(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
リソグラフィ装置(10)であって、このリソグラフィ装置(10)の構造要素(13)の動きを減衰させるための渦電流ブレーキ(30,70)を具えたリソグラフィ装置において、前記渦電流ブレーキ(30,70)が、
弧状配列の形に配置された複数の磁石(40...43; 66; 82; 92)と、
各々が、隣接する前記磁石(40...43; 66; 82; 92)間のそれぞれに配置された複数の導電シート(35, 67)とを具え、
前記動きを減衰させる方向の、前記磁石(40...43; 66; 82; 92)と前記導電シート(35, 67)との間の相対運動が、前記導電シート(35, 67)内に渦電流を発生させ、
前記磁石が、磁石積層(40...43; 66-1...66-12; 82-1...82-12; 92-1...92-12)の形に配置され、前記磁石積層のそれぞれが、複数の磁石を含み、
前記磁石積層(40...43; 66-1...66-12; 82-1...82-12; 92-1...92-12)内の隣接する磁石が、当該磁石の反対極どうしが隣り合うように配置され、
前記磁石を保持するホルダ装置(31)をさらに具え、このホルダ装置が基部(31a)及びレセプタクル部(31b)を具え、前記レセプタクル部(31b)が前記構造要素に強固に接続され、前記基部(31a)と前記レセプタクル部(31b)とが、バネ要素(34)によって相互接続され、
前記バネ要素が、前記レセプタクル部(31b)と前記基部(31a)との間に位置して、前記レセプタクル部から前記基部へ向かって放射状に延びる
ことを特徴とするリソグラフィ装置。
少なくとも2つの前記磁石積層(40...43; 66-1...66-12; 82-1...82-12; 92-1...92-12)を具えていることを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ装置(10)。
前記磁石積層(40...43; 66-1...66-12; 82-1...82-12; 92-1...92-12)の各々が、偶数の磁石を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のリソグラフィ装置(10)。
前記磁石が、円筒磁石配列(66)の形に配置され、この円筒磁石配列が、前記構造要素(13)を位置決めするためのアクチュエータ(50,60)の円筒コイル(62)に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載のリソグラフィ装置(10)。
【背景技術】
【0003】
関連技術
こうしたリソグラフィ装置は、例えば集積回路またはICの製造において、マスク内のマスクパターンを、例えばシリコンウェハーのような基板上に結像させるために使用される。このプロセスでは、照射装置によって発生した光ビームを、例えばマスクを通して基板上に指向させる。Afn露光レンズを設けて光ビームを基板上に指向させ、このレンズは、例えばミラー及び/またはレンズ素子のような複数の光学素子で構成することができる。それらのアライメント(位置合わせ)に関しては、個別の光学素子をできる限り正確に位置決めすべきである、というのは、光学素子の位置の小さな偏位でも、結像されるパターンに悪影響を与え得る。これにより、製造される集積回路内に欠陥が生じ得る。この理由で、光学素子における振動を減衰させることが重要である。
【0004】
国際公開第2010/094864号(特許文献2)は、光学素子を有する投影露光装置を開示し、この光学素子は、アクチュエータシステムを介して外枠に取り付けられている(例えば、
図3及び関連する説明を参照)。このアクチュエータシステムは、圧電クローラ、圧電アクチュエータ、円筒コイル、または渦電流ブレーキを有することができる。
【0005】
米国特許出願公開第2007/0153348号(特許文献3)は、ロッド、このロッドに結合された一連の導電プレート、及び磁石の層を含む渦電流ダンパを開示している。交互する層が交番磁界を有する。光学素子が動くと、この光学素子がロッドに力を加える。ロッドは、交互する磁石の層に対して導電プレートを動かして各導電プレート内に渦電流を発生させて、この渦電流が光学素子の動きを減衰させる。
【0006】
米国特許出願公開第2002/0109437号(特許文献4)は、光学素子用の流路内の振動の減衰を論じている。この目的で、振動をセンサによって捕捉して、この捕捉の結果をアクチュエータにフィードバックすることを提案し、これらのアクチュエータは圧電素子として実現される。これらのアクチュエータは、液体中の乱流と逆相の振動を生成し、この振動の振幅は少なくとも同じ大きさを有する。
【0007】
