【実施例1】
【0035】
図1に、本発明のタイプ3の大立体角ガンマ線・ベータ線同時検出装置1の実施例1の概略図を示す。
図1(a)は鳥瞰図、
図1(b)は
図1(a)のB−B断面図(
図1(a)におけるガンマ線検出器4の円筒軸並びに上側ベータ線用受光器3aおよび下側ベータ線用受光器3bの円筒軸を含む断面図である。)、
図1(c)は
図1(a)のA−A平面図である。
【0036】
本発明のタイプ3の検出装置1は、ベータ線用プラスチックシンチレータ2、ベータ線用受光器11および、貫通孔32を設けたガンマ線検出器30から構成される。
ベータ線用プラスチックシンチレータ2は、上側ベータ線用プラスチックシンチレータ3と、下側ベータ線用プラスチックシンチレータ5の一対から構成されている。上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5で測定試料10を挟持する。測定試料10は、溶液を滴下乾燥させたもので、極めて薄い薄片で構成される。
【0037】
実用上、測定試料10を収納したシンチレータ3、5は光学セメントにより封止される。上側ベータ線用プラスチックシンチレータ3、測定試料10および下側ベータ線用プラスチックシンチレータ5でベータ線用プラスチックシンチレータ組立体2を形成する。
両ベータ線用プラスチックシンチレータ3,5は、全体形状として板状、好ましくは円板状に形成されている。上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3,5は、その対向する端面の中央領域、好ましくは径方向中心領域に測定試料10を囲い込む構成が形成されている。
【0038】
ベータ線用受光器11は、上側ベータ線用受光器12、下側ベータ線用受光器15の一対から構成されている。ベータ線用受光器11は、ベータ線用プラスチックシンチレータ2と、このベータ線用プラスチックシンチレータ2内でベータ線に起因して発生するシンチレータ蛍光を検出し信号を発生するベータ線用PMT(図示省略)と、ベータ線用PMT駆動・検出回路(図示省略)を有する。
【0039】
上側ベータ線用受光器12は、上側ベータ線用受光器ケース13およびそのケース13内に収納される上側ベータ線用PMT(図示省略)および上側ベータ線用PMT駆動・検出回路(図示省略)を有する。
上側ベータ線用PMT駆動・検出回路は、PMTのための高圧印加回路、PMTからの信号を出力する回路等から構成される。
【0040】
ケース13は、上下に蓋がある筒体状、好ましくは円筒状に形成される。この蓋の一方は、上側ベータ線用プラスチックシンチレータ3の端部を位置決め固定するように形成される。この蓋の端面は、シンチレータ3を位置決め固定するために、好ましくは、凹型の溝を有する端面構造とする(図示省略)。この凹型の溝にシンチレータ3を嵌合固定する。凹型の溝の深さはシンチレータ3を位置決め収納できる程度の微小な寸法とする。実用上、シンチレータ3は凹型の溝内に収納され、受光器11および受光器12への外部からの光の侵入を防ぐための遮光性テープで封止される。
【0041】
上側ベータ線用PMTの端面であるベータ線用受光面は、上記受光器ケース13の蓋を介して、上側ベータ線用プラスチックシンチレータ3の端面と近接状態に対向配置される(図示省略)。この構成により、測定試料からのベータ線を広角度且つ近接状態で検出できるようになる。
下側ベータ線用受光器15は、下側ベータ線用受光器ケース16およびそのケース16内に収納される下側ベータ線用PMT(図示省略)および下側ベータ線用PMT駆動・検出回路(図示省略)を有する。
【0042】
下側ベータ線用PMT駆動・検出回路は、PMTのための高圧印加回路、PMTからの信号を出力する回路等から構成される。
ケース16は、上下に蓋がある筒体状、好ましくは円筒状に形成される。この蓋の一方は、下側ベータ線用プラスチックシンチレータ5の端部を位置決め固定するように形成される。この蓋の端面は、シンチレータ5を位置決め固定するために、好ましくは、凹型の溝を有する端面構造とする(図示省略)。この凹型の溝にシンチレータ5を嵌合固定する。凹型の溝の深さはシンチレータ5を位置決め収納できる程度の微小な寸法とする。実用上、シンチレータ5は凹型の溝内に収納され、受光器11および受光器12への外部からの光の侵入を防ぐための遮光性テープで封止される。
