(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
燃料節約のために、エンジンが反復的に停止及び再始動される空回転制限(Idle Stop & Go:ISG)システムを有するエンジンを始動するためのバッテリーパックにおいて、
発電モジュール、スタートモータ及び電気負荷が連結される第1端子と、
第2端子に連結され、充放電が可能なバッテリーセルと、
前記バッテリーセルと前記第1端子との間に電気的に連結された可変抵抗を備えた第1 ISG電流調節部と、
前記バッテリーセル及び前記第1ISG電流調節部に電気的に連結され、ISGシステムのモードによって、前記可変抵抗の抵抗値を設定するバッテリー管理部(BMS:BatteryManagement System)と、を備え、
前記BMSは、
前記ISGシステムのモードが、前記エンジンの速度が空回転速度以上の運転モードである時、前記第1端子と前記第2端子との間に充放電経路を形成するために、前記可変抵抗の抵抗値を第1抵抗値に設定し、
前記ISGシステムのモードが前記エンジンがオフ状態のスリープモードである時、前記第1端子と前記第2端子との間にISG電流経路を形成するために、前記可変抵抗の抵抗値を前記第1抵抗値よりも高い第2抵抗値に設定することを特徴とするバッテリーパック。
前記第1及び第2スイッチは、前記BMSに連結されて、前記BMSによって制御され、前記第1及び第2スイッチのうち少なくとも一つは、電流の漏れを防ぐためにオープンされることを特徴とする請求項13に記載のバッテリーパック。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、バッテリーパックが装着された自動車、電気自転車の始動が終わったスリープモード(Sleep Mode)で発生する暗電流を、バッテリーパックの内部で簡単な構造で制御できるバッテリーパックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、本発明の望ましい一実施形態によるバッテリーパックは、燃料節約のために、エンジンが反復的に停止及び再始動されるISGシステムを有するエンジンを始動し、充放電が可能なバッテリーセルと、前記バッテリーセルに電気的に連結された可変抵抗を備えた第1 ISG電流調節部と、前記バッテリーセル及び前記第1 ISG電流調節部に電気的に連結され、ISGシステムの現在モードによって、前記可変抵抗の抵抗値を設定するバッテリー管理部(BMS:Battery Management System)と、を備える。
【0006】
前記BMSは、前記ISGシステムの現在のモードが運転モードである時、充放電経路を形成するために、前記可変抵抗の抵抗値を第1抵抗値に設定し、前記ISGシステムの現在のモードがスリープモードである時、ISG電流経路を形成するために、前記可変抵抗の抵抗値を第2抵抗値に設定する。
【0007】
前記ISGシステムの運転モードで、エンジンは、空回転速度以上の速度であり、前記ISGシステムのスリープモードで、エンジンは、オフ状態である。
【0008】
前記第1抵抗値は、前記第2抵抗値より小さい。
【0009】
前記BMSは、ISGシステムがスリープモードである時の前記バッテリーセルの電圧を感知して、前記バッテリーセルの電圧によって前記可変抵抗の抵抗値を調節し、前記スリープモードは、前記エンジンがオフ状態であることを示す。
【0010】
前記BMSによって感知されたバッテリーセルの電圧が、既定の基準値より低い時、前記可変抵抗の抵抗値は、前記BMSによって増加する。
【0011】
前記バッテリーパックは、前記バッテリーセル及び前記第1 ISG電流調節部に電気的に連結された充放電部と、前記充放電部及び前記第1 ISG電流調節部に電気的に連結されたモード制御部と、をさらに備え、前記充放電部は、前記ISGシステムが運転モードである時、充放電経路を形成し、前記第1 ISG電流調節部は、前記ISGシステムがスリープモードである時、第1 ISG電流経路を形成し、前記ISGシステムの運転モードで、エンジンは、空回転速度以上の速度であり、前記ISGシステムのスリープモードで、エンジンは、オフ状態である。
【0012】
前記充放電部は、コンダクター、抵抗及びスイッチのうち一つである。
【0013】
前記ISGシステムが運転モードである時、前記モード制御部は、第1スイッチング端子にスイッチング連結されて、前記バッテリーセルの出力電流を、前記充放電部を通じて第1端子に電気的に連結させ、充電電流は、前記第1端子を通じて発電モジュールから前記充放電部を通じて前記バッテリーセルに供給する。
【0014】
前記ISGシステムがスリープモードである時、前記モード制御部は、第2スイッチング端子にスイッチング連結されて、前記バッテリーセルの出力電流が、前記第1 ISG電流調節部及び前記第1端子を通じて電気負荷に供給される。
【0015】