米国特許第6788386号(特許文献5)はリソグラフィ装置を開示し、このリソグラフィ装置では、反動質量及びアクチュエータを用いて、リソグラフィ装置の投射系内の光学素子の不所望な振動を低減している。
【0008】
リソグラフィ装置の分解能に関する要求が増加すると共に、リソグラフィ装置内の光学素子の動き及び不所望な共振を減衰させるための改良された減衰装置に対する絶え間ない需要が存在する。特に、渦電流ブレーキに基づく従来の減衰装置は、1つまたは2つの自由度のみについての減衰用に設計されていることが多い。従って、6つの自由度のすべてについて光学素子の動きを減衰させるためには、複数の減衰装置を用意しなければならず、このことは複雑であり、空間的な要求を増加させる。ゴムダンパに基づく減衰装置は、より多数の自由度で減衰をもたらすことができるが、リソグラフィ装置の分野でのその使用は、そのゴム摩耗及び汚染による問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、小型の構成で、フレキシブルに装着された構造要素の動きを非接触で減衰させることのできる減衰装置を有するリソグラフィ装置を開発することにある。本発明の他の目的は、構造要素の動きを多数の自由度について減衰させるリソグラフィ装置を開発することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの態様では、この目的は、リソグラフィ装置の構造要素の動きを減衰させるための渦電流ブレーキを具えたリソグラフィ装置によって達成することができ、この渦電流ブレーキは、弧状配列の形に配置された複数の磁石、及び各々が隣接する磁石間のそれぞれに配置された複数の導電シートを具え、減衰させる方向の、磁石と導電シートとの間の相対運動が、導電シート内に渦電流を誘導する。
【0012】
磁石を弧状配列の形に配置した結果、渦電流ブレーキを提供することができ、この渦電流ブレーキは、フレキシブルに装着された構造要素の動きを、小型の構成で、非接触で減衰させることができる。なお、この関係では、「弧」とは、微分可能な曲線の一部分、特に二次元平面内に配置されたものを意味する。磁石が配列された「弧状」は円弧状にすることができ、このことは特に小型の構成を可能にする。円弧状に限定されることなく、楕円状、双曲線状、放物線状、等のような他の弧状も可能である。さらに、弧状配列は、複数の自由度で、例えば6つの自由度全部で、構造要素の動きを減衰させることができる。なお、この関係では、磁石のレイアウト次第で、減衰比はすべての方向(自由度)について同一ではなく、減衰比が最大である方向を、減衰される主方向とも称する。
【0013】
磁石は、磁石積層の形に配置することができ、それぞれの層が複数の磁石を含む。ここでは、磁石積層内の隣接する磁石を、反対極どうしが隣り合うように配置することができる。特に、これらの磁石は、反対極どうしを隣り合わせにして、減衰される主方向に積層させることができる。このことは、複数の平面内に磁石の配列を生じさせ、これらの磁石が個別の平面内で発生する磁界は、減衰される主方向に沿って交互する。従って、このような磁石の交互配列の結果として、減衰される主方向に沿った磁界は、その方向が高頻度に変化し、従って減衰効果を増加させる。大きな渦電流がプロセス中に誘導され、従って高度な減衰を得ることができる。
【0014】
少なくとも2つの、好適には3つの、特に好適には4つ以上の磁石積層を設けることができる。このような、導電シート(フィン)を間に挟んだ磁石積層の並列配置は、複数の渦電流ブレーキの並列配置に相当し、従って、小型の構成を用いて、さらに大きな度合いの減衰を達成することができる。
【0015】
これらの磁石積層のそれぞれが、偶数の磁石を含むことができる。この結果、寄生磁界を低減または解消することができる。
【0016】
上記円弧の角度が少なくとも30°、好適には少なくとも45°、特に好適には少なくとも60°である際でも、顕著な渦電流効果が発生する。上記円弧の角度が360°である場合、即ち、磁石が全円に沿って配置されている場合に、上記装置は特に有効かつ小型である。
【0017】
磁石が台形である場合に、特に小型かつ効率的な、円弧に沿った配列が可能である。
【0018】
1つの好適例では、リソグラフィ装置が、磁石を保持するためのホルダ装置をさらに有し、このホルダ装置は、基部及びレセプタクル(受け台)部を具え、レセプタクル部は構造要素に強固に接続され、基部とレセプタクル部とはバネ要素によって相互接続されている。このバネ要素は、例えば、レセプタクル部と基部との間に放射状に延びるウェブとすることができる。こうした構成により、特に小型に実現することができる。
【0019】
磁石が発生する磁界は、上記弧状配列によって規定される弧を含む平面内に延びることができ、減衰される主方向は、この平面の法線に対して45°以下の角度に延びる。換言すれば、減衰される主方向は、磁石が配列された平面の法線に平行に延びる必要はないが、減衰される主方向が、弧状配列によって規定される弧を含む平面、即ち、磁石の層が配列された平面の法線にほぼ平行に延びる場合に、より良好な減衰比を達成することができる。
