粒状の蛍光体とが含有される。スラリーに、更に無機フィラーを添加してもよい。また、このスラリーは、スプレー噴射可能で、支持体付き発光素子20の側面部に塗布されたスラリーが液垂れしないように、適宜な粘度に調整される。
【0090】
熱硬化性樹脂としては、発光素子1が発光する波長の光及び蛍光体層7に含有される蛍光体が発光する波長の光に対して良好な透光性を有するものであれば特に限定されず、前記したシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂などを用いることができる。具体的には、信越化学工業社製のシリコーン樹脂である製品名:LPS−3541を挙げることができる。
また、溶剤としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、アセトン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を用いることができる。
【0091】
また、熱硬化性樹脂は、常温で固体のものを溶剤に溶解させて用いることが好ましい。これによって、塗布されたスラリーである蛍光体層7を、仮硬化処理によって適宜な硬度に硬化させることができる。
【0092】
ここで、仮硬化とは、熱硬化性樹脂が完全に架橋反応を起こす硬化温度よりも低い所定温度で所定時間加熱することで、蛍光体層7に含有される溶剤を蒸発させ、蛍光体層7を不完全に硬化させることをいうものである。すなわち、仮硬化処理における加熱温度及び加熱時間を制御することにより溶剤の蒸発量を制御することができ、その結果として、蛍光体層7の硬度を調整することができる。
また、本硬化とは、熱硬化性樹脂が架橋反応する温度以上(硬化温度以上)の所定温度で、所定時間加熱することにより、熱硬化性樹脂を架橋反応により硬化させることをいうものである。また、本硬化処理を行うことにより、蛍光体層7に含有される溶剤は略完全に蒸発する。
【0093】
以下に、スラリーの処方例を挙げる。
熱硬化性樹脂:シリコーン樹脂(LPS3541)
溶剤:n−ヘプタン
蛍光体:熱硬化性樹脂:溶剤(質量比)=15:10:15
【0094】
また、スラリーは、粘度が、0.01〜1000mPa・s(ミリパスカル秒)、より好ましくは0.1〜100mPa・sとなるように成分を調整することが好ましい。スラリーをこの範囲の粘度とすることにより、均一なスプレー塗布を可能とするとともに、塗布後の過剰な液垂れを防止することができる。
【0095】
また、パルススプレー方式による塗布法では、蛍光体、樹脂及び溶剤を混合した、蛍光体濃度が希薄なスラリーを、気体と液体とを同時に噴霧可能な2流体ノズルを用いて、それぞれパルス状にON/OFF駆動して、ワーク(被塗布体)に塗布する。このとき、ワークを昇温しておくことで、ワーク表面で溶剤は瞬時に蒸発して、蛍光体を含有した極めて薄い塗布層を形成することができる。すなわち、実質的に塗布と仮硬化とを同時に行うものである。
これを繰り返すことで、蛍光体を含有する樹脂の薄膜の塗布層を積層した蛍光体層7を形成することができる。
【0096】
ここで、
図7を参照して、スプレー装置30の例について説明する。
図7に示すスプレー装置30は、塗布液として固形粒子を含有するスラリーの塗布に適した装置である。すなわち、塗布液であるスラリーを常時撹拌することでスラリーに含有される固形粒子を沈降させることなく、スラリー中に常に一様に分散させ、固形粒子が一様に分散されたスラリーをスプレー噴射するように構成されている。
このために、
図7に示すスプレー装置30は、2本のシリンジ31,32と、シリンジ31,32の下端部を接続する流通路33と、流通路33の中ほどに設けられたノズル付きバルブ34とを備えて構成されている。
【0097】
シリンジ31は、内部にプランジャ31aを備え、スラリーSLを収容する円筒形の容器である。シリンジ31の下端部は狭窄しており、当該下端部は流通路33と連通している。また、シリンジ31の上端部からは、不図示のバルブを介して内部に圧縮空気31bが導入される。そして、シリンジ31内のスラリーSLは、導入された圧縮空気31bによって、プランジャ31aを介して加圧される。
【0098】
シリンジ32は、シリンジ31と同じ構成をしており、内部に収容されるスラリーSLは、狭窄した下端部が流通路33と連通している。従って、シリンジ31とシリンジ32とは、流通路33を介して連通しており、それぞれの内部に収容されるスラリーSLは混ざり合うことができるようになっている。
