(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アナログ・デジタル変換回路を動作させる方法であって、前記アナログ・デジタル変換回路が、複数のデジタル・アナログ(DAC)キャパシタンスにおいて、少なくとも1つのDACキャパシタンスを含み、前記方法が、
供給電圧レベルに結合された充電電圧スイッチであって、充電電圧レベルに設定されるよう構成される充電電圧スイッチの供給電圧端子から前記充電電圧レベルを導出するステップであって、前記充電電圧レベルが、前記供給電圧レベルおよび前記充電電圧スイッチの基準電圧端子に供給される基準電圧レベルに基づいて設定されている、ステップと、
前記少なくとも1つのDACキャパシタンスを前記充電電圧レベルに設定された第1の電圧源に切り替えるステップと、
前記第1の電圧源から前記少なくとも1つのDACキャパシタンスを分離するステップと、
前記少なくとも1つのDACキャパシタンスを前記基準電圧レベルに設定された第2の電圧源に切り替えるステップと、
前記第2の電圧源から前記少なくとも1つのDACキャパシタンスを分離するステップと、
前記少なくとも1つのDACキャパシタンスを放電電圧レベルに設定された第3の電圧源に切り替えるステップと、
を含み、
前記少なくとも1つのDACキャパシタンスを前記第1の電圧源、前記第2の電圧源、および、前記第3の電圧源に切り替えるステップは、前記少なくとも1つのDACキャパシタンス上に蓄えられた蓄積電荷を表すDAC電圧に基づいていて、
前記充電電圧スイッチは、前記供給電圧端子から前記少なくとも1つのDACキャパシタンスへの電荷の流れを制御するように構成されている、
方法。
それぞれの切り替えるステップが、事前充電段階、基準充電段階、および放電段階を含む一連の作業段階における、互いに異なる作業段階に入ることを示し、任意の2つの作業段階の間にオーバラップがない、請求項1または2に記載の方法。
周期的なパターンを有するクロック信号を供給するステップと、前記クロック信号への切替えおよび/または分離を同期するステップとを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
前記少なくとも1つのDACキャパシタンスに結合され、電流パルスを供給して、前記少なくとも1つのDACキャパシタンスを事前充電するように構成されたパルス発生器をさらに備える、請求項8または9に記載の回路装置。
周期的なパターンを有するクロック信号を供給するように構成され、前記事前充電スイッチに結合されて、前記事前充電スイッチの制御に作用する信号発生器をさらに備える、請求項8に記載の回路装置。
クロック発生器と前記事前充電スイッチの間に結合されて、前記事前充電スイッチの制御に作用し、前記基準電圧端子から前記DACキャパシタンスへの電流の流れを遅延するように構成された遅延要素をさらに備える、請求項8に記載の回路装置。
入力電圧を受けるように構成された入力電圧端子と、デジタル・アナログ端子においてデジタル・アナログ電圧を供給するように構成されたデジタル・アナログ回路装置と、前記入力電圧端子および前記デジタル・アナログ端子に結合され、制御出力信号を供給するように構成された制御出力を有する比較器とを備え、請求項8から15のいずれか一項に記載の回路装置によるデジタル・アナログ装置が設けられる、アナログ・デジタル変換機器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明することを目的とし、特許請求される主題を完全に理解するために、数多くの具体的な詳細を説明する。しかし、場合によっては、特許請求される主題は、これらの具体的な詳細がなくても実施できることが明らかになる可能性がある。
【0011】
この開示は、アナログ・デジタル変換器(ADC)で使用するための回路を、実装し動作させるための技法を対象とするものであり、このADCは、本明細書で「C−DAC」変換器または単に「DAC」とも短く呼ばれる、いわゆる容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)を有し、これは、ADCでのサンプリング・キャパシタンスに蓄えられる充電と比較する際に使用される充電用の貯蔵装置として使用するためのものであり、このキャパシタは集合的にサンプリング・キャパシタンスと呼ばれる。本明細書に記載の技法は、適所において、または従来のADC回路の基準電圧源に加えて、さらなる電圧源を使用する。追加の電圧源は、高抵抗基準電圧源からC−DACに流れる電流を低減するように構成される。従来の解決策と比較すると、少なくとも1つの効果は、基準電圧源からC−DAC変換器に流れる電流の量を下げることでもよい。したがって、実施形態によっては、少なくともある程度まで基準電圧源での電圧降下を回避することができるが、なぜならば、基準電圧源からC−DACに流れる必要のある電流が少ないからである。従来の解決策と比較すると、少なくとも1つの効果は、電流スパイク、およびADCの動作安定性へのこのようなスパイクの悪影響を回避することでもよい。本明細書に記載の技法によっては、基準電圧源の代わりに、または特に基準電圧源を補うものとして、さらなる電圧源を使用する。
【0012】
図1は、いくつかの実施形態による装置を実装する、例示的なアナログ・デジタル変換器(ADC)100を概略的に示す図である。ADC100は、複数の機能ブロックおよび/または回路ブロックを備える。具体的には、ADC100は、逐次近似レジスタ(SAR)120、容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)140、サンプルアンドホールド(S/H)ユニット160、および比較器180を備える。本明細書においては、機能ブロックおよび/または回路ブロックとして、先に開示した要素について述べるが、場合によっては、別々に開示された2つのブロックが、2つの機能を提供するように構成された単一の回路ブロックを形成できることを理解されたい。ADC100は、クロック・ライン115を介して、クロック信号CLKを受信するように構成される。実施形態によっては、クロック信号CLKは、ADC100の一実装環境で使用されるマスタ・クロック信号から得られる。実施形態によっては、クロック信号CLKは、特にADC100とともに使用するために生成される。実施形態によっては、ADC100は、クロック信号CLKを生成するように構成されたクロック信号発生器を備える。クロック信号CLKについて述べるが、クロック信号CLKは、このクロック信号CLKの受信側として開示された特定の回路または機能について、必要に応じてクロック信号を代表するものであることを理解されたい。したがって、逐次近似レジスタ(SAR)120やC−DAC変換器140など、ADC100の互いに異なる部分に供給されるクロック信号CLKは、実施形態によっては両者において同じではなく、同様にして、ADC100の互いに異なる部分に結合しているクロック・ライン115への言及は、実施形態によっては、ADC100の結合部分において必要に応じて、それぞれのクロック信号CLKを送出するように構成された別々のラインを指す。さらに、ADC100は、基準電圧ライン135を介して基準電圧信号VREFを受信し、また入力電圧ライン155を介して入力電圧信号VINを受信するように構成される。