【文献】
Humbert, Daniel et al.,Synthesis of [4H]-1,3-benzodioxin-2-carboxylic acids and esters and study of their hypolipemic activity,European Journal of Medicinal Chemistry,1983年,18(1),67-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
LPA受容体LPAR5の阻害、または血小板凝集もしくは血栓形成の低減もしくは阻害、またはマスト細胞の活性化の低減もしくは阻害、またはミクログリア細胞の活性化の低減もしくは阻害に応答する疾患の治療に使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるこれらの塩を含む医薬組成物。
血栓塞栓性疾患、深部静脈血栓症、静脈もしくは動脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎、冠動脈もしくは大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、播種性血管内凝固、心血管障害、一過性脳虚血発作、脳卒中、急性心筋梗塞、末梢血管疾患、妊娠高血圧腎症/子癇、血栓性血小板減少性紫斑症、炎症性障害、痛覚過敏、喘息、多発性硬化症、炎症性疼痛、血管新生、アレルギー応答、または再狭窄の治療に使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるこれらの塩を含む医薬組成物。
異常血栓形成、急性心筋梗塞、血栓塞栓症、血栓溶解療法もしくは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)に関連する急性血管閉鎖、一過性脳虚血発作、脳卒中、間欠的跛行、冠動脈もしくは末梢動脈のバイパス移殖、血管狭窄、冠動脈もしくは静脈血管形成術後の再狭窄、長期の血液透析患者のバスキュラーアクセス開通性のメンテナンス、腹部、膝もしくは股関節手術に続いて下肢の静脈に出現する病理的血栓形成、肺血栓塞栓症のリスク、または敗血症性ショック、ウイルス感染症もしくは癌の間に血管系に出現する播種性全身性血管内凝固障害の治療に使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるこれらの塩を含む医薬組成物。
炎症性疼痛、喘息、血管新生、中枢神経系もしくは末梢神経系の脱髄性疾患、多発性硬化症、横断性脊髄炎、視神経炎、デビック病、ギラン・バレー症候群または慢性炎症性脱髄性多発性神経障害の治療に使用するための、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物または薬学的に許容されるこれらの塩を含む医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物
[式中、
Aは、R
11−O−C(O)−、R
12−N(R
13)−C(O)−およびHet
1からなる系列から選択され;
R
1、R
2、R
3およびR
4は、水素、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−、Ar、Het
2、(C
1〜C
4)−アルキル−C(O)−、Ar−C(O)−、R
14−N(R
15)−C(O)−、Het
3−C(O)−、(C
1〜C
4)−アルキル−O−、Ar−O−、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−O−、(C
1〜C
4)−アルキル−S(O)
n−、Ar−S(O)
n−、R
11−N(R
12)−S(O)
2−、Het
3−S(O)
2−、(C
1〜C
4)−アルキル−NH−およびジ((C
1〜C
4)−アルキル)N−からなる系列から互いに独立に選択され、
ならびに、R
1およびR
2、またはR
2およびR
3、またはR
3およびR
4のいずれかは、これらを保持する炭素原子と一緒になって、ベンゼンおよび5員または6員のシクロアルカンからなる系列から選択される炭素環を形成することができ、ここで、ベンゼン環は、非置換であるか、またはハロゲン、および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており、シクロアルカン環は、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
R
5は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され;
R
11、R
12、R
13、R
14およびR
15は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から互いに独立に選択され;
Z
1およびZ
2基の一方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、他方は、水素、(C
1−C
8)−アルキル、(C
3〜C
8)−シクロアルキルおよびフェニルからなる系列から選択され、ここで、すべてのシクロアルキル基は、互いに独立に、非置換であるか、またはフッ素、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置
換されており、フェニル基は、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、シアノ、(C
1〜C
4)−アルキル−O−および(C
1〜C
4)−アルキル−S(O)
n−からなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており、
Arは、フェニル、またはN、OおよびSからなる系列から選択される1個もしくは2個の同じもしくは異なる環ヘテロ原子を含む、芳香族で5員もしくは6員の単環式複素環であり、これらはすべて、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、シアノ、(C
1〜C
4)−アルキル−O−および(C
1〜C
4)−アルキル−S(O)
n−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
Het
1は、N、OおよびSからなる系列から選択される、1から4個の同じまたは異なる環ヘテロ原子を含む、部分的に不飽和または芳香族で5員の単環式複素環であり、これは、環炭素原子を介して結合されており、ならびにこれは、非置換であるか、または(C
1〜C
4)−アルキル、ヒドロキシおよびオキソからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
Het
2は、N、OおよびSからなる系列から選択される、1個または2個の同じまたは異なる環ヘテロ原子を含む、飽和で4員から7員の単環式複素環であり、これは環炭素原子または環窒素原子を介して結合されており、ならびにこれは、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
Het
3は、Het
3がそれを介して結合されている環窒素原子を含み、およびN、OおよびSからなる系列から選択される、0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含む、飽和で4員から7員の単環式複素環であり、これは、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
nは、数、0、1および2から選択され;
ここで、すべてのアルキル基は、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上のフッ素置換基によって置換されている]ならびにすべてのこれらの立体異性体形態および立体異性体形態の任意の比率の混合物、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩に関する。
【0016】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物
[式中、
Aは、R
11−O−C(O)−またはHet
1から選択され;
R
1、R
2、R
3およびR
4は、水素、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−、Ar、Het
2、(C
1〜C
4)−アルキル−C(O)−、Ar−C(O)−、R
14−N(R
15)−C(O)−、Het
3−C(O)−、(C
1〜C
4)−アルキル−O−、Ar−O−、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−O−、R
11−N(R
12)−S(O)
2−、Het
3−S(O)
2−、(C
1〜C
4)−アルキル−NH−およびジ((C
1〜C
4)−アルキル)N−からなる系列から互いに独立に選択され、
ならびに、R
1およびR
2基、またはR
2およびR
3基、またはR
3およびR
4基のいずれかは、これらを保持する炭素原子と一緒になって、ベンゼンおよび5員または6員のシクロアルカンからなる系列から選択される炭素環を形成することができ、ここで、ベンゼン環は、非置換であるか、またはハロゲン、および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており、シクロアルカン環は、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
R
5は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され;
R
11、R
12、R
14およびR
15は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからな
る系列から互いに独立に選択され;
Z
1およびZ
2基の一方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、他方は、水素、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
3〜C
8)−シクロアルキルおよびフェニルからなる系列から選択され、ここで、すべてのシクロアルキル基は、互いに独立に、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており、フェニル基は、非置換であるか、またはハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており、
Arは、フェニル、またはN、OおよびSからなる系列から選択される1個もしくは2個の同じもしくは異なる環ヘテロ原子を含む、芳香族で5員もしくは6員の単環式複素環であり、これらはすべて、非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
【0017】
Het
1は、
【化3】
からなる系列から選択され、ここで、R
10は、水素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択され;
Het
2は、N、OおよびSからなる系列から選択される、1個または2個の同じまたは異なる環ヘテロ原子を含む、飽和で5員または6員の単環式複素環であり、これは環炭素原子または環窒素原子を介して結合されており、ならびにこれは、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
Het
3は、Het
3がそれを介して結合されている環窒素原子を含み、およびN、OおよびSからなる系列から選択される、0個または1個のさらなる環ヘテロ原子を含む、飽和で5員または6員の単環式複素環であり、これは、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
ここで、すべてのアルキル基は、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上のフッ置換基によって置換されている]ならびにすべてのこれらの立体異性体形態および立体異性体形態の任意の比率の混合物、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩に関する。
【0018】
別の実施形態において、本発明は式Iの化合物
[式中、
Aは、R
11−O−C(O)−
【化4】
からなる系列から選択され;
R
1、R
2、R
3およびR
4は、水素、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
1〜C
4)−ペルフルオロアルキル、(C
1〜C
4)−アルキル−O−、(C
1〜C
4)−ペルフルオロアルキル−O−、フェニル、ピロリル、ピリジニル、ピリジニル−O−、ピロリジニル−S(O)
2−、モルホリニル、Ar−C(O)−、Ar−O−、ジ((C
1〜C
4)−アルキル)N−、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−およびAr−(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から互いに独立に選択され、
ならびに、R
1およびR
2基、またはR
2およびR
3基、またはR
3およびR
4基のいずれかは、これらを保持する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環またはシクロヘキサン環を形成することができ、ここで、ベンゼン環は、非置換であるか、またはハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており、シクロヘキサン環は、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されており;
R
5は、水素またはメチルであり;
Z
1およびZ
2は、同じであり、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、またはZ
1およびZ
2残基の一方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、他方は、水素またはフェニルであり;
Arは、非置換であるか、またはハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の同じもしくは異なる置換基によって置換されているフェニルである]ならびに、すべてのこれらの立体異性体形態および立体異性体形態の任意の比率の混合物、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩に関する。
【0019】
一実施形態において、式Iの化合物は、上記のように定義され、Aは、R
11−O−C(O)−およびHet
1からなる系列から選択される残基であり、別の実施形態において、AはR
11−O−C(O)−であり、別の実施形態において、AはHO−C(O)−である。一実施形態において、Aを表しているHet
1基は、任意の1個またはそれ以上の基
【化5】
であり、
ここで、これらの基の式において、およびAを表している他の特定のHet
1基の式において、アスタリスクの付けられた線は、該基が、A基を保持する環炭素原子にそれを介して結合されている遊離原子価(free bond)を表す。
【0020】
一実施形態において、式Iの化合物は上記のように定義され、R
1、R
2、R
3およびR
4は、同じかまたは異なり、任意の1個またはそれ以上の基、
水素;
ハロゲン;
(C
1〜C
4)−アルキル、ここで、一実施形態において、(C
1〜C
4)−アルキルは、任意の1個またはそれ以上の、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル基から選択される;
(C
1〜C
4)−アルキル−O−、ここで、一実施形態において、(C
1〜C
4)−アルキル−O−は、任意の1個もしくはそれ以上の、メチル−O−、エチル−O−、プロピル−O−およびブチル−O−基から選択される;