また、シリンジ32の上端部からは、シリンジ31と同様に、不図示のバルブを介して内部に圧縮空気32bが導入される。そして、シリンジ32内のスラリーSLは、導入された圧縮空気32bによって、プランジャ32aを介して加圧される。
【0099】
また、ノズル付きバルブ34は、流通路33の中ほどに設けられ、流通路33内を流通するスラリーSLを下方向に開口するノズルから吐出可能に構成されている。また、ノズル付きバルブ34には、外部から圧縮空気が導入され、ノズルから噴射することで、スラリーSLをスプレーSPとして噴射させることができるように構成されている。また、ノズル付きバルブ34は、ノズルから吐出させるスラリー量及び圧縮空気量を、それぞれに対応したバルブの開度を調整することにより制御できるように構成されている。
【0100】
次に、スプレー装置30において、スラリーSLを撹拌する動作について説明する。
シリンジ31及びシリンジ32の各上端部からは、それぞれ異なる圧縮空気源から圧縮空気が供給される。そして、シリンジ31に導入される圧縮空気31bの圧力と、シリンジ32に導入される圧縮空気32bの圧力とが、異なる位相(例えば、逆位相)で脈動するように圧縮空気が供給される。これによって、スプレー装置30は、シリンジ31,32内のスラリーSLを、流通路33を介して互いに往復させることができ、その結果として、当該スラリーSLを撹拌することができる。
【0101】
このようにしてスラリーSLを常時撹拌することにより、流通路33内には、固形粒子である蛍光体が常に均一に分散されたスラリーSLが流通する。そして、ノズル付きバルブ34によって流通路33内を流通するスラリーSLを吐出させることにより、蛍光体粒子が均一に含有されるスプレーSPを噴射することができる。
但し、スラリーの撹拌・供給方式はこれに限定されず、ノズルとシリンジの間に循環ポンプを設置し、ループ状にスラリーを循環させることで撹拌しながら供給することも可能であり、塗布の目的やスラリーの性状に合わせて選択される。
【0102】
次に、スプレー装置30を用いたパルススプレー方式のスプレー塗布について説明する。
パルススプレー方式とは、前記したように、スプレーSPをパルス状に、すなわち間欠的に噴射する方式である。スプレー装置30において、ノズル付きバルブ34の、バルブ開度を調整することにより、スプレーSPの噴射量を制御することができる。簡単には、バルブの開度を「開」と「閉」との2段階とし、開閉を所定の周期及びデューティ比で制御することによりパルススプレーを行うことができる。
バルブ開閉のタイミングは、スラリーSLと圧縮空気とについて同じとしてもよいし、圧縮空気の方が長く開状態となるようにしてもよい。
また、単位時間当たりのスプレーSPの噴射量を精度よく維持するためには、バルブ開閉の周期は30〜3600回/分程度とすることが好ましい。
【0103】
なお、パルススプレー方式及びスラリーの塗布に適したスプレー装置については、例えば、参考文献1及び参考文献2に詳細に説明されているため、更なる説明は省略する。
(参考文献1)特開昭61−161175号公報
(参考文献2)特開2003−300000号公報
【0104】
図5に戻って(適宜
図1〜
図3参照)、製造工程についての説明を続ける。
蛍光体層形成工程S16において、スプレー塗布した蛍光体層7を硬化させるための加熱装置60の加熱方式は特に限定されず、
図5(b)に示すように、シート40の下面に接触させるヒータを用いたものや、赤外線を照射するものなど、適宜な方式のヒータやオーブンなどを用いることができる。
また、複数回のスプレー塗布により蛍光体を含有する樹脂の薄膜を積層することで蛍光体層7を形成する場合は、1又は2以上の所定数の薄膜を積層するごとに蛍光体層7を仮硬化させ、すべての薄膜を積層した後に本硬化させるように、加熱装置60による加熱温度及び/又は加熱時間を調整する。
【0105】
例えば、前記した処方例のスラリーを用いる場合は、硬化処理を、例えば、以下のような条件で行うことができる。
(スプレー塗布による塗布膜形成)
蛍光体層7として、1層当たりの塗布量が約0.7mg/cm
2として、3層積層する。
(仮硬化)
仮硬化処理として、3層積層するごとに、オーブンを用いて150℃で5分間の加熱処理を行う。
(本硬化)