前記バッテリーパックは、前記バッテリーセル、前記充放電部及び前記モード調節部に電気的に連結されて、運転モード及びスリープモードで、第2 ISG電流経路を通じて前記バッテリーセルから第4端子に連結された電気負荷に電力を供給する第2 ISG電流調節部をさらに備える。
【0016】
前記電気負荷は、複数の電気負荷であり、前記複数の電気負荷のうち一部は、スリープモードでオフとならない。
【0017】
前記第2 ISG電流調節部は、スリープモード及び運転モードでいずれもターンオンされ、第3端子を通じてバッテリーパックに電気的に連結されたメイン制御部によって、バッテリーパックで危険状態が感知されれば、スリープモードまたは運転モードでターンオフされるスイッチである。
【0018】
前記バッテリーパックは、前記バッテリーセル、前記BMS、第4端子、第4 ISG電流経路を形成する前記第1 ISG電流調節部に電気的に連結される充放電部;第5暗電流経路を形成するために、前記バッテリーセルと第5端子との間に電気的に連結された可変抵抗を備えた第3 ISG電流調節部;をさらに備え、前記BMSは、前記第1及び第3 ISG電流調節部の可変抵抗値を、運転モードよりスリープモードで大きく設定する。
【0019】
前記BMSは、前記第4端子及び第5端子に供給される電圧を可変するために、前記第1 ISG電流調節部及び前記第3 ISG電流調節部の可変抵抗値を独立的に調節する。
【0020】
前記バッテリーパックは、前記第4 ISG電流経路の電流の流れを感知するために、前記第1 ISG電流調節部とバッテリーセルとの間に直列に電気的に連結された第1センサーと、前記第5 ISG電流経路の電流の流れを感知するために、前記第3 ISG電流調節部とバッテリーセルとの間に直列に電気的に連結された第2センサーと、をさらに備え、前記第1センサー及び第2センサーによって感知された電流の流れの感知結果は、前記BMSに伝えられる。
【0021】
前記BMSは、第1及び第2センサーから受けた電流の流れの感知結果に基づいて、前記第1 ISG電流調節部及び第3 ISG電流調節部の可変抵抗値を独立的に調節する。
【0022】
前記バッテリーパックは、前記第4 ISG電流経路を形成するために、前記第1 ISG電流調節部と第4端子との間に直列に電気的に連結される第1スイッチと、前記第5 ISG電流経路を形成するために、前記第3 ISG電流調節部と第5端子との間に直列に電気的に連結される第2スイッチと、をさらに備える。
【0023】
前記第1及び第2スイッチは、前記BMSに連結されて、前記BMSによって制御され、前記第1及び第2スイッチのうち少なくとも一つは、電流の漏れを防ぐためにオープンされる。
【発明の効果】
【0024】
本発明のバッテリーパックは、スリープモードで自動車、電気自転車のメイン制御部の機能をさらに非活性化させ、消費電力を減少させるために、暗電流制御機能を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の利点、特徴及びそれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されず、それぞれ異なる多様な形態で具現され、単に、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲によって定義される。一方、本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数形は、文言で特別に述べない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む(Comprises)」及び/または「含むところの(Comprising)」は、述べられた構成要素、ステップ、動作及び/または素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/または素子の存在、または追加を排除しない。第1及び第2の用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、構成要素は、用語によって限定されるものではない。用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけとして使われる。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100が装着される運送手段10の構造を示した図面である。
【0028】
本発明の一実施形態によるバッテリーパック100は、エンジンを備える運送手段10に装着される。運送手段10は、例えば、自動車、電気自転車である。
【0029】
前記バッテリーパック100は、発電モジュール110から生成される充電電力を保存し、スターターモーター120に放電電力を供給する。例えば、前記発電モジュール110は、エンジン122と動力連結され、エンジン122の駆動軸と連結されて、回転動力を電気的な出力に変換する。この時、発電モジュール110から生成された充電電力は、バッテリーパック100に供給される。例えば、前記発電モジュール110は、DC(Direct Current)発電機(図示せず)、またはAC(Alternating Current)発電機(図示せず)及び整流装置(図示せず)を備え、約DC 15V、さらに具体的に、DC 14.6V〜14.8Vの電圧を供給する。