Ar、ここで、一実施形態において、Arは、任意の1個もしくはそれ以上の、フェニル、ピロリルおよびピリジニル基から選択される;
Ar−C(O)−、ここで、一実施形態において、Ar−C(O)−はフェニル−C(O)−であり、一実施形態において、非置換であるか、または置換されており、別の実施形態において、例えば、1個もしくは2個のハロゲン置換基、例えば塩素置換基によって置換されており、別の実施形態において、Ar−C(O)−は、クロロで置換されているベンゾイル基、例えばCl−フェニル−C(O)−である;
Ar−O−、ここで、一実施形態において、Ar−O−は、任意の1個もしくはそれ以上のピリジニル−O−およびフェニル−O−基から選択され、一実施形態において、非置換であるか、または置換されており、別の実施形態において、例えば、1個もしくは2個のハロゲン置換基、例えば塩素置換基によって置換されており、別の実施形態において、Ar−O−は、任意の1個またはそれ以上のピリジニル−O−およびCl−フェニル−O−基から選択される;
ジ((C
1〜C
4)−アルキル)N−、ここで、一実施形態において、ジ((C
1〜C
4)−アルキル)N−は、任意の1個またはそれ以上の(メチル)
2N−および(エチル)
2N−基から選択される;
Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−、ここで、一実施形態において、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−中のAr基は、フェニルであり、別の実施形態において、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−はベンジルであり、一実施形態において、Arは、非置換であるか、または置換されており、別の実施形態では、例えば、1個もしくは2個のハロゲン置換基、例えば塩素置換基によって置換されている、
Het
3−S(O)
2−、ここで、一実施形態において、Het
3−S(O)
2−は、ピロリジニル−SO
2−である;
Het
2、ここで、一実施形態において、Het
2は、モルホリニルである;
1個またはそれ以上のフッ素置換基によって置換されている(C
1〜C
4)−アルキル、ここで、一実施形態において、そのフッ素で置換されている(C
1〜C
4)−アルキルは、(C
1〜C
4)−ペルフルオロアルキルであり、別の実施形態においてトリフロオロメチル、即ちF
3C−である;
1個またはそれ以上のフッ素置換基によって置換されている(C
1〜C
4)−アルキル−O−、ここで、一実施形態において、そのフッ素で置換されている(C
1〜C
4)−アルキル−O−は、(C
1〜C
4)−ペルフルオロアルキル−O−であり、別の実施形態において、トリフルオロメトキシ、即ちF
3C−O−である
からなる系列から互いに独立に選択され;
ならびに、R
1およびR
2基、またはR
2およびR
3基、またはR
3およびR
4基のいずれかは、これらを保持する炭素原子と一緒になって、ベンゼン環または5員から7員のシクロアルカン環を形成することができ、ここで、一実施形態において、その環は、ベンゼン環またはシクロペンタンまたはシクロヘキサン環、別の実施形態において、ベンゼン環またはシクロヘキサン環であり、ここで、一実施形態において、2個のR
1、R
2、R
3およびR
4基によって形成されたベンゼン環は、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の、例えば、ハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくは2個の、同じもしくは異なる置換基によって置換されており、2個のR
1、R
2、R
3およびR
4基によって形成されたシクロアルカン環は、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上の、例えば、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくは2個の、同じもしくは異なる置換基によって置換されており、別の実施形態において、2個のR
1、R
2、R
3およびR
4基によって形成された環は、非置換である。
【0021】
一般に、R
1およびR
2基、またはR
2およびR
3基、またはR
3またはR
4基のいずれかによって、これらを保持する炭素原子と一緒になって形成され得る炭素環は、一実施形態において、ベンゼン、シクロペンタンおよびシクロヘキサンからなる系列から、別の実施形態において、ベンゼンおよびシクロヘキサンからなる系列から選択される。2個のR
1、R
2、R
3およびR
4基によって形成されたシクロアルカン環の場合、両方の縮合環に共通の2個の炭素原子の間の二重結合は、両方の環に含有されるものとみなされ得るので、そのシクロアルカン環は、シクロアルケン環ともみなされ得る。一実施形態において、2個のR
1、R
2、R
3およびR
4基よって形成された炭素環は、非置換であるか、または1個もしくは2個の同じもしくは異なる置換基によって置換されており、別の実施形態において、該炭素環は非置換である。一実施形態において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、それらのいずれかの意味を有し、ただし、R
1、R
2、R
3およびR
4の2つの基が、これらを保持する炭素原子と一緒になって炭素環を形成しない場合を除く。
【0022】
一実施形態において、R
1、R
2、R
3およびR
4基の1つは、水素であり、他のものは、任意のこれらの特定の意味を有し、別の実施形態において、R
1、R
2、R
3およびR
4基の2つは、水素であり、他のものは、任意のこれらの特定の意味を有する。
【0023】
一実施形態において、式Iの化合物は、上記のように定義され、R
5は、水素およびメチルからなる系列から選択され、別の実施形態において、R
5は水素である。
【0024】
一実施形態において、式Iの化合物は、上記のように定義され、R
11、R
12、R
13、R
14およびR
15は、水素、メチルおよびエチルからなる系列から、別の実施形態において、水素およびメチルからなる系列から互いに独立に選択され、別の実施形態において、これらは水素である。
【0025】
一実施形態において、Z
1またはZ
2を表している(C
3〜C
8)−シクロアルキル基は、(C
4〜C
8)−シクロアルキル基、別の実施形態において、(C
5〜C
8)−シクロアルキル基、別の実施形態において、(C
5〜C
7)−シクロアルキル基、別の実施形態において、(C
6〜C
7)−シクロアルキル基であり、別の実施形態において、すべてが非置換であるか、または規定されたように置換されているシクロヘキシル基である。一実施形態において、Z
1またはZ
2を表している置換シクロヘキシル基中の、および置換フェニル基中の置換基の数は、互いに独立に1、2、3または4個であり、別の実施形態は、1個、2個または3個であり、別の実施形態において、1個または2個であり、別の実施形態において、1個であり、別の実施形態において、0個である。一実施形態において、Z
1またはZ
2を表しているシクロアルキル基は、非置換である。一実施形態において、Z
1またはZ
2を表している置換シクロアルキル基中の置換基は、フッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から、別の実施形態において、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から選択され、別の実施形態において、これらは(C
1〜C
4)−アルキル置換基である。一実施形態において、Z
1ま
たはZ
2を表している置換フェニル基中の置換基は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態において、ハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。
【0026】
一実施形態において、式Iの化合物は、上記のように定義され、Z
1およびZ
2基の一方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、他方は、水素、(C
1〜C
8)−アルキルおよび(C
3〜C
8)−シクロアルキルからなる系列から選択され、別の実施形態において、Z
1およびZ
2基の一方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、他方は、水素、(C
3〜C
8)−シクロアルキルおよびフェニルからなる系列から選択され、別の実施形態において、Z
1およびZ
2基の一方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、他方は、水素および(C
3〜C
8)−シクロアルキルからなる系列から選択され、別の実施形態において、Z
1およびZ
2基の一方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルであり、他方は、(C
3〜C
8)−シクロアルキルおよびフェニルからなる系列から選択され、別の実施形態において、Z
1およびZ
2基は、同じかまたは異なる(C
3〜C
8)−シクロアルキル基であり、別の実施形態において、Z
1およびZ
2基は、同じ(C
3〜C
8)−シクロアルキル基であり、ここで、すべての基は、非置換であるか、または規定されたように置換されている。
【0027】
一実施形態において、置換Ar基中、または置換Het
1基もしくは置換Het
2基もしくは置換Het
3基中の置換基の数は、互いに独立に、1個、2個または3個であり、別の実施形態において、1個または2個であり、別の実施形態において、1個であり、別の実施形態において0個である。一実施形態において、Arは、フェニル、またはN、OおよびSからなる系列から選択される1個の環ヘテロ原子を含む芳香族で5員もしくは6員の単環式複素環であり、別の実施形態において、Arは、フェニル、ピリジニルおよびチエニルからなる系列から、別の実施形態において、フェニルおよびピリジニルからなる系列から選択され、別の実施形態において、Arはフェニルであり、ここですべての基は、非置換であるか、または規定されたように置換されている。一実施形態において、置換Ar基中の置換基は、ハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキルおよび(C
1〜C
4)−アルキル−O−からなる系列から、別の実施形態において、ハロゲンおよび(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される。
【0028】
一実施形態において、Het
2は、N、OおよびSからなる系列から、別の実施形態においてNおよびOからなる系列から選択される1個または2個の同じまたは異なる環ヘテロ原子を含む、飽和で5員または6員の単環式複素環であり、別の実施形態において、Het
2は、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニルおよびモルホリニルからなる系列から選択され、別の実施形態において、Het
2はモルホリニルである。一実施形態において、Het
2は、環炭素原子を介して、別の実施形態において、環窒素原子を介して結合されている。
【0029】
一実施形態において、Het
3は、Het
3がそれを介して結合されている環窒素原子に加えて、N、OおよびSからなる系列から、別の実施形態において、NおよびOからなる系列から選択される、0個または1個の、別の実施形態において0個のさらなる環ヘテロ原子を含む、飽和で5員または6員の単環式複素環であり、別の実施形態において、Het
3は、ピロリジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルからなる系列から選択され、別の実施形態において、Het
3は、ピロリジニルである。
【0030】
一実施形態において、nは、数0および2から選択され、別の実施形態において、nは2である。
【0031】
本発明の一実施形態において、式Iの化合物は、
4,4−ジシクロヘキシル−7−ピロール−1−イル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−7−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−7−ジメチルアミノ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−5,7−ジメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−4H−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−7−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−5−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
7−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−8−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−8−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−tert−ブチル−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−ヨード−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−トリフルオロメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−2−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−トリフルオロメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−8−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−5−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−(4−クロロ−フェノキシ)−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
【0032】
4,4−ジシクロヘキシル−6−ピリジン−4−イル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−(3−メトキシ−フェノキシ)−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−(3−クロロ−フェノキシ)−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−(4−クロロ−ベンゾイル)−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−(ピリジン−3−イルオキシ)−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−8−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−5−エトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
7−ブトキシ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6,8−ジクロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
1,1−ジシクロヘキシル−1H−ナフト[2,1−d][1,3]ジオキシン−3−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−フェニル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−7−メトキシ−5−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