本硬化処理として、前記した条件の仮硬化を行いながら合計9層積層して蛍光体層7を形成した場合、オーブンを用いて180℃で4時間加熱処理を行う。
【0106】
次に、実装工程S17において、
図5(c)に示すように、コレット50及びピン51を用いて、発光装置100を1個ずつピックアップし、
図2に示したように、実装基板9の実装領域94に載置する。より詳細には、コレット50で発光装置100の上面に設けられた蛍光体層7を吸着するとともに、シート40の裏面側からピン51を用いて発光装置100の下面から押し上げる。これによって、発光装置100をシート40から容易に剥離することができる。
なお、
図5(c)に示した例では、ピン51はシート40を突き破って発光装置100を押し上げるように説明したが、シート40として延伸性を有するエキスパンドシートを用いて、ピン51がシート40とともに発光装置100を押し上げるようにしてもよい。
【0107】
また、シート40が発光装置100を担持するための粘着剤として、UV硬化樹脂層を設けている場合は、コレット50及びピン51を用いた発光装置100のピックアップを始める前に、シート40にUV光を照射し、粘着剤を硬化させることにより粘着性を消失させる。これによって、発光装置100をシート40から、より容易に剥離することができる。
【0108】
すべての実装領域94に発光装置100を載置した後、リフロー装置などを用いて加熱することで負極用接続層93n及び正極用接続層93pである半田層を溶融させ、各発光装置100のn側電極4nと負極側配線電極92nと、及び、p側電極4pと正極側配線電極92pとをそれぞれ電気的に接合する。これによって、発光装置100の実装基板9への実装が完了する。
【0109】
なお、フェイスダウン実装型の発光装置100の電極と実装基板9の電極との接合は、前記したように加熱による半田接合法を用いることが好ましい。圧力や超音波振動を利用した接合方式であるフリップチップ実装に比べて、発光装置100の上面に設けられた樹脂からなる層である蛍光体層7に機械的な負荷が印加されないため、蛍光体層7に割れなどの損傷が発生するリスクを回避することができる。
【0110】
また、各電極を接合した後で、発光装置100を、樹脂やガラスなどの封止部材を用いて封止するようにしてもよい。
以上の工程によって、実装基板付きの発光装置110が完成する。
【0111】
<発光装置の他の変形例>
次に、
図8を参照(適宜
図1及び
図2参照)して、本発明の第1実施形態に係る発光装置の他の変形例について説明する。
【0112】
[発光装置の構成]
本発明の発光装置は、
図1(a)に示した発光装置100又は
図1(b)に示した発光装置100Aのようなフェイスダウン実装型に限定されるものではない。
図8(a)に示した変形例の発光装置100Bはフェイスアップ実装型であり、
図8(b)に示した変形例はバーティカル実装型のものである。
【0113】
(フェイスアップ実装型)
図8(a)に示すように、フェイスアップ実装型の発光装置100Bは、発光素子1Bの半導体積層体3が設けられた面が光取り出し面となり、成長基板2の下面に支持体10Bが設けられている。発光素子1Bと支持体10Bとが接合された支持体付き発光素子20Bの上面及び側面には、蛍光体層7が設けられている。また、蛍光体層7の上面部7aには、n側電極4n及びp側電極4pが露出しており、ワイヤボンディングなどにより、例えば
図2に示した実装基板9の負極側配線電極92n及び正極側配線電極92pとそれぞれ接続できるように構成されている。
【0114】
支持体付き発光素子20Bにおいて、発光素子1Bの上面及び側面全体から光が取り出される。このため、支持体付き発光素子20Bには、少なくとも発光素子1Bの上面の高さ(位置H
A)から発光素子1Bの下面の高さ(位置H
B)までは、厚さが均一に形成される側面上部7b
1が設けられている。本例では、支持体10Bの側面部の途中の位置H
Cまでが側面上部7b
1である。また、蛍光体層7の側面部7bは、側面上部7b
1より厚さが薄く形成される側面下部7b
2の下端が、支持体10Bの下端の位置H
Eと同じ位置又は位置H
Eより上方である位置H
Dとなるように設けられている。
【0115】