ADC100は、供給電圧ライン110に結合されており、このラインの電圧は供給電圧レベルVDDに設定されている。本明細書において、「結合(coupled)」という用語は、「接続(connected)」および「直接接続(directly connected)」の意味に限定されないが、その意味をも含む。たとえば、いくつかの実施形態によれば、供給電圧ライン110にADC100を直接接続することができ、この場合に抵抗値が最小になる。いくつかの実施形態によれば、供給電圧ライン110へのADC100の結合には、たとえばレベル・シフタおよび/またはフィルタなどの回路素子が含まれ得る。逐次近似レジスタ(SAR)120は、デジタル制御信号D0、D1、D2、...、DN−2、DN−1を選択的に出力するように構成された、N本のデジタル信号ラインのグループ130に結合される。さらに、ADC100は、SAR出力ライン126を介して、デジタル制御信号D0、D1、D2、...、DN−2、DN−1がアナログ・デジタル変換の結果であることを示すエンドオブコンバージョン信号EOCを出力するように構成される。
【0013】
逐次近似レジスタ(SAR)120は、クロック信号CLKを受信するためのクロック端子121、およびSAR供給電圧分岐118を介して供給電圧ライン110に接続された端子128を有する。本明細書において、「端子」という用語は、ラインの端部、ソケット、プラグ、または用語「端子」に関連する他の構造上の終始点を意味することに限定されない。むしろ、「端子」という用語は、回路の動作時に、指定された信号を受信するよう定めることができる回路での位置、たとえばクロック端子121の場合には、クロック信号CLKが供給される、かつ/またはクロック信号CLKを送出する任意の回路部分を示すために使用される。逐次近似レジスタ(SAR)120は、N本のデジタル信号ラインのグループ130を介してC−DAC変換器140に結合され、C−DAC変換器140を制御する際に使用するためデジタル制御信号D0、D1、D2、...、DN−2、DN−1を選択的に出力するように構成される。本明細書においては、本明細書で開示されるこうした原理が、SAR120からC−DAC変換器140に出力される全てのデジタル制御信号に同様に適用されるので、SAR120からC−DAC変換器140に出力される単一のデジタル制御信号、たとえば説明を簡単にするためにデジタル制御信号D2などについて一例として言及すると、文字「D」のみを使用してデジタル制御信号を示すことができ、添え字を省くことになる。いくつかの実施形態によれば、逐次近似レジスタ(SAR)120は、比較器180に結合されていて、フィードバック・ライン190を介して、フィードバック信号FBを比較器180から受信するように構成されたフィードバック端子122を備える。逐次近似レジスタ(SAR)120は、SAR出力ライン126を介して、エンドオブコンバージョン信号125を出力するように構成された、ADC制御出力端子125を有する。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)140は、たとえば何らかの基準電圧源(図示せず)から基準電圧ライン135を介して受信するための、または他の方法で基準電圧信号VREFに設定するための基準電圧端子141を有する。容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)140は、C−DAC供給電圧分岐138を介して供給電圧ライン110に接続された供給電圧端子148を有する。実施形態によっては、C−DAC変換器140は、放電ライン139を介してアース(接地)101に結合されたDACバイアス端子146を有する。実施形態によっては、C−DACバイアス端子146は、アース電圧とは異なる電圧レベルに設定された、アナログ・デジタル変換器(ADC)100のバイアス電圧端子に結合することができる。C−DAC変換器140は、一群のデジタル信号入力端子142を備えており、このデジタル信号入力端子はそれぞれ、デジタル信号ラインのグループ130のデジタル信号ラインに結合され、デジタル制御信号DをSAR120から受信するように構成される。いくつかの実施形態によれば、C−DAC変換器140は、DAC基準ライン175を介して、DAC電圧信号VDACを変換器180に出力するように構成されたDAC出力端子145を備える。実施形態によっては、逐次近似レジスタ(SAR)120は、クロック・ライン115に結合されてクロック信号CLKを受信する、SARクロック端子149を有する。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、サンプルアンドホールド(S/H)ユニット160は、入力電圧ライン155を介して入力電圧信号VINを受信するための、入力電圧信号端子161を有する。実装によっては、入力電圧信号VINは、時間とともに変動することがあるアナログ信号である。入力電圧信号VINを供給して、ADCによってデジタル化することができる。実施形態によっては、入力電圧信号端子161から見ると、サンプルアンドホールド(S/Hユニット160は、高インピーダンス回路である。実施形態によっては、この高インピーダンスは、少なくとも10kオームとすることができる。さらに、サンプルアンドホールド(S/H)ユニット160は、S/H供給電圧分岐158を介して供給電圧ライン110に結合された、供給電圧端子168を備える。サンプルアンドホールド(S/H)ユニット160は、サンプルアンドホールド・ライン176を介して、サンプルアンドホールド電圧信号VSHを比較器180に出力するように構成された、サンプルアンドホールド出力端子165を備える。いくつかの実施形態によれば、実装によっては、高インピーダンス入力源からサンプルアンドホールド・ユニット160を分離するための演算増幅器(オペアンプ)を使用する、ADCドライバ回路が設けられる。フィルタ抵抗132およびフィルタ・キャパシタンス133を有するR/C低域通過回路は、演算増幅器とサンプルアンドホールド・ユニット160との間を行き交う機能を実行する役割を負うことができる。低域通過回路の抵抗は、低域通過回路のキャパシタンスから増幅器の出力段を分離することによって、増幅器を安定に保つ。低域通過回路のキャパシタンスは、サンプルアンドホールド・ユニット160に安定な入力源を提供する。
【0016】
比較器180は、DAC基準ライン175を介してDAC電圧信号VDACを受信するように構成された、負の入力端子(−)を有する。比較器180は、サンプルアンドホールド・ライン176を介してサンプルアンドホールド電圧信号を受信するように構成された、正の入力端子(+)を有する。さらに、比較器180は、比較器供給電圧分岐178を介して供給電圧ライン110に接続された、供給電圧端子188を備える。比較器180は、フィードバック・ライン190を介して、逐次近似レジスタ(SAR)120のフィードバック端子122にフィードバック信号FBを出力するように構成される。
【0017】
図2は、