7−ベンジルオキシ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−7−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−6−(ピロリジン−1−スルホニル)−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−7−モルホリン−4−イル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−4H−ナフト[1,2−d][1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−8−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−7−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
【0033】
4,4−ジシクロヘキシル−5,7−ジフルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
1,1−ジシクロヘキシル−7,8,9,10−テトラヒドロ−1H−ナフト[2,1−d][1,3]ジオキシン−3−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−8−トリフルオロメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
8−tert−ブチル−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
10−ベンジル−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘキシル−7−ジエチルアミノ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−ブロモ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロペンチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4−シクロヘプチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−ブロモ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘプチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロオクチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘプチル−7−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
4,4−ジシクロヘプチル−6−トリフルオロメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
6−ブロモ−4,4−ジシクロヘプチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、
5−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−1H−テトラゾール、
3−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン、
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸メチルエステル、および
5−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
からなる系列ならびにすべてのこれらの立体異性体形態および立体異性体形態の任意の比率の混合物、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩から選択される。
【0034】
式Iの化合物(これは、例えば、4H−ベンゾ[1,3]ジオキシンまたはベンゾ[1,3]ジオキサンと命名され得、本明細書ではベンゾジオキサンとも呼ばれる)の置換様式は、IUPAC規則に従って番号が付けられ、以下の式で示される。
【化6】
【0035】
基または置換基または数のような構成要素、例えば、アルキル、シクロアルキル、Ar基または数nが、式Iの化合物中に数回出現し得る場合、これらは、すべて互いに独立であり、それぞれの場合任意の示された意味を有し得て、これらは、それぞれの場合、任意のその他のこうした要素と同じであるかまたは異なる。
【0036】
アルキルという用語は、直鎖状(linear)であり得る、即ち直鎖(straight−chain)、または分枝鎖の、飽和非環式炭化水素の残基を意味するものと理解するべきである。別に定義されない場合、アルキルは、1から4個の炭素原子を有する。(C
1〜C
4)−アルキルの例は、1、2、3もしくは4個の炭素原子を含有するアルキル残基であり、メチル、エチル、プロピル、ブチル、これらの残基のn−異性体、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルが含まれる。すべてのこれらの記述は、アルキル基が置換されている、または別の残基上の置換基、例えば、アルキル−O−残基(アルキルオキシ残基、アルコキシ残基)、アルキル−O−C(O)−残基(アルキルオキシカルボニル残基)またはアリール−アルキル−残基として出現する場合にも当てはまる。
【0037】
(C
3〜C
8)−シクロアルキルという用語は、単環中に3から8個の環炭素原子を含有する、飽和環状炭化水素環の残基を意味するものと理解するべきである。(C
3〜C
8)−シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルのような、3、4、5、6、7または8個の環炭素原子を含有するシクロアルキル残基である。
【0038】
5員から7員のシクロアルカンという用語は、シクロペンタン、シクロヘキサンまたはシクロペンタンを意味するものと理解される。
【0039】
Arという用語は、フェニルまたはフラニル、ピリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリルおよびチエニル残基のような、芳香族で5員または6員の単環式炭化水素環の残基であって、前記炭化水素環において、1個または2個の環炭素原子が、N、OおよびSからなる系列から選択される同じまたは異なる環ヘテロ原子によって置換されており、これらはすべて非置換であるか、またはハロゲン、(C
1〜C
4)−アルキル、シアノ、(C
1〜C
4)−アルキル−O−および(C
1〜C
4)−アルキル−S(O)
n−からなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の、例えば、1個、2個もしくは3個の、または1個もしくは2個の、または1個の、同じもしくは異なる置換基によって置換されている残基を意味するものと理解するべきである。
【0040】
Het
1という用語は、フラニル、ピリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリルおよびチエニル、1,2,4,5−テトラジニル、1,2,3,4−テトラジニル、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリルおよび1,2,4−トリアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、ピラニル、1,2−オキサジニル、1,3−オキサジニル、1,4−オキサジニル、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、ピロリニル、チアジアジニルおよびチアゾリニルのような部分的に不飽和または芳香族で5員または6員の単環式炭化水素環の残基であって、1個から4個の環炭素原子は、N、OおよびSからなる系列から選択される、同じまたは異なる環ヘテロ原子によって置換されており、これらは、非置換であるか、または(C
1〜C
4)−アルキル、ヒドロキシおよびオキソからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の、例えば、1個、2個もしくは3個の、もしくは1個もしくは2個の、もしくは1個の同じもしくは異なる置換基によって置換され得、環炭素原子を介して結合されている残基を意味するものと理解される。
【0041】
Het
2という用語は、オキセタニル、アゼチジニル、チエタニル、ジオキセタニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、1,2−オキサチオラニル、1,3−オキサチオラニル、テトラヒドロフラニルおよびテトラヒドロピラニルのような飽和で4員、5員、6員または7員の単環式炭化水素環の残基であって、1個または2個の環炭素原子は、N、OおよびSからなる系列から選択される、同じまたは異なる環ヘテロ原子によって置換されており、これらは、環炭素原子または環窒素原子を介して結合され得、これらは非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の、例えば、1個、2個もしくは3個の、もしくは1個もしくは2個の、もしくは1個の同じもしくは異なる置換基によって置換されている残基を意味するものと理解される。
【0042】
Het
3という用語は、アゼチジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、チアゾリジニルおよびオキサゾリジニルのような飽和で4員、5員、6員または7員の単環式炭化水素環の残基であって、Het
3がそれを介して結合されている環窒素原子を含み、ここで、0個または1個のさらなる環炭素原子が、N、OおよびSからなる系列から選択されるヘテロ原子によって置換されており、非置換であるか、またはフッ素および(C
1〜C
4)−アルキルからなる系列から選択される、1個もしくはそれ以上の、例えば、1個、2個もしくは3個、もしくは1個もしくは2個、もしくは1個の同じもしくは異なる置換基によって置換されている残基を意味するものと理解される。
【0043】
アルキル基は、一般に、アルキル基が保持する任意の他の置換基とは独立に、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上のフッ素置換基、例えば、1個、2個、3個、4個もしくは5個のフッ素置換基によって、もしくは1個、2個もしくは3個のフッ素置換基によって置換され得る。このようなフッ素置換アルキル基は、ペルフルオロアルキル基、即ち、すべての水素原子がフッ素原子によって置換されているアルキル基でもあり得る。フッ素置換アルキル基の例は、−CF
3、−CHF
2、−CH
2Fおよび−CF
2−CF
3であり、−CF
3および−CF
2−CF
3は、ペルフルオロアルキル基の例である。一実施形態において、任意に出現するアルキル基は、他の出現とは独立に、およびアルキル基が保持する任意の他の置換基とは独立に、フッ素によって置換されていない。
【0044】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である。一実施形態において、ハロゲンは、任意のその出現において、他の出現とは独立に、フッ素、塩素および臭素からなる系列から、別の実施形態において、フッ素および塩素からなる系列から選択される。
【0045】
式Iの化合物中に存在する光学的活性炭素原子は、互いに独立にR立体配置またはS立体配置を有する。式Iの化合物は、純粋なエナンチオマーもしくは純粋なジアステレオマーの形態で、またはエナンチオマーおよび/もしくはジアステレオマーの任意の比率の混合物の形態で、例えば、ラセミ体の形態で存在し得る。したがって、本発明は、純粋なエナンチオマーおよびエナンチオマーの混合物、ならびに純粋なジアステレオマーおよびジアステレオマーの混合物に関する。本発明は、2種または2種以上の式Iの立体異性体の混合物を含み、混合物におけるすべての比率の立体異性体を含む。式Iの化合物が、E異性体またはZ異性体(または、cis異性体もしくはtrans異性体)として存在し得る場合、本発明は、純粋なE異性体および純粋なZ異性体の両方ならびにすべての比率のE/Z(または、cis/trans)混合物に関する。本発明は、式Iの化合物のすべての互変異性体形態を含む。
【0046】
E/Z異性体を含めた、ジアステレオマーは、例えばクロマトグラフィーによって、個々の異性体に分離され得る。ラセミ体は、通例の方法、例えば、キラル相に基づくクロマトグラフィーによってまたは分割、例えば、光学的に活性な酸もしくは塩基で得られたジアステレオマー塩の結晶化によって2種のエナンチオマーに分離され得る。立体化学的に均一な式Iの化合物は、立体化学的に均一な出発物質を使用することによって、または立体選択的反応を用いることによって得ることができる。
【0047】
式Iの化合物の薬学的に許容される塩は、生理学的に許容され、特に薬学的に利用可能な塩である非毒性塩と理解される。酸性基、例えばカルボン酸基COOHを含有する式Iの化合物のこのような塩は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩のようなアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、ならびにテトラメチルアンモニウムまたはテトラエチルアンモニウムのような薬学的に許容される第四級アンモニウムイオンを有する塩、ならびにメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミンまたはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミンのような、アンモニアおよび薬学的に許容される有機アミンとの酸付加塩である。式Iの化合物中に含有される塩基性基、例えばアミノ基は、例えば、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸もしくはリン酸のような無機酸との、またはギ酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、マロン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、メタンスルホン酸もしくはp−トルエンスルホン酸のような有機カルボン酸およびスルホン酸との酸付加塩を形成する。塩基性基および酸性基を同時に含有する式Iの化合物、例えばアミノ基およびカルボキシル基は、双生イオン(ベタイン)としても存在し得、同様に本発明に含まれる。
【0048】
式Iの化合物の塩は、当業者には知られている通例の方法、例えば、式Iの化合物を溶媒または分散剤中で、無機酸もしくは有機酸または塩基と組み合わせることによって、またはカチオン交換もしくはアニオン交換による他の塩から得ることができる。本発明には、生理学的に許容性が低いために、直接医薬に使用するのには適してないが、例えば、式Iの化合物のさらなる化学修飾を実行するための中間体として、または薬学的に許容される塩の製造のための出発材料として適している、式Iの化合物のすべての塩も含まれる。
【0049】
本発明には、式Iの化合物の溶媒和物、誘導体および修飾物、例えば、プロドラッグ、保護された形態およびその他の薬学的に許容される誘導体も含まれる。特に本発明は、式Iの化合物のプロドラッグおよび保護された形態に関し、生理学的な条件下で式Iの化合物に変換することができる。式Iの化合物のための適したプロドラッグ、即ち、例えば、溶解度、バイオアベイラビリティまたは作用の期間に関して、所望の形に改良された特性を有する式Iの化合物の化学的に修飾された誘導体は、当業者には知られている。プロドラッグに関するより詳細な情報は、例えば、Design of Prodrugs、H.Bundgaard(編集)、Elsevier、1985年;Fleisherら、Advanced Drug Derivery Reviews 19巻(1996年)115〜130頁;H.Bundgaard、Drug of the Future 16巻(1991年)443頁;Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism、B.Testa、J.M.Mayer、Wiley−VCH、2003年のような標準的な文献に見いだされる。
