(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1保護フィルムおよび第2保護フィルムは、各々、COP(cycloolefin polymer)系フィルム、アクリル系フィルム、TAC(triacetylcellulose)系フィルム、COC(cycloolefin copolymer)系フィルム、PNB(polynorbornene)系フィルムおよびPET(polyethylene terephtalate)系フィルムのうちいずれか1つ以上からなる、請求項1または2に記載の偏光板。
前記第1保護フィルムおよび第2保護フィルムのうちいずれか1つ以上は、収縮力が幅1mm当たり10kgf以下であるCOP(cycloolefin polymer)系フィルムを含む、請求項3に記載の偏光板。
前記第1保護フィルム上に位置した感圧接着剤層を含み、前記第2保護フィルムはUV吸収剤、ブロッキング防止剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤および安定剤のうちから選択される1以上の添加剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光板。
前記第1保護フィルムおよび第2保護フィルムのうち少なくとも1つの上に反射防止層、低反射コーティング層、UV吸収層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、防眩(Antiglare)層、液晶コーティング層およびハードコーティング層のうちから選択される1以上の層がさらに備えられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の偏光板。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
【0013】
本発明の一実施状態は、少なくとも1方向の収縮力が低い偏光板用保護フィルムを提供する。
【0014】
一連の工程を通じて製造された偏光板は工程中に加えられた力が残り、それによって高温や高温/高湿の条件で偏光板が収縮する変形が生じ得る。特に液晶セルに素子の薄型化が進められるにつれ、用いられるガラスも薄くなっており、偏光板が収縮して変形しようとする力が液晶セルに及ぼす影響力が増加して、液晶セル歪みに伴った不良が増加している。それにより、偏光板が収縮して変形しようとする収縮力を減少させ、液晶セルが曲がる曲がり現象を減少させる必要性がある。
【0015】
偏光板業者は、高温または高温高湿の条件での曲がりを減少させるために収縮力を減少させようとする研究を多く進めた。しかし、高温または高温高湿の条件で偏光板が有する収縮力を定量化するのは非常に難しいことであった。本出願人は、収縮力の代わりをする因子を探す努力を進め、それに対する成果として常温常湿条件で引張強度を測定し、単位kgf/mm
2をkgf/mmに換算した数値が収縮力の代わりをするということを見出した。
【0016】
本出願人は、ガラス基板に付着した偏光板を80℃チャンバーに24時間放置した後、曲がり(bending)実験、すなわち、曲がった程度を測定する実験をした結果、
図3のような結果を得た。
図3を参照すれば、偏光板の収縮力が減少するほど、曲がり現象が減少することが分かった。
【0017】
また、本出願人は、偏光板自体の収縮力は、偏光板を構成する層の個別的な収縮力の和に比例することが分かった。それにより、偏光板用保護フィルムの収縮力が低ければ低いほど、曲がり現象を減少できることが分かった。
【0018】
本発明の一実施状態は、少なくとも1方向の収縮力が幅1mm当たり13kgf以下である偏光板用保護フィルムを提供する。
【0019】
本発明において、偏光板用保護フィルムの収縮力は低ければ低いほど基板が曲がる曲がり現象をより減らすことができるため、収縮力の下限値は特に限定されないが、必要に応じて、少なくとも1方向の収縮力が幅1mm当たり0kgf超過13kgf以下であっても良い。
【0020】
前記偏光板用保護フィルムは、COP(cycloolefin polymer)系フィルム、アクリル系フィルム、TAC(triacetylcellulose)系フィルム、COC(cycloolefin copolymer)系フィルム、PNB(polynorbornene)系フィルムおよびPET(polyethylene terephtalate)系フィルムのうちいずれか1つ以上からなっても良い。