【0030】
例えば、前記スターターモーター120は、エンジン122の始動時に稼動され、エンジン122の駆動軸を回転させる初期回転動力を提供する。例えば、前記スターターモーター120は、バッテリーパック100の第1及び第2端子P1,P2を通じて保存された電力が供給されて、エンジン122の稼動時またはアイドルストップ(Idle Stop)以後、エンジン122の再稼動時に駆動軸を回転させて、エンジン122を始動する。前記スターターモーター120は、エンジン122の始動時に稼動され、スターターモーター120によって始動されたエンジン122の稼動中には、発電モジュール110が駆動されて、充電電力を生成する。
【0031】
例えば、前記バッテリーパック100は、燃費改善のために、ISG(Idle Stop & Go)機能が具現されたISGシステムのエンジン始動のための電源装置に適用される。ISGシステムでは、エンジン122の停止及び再始動が頻繁に繰り返されるため、バッテリーパック100の充放電が繰り返される。
【0032】
従来、ISGシステムに適用される鉛蓄電池は、充放電動作が頻繁に繰り返されるので、耐久寿命が短縮され、充放電特性が低下する問題があり、例えば、充放電の反復によって充電容量が低下して、エンジンの始動性が落ち、鉛蓄電池の交換周期が短くなる問題がある。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、バッテリーパック100が、鉛蓄電池に比べて、充放電特性が比較的一定に維持され、経時的な劣化が少ないリチウムイオン電池(Lithium−Ion Battery)を含むことによって、エンジンの停止及び再始動が繰り返されるISGシステムに好適に適用される。また、同じ充電容量の鉛蓄電池に比べて、低重量化が可能であるので、燃費改善の効果が期待でき、鉛蓄電池より小さい体積でも、同じ充電容量を具現することができるので、搭載空間が節約できるという長所がある。本発明の一実施形態によるバッテリーパック100は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル−水素電池(NiMH:Nickel Metal Hydride Battery)、ニッケル−カドミウム電池(Nickel−Cadmium Battery)が適用される。
【0034】
一方、前記バッテリーパック100には、発電モジュール110及びスターターモーター120と共に、少なくとも一つの電気負荷が連結される。本明細書では、少なくとも一つの電気負荷を、電気負荷1 130a及び電気負荷2 130bと例示し、電気負荷の個数及び種類は、運送手段10の具体的な具現例によって変わる。電気負荷1 130a及び電気負荷2 130bは、バッテリーパック100に保存された電力を消費することによって、第1及び第2端子P1,P2を通じて、保存された放電電力が供給される。電気負荷1 130a及び電気負荷2 130bは、例えば、ナビゲーション、オーディオ、照明灯、車両用ブラックボックス、盗難防止装置など、多様な種類の電子装置である。
【0035】
メイン制御部140は、バッテリーパック100が装着された運送手段10の全体動作を制御する制御部である。メイン制御部140は、第3端子P3を通じてバッテリーパック100と連結されて制御信号を交換し、バッテリーパック100の状態をモニタリングし、バッテリーパック100の動作を制御する。
【0036】
本発明の一実施形態による運送手段10は、始動がオン状態である時には、運転モードで動作し、始動がオフ状態である時には、スリープモードで動作する。運送手段10の動作モードは、メイン制御部140によって設定されて制御され、メイン制御部140は、動作モードによって、バッテリーパック100、電気負荷130a,130b及び運送手段10の構成要素を制御する。
【0037】
バッテリーパック100は、運転モードでは、発電モジュール110から供給された電力を充電する充電動作と、スターターモーター120、電気負荷1 130a、及び電気負荷2 130bに電気を供給する放電動作とを行う。スリープモードで、バッテリーパック100は、充電動作は行わず、電気負荷130a,130bに電流を供給する動作を行う。スリープモードで、電気負荷130a,130bに供給される電流を、暗電流と称す。暗電流によって、バッテリーパック100は、スリープモードでも電力を消耗する。
【0038】
バッテリーパック100に保存された電力は、スリープモードから運転モードに転換される時、すなわち、運送手段10を始動させる時、エンジン122を再稼動させるために、スターターモーター120に供給されねばならない。しかし、スリープモードで、暗電流によってバッテリーパック100が放電されて、スターターモーター120に駆動電力を供給できない場合、運送手段10の再始動が不可能である場合が発生する。このために、スリープモードで、暗電流を遮断する機能が提供される。