【0050】
式Iの化合物の適したプロドラッグは、特に、アミノ基のようなアシル化可能な窒素含有基のアシルプロドラッグおよびカルバマートプロドラッグ、ならびに式Iの化合物中に存在し得るカルボン酸基のエステルプロドラッグおよびアミドプロドラッグである。アシルプロドラッグおよびカルバマートプロドラッグにおいて、このような基中の窒素原子上の水素原子は、アシル基またはエステル基、例えば(C
1〜C
6)−アルキル−O−C(O)−基で置換されている。アシルプロドラッグおよびカルバマートプロドラッグのための適したアシル基およびエステル基は、例えば、R
p1−CO−およびR
p2O−CO−基であり、ここで、R
p1は、例えば、水素、(C
1〜C
4)−アルキル、(C
3〜C
8)−シクロアルキル、(C
3〜C
8)−シクロアルキル−(C
1〜C
4)−アルキル−、Ar、(C
6〜C
14)−アリール、Het
1、Het
2、(C
6〜C
14)−アリール−(C
1〜C
4)−アルキル−、Ar−(C
1〜C
4)−アルキル−、Het
1−(C
1〜C
4)−アルキル−、Het
2−(C
1〜C
4)−アルキル−またはHet
3−(C
1〜C
4)−アルキル−であり得、R
p2は、水素を例外として、R
p1に対して示された意味を有する。(C
6〜C
14)−アリールという用語は、6から14個の環炭素原子、例えば6、7、8、9、10、11、12、13または14個の環炭素原子を含有する、単環式、二環式または三環式芳香族炭化水素の残基を意味するものと理解される。例は、フェニル、ナフチル、例えば1−ナフチルおよび2−ナフチル、またはビフェニリルである。
【0051】
また、本明細書に明示された本発明のすべての実施形態に関して、すべての立体異性体形態および立体異性体形態の任意の比率の混合物、ならびに薬学的に許容される塩の形態、ならびにそのプロドラッグの形態で含まれる式Iの化合物は、本発明の主題であることが当てはまる。
【0052】
本発明は、式Iの化合物の製造方法にも関し、これにより化合物は入手可能であり、これは、本発明の別の主題である。
【0053】
式Iの化合物は、それ自体よく知られており、当業者によって理解されている手順および技術を使用することによって製造することができる。式Iの化合物の製造に適用することができる、一般的な合成手順に使用するための出発材料または構成単位は、当業者に容易に利用可能である。多くの場合、これらは市販されているかまたは文献に記載されている。さもなければ、文献に記載された手順と同じように、容易に入手可能な前駆体化合物から、または本明細書記載された手順によって、もしくは手順と同じように製造することができる。
【0054】
一般に、式Iの化合物は、例えば、収束的合成の過程で、式Iからレトロ合成的に誘導され得る2個以上の部分を結合することによって製造することができる。より具体的には、適切に置換されている出発2−ヒドロキシメチル−フェノール誘導体が、式Iのベンゾジオキサン化合物の製造における前駆体構成単位として使用され、適切に置換されているアルカン酸またはアルカン酸誘導体と反応される。例えば、式IIの2−ヒドロキシメチル−フェノール誘導体が、式IIIのアルカン酸またはアルカン酸誘導体(これは、2位に2個の一価の脱離基または二価のオキソ基を保持する、例えば、A’基が水素の場合は2,2−ジクロロ−酢酸のような、2,2−ジクロロ−アルカン酸またはその誘導体)と反応されて、式I’の化合物を得ることができ、これは、すでに式Iの最終化合物であり得、またはさらなる修飾により、式Iの最終化合物を得ることができる。
【0056】
式II、IIIおよびI’の化合物のA’、R
1’からR
5’、Z
1’およびZ
2’基は、式Iの化合物の通りに定義され、後に式Iの化合物に存在する最終の基に変換される官能基が、保護の形態または前駆体基の形態でさらに存在することがある。式IIIの化合物中のX基は、適した一価の脱離基、例えば、塩素のようなハロゲンであり、または一緒になって酸素原子、即ち、例えば二価のオキソ基を形成する。
【0057】
市販で入手が不可能な場合、式Iの化合物の合成に使用されるこのような2−ヒドロキシメチル−フェノール誘導体は、2−ヒドロキシメチル−フェノール系の形成のための既知の標準的な手順に従って製造することができる。適切な前駆体分子を選択することによって、これらの2−ヒドロキシメチル−フェノールの合成は、2−ヒドロキシメチル−フェノール系の様々な位置に多様な置換基の導入を可能にし、これは、所望の置換様式を有する式Iの化合物に最終的に到達するために化学的に修飾され得る。
【0058】
出発2−ヒドロキシメチル−フェノール誘導体が、市販で入手が不可能であり、合成する必要がある場合、多様な既知の方法を介して実行することができる。以下に、本発明の化合物の合成のための注目されるいくつかの手順を手短に列挙し、例示的に参照事項を付ける。これらは、適した2−ヒドロキシメチル−フェノール誘導体を入手するためのいくつかの可能な方法を例示する。
【0059】
1.Humbertら、Eur.J.Med.Chem.1983年、18巻、67〜78頁。
【化8】
【0060】
2.Blechertら、Tetrahedron1995年、51巻、1167〜1176頁。
【化9】
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3.J.Talleyら、J.Org.Chem.1984年、49巻、5267〜5269頁。
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4.Hoppeら、Synthesis 2006年、1578〜1589頁。
【化11】
【0063】
以下に、適した2−ヒドロキシメチル−フェノール誘導体から、ベンゾジオキサン誘導体への次の閉環工程によって、式Iのベンゾジオキサン誘導体を入手するためのいくつかの手順(これは、本発明の化合物の製造のために注目される)を手短に列挙し、例示的に参照事項を付ける。
【0064】
5.Wangら、Org.Lett.2007年、9巻、1533〜1535頁。
【化12】
【0065】
6.Humbertら、Eur.J.Med.Chem.1983年、18巻、67〜78頁。
【化13】
【0066】
7.Yusら、Tetrahedron 1997年、53巻、17373〜17382頁。
【化14】
【0067】
8.Njarddarsonら、Synlett 2009年、23〜27頁。
【化15】
【0068】
これらの方法は、文献に包括的に論じられており、当業者には既知の標準的な手順である。スキーム中に示された例示的な化合物および試薬を適切な代替の化合物もしくは試薬によって置換すること、または必要に応じて合成工程を省略するもしくは追加することは当業者の能力の範囲に入る。必ずしも明確に示されているとは限らないが、ある場合には、言及された反応によって合成の間に位置異性体が生じる。このような位置異性体の混合物は、例えば分取HPLCのような最新の分離技術によって分離することができる。上記に示した式中の残基は、すでに所望の最終の基を含有している可能性があり、即ち、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’、R
5’、Z
1’、Z
2’およびA’基は、式Iで定義された通りの基であり得、または場合により、これらの残基は、最終基に変換されて、式Iの所望の化合物をもたらし得る。上記に示した式の残基はまた、後で最終基に変換され得る基の形態で存在し得、例えば、官能基は、前駆体基もしくは誘導体の形態で、または保護形態で存在してもよい。
【0069】
さらに、式Iのベンゾジオキサン環系における所望の置換基を得るために、ベンゾジオキサンの合成の間に環系に導入された官能基は、化学的に修飾され得る。特に、ベンゾジオキサン環系上に存在する置換基は、多様な反応によって修飾され得て、その結果所望の残基を得ることができる。例えば、水素原子を、ある位置に有するベンゾジオキサンは、その位置にエステル基を有するベンゾジオキサンのケン化およびそれに続く脱炭酸によって得ることができる。ハロゲン原子は、例えば、文献に記載されたよく知られた手順に従って導入され得る。式Iの化合物の芳香族部分構造のフッ素化は、例えば、N−フルオロ−2,4,6−トリメチルピリジニウムトリフラートを含めた多様な試薬を用いて実行することができる。塩素化、臭素化、またはヨウ素化は、ハロゲン元素との反応によって、またはNCS,NBSもしくはNISのようなN−ハロ−スクシンイミドおよび当業者には既知の多くの他の試薬の使用によって達成される。反応条件、試薬、化学量論および置換パターンに応じて、ハロゲンは、特定の位置に導入される。得られた化合物における、選択的水素/金属交換によるメタル化のような、選択的ハロゲン/金属交換、およびそれに続く広範な求電子剤との反応によって、当業者には既知の手順を用いて、様々な置換基を環式核に導入することができる。
【0070】
ベンゾジオキサン構造中に存在するハロゲン、ヒドロキシ基(トリフラートもしくはノナフラートを介して)または第一級アミン(ジアゾニウム塩を介して)は、または対応するスタンナンおよびボロン酸に相互変換後、パラジウムもしくはニッケル触媒または銅塩のような遷移金属、および例えば以下に示す試薬の使用によってもたらされる、例えば、CN、−CF
3、−C
2F
5、エーテル、酸、アミド、アミン、アルキルまたはアリール基のような多様な他の官能基に変換され得る(F.Diederich,P.Stang、Metal−catalyzed Cross−coupling Reactions、Wiley−VCH、1998年;M.Beller、C.Bolm、Transition Metals for Organic Synthesis、Wiley−VCH、1998年;J.Tsuji、Palladium Reagents and Catalysts、Wiley、1996年;J.Hartwig、Angew.Chem.1998年、110巻、2154頁;B.Yang、S.Buchwald、J.Organomet.Chem.1999年、576巻、125頁;T.Sakamoto、K.Ohsawa、J.Chem.Soc.Perkin Trans I、1999年、2323頁;D.Nichols、S.Frescas、D.Marona−Lewicka、X.Huang、B.Roth、G.Gudelsky、J.Nash、J.Med.Chem、1994年、37巻、4347頁;P.Lam、C.Clark、S.Saubern、J.Adams、M.Winters、D.Chan、A.Combs、Tetrahedron Lett.、1998年、39巻、2941頁;D.Chan、K.Monaco、R.Wang、M.Winters、Tetrahedron Lett.1998年、39巻、2933頁;V.Farina、V.Krishnamurthy、W.Scott、The Stille Reaction、Wiley、1994年;F.Qingら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.I 1997年、3053頁;S.Buchwaldら、J.Am.Chem.Soc.2001年,123巻、7727頁;S.Kangら、Synlett 2002年、3巻、427頁;S.Buchwaldら、Organic Lett.2002年、4巻、581頁;T.Fuchikamiら、Tetrahedron Lett、1991年、32巻、91頁;Q.Chenら、Tetrahedron Lett.1991年、32巻、7689頁;M.R.Netherton、G.C.Fu、Topics in Organometallic Chemiostry 2005年、14巻、85〜108頁;A.F.Littke、G.F.Fu、Angew.Chem.Int.編集2002年、41巻、4176〜4211頁;A.R.Muci、S.L.Buchwald、Topics in Current Chemistry 2002年、219巻、131〜209頁)。
【0071】
例えば、ニトロ基は、スルフィド、亜二チオン酸塩、複合水素化物のような様々な還元剤で、または接触水素化によってアミノ基に還元され得る。ニトロ基の還元は、式Iの化合物の合成の様々な段階で実行してもよく、アミノ基へのニトロ基の還元はまた、別の官能基に関して実行される反応、例えば、シアノ基のような基を硫化水素と反応させる場合、または基を水素化する場合と同時に行われてもよい。これらの残基を導入するために、アミノ基は、次いで、アルキル化のための標準的な手順に従って、例えば、(置換)アルキルハロゲニドとの反応によって、もしくはカルボニル化合物の還元的アミノ化によって、アシル化のための標準的な手順に従って、例えば、酸クロリド、無水物、活性化エステルもしくはその他のもののような活性化カルボン酸誘導体との反応によって、もしくは活性化剤の存在下、カルボン酸との反応によって、またはスルホニル化のための標準的な手順に従って、例えば、スルホニルクロリドとの反応によって修飾することができる。
【0072】
ベンゾジオキサン核中に存在するエステル基は、対応するカルボン酸に加水分解され得て、これは、活性化後、次いで標準的な条件下でアミンまたはアルコールと反応され得る。さらに、これらのエステルまたは酸基は、多くの標準的な手順によって対応するアルコールまで還元され得る。エーテル基、例えば、ベンジルオキシ基または他の容易に切断され得るエーテル基は、切断されて、ヒドロキシ基を得ることができ、これは次いで多様な薬品、例えば、エーテル化剤または活性化剤と反応されて、他の基によってヒドロキシ基の置換を可能にすることができる。硫黄含有基は、同じように反応され得る。
【0073】
先行する工程の間に、例えば、ベンゾジオキサン核の合成の間にすでに導入されていない、式Iのベンゾジオキサン中の基は、これはまた保護形態または前駆体基の形態で存在してもよく、例えばベンゾジオキサン系の7位に、例えば、当業者には既知の標準的なアルキル化手順によって導入することができる。このような反応に使用される出発ベンゾジオキサン誘導体は、例えば、酸素または窒素または硫黄原子を7位に保持する。前述の原子のアルキル化は、例えば、標準的な条件下で、好ましくはK
2CO
3、Cs
2CO
3、NaHまたはKOtBuのような塩基の存在下、脱離基、例えば、塩素、臭素もしくはヨウ素のようなハロゲン、またはトシルオキシ、メシルオキシもしくはトリフルオロメチルスルホニルオキシのようなスルホニルオキシ基を含有するアルキル化試薬を用いて実行することができる。これらの標準的な手順は、例えば、M.Smith、J.March、March’s Advanced Organic Chemistry、Wiley−VCH、2001年;Houben−Weyl、Methoden der Organischen Chemie(Methods of Organic Chemistry、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、Germany;Organic Reactions、John Wiley & Sons、New York;R.C.Larock、Comprehensive Organic Transformations、Wiley−VCH、第2版編集1999年;B.Trost、I.Fleming(編集)、Comprehensive Organic Synthesis、Pergamon、1991年のような覚書に記載されている。脱離基は、例えば、ヒドロキシ基であってもよく、アルキル化反応を達成するために、Mitsunobu手順の既知の条件下(O.Mitsunobu、Synthesis 1981年、1巻)、またはさらに改良された手順(A.Tunoori、D.Dutta、G.Gunda、Tetrahedron Lett.39巻(1998年)8751頁;J.Pelletier、S.Kincaid、Tetrahedron Lett.41巻(2000年)797頁;D.L.Hughes、R.A.Reamer、J.J.Bergan、E.J.J.Grabowski、J.Am.Chem.Soc.110巻(1998年)6487頁;D.J.Camp、I.D.Jenkins、J.Org.Chem.54巻(1989年)3045頁;D.Crich、H.Dyker、R.J.Harris、J.Org.Chem.54巻(1989年)257頁)によって活性化される。
