(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属部材接合工程において、前記金属部材は、前記金属ワイヤにボールボンディングすることで形成されるワイヤバンプであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る発光装置及びその製造方法の実施形態について説明する。
なお、以下の説明において参照する図面は、本発明を概略的に示したものであるため、各部材のスケールや間隔、位置関係などが誇張、あるいは、部材の一部の図示が省略されている場合がある。また、斜視図や平面図とその断面図において、各部材のスケールや間隔が一致しない場合もある。また、以下の説明では、同一の名称及び符号については原則として同一又は同質の部材を示しており、詳細な説明を適宜省略することとする。
【0014】
また、本発明の各実施形態に係る発光装置において、「上」、「下」、「左」及び「右」などは、状況に応じて入れ替わるものである。本明細書において、「上」、「下」などは、説明のために参照する図面において構成要素間の相対的な位置を示すものであって、特に断らない限り絶対的な位置を示すことを意図したものではない。
【0015】
<実施形態>
[発光装置の構成]
まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の実施形態に係る発光装置の構成について説明する。
本実施形態に係る発光装置100は、
図1〜
図3に示すように、成長基板が除去されたLED(発光ダイオード)構造を有する半導体発光素子1(以下、適宜に「発光素子」と呼ぶ)と、発光素子1の一方の面側に設けられた支持体3と、発光素子1の他方の面側に設けられた蛍光体層(波長変換層)2とから構成されるCSPである。
【0016】
発光素子1の一方の面側には、n側電極13及びp側電極15が設けられ、支持体3の母体である樹脂層31内に設けられた内部配線である金属ワイヤ32n,32pの一端が接続されている。また、金属ワイヤ32n,32pは、他端が樹脂層31の長手方向の側面に向かうように樹脂層31内で屈曲して配線されており、他端の端面である露出面32na,32paが、樹脂層31の長手方向の側面から露出している。また、金属ワイヤ32n,32pの他端の周辺に、金属部材33n,33pが接合されている。この金属部材33n,33pは樹脂層31内に設けられ、金属部材33n,33pの一部が樹脂層31の長手方向の側面から露出している。金属部材33n,33pの露出面33na,33paは、それぞれが対応する極性の金属ワイヤ32n,32pの他端の端面である露出面32na,32paとともに、内部配線の露出面30na,30paを構成している。
【0017】
本例では、露出面30na,30pa及び当該露出面30na,30paを有する樹脂層31の長手方向の側面は、同一平面となるように平坦に形成されている。また、この露出面30na,30paは、実装基板と電気的に接続するための端子面となる。
このため、発光装置100は、内部配線の露出面30na,30paを有する長手方向の側面を実装面とするサイドビュー型実装が可能なように構成されている。
なお、詳細は後記するが、発光装置100は、ウエハレベルで作製されるWCSP(ウエハプロセスによるCSP)である。
【0018】
また、本実施形態における発光装置100は、蛍光体層2によって、発光素子1が発光する光の一部又は全部を異なる波長の光に変換し、波長変換した光又は波長変換した光及び発光素子1が発光した光を出力光とするものである。例えば、発光素子1が青色光を発光し、蛍光体層2が青色光の一部を吸収して黄色光に波長変換するように構成することで、発光装置100を、青色光と黄色光とを混色した白色光を出力する白色光源とすることができる。
なお、本実施形態及び後記する他の実施形態において、発光装置100などは蛍光体層2を備えているが、CSPを構成する上で蛍光体層2は必須ではなく、設けないようにしてもよい。
【0019】
なお、本明細書では、各図に適宜に座標軸を付して示すように、便宜上、発光素子1のn側電極13及びp側電極15が設けられた面の法線方向を「+Z軸方向」とし、+Z軸方向から−Z軸方向を観察することを平面視と呼ぶ。また、平面視で長方形の形状を有する発光素子1の、長手方向をX軸方向とし、短手方向をY軸方向とする。
また、断面図として示した図は、何れもXY平面に垂直な面(すなわち、XZ平面又はYZ平面に平行な面)による断面を示すものである。
【0020】
次に、発光装置100の各部の構成について順次に詳細に説明する。
発光素子1は、平面視で略長方形の板状の形状を有しており、一方の面側にn側電極13及びp側電極15を備えたフェイスダウン型のLEDチップである。
【0021】
(発光素子の例)
ここで、
図4を参照して、発光素子1の一例について詳細に説明する。
図4に示した発光素子1は、n型半導体層12nとp型半導体層12pとを積層した半導体積層体12を備えている。半導体積層体12は、n側電極13及びp側電極15間に電流を通電することにより発光するようになっており、n型半導体層12nとp型半導体層12pとの間に発光層12aを備えることが好ましい。
【0022】
半導体積層体12には、p型半導体層12p及び発光層12aが部分的に存在しない領域、すなわちp型半導体層12pの表面から窪んだ領域(この領域を「段差部12b」と呼ぶ)が形成されている。段差部12bの底面はn型半導体層12nの露出面であり、段差部12bには、n側電極13が形成されている。また、p型半導体層12pの上面の略全面には、全面電極14が設けられている。全面電極14は、良好な反射性を有する反射電極14aと、反射電極14aの上面及び側面の全体を被覆するカバー電極14bとによって構成されている。また、カバー電極14bの上面の一部にp側電極15が形成されている。
また、発光素子1のパッド電極であるn側電極13及びp側電極15の表面を除き、半導体積層体12及び全面電極14の表面は、絶縁性を有する保護層16で被覆されている。
【0023】
半導体積層体12は、GaN、GaAs、AlGaN、InGaN、AlInGaP、GaP、SiC、ZnOのように、半導体発光素子に適した材料を用いることができる。本実施形態においては、発光素子1が発光する光の一部が、蛍光体層2によって異なる波長の光に変換されるため、発光波長の短い青色や紫色に発光する半導体積層体12が好適である。
【0024】
n型半導体層12n、発光層12a及びp型半導体層12pは、In
XAl
YGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等のGaN系化合物半導体が好適に用いられる。また、これらの半導体層は、それぞれ単層構造でもよいが、組成及び膜厚等の異なる層の積層構造、超格子構造等であってもよい。特に、発光層12aは、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸又は多重量子井戸構造であることが好ましい。
【0025】
半導体積層体12としてGaN系化合物半導体を用いる場合は、半導体層を結晶成長させるのに適した成長基板11(
図7参照)上に、例えば、MOCVD法(有機金属気相成長法)、HVPE法(ハイドライド気相成長法)、MBE法(分子線エピタキシャル成長法)等の公知の技術により形成することができる。また、半導体層の膜厚は特に限定されるものではなく、種々の膜厚のものを適用することができる。
【0026】