【0039】
本発明の実施形態は、暗電流の遮断において、バッテリーパック100で暗電流調節機能を提供する。また、可変抵抗を利用して、暗電流を調節することによって、簡単な構造で暗電流を調節する。
【0040】
図2は、本発明の一実施形態によるバッテリーパック100aの構造を示した図面である。
【0041】
本発明の一実施形態によるバッテリーパック100aは、バッテリーセル210、第1暗電流調節部(または第1 ISG電流調節部)220、及びバッテリー制御部(BMS:Battery Management System)230を備える。
【0042】
バッテリーセル210は、リチウムイオン電池、ニッケル−水素電池で具現される。バッテリーセル210は、発電モジュール110から供給された充電電流が供給されて充電される。また、バッテリーセル210は、スターターモーター120及び電気負荷130a,130bに充電電力を供給する。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、バッテリーセル210の充放電経路と、スリープモードで暗電流(ISG電流)が流れる経路とは共通して形成され、第1 ISG電流調節部220を通じて、充放電電流及び暗電流が流れる。
【0044】
第1 ISG電流調節部220は、可変抵抗を備える。可変抵抗は、BMS 230からの制御信号によって、その抵抗値が変わる。BMS 230は、運送手段10の現在のモードによって、可変抵抗の抵抗値を調節する。例えば、BMS 230は、現在のモードが運転モードならば、可変抵抗の抵抗値を、充放電経路を形成するための第1抵抗値に設定し、スリープモードならば、可変抵抗の抵抗値を、暗電流経路を形成するための第2抵抗値に設定する。ここで、第1抵抗値は、第2抵抗値より小さい。
【0045】
本発明の他の実施形態によれば、BMS 230は、スリープモードでも可変抵抗の抵抗値を調節する。例えば、BMS 230は、スリープモード中にバッテリーセル210の電圧を検出して、バッテリーセル210の電圧によって、可変抵抗の抵抗値を調節して、暗電流を調節する。このような場合、バッテリーセル210の電圧が低くなるほど、可変抵抗の抵抗値を増加させて、バッテリーセル210の充電電力が少なくなる場合、暗電流を減少させる。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態による可変抵抗の抵抗値による第1端子P1の出力電圧を示したグラフである。
【0047】
図3に示したように、可変抵抗の抵抗値の増加によって、第1端子P1の出力電圧が低下する。本発明の一実施形態によれば、このような可変抵抗の抵抗値と第1端子P1の出力電圧との関係を利用して、電気負荷を段階的にオフさせる。例えば、スリープモードで可変抵抗の抵抗値は、R1、R2、R3の3段階で調節される。このように可変抵抗の抵抗値の変化によって、出力電圧レベルがV1、V2、V3に変われば、電気負荷の定格電圧レベルによって、電気負荷が自動的にオフされる。例えば、可変抵抗がR1の抵抗値を有して、出力電圧がV1である場合、V1より低い定格電圧を有する電気負荷1ないし5が、いずれもオン状態となる。可変抵抗がR2の抵抗値を有して、出力電圧がV2である場合、V2より高い定格電圧レベルを有する電気負荷1及び電気負荷2は、オフされ、電気負荷3ないし5は、オン状態となる。可変抵抗がR3の抵抗値を有して、出力電圧がV3である場合、V3より高い定格電圧レベルを有する電気負荷1ないし4は、オフされ、電気負荷5は、オン状態となる。また、可変抵抗の抵抗値を最大値に設定するか、または可変抵抗をオフさせて、暗電流を遮断する。
【0048】
本発明の一実施形態によれば、可変抵抗は、電気負荷を段階的にオフさせるために、非連続的な所定数のレベルの抵抗値を有する。
【0049】
図4は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100bの構造を示した図面である。
【0050】
本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100bは、バッテリーセル210、第1 ISG電流調節部220、BMS 230、充放電部410及びモード制御部420を含む。
【0051】
本実施形態によれば、バッテリーパック100bは、充放電パスI1と第1暗電流パスI2とを別途に備え、運送手段10の動作モードによって、第1端子P1が充放電パスI1を通じてバッテリーセル210に連結されるか、または第1暗電流パスI2を通じてバッテリーセル210に連結される。充放電パスI1は、充放電部410を通じるパスであり、第1暗電流パスI2は、第1 ISG電流調節部220を通じるパスである。
【0052】