【0074】
官能基の変換のための前述の反応は、さらに、M.Smith、J.March、March’s Advanced Organic Chemistry、Wiley−VCH、2001年のような有機化学の教科書およびHouben−Weyl、Methoden der Organischen Chemie(Methods of Organic Chemistry)、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、Germany;またはOrganic Reaction、John Wiley & Sons、New York;R.C.Larock、Comprehensive Organic Transformations、Wiley−VCH第2版、1999年;B.Trost、I.Fleming(編集)、Comprehensive Organic Synthesis、Pergamon、1991年;A.Katritzky、C.Rees、E.Scriven、Comprehensive Heterocyclic Chemistry II、Elsevier Science、1996年のような専門書に、一般に広範に記載されており、反応の詳細および主要な出典文献を見いだすことができる。この場合、官能基がベンゾジオキサン環に結合されているという事実のために、特定の場合では、特異的に反応条件を適合させること、または変換反応に原理的には使用することが可能な多様な試薬から、特定の試薬を選択すること、またはさもなければ、所望の変換を達成するための特定の処置、例えば保護基技術を使用することが必要になり得る。しかし、このような場合、適した反応変数および反応条件を見いだすことは、当業者にとってなにも問題は生じない。
【0075】
式Iの化合物中のベンゾジオキサン環の4位、5位、6位、7位および8位における残基中に存在する構成要素はまた、それ自体当業者には既知の手順を用いて、パラレル合成の方法論を用いた連続的反応工程によって、本明細書に概説された方法を用いて、例えば、2−ヒドロキシメチル−フェノール前駆体またはベンゾジオキサン中に導入することもできる。
【0076】
式Iの化合物の製造の過程において、それぞれの合成工程での望ましくない反応または副反応を減少させるかまたは防止する官能基を、後で所望の官能基に変換される前駆体基の形態で導入すること、または合成の問題に適している保護基方策によって官能基を一時的にブロックすることが、一般に、有利でありまたは必要であり得る。このような方策は、当業者にはよく知られている(例えば、GreeneおよびWuts、Protective Groups in Organic Synthesis、Wiley、1991年;またはP.Kocienski、Protecting Groups、Thieme、1994年を参照されたい)。前駆体基の例は、シアノ基およびニトロ基である。シアノ基は、後の工程で、カルボン酸誘導体に、または還元によってアミノメチル基に変換され得る。ニトロ基は、接触水素化のような還元によってアミノ基に変換されてもよい。保護基はまた、固体相の意味を有し得て、固体相からの切断は、保護基の除去を表す。このような技術の使用は、当業者には知られている(Burgess K(編集)Solid Phase Organic Synthesis、New York、Wiley、2000年)。例えば、フェノール性ヒドロキシ基は、トリチル−ポリスチレン樹脂に結合され得て、保護基としての機能を果たし、該分子は、合成の後期でトリフルオロ酢酸(TFA)または他の酸による処理によって、この樹脂から切断される。
【0077】
式Iの化合物は、内在性LPAのそのLPAR5受容体への作用に拮抗する、有効なLPAR5アンタゴニストである。特に、式Iの化合物は、有効な血小板、マスト細胞およびミクログリア細胞LPA受容体LPAR5アンタゴニストである。本発明の化合物は、血小板LPA受容体LPAR5の活性化の血小板凝集作用、ヒトマスト細胞のLPA媒介性活性化およびミクログリア細胞のLPA媒介性活性化に拮抗する。さらに、本発明の式Iの化合物は他の有利な特性、例えば、血漿および肝臓中の安定性、ならびにそのアゴニズムまたはアンタゴニズムが意図されていない他の受容体に対する選択性も有する。この優れた選択性は、例えば、不十分な選択性を有する分子について存在する潜在的な副作用を減少することを可能にする。
【0078】
本発明の主題はまた、医薬品または医薬として使用するための、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩および/またはこれらのプロドラッグ、ならびに有効量の少なくとも1種の式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩および/またはこれらのプロドラッグ、ならびに薬学的に許容される担体、即ち、1種またはそれ以上の薬学的に許容される担体物質または添加剤および/または補助物質または添加物を含み、ヒト、畜または植物保護用途に使用し得る医薬組成物である。
【0079】
式Iの化合物の活性は、例えば、以下に記載されたアッセイ、または当業者には知られている他のin vitroもしくはex vivoアッセイで決定され得る。LPA誘発性の血小板の凝集を阻害する化合物の能力は、文献に記載されたものと類似の方法によって(例えば、HolubおよびWastonのPlatelets:A Practical Approach、236〜239頁、Oxford University Press 1996年)、ならびに以下に記載された方法によって測定され得る。これらのアッセイの結果は、本発明の化合物が、血小板LPA受容体LPAR5の機能的アンタゴニストであり、したがって、血小板凝集および血栓形成を阻害するために有用であることを明らかに実証している。マスト細胞またはミクログリア細胞のLPA誘発性活性化を阻害する該化合物の能力はまた、FLIPRシステムを用いることによって測定され得る。
【0080】
LPA受容体LPAR5アンタゴニストとして、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグは、一般に、LPAR5受容体の活性が役割を果たし、もしくは望ましくない限度を有するか、またはLPAR5受容体を阻害するもしくは活性を低下させることによって有利に影響を受ける状態の、療法および予防を含めた治療のために、またはLPA受容体LPAR5の阻害もしくは活性の低下が医師によって望まれている予防、軽減もしくは治癒のために適している。
【0081】
したがって、本発明の主題はまた、LPA受容体LPAR5の阻害、および/または血小板凝集もしくは血栓形成の低減もしくは阻害、および/またはマスト細胞の活性化の低減もしくは阻害、および/またはミクログリア細胞の活性化の低減もしくは阻害に応答する疾患もしくは疾病状態の、療法および予防を含めた治療に使用するための、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩および/またはこれらのプロドラッグである。
【0082】
本発明の主題はまた、LPA受容体LPAR5の阻害、および/または血小板凝集もしくは血栓形成の低減もしくは阻害、および/またはマスト細胞の活性化の低減もしくは阻害、および/またはミクログリア細胞の活性化の低減もしくは阻害に応答する疾患もしくは疾病状態の、療法および予防を含めた治療に使用する医薬品の製造のための、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩および/またはこれらのプロドラッグの使用である。
【0083】
本発明の主題はまた、LPA受容体LPAR5の阻害、および/または血小板凝集もしくは血栓形成の低減もしくは阻害、および/またはマスト細胞の活性化の低減もしくは阻害、および/またはミクログリア細胞の活性化の低減もしくは阻害、および本明細書の上記もしくは以下のすべての他の疾患に応答する疾患もしくは疾患状態の、療法および予防を含めた治療に使用するための、それ自体化合物として本発明の主題である化合物、即ち、6−クロロ−4−シクロヘキシル−4−フェニル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、6−クロロ−4−シクロヘキシル−4−フェニル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸メチルエステルおよび6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩およびこれらのプロドラッグから除外される特定の式Iの化合物である。本発明の主題はまた、LPA受容体LPAR5の阻害、および/または血小板凝集もしくは血栓形成の低減もしくは阻害、および/またはマスト細胞の活性化の低減もしくは阻害、および/またはミクログリア細胞の活性化の低減もしくは阻害、および本明細書の上記もしくは以下のすべての他の疾患に応答する疾患もしくは疾患状態の、療法および予防を含めた治療用の薬物の製造のための、それ自体化合物として本発明の主題である化合物、即ち、6−クロロ−4−シクロヘキシル−4−フェニル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、6−クロロ−4−シクロヘキシル−4−フェニル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸メチルエステルおよび6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸、ならびに薬学的に許容されるこれらの塩およびこれらのプロドラッグから除外される式Iの化合物の使用である。
【0084】
LPA受容体LPAR5の阻害は、血小板活性化および血小板凝集に影響を及ぼすので、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグは、一般に、血栓形成を低減するために、または血小板凝集の活性が、役割を果たし、もしくは望ましくない限度を有するか、もしくは血栓形成を低減することによって有利に影響を受け得る、状態および疾患の療法および予防を含めた治療のために、または血小板凝集系の活性の低下が医師によって望まれている予防、軽減もしくは治癒のために適している。したがって、本発明の特定の主題は、特に、各人において、有効量の式Iの化合物および/または薬学的に許容される塩および/またはこれらのプロドラッグならびにそれらの医薬組成物を投与することによる望ましくない血栓形成の低減または阻害である。
【0085】
LPA受容体LPAR5の阻害は、マスト細胞活性化に影響を及ぼすので、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグは、一般に、マスト細胞活性化を低減するために、またはマスト細胞の活性が、役割を果たし、もしくは望ましくない限度を有するか、もしくはマスト細胞活性化を低減することによって有利に影響を受ける、状態の療法および予防を含めた治療のために、またはマスト細胞系の活性の低下が医師によって望まれている予防、軽減もしくは治癒のために適している。したがって、本発明の特定の主題は、特に各人において、有効量の式Iの化合物および/または薬学的に許容される塩および/またはこれらのプロドラッグ、ならびにそのための医薬組成物を投与することによる、マスト細胞の望ましくない活性化の低減また阻害である。
【0086】
LPA受容体LPAR5の阻害は、ミクログリア細胞活性化に影響を及ぼすので、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグは、一般に、ミクログリア細胞活性化を低減させるために、またはミクログリア細胞の活性が役割を果たし、もしくは望ましくない限度を有するか、もしくはミクログリア細胞活性化を低減させることによって有利に影響を受け得る状態の、療法および予防を含めた治療のために、またはミクログリア細胞系の活性の低下が医師によって望まれている予防、軽減もしくは治癒のために適している。したがって、本発明の特定の主題は、特に各人において、有効量の式Iの化合物および/または薬学的に許容される塩および/またはこれらのプロドラッグ、ならびにそのための医薬組成物を投与することによる、ミクログリア細胞の望ましくない活性化の低減または阻害である。
【0087】
本発明はまた、深部静脈血栓症、静脈および動脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎、冠動脈および大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、播種性血管内凝固のような血栓塞栓性疾患、一過性脳虚血発作、脳卒中、急性心筋梗塞、のような心血管障害、末梢血管疾患、妊娠高血圧腎症/子癇、および血栓性血小板減少性紫斑症、ならびに痛覚過敏、喘息、多発性硬化症、炎症性疼痛のような炎症性障害の発生および進行、血管新生、またはアレルギー応答、または再狭窄の療法および予防を含めた治療への使用のための式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグに関する。
【0088】
本発明はまた、LPA受容体LPAR5の阻害のための、または血小板活性化、血小板凝集および血小板脱顆粒に影響を及ぼし、血小板脱凝集、炎症反応を促進するための、および/または上述のもしくは以下の疾患の療法および予防のための、例えば、心血管障害
、血栓塞栓性疾患もしくは再狭窄の療法および予防を含めた医薬品の製造のための、深部静脈血栓症、静脈および動脈血栓塞栓症、血栓性静脈炎、冠動脈および大脳動脈血栓症、脳塞栓症、腎塞栓症、肺塞栓症、播種性血管内凝固、一過性脳虚血発作、脳卒中、急性心筋梗塞、末梢血管疾患、妊娠高血圧腎症/子癇、および血栓性血小板減少性紫斑症、ならびに痛覚過敏、喘息、多発性硬化症、血管新生、アレルギー応答およびその他のもののような炎症性障害の発生および進行の治療のための、医薬組成物もしくは医薬品の製造のための式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグの使用に関する。
【0089】
本発明はまた、上述のもしくは以下の疾患の療法および予防を含めた治療に使用するための、例えば、心血管障害、血栓塞栓性疾患、または再狭窄の治療および予防に使用するための、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグ、ならびに前記療法および予防のための方法を含めた、このような目的を目指す治療の方法に関する。
【0090】
血小板のLPA媒介性活性化における、血小板LPA受容体LPAR5の中心的役割のために、本発明はまた、異常血栓形成、急性心筋梗塞、血栓塞栓症、血栓溶解療法もしくは経皮経管冠動脈形成術(PTCA)に関連する急性血管閉鎖、一過性脳虚血発作、脳卒中、間欠的跛行もしくは冠動脈もしくは末梢動脈のバイパス移殖、血管狭窄、冠動脈もしくは静脈血管形成術後の再狭窄、長期の血液透析患者のバスキュラーアクセス開通性のメンテナンス、腹部、膝もしくは股関節手術に続いて下肢の静脈に出現する病理的血栓形成、肺血栓塞栓症のリスク、または敗血症性ショック、ある種のウイルス感染症もしくは癌の間に血管系に出現する播種性全身性血管内凝固障害のような疾病状態の、療法および予防を含めた治療において使用するための式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩に関する。本発明はまた、前記疾病状態の、療法および予防を含めた治療用の医薬品の製造のための、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩の使用に関する。