また、半導体積層体12をエピタキシャル成長させるための成長基板としては、例えば、半導体積層体12をGaN(窒化ガリウム)などの窒化物半導体を用いて形成する場合には、C面、R面、A面の何れかを主面とするサファイアやスピネル(MgAl
2O
4)のような絶縁性基板、また炭化ケイ素(SiC)、ZnS、ZnO、Si、GaAs、ダイヤモンド、及び窒化物半導体と格子接合するニオブ酸リチウム、ガリウム酸ネオジム等の酸化物基板が挙げられる。
【0027】
なお、本実施形態では、発光装置100の製造過程で、成長基板が半導体積層体12から剥離して除去されるため、完成した発光装置100における発光素子1は成長基板を有していない。
また、成長基板が除去された半導体積層体12の下面、すなわちn型半導体層12nの下面は粗面化により凹凸形状12cを有することが好ましい。凹凸形状12cを設けることにより、この面からの光取り出しの効率を向上させることができる。このような凹凸形状12cは、n型半導体層12nの下面をウェットエッチングすることにより形成することができる。
【0028】
全面電極14は、電流拡散層及び反射層としての機能を有するものであり、反射電極14aとカバー電極14bとを積層して構成されている。
反射電極14aは、p型半導体層12pの上面の略全面を覆うように設けられる。また、反射電極14aの上面及び側面の全体を被覆するように、カバー電極14bが設けられている。反射電極14aは、カバー電極14b及びカバー電極14bの上面の一部に設けられたp側電極15を介して供給される電流を、p型半導体層12pの全面に均一に拡散するための導体層である。また、反射電極14aは良好な反射性を有し、発光素子1が発光する光を、光取り出し面である下方向に反射する反射膜としても機能する。ここで、反射性を有するとは、発光素子1が発光する波長の光を良好に反射することをいう。更に、反射電極14aは、蛍光体層2によって変換された後の波長の光に対しても良好な反射性を有することが好ましい。
【0029】
反射電極14aは、良好な導電性と反射性とを有する金属材料を用いることができる。特に可視光領域で良好な反射性を有する金属材料としては、Ag、Al又はこれらの金属を主成分とする合金を好適に用いることができる。また、反射電極14aは、これらの金属材料を単層で、又は積層したものが利用できる。
【0030】
また、カバー電極14bは、反射電極14aを構成する金属材料のマイグレーションを防止するためのバリア層である。特に反射電極14aとして、マイグレーションし易いAgを用いる場合には設けることが好ましい。
カバー電極14bとしては、良好な導電性とバリア性とを有する金属材料を用いることができ、例えば、Al、Ti、W、Auなどを用いることができる。また、カバー電極14bは、これらの金属材料を単層で、又は積層したものが利用できる。
【0031】
n側電極13は、n型半導体層12nが露出した半導体積層体12の段差部12bの底面に設けられている。また、p側電極15は、カバー電極14bの上面の一部に設けられている。n側電極13はn型半導体層12nに、p側電極15はカバー電極14b及び反射電極14aを介してp型半導体層12pに、それぞれ電気的に接続して、発光素子1に外部からの電流を供給するためのパッド電極である。n側電極13及びp側電極15には、支持体3(
図1〜
図3参照)の内部配線である金属ワイヤ32n及び金属ワイヤ32pがそれぞれ接続される。
【0032】
また、金属ワイヤ32n,32pをワイヤボンディングする際の衝撃を緩和して、半導体積層体12へのダメージを低減するために、n側電極13及び/又はp側電極15の上面に、衝撃吸収層を設けるようにしてもよい。また、p側電極15を設けずに、全面電極14の一部をパッド電極として、金属ワイヤ32pを全面電極14に直接接続するようにしてもよい。
【0033】
n側電極13及びp側電極15としては、金属材料を用いることができ、例えば、Ag、Al、Ni、Rh、Au、Cu、Ti、Pt、Pd、Mo、Cr、Wなどの単体金属又はこれらの金属を主成分とする合金などを好適に用いることができる。なお、合金を用いる場合は、例えば、AlSiCu合金のように、組成元素としてSiなどの非金属元素を含有するものであってもよい。また、n側電極13及びp側電極15は、これらの金属材料を単層で、又は積層したものを利用することができる。
また、前記した衝撃吸収層を設ける場合は、n側電極13及びp側電極15と同様の材料を用いることができるが、上面に接続される金属ワイヤ32n,32pとの接合性の良好な材料を用いることが好ましい。例えば、金属ワイヤ32n,32pがAuである場合、衝撃吸収層もAuを用いることが好ましい。
【0034】
保護層16は、絶縁性を有し、n側電極13及びp側電極15の外部との接続部を除き、発光素子1の上面及び側面の全体を被覆する被膜である。保護層16は、発光素子1の保護膜及び帯電防止膜として機能する。
また、半導体積層体12の側面部に設けられる保護層16の外側に反射層を設ける場合は、保護層16は、発光素子1が発光した波長の光に対して、良好な透光性を有することが好ましい。更に、保護層16は、蛍光体層2が波長変換した後の波長の光に対しても良好な透光性を有することが好ましい。
保護層16としては、金属酸化物や金属窒化物を用いることができ、例えば、Si、Ti、Zr、Nb、Ta、Alからなる群より選択された少なくとも一種の酸化物又は窒化物を好適に用いることができる。
【0035】
また、保護層16として、屈折率の異なる2種以上の透光性誘電体を用いて積層し、DBR(Distributed Bragg Reflector)膜を構成するようにしてもよい。DBR膜によって、発光素子1の上面及び側面から漏出する光を反射して発光素子1内に戻すことで、発光素子1の光取り出し面である下面からの光取り出し効率を向上させることができる。DBR膜としては、例えば、SiO
2とNb
2O
5とを交互に積層した多層膜を挙げることができ、少なくとも3ペア以上、好ましくは7ペア以上の多層膜とすることにより、良好な反射率を得ることができる。
【0036】
(発光素子の他の例)
次に、
図5及び
図6を参照して、発光素子の他の例について詳細に説明する。
なお、
図4に示した例と同一又は対応する構成については、同じ符号を付して説明は適宜省略する。
【0037】
図5及び
図6に示した他の例の発光素子1Aは、p側のパッド電極であるp側電極15が全面電極14の上面の一部に形成されているとともに、n側のパッド電極であるn側電極13が、p側電極15が設けられた領域及びその近傍を除き、半導体積層体12の上面及び側面の略全面に亘って、絶縁性の保護層16を介して延在するように設けられている。このように、n側電極13又はp側電極15を、発光素子1Aの上面及び側面に広範囲に設けることにより、後記する支持体3の樹脂層31に対して効率的に熱を伝導させることで放熱性を向上させることがきる。
なお、
図5及び
図6に示した例では、n側電極13を半導体積層体12の上面及び側面の広範囲に延在するように設けたが、p側電極15を広範囲に設けるようにしてもよい。また、n側電極13及びp側電極15の両方を、広範囲に相補的に設けるようにしてもよく、例えば、
図5(a)において、発光素子1Aの左半分の広範囲な領域にp側電極15を設け、右半分の広範囲な領域にn側電極13を設けるようにすることもできる。
【0038】