図1に示したアナログ・デジタル変換装置における、いくつかの実施形態による容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)の例示的な実装を示す回路図である。C−DAC変換器140は、N個のデジタル・アナログ(DAC)キャパシタンス、144a、144b、144cを備える。本明細書においては、本明細書で開示されるこうした原理が、全てのデジタル・アナログ・キャパシタンスに同様に適用されるので、単一のDACキャパシタンス、たとえば説明を簡単にするためにDACキャパシタンス144aなどについて一例として言及すると、参照番号「144」のみを使用してDACキャパシタンスを示すことになり、文字の接尾語は省くことになる。DACキャパシタンス144a、144b、144cの片側は、DAC基準ライン175に結合される。実施形態によっては、DACキャパシタンス144a、144b、144cの片側は、DAC基準ライン175に直接接続される。DACキャパシタンス144のもう一方の側は、関連するDACスイッチ構成143a、143b、143cにそれぞれ結合される。本明細書においては、本明細書で開示されるこうした原理が、全てのDACスイッチに同様に適用されるので、単一のDACスイッチ構成、たとえば説明を簡単にするためにDACスイッチ構成143aなどについて一例として言及すると、参照番号「143」のみを使用してDACスイッチ構成を示すことができ、文字の接尾語は省いてもよい。実施形態によっては、DACキャパシタンス144のもう一方の側は、関連するDACスイッチ143に直接接続される。
図2に示した実施形態では、DACスイッチ構成143a、143b、143cは、3つの異なる接続状態にそれぞれ設定できるようにする、N個の3投式スイッチとして設けられる。DACスイッチ構成143の例示的な構成を詳細に論じるとき、以下に示す通り、他の実装でも同様の効果を実現することができ、同等な機能をもたらすことができることを理解されたい。事前充電状態では、DACスイッチ構成143は、(たとえば、DACスイッチ144aの場合に示すように)関連するDACキャパシタンス144をDAC電圧源分岐138に結合するように設定される。基準充電状態では、DACスイッチ構成143は、(たとえば、DACスイッチ144bの場合に示すように)関連するDACキャパシタンス144を基準電圧ライン135に結合するように設定される。放電状態では、DACスイッチ構成144は、(たとえば、DACスイッチ144cの場合に示すように)関連するDACキャパシタンス144を放電ライン139に結合するように設定される。
【0018】
C−DAC変換器140は、N個のデジタル信号入力端子142a、142bを備えており、これらの端子は、SAR120(
図2には図示せず)から、デジタル信号ライン130a、130b、130cのグループ130上のデジタル制御信号D2、DN−2、DN−1を受信するように構成される。本明細書においては、本明細書で開示されるこうした原理が、全てのデジタル信号ラインに同様に適用されるので、単一のデジタル信号ライン、たとえば説明を簡単にするためにデジタル信号ライン130aなどについて一例として言及すると、グループの参照番号「130」のみを使用してデジタル信号ラインを示すことになり、文字の接尾語は省くことになる。C−DAC変換器140は、SARユニット120から受信したデジタル信号ライン130a、130b、130c上のデジタル制御信号を、デジタル信号ライン130a、130b、130cに関連するDACスイッチ143a、143b、143cに送るように構成される。したがって、以下のいくつかの実施形態のより詳細な議論から明らかになるように、たとえば、C−DAC変換器140を制御する際にデジタル制御信号を使用して、DACスイッチ143のスイッチ状態を制御することができる。実施形態によっては、
図2に示すように、DACスイッチ制御回路147a、147b、147cが設けられ、逐次近似レジスタ(SAR)120から受信されたデジタル制御信号D2、DN−2、DN−1を処理し、処理済みのデジタル制御信号としての信号であるデジタル制御信号D2、DN−2、DN−1を、デジタル信号ライン130a、130b、130cに関連するDACスイッチ143a、143b、143cに供給するように構成される。実施形態によっては、処理は、たとえばクロック信号CLKを考慮に入れて、DACスイッチ143a、143b、143cを不定状態に設定するのを回避する。
【0019】
一実施形態では、C−DAC変換器140の基準電圧端子141が、基準電圧ライン135上のノード134に結合されたフィルタ抵抗132およびフィルタ・キャパシタンス133を備えるフィルタ構成に結合される。
【0020】
図3は、
図2に示した容量性デジタル・アナログ変換器(DAC)における、いくつかの実施形態による3投式スイッチ143の一構成の例示的な実装を示す回路図である。ほんの一例として、事前充電状態に設定されたスイッチ構成143aの一構成の実施形態が示してある。DACスイッチ構成143は、CLOSE状態にあるときに、DACキャパシタンス144をDAC供給電圧分岐138に結合するように構成された、事前充電スイッチ1431を備える。さらに、DACスイッチ構成143は、CLOSE状態にあるときに、DACキャパシタンス144を基準電圧ライン135に結合するように構成された、基準電圧スイッチ1432を備える。DACスイッチ構成143は、CLOSE状態にあるときに、DACキャパシタンス144を放電ライン139に結合するように構成された、放電スイッチ1433を備える。さらに、実施形態によっては、DACスイッチ構成143は、事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433それぞれの制御端子にデジタル制御信号Dを供給するように構成された、デジタル信号ライン130の分岐1301、1302、1303を備える。いくつかの実施によれば、DACスイッチ構成143は、事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433それぞれについて少なくとも1つ、トランジスタを備える。一実施形態では、スイッチ構成143aは、事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433のうち2つのスイッチが同時にCLOSE状態にならないように構成される。デジタル制御信号Dを供給するためのデジタル信号ライン130に関連して、本明細書で開示され説明される1つのDACスイッチ構成143は、DACスイッチ構成143a、143b、143cについて例示的なものであり、一実施形態では、全てのDACスイッチ構成のグループについて、容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)140に含まれ、3つの状態の間で切り替えるように構成されることを理解されたい。
【0021】
次に、
図4を参照しながら、いくつかの実施形態の動作を開示することになる。
図4は、ある期間TCAP全体を通して、
図3に示した容量性デジタル・アナログ変換器の実装を動作させて、事前充電段階、基準充電段階、および放電段階を含む作業段階のサイクル400の処理を受けるときのスイッチの状態を示す時間表である。
【0022】