【0091】
マスト細胞および/またはミクログリア細胞のLPA媒介性活性化における、LPA受容体LPAR5の中心的役割のために、本発明はまた、炎症性疼痛、喘息、血管新生、(a)多発性硬化症、横断性脊髄炎、視神経炎、デビック病のような中枢神経系、および(b)ギラン・バレー症候群のような末梢神経系の脱髄性疾患または慢性炎症性脱髄性多発性神経障害のような疾病状態の、療法および予防を含めた治療に使用するための、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩、ならびに前記疾病状態の療法および予防を含めた治療用の医薬品の製造のための、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるこれらの塩の使用に関する。
【0092】
式Iの化合物および薬学的に許容されるその塩ならびにそのプロドラッグは、療法もしくは予防のための医薬として、動物に、好ましくは哺乳類に、および特にヒトに投与され得る。これらは、単独で、または1種の別のものとの混合物で、または医薬組成物の形態で投与され得て、これらは、経腸的または非経口的な投与を可能にする。
【0093】
本発明による医薬組成物は、経口的に、例えば、丸剤、錠剤、ラッカー被覆した錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、硬質および軟質ゼラチンカプセル、液剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤またはエアロゾール混合物の形態で投与され得る。投与はまた、例えば、坐薬の形態で直腸内に、または注射液もしくは輸注液、マイクロカプセル、インプラントもしくはロッドの形態で非経口的に、例えば、静脈内に、筋肉内にもしくは皮下に、または例えば、軟膏剤、液剤もしくはチンキ剤の形態で経皮的にもしくは局所的に、または、例えば、エアロゾールもしくは点鼻薬の形態で他の方法で実行され得る。
【0094】
本発明医による薬組成物は、1種またはそれ以上の、式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグに加えて、薬学的に許容される不活性な無機および/または有機担体物質および/または補助物質を使用して、当業者にはそれ自体知られており、精通されている方法で製造される。丸剤、錠剤、被覆錠剤および硬質ゼラチンカプセルの製造のために、例えば、ラクトース、トウモロコシデンプンまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩等を使用ことが可能である。軟質ゼラチンカプセルおよび坐薬のための担体物質は、例えば、脂肪、ワックス、半固体および液体のポリオール、天然油または硬化油等である。液剤の製造に適した担体物質、例えば、注射液、または乳剤もしくはシロップ剤は、例えば、水、生理食塩水、アルコール、グリセリン、ポリオール、スクロース、転化糖、グルコース、植物油等である。マイクロカプセル、インプラントまたはロッドのための適した担体物質は、例えば、グリコール酸と乳酸のコポリマーである。医薬組成物は、通常、約0.5重量%から約90重量%の式Iの化合物および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグを含有する。医薬組成物中の式Iおよび/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグの活性成分の量は、通常約0.5mgから約1000mg、好ましくは約1mgから約500mgである。
【0095】
式Iおよび/または薬学的に許容されるその塩および/またはプロドラッグの活性成分ならびに担体物質または添加剤に加えて、医薬組成物は、例えば、充填剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、保存剤、甘味料、着色剤、香味料、芳香剤、増粘剤、希釈剤、緩衝剤物質、溶媒、可溶化剤、デポ作用を達成する薬品、浸透圧を変化させる塩、被覆剤または抗酸化剤のような補助物質または添加物を含有することができる。医薬組成物はまた、2種またはそれ以上の式Iの化合物、および/または薬学的に許容されるその塩および/またはそのプロドラッグを含有することができる。医薬組成物が2種またはそれ以上の式Iの化合物を含有する場合、個々の化合物の選択は、医薬組成物の特定の全体的な薬理学的プロファイルを目的とすることができる。例えば、より短い作用期間を有する極めて強力な化合物は、長期間作用するより低い効力の化合物と組み合わせてもよい。式Iの化合物における置換基の選択に関して容認される柔軟性は、化合物の生物学的および物理化学的特性に関してかなりの制御を可能にし、その結果、このような所望の化合物の選択を可能にする。さらに、少なくとも1種の式Iの化合物および/または薬学的に許容される塩および/またはそのプロドラッグに加えて、医薬組成物はまた、1個またはそれ以上の他の薬学的に、治療的におよび/または予防的に活性な成分を含有することができる。
【0096】
式Iの化合物を用いる場合、用量は、広い範囲内で変化することができ、通例であり、医師には知られている通りであり、それぞれ個々の病状における個々の状態に適しているものである。容量は、例えば、使用される特定の化合物に、治療予定の疾患の性質および重症度に、投与の方法およびスケジュールに、または急性か、もしくは慢性の状態が治療されるかどうか、または予防が実行されるかどうかにより決まる。適切な用量は、医学の技術分野では既知の臨床的アプローチを用いて確立される。一般に、約75kgの体重の成人において所望の結果を達成するための1日量は、0.01mg/kgから100mg/kg、好ましくは0.1mg/kgから50mg/kg、特に0.1mg/kgから10mg/kg(それぞれの場合、単位は体重1kg当たりのmg)である。1日量は、特に、比較的多量の投与の場合、数回に、例えば、2、3または4つの部分の投与に分割することができる。通常通り、個体の挙動に応じて、1日量は、示されたものから上方または下方に逸脱する必要があってもよい。
【0097】
本発明の化合物はまた、標準または基準化合物として、例えば、LPA受容体LPAR5の阻害が関与する試験またはアッセイにおける特性標準または対照として有用である。このような化合物は、商業的なキット中で、例えば、LPA受容体LPAR5が関与する医薬の研究に使用するために提供され得る。例えば、本発明の化合物は、その既知の活性を未知の活性を有する化合物と比較するアッセイにおける基準として使用することができる。これは、アッセイが、適切に実行されたことを実験者に保証し、特に試験化合物が基準化合物の誘導体である場合、比較の根拠を提供することになる。新規のアッセイまたはプロトコールを開発する場合、本発明による化合物は、その有効性を試験するために使用し得る。
【0098】
式Iの化合物はまた、有利には、個体の範囲を超える凝集の抑制剤として使用することができる。例えば、有効量の本発明の化合物は、血液サンプルの凝集を防止するために、新たに採血されたサンプルと接触され得る。さらに、式Iの化合物またはその塩は、診断の目的のために、例えば、in vitro診断、および生化学研究の補助的なものとして使用され得る。例えば、式Iの化合物は、LPA受容体LPAR5の存在を同定するアッセイに、または組織を含有するLPA受容体LPAR5を実質的に純粋な形態に単離するために使用され得る。本発明の化合物は、例えば、ラジオアイソトープで標識され、次いで、LPA受容体LPAR5に結合された標識化合物は、特定の標識を検出するのに有用な通例の方法を用いて検出され得る。したがって、式Iの化合物またはこれらの塩は、LPAR5活性の位置または量をin vivo、in vitroまたはex vivoで検出するためのプローブとして使用され得る。
【0099】
さらに、式Iの化合物は、他の化合物、特に他の医薬活性成分の製造のための合成中間体として使用され得て、これらは、式Iの化合物から、例えば、置換基の導入または官能基の修飾によって入手可能である。
【0100】
本発明において有用な化合物を製造する一般的な合成シーケンスを、以下に示した実施例で詳細に概説されるが、これらは、単に本発明を例示するものであり、範囲または精神のいずれも限定するものではない。当業者であれば、実施例に記載された条件および方法の既知の変形が、本発明の化合物を合成するのに使用され得ることが容易に理解されよう。
【0101】
実施例
化合物の合成の最終の工程において、トリフルオロ酢酸または酢酸のような酸が使用される場合、例えば、トリフルオロ酢酸が酸不安定性保護基(例えば、tBu基)に使用される場合、または化合物が、後処理手順、例えば、冷凍乾燥法の詳細に応じて、場合によりこのような酸を含有する溶離液を用いたクロマトグラフィーによって精製された場合、化合物は、部分的にまたは完全に使用された酸の塩の形態、例えば、酢酸塩、ギ酸塩またはトリフルオロ酢酸塩または塩酸塩の形態で得られた。同様に、例えば、塩基性窒素のような塩基性中心を保持する出発材料または中間体は、遊離の塩基としてまたは、例えば、トリフルオロ酢酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、もしくは塩酸塩のような塩の形態で得られ、使用された。室温は、約20℃から25℃の温度を意味する。
【0102】
略語
アセトニトリル MeCN
tert−ブチル tBu
酢酸エチル EtOAc
テトラヒドロフラン THF
トリフルオロ酢酸 TFA
【0103】
〔実施例1〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸(例示的実施例)
【化16】
【0104】
(i)4−クロロ−2−(ジシクロヘキシル−ヒドロキシ−メチル)−フェノール
5−クロロ−2−ヒドロキシ−安息香酸メチルエステル7.0gのTHF(38ml)溶液に、シクロヘキシルマグネシウムクロリドのTHF(2M)溶液115.5mlを室温で徐々に添加した。次いで、反応混合物を5時間還流加熱した。室温まで冷却後、これを氷で加水分解した。白色沈澱が溶解するまで飽和NH
4Cl水溶液を添加した。水性相をエーテルで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をn−ヘプタンから再結晶化させて、明るい黄色生成物を得た。収量:5.2g。
【0105】
(ii)6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
NaH(60%鉱油中の分散液)1.6gおよび18−クラウン−6エーテル131mgの無水ジオキサン(60ml)懸濁液に、ジクロロ酢酸(1M)の無水ジオキサン溶液16.4mlを室温で徐々に添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、4−クロロ−2−(ジシクロヘキシル−ヒドロキシ−メチル)−フェノール3.2gの無水ジオキサン(42ml)溶液を添加し、90℃で6時間撹拌した。0℃まで冷却した後、反応混合物をイソプロパノール8mlでクエンチし、氷上に注いだ。水性相をエーテルで抽出し、次いで、HClで(2M、pH1まで)酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をn−ヘプタンから再結晶化させて、明るい黄色生成物を得た。収量:2.5g。
MS(ES−):m/e=377。
【0106】
〔実施例2〕
4,4−ジシクロヘキシル−7−ピロール−1−イル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化17】
【0107】
(i)2−(ジシクロヘキシル−ヒドロキシ−メチル)−5−ピロール−1−イル−フェノール
2−ヒドロキシ−4−ピロール−1−イル−安息香酸メチルエステル217mgのTHF(4ml)溶液に、シクロヘキシルマグネシウムクロリドのTHF(2M)溶液2mlを室温で徐々に添加した。次いで、反応混合物を4時間還流加熱した。室温まで冷却後、これを氷で加水分解した。白色沈澱が溶解するまで飽和NH
4Cl水溶液を添加した。水相をエーテルで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を次の反応工程に使用した。収量:504mg。
【0108】
(ii)4,4−ジシクロヘキシル−7−ピロール−1−イル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
NaH(鉱油中の60%分散液)228mgおよび18−クラウン−6エーテル18mgの無水ジオキサン(8ml)懸濁液に、ジクロロ酢酸(1M)の無水ジオキサン溶液2.3mlを室温で徐々に添加した。反応混合物を60℃まで加熱し、2−(ジシクロヘキシル−ヒドロキシ−メチル)−5−ピロール−1−イル−フェノール504mgの無水ジオキサン(6mL)溶液を添加し、95℃で6時間撹拌した。0℃まで冷却した後、反応混合物をイソプロパノール2mlでクエンチし、氷上に注いだ。水相をエーテルで抽出し、次いで、HClで(2M、pH1まで)酸性化し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLC(C18逆相カラム、0.1%TFAを含む水/MeCN勾配で溶離)によって精製した。生成物を含む画分を蒸発させ、凍結乾燥して、白色固体を得た。収量:118mg。
MS(ES−):m/e=408。
【0109】
〔実施例3〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化18】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=357。
【0110】
〔実施例4〕
4,4−ジシクロヘキシル−7−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化19】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=373。
【0111】
〔実施例5〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化20】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=362。
【0112】
〔実施例6〕
4,4−ジシクロヘキシル−7−ジメチルアミノ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化21】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS (ES+):m/e=388.
【0113】
〔実施例7〕
4,4−ジシクロヘキシル−5,7−ジメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化22】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=403。
【0114】
〔実施例8〕
4,4−ジシクロヘキシル−4H−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化23】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=393。
【0115】
〔実施例9〕
4,4−ジシクロヘキシル−7−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化24】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=357。
【0116】
〔実施例10〕
4,4−ジシクロヘキシル−5−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化25】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=357。