充放電部410は、運送手段10が運転モードである時、充放電パスI1を形成する。一実施形態によれば、充放電部410は、コンダクター(導電体)を含んで具現される。他の実施形態によれば、充放電部410は、抵抗を含んで具現される。他の実施形態によれば、充放電部410は、スイッチを含んで具現される。さらに他の実施形態によれば、充放電部410は、充電パスと放電パスとを並列に備える。このような場合、充電パスと放電パスとに、それぞれダイオードが備えられる。
【0053】
第1 ISG電流調節部220は、運送手段10がスリープモードである時、第1暗電流パスI2を形成する。前述したように、第1 ISG電流調節部220は、可変抵抗を備える。可変抵抗の抵抗値は、BMS 230によって調節される。
【0054】
モード制御部420は、運送手段10の動作モードによって、充放電パスI1を第1端子P1に連結させるか、または第1暗電流パスI2を第2端子P2に連結させる。モード制御部420を制御する制御信号CONは、BMS 230から提供される。
【0055】
モード制御部420は、運送手段10が運転モードである場合、スイッチがS1端子に連結された第1状態を有する。これにより、バッテリーセル210から出力された電流が、充放電部410を通じて第1端子P1に導通される。運転モード中に発電モジュール110から充電電流が、第1端子P1を通じて供給されれば、充電電流は、充放電部410を通じてバッテリーセル210に供給される。
【0056】
モード制御部420は、運送手段10がスリープモードである場合、スイッチがS2端子に連結された第2状態を有する。これにより、バッテリーセル210から出力された電流は、第1 ISG電流調節部220及び第1端子P1を通じて電気負荷に供給される。スリープモードでは、前述したように、第1 ISG電流調節部220の可変抵抗は、バッテリーセル210の電圧レベルによって、その抵抗値が変化する。また、スリープモードで、第1 ISG電流調節部220の可変抵抗の抵抗値は、BMS 230に調節される。
【0057】
図5は、本発明の他の実施形態による運送手段10の構造を示した図面である。
【0058】
本発明の他の実施形態による運送手段10は、スリープモードでもオフされてはいけない電気負荷を備え、バッテリーパック100cは、スリープモードでも常に電流が供給される第4端子P4を提供する。このような構成によって、運送手段10の設計者は、スリープモードでもオフされてはいけない電気負荷を、第4端子P4に連結することによって、当該電気負荷をスリープモードでもオフさせない。
【0059】
例えば、
図5に示されたように、電気負荷1 130aは、第1端子P1に連結されて、スリープモードで、第1端子P1の出力電圧レベルによって動作を止めるが、電気負荷2 130bは、第4端子P4に連結されて、スリープモードでも常に動作する。
【0060】
図6は、本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100cの構造を示した図面である。
【0061】
本発明の他の実施形態によるバッテリーパック100cは、バッテリーセル210、第1 ISG電流調節部220、BMS 230、充放電部410、モード制御部420及び第2 ISG電流調節部610を備える。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、第2 ISG電流調節部610は、バッテリーセル210と第4端子P4との間に連結され、第2暗電流パスI3を形成する。
【0063】
一実施形態によれば、第2 ISG電流調節部610は、導電体を含んで具現される。このような場合、第4端子P4に連結された電気負荷は、運転モード及びスリープモードで、常に第2暗電流パスI3を通じて電力を供給されるので、さらに安定的に電力を供給され、スリープモードでも、続けてオン状態である。
【0064】
他の実施形態によれば、第2 ISG電流調節部610は、スイッチを含んで具現される。本実施形態によれば、第2 ISG電流調節部610のスイッチは、運転モード及びスリープモードでオン状態であり、バッテリーパック100cの危険状況が感知されれば、オフ状態となる。例えば、スリープモード中に、バッテリーパック100cが過熱、過充電、過放電、爆発の危険がある場合に、第2 ISG電流調節部610は、オフ状態となる。また、スリープモード中に、バッテリーセル210の残余電力がスターターモーター120を1回動作させる限界レベルに近接するか、または限界レベルに達した場合、第2 ISG電流調節部610は、スイッチをオフ状態に変更して、暗電流を完全遮断する。第2 ISG電流調節部610を制御する制御信号は、BMS 230から提供される。また、バッテリーパック100cの危険状況が感知されれば、第1暗電流パスI2も遮断される。
【0065】
図7は、本発明のさらに他の実施形態による運送手段10の構造を示した図面である。
【0066】