また、n側電極13及び/又はp側電極15を、反射電極14aが設けられない半導体積層体12の側面にまで延在するように設け、反射膜として機能させるようにしてもよい。これによって、半導体積層体12の側面から出射する光を半導体積層体12内へ反射させ、発光素子1の光取り出し面である下面からの光取り出し効率を向上させることができる。
なお、n側電極13及び/又はp側電極15を反射膜として機能させる場合は、これらの電極の少なくとも下層側(保護層16側)に、良好な反射性を有する材料を用いることが好ましい。可視光に対して良好な反射性を有する材料としては、例えば、Ag、Al又はこれらの金属を主成分とする合金を挙げることができる。
【0039】
発光素子1Aでは、半導体積層体12の外周部の全周に、n型半導体層12nが露出する段差部12bが設けられている。また、半導体積層体12のp型半導体層12pの上面の略全面には、反射電極14a及びカバー電極14bが積層された全面電極14が設けられている。また、半導体積層体12の下面の全部と、段差部12bの底面の一部と、全面電極14の上面の一部とを除き、半導体積層体12及び全面電極14の表面は、絶縁性の保護層16によって被覆されている。また、発光素子1Aは、発光素子1と同様に、n型半導体層12nの下面の全面に、凹凸形状12cが形成されている。
【0040】
また、段差部12bの底面において、
図5(b)及び
図6に示すように、保護層16は開口部を有している。すなわち、この開口部がn型半導体層12nが保護層16によって被覆されていない領域であり、n型半導体層12nとn側電極13との接合部13aとなっている。本例では、
図5(a)にハッチングを施して示すように、半導体積層体12の外周部の全周に亘り、接合部13aが設けられている。このように広範囲に亘って接合部13aを設けることにより、n側電極13を介して供給される電流を、n型半導体層12nに均等に拡散できるため、発光効率を向上させることができる。
【0041】
なお、段差部12bは、半導体積層体12の外縁部の全周に設けるのではなく、一部に設けるようにしてもよい。段差部12bを設ける領域を低減することにより、p型半導体層12p及び発光層12aを有する領域が広くなり、発光量を増加させることができる。また、段差部12bを、外縁部に代えて又は外縁部に加えて、平面視で半導体積層体12の内側に設けるようにしてもよい。なお、段差部12bを、半導体積層体12の一部に偏在して設けずに、広範囲に断続的に設けることにより、段差部12bの領域を過剰に増加させることなく、前記したように、n型半導体層への電流拡散を均等にすることができる。例えば、段差部12bを、
図5及び
図6に示した例のように半導体積層体12の外縁部の全周に亘って連続して設けるのではなく、全周に亘って断続的に設けるようにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態における発光装置100(
図1〜
図3参照)では、便宜的に発光素子として発光素子1を用いるものとして説明するが、
図4に示した発光素子1、又は
図5及び
図6に示した発光素子1Aの何れでも用いることができる。後記する他の実施形態においても同様に、発光素子1又は発光素子1Aの何れでも用いることができる。
【0043】
図1〜
図3に戻って、発光装置100の構成について説明を続ける。
蛍光体層(波長変換層)2は、発光素子1が発光する光の一部又は全部を吸収して、発光素子1が発光する波長とは異なる波長の光に変換する波長変換層である。蛍光体層2は、波長変換材料として蛍光体の粒子を含有する樹脂層として形成することができる。また、蛍光体層2は、凹凸形状12c(
図4(b)参照)が設けられた発光素子1の光取り出し面であるn型半導体層12nの下面側に設けられている。
【0044】
蛍光体層2の膜厚は、蛍光体の含有量や、発光素子1が発光する光と波長変換後の光との混色後の所望する色調などに応じて定めることができるが、例えば、1〜500μmとすることができ、5〜200μmとすることがより好ましく、10〜100μmとすることが更に好ましい。
【0045】
また、蛍光体層2における蛍光体の含有量は、単位面積当たりの質量で、0.1〜50mg/cm
2となるように調整することが好ましい。蛍光体の含有量をこの範囲にすることにより、色変換を十分に行うことができる。
【0046】
蛍光体層2を構成する樹脂材料としては、発光素子1が発光した光及び蛍光体層2が含有する蛍光体が波長変換した後の光に対して良好な透光性を有するものを用いることが好ましい。
このような樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂若しくはこれらの樹脂を少なくとも1種以上含む樹脂、又はハイブリッド樹脂などを好適に用いることができる。
【0047】
また、蛍光体(波長変換材料)としては、発光素子1が発光する波長の光によって励起されて、この励起光と異なる波長の蛍光を発する蛍光物質であれば特に限定されず、粒状の蛍光体を好適に用いることができる。粒状の蛍光体は、光散乱性及び光反射性を有するため、波長変換機能に加えて光散乱部材としても機能し、光の拡散効果を得ることができる。蛍光体は、樹脂層である蛍光体層2中にほぼ均一の割合で混合することが好ましい。また、蛍光体は、蛍光体層2中に、2種類以上を一様に混在させてもよいし、多層構造となるように分布させてもよい。
【0048】
蛍光体としては、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、Ce(セリウム)で賦活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Ceで賦活されたLAG(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Eu(ユーロピウム)及び/又はCr(クロム)で賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、Euで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF(K
2SiF
6:Mn)系蛍光体などを挙げることができる。また、量子ドット蛍光体も用いることができる。
【0049】
また、蛍光体層2に光拡散性を付与するために、透光性の無機化合物粒子、例えばSi、Al、Zn、Ca、Mg、Yなどの希土類若しくはZr、Tiなどの元素の、酸化物、炭酸塩、硫酸塩若しくは窒化物、又はベントナイト、チタン酸カリウムなどの複合塩などの無機フィラーを添加するようにしてもよい。このような無機フィラーの平均粒径は、前記した蛍光体の平均粒径の範囲と同程度の範囲のものとすることができる。
【0050】
蛍光体層2は、溶剤に前記した樹脂、蛍光体粒子、その他の無機フィラー粒子を含有するスラリーを調整し、調整したスラリーをスプレー法、キャスト法、ポッティング法などの塗布法を用いて半導体積層体12の下面に塗布し、その後に硬化させることにより形成することができる。
また、別途に蛍光体粒子を含有する樹脂板を作製し、当該樹脂板を半導体積層体12の下面に接着することで形成することもできる。
【0051】
なお、発光装置100において、蛍光体層2を設けずに、半導体積層体12の下面を光取り出し面として発光素子1が発光した光を直接出力するようにしてもよい。また、蛍光体層2に代えて、蛍光体を含有させずに、透光性の樹脂層を設けるようにしてもよく、光拡散性のフィラーを含有させた光拡散性の樹脂層を設けるようにしてもよい。
【0052】