また、p型半導体層3pの上面に設けられる全面電極5は、ITO(インジウム・スズ酸化物)などの透光性を有する導電性材料を用いて形成されている。更に、成長基板2の下面側に設けられる支持体10Bは、反射部材として機能するように、光反射性を有する無機フィラーを含有した樹脂層11で形成することができる。また、フェイスアップ実装型の場合は、発光装置100Bの下面側に電極を設ける必要がないため、支持体10Bには、
図1(a)に示した支持体10と異なり、導電部材12n,12pやパッド電極13n,13pを有さず、樹脂層11のみで構成されている。なお、樹脂層11に光反射性を有する無機フィラーを含有させることに代えて、又は加えて、成長基板2と支持体10Bとの間に、DBR(Distributed Bragg Reflector)膜や金属膜、又はこれらを組み合わせた反射層を設けるようにしてもよい。
また、樹脂層11に代えて、ガラスや金属などの無機材料層を用いてもよい。
【0116】
(バーティカル実装型)
図8(b)に示すように、バーティカル実装型の発光装置100Cは、成長基板2が剥離され、代わりにp型半導体層3p側に全面電極5a及びカバー電極5bを介して導電性の支持基板2Cが設けられた発光素子1Cを備えている。発光素子1Cは、n型半導体層3n側が光取り出し面となっており、支持基板2Cの下面側に支持体10Cが設けられている。発光素子1Cと支持体10Cとが接合された支持体付き発光素子20Cの上面及び側面には、蛍光体層7が設けられている。また、蛍光体層7の上面部7aには、n側電極4nが露出しており、ワイヤボンディングなどにより、例えば
図2に示した実装基板9の負極側配線電極92nと接続できるように構成されている。
【0117】
支持体付き発光素子20Cにおいて、半導体積層体3の上面及び側面全体から光が取り出される。このため、支持体付き発光素子20Cには、少なくとも半導体積層体3の上面の高さ(位置H
A)から半導体積層体3の下面の高さ(位置H
B)までは、厚さが均一に形成される側面上部7b
1が設けられている。本例では、支持体10Bの側面部の途中の位置H
Cまでが側面上部7b
1であるが、支持基板2Cの側面の途中までであってもよい。また、蛍光体層7の側面部7bは、側面上部7b
1より厚さが薄く形成される側面下部7b
2の下端が、支持体10Bの下端の位置H
Eと同じ位置又は位置H
Eより上方である位置H
Dとなるように設けられている。
【0118】
また、導電性の支持基板2Cの下面側に設けられる支持体10Cは、反射部材として機能する必要がないため、光反射性を有する無機フィラーを含有しない樹脂層11で形成することができる。また、発光素子1Cの支持基板2Cはp側電極を兼ねており、支持体10Cには樹脂層11を厚さ方向に貫通する貫通孔を有し、当該貫通孔内に導電部材12pが設けられている。また、導電部材12pの下端部には、パッド電極13pが設けられている。バーティカル実装型の発光装置100Cでは、一方の電極であるn側電極4nは、前記したように、ワイヤボンディングなどにより、例えば、
図2に示した実装基板9の負極側配線電極92nと電気的に接続され、他方の電極であるp側のパッド電極13pは、正極側配線電極92pと半田などを用いて電気的に接続される。
また、樹脂層11は、ガラスなどの絶縁性の無機材料を用いてもよく、支持体10Cの全体を金属層で構成してもよい。
【0119】
[発光装置の動作]
(フェイスアップ実装型)
次に、
図8(a)を参照(適宜
図2参照)して、発光装置100Bの動作について説明する。なお、発光装置100Bは、
図2に示した実装基板9に前記したように実装されているものとし、説明の便宜上、発光素子1Bは青色光を発光し、蛍光体層7は黄色光を発光するものとして説明する。また、発光装置100Bから出射後の光の経路は、
図1に示した発光装置100を用いた場合と同様であるから説明を省略する。後記する発光装置100Cの動作の説明においても同様である。
【0120】
図8(a)に示した発光装置100Bは、
図2に示した実装基板9及び不図示のボンディングワイヤを介して、発光素子1Bのp側電極4p及びn側電極4n間に電流が供給されると、発光素子1Bの発光層3aが青色光を発光する。
【0121】
発光素子1Bの発光層3aが発光した青色光は、半導体積層体3及び成長基板2内を伝播して、発光素子1Bの上面又は側面から出射して、一部は蛍光体層7が含有する蛍光体粒子に吸収され、黄色光に変換されて外部に取り出される。また、青色光の一部は、蛍光体に吸収されずに蛍光体層7を透過して外部に取り出される。