【0020】
本発明の他の態様では、渦電流ブレーキが複数の磁石の組を具え、これらの組の各々が、所定平面内に弧状配列の形に配置され、これらの組が、動きを減衰させるべき構造要素の軌跡に沿って配置されるように、隣接する組の平面が互いに対して傾斜する。こうした構成により、単純な平行または回転移動を行わず、非線形の軌跡に沿って移動する構造要素を減衰させることができる。構造要素の軌跡は、例えば弧状にすることができる。このことは、構造要素の動きの滑らかな減衰を可能にする。
【0021】
上記導電シートは、構造要素に取り付けることができる。その代わりに、例えば、構造要素を位置決めするためのアクチュエータの移動部分に、導電シートを取り付けることができる。
【0022】
磁石は、構造要素に取り付けることができ、そして強固に接続することができる。しかし、構造要素を磁石に対して可動な様式で配置することも、同じくらい容易にできる。第1の場合に生じる利点は、例えば、より強固なバネ要素を用いて構造要素を装着することができることにある、というのは、磁石の重量が構造要素の重量に寄与するからである。後者の場合には、リソグラフィ装置の構造フレームの側部に磁石を設けることができる。
【0023】
他の好適例では、円柱形の磁石配列の形に磁石を設け、この配列を、構造要素を位置決めするためのアクチュエータの円柱コイルに取り付ける。
【0024】
減衰装置は、構造要素を位置決めするためのアクチュエータ内に統合することができる。従って、特に小型の構成を提供することができる。ここで、アクチュエータは、例えば、ボイスコイル・アクチュエータとして、あるいは重力補償装置として具体化することができる。構造要素は、特に、リソグラフィ装置の光学素子とすることができる。構造要素は弾性にすることができる。
【0025】
他の好適例は、添付した図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
特に断りのない限り、図面中の同一参照符号は等価な、あるいは機能的に等価な要素を表す。
【実施例1】
【0028】
第1実施形態
図1に、第1実施形態によるリソグラフィ装置の概略図を示す。このリソグラフィ装置10はベースプレート11を具え、ベースプレート11上に、少なくとも1つの光学素子を保持するためのホルダフレーム(保持枠)12、及びセンサ装置15を保持するための測定フレーム14も設けられている。リソグラフィ装置10は、一般に複数の光学素子を有する。しかし、
図1の好適な様式では、リソグラフィ装置10の機能を概略的に説明するために、1つの光学素子のみを図示している。
【0029】
図示する例では、ウェハー・レセプタクル16が光学素子13の下方に設けられ、ウェハー17、例えばシリコンウェハーを、このレセプタクル内に保持することができる。例として、ウェハー・レセプタクル16は、ステップ・アンド・スキャン・システムとすることができ、このシステムは、露光中及び露光休止中の両方に、ウェハー17をベースプレート11に対してステップバイステップで(段階的に)移動させる。
【0030】
照射装置18が光学素子13の上方に設けられ、ウェハー17を露光するためのビームを発生する。照射装置18から出る光ビームはマスク19を通過し、ここではマスク19を単に概略的に図示し、図示する例では、マスク19は光学素子13と組になり、光学素子13はミラー系として具体化され、このようにして、マスク19内に設けられたパターンが、縮小されたサイズでウェハー17上に結像される。この実施形態の代案として、レンズ素子配列、即ち複数のレンズ素子を、光学素子13として設けることもできる。
【0031】
高い光学分解能を保証するために、光学素子13は露光プロセス中に最適位置に正確に配置され、かつ最適な配向を有さなければならない。この目的のために、複数のセンサ及びアクチュエータを設け、これらのセンサ及びアクチュエータは、6つの自由度全部について、光学素子13のアライメントを捕捉して設定する。これら6つの自由度は、3つの空間軸に沿った平行移動、及びこれら3つの空間軸周りの回転運動である。簡単のため、本例では1つのセンサ装置15のみを図示し、このセンサ装置15は、1つの自由度について光学素子13の位置を捕捉する。センサ装置15によって捕捉された位置は、制御装置(これ以上詳細に図示せず)に供給され、この制御装置は、制御信号をアクチュエータ50に送信し、アクチュエータ50は、光学素子13の位置を、フレーム12に対する所望位置に調整する。アクチュエータ50を用いて、光学素子13の位置を、少なくとも1つの自由度について設定することができる。
【0032】