支持体3は、平面視で発光素子1の外形を内包する直方体形状をしており、発光素子1のn側電極13及びp側電極15が設けられた面側と接合するように設けられ、成長基板が除去された発光素子1の構造を機械的に保つための補強部材である。また、支持体3は、平面視で蛍光体層2と略同じ外形形状をしている。
【0053】
支持体3は、樹脂層31と、内部配線である金属ワイヤ32n,32pと、内部配線の端部を太くするための金属部材33n,33pと、を備えている。内部の配線構造は、n側及びp側の各極性ごとに同様の構成を有している。
すなわち、n側については、金属ワイヤ32nの一端がn側電極13と電気的に接続され、金属部材33nが金属ワイヤ32nの他端の周辺に接合されて設けられている。また、金属ワイヤ32nの他端の端面及び金属部材33nの一部が、樹脂層31の長手方向の側面から露出しており、金属ワイヤ32nの露出面32na及び金属部材33nの露出面33naからなる内部配線の露出面30naは、外部と電気的に接続するための負極側の端子面となっている。
【0054】
同様に、p側については、金属ワイヤ32pの一端がp側電極15と電気的に接続され、金属部材33pが金属ワイヤ32pの他端の周辺に接合されて設けられている。
また、金属ワイヤ32pの他端の端面及び金属部材33pの一部が、樹脂層31の長手方向の側面から露出しており、金属ワイヤ32pの露出面32pa及び金属部材33pの露出面33paからなる内部配線の露出面30paは、外部と電気的に接続するための正極側の端子面となっている。
【0055】
樹脂層31は、発光素子1の補強部材としての母体である。また、樹脂層31は、支持体3の外形形状と略同じであり、平面視で、発光素子1の外形形状を内包するとともに蛍光体層2と略同じ外形形状をしている。また、樹脂層31は、発光素子1の上面及び側面を封止する封止樹脂層である。従って、発光素子1は、樹脂層31と、下面側に設けられた蛍光体層2とによって全面が封止される。
【0056】
樹脂層31は、n側電極13及びp側電極15の電極面から略垂直方向に延伸した後にL字状(直角)に折れ曲がり、樹脂層31の長手方向の一方の側面(XZ平面と平行な面)に達する金属ワイヤ32n,32pを内部に有している。また、金属ワイヤ32n,32pの端面は、樹脂層31の当該長手方向の側面と同一平面をなしている。
樹脂層31の樹脂材料としては、前記した蛍光体層2に用いるのと同様の樹脂材料を用いることができる。また、圧縮成型により樹脂層31を形成する場合は、原料として、例えば、粉状のエポキシ系樹脂であるEMC(エポキシ・モールド・コンパウンド)や粉状のシリコーン系樹脂であるSMC(シリコーン・モールド・コンパウンド)などを好適に用いることができる。
【0057】
また、樹脂層31には、熱伝導性を高めるため、熱伝導部材を含有させるようにしてもよい。樹脂層31の熱伝導率を高めることにより、発光素子1が発生した熱を迅速に伝導して外部に放熱させることができる。
熱伝導部材としては、例えば、粒状のカーボンブラックやAlN(窒化アルミニウム)などを用いることができる。なお、熱伝導部材が導電性を有する材料の場合は、樹脂層31が導電性を有さない範囲の粒子密度で熱伝導部材を含有させるものとする。
【0058】
また、樹脂層31として、透光性の樹脂材料に光反射性のフィラーを含有させた白色樹脂を用いるようにしてもよい。少なくとも、発光素子1の上面に接合する樹脂層31の下層部に白色樹脂を用いて、発光素子1に隣接する側の樹脂層31を光反射膜として機能させることにより、発光素子1の上面及び側面側から漏出する光を発光素子1内に戻すことができるため、発光素子1の光取り出し面である下面側からの光取り出し効率を向上させることができる。また、樹脂層31が光反射膜としての機能を有する場合は、発光素子1の全面電極14を、ITO(インジウム・スズ酸化物)やIZO(インジウム・亜鉛酸化物)などの透光性導電材料を用いて形成するようにしてもよい。
【0059】
樹脂層31の厚さは、成長基板が剥離された発光素子1の補強部材として十分な強度を有するとともに、サイドビュー型で実装する際に、半田などの接着材料が電極接合部から蛍光体層2に回り込まないように、内部配線の露出面30na,30paと、蛍光体層2との距離を考慮して下限を定めることができる。
【0060】
例えば、補強部材としての観点からは樹脂層31の厚さが50μm程度以上とすることが好ましい。また、更に好ましくは、樹脂層31の厚さを100μm以上とすることで、樹脂層31の側面部を実装面としてサイドビュー型で実装基板に実装する際に、発光装置100を更に安定して実装することができる。また、接着材料の蛍光体層2への回り込み防止の観点からは、蛍光体層2から外部と接続するための端子面となる露出面30na,30paまでは、100μm程度以上離れるようにすることが好ましい。
なお、本実施形態では、外部と接続するための端子面となる内部配線の露出面30na,30paが、樹脂層31の側面に設けられるため、樹脂層31の厚さの上限については、特に限定されるものではない。
【0061】
金属ワイヤ32nは、樹脂層31を、底面から長手方向の一方の側面にかけてL字状に折れ曲がりながら貫通するように設けられ、一端がn側電極13と接続され、他端が樹脂層31の長手方向の側面から露出する内部配線である。金属ワイヤ32nの他端周辺には、金属部材33nが接合されており、金属ワイヤ32nの他端の端面である露出面32naが、金属部材33nの露出面32naとともに、外部と接続するための負極側の端子面を構成している。
また、金属ワイヤ32nは、発光素子1が発生した熱を放熱するための熱伝達経路としても機能する。
なお、
図1〜
図3に示した例では、金属ワイヤ32nは、L字状に折れ曲がるように設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、円弧状に配線されてもよく、任意の経路で配線することができる。
【0062】
同様に、金属ワイヤ32pは、樹脂層31を、底面から長手方向の一方の側面にかけてL字状に折れ曲がりながら貫通するように設けられ、一端がp側電極15と接続され、他端が樹脂層31の長手方向の側面から露出する内部配線である。金属ワイヤ32pの他端周辺には、金属部材33pが接合されており、金属ワイヤ32pの他端の端面である露出面32paが、金属部材33pの露出面32paとともに、外部と接続するための正極側の端子面を構成している。
金属ワイヤ32pもまた、発光素子1が発生した熱を放熱するための熱伝達経路としても機能する。
なお、熱伝達経路としての金属ワイヤ32n,32pの熱抵抗を低減するためには、極力短い経路で配線されることが好ましい。
【0063】
金属ワイヤ32n,32pとしては、良好な電気伝導性及び熱伝導性を有する材料を用いることが好ましく、例えば、Au、Cu、Al、Ag又はこれらの金属を主成分とする合金などを好適に用いることができる。また、金属ワイヤの表面にコーティングを施したものであってもよい。また、発光素子1が発生する熱を効率よく伝導するために、ワイヤ径は20μm程度以上とすることが好ましく、更に好ましくは30μm程度以上と、太いほど好ましい。
なお、発光素子1のn側電極13及びp側電極15に配線可能なサイズであれば、ワイヤ径の上限は特に限定されるものではないが、ワイヤボンディングの際に、ワイヤボンダから半導体積層体12にかかる衝撃で、半導体積層体12にダメージが生じない程度、例えば、3mm程度以下とすることが好ましく、1mm程度以下とすることが更に好ましい。
また、安価に、より太いワイヤを利用するために、Cu、Al又はこれらを主成分とする合金からなるワイヤを好適に用いることができる。