本発明のさらに他の実施形態による運送手段10は、少なくとも一つの電気負荷、すなわち、電気負荷1 130a及び電気負荷2 130bが、それぞれバッテリーパック100dの別途の端子を通じて連結される。すなわち、バッテリーパック100dは、電気負荷1 130aに電力を供給するための第4端子P4と、電気負荷2 130bに電力を供給するための第5端子P5とを提供する。したがって、第1端子P1には、発電モジュール110及びスターターモーター120が連結されて、充放電電流が流れ、第4端子P4及び第5端子P5には、電気負荷1130a及び電気負荷2130bがそれぞれ連結されて、電気負荷を駆動するための電流及び暗電流が流れる。
【0067】
このような構成によって、複数の電気負荷のオン/オフを個別的に制御できる。また、電気負荷を定格電圧によって、段階的にオフさせる代わりに、重要度または暗電流の大きさによって、段階的にオフさせる。
【0068】
以下、複数の電気負荷に流れる暗電流を遮断する方法について具体的に説明する。
【0069】
図8は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパック100d’の構造を示した図面である。
【0070】
本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパック100d’は、バッテリーセル210、第1 ISG電流調節部220、BMS 230、充放電部410、第3 ISG電流調節部810を備える。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、第1 ISG電流調節部220は、バッテリーセル210と第4端子P4との間に連結されて、第4暗電流パスI4を形成する。同様に、第3 ISG電流調節部810は、バッテリーセル210と第5端子P5との間に連結されて、第5暗電流パスI5を形成する。
【0072】
BMS 230は、運転モードでは、第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810の可変抵抗値が小さくなるように調節する。これにより、可変抵抗で消費される電力を最小にする。
【0073】
一方、BMS 230は、スリープモードでは、バッテリーセル210の電圧によって可変抵抗値を調節する。BMS 230は、スリープモードでは、運転モードである時より可変抵抗値を大きくする。また、BMS 230は、バッテリーセル210の電圧が低くなるほど、可変抵抗の値を増加させ、バッテリーセル210の充電電力が少なくなる場合、暗電流を減少させる。
【0074】
特に、本実施形態によるバッテリーパック100d’の場合、BMS 230は、第1 ISG電流調節部220と第3 ISG電流調節部810との抵抗値を、それぞれ別途に制御する。これにより、電気負荷1 130a及び電気負荷2 130bのうちいずれか一つにだけ電力を供給し、残りの一つには、電力の供給を遮断する。すなわち、ユーザの要求によって、所望の電気負荷にだけ電力を供給する。例えば、電力の供給及び遮断の如何は、負荷の重要度によって決定されてもよく、消費電力の大きさによって決定されてもよい。
【0075】
もちろん、バッテリーセル210の電圧からバッテリーセル210の残余電力がスターターモーター120を1回動作させる限界レベルに近接するか、または限界レベルに達した場合、BMS 230は、第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810の可変抵抗値を最大にして、暗電流を最小化するか、または完全遮断する。
【0076】
図9は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパック100d”の構造を示した図面である。本実施形態によるバッテリーパック100d”では、
図8のバッテリーパック100d’と異なる部分を中心に説明する。
【0077】
本実施形態によるバッテリーパック100d”は、バッテリーセル210、第1 ISG電流調節部220、BMS 230、充放電部410、第3 ISG電流調節部810、センサー1 910、センサー2 920を備える。
【0078】
本発明の一実施形態によれば、バッテリーセル210と第4端子P4との間にセンサー1 910及び第1 ISG電流調節部220が直列に連結されて、第4暗電流パスI4を形成する。センサー1 910及び第1 ISG電流調節部220の配列順序は、互いに変わることもある。同様に、バッテリーセル210と第5端子P5との間にセンサー2 920及び第3 ISG電流調節部810が連結されて、第5暗電流パスI5を形成する。
【0079】
センサー1 910及びセンサー2 920は、それぞれ第4暗電流パスI4及び第5暗電流パスI5に流れる電流の大きさを感知する。そして、センサー1 910及びセンサー2 920は、感知結果をBMS 230に伝送する。
【0080】