【0021】
前記偏光板用保護フィルムは、少なくとも1方向の収縮力が幅1mm当たり10kgf以下であるCOP(cycloolefin polymer)系フィルムを含むことができる。
【0022】
本発明において、偏光板用保護フィルムの収縮力は低ければ低いほど基板が曲がる曲がり現象をより減らすことができるため、収縮力の下限値は特に限定されないが、必要に応じて、少なくとも1方向の収縮力が幅1mm当たり0kgf超過10kgf以下であっても良い。
【0023】
本発明は、偏光膜、前記偏光膜の一側に備えられた第1保護フィルム、および前記偏光膜の他側に備えられた第2保護フィルムを含む偏光板を提供する。
【0024】
本発明は、収縮力の低い保護フィルムを含む偏光板を提供する。
【0025】
本発明は、吸収軸方向または透過軸方向の収縮力が低い保護フィルムを含む偏光板を提供する。
【0026】
本発明は、偏光膜、前記偏光膜の一側に備えられた第1保護フィルム、および前記偏光膜の他側に備えられた第2保護フィルムを含む偏光板であって、前記第1保護フィルムおよび第2保護フィルムの少なくとも1方向の収縮力が幅1mm当たり13kgf以下である偏光板を提供する。この場合、基板が曲がる曲がり現象を減らせるという長所がある。
【0027】
言い換えれば、前記第1保護フィルムの少なくとも1方向の収縮力が幅1mm当たり13kgf以下であり、前記第2保護フィルムの少なくとも1方向の収縮力が幅1mm当たり13kgf以下である偏光板を提供する。
【0028】
本明細書において、「少なくとも1方向」は全方向を全て含むことができ、特に限定されない。
【0029】
前記「少なくとも1方向」は、必要に応じて、保護フィルムの製造時に移動する方向である機械方向または前記機械方向に垂直な方向を含むことができる。
【0030】
前記「少なくとも1方向」は、必要に応じて、保護フィルムの製造時に保管用ロールに取り巻かれる方向である長さ方向または前記長さ方向に垂直な幅方向を含むことができる。
【0031】
前記「少なくとも1方向」は、必要に応じて、温度25℃、相対湿度50%の状態より高温および高湿な条件で前記偏光板が曲がる方向を含むことができる。
【0032】
本明細書において、「偏光板が曲がる方向」は、偏光板の縁部の点のうち、基準となる面におろした垂直線の長さが最も長い点を含む線の方向を意味する。この時、線の方向は、基準となる面におろした垂直線の長さが最も長い点を含む機械方向または前記機械方向に垂直な方向であっても良い。
【0033】
本明細書において、「温度25℃、相対湿度50%の状態より高温および高湿な条件」は、温度および相対湿度が各々25℃および50%より高く、且つ、基準となる面に対して偏光板が曲がる現象が起こるのであれば、特に限定されない。例えば、本発明の一実験例として、各々、温度80℃の条件、または温度および相対湿度が60℃および90%の条件で曲がり量を測定した。
【0034】
前記「少なくとも1方向」は、必要に応じて、偏光膜の吸収軸方向および偏光膜の透過軸方向のうちいずれか1つ以上を含むことができる。
【0035】
ここで、収縮力は、フィルムが変形した後に本来の状態に復元しようとする力を意味する。実際に収縮する時の力は測定し難いため、フィルムを強制的に延伸(引張)させる時に必要な力を測定して収縮力を推定する。すなわち、引張強度で収縮力を示し、研究結果、引張強度は収縮力を対応できると判断される。
【0036】
この時、収縮力(引張強度)は下記のような方法で測定される。
【0037】
1.常温(25℃)常湿(50%)の環境で試料の幅を10mm、長さを150mmに裁断した後、万能材料試験機に長さ方向に設置し、固定された両端部のうちいずれか1つを引っ張った。
【0038】
2.試料を強制的に延伸させて延伸率(percentage strain)とフィルムにかかる力(load)を同時に測定し、
図2のように延伸率−力グラフを得た。
【0039】
3.前記延伸率−力グラフにおいて、接線の傾きのうち最も急激な傾きで収縮力を求めた。
【0040】
本発明では、収縮力の低い保護フィルムを用いて、保護フィルムに残された残余の力によって偏光板の収縮およびガラスの曲がり現象が減るという長所がある。
【0041】
前記偏光膜の材料および製造方法は特に限定されず、当技術分野で周知の通常の材料および製造方法を用いることができる。
【0042】
本発明の一実施状態において、前記偏光膜はポリビニルアルコール系偏光膜であっても良い。
【0043】