例示的なアナログ・デジタル変換器(ADC)100の動作全体を通して、クロック・ライン115に供給されるクロック信号CLKは、HIGHレベルとLOWレベルの間で周期的に切り替わる。本明細書において、クロック処理および/または信号処理についての用語「HIGH」レベルおよび「LOW」レベルは、特に別段の言及がない限り、単に2つのクロック状態または信号状態をそれぞれ区別するだけのものであり、これらの用語は交換可能に使用することができる。すなわち、説明された動作は、逆の信号処理または混合信号処理、すなわち場合によっては、
図4に時刻t0および時刻t4で示したクロック信号CLKの例に示すように、立下り信号エッジまたは立上り信号エッジで実施することもできる。より具体的には、
図4には、時刻t0と時刻t2の間の参照番号401で、あるクロック期間TCLKが示してある。この例では、クロック信号CLKは、デューティ・サイクルが50%であるが、別のデューティ・サイクル値を使用することもできる。クロック信号CLKを使用して、本明細書に記載の動作を同期する。実施形態によっては、クロック信号CLKは、逐次近似レジスタ(SAR)120の動作を同期し、それに応じて、このレジスタは、クロック信号CLKに同期した容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)140にデジタル制御信号D0、D1、D2...DN−2、DN−1を出力する。実施形態によっては、逐次近似レジスタ(SAR)120の動作は、別個のクロックなど別のクロック源に同期することができる。たとえば、比較器180の動作、ならびに逐次近似レジスタ(SAR)120の動作に、別のクロック源を使用してもよい。いくつかの実装によれば、SAR120は、選択装置として動作可能であり、DACスイッチ構成143a、143b、143cを選択して、事前充電段階、基準充電段階、および放電段階の各作業段階のサイクルの処理を受けるように構成される。したがって、いくつかの実装によっては、以下に述べるように、DACスイッチ構成143a、143b、143cのうち選択されたスイッチ構成が、SAR120からデジタル制御信号を受信してもよい。
【0023】
時刻t0において、DACスイッチ構成143の事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433はOPEN状態である。クロック信号CLKに同期されると、逐次近似レジスタ(SAR)120は、とりわけ、関連するデジタル信号ライン上にデジタル制御信号Dを出力する。容量性デジタル・アナログ変換器(C−DAC)140、特にデジタル信号ライン130に接続するように結合されたスイッチ構成143では、デジタル制御信号Dが、事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433に分配される。
【0024】
時刻t1において、選択されたDACキャパシタンス144の事前充電段階、基準充電段階、および放電段階を含む、作業段階のサイクル400が開始する。事前充電スイッチ1431で受信されたデジタル制御信号Dによって、事前充電スイッチ1431がCLOSE状態に設定される。したがって、事前充電スイッチ1431は、供給電圧ライン110からDAC供給電圧分岐138および事前充電スイッチ1431を介してDACキャパシタンス144に電荷が流れるための接続を実現する。時間間隔405において、基準電圧スイッチ1432および放電スイッチ1433が、開状態であり(
図3には図示せず)、その結果、DACキャパシタンス144は、基準電圧ライン135を介して充電を受けることもなく、アースに放電することもない。DACキャパシタンス144を供給電圧のレベルVDDの近くにまで充電するのに十分長い、dt1の長さの時間間隔405の後、t2において、受信したデジタル制御信号Dが、事前充電スイッチ1431を制御してOPEN状態にする。したがって、事前充電スイッチ1431は、電圧源ライン110からDACキャパシタンス144を切断する。長さdt2の時間間隔410において、DACスイッチ構成143の事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433はOPEN状態である。したがって、2つのスイッチがCLOSE状態でオーバラップすること、およびそれに関連して回路状態が不確定になること、電圧源からアースに流れる短絡回路電流、ならびに装置の安全動作に不都合な他の影響が確実に回避される。いくつかの実施形態によれば、時間間隔405の長さdt1と比較して、時間間隔410の長さdt2を短くすることができ、この実装を製造する際に使用される製造プロセスの技術的なパラメータが、時間間隔410の最短の長さdt2を決定することができる。
【0025】
時刻t3において、基準電圧スイッチ1432で受信されたデジタル制御信号Dが、基準電圧スイッチ1432を制御してCLOSE状態にする。したがって、基準電圧スイッチ1432は、基準電圧源から基準電圧フィルタ構成132、133、134、基準電圧ライン135、および基準電圧スイッチ1432を介してDACキャパシタンス144に電荷が流れるための接続を実現する。DACキャパシタンス144を基準電圧のレベルVREFにまで充電するのに十分長い、dt3の長さの時間間隔415の後、t4において、受信したデジタル制御信号Dが、基準電圧スイッチ1432を制御してOPEN状態にする。したがって、基準電圧スイッチ1432は、基準電圧ライン135からDACキャパシタンス144を切断する。長さdt4の時間間隔420において、DACスイッチ構成143の事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433はOPEN状態である。したがって、2つのスイッチがCLOSE状態でオーバラップすること、および回路状態が不確定になること、電圧源からアースに流れる短絡回路電流、ならびに装置の安全動作に不都合な他の影響が確実に回避される。時間間隔405の長さdt1と比較して、時間間隔410の長さdt4を短くすることができる。
【0026】
時刻t5において、放電スイッチ1433で受信されたデジタル制御信号D2が、放電スイッチ1433を制御してCLOSE状態にする。したがって、放電スイッチ1433は、DACキャパシタンス144から放電スイッチ1433および放電ライン139を介してアース101に電荷が流れるための接続を実現する。実装によっては、アース以外の何か他のバイアス電圧レベルに放電を実行してもよい。実施形態によっては、図示してはいないが、充電に関して本明細書において開示される原理は、放電にも適用することができる。したがって、2つ以上の段階で様々な電位に放電が実行される。たとえば、第1の放電段階では、バイアス電圧レベルに放電が実行され、次いで第2の放電段階では、バイアス電圧レベルとは異なるアース電圧レベルに放電が実行される。DACキャパシタンス144をアースでのバイアス電圧レベルの近くにまで放電するのに十分長い、dt5の長さの時間間隔425の後、t6において、受信したデジタル制御信号Dが、放電スイッチ1433を制御してOPEN状態にする。したがって、放電スイッチ1433は、アース101からDACキャパシタンス144を切断する。長さdt6の時間間隔430において、DACスイッチ構成143の事前充電スイッチ1431、基準電圧スイッチ1432、および放電スイッチ1433はOPEN状態である。したがって、2つのスイッチがCLOSE状態でオーバラップすること、および回路状態が不確定になること、電圧源からアースに流れる短絡回路電流、ならびに装置の安全動作に不都合な他の影響が確実に回避される。時間間隔405の長さdt1と比較して、時間間隔430の長さdt6を短くすることができる。