また、ワイヤの形状は特に限定されず、円形の断面形状を有するワイヤの他に、楕円形や長方形などの断面形状を有するリボン状のワイヤを用いるようにしてもよい。
【0064】
また、金属ワイヤ32n,32pの配線経路は、特に限定されるものではないが、金属ワイヤ32n,32pの熱抵抗と発光素子1の発熱量とを考慮して、発光素子1が過剰に温度上昇しないように、金属ワイヤ32n,32pの径と配線長とを定めることができる。
【0065】
また、本実施形態のように、内部配線として金属ワイヤ32n,32pを用いると、配線経路を自由に設定することができるために、発光素子1のn側電極13及びp側電極15がどこに配置されていても、n側電極13及びp側電極15と樹脂層31の長手方向の側面との間を容易に接続することができる。
【0066】
なお、金属ワイヤ32nとn側電極13との接合及び金属ワイヤ32pとp側電極15との接合は、ワイヤボンダを用いて行うことができるが、ボールボンディング、ウェッジボンディングの何れの方法で接合してもよい。
例えば、
図10(a)において上側に示した発光素子1については、金属ワイヤ32n,32pは、ボールボンディングにより、それぞれn側電極13及びp側電極15と接合されている。また、
図10(a)において下側に示した発光素子1については、金属ワイヤ32n,32pは、ウェッジボンディングにより、それぞれn側電極13及びp側電極15と接合されている。
【0067】
金属部材33nは、樹脂層31内であって、金属ワイヤ32nの他端周辺に接合して設けられ、一部が樹脂層31の長手方向の側面から露出するように設けられている。また、金属部材33nの露出面33naは、金属ワイヤ32nの露出面32naとともに、外部と電気的に接続するための負極側の端子面を構成している。内部配線である金属ワイヤ32nの露出面32naが負極側の端子面となるが、
図1及び
図2に示すように、金属部材33nは、端子面の面積を金属ワイヤ32nの露出面32naの面積よりも広くするために設けられる部材である。端子面の面積を広く形成することにより、発光装置100の実装基板への接合性を向上させることができる。
【0068】
本実施形態における金属部材33nは、平面視で半円形状をした柱状構造を有しており、金属ワイヤをボールボンディングすることで形成されるワイヤバンプを用いて形成することができる。すなわち、金属部材33nは、金属ワイヤ32nに接合されたワイヤバンプである。なお、金属部材33nの形成方法の詳細については後記する。
金属部材33nとしては、金属ワイヤ32nと接合性がよい材料を用いることが好ましく、金属ワイヤ32nと同質の材料を用いることがより好ましい。
【0069】
金属部材33nの形状は、
図1〜
図3に示した例に限定されるものではなく、平面視で矩形、三角形、その他の多角形であってもよく、柱状のほか、半球形状などであってもよい。すなわち、金属部材33nは、金属ワイヤ32nの他端周辺に電気的に導通するように接合して設けられ、一部が樹脂層31の長手方向の側面から露出するように設けられるものであればよい。そして、樹脂層31の長手方向の側面から端子面として露出する内部配線の露出面30naの形状は、金属ワイヤ32nの断面形状(
図2(b)に示した例では円形)に、金属部材33nの断面形状として任意の形状(
図2(b)に示した例では長方形)が付加された形状であってよい。このようにして、金属ワイヤ32nの露出面32naに加えて、又は代えて、外部と接続するための端子面の面積を、金属ワイヤ32nの端面の面積よりも広くすることができる。
また、ワイヤバンプとして形成されるものに限定されず、例えば、前記した種々の形状の金属部材33nを形成し、半田などの導電性の接着材料を用いて金属ワイヤ32nと接合するようにしてもよい。
【0070】
金属部材33pは、樹脂層31内であって、金属ワイヤ32pの他端周辺に接合して設けられ、一部が樹脂層31の長手方向の側面から露出するように設けられている。また、金属部材33pの露出面33paは、金属ワイヤ32pの露出面32paとともに、外部と電気的に接続するための正極側の端子面を構成する。
なお、金属部材33pの形状、材質、形成方法などは、金属部材33nと同様であるから、説明は省略する。
【0071】
本実施形態では、金属ワイヤ32n,32pの露出面32na,32pa及び金属部材33n,33pの露出面33na,33paからなる内部配線の露出面30na,30npが、外部と接続するための端子面であるが、露出面30na,30paを被覆するように、外部接続用電極として金属膜を設けるようにしてもよい。露出面30na,30paを被覆するように金属膜を形成する方法としては、例えば、無電解メッキ法を用いることができる。
当該金属膜を外部と接続するための端子面とすることにより、金属膜の厚さ分だけ端子の表面積が増加するため、半田などの接合材料を介した実装時の接合面積が増加する。その結果として、発光装置100と実装基板との電極の接合性を高めることができる。
【0072】
外部接続用電極として金属膜を設ける場合は、例えば、Au−Sn共晶半田などのAu合金系の接合材料を用いた実装基板との接合性を高めるため、少なくとも最上層をAuで形成することが好ましい。例えば、金属ワイヤ32n,32pがCu、Alなどの、Au以外の金属で形成されている場合は、Auとの密着性を高めるために、無電解メッキ法により、まず、Niの薄膜を形成し、Ni層の上層にAu層を積層して形成することが好ましい。また、当該金属膜は、総膜厚が0.1〜5μm程度、更に好ましくは0.5〜4μm程度とすることができる。
【0073】
[発光装置の動作]
次に、
図1〜
図4を参照して、発光装置100の動作について説明する。なお、説明の便宜上、発光素子1は青色光を発光し、蛍光体層2は黄色光を発光するものとして説明する。
【0074】
発光装置100は、不図示の実装基板を介して外部と接続するための端子面である露出面30naと露出面30paとの間に外部電源が接続されると、金属ワイヤ32n,32p及び金属部材33n,33pを介して、発光素子1のn側電極13及びp側電極15間に電流が供給される。そして、n側電極13及びp側電極15間に電流が供給されると、発光素子1の発光層12aが青色光を発光する。
【0075】
発光素子1の発光層12aが発光した青色光は、半導体積層体12内を伝播して、発光素子1の下面から出射して、一部は蛍光体層2に含有される蛍光体に吸収され、黄色光に変換されて外部に取り出される。また、青色光の一部は、蛍光体に吸収されずに蛍光体層2を透過して外部に取り出される。
なお、発光素子1内を上方向に伝播する光は、反射電極14aによって下方向に反射され、発光素子1の下面から出射する。
そして、発光装置100の外部に取り出された黄色光及び青色光が混色することにより、白色光が生成される。
【0076】
[発光装置の製造方法]
次に、
図7を参照して、
図1〜
図3に示した発光装置100の製造方法について説明する。
図7に示すように、発光装置100の製造方法は、発光素子準備工程(ウエハ準備工程)S101と、レジスト形成工程S102と、ワイヤ接続工程S103と、金属部材接合工程S104と、レジスト除去工程S105と、樹脂層形成工程S106と、成長基板除去工程S107と、蛍光体層形成工程(波長変換層形成工程)S108と、個片化工程(切断工程)S109と、を含み、この順で各工程が行われる。
【0077】
以下、
図8〜
図16を参照(適宜
図1〜
図4及び