前記偏光膜の収縮力が少ないほど偏光板の収縮力が少なくなるという長所がある。前記偏光膜の収縮力が少ないほど偏光板の収縮およびガラスの曲がり現象が減るという長所がある。
【0044】
本発明の一実施状態において、前記偏光膜の吸収軸方向の収縮力は低ければ低いほど基板が曲がる曲がり現象をより減らすことができるため、収縮力の範囲は特に限定されないが、収縮力が幅1mm当たり0kgf超過70kgf以下であっても良い。必要に応じて、偏光膜の吸収軸方向の収縮力は幅1mm当たり25〜45kgfであっても良い。
【0045】
本発明の一実施状態において、前記偏光膜の透過軸方向の収縮力は低ければ低いほど基板が曲がる曲がり現象をより減らすことができるため、収縮力の範囲は特に限定されないが、収縮力が幅1mm当たり0kgf超過40kgf以下であっても良い。必要に応じて、偏光膜の透過軸方向の収縮力は幅1mm当たり5〜15kgfであっても良い。
【0046】
本出願人は、厚さに応じた収縮力実験を通じ、フィルムの厚さが薄ければ薄いほど収縮力が減ることが分かった。
【0047】
それにより、前記偏光膜の厚さは薄ければ薄いほど収縮力が減り、基板が曲がる曲がり現象をより減らすことができるため、偏光膜の厚さの数値範囲は特に限定されない。前記偏光膜の厚さは0μm超過〜50μm未満であっても良く、この場合、基板が曲がる曲がり現象を減らせるという長所がある。必要に応じて、前記偏光膜の厚さは5〜40μmであっても良く、必要な場合、10〜30μmであっても良い。
【0048】
前記第1保護フィルムは保護フィルムが本発明の範囲を満たす収縮力を有するのであれば特に限定されず、当技術分野で周知の通常の材料および製造方法を用いることができる。
【0049】
本発明の一実施状態において、前記第1保護フィルムは1以上のフィルムを含むことができ、COP(cycloolefin polymer)系フィルム、アクリル系フィルム、TAC(triacetylcellulose)系フィルム、COC(cycloolefin copolymer)系フィルム、PNB(polynorbornene)系フィルムおよびPET(polyethylene terephtalate)系フィルムのうちいずれか1つ以上で製造されることができる。
【0050】
本発明の一実施状態において、前記第1保護フィルムは1以上のフィルムを含むことができ、必要に応じて、収縮力が幅1mm当たり10kgf以下であるCOP(cycloolefin polymer)系フィルムを含むことができる。
【0051】
前記第1保護フィルム上に位置した
感圧接着剤層を含むことができる。ここで、「第1保護フィルム上」とは、第1保護フィルムを基準に偏光膜が備えられた側の反対側を意味する。
【0052】
液晶表示素子などのディスプレイ装置に適用するために前記
感圧接着剤層が備えられる。
【0053】
例えば、前記
感圧接着剤層が備えられた面を液晶表示素子の液晶セルに接着して適用することができる。この時、液晶セルに接着された第1保護フィルムは視野角補償のために特定の位相差を有することが好ましい。
【0054】
前記第1保護フィルムは、必要に応じて、UV吸収剤、ブロッキング防止剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤および安定剤のうちから選択される1以上の添加剤を含むことができる。
【0055】
前記第1保護フィルムの上面または下面には、必要に応じて、反射防止層、低反射コーティング層、UV吸収層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、防眩(Antiglare)層、液晶コーティング層およびハードコーティング層のうち1以上の層がさらに備えられることができる。
【0056】
前記第1保護フィルムと偏光膜は、水系接着剤または非水系接着剤によって接着されることができる。
【0057】
本発明の一実施状態において、前記第2保護フィルムは1以上のフィルムを含むことができ、COP(cycloolefin polymer)系フィルム、アクリル系フィルム、TAC(triacetylcellulose)系フィルム、COC(cycloolefin copolymer)系フィルム、PNB(polynorbornene)系フィルムおよびPET(polyethylene terephtalate)系フィルムのうちいずれか1つ以上で製造されることができる。
【0058】