【0043】
下側ベータ線用PMTの端面であるベータ線用受光面は、上記受光器ケース16の蓋を介して、下側ベータ線用プラスチックシンチレータ5の端面と近接状態に対向配置される(図示省略)。この構成により、測定試料からのベータ線を広角度且つ近接状態で検出できるようになる。
【0044】
上側と下側のベータ線用受光器12、15でベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7を嵌合固定並びに挟持して、上側ベータ線用受光器12、ベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7および下側ベータ線用受光器15でベータ線用受光器組立体28を形成する。その際、各受光器12、15のケース13、16の対向する各端面にベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7の各端面を外形形状が整合した状態で固定し、最終的に受光器12、15でベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7を挟むように密接状態に連設する。
【0045】
ガンマ線検出器30は、ガンマ線検出器ケース31、そのケース31内に収納されるガンマ線用シンチレータ(例えば、NaI(TI)検出器)(図示省略)35、ガンマ線用PMT(図示省略)およびそのPMTのための高圧印加回路およびPMTからの信号を出力する回路等から構成されるガンマ線用PMT駆動・検出回路(図示省略)から構成される。
【0046】
ガンマ線用シンチレータ35は、主に、測定試料10を内包するベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7を挿通配置するケース31の貫通孔32に近接してケース31内に配置される。ガンマ線用PMTおよびガンマ線用PMT駆動・検出回路はガンマ線用シンチレータ35よりも貫通孔32からその径方向外方に離間して配置される。
【0047】
ケース31は、両端にガンマ線検出器端面33を構成する蓋がある筒体状、好ましくは円筒状に形成されると共に、この端面33を除くガンマ線検出器側面34にガンマ線検出器30の円筒方向軸線と直行するように貫通孔32を形成する。
この貫通孔32に前記一対の上側および下側ベータ線用受光器12、15とベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7からなるベータ線用受光器組立体28を挿通配置する。
【0048】
ガンマ線用シンチレータ35およびガンマ線用PMT(図示省略)の受光面はベータ線用プラスチックシンチレータ3、5の導光方向と直交する面、換言すると貫通孔32の軸線方向に沿った面に位置決めされる。この位置決め配置により、ベータ線の受光感度を高い値に保ちながら、ガンマ線を広角度且つ近接状態で検出できる。
【0049】
以上、
図1の概略図に基づいて説明したように、本発明の大立体角ガンマ線・ベータ線同時検出装置1は、中心位置に測定試料10を位置決め配置するようになっている上側および下側ベータ線用プラスチックシンチレータ3、5と、このプラスチックシンチレータ3、5に接合され、プラスチックシンチレータ3、5内でベータ線に起因して発生するシンチレータ蛍光を検出し信号を発生する上側および下側のベータ線用PMT(図示省略)と、そのPMTのための高圧印加回路およびPMTからの信号を出力する回路等から構成される上側および下側のベータ線用PMT駆動・検出回路と、ガンマ線検出用のガンマ線用プラスチックシンチレータ35と、このシンチレータ35で発生した蛍光を信号に変換して出力するガンマ線用PMT(図示省略)と、そのPMTのための高圧印加回路およびPMTからの信号を出力する回路等から構成されるガンマ線用PMT駆動・検出回路(図示省略)とを備える。
【0050】
測定試料10が発生したベータ線をベータ線用プラスチックシンチレータ3、5で捉え、ベータ線用PMTで信号に変換し、ベータ線用PMT駆動・検出回路で信号処理して出力すると共に、測定試料10が発生したガンマ線をガンマ線用シンチレータ35で捉え、このガンマ線用シンチレータ35で発生した蛍光をガンマ線用PMT(図示省略)で信号に変換し、ガンマ線用PMT駆動・検出回路で処理して出力する。信号は所定の大きさの波高信号になる。