【0027】
時刻t7において、DACキャパシタンス144aの事前充電、基準充電、および放電の作業段階の別サイクル400が開始してこのサイクルを繰り返し、これは、時刻t1で開始し、期間TCAPの間実行される。実施形態によっては、たとえば、
図4に示した実装の場合のように、デジタル・アナログ(DAC)キャパシタンス144aの事前充電が、クロック信号CLKのある期間TCLK401において完了する。対照的に、基準電圧VREFのレベルへの充電が、クロック期間TCLK401の倍数で完了する。したがって、実装に必要性に応じて、電流の流れを最適化することができる。具体的には、ある相対的に強いパルスで、電圧源から電流を引いてきて、基準電圧源から電流を引いてくる前に既に事前充電している間に、基準電圧レベルに必要となるDACキャパシタンス144a上の充電のほとんどを供給することができる。したがって、DACキャパシタンス144を基準電圧レベルにまで充電するには、基準電圧源から引いてくる電流が少なくて済み、基準電圧源からの電流の流れに関連する欠点がこのように回避される。
【0028】
一実施形態では、供給電圧VDDのレベルの近く、またはちょうど供給電圧VDDのレベルにまでDACキャパシタンス144を事前充電することにより、基準電圧ライン135に結合された基準電圧源からの必要以上の充電の流れが回避されるが、それというのも、DACキャパシタンス144の事前充電電圧レベルが、基準電圧源の基準電圧レベルVREFとは異なる程度にしか、電荷が流れないからである。
【0029】
図5は、
図3に示した例示的な実装の変形形態を示す図であり、この変形形態はさらに、いくつかの実施形態による電圧レベル回路を備える。電圧レベル回路は、電圧源ライン110とDAC電圧源分岐138の間に結合されたソースフォロア137を備える。さらに、電圧レベル回路は、基準電圧ライン135上のノード134とソースフォロア137との間に接続された電源制御ライン136を備える。電圧レベル回路は、供給電圧レベルVDDとは異なる電圧レベルにまで、DACキャパシタンス144の事前充電を実行できるようにする機能を、前述の実施形態に提供する。したがって、供給電圧レベルVDDに関係なく、この装置は、基準電圧VREFのレベルに近い、または基準電圧VREFのレベルにほぼ等しい、事前充電電圧のレベルを達成するように構成することができる。少なくとも1つの効果は、基準電圧源上の基準充電電流負荷が特に低いことでもよい。
【0030】
図6は、
図3に示した例示的な実装のさらに別の変形形態を示す図であり、この変形形態は、いくつかの実施形態によるタイミング回路を備える。このタイミング回路は、デジタル信号ライン130と、容量性スイッチ構成143によく似ている容量性スイッチ構成643との間に結合されたタイミング・ブロック600で示してある。いくつかの実施によれば、前述のADC100のC−DAC変換器140では、容量性スイッチ構成643が、容量性スイッチ構成143に取って代わることができることを理解されたい。以下に説明するように、いくつかの実施形態によれば、タイミング・ブロック600は、SAR120から供給されるデジタル制御信号Dを処理し、デジタル制御信号Dを処理した結果として、イネーブル信号を容量性スイッチ構成643に供給するように構成される。本明細書において、「処理」という用語は、少なくとも、デジタル制御信号Dを複数の信号経路上に分配すること、デジタル制御信号Dに論理演算(たとえば、NOT演算、AND演算など)を実行すること、およびデジタル制御信号Dの遅延のうちの1つまたは複数を意味することができる。
【0031】
容量性スイッチ構成643は、事前充電スイッチ6431、基準電圧スイッチ6432、および放電スイッチ6433を備える。さらに、容量性スイッチ構成643は、事前充電スイッチ6431に結合され、制御信号を事前充電スイッチ6431に供給するように構成された、事前充電信号分岐6301を備える。さらに、容量性スイッチ構成643は、基準電圧スイッチ6432に結合され、制御信号を基準電圧スイッチ6432に供給するように構成された、基準電圧充電信号分岐6302を備える。さらに、容量性スイッチ構成643は、放電スイッチ6433に結合され、制御信号を放電スイッチ6433に供給するように構成された、放電信号分岐6303を備える。例示的な一実装によれば、容量性スイッチ構成643は、イネーブル信号の制御下のスイッチ、たとえば事前充電スイッチ6431、基準電圧スイッチ6432、および放電スイッチ6433に供給されるイネーブル信号を、LOWレベルに変更することで、このスイッチを制御してOPEN状態にするように構成される。さらに、容量性スイッチ構成643は、イネーブル信号をHIGHレベルに変更することで、制御されたスイッチをCLOSE状態に設定するように構成される。
【0032】
タイミング・ブロック600内のタイミング回路は、第1の分岐ノード601を備え、デジタル信号ライン130の経路は、デジタル信号分岐611、621、631に分岐する。事前充電信号分岐611が、事前充電制御ANDゲート610への第1の入力に結合されており、基準電圧充電デジタル信号分岐621が、基準電圧充電制御ANDゲート620に結合される。放電デジタル信号分岐631は、放電制御信号反転器630に結合される。さらに、基準電圧充電デジタル信号分岐621は、第2の分岐ノード602を備え、ここで、遅延要素604への経路が分岐し、この経路は、所定の時間だけ遅延要素604に入力されるデジタル制御信号の出力を遅延するように構成される。遅延要素604の出力は、事前充電制御信号分岐605を介して、事前充電制御信号反転器608に結合される。事前充電制御信号反転器608の出力は、反転信号ライン612を介して、事前充電制御ANDゲート610の第2の出力に結合される。さらに、遅延要素604の出力は、遅延信号ライン622を介して、基準電圧充電制御ANDゲート620の第2の入力に結合される。
【0033】
次に、具体的には
図4および
図6を参照して、タイミング・ブロック600の動作を簡潔に説明する。時刻t0において、デジタル制御信号Dが、LOWレベルからHIGHレベルに変化する(
図4に参照番号441で示す)。したがって、事前充電制御ANDゲート610への第1の入力は、第1のノード601および事前充電デジタル信号分岐611を介して、LOWレベルからHIGHレベルに変化するデジタル制御信号Dを受信する。事前充電制御ANDゲート610への第2の入力を考慮すると、デジタル制御信号Dは、第2のノード602を介して遅延要素604にも供給される。しかし、遅延要素604は、LOWレベルからHIGHレベルへの変化441の出力を遅延する。その間に、遅延要素604は、分岐605を介して、事前充電制御信号反転器608に供給されるLOWレベルのデジタル制御信号を出力し続ける。したがって、事前充電制御信号反転器608は、反転信号ライン612を介して、事前充電制御ANDゲート610の第2の入力にHIGHレベル信号を出力する。したがって、事前充電制御ANDゲート610は、事前充電スイッチ6431へのHIGHレベルの事前充電イネーブル信号を、事前充電信号分岐6301に出力する。したがって、遷移している短い時間間隔dt6の後、事前充電スイッチ6431は、CLOSE状態に設定され、時刻t1において、作業段階の1サイクル400の動作が開始するが、それというのも、電源ライン110から、事前充電スイッチ6431を介して、DACキャパシタンス144に電荷が流れ始めるからである。