図7参照)して、各工程について詳細に説明する。なお、
図8〜
図16の各図において、発光素子1の詳細な構成(例えば、保護層16、半導体積層体12の積層構造など)については、記載を省略している。また、その他の各部材についても、形状、サイズ、位置関係を適宜に簡略化したり、誇張したりしている場合がある。
【0078】
発光素子準備工程(ウエハ準備工程)S101は、例えば、
図4に示した構成の発光素子1を準備する工程である。本実施形態における発光素子準備工程S101では、複数の発光素子1が一枚の成長基板11上に配列されたウエハ状態で形成される。
図8〜
図16では、平面視で、短手方向に2個の発光素子1が配列して形成される様子を示しているが、長手方向にも短手方向にも、多数の発光素子1が配列して形成されるものである。
【0079】
なお、
図8〜
図13及び
図16において平面図と、p側の配線構造を示す断面図とを示し、
図14及び
図15においてp側の配線構造を示す断面図を示しているが、各図での方向は座標軸で示している。また、
図8〜
図16において、
図8(a)などに示した平面図のC−C線における断面図、すなわちn側の配線構造についての断面図は、B−B線における断面図(p側び配線構造についての断面図)において、p側電極15、金属ワイヤ32p及び金属部材33pを、それぞれn側電極13、金属ワイヤ32n及び金属部材33nに置き換えたものであるから、図示は省略している。
【0080】
具体的には、まず、サファイアなどからなる成長基板11の上面に、前記した半導体材料を用いて、n型半導体層12n、発光層12a及びp型半導体層12pを順次積層して半導体積層体12を形成する。
半導体積層体12が形成されると、半導体積層体12の上面の一部の領域について、p型半導体層12p、発光層12a及びn型半導体層12nの一部をエッチングにより除去してn型半導体層12nが底面に露出した段差部12bを形成する。
【0081】
また、段差部12bの形成と同時に、発光素子1同士の境界領域をエッチングしてn型半導体層12nを露出させるようにしてもよい。これによって、発光素子準備工程S101内の後工程で、半導体積層体12の、少なくとも発光層12aが含まれる側面を保護層16で被覆することができる。
更に、境界領域については、成長基板11が露出するように、半導体積層体12をすべて除去するようにしてもよい。これによって、個片化工程S109において、半導体積層体12をダイシングする必要がなくなるため、樹脂からなる層のみのダイシングにより個片化を容易に行うことができる。なお、
図8に示した例では、発光素子1の境界領域(
図8において、太い破線で示した境界線40の近傍領域)の半導体積層体12は完全に除去されている。
【0082】
次に、段差部12bの底面にパッド電極であるn側電極13を形成する。また、p型半導体層12p及び発光層12aを有する発光領域となる領域には、p型半導体層12pの上面の略全面を被覆する反射電極14aと反射電極14aの上面及び側面を完全に被覆するカバー電極14bとからなる全面電極14を形成する。また、カバー電極14bの上面の一部にパッド電極であるp側電極15を形成する。
更に、n側電極13及びp側電極15の表面を除くウエハの表面全体に、例えば、スパッタリングにより、SiO
2などの絶縁性材料を用いて、保護層16を形成する。
以上により、
図8に示すように、ウエハ状態の発光素子1が形成される。
【0083】
次に、レジスト形成工程S102において、フォトリソグラフィ法により、
図9に示すように、ウエハ上の、各発光素子1の長手方向(X軸方向)を区画する境界線40に沿った領域に延伸するようにストライプ状にレジストパターン(レジスト膜)61を形成する。レジストパターン61は、次工程であるワイヤ接続工程S103において、金属ワイヤ32n,32pをボンディングするために、n側電極13及びp側電極15の上面に開口61aを有している。また、レジストパターン61は、金属部材接合工程S104において、境界線40上で、金属ワイヤ32nと金属部材33nとを、及び金属ワイヤ32pと金属部材33pとを、それぞれ、押圧力、超音波、熱などを印加して接合する際の台として用いられるものである。
【0084】
レジストパターン61の上面の位置が、発光装置100が完成した際の、金属ワイヤ32n,32pの下端の位置となる。このため、金属ワイヤ32n,32pが配置される高さを考慮して、レジストパターン61の高さを定めることができるが、例えば、15〜300μm程度とすることができ、30〜100μm程度とすることが更に好ましい。
また、金属ワイヤ32n,32pに金属部材33n,33pを接合する際の台としての強度、耐熱性などを考慮して、レジストパターン61として用いる樹脂材料としては当該分野で用いられる材料から適宜に選択することができ、例えば、ポリイミド、アクリル、エポキシなどを好適に用いることができる。また、レジストパターン61の幅は、金属部材33n,33pの幅以上とすることが好ましく、例えば、30〜500μm程度、好ましくは50〜300μm程度とすることができる。これによって、金属部材33n,33pを金属ワイヤ32n,32pに十分に押し付けることができ、更に超音波を印加して、金属ワイヤ32n,32pと金属部材33n,33pとを良好に接合させることができる。
【0085】
なお、
図9に示した例では、レジストパターン61は、長手方向(X軸方向)に延伸する各発光素子1間のすべての境界線40沿って設けるようにしたが、金属ワイヤ32n,32pによって接続される発光素子1同士の境界線40に沿った領域にのみレジストパターン61を設けるようにしてもよい。
例えば、
図9(a)において、横方向(X軸方向)に延伸する3本のレジストパターン61の内で、上下の2本を形成せず、金属部材33n,33pの接合の際に台として用いられる中央の1本のみを形成するようにしてもよい。
【0086】
また、レジストパターン61は、フォトリソグラフィ法に代えて、インクジェット法やシルクスクリーン法などの印刷法を用いて形成するようにしてもよい。また、金型を用いた成型方法により形成するようにしてもよい。
【0087】
次に、ワイヤ接続工程S103において、ワイヤボンダを用いて、
図10に示すように、長手方向に延伸する境界線40を挟んで隣接する2個の発光素子1ごとに、n側電極13同士を金属ワイヤ32nで接続するとともに、p側電極15同士を金属ワイヤ32pで接続する。このとき、金属ワイヤ32n,32pは、境界線40上に設けられたレジストパターン61を跨いで配線される。
また、金属ワイヤ32n,32pは、境界線40上でレジストパターン61の上面と接するように配線することができる。これによって、次工程である金属部材接合工程S104において、金属部材33n,33pを金属ワイヤ32n,32pに接合する際に、金属ワイヤ32n,32pの位置が動かないため、安定した位置精度で両者を接合することができる。
【0088】
なお、次工程の金属部材接合工程S104において金属ワイヤ32n,32pに金属部材33n,33pを接合する際に、金属ワイヤ32n,32pに掛かる張力による負担を考慮して、金属ワイヤ32n,32pを、レジストパターン61の上面と接しないように配線してもよい。この場合において、レジストパターン61の上面から金属ワイヤ32n,32pを離す距離は、金属ワイヤ32n,32pの位置が
図11(a)において左右方向(X軸方向)に振れても、この振れ量が金属ワイヤ32n,32pと金属部材33n,33pとを接合可能な範囲内に収まるように定めるものとする。レジストパターン61の上面から金属ワイヤ32n,32pを離す距離は、具体的には、5〜200μm程度が好ましく、10〜100μm程度が更に好ましい。