【0051】
図1の場合、両ベータ線用受光器12、15の直径に対するガンマ線検出器30の直径の比は1:3.7程度になっているが、前記比はこれに限定されない。
【0052】
本発明のタイプ3のガンマ線・ベータ線同時検出装置1は、以上のように構成されているので、測定試料10を一対の上側と下側のプラスチックシンチレータ3,5で挟み込むだけで簡単に測定試料10をセットでき、上側および下側のベータ線用受光器12、15を構成するベータ線の検出効率が大きい小型のPMTをそれぞれのベータ線用プラスチックシンチレータ3,5に近づけて設けることができるので、上側および下側のベータ線用受光器2個で同時測定できると共にこの受光器12、15を測定試料10に近づけることができ、その結果、ガンマ線検出器30を貫通孔32内の測定試料10に近接して設けることができるので、測定試料との距離が近くなり、ガンマ線の検出効率を大きくすることができる。さらに、ベータ線の導光方向とガンマ線の導光方向とが重ならずに測定することができる。
【0053】
また、上記のように構成しているので、測定試料10を中心としてベータ線用プラスチックシンチレータ3、5の大きな受光立体角を得つつ、対向配置したベータ線用受光器12、15により個々の受光器のノイズを低減する機能を保持する。また、貫通孔32によりガンマ線検出器30とベータ線用受光器12、15を交差して配置したので別々に設ける場合と比べて検出装置全体を小さくできる。
【0054】
他のタイプの検出装置と比べると、タイプ3のガンマ線・ベータ線同時検出装置1は、
タイプ1の検出装置100の場合の、発光するプラスチックシンチレータの受光立体角が小さく、導光距離が長くなることによる、弱い発光すなわち低エネルギーのベータ線を計るときの不利を解消し、
タイプ2の検出装置110の場合の、受光器自身のノイズが低エネルギーベータ成分と分離できないと共に、受光器から遠い側のプラスチックシンチレータでの発光が、受光器まで届きにくいという不利を解消している。
【0055】
図1の概略図の例では、ベータ線検出のためにベータ線用プラスチックシンチレータ2を用いているが、例えば、無機シンチレータ、液体シンチレータ、比例計数管、GM計数管等でもよい。また、ガンマ線検出のためにガンマ線用シンチレータ、例えば、NaI(Tl)検出器(図示省略)を用いているが、例えば、他の有機シンチレータ、無機シンチレータ等でもよい。
【0056】
上記解決手段を採用した本発明の検出装置1は、測定試料10を一対の円板状の上側および下側ベータ線用プラスチックシンチレータ3、5で挟んでベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7として組み立てておき、一対の円筒状の上側および下側ベータ線用受光器12、15を、そのベータ線用受光器12、15の対向する端面でベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7を挟むように連設してベータ線用受光器組立体28とし、円筒状のガンマ線検出器30の円形状平面の端面23を除く側面34にガンマ線検出器30の軸線と直行するように円筒状の貫通孔32を形成し、この貫通孔32に前記一対のベータ線用受光器12、15とベータ線用プラスチックシンチレータ3、5からなるベータ線用受光器組立体28を隙間が少なくなるように挿通配置する。
【0057】
このように構成しているので、本発明のタイプ3の検出装置1は、下記の(a)〜(j)記載の作用・効果を奏する。
(a)測定試料10を一対の上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5で挟み込むだけで簡単にセットでき、
(b)測定試料10を中心位置に収納する上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5を平板、特に円板とし、この円板を上側および下側ベータ線用受光器12、15のケース13、16の端部に密接状態に位置決め配置するので、測定試料10からベータ線用受光器12、15までの距離が従来のものより近くなり、しかも測定試料10からほぼ全方位の広角度でベータ線を計測できる。
【0058】