【0034】
時刻t2において、遅延要素604は、遅延時間間隔dt1が終了した後に、LOWレベルからHIGHレベルへの信号変化を出力する。したがって、事前充電制御信号反転器608は、HIGHレベルでの信号を受信し、事前充電制御ANDゲート610の第2の入力にLOWレベル信号を出力する。したがって、事前充電制御ANDゲート610は、事前充電スイッチ6431へのLOWレベルの事前充電イネーブル信号を、事前充電信号分岐6301に出力する。したがって、事前充電スイッチ6431は、OPEN状態に設定され、充電が終了して、電源ライン110からDACキャパシタンス144に流れる。
【0035】
やはり時刻t2において、基準電圧充電制御ANDゲート620の第2の入力が、遅延要素604から出力されるときにLOWレベルからHIGHレベルに変化するイネーブル信号を受信する。したがって、基準電圧充電制御ANDゲート620は、基準電圧スイッチ6432に対する基準電圧充電イネーブル信号のLOWレベルからHIGHレベルへの変化を、基準電圧充電信号分岐6302に出力する。したがって、基準電圧スイッチ6432はCLOSE状態に設定される。
【0036】
時刻t3において、遷移時間間隔dt2が終了した後に、事前充電スイッチ6431での切替え状態が完了する。所定の遅延時間間隔dt1が十分に長かったと仮定すれば、時刻t3のこの時点において、DACキャパシタンス144が充電されて、供給電圧VDDのレベルになる。
【0037】
さらに、時刻t3において、遷移時間間隔dt2が終了した後に、基準電圧スイッチ6432での切替え状態が完了する。DACキャパシタンス上の電圧レベルが基準電圧レベルVREFよりも低いと仮定すれば、基準電圧源から、基準電圧フィルタ構成132、133、134、基準電圧ライン135、および基準電圧スイッチ6432を介して、DACキャパシタンス144に電荷が流れる。
【0038】
時刻t4において、デジタル制御信号Dが、HIGHレベルからLOWレベルに変化する(
図4に参照番号442で示す)。したがって、基準電圧充電制御ANDゲート620の第1の入力は、基準電圧充電デジタル信号分岐621を介して、HIGHレベルからLOWレベルに変化するデジタル制御信号Dを受信する。したがって、基準電圧充電制御ANDゲート620は、基準電圧スイッチ6432に対する基準電圧充電イネーブル信号のHIGHレベルからLOWレベルへの変化を、基準電圧充電信号分岐6302に出力する。したがって、基準電圧スイッチ6432はOPEN状態に設定される。
【0039】
さらに、時刻t4において、放電制御信号反転器630は、第1のノードおよび放電デジタル信号分岐631を介して、HIGHレベルからLOWレベルに変化するデジタル制御信号Dを受信する。したがって、放電制御信号反転器630は、放電スイッチ6433に対するHIGHレベルの放電制御信号を、放電信号分岐6303に出力する。
【0040】
時刻t5において、遷移時間間隔dt4が終了した後に、基準電圧スイッチ6432での切替え状態が完了する。時間間隔dt3が十分に長かったと仮定すれば、時刻t5のこの時点において、DACキャパシタンス144が充電されて、基準電圧VREFのレベルになる。
【0041】
さらに、時刻t5において、遷移時間間隔dt4が終了した後に、基準電圧スイッチ6433での切替え状態が完了し、放電スイッチ6433がCLOSE状態に設定され、DACキャパシタンス144から、放電スイッチ6433および放電ライン139を介して、アース101に電荷が流れる。
【0042】
時刻t6において、デジタル制御信号Dが、やはりLOWレベルからHIGHレベルに変化する(
図4に参照番号443で示す)。遷移時間間隔dt6が終了した後に、結果として、放電スイッチ6433での切替えが完了する。同様に、充電および放電のサイクルの始まりに関して先に述べた、事前充電スイッチ6431での切替えが完了する。
【0043】
遷移している短い時間間隔dt6の後、作業段階の1サイクル400が完了する。
【0044】
選択されたDACキャパシタンス144を動作させるための、スイッチ構成143、643のタイミング制御の他の実装は、本開示の範囲内にある。実施形態によっては、先に開示された回路の回路素子は全て、同じ製造技術で製造されて、集積回路チップなど装置のそれぞれの実施形態を実装するのに使用される製造技術に関係なく、所与の回路設計の時間および温度に依存する一貫した挙動を実現する。
【0045】
代替実施形態によっては、充電段階に関して先に開示された原理が放電段階にも適用され、したがって、この放電段階は、事前放電および放電を、単独で、または事前充電および充電を包含する充電段階と組み合わせて包含し、本開示の範囲内にあることを理解されたい。したがって、実施形態によっては、容量性スイッチ構成は、それぞれのキャパシタンスを事前放電することに関連するスイッチ制御回路を備えるように構成される。
【0046】
いくつかの実施形態による一態様では、この記述により、アナログ・デジタル変換、具体的にはアナログ・デジタル変換用の回路を動作させる際に使用するための方法が説明されている。この回路は、複数のデジタル・アナログ(DAC)キャパシタンスにおいて、少なくとも1つのDACキャパシタンスを含む。一実施形態は、第1の充電電圧レベルに設定された第1の電圧源を、この少なくとも1つのDACキャパシタンスに切り替えるステップを含む。少なくとも1つの効果は、DACキャパシタンスが、場合によっては第1の充電電圧レベルで事前充電または事前放電され、事前充電の場合には、第1の電圧源から少なくとも1つのDACキャパシタンスに電荷が流れ、または事前放電の場合には、少なくとも1つのDACキャパシタンスから第1の電圧源に電荷が流れることでもよい(したがって、第1の電圧源は「第1の電圧低下」を生じる)。一実施形態では、たとえば事前充電の場合、第1の電圧源は供給電圧源である。少なくとも1つの効果は、供給電圧源から充電電流を引いても、他の電圧源に悪影響を及ぼさないことでもよい。実施形態によっては、事前放電の場合、第1の充電電圧レベルとしての事前放電電圧レベルに事前放電電圧端子が設定されることにより、少なくとも1つのDACキャパシタンスと第1の電圧源との結合が実行される。一実施形態は、少なくとも1つのDACキャパシタンスから第1の電圧源を分離するステップを含む。少なくとも1つの効果は、少なくとも1つのDACキャパシタンスの電圧が、第1の充電電圧レベルに保持されることでもよい。一実施形態は、基準電圧レベルに設定された第2の電圧源を、この少なくとも1つのDACキャパシタンスに切り替えるステップを含む。実施形態によっては、事前放電および放電を実装することで、基準電圧レベルは、事前放電電圧レベルとは異なる放電電圧レベルである。実施形態によっては、放電電圧レベルはアースになる。少なくとも1つの効果は、少なくとも1つのDACキャパシタンスが、場合によっては基準電圧レベルで充電または放電され、充電の場合には、第2の電圧源から少なくとも1つのDACキャパシタンスに電荷が流れ、または放電の場合には、少なくとも1つのDACキャパシタンスから第2の電圧源に電荷が流れることでもよい(したがって、第2の電圧源は「第2の電圧低下」を生じる)。一実施形態では、第2の電圧源は基準電圧源である。少なくとも1つの効果は、第1の電圧源のみが使用される場合よりも高い確度で、基準電圧レベルなど所定の電圧レベルを保持できることでもよい。