また、発光素子1B内を下方向に伝播する光は、支持体10Bの光反射性の無機フィラーを有する樹脂層11によって上方向に反射され、発光素子1Bの上面又は側面から出射する。
【0122】
(バーティカル実装型)
次に、
図8(b)を参照(適宜
図2参照)して、発光装置100Cの動作について説明する。
図8(b)に示した発光装置100Cは、
図2に示した実装基板9及び不図示のボンディングワイヤ、並びにパッド電極13p及び導電部材12pを介して、発光装置100Cのp側電極を兼ねる支持基板2C及びn側電極4n間に電流が供給されると、発光素子1Bの発光層3aが青色光を発光する。
【0123】
発光素子1Cの発光層3aが発光した青色光は、半導体積層体3内を伝播して、半導体積層体3の上面又は側面から出射して、一部は蛍光体層7が含有する蛍光体粒子に吸収され、黄色光に変換されて外部に取り出される。また、青色光の一部は、蛍光体に吸収されずに蛍光体層7を透過して外部に取り出される。
また、半導体積層体3内を下方向に伝播する光は、全面電極5aによって上方向に反射され、半導体積層体3の上面又は側面から出射する。
【0124】
[発光装置の製造方法]
次に、発光装置100B及び発光装置100Cの製造方法について説明する。発光装置100B及び発光装置100Cは、何れも
図3に示した発光装置100の製造方法と同様に、発光素子準備工程S11から蛍光体層形成工程S16の各工程を順次に行うことにより製造することができる。
【0125】
また、発光素子準備工程S11においては、それぞれ公知の方法により、フェイスアップ実装型の発光素子1B及びバーティカル実装型の発光素子1Cをウエハ状態で形成するものとし、詳細な説明は省略する。
更にまた、個片化工程S13、発光素子選別工程S14、発光素子配列工程S15及び蛍光体層形成工程S16は、何れも発光装置100についての対応する工程と同様であるから説明は省略する。
以下、支持体形成工程S12について説明する。
【0126】
(フェイスアップ実装型)
まず、フェイスアップ実装型の発光装置100Bについて説明する。
支持体形成工程S12において、ウエハ状態の発光素子1Bの成長基板2の裏面側に、スピンコート法、スプレー塗布法、キャスト法などにより樹脂層11を形成する。これによって、ウエハ状態の支持体付き発光素子20Bが形成される。更に、樹脂層11の裏面を切削や研磨することにより、樹脂層11の厚さを調整するようにしてもよい。
【0127】
(バーティカル実装型)
次に、バーティカル実装型の発光装置100Cについて説明する。
支持体形成工程S12において、ウエハ状態の発光素子1Cの支持基板2Cの裏面側に、スピンコート法、スプレー塗布法、キャスト法などにより樹脂層11を形成する。そして、発光装置100の支持体10と同様にして、樹脂層11に貫通孔を形成し、当該貫通孔内に導電部材12pを形成するとともに、導電部材12pの下端にパッド電極13pを形成する。これによって、ウエハ状態の支持体付き発光素子20Cが形成される。
【0128】
なお、フェイスアップ実装型の発光装置100B又はバーティカル実装型の発光装置100Cについての蛍光体層形成工程S16において、光取り出し面側に設けられた電極部(4n及び4p、又は4n)を露出させた構造を形成するために、次のようにすることができる。まず、電極部の露出させる領域に、水溶性レジストで保護膜を形成し、スプレー塗布により蛍光体層7を形成する。その後、水洗することで、水溶性レジストを、その上に形成された蛍光体層7とともに剥離して、電極部を露出させることができる。
また、電極部上を含めて、スプレー塗布により蛍光体層7を形成した後、電極部上の蛍光体層7を、レーザーアブレーションなどにより除去することで、電極部を露出させることもできる。
【0129】
以上のようにして、発光装置100B及び発光装置100Cを製造することができる。また、前記したように、発光装置100Bはワイヤを用いて、発光装置100Cはワイヤ及び半田を用いて、
図2に示した実装基板9に実装することができる。
【0130】
<第2実施形態>
[発光装置の構成]
次に、
図9を参照して、第2実施形態に係る発光装置について説明する。
図9に示すように、第2実施形態に係る発光装置100Dは、支持体10の側面に、光反射性を有する反射性樹脂層14を備え、蛍光体層7が、反射性樹脂層14の外側を被覆するように設けられている。