(c)逆の見方をすると、上側および下側ベータ線用受光器12、15をベータ線用プラスチックシンチレータ3、5に近づけて設けることができる。このことは、例えば、上側および下側ベータ線用受光器12、15を構成するPMT,すなわちベータ線の検出効率が大きく小型のPMTを、上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5に近づけて設けることができるので、受光器2個で同時測定できると共に受光器12、15を測定試料10に近づけて配置できる。同時に、ガンマ線検出器30を測定試料10に対しベータ線用プラスチックシンチレータ3、5以外に介在物が無く近接対向配置することができるので、測定試料10との距離が近くなり、ガンマ線の検出効率を大きくすることができる。
【0059】
(d)ベータ線用プラスチックシンチレータ3、5で大きな受光立体角を得つつ、互いに対向配置した上側および下側ベータ線用受光器12、15により個々の受光器のノイズを低減することができる。
(e)ガンマ線用シンチレータをガンマ線検出器ケースの貫通孔の周りに配置し、ガンマ線検出器の貫通孔にベータ線用プラスチックシンチレータを有するベータ線用受光器を挿通配置しているので、小型タイプのベータ線用受光器をガンマ線検出器内に配置して使用空間を小さくしていることに加え、ガンマ線検出器が1台になることにより、装置全体を小さくできる。
【0060】
さらに、ベータ線用受光器とガンマ線検出器が貫通孔部分で測定試料を中心として交差配置されているので、測定試料から受光器および検出器までの距離を短くでき、その結果測定感度を向上させることができる。また、ガンマ線用シンチレータは、ガンマ線検出器ケースの貫通孔の周りに配置され、貫通孔内に挿入されるベータ線用受光器組立体内の測定試料に対するガンマ線立体角を、貫通孔方向を除く広角度に構成することができる。
【0061】
(f)ガンマ線検出器30に設けた貫通孔32に上側および下側ベータ線用受光器12、15を連結した組立体として配置しているので、連結した分だけ装置全体を小さくできる。さらに、測定試料10に対しベータ線用受光器12、15を連結しているので、ベータ線の測定感度を向上させることができると共に、測定試料10に対し貫通孔32を介してガンマ線検出器30を近接配置したので、測定試料10に対し近くなった分測定精度の不確かさを低減させることができる。
【0062】
(g)タイプ1やタイプ2の検出装置と比べると、本発明のタイプ3のガンマ線・ベータ線同時検出装置1は、上記構成を備えることにより、
タイプ1の検出装置100の場合の発光するプラスチックシンチレータの受光立体角が小さく、導光距離が長くなることによる、弱い発光すなわち低エネルギーのベータ線を計るときの不利を解消し、
タイプ2の検出装置110の場合の受光器自身のノイズが低エネルギーベータ成分と分離できないと共に、受光器から遠い側のプラスチックシンチレータでの発光が、受光器まで届きにくいという不利を解消している。
【0063】
(h)本発明のガンマ線・ベータ線同時検出装置1は、ガンマ線検出器30に貫通孔32を設け、測定試料10を収納する上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5の重ね合わせ方向にベータ線に起因するシンチレータ蛍光を検出し信号を発生するPMT(図示省略)からなるベータ線用受光器12および15を設け、この上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5の重ね合わせ方向と直交する方向にNaI(Tl)(タリウム活性化ヨウ化ナトリウムシンチレーション)検出器35を含むガンマ線検出器30を設けた。
【0064】
これにより、ベータ線による上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5でのエネルギー付与により発生される上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5内の蛍光は、シンチレータ3、5内を透過して重ね合わせ方向のベータ線PMTで測定される。
【0065】