【0047】
一実施形態は、少なくとも1つのDACキャパシタンスから第2の電圧源を分離するステップを含む。少なくとも1つの効果は、DACキャパシタンスの電圧が、第2の電圧レベルに保持されることでもよい。一実施形態は、少なくとも1つのDACキャパシタンスを、放電電圧レベルに設定された放電端子に切り替えるステップを含む。少なくとも1つの効果は、サンプルアンドホールド回路の以前のサンプリング・サイクル中に収集された電荷が、DACキャパシタンスから放電されることでもよい。
【0048】
一実施形態では、それぞれの切替えは、事前充電段階、基準充電段階、および放電段階を含む一連の作業段階における、互いに異なる作業段階に入ることを示す。一実施形態では、任意の2つの作業段階の間にオーバラップはない。一実施形態は、事前充電電圧レベルを基準電圧レベルに設定するステップを含む。少なくとも1つの効果は、基準充電段階において、少なくとも1つのDACキャパシタンスに電荷が流れないことでもよい。
【0049】
実装によっては、充電と放電の両方が、それぞれ事前充電および事前放電を含む。したがって、充電で使用するための第1の基準電圧源、および放電で使用するための第2の基準電圧源が設けられ、互いに異なる電圧レベルに設定される。たとえば、前述の通り、第1の基準電圧レベルは基準電圧レベルであり、第2の基準電圧レベル、すなわち放電電圧レベルはアース電圧のレベルである。さらに、実施形態によっては、事前充電で使用するように構成された第1の電圧源、および事前放電で使用するように構成された第1の電圧源は、同じ電圧レベルに設定された同じ第1の電圧源である。しかし、実施形態によっては、事前充電で使用するように構成された第1の電圧源、および事前放電で使用するように構成された別の第1の電圧源は、別々に設けられ、互いに異なる電圧レベルに設定される。
【0050】
一実施形態は、供給電圧レベルから、事前充電電圧レベルを導出するステップを含む。少なくとも1つの効果は、基準電圧源が、DACキャパシタンスを事前充電することによって影響されないことでもよい。基準電圧への不要な影響を補償するために通常設けられるバッファは、これを省くことができ、または従来よりも狭い面積で設計することができる。一実施形態では、供給電圧レベルは基準電圧レベルである。少なくとも1つの効果は、基準充電段階において、基準電圧源からの電流の流れが回避されることでもよいが、それというのも、事前充電段階においては、DACキャパシタンスが、供給電圧源の確度で基準電圧レベルに既に充電されているからである。
【0051】
一実施形態は、少なくとも1つのDACキャパシタンスに一連の作業段階を選択的に適用するための切替えを制御するステップを含む。同時には必要とならないDACキャパシタンスの事前充電、充電、および放電に関連する変位電流による電力損失を、こうして回避することができる。一実施形態は、周期的なパターンを有するクロック信号を供給するステップと、このクロック信号への切替えおよび/または分離を同期するステップとを含む。したがって、各作業段階はクロック信号の倍数であり、各作業段階のいずれかに入るための切替えは、クロック信号に同期することができる。一実施形態では、基準充電段階の持続時間は、事前充電段階の持続時間の数倍分だけ継続する。
【0052】
この記述は、いくつかの実施形態による一態様では、アナログ・デジタル変換で使用するための装置を説明する。一実施形態は、基準電圧に設定するように構成された基準電圧端子と、この基準電圧端子に切替え可能に結合された少なくとも1つのデジタル・アナログ(DAC)キャパシタンスと、少なくとも1つのDACキャパシタンスに結合され、少なくとも1つのDACキャパシタンスを選択的に切り替えて、基準電圧を受けるように構成された選択装置と、少なくとも1つのDACキャパシタンスに結合され、基準電圧を受けるように選択された少なくとも1つのDACキャパシタンス上に蓄えられた蓄積電荷を表すDAC電圧を出力するように構成されたバイアス端子と、供給電圧に設定するように構成された供給電圧端子とを備え、少なくとも1つのDACキャパシタンスが供給電圧端子に切替え可能に結合される。少なくとも1つの効果は、少なくとも1つのDACキャパシタンスに基準電圧が印加されているときに、装置がDAC電圧を供給することでもよい。実施形態によっては、この装置は、少なくとも事前放電段階および最終放電段階を含む複数の段階で、少なくとも1つのデジタル・アナログ変換器(DAC)のキャパシタンスを放電するように構成される。DACキャパシタンスを充電することに関して、このセクションで開示した原理を適用すると、第1の放電電圧レベルまで事前放電している間、および第2の放電電圧レベルまで事前放電している間に放電が実行される。
【0053】
一実施形態は、供給電圧端子と少なくとも1つのDACキャパシタンスとの間に結合され、供給電圧端子から少なくとも1つのDACキャパシタンスへの電荷の流れを制御するように構成された事前充電スイッチを備える。少なくとも1つの効果は、供給電圧端子を使用して、DACキャパシタンスを事前充電できることでもよい。
【0054】
一実施形態は、供給電圧端子と事前充電スイッチの間に結合されたバッファを備える。少なくとも1つの効果は、供給電圧レベルとは異なり、かつ/または基準電圧レベルに近い事前充電電圧レベルをバッファが供給して、基準電圧端子を介して引かれる電流を低減し、基準電圧源から多量の電流を引くことの悪影響を回避できることでもよい。一実施形態では、バッファはソースフォロアとして設けられる。したがって、少なくとも1つのDACキャパシタンスを事前充電するために、また事前充電を制御するために、様々な電圧源を使用することができる。
【0055】
一実施形態は、少なくとも1つのDACキャパシタンスに結合され、電流パルスを供給して、少なくとも1つのDACキャパシタンスを事前充電するように構成されたパルス発生器を備える。実施形態によっては、少なくとも1つの別のパルス発生器が設けられ、その結果、DACキャパシタンスのグループがそれぞれ、互いに異なるパルス発生器と連動し、DACキャパシタンスの各グループが、少なくとも1つのDACキャパシタンスを包含し、DACキャパシタンスのどの2つのグループも、共通のDACキャパシタンスを有することはない。一実施形態では、パルス発生器は、事前充電スイッチと同じタイプの回路素子から構成される。少なくとも1つの効果は、装置性能の依存性、たとえば装置を製造する際に使用されるプロセス技術、装置の動作温度、装置の動作電圧などへの依存性が、パルス発生器および事前充電スイッチにとって同じであることでもよい。様々な依存性を補償するための追加の補償回路を使用しなくても済む。一実施形態では、パルス発生器は、長さが基準電圧とは無関係の事前充電電流パルスを生成するように構成することができる。一実施形態では、パルス発生器は、少なくとも1つのDACキャパシタンスのうちのいくつかを事前充電するように構成される。一実施形態では、パルス発生器は、少なくとも1つのDACキャパシタンスのうちの全てのDACキャパシタンスを事前充電するように構成される。一実施形態では、パルス発生器は、事前充電パルスの持続時間を制御するように構成される。少なくとも1つの効果は、事前充電パルスの幅をデジタル処理で制御できることでもよい。