支持体10の樹脂層11として、透光性を有する材料を用いる場合において、発光素子1の下面及び側面から漏出して樹脂層11内を伝播する光を反射して発光素子1内へ戻すことにより、発光素子1の光取り出し面である上面からの光取り出し効率を向上させるものである。
なお、ここで透光性を有する樹脂材料には、当該樹脂に入射した光の一部を吸収するものも含まれる。
【0131】
反射性樹脂層14は、透光性の樹脂に光反射性を有するフィラーを含有した樹脂からなる層である。透光性の樹脂としては、樹脂層11又は蛍光体層7で用いる樹脂材料として挙げたものの中で、良好な透光性を有するものを用いることができる。また、光反射性を有するフィラーとしては、蛍光体層7に光拡散性を付与するための無機フィラーとして挙げたものを用いることができる。
【0132】
発光素子1は、前記したように、上面だけでなく側面からも光を出射するため、支持体10の側面である樹脂層11の側面に加えて、発光素子1の側面の全部又は一部を被覆するように反射性樹脂層14を設けてもよい。
図9に示した例では、反射性樹脂層14の上端の位置H
Bは、半導体積層体3の上面の位置となっている。すなわち、反射性樹脂層14は、樹脂層11の側面全部に加えて、半導体積層体3の側面の全部を被覆している。従って、発光装置100Dは、反射性樹脂層14で被覆されていない成長基板2の上面及び側面から光が取り出される。
【0133】
そのため、蛍光体層7は、成長基板2の上面の位置H
Aから、発光素子1の側面において光が出射する下端の位置H
Bである、成長基板2の下面の位置よりも下方の位置H
Cまでが、均一な厚さで形成される側面上部7b
1であり、位置H
Cから支持体10の下端の位置H
Eよりも上方の位置H
Dまでに側面下部7b
2が設けられている。
なお、反射性樹脂層14の上端の位置は、少なくとも樹脂層11の側面の上端と同じか、これよりも上方であればよく、成長基板2の側面の上端の位置H
Aから下端の位置までの間であってもよい。
【0134】
また、位置H
Cは、位置H
Bと同じか、位置H
Bより下方であればよく、位置H
Bに近い方が好ましい。また、位置H
Dは、位置H
Eと同じか、位置H
Eより上方であればよく、位置H
Cに近い方が好ましい。これによって、光取り出し面よりも下方において、過剰に蛍光体の発光色で発光することを抑制することができる。
【0135】
また、支持体10の下面から漏出する光は、実装基板9の反射層95(
図2参照)を発光装置100Dの下面位置まで延在するように設けることで、上方に反射させるように構成してもよい。また、支持体10の下面のパッド電極13n,13pが設けられた領域以外を被覆するように反射性樹脂層14を設けるようにしてもよい。
【0136】
[発光装置の動作]
本実施形態に係る発光装置100Dは、
図1(a)に示した第1実施形態に係る発光装置100とは、発光素子1が発光して支持体10の樹脂層11内に伝播した光が、反射性樹脂層14で反射されて発光素子1内に戻され、光取り出し面から取り出されること以外は同様であるから、詳細な説明は省略する。
【0137】
[発光装置の製造方法]
本実施形態に係る発光装置100Dは、
図3に示した第1実施形態に係る発光装置100の製造方法において、発光素子配列工程S15と蛍光体層形成工程S16の間に、支持体10の側面に反射性樹脂層14を形成する工程を行うことにより製造することができる。
【0138】
反射性樹脂層14を形成する工程は、例えば、以下のようにして行うことができる。
例えば、支持体10の所定の表面(側面又は側面及び下面)に反射性を有するフィラー及び樹脂を含有したスラリーを塗布し、支持体10の所定の表面のみを被覆するようにスラリーのメニスカスを形成し、当該スラリーを乾燥することで、反射性樹脂層14を形成することができる。
【0139】
また、次のようにすることで、蛍光体層7との密着性に優れた反射性樹脂層14を形成することができる。
まず、支持体10の側面又は側面及び下面の所望の領域に、例えば、空圧式ディスペンサで反射性を有するフィラーと熱硬化性樹脂とを含有した高粘性のスラリーを塗布する。ここで、反射性樹脂層14の原料であるスラリーは、蛍光体層7の原料であるスラリーよりも高粘性であることが好ましい。