【0089】
なお、
図10に示した例では、一方(
図10(a)において上側、
図10(b)において左側)の発光素子1については、金属ワイヤ32n,32pの一端がボールボンディングされ、他方(
図10(a)において下側、
図10(b)において右側)の発光素子1については、金属ワイヤ32n,32pの他端がウェッジボンディングされている。なお、ボンディング方法は、本例に限定されるものではなく、任意の方法を用いることができる。
【0090】
例えば、一方の発光素子1については、金属ワイヤ32nの一端はボールボンディング、金属ワイヤ32pの一端はウェッジボンディングされ、他方の発光素子1については、金属ワイヤ32nの他端はウェッジボンディング、金属ワイヤ32pの他端はボールボンディングされていてもよい。このように、p側のボンディング方法とn側のボンディング方法とが異なるように組み合わせることにより、ボンディング方法に違いによる接合部の接触抵抗の差及び配線長の違いによる抵抗の差を相殺することができる。これによって、後記する個片化工程S109において発光装置100を個片化した際に、各発光装置100における内部配線の配線抵抗を等価にすることができる。このように、内部配線の配線抵抗を揃えることにより、発光装置100の電気特性のばらつきを低減することができる。その結果として、発光装置100の発光特性のばらつきを低減することができる。
【0091】
次に、金属部材接合工程S104において、
図11に示すように、境界線40を跨ぐ位置において、金属部材33nを金属ワイヤ32nに、金属部材33pを金属ワイヤ32pに、それぞれ接合させる。
本例では、ワイヤボンダを用いて金属ワイヤをボールボンディングする際に形成されるワイヤバンプを金属部材33n,33pとして用い、レジストパターン61を台として金属ワイヤ32n,32pに金属部材33n,33pを押し付け、超音波を印加することにより接合させるものである。すなわち、金属材料33n,33pは、金属ワイヤ32n,32pに、好ましくは金属ワイヤ32n,32pと同じ材質の金属ワイヤをボールボンディングすることによって形成されるワイヤバンプである。このため、接合後の金属部材33n,33pは、平面視で円形をしている。また、金属部材33n,33pの下部が金属ワイヤ32n,32pと融合するように接合されている。
【0092】
また、金属部材33n,33pは、平面視で、境界線40上が中心となるように設けることが好ましい。後工程である個片化工程S109において、当該境界線40に沿って切断した際に、金属部材33n,33pの切断面が、樹脂層31の長手方向の側面から露出する露出面33na,33pa(
図1〜
図3参照)となる。従って、金属部材33n,33pの中心部を通るように切断することで、金属部材33n,33pの断面積を大きくすることができる。すなわち、外部と接合するための金属部材33n,33pの露出面33na,33pa(
図1〜
図3参照)の面積を大きくすることができる。これによって、発光装置100を実装する際の電極の接合性を向上させることができる。
なお、
図11において、金属部材33n,33pの上部に設けられた突起部は、原材料である金属ワイヤの、金属部材33n,33pを接合した後に切断された端部を示している。
【0093】
また、前記したように、ワイヤバンプに代えて、金属部材33n,33pとして、例えば、適宜な形状の金属塊を半田などの導電性の接着材料を用いて金属ワイヤ32n,32pに接合させるようにしてもよい。
【0094】
次に、レジスト除去工程S105において、
図12に示すように、レジストパターン61(
図11参照)を除去する。レジストパターン61は、当該レジストパターン61を形成する樹脂材料を溶解することができる適宜な薬剤を用いて除去することができる。
なお、レジスト除去工程S105は必須の工程ではなく、この工程を省略して、レジストパターン61を樹脂層31の一部として発光装置100に残すようにしてもよい。
【0095】
次に、樹脂層形成工程S106において、
図13に示すように、ウエハ上面の全体を被覆するように、かつ、金属ワイヤ32n,32p及び金属部材33n,33pが完全に被覆される厚さで樹脂層31を形成する。これによって、発光素子1と、内部配線である金属ワイヤ32n,32pと、金属部材33n,33pとが、樹脂層31によって完全に封止される。
樹脂層31は、金型を用いた成型法や、スプレー法やキャスト法などの塗布法、ポッティング法などにより形成することができる。また、樹脂層31を形成した後で、樹脂層31が所定の厚さとなるように、上面を切削するようにしてもよい。
【0096】
次に、成長基板除去工程S107において、
図14に示すように、例えば、LLO(レーザーリフトオフ法)やケミカルリフトオフ法などにより、成長基板11を剥離して取り除く。このとき、半導体積層体12は、樹脂層31を母体とする支持体3により補強されているため、割れやひびなどの損傷を受けない。
なお、成長基板除去工程S107を行わずに、成長基板11を有するように発光装置100を製造してもよい。また、その際に、成長基板11を裏面研磨することで薄肉化するようにしてもよい。
【0097】
また、成長基板11を剥離後の後工程として、露出した半導体積層体12の下面を研磨し、例えば、ウェットエッチング法により粗面化することで凹凸形状12c(
図4(b)参照)を形成するようにしてもよい。
なお、剥離した成長基板11は、表面を研磨することで、半導体積層体12を結晶成長させるための成長基板11として再利用することができる。
【0098】
次に、蛍光体層形成工程(波長変換層形成工程)S108において、
図15に示すように、半導体積層体12の下面側に蛍光体層2を形成する。蛍光体層2は、前記したように、例えば、溶剤に樹脂及び蛍光体粒子を含有させたスラリーをスプレー塗布することにより形成することができる。
また、発光素子準備工程S101において、発光素子1の境界領域の半導体積層体12を完全に除去しておいた場合は、半導体積層体12は、樹脂からなる層である蛍光体層2及び樹脂層31により全面が樹脂封止されることになる。
【0099】
なお、蛍光体層形成工程S108は、必須の工程ではなく、蛍光体層2を設けないようにしてもよい。また、蛍光体層2に代えて、蛍光体を含有しない樹脂層を形成するようにしてもよい。更にまた、成長基板11を除去しない場合は、成長基板11の下面、又は下面及び側面を被覆するように蛍光体層2を形成するようにしてもよい。
【0100】
次に、個片化工程(切断工程)S109において、
図16に示すように、境界線40に沿ってダイシングなどによってウエハを切断することにより、複数の発光装置100に個片化する。このとき、発光素子1の長手方向(X軸方向)に延伸する境界線40に沿った切断領域41で切断した切断面が、樹脂層31の長手方向の側面となる。また、この長手方向の側面に、内部配線である金属ワイヤ32n,32pと、金属部材33n,33pとが露出する。
【0101】
なお、
図16(a)において、発光素子1の境界線40は、図示した2個の発光素子1の境界のみを示しているが、平面視で、各発光素子1の矩形状の外形を示す四辺に沿って境界線が定められている。従って、
図16において、格子状のハッチングを施して示した切断領域41が切断により除去される領域である。
【0102】
また、切断面が側面となるため、
図1〜