【0117】
〔実施例11〕
7−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化26】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=377。
【0118】
〔実施例12〕
4,4−ジシクロヘキシル−8−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化27】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=357。
【0119】
〔実施例13〕
4,4−ジシクロヘキシル−8−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化28】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=361。
【0120】
〔実施例14〕
6−tert−ブチル−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化29】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=399。
【0121】
〔実施例15〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−ヨード−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化30】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=469。
【0122】
〔実施例16〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−トリフルオロメチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化31】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=411。
【0123】
〔実施例17〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−2−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化32】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=391。
【0124】
〔実施例18〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−トリフルオロメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化33】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=427。
【0125】
〔実施例19〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化34】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=395。
【0126】
〔実施例20〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−8−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化35】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=395。
【0127】
〔実施例21〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−5−フルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化36】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=395。
【0128】
〔実施例22〕
6−(4−クロロ−フェノキシ)−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化37】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=469。
【0129】
〔実施例23〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−ピリジン−4−イル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化38】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES+):m/e=422。
【0130】
〔実施例24〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−(3−メトキシ−フェノキシ)−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化39】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=465。
【0131】
〔実施例25〕
6−(3−クロロ−フェノキシ)−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化40】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=469。
【0132】
〔実施例26〕
6−(4−クロロ−ベンゾイル)−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化41】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=483。
【0133】
〔実施例27〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−(ピリジン−3−イルオキシ)−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化42】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES+):m/e=438。
【0134】
〔実施例28〕
4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化43】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=348。
【0135】
〔実施例29〕
4,4−ジシクロヘキシル−8−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化44】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=373。
【0136】
〔実施例30〕
4,4−ジシクロヘキシル−5−エトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化45】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=387。
【0137】
〔実施例31〕
7−ブトキシ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化46】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=415。
【0138】
〔実施例32〕
6,8−ジクロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化47】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=411。
【0139】
〔実施例33〕
1,1−ジシクロヘキシル−1H−ナフト[2,1−d][1,3]ジオキシン−3−カルボン酸
【化48】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=393。
【0140】
〔実施例34〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化49】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=373。
【0141】
〔実施例35〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−フェニル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化50】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=419。
【0142】
〔実施例36〕
4,4−ジシクロヘキシル−7−メトキシ−5−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化51】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=387。
【0143】
〔実施例37〕
7−ベンジルオキシ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化52】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=449。
【0144】
〔実施例38〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−7−メトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化53】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=407。
【0145】
〔実施例39〕
4,4−ジシクロヘキシル−6−(ピロリジン−1−スルホニル)−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化54】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES+):m/e=478。
【0146】
〔実施例40〕
4,4−ジシクロヘキシル−7−モルホリン−4−イル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化55】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES+):m/e=430。
【0147】
〔実施例41〕
4,4−ジシクロヘキシル−4H−ナフト[1,2−d][1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化56】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=393。
【0148】
〔実施例42〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−8−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化57】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=391。
【0149】
〔実施例43〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−7−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化58】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=391。
【0150】
〔実施例44〕
4,4−ジシクロヘキシル−5,7−ジフルオロ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化59】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=379。
【0151】
〔実施例45〕
1,1−ジシクロヘキシル−7,8,9,10−テトラヒドロ−1H−ナフト[2,1−d][1,3]ジオキシン−3−カルボン酸
【化60】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=397。
【0152】
〔実施例46〕
4,4−ジシクロヘキシル−8−トリフルオロメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化61】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=427。
【0153】
〔実施例47〕
8−tert−ブチル−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化62】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=399。
【0154】
〔実施例48〕
10−ベンジル−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ナフト[2,3−d][1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化63】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=483。
【0155】
〔実施例49〕
4,4−ジシクロヘキシル−7−ジエチルアミノ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化64】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES+):m/e=416。
【0156】
〔実施例50〕
6−ブロモ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化65】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=421。
【0157】
〔実施例51〕
6−クロロ−4,4−ジシクロペンチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化66】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=349。
【0158】
〔実施例52〕
6−クロロ−4−シクロヘプチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化67】
表題化合物は、工程(i)において、5−クロロ−2−ヒドロキシ−安息香酸メチルエステルおよびシクロヘキシルマグネシウムクロリドの代わりに、5−クロロ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドおよびシクロヘプチルマグネシウムクロリドを用いることによって、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=309。
【0159】
〔実施例53〕
6−クロロ−4−シクロヘキシル−4−フェニル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸(例示的実施例)
【化68】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=371。
【0160】
〔実施例54〕
6−ブロモ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化69】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=421。