本発明の一実施状態において、前記第2保護フィルムは1以上のフィルムを含むことができ、必要に応じて、収縮力が幅1mm当たり10kgf以下であるCOP(cycloolefin polymer)を含むことができる。
【0059】
前記第2保護フィルムは、必要に応じて、UV吸収剤、ブロッキング防止剤(anti−blocking agent)、潤滑剤、静電気防止剤および安定剤のうちから選択される1以上の添加剤を含むことができる。
【0060】
前記第2保護フィルムの上面または下面には、必要に応じて、反射防止層、低反射コーティング層、UV吸収層、輝度向上層、静電気防止コーティング層、防眩(Antiglare)層、液晶コーティング層およびハードコーティング層のうち1以上の層がさらに備えられることができる。
【0061】
前記第2保護フィルムと偏光膜は、水系接着剤または非水系接着剤によって接着されることができる。
【0062】
前記第1保護フィルム上に形成された
感圧接着剤層によって液晶セルに接着する場合、前記第2保護フィルムは相対的に外側に位置するようになる。この場合、前記第2保護フィルムは、UV吸収剤を含むか、第2保護フィルムの上面または下面にUV吸収層を備えることが好ましい。
【0063】
液晶セルの両側に前記偏光板を備える場合、液晶セルを基準に相対的に地面から遠い上部偏光板の第2保護フィルム(最外角に位置する保護フィルム)の上面または下面には、ハードコーティング層、低反射コーティング層および防眩(Antiglare)層のうち1以上の層がさらに備えられることができる。
【0064】
液晶セルの両側に前記偏光板を備える場合、液晶セルを基準に相対的に地面から近い下部偏光板の第2保護フィルム(最外角に位置する保護フィルム)の上面または下面には、輝度向上層がさらに備えられることができる。
【0065】
本出願人は、厚さに応じた収縮力実験を通じ、フィルムの厚さが薄ければ薄いほど収縮力が減ることが分かった。
【0066】
本発明において、前記保護フィルムの厚さは薄ければ薄いほど基板が曲がる曲がり現象をより減らすことができるため、保護フィルムの厚さの数値範囲は特に限定されない。前記保護フィルムの厚さは0μm超過〜60μm未満であっても良く、この場合、基板が曲がる曲がり現象を減らせるという長所がある。
【0067】
必要に応じて、前記保護フィルムの厚さは15〜45μmであっても良く、必要な場合、20〜30μmであっても良い。
【0068】
アクリル系フィルムまたはTAC系フィルムで製造された保護フィルムの厚さは15〜45μmであることが好ましい。この場合、アクリル系フィルムまたはTAC系フィルムで製造された保護フィルムの収縮力が幅1mm当たり13kgf以下であっても良く、基板が曲がる曲がり現象を減らせるという長所がある。
【0069】
本発明のまた1つの実施状態は、前記偏光板を含むディスプレイ装置を提供する。
【0070】
前記ディスプレイ装置は、タッチパネル、発光ダイオード(Light Emitting Diode、LED)、有機発光素子(Organic Light Emitting Diode、OLED)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)および薄膜トランジスタ液晶表示装置(Thin Film Transistor− Liquid Crystal Display、LCD−TFT)のうちいずれか1つであっても良い。
【0071】
前記ディスプレイ装置に備えられるガラス基板の厚さは0.1mm〜0.7mmであっても良く、適用される素子に応じて選択されても良い。
【0072】
本発明のまた他の1つの実施状態は、前記偏光板を含む液晶表示装置を提供する。
【0073】
前記液晶表示装置は、液晶セルおよび前記液晶セルの一側または両側に備えられた前記偏光板を含むことができる。
【0074】
この時、偏光板のうち第1保護フィルム上に備えられた
感圧接着剤層によって液晶セルと偏光板が接着されることができる。
【実施例】
【0075】
以下の実施例および比較例を通じて本発明をより具体的に説明する。但し、下記の実施例および比較例は本発明を例示するためのものに過ぎず、これらのみに本発明が限定されるものではない。
[実施例1]
【表1】
【0076】
第1保護フィルムとして厚さ23μmのCOP系フィルムを用い、前記第1保護フィルムの一側に1μm厚さの液晶コーティング層を形成した。前記液晶コーティング層が形成されたCOP系フィルムにおいて、吸収軸方向の収縮力は幅1mm当たり6kgfであり、透過軸方向の収縮力は幅1mm当たり7kgfである。