図3に示したように、樹脂層31の側面と、金属ワイヤ32n,32pの露出面32na,32pa及び金属部材33n,33pの露出面33na,33paからなる露出面30na,30paとは、同一平面をなすように形成される。
以上の工程により、発光装置100が形成される。
【0103】
また、前記したように、長手方向に延伸する境界線40に沿って切断して、金属ワイヤ32n,32p及び金属部材33n,33pを樹脂層31から露出させた後で、無電解メッキを行うことにより、露出面30na,30paに外部接続用電極として金属膜を形成するようにしてもよい。
更にまた、スパッタリング法などを用いて、露出面30na,30paだけでなく、樹脂層31の表面にまで延在するように外部接続用電極として金属膜を形成するようにしてもよい。
【0104】
なお、長手方向(X軸方向)にウエハを切断する際に、厚さ方向について、2回に分けて切断するようにしてもよい。
まず、ウエハの上面側からハーフダイシングして、金属ワイヤ32n,32p及び金属部材33n,33pを樹脂層31の側面に露出させるようにする。次に、例えば、無電解メッキ法によって、露出面30na,30paを被覆するように、金属膜を形成する。そして、ウエハの下面側から、蛍光体層2及び樹脂層31をダイシングすることにより、厚さ方向について完全に切断する。これによって、ウエハレベルで金属膜を形成することができる。
【0105】
<変形例>
次に、
図17を参照して、本発明の実施形態の変形例に係る発光装置について説明する。
ここで、
図17は、p側の配線構造を示す断面図であり、発光装置100についての平面図である
図2(a)のB−B線に相当する位置の断面図である。なお、n側の配線構造を示す
図2(a)のC−C線に相当する位置の断面は、p側電極15、金属ワイヤ32p及び金属部材32pに代えて、それぞれn側電極13、金属ワイヤ32n及び金属部材33nを備えることが異なるが、同様の形状を有するため図示は省略する。
【0106】
図17に示すように、本変形例に係る発光装置100Aは、
図1〜
図3に示した発光装置100における支持体3に代えて、支持体3Aを備えて構成されている。支持体3Aは、2本の金属ワイヤ32p及びそれぞれの金属ワイヤ32pに接合される2つの金属部材33pを樹脂層31の内部に有して構成されている。2本の金属ワイヤ32pは、それぞれの一端がp側電極15と電気的に接続され、一方の金属ワイヤ32pの他端が、樹脂層31の長手方向の一方の側面から露出し、他方の金属ワイヤ32pの他端が、樹脂層31の長手方向の他方の側面から露出するように配線されている。また、それぞれの金属ワイヤ32pの他端の周辺には金属部材33nが接合されており、金属部材33nの一部が樹脂層31の長手方向の側面から露出している。
従って、本変形例に係る発光装置100Aは、長手方向の両方の側面に内部配線の露出面30paを有しており、長手方向の側面の何れを実装面としても、サイドビュー型の実装をすることができる。なお、前記したように、n側の配線構造も同様である。
【0107】
なお、
図17に示した例では、p側電極15と一方の金属ワイヤ32pの接合部上に、他方の金属ワイヤ32pを接合するようにしているが、これに限定されるものではない。2本の金属ワイヤ32pが、互いに重ならないように、接合位置をずらしてp側電極15と接合するようにしてもよい。
また、他の構成要素については、
図1〜
図3に示した発光装置100と同様であるから、同じ符号を付して説明は省略する。
【0108】
次に、
図18を参照(適宜
図7及び
図17参照)して、本変形例に係る発光装置100Aの製造方法について説明する。
まず、発光装置準備工程S101及びレジスト形成工程S102を、それぞれ前記した発光装置100の製造方法の対応する工程と同様に行う。
【0109】
次に、ワイヤ接続工程S103において、
図18(a)に示すように、短手方向(Y軸方向)に隣接して配列された発光素子1のp側電極15同士を、金属ワイヤ32pで順次に接続する。
ここで、
図18(a)は、
図8(a)のB−B線に相当する位置における断面図である。なお、n側の配線構造を示す
図8(a)のC−C線に相当する位置の断面図については、p側の配線構造と同様であるから図示は省略する。後記する金属部材接合工程S104についても同様に、n側の配線構造については図示を省略する。
また、
図18(a)及び
図18(b)には、Y軸方向に3個の発光素子1が配列されている様子を示しているが、左右の方向にそれぞれ更に多数の発光素子1が配列されているものとする。
【0110】
図10に示した発光装置100の製造方法におけるワイヤ配線工程S103では、Y軸方向に隣接する発光素子1を2個ずつを1組として、1組の発光素子1のp側電極15間に、1本の金属ワイヤ32pを接続するようにした。
これに対して、本変形例におけるワイヤ接続工程S103では、
図18(a)に示すように、Y軸方向に隣接する発光素子1のすべてのp側電極15間に金属ワイヤ32pを接続する。従って、1個のp側電極15には、左側に隣接する発光素子1のp側電極15と接続する金属ワイヤ32pと、右側に隣接する発光素子1のp側電極15と接続する金属ワイヤ32pとの2本の金属ワイヤ32pが接続される。
【0111】
本変形例におけるワイヤ接続について更に詳細に説明すると、まず、金属ワイヤ32pの一端を相対的に左側に配列されている発光素子1(1番目の発光素子1)のp側電極15にボールボンディングにより接続する。次に、その金属ワイヤ32pの他端を右側に隣接する発光素子1(2番目の発光素子1)のp側電極15にウェッジボンディングにより接続する。次に、ウェッジボンディングされた当該金属ワイヤ32pの他端上に、新たな金属ワイヤ32pの一端をボールボンディングにより接続する。そして、当該新たな金属ワイヤ32pの他端を、更に右側に隣接する発光素子1(3番目の発光素子1)のp側電極15にウェッジボンディングにより接続する。以下、同様にして、4番目以降に配列されている発光素子1のp側電極15についても、それぞれ2本の金属ワイヤ32pを順次に接続する。
なお、n側電極13についても同様にして、1電極当たり2本の金属ワイヤ32nを接続する。
【0112】
このように金属ワイヤ32n,32pを接続することにより、すべての発光素子1について、同じ条件で金属ワイヤ32n,32pが接続されることになる。このため、個片化工程S109で個片化して得られる発光装置100Aごとの内部配線の配線抵抗のばらつきを低減することができる。その結果として、発光装置100Aごとの発光特性のばらつきを低減することができる。
【0113】
次に、金属部材接合工程S104において、
図18(b)に示すように、すべての金属ワイヤ32pについて、Y軸方向のそれぞれの境界線40を跨ぐように、金属部材33pを接合する。
同様にして、すべての金属ワイヤ32nについても、金属部材33nを接合する。
【0114】
次に、レジスト除去工程S105〜個片化工程S109を、それぞれ前記した発光装置100の製造方法の対応する工程と同様に行うことにより、樹脂層31の長手方向の両方の側面に、金属ワイヤ32n,32p及び金属部材33n,33pが露出する発光装置100Aが形成される。
【0115】
以上、本発明に係る発光装置及びその製造方法について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変などしたものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。