【0161】
〔実施例55〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘプチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化70】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=405。
【0162】
〔実施例56〕
6−クロロ−4,4−ジシクロオクチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化71】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=433。
【0163】
〔実施例57〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘプチル−7−メチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化72】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=419。
【0164】
〔実施例58〕
4,4−ジシクロヘプチル−6−トリフルオロメトキシ−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化73】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=455。
【0165】
〔実施例59〕
6−ブロモ−4,4−ジシクロヘプチル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸
【化74】
表題化合物は、実施例1に記載されているのと同様に製造された。
MS(ES−):m/e=449。
【0166】
〔実施例60〕
5−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−1H−テトラゾール
【化75】
【0167】
(i)6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸アミド
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸4.8gおよび1,1’−カルボニルジイミダゾール2.44gのTHF(122ml)溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、25%NH
4OH水溶液122mlを添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌した。沈澱をろ過し、冷水で洗浄し、P
2O
5で乾燥した。EtOAcからの再結晶化により、所望の生成物を得た。収量:3.55g。
【0168】
(ii)6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボニトリル
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸アミド3.25gおよびピリジン1.7mlのジオキサン(29ml)溶液に、トリフルオロ酢酸無水物4.19mlを0℃において滴下で添加した。反応を0℃で30分間、および室温で4時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷水上に注ぎ、30分間撹拌した。沈澱をろ過し、水で洗浄し、真空下P
2O
5で乾燥した。収量:2.95g。
【0169】
(iii)5−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−1H−テトラゾール
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボニトリル500mgおよびトリメチルスズアジド572mgをキシレン23mlに溶解した。反応混合物を4時間還流した。次いで、溶媒を真空中で除去し、粗生成物を分取HPLC(C18逆相カラム、0.1%TFAを含む水/MeCN勾配による溶離)によって精製した。生成物を含む画分を蒸発させ、凍結乾燥して、固体を得て、微量のスズ副生成物を除去するためにヘプタンで3回洗浄した。収量:238mg。
MS(ES+):m/e=444(M+H
++MeCN)。
【0170】
〔実施例61〕
3−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
【化76】
【0171】
(i)N−ヒドロキシ−6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボキサミジン
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボニトリル500mg、ヒドロキシルアミン塩酸塩204mgおよびトリエチルアミン0.41mlのメタノール(7ml)溶液を8時間還流した。溶媒を真空中で除去し、残留物をEtOAcに溶解し、水で洗浄した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥した。溶媒を除去後、粗生成物を直接次の工程に使用した。収量:540mg。
【0172】
(ii)3−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン
N−ヒドロキシ−6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボキサミジン500mgのエタノール(3.7ml)溶液に、ナトリウムメトキシド溶液(メタノール中30%)0.7ml、次いで、ジエチルカルボナート0.617mlを添加した。混合物を2時間還流した。室温まで冷却後、溶媒を真空中で除去した。残留物を水3.4mlに溶解し、pH7に達するまで1M HCl水溶液を添加した。得られた沈澱をろ過し、水で洗浄し、EtOAcに溶解し、MgSO
4で乾燥した。次いで、溶媒を真空中で除去し、粗生成物を分取HPLC(C18逆相カラム、0.1%TFAを含む水/MeCN勾配による溶離)によって精製した。生成物を含む画分を蒸発させ、凍結乾燥して、固体を得た。収量:257mg。
MS(ESI−):m/e=417。
【0173】
〔実施例62〕
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸メチルエステル
【化77】
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸2gおよびパラ−トルエンスルホン酸73mgのメタノール(4ml)溶液を4時間還流した。室温まで冷却後、重炭酸ナトリウム50mgを添加し、溶媒を真空中で除去した。残留物を10mlEtOAcに溶解し、水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥した。溶媒を真空中で除去した。収量1.3g。
1H−NMR(500MHz,D
6−ジメチルスルホキシド):δ(ppm)=7.30(1H,dxd,J=8.5Hz,2.5Hz)、7.25(1H,d,J=2.5Hz)、7.04(1H,d,J=8.5Hz)、5.26(1H,s)、3.80(3H,s)、2.22〜2.14(1H,m)、1.87〜1.61(8H,m)、1.58〜1.48(2H,m)、1.45〜1.39(1H,m)、1.37〜1.04(7H,m)、0.87〜0.71(2H,m)、0.03〜0.07ppm(1H,m)。
【0174】
〔実施例63〕
5−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
【化78】
【0175】
(i)6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸ヒドラジド
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸メチルエステル2.47gのエタノール(9ml)溶液を、ヒドラジン一水和物0.61mlのエタノール(9ml)溶液に添加した。反応混合物を1時間還流した。室温まで冷却後、溶媒を真空中で除去した。粗生成物を分取HPLC(C18逆相カラム、0.1%TFAを含む水/TFA勾配による溶離)によって精製した。生成物を含む画分を蒸発させ、凍結乾燥して、固体を得た。収量:1.1g。
【0176】
(ii)5−(6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−イル)−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
6−クロロ−4,4−ジシクロヘキシル−4H−ベンゾ[1,3]ジオキシン−2−カルボン酸ヒドラジド300mgのトルエン(4.3ml)溶液に、ホスゲンのトルエン中の1.9M溶液4mlを添加した。反応混合物を4時間還流加熱した。室温まで冷却後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥した。次いで、溶媒を真空中で除去し、粗生成物を分取HPLC(C18逆相カラム、0.1%TFAを含む水/MeCN勾配による溶離)によって精製した。生成物を含む画分を蒸発させ、凍結乾燥して、固体を得た。収量:180mg。
MS(ES+):m/e=419。
【0177】
薬理学的試験
式Iの化合物のLPA受容体LPAR5を阻害するまたはそれに結合する能力は、細胞の機能への影響を決定することによって評価することができる。このような化合物のこの能力は、シングルキュベットを用いるBorn法のような血小板凝集アッセイ、ならびにマスト細胞およびミクログリア細胞のためには、Molecular Devices Inc.によるFluorometric Imaging Plate Reader(FLIPR)アッセイで評価される。
【0178】
A)洗浄ヒト血小板(血小板)に対する凝集アッセイ
それぞれが1/10の体積の緩衝クエン酸塩を含有する3×20mlの注射器を用いて、健康なボランティアから全血を収集した。抗凝固剤処置された全血を50mlポリプロピレンコニカルチューブ(チューブ当たり30ml)に移した。チューブを遠心ブレーキを用いずに、150×gにおいて室温で10分間遠心分離した。この手順により、細胞成分の下相および血小板に富む血漿(PRP)の上清(上相)が生じた。PRP相を各チューブから回収し、各提供者に対してプールした。第1の遠心分離の後に細胞成分の持越しを回避するために、約5mlのPRPをチューブ中に残した。血小板濃度をABX Micros 60カウンターを用いて決定した。PRP相を50mlチューブに移した。室温に10分放置させた後、PRP 1ml当たり、1μl PGI
2(トリス−HCl中1mM/pH8.8)および180μl ACD/Aを添加した。次いで、PRPを新規の10mlチューブに移し、500×gで10分間遠心分離した。遠心分離後、細胞の沈渣がチューブの底に見える。上清を注意深く廃棄し、次いでヒト血小板からなる細胞の沈渣を10ml緩衝液T(緩衝液T組成:145mM NaCl、5mM KCl、0.1mM MgCl2×6H
2O、15mM HEPES、5.5mMグルコース、pH7.4)に溶解した。この溶液中の血小板濃度を決定し、緩衝液Tを添加して、1ml当たり3.5×10
5個の血小板の最終濃度を得た。
【0179】
室温で10分後、血小板溶液1ml当たりPGI
21μlを添加し、新規の10mlチューブ中に移した。遠心分離工程、500×gで10分の後、上清を廃棄し、血小板を緩衝液T1ml当たり3.5×10
5個の血小板の最終濃度まで緩衝液Tに再懸濁させた。使用の前に、血小板を含有する緩衝液を室温で30分間平衡にさせた。ヒト血小板凝集アッセイをPlatelet Aggregation Profiler(登録商標)(PAP−4または−8E、BIO/Data Corporation)を用いて、シングルユースキュベット中で実行した。単回の実験に対して、320μlの血小板溶液をアッセイキュベット中に移し、20μlのクエン酸カルシウム溶液(H
2O中10mM)および20μlのフィブリノーゲン溶液(20mg/mlH
2O)を添加した。凝集アッセイを37℃のアッセイキュベット中で、1.200rpmの撹拌をしながら実行した。EC
50を決定するために、8個のアッセイキュベットに上記のように、異なる濃度のLPAを加えた。凝集を6分にわたり37℃において1200rpm(1分当たりの回転数)の撹拌で測定した。アッセイの結果を活性化%として表し、6分にわたる吸収の最大凝集(Tmax)または曲線下面積(AUC)を用いて計算した。試験化合物の阻害作用(IC
50)を最大凝集の低下として決定した。1200rpmの撹拌で37℃において5分の試験化合物のインキュベーション時間による実験を開始する前に、試験化合物を添加した。本発明の例示的な化合物に対する、ヒト洗浄血小板を用いた上記の血小板凝集アッセイのIC
50データを表1に示す。
【0181】
B)ヒトマスト細胞系HMC−1およびマウスのミクログリア細胞系BV−2における、細胞内Ca
2+放出の決定のためのFluorometric Imaging Plate Reader (FLIPR)アッセイの使用
LPA受容体LPAR5を阻害するまたはそれに結合する式Iの化合物の能力を、ヒトまたは動物の細胞における、細胞内Ca
2+放出を決定することによって評価することができる。式Iの化合物のLPAの活性化ポテンシャルおよび抑制性作用の解析のために、高いLPAR5発現を有する2種の細胞系、ヒトマスト細胞系HMC−1およびマウスのミクログリア細胞系BV−2(
図1および2)を使用した。96ウェルフォーマットにおいて、ヒトマスト細胞を用いるFLIPRアッセイのために、フラスコ培養からのHMC−1懸濁細胞を回収し、再懸濁させ、カウントした。14×10
6個のHMC−1細胞を新規の50mlチューブに移し、540×gで3分間遠心分離した。チューブの底で得られた細胞沈渣を15mlの添加液(添加液は、HBSS緩衝液(pH7.4)、0.1%BSA(ウシ血清アルブミン)、2μM FLUO−4dyeを含有していた;HBSS緩衝液(pH7.4)は、1×HBSS、20mM HEPES、0.01% Pluronic F−127、2.5mMプロベニシドを含有していた)で再懸濁させた。
【0182】
添加液中の細胞を37℃で45〜60分間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を540×gで3分間遠心分離し、21mlのHBSS緩衝液(pH7.4)で再懸濁させた。ポリ−D−リシン被覆96ウェルプレートの各ウェルを150μlの細胞溶液で充填し、100000細胞/ウェルに相当する。96ウェルプレートを100×g(ブレーキなしで)2分間遠心分離し、その後37℃で30分の回収時間がくる。この手順の後、細胞をLPA(HBSS pH7.4および0.1%BSA中)で刺激して、HMC−1細胞中のLPAのEC
50を決定した。式Iの化合物の抑制作用を決定するために、LPAの添加の10分前に、試験化合物を96ウェルプレート中の細胞に添加した。アッセイの結果を活性化%として表し、活性化の最大ピーク(A
max)を用いて計算した。本発明の例示的な化合物に対する、ヒトマスト細胞系HMC−1を用いた上記のFLIPRアッセイのIC
50データを表2に示す。接着BV−2細胞をポリ−D−リシン被覆96ウェルプレート(100000細胞/ウェル)上に、FLIPRアッセイを実行する前日に播種した。96ウェルプレート中の細胞の密度は、FLIPRアッセイ当日では90%であるべきである。培養液の吸引後、BV−2細胞を添加液と共に37℃で30分間インキュベートし、150μlのHBSS緩衝液中に37℃で30分間回収した。この手順の後、細胞をLPA(HBSS pH7.4および0.1% BSA中)で刺激して、BV−2細胞におけるLPAのEC
50を決定した。式Iの化合物の抑制作用の決定のために、LPAの添加の10分前に、試験化合物を96ウェルプレート中の細胞に添加した。本発明の例示的な化合物に対する、マウスのミクログリア細胞系BV−2を用いた上記のFLIPRアッセイのIC
50データを表3に示す。