【0056】
一実施形態は、周期的なパターンを有するクロック信号を供給するように構成され、事前充電スイッチに結合されて、事前充電スイッチの制御に作用する信号発生器を備える。実施形態によっては、少なくとも1つの別の信号発生器が設けられ、その結果、DACキャパシタンスのグループがそれぞれ、互いに異なる信号発生器と連動し、DACキャパシタンスの各グループが、少なくとも1つのDACキャパシタンスを包含し、DACキャパシタンスのどの2つのグループも、共通のDACキャパシタンスを有することはない。少なくとも1つの効果は、DACキャパシタンスが事前充電される事前充電段階を実装できることでもよい。一実施形態は、クロック発生器と事前充電スイッチの間に結合されて、事前充電スイッチの制御に作用し、基準電圧端子からDACキャパシタンスへの電流の流れを遅延するように構成された遅延要素を備える。少なくとも1つの効果は、単一のスイッチ制御信号によって複数のスイッチを連続してアドレスすることができ、遅延要素が、連続して制御される2つのスイッチの切替えの間に遅延をもたらすことでもよい。遅延の持続時間を使用して、DACキャパシタンスを事前充電することができ、それにより、基準電圧端子から流れる電荷の量を低減することができる。
【0057】
この記述は、いくつかの実施形態による一態様では、アナログ・デジタル変換で使用するための機器を説明する。一実施形態は、入力電圧を受けるように構成された入力電圧端子と、DAC端子においてDAC電圧を供給するように構成されたデジタル・アナログ(DAC)装置と、入力電圧端子およびDAC端子に結合され、制御出力信号を供給するように構成された制御出力を有する比較器とを備え、本明細書において開示される実施形態のうち任意の実施形態によるDAC装置が設けられる。少なくとも1つの効果は、この機器が動作して、比較器の制御出力において、入力電圧端子で供給される入力電圧を、入力電圧のレベルを表すデジタル制御信号に供給することでもよい。
【0058】
本明細書において、「例示的」という用語は、代表例、具体例、または例証としての働きをもつことを意味するために本明細書で使用される。本明細書で「例示的」と記述されたいかなる態様または設計も、必ずしも好ましいものとして、または他の態様もしくは設計に勝って有利であると解釈されるものではない。むしろ、例示的という用語を使用することは、具体的に概念および技法を提示するものである。本明細書において、たとえば「技法」という用語は、本明細書に記載の文脈が示すように、1つまたは複数の装置、機器、システム、方法、製品、および/またはコンピュータ読取り可能な命令を指してもよい。本明細書において、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく、包含的な「または」を意味するものである。すなわち、別段の指定がない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを利用する」は、自然な包含的置換のいずれをも意味するものである。すなわち、XがAを利用する場合である。本明細書において、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞としての「a」および「an」という用語は一般に、別段の指定がない限り、または単数形を指すと文脈から明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味するものと解釈すべきである。本明細書において、「結合された」および「接続された」という用語は、様々な用語がどのように結びついているかを説明するのに使用されてきた。このように説明してきた様々な要素の結びつきは、直接的でもよく、間接的でもよい。
【0059】
態様によっては、機器との関連で説明してきたが、これらの態様はまた、対応する機能性の説明を示し、ブロックまたは装置が、機能の機能性もしくは特徴に対応する。同様に、機能性との関連で説明される態様はまた、対応するブロックもしくはアイテム、または対応する機器の特徴の説明を示す。本明細書に記載の様々な実施形態の特徴は、特に具体的な記載のない限り、互いに組み合わせてもよいことを理解されたい。本明細書において特定の実施形態を例示し、説明してきたが、様々な代替実装および/または同等な実装を、図示して説明した特定の実施形態の代わりとしてもよいことが当業者には理解されよう。本出願は、本明細書において議論した特定の実施形態の任意の改変形態または変形形態を包含するものである。本発明は、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。本明細書において論じた例示的な実装/実施形態は、様々な構成要素を組み合わせてもよい。本明細書における実装は、例示的な実施形態に関して説明してある。しかし、実装の個々の態様は、別々に特許請求してもよく、また様々な実施形態の特徴のうち1つまたは複数を組み合わせてもよいことを理解すべきである。場合によっては、よく知られた特徴を省いて、または簡略化して、例示的な実装の説明を明らかにする。例示的な実装の上記説明では、説明するために、具体的な数、材料構成、および他の詳細について述べて、特許請求の範囲に記載の本発明をよりよく説明する。しかし、特許請求される本発明は、本明細書に記載の例示的な詳細とは異なる詳細を使用して実施してもよいことが、当業者には明白になろう。発明者は、説明した例示的な実施形態/実装を、本質的には例示的なものであると考える。発明者は、これら例示的な実施形態/実装が、添付特許請求の範囲に記載の範囲を限定するものとは考えていない。むしろ、発明者は、特許請求される本発明が、現在または将来の他の技術とともに、他の方式で実施され、また実装されてもよいことを企図してきた。実施形態/実装、および方法/プロセスを説明する順序は、限定的なものと解釈するものではなく、説明された任意の数の実装およびプロセスを組み合わせてもよい。たとえば、いくつかの実装が、第1および第2の機能に関して先に説明されたとき、例示されていない他の実装は、第1の機能(第2の機能ではなく)のみを含んでもよく、または第1の機能(第2の機能ではなく)のみを含んでもよい。先に開示した概念の他の置換えおよび組合せも、本開示内にあるものと企図されている。本開示は、こうした全ての修正形態および変更形態を含み、以下の特許請求の範囲に記載の範囲によってのみ限定される。上記構成要素(たとえば、要素および/またはリソース)によって実行される様々な機能を考慮すると、本明細書で示した本開示の例示的な実装での機能を実行する開示された構造とは構造的に同等ではないが、こうした構成要素を記述するのに使用される用語は、別段の定めがない限り、(たとえば、機能的に同等な)説明された構成要素の指定された機能を実行する任意の構成要素に対応するものである。