そして、当該反射性樹脂層14が未硬化の状態で、蛍光体層7の原料であるスラリーをスプレー塗布する。そして、反射性樹脂層14及び蛍光体層7を加熱することで仮硬化させる。このとき、反射性樹脂層14及び蛍光体層7が何れも未硬化の状態で接触した後に仮硬化させるため、2つの樹脂からなる層を、高い密着性で、かつ強固に接合させることができる。また、反射性樹脂層14の原料であるスラリーを高粘度とすることにより、後から塗布される蛍光体層7と過剰に混ざり合うことがなく、所望の領域に精度よく蛍光体層7を形成することができる。
【0140】
また、発光素子配列工程S15(
図3参照)において、支持体付き発光素子20を配列するためのシート40(
図5(a)参照)として、延伸性を有するエキスパンドシートを用いるようにしてもよい。これにより、反射性樹脂層14及び蛍光体層7を形成した後、シート40を延伸させることにより、支持体付き発光素子20の下端部で反射性樹脂層14を引き千切りにより簡便に分離することができる。
なお、発光装置100Dは、発光装置100と同様にして実装基板9(
図2参照)に実装することができる。
【0141】
<第3実施形態>
[発光装置の構成]
次に、
図10(a)を参照して、第3実施形態に係る発光装置について説明する。
図10(a)に示すように、第3実施形態に係る発光装置100Eは、
図1(b)に示した発光装置100Aに対して、支持体10に代えて支持体10Eを備えることが異なる。支持体10Eは、樹脂層11が、発光素子1Aの下面に加えて、側面を被覆するように設けられている。また、樹脂層11は、透光性の樹脂に光反射性を有するフィラーを含有させることで良好な反射性を付与された樹脂により形成されるものである。
【0142】
なお、本実施形態における発光装置100Eは、反射性を有する樹脂層11で発光素子1Aの側面が被覆されているため、発光装置100Eの側面からは光が取り出されずに上面のみから光が取り出される。
従って、蛍光体層7の側面部は波長変換に利用されないため、蛍光体層7の側面の下端の位置H
Dが、支持体10Eの側面の下端の位置H
Eと同じか、位置H
Eより上方であればよく、側面上部7b
1及び側面下部7b
2は短い方が好ましい。
他の構成は、
図1(b)に示した発光装置100Aと同様であるから詳細な説明は省略する。
【0143】
[発光装置の動作]
本実施形態に係る発光装置100Eは、
図1(b)に示した発光装置100Aとは、発光素子1Aの側面から出射する光の経路が異なる。発光装置100Aは、発光素子1Aの側面から出射する光が蛍光体層7を介して外部に取り出される。これに対して、発光装置100Eは、発光素子1Aの側面から出射する光は、側面を被覆する樹脂層11により反射されて発光素子1A内に戻され、発光素子1Aの上面から蛍光体層7を介して外部に取り出される。他の経路については、発光装置100Aの樹脂層11として光反射性を有する樹脂を用いた場合と同様であるから詳細な説明は省略する。
【0144】
[発光装置の製造方法]
本実施形態に係る発光装置100Eは、発光装置100Aの製造方法の一部を変更することにより製造することができる。
まず、発光素子準備工程S11(
図3参照)において、
図11(a)に示すように、成長基板2上に配列して形成される発光素子1同士の境界領域3cについて、半導体積層体3をエッチングにより完全に除去して成長基板2を露出させるようにする。
【0145】
次に、支持体形成工程S12(
図3参照)の第1サブ工程において、
図11(b)に示すように、ウエハ上の全面に支持体の母体となる樹脂層11の被膜を形成する。このとき、発光素子1の半導体積層体3の側面は、樹脂層11によって被覆される。
以降は、発光装置100Aと同様に支持体形成工程S12の各サブ工程を行い、成長基板2を剥離した後に、個片化工程S13で割断線Xに沿って、発光素子1の側面部に樹脂層11が残るようにダイシングすることにより発光装置100Eが完成する。
なお、発光装置100Eは、発光装置100と同様にして実装基板9(
図2参照)に実装することができる。
【0146】
<第4実施形態>
[発光装置の構成]
次に、
図10(b)を参照して、第4実施形態に係る発光装置について説明する。
図10(b)に示すように、第4実施形態に係る発光装置100Fは、
図1(a)に示した発光装置100に対して、支持体10に代えて支持体10Fを備えることが異なる。支持体10Fは、樹脂層11が、発光素子1の下面に加えて、側面を被覆するように設けられている。また、発光装置100Fは、平面視で、成長基板2が支持体10Fの樹脂層11よりも内側となるように構成されている。また、樹脂層11は、透光性の樹脂に光反射性を有するフィラーを含有させることで良好な光反射性を付与された樹脂により形成されるものである。