一方、この上側と下側のベータ線用プラスチックシンチレータ3、5の重ね合わせ方向と直交する方向にNaI(Tl)(タリウム活性化ヨウ化ナトリウムシンチレーション)検出器35を設けた。これにより、ベータ線の導光方向とガンマ線の導光方向とが重ならずに測定することができると共に、受光器12、15と検出器30の配置の制約が少なくなり、測定しやすくなる。この結果、従来のように液体の人為的な処理を必要とせず、機械的に且つ簡単に、しかも精度よく放射線を検出することができる。また、構成を携帯可能で、コンパクトにできる。
【0066】
(i)ガンマ線検出器30に貫通孔32を設け、ベータ線の検出部とガンマ線の検出部を測定試料に対して異なる方向、即ち直交する方向に配置して、容易な測定試料交換を可能としながらも効率的に測定の立体角を張るようにしたので、計測の手間を大幅に軽減しつつ、正確な計測ができる。
(j)従来のガンマ線スペクトロメトリによる放射能測定よりも感度が高く、用意する測定試料量を低減することができ、測定時間の短縮、コストの低減を図ることができる。
【実施例2】
【0067】
本発明の実施例2を
図3に基づいて詳述する。
図3は本発明の大立体角ガンマ線・ベータ線同時検出装置の実施例の構成図である。
図3(a)は実施例の場合の
図1(b)に対応する断面図である。
図3(b)は
図3(a)の丸印の部分の分解拡大図である。
【0068】
図3の大立体角ガンマ線・ベータ線同時検出装置1は、
図1に概略的に示した、ベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7およびベータ線用受光器11からなるベータ線用受光器組立体28と、ガンマ線検出器30の具体的な構成からなる。
ベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7は、
図3(b)に示すように、測定試料10と、円板に凹型端面4を設けた凹型ベータ線用プラスチックシンチレータ8と、円板に凸型端面6を設けた凸型ベータ線用プラスチックシンチレータ9からなる。
【0069】
組立時、凹型端面4の凹部内に測定試料10を配置すると共に凸型端面6の凸部を凹凸嵌合する。凹型端面4と凸型端面6は円形状の外周形状が好ましい。測定試料10は、溶液を滴下乾燥させたもので、極めて薄い薄片で構成される。実用上、測定試料10を収納したシンチレータ8、9は光学セメントにより封止される。
【0070】
このように組み立てたベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7は、
図3(b)に示すように、上側ベータ線用受光器ケース13の上側凹型端面14の凹部と下側ベータ線用受光器ケース16の下側凹型端面17の凹部に嵌合する。上側および下側の凹型端面14,17は、換言すると、環状凸壁で形成されていると云える。この環状凸壁は、上側ベータ線用受光器ケース13または上側ベータ線用PMT22、および、下側ベータ線用受光器ケース16または下側ベータ線用PMT23で構成される。
【0071】
このような嵌合構造をとることにより、測定試料10を中心として、ベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7、上側ベータ線用PMT22および下側ベータ線用PMT23の中心を合わせる位置合わせを行う。
【0072】
ベータ線用受光器11は、上側ベータ線用受光器12と下側ベータ線用受光器15からなる。上側ベータ線用受光器12は、筒型の上側ベータ線用受光器ケース13内に上側ベータ線用PMT22と上側ベータ線用PMT駆動・検出回路24を収納すると共に該ケース13から信号用や高圧給電用等の上側ベータ線用ケーブル26を引き出した構造に構成されている。下側ベータ線用受光器15は、同様に、筒型の下側ベータ線用受光器ケース16内に下側ベータ線用PMT23と下側ベータ線用PMT駆動・検出回路25を収納すると共に該ケース16から信号用や高圧給電用等の下側ベータ線用ケーブル27を引き出した構造に構成されている。
【0073】
上側および下側ベータ線用PMT駆動・検出回路24、25は、PMTのための高圧印加回路、PMTからの信号を出力する回路等から構成される。
【0074】