【0077】
前記液晶コーティング層上に22μm厚さの
感圧接着剤層を形成した。
【0078】
また、第2保護フィルムとして厚さ40μmのCOP系フィルムを用い、前記第2保護フィルムの一側に7μm厚さのハードコーティング層を形成した。前記ハードコーティング層が形成されたCOP系フィルムの吸収軸方向の収縮力は幅1mm当たり6kgfであり、透過軸方向の収縮力は幅1mm当たり6kgfである。
【0079】
その後、前記表1のような構造で、厚さ12μmのポリビニルアルコール偏光膜の両側に非水系接着剤を用いて第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを各々接着して偏光板を製造した。
[比較例1]
【表2】
【0080】
第1保護フィルムとして厚さ23μmのCOP系フィルムを用い、前記第1保護フィルムの一側に1μm厚さの液晶コーティング層を形成した。前記液晶コーティング層が形成されたCOP系フィルムにおいて、吸収軸方向の収縮力は幅1mm当たり6kgfであり、透過軸方向の収縮力は幅1mm当たり7kgfである。
【0081】
前記液晶コーティング層上に22μm厚さの
感圧接着剤層を形成した。
【0082】
また、第2保護フィルムとして厚さ40μmのアクリル系フィルムを用い、前記第2保護フィルムの一側に5μm厚さのハードコーティング層を形成した。前記ハードコーティング層が形成されたアクリル系フィルムの吸収軸方向の収縮力は幅1mm当たり20kgfであり、透過軸方向の収縮力は幅1mm当たり19kgfである。
【0083】
その後、前記表2のような構造で、厚さ12μmのポリビニルアルコール偏光膜の両側に非水系接着剤を用いて第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを各々接着して偏光板を製造した。
[比較例2]
【表3】
【0084】
第1保護フィルムとして厚さ40μmのアクリル系フィルムを形成した。前記アクリル系フィルムにおいて、吸収軸方向の収縮力は幅1mm当たり16kgfであり、透過軸方向の収縮力は幅1mm当たり17kgfである。
【0085】
前記第1保護フィルムの一側に22μm厚さの
感圧接着剤層を形成した。
【0086】
また、第2保護フィルムとして厚さ40μmのアクリル系フィルムを用い、前記第2保護フィルムの一側に5μm厚さの防眩層を形成した。前記防眩層が形成されたアクリル系フィルムの吸収軸方向の収縮力は幅1mm当たり19kgfであり、透過軸方向の収縮力は幅1mm当たり21kgfである。
【0087】
その後、前記表3のような構造で、厚さ12μmのポリビニルアルコール偏光膜の両側に非水系接着剤を用いて第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを各々接着して偏光板を製造した。
【0088】
[実験例1]
耐熱条件(80℃、24時間)での曲がり実験
前記実施例および比較例において製造された偏光板を200mm×150mmサイズにサンプルを製造した。
図5に、前記サンプルの構成を示す。この時、前記サンプルは、吸収軸の方向を長手方向として、すなわち、吸収軸の方向の長さが200mmのサンプルを製造した。
【0089】
前記製造された200mm×150mmサイズの偏光板を大きさ210mm×160mmのガラス基板(厚さ0.4mm)の中央に付着してサンプルを製造した。その後、ガラス基板に付着したサンプルを80℃のチャンバーに24時間放置した。チャンバーから24時間放置した後に取り出し、その後、常温(25℃、湿度50%)で24時間放置した後に曲がり(bending)を測定した。
【0090】
この時、曲がり程度の測定は、平たい石定盤に試料を置いておき(ガラス基板が石定盤と接するように置く)、
図6のように石定盤から上方に上がってきた程度を下記1〜8の位置において定規を利用して測定するか、これを3次元測定機を利用して測定した。石定盤から離れた距離が最も大きい値を偏光板の曲がり量と定義した。それに基づいて曲がり方向の収縮力(X軸)と曲がり量(Y軸)の相関関係を分析したグラフは
図3に示す。
【表4】
【0091】
[実験例2]
耐湿熱(60℃、湿度90%、24時間)条件下での曲がり実験
ガラス基板に付着したサンプルを60℃、湿度90%のチャンバーに24時間放置したことを除いては実験例1と同様である。その結果は下記の表8に示し、それに基づいて曲がり方向の収縮力(X軸)と曲がり(Y軸)の相関関係を分析したグラフは
図4に示す。
【表5】