一実施形態によれば、BMS 230は、センサー1 910及びセンサー2 920から受信した電流の感知結果に基づいて、第1 ISG電流調節部220と第3 ISG電流調節部810との抵抗値をそれぞれ別途に制御する。BMS 230は、暗電流値が基準値より大きい場合に、暗電流パスを遮断する。例えば、センサー1 910で感知した暗電流の大きさが、基準値より大きい場合、BMS 230は、第1 ISG電流調節部220の可変抵抗値を最大にして、電気負荷1 130aに供給される電力を最小化するか、または遮断する。
【0081】
他の実施形態によれば、BMS 230は、センサー1 910及びセンサー2 920から受信した電流の感知結果と、バッテリーセル210の電圧とに基づいて、第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810の抵抗値を段階的に調節する。この時、BMS 230は、複数の段階で抵抗値を調節するための複数の基準値を備える。複数の基準値は、それぞれバッテリーセル210の電圧によって決定される。例えば、バッテリーセル210の電圧が第1電圧値であり、暗電流の大きさが第1基準値より大きければ、BMS 230は、抵抗値を増加させて、暗電流を第1基準値より小さくする。そして、バッテリーセル210の電圧が低下して第2電圧値となった場合、暗電流の大きさが第2基準値より大きければ、BMS 230は、抵抗値をさらに増加させて、暗電流を第2基準値より小さくする。ここで、第2基準値は、第1基準値より小さい値である。
【0082】
もちろん、本実施形態でも、バッテリーセル210の電圧からバッテリーセル210の残余電力が、スターターモーター120を1回動作させる限界レベルに近接するか、または限界レベルに達した場合に、暗電流が最小基準値以上である時には、BMS 230は、第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810の可変抵抗値を最大にして、暗電流を最小化するか、または完全遮断する。
【0083】
図10は、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーパック100d”’の構造を示した図面である。本実施形態によるバッテリーパック100d”’では、
図9のバッテリーパック100d”と異なる部分を中心に説明する。
【0084】
本実施形態によるバッテリーパック100d”’は、バッテリーセル210、第1 ISG電流調節部220、BMS 230、充放電部410、第3 ISG電流調節部810、センサー1 910、センサー2 920、スイッチ1 1010、スイッチ2 1020を備える。
【0085】
本発明の一実施形態によれば、バッテリーセル210と第4端子P4との間にセンサー1 910、第1 ISG電流調節部220、スイッチ1 1010が直列に連結されて、第4暗電流パスI4を形成する。この時、センサー1 910、第1 ISG電流調節部220、及びスイッチ1 1010の配列順序は、互いに変わることもある。同様に、バッテリーセル210と第5端子P5との間にセンサー2 920、第3 ISG電流調節部810、及びスイッチ2 1020が連結されて、第5暗電流パスI5を形成する。
【0086】
本実施形態によれば、スイッチ1 1010及びスイッチ2 1020を使用して、第4暗電流パスI4及び第5暗電流パスI5をそれぞれ完全に遮断する。第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810の可変抵抗値を最大にする場合でも、暗電流が微細に流れ、これにより、バッテリーセル210の充電電力を不要に消費する。したがって、BMS 230は、第4暗電流パスI4及び第5暗電流パスI5をそれぞれ完全に遮断しようとする場合には、スイッチ1 1010及び/またはスイッチ2 1020を開放させて、暗電流の流れを完全に遮断する。
【0087】
もちろん、図示していないが、
図8ないし
図10によるバッテリーパック100d’〜100d”’において、充放電部410と第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810が連結されるノードに、モード制御部をさらに備える。そして、運転モードでは、バッテリーセル210を充放電部410と連結し、スリープモードでは、バッテリーセル210を第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810と連結させることもできる。
【0088】
または、運転モードでは、バッテリーセル210が充放電部410、第1 ISG電流調節部220、及び第3 ISG電流調節部810にいずれも連結され、スリープモードでは、バッテリーセル210を第1 ISG電流調節部220及び第3 ISG電流調節部810と連結させることもできる。
【0089】
たとえ、本発明は、前述した望ましい実施形態と関連して説明したにしても、発明の要旨及び範囲から離脱せず、多様な修正や変形が可能である。したがって、特許請求の範囲には、本発明の要旨に属する限り、このような修正や変形を含むものである。