【0147】
なお、本実施形態における発光装置100Fは、光反射性を有する樹脂層11で発光素子1の半導体積層体3の側面が被覆されているため、発光装置100Fの成長基板2の上面及び側面から光が取り出される。従って、成長基板2の下面の位置H
Bよりも下方に設けられた蛍光体層7の側面部は波長変換のために利用されない。
このため、蛍光体層7の側面上部7b
1の下端の位置H
Cは、発光素子1の側面において光が出射する下端の位置H
Bである成長基板2の下端と同じか、位置H
Bより下方であればよく、側面下部7b
2の下端の位置H
Dは、支持体10Fの下端の位置H
Eと同じか、位置H
Eより上方であればよい。
【0148】
[発光装置の動作]
本実施形態に係る発光装置100Fは、
図1(a)に示した発光装置100とは、発光素子1の半導体積層体3の側面から出射する光の経路が異なる。発光装置100は、半導体積層体3の側面から出射する光が蛍光体層7を介して外部に取り出される。これに対して、発光装置100Fは、半導体積層体3の側面から出射する光は、当該側面を被覆する樹脂層11により反射されて発光素子1内に戻され、発光素子1の上面又は成長基板2の側面から蛍光体層7を介して外部に取り出される。他の経路については、発光装置100の樹脂層11として光反射性を有する樹脂を用いた場合と同様であるから詳細な説明は省略する。
【0149】
[発光装置の製造方法]
本実施形態に係る発光装置100Fは、発光装置100の製造方法の一部を変更することにより製造することができる。
前記した発光装置100Eの製造方法と同様に、発光素子準備工程S11(
図3参照)において、成長基板2上に配列して形成される発光素子1同士の境界領域3c(
図11(a)参照)について、半導体積層体3をエッチングにより完全に除去して成長基板2を露出させるようにする。
【0150】
次に、支持体形成工程S12(
図3参照)の第1サブ工程において、
図11(b)に示すように、ウエハ上の全面に支持体の母体となる樹脂層11の被膜を形成する。このとき、発光素子1の半導体積層体3の側面は、樹脂層11によって被覆される。
また、個片化工程S13(
図3参照)を行う前に、例えば、境界領域をダイシングにより完全に個片化する前に、成長基板2について、割断線Xに沿って樹脂層11より内側になるように溝を形成する。この溝はダイヤモンドブレードなどでダイシングしてもよいし、ワイヤーカットやレーザースクライブ・アブレーションなどの方法で形成してもよい。
また、成長基板2がSiCやGaNの場合は、光取り出しを有利にするために、より複雑な形状に加工することができる。このような形状にすることで、スプレー塗布におけるかさ上げの効果を維持できるとともに、例えば、成長基板2の下面に逃げる光を、樹脂層11によって上面に反射させて取り出すことができるため発光効率のよいLEDとすることができる。
【0151】
このような成長基板2の構造は、支持体10Fでかさ上げした発光素子1を粘着性の治具シートなどに再配列してから形成するようにしてもよいし、
図11(b)に示した状態から、樹脂層11を完全に切断せずにつなげた状態となるようにハーフダイシングしてから形成することもできる。
その他の工程は、発光装置100と同様に行うことにより、発光装置100Fを製造することができる。
なお、発光装置100Fは、発光装置100と同様にして実装基板9(
図2参照)に実装することができる。
【0152】
以上説明したように、本発明おける蛍光体層の工法は、特許文献2に記載された電着法を用いた蛍光体層7の形成と比較して、導電層のような特別な層の形成が不必要なため、適用できる発光素子の構造や材料の制約が少なく、自由度が高い工法である。
また、支持体10で発光素子1をかさ上げした状態で、発光素子1の上方からスプレー塗布することで蛍光体層7を形成する本発明の工法によれば、どのような構造の発光素子1に対しても簡便に、発光素子1の露出面の全体に均一な厚さの蛍光体層を形成することが可能となる。
【0153】
以上、本発明に係る発光装置及び発光装置の製造方法について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変などしたものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。