ガンマ線検出器30は、円筒状のガンマ線検出器ケース31に、その円筒の長さ方向軸線と直交する方向に貫通孔32が設けられている。貫通孔32は両端面を除く側面の円筒面に開口する。貫通孔32には、開口間に0.5mm程度の薄いアルミニウム等の金属筒体37が設けられている。金属筒体37はガンマ線検出器ケース31に固定されている。光学窓39で仕切られたガンマ線検出器ケース31内で且つ金属筒体37内を除く空間には、ガンマ線用シンチレータ35が設けられている。ガンマ線検出器ケース31とガンマ線用シンチレータ35の間には反射材36が貼り付けられている。
【0075】
光学窓39で仕切られた残りのガンマ線検出器ケース31には、磁気シールド38が埋め込まれ、その内部にガンマ線用PMT40とガンマ線用PMT駆動・検出回路41が光学窓39から順に収納されている。
ガンマ線用PMT駆動・検出回路41は、PMTのための高圧印加回路、PMTからの信号を出力する回路等から構成される。
【0076】
ガンマ線用PMT駆動・検出回路41に接するガンマ線検出器ケース31には、信号用や高圧給電用等のガンマ用ケーブル43を備えたコネクタ42が設けられている。
ベータ線用受光器組立体28をガンマ線検出器30に組み合わせる際、測定試料10の位置を特定するために、例えば
図3(a)に示すような、任意の位置合わせを伴う固定装置50を用いる。固定装置50は、貫通孔32のいずれかの開口側に、少なくとも一対設けられる。
【0077】
図3(a)の固定装置50は、上側と下側の両面にテーパー面を有する両側テーパー部材51と、下側にテーパー面を設けた下側テーパー部材52と、上側にテーパー面を設けた上側テーパー部材53と、加圧用コイルバネを備えたバネ付きボルト54からなる。ベータ線用受光器組立体28の上側ベータ線用受光器ケース13(又は、下側ベータ線用受光器ケース16)に、軸線方向と直交する外向きに両側テーパー部材51を凸設する。この両側テーパー部材51に対向するガンマ線用筐体31の対応位置に、上側テーパー部材53を固定し、その上に下側テーパー部材52を載せ、両部材をバネ付きボルト54で弾圧状態に固定する。
【0078】
ボルト54を螺合する際、両側のテーパー部材のテーパー面のスライド動作によりベータ線用受光器組立体28が所定の中心位置に移動され加圧状態に固定される。
このボルト54の螺合操作に先行して、上述したように、ベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7を上記のように凹凸嵌合による位置決めにより構成し、上側ベータ線用受光器12と下側ベータ線用受光器15の連結を前記組立体7と上側および下側凹型端面14、17の凹凸嵌合により構成する。
【0079】
図3の実施例のように構成したので、以下のような作用・効果を奏する。
(1)測定試料10は、凹型ベータ線用プラスチックシンチレータ8の凹型端面4内に凸型ベータ線用プラスチックシンチレータ9の凸型端面6で適切に位置決め固定できる。
(2)凹型および凸型のベータ線用プラスチックシンチレータ8と9は、凹型端面4内に凸型端面6を嵌合することで固定できる。
【0080】
(3)ベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7は、上側および下側のベータ線用受光器12、15の上側凹型端面14および下側凹型端面17の凹部内に嵌合固定できる、
(4) 前記(3)のように嵌合固定することで、上側および下側のベータ線用受光器12、15を中心位置で位置合わせして連結できる、
【0081】
(5)貫通孔32内にその両側からベータ線用受光器組立体28を挿通できるので、測定試料10に対して凹型端面14を備えた上側ベータ線用PMT22と凹型端面17を備えた下側ベータ線用PMT24を対向配置でき、測定試料料10からのベータ線をほとんど全方位的に検出可能とできる、
【0082】
(6)測定試料10を固定したベータ線用受光器組立体28を貫通孔32内に挿通配置し、貫通孔32の半径方向の周囲にガンマ線用シンチレータ35を設けるので、ベータ線の検出が高効率に行えると共に、ガンマ線の検出も高効率に行える。
(7)ベータ線用プラスチックシンチレータ組立体7は、測定試料10を包囲するように構成してあるので、ベータ線をおおよそ全方位で検出可能となる。
また、ガンマ線用シンチレータは、ガンマ線検出器ケースの貫通孔の周りに配置され、貫通孔内に挿入されるベータ線用受光器組立体内の測定試料に対するガンマ線立体角を、貫通孔方向を除く広角度に構成することができる。
以上述べた
図3の実施例は
図1の本発明の概略図で説明した技術思想に含まれる。