アクチュエータ50は、反動質量37及びバネ要素34を介してフレーム12に接続されている。光学素子13及びアクチュエータ50を、反動質量37及びバネ要素34を介して補助フレーム(いわゆるサブフレーム)に装着することもでき、この補助フレームは、随意的に、追加的な結合要素またはバネ要素を介してシステムフレーム12に装着されている。簡単のため、図示する例では、1つのフレーム12のみを介したベースプレート11上のマウントを例示する。
【0033】
反動質量37は、一般に5〜20Hzの固有振動数を有する。バネ要素34と共に、反動質量37はローパス(低域通過)フィルタを形成し、このローパスフィルタは、こうした低い周波数範囲の振動のみを通過させる。アクチュエータ50を用いて光学素子13を設定する際に、光学素子13を移動させる力に対抗する力が発生する。反動質量37の固有振動数を下回る周波数を有する反動力は、フレーム12に直接伝えられる。これに対し、反動質量37の固有振動数を上回る周波数を有する反動力は、ローパスフィルタ処理を受ける。従って、システムの安定化は、アクチュエータ50及び光学素子13を、反動質量37を介してフレーム12に結合することによって達成される。
【0034】
照射に使用する光の波長が減少すると共に、光学素子13の位置精度に関する要求は増加する。従って、ナノメートル範囲の位置誤差でも照射エラーをもたらし、このことは、極紫外範囲の照射光で動作するEUVシステムの場合に、製造される半導体素子を使い物にならなくする。さらに、光学素子13が有する固有振動数の周波数範囲内では、減衰(ダンピング)が必要になる、というのは、さもなければ、小さな震動または振動でも、結像精度に悪影響を与える位置偏差をもたらすからである。さらに良好な減衰または安定化を得るために、減衰装置30をさらに設け、減衰装置30は、フレーム12に対する反動質量37の動きを(従って、反動質量37に装着されたアクチュエータ50及び光学素子13の動きも)減衰させる。
図1では、減衰装置30を単に概略的に示す。
【0035】
本発明の1つの態様によれば、減衰装置30を渦電流ブレーキとして具体化する。従って、以下では、渦電流ブレーキとして具体化される減衰装置30の設計及び特性を詳細に説明する前に、渦電流ブレーキを簡単に説明する。
【0036】
図2に、渦電流ブレーキ20の機能原理を概略的に示す。この渦電流ブレーキ20は一対の磁石21及び22を具え、これらの磁石の反対極どうしが互いに対向して配置されている。従って、磁石21の北極は磁石22の南極に対向して配置され、その逆も同様である。磁束を導くために、軟鉄プレート23及び24を、それぞれ磁石21及び22の外側に設ける。金属プレート25を導入するためのギャップを、磁石21と22の間に設ける。ここで、金属プレート25が速度vで不均一な磁界Bを通って導入されれば、電圧、及びその結果渦電流Iが、金属プレート25内に誘導される。これらの渦電流Iは自身の磁界を発生させ、レンツの法則によれば、これらの磁界は外部磁界に対抗する。その結果、金属プレート25にブレーキがかけられ、金属プレート25の運動エネルギーが熱に変換される。
【0037】
この単純なモデルより、金属プレート25と磁石21及び22との間の相対運動は、ブレーキ効果のために十分であり、即ち、金属プレート25を静止状態に保って磁石を動かすこともできることが明らかになる。さらに、金属プレート25が磁界勾配を通って移動する場合、即ち、換言すれば、金属プレート25の移動方向が、上記不均一な磁界の磁力線の方向を横切る方向である場合のみに、制動効果が発生することも明らかになる。従って、2つの自由度について、即ち、図に示す、
図2の紙面に直交する方向、及び
図2の紙面内の、この直交方向周りの回転運動について、減衰効果を得ることができる。
【0038】
この単純なモデルの減衰は、次のように定めることができる:金属プレート25に作用する力は、磁界、及び磁石の長さlに比例し、次式のようになる。
F=2BlI (1)
ここに、Bは磁界の強度である。電流Iは、金属プレート25内に誘導される電圧Uにより発生し、金属プレート25の抵抗Rに依存する:
【数1】
【0039】
ここに、hは装置の幅であり(
図2参照)、bは磁石の深さであり、ρは金属プレート25の抵抗率である。従って、
U=2Blv (3)
より、減衰dは次式のように出る
【数2】
【0040】
以下の文章では、リソグラフィ装置10の減衰装置30を説明し、減衰装置30は上述した原理を利用して、より多数の自由度にわたって、より良好な減衰を得る。
【0041】
図3に、リソグラフィ装置10の一部分の透視図を示し、この部分は、実質的に減衰装置30、反動質量37、及びバネ要素34で構成される。
図4に、この減衰装置30の磁石の配置を示す。
図5に、この磁石配置の平面射影を示す。平面射影の結果、
図5中のz軸は、
図3及び4中のz軸と同一であるのに対し、他の2つのデカルト座標軸、即ちx軸及びy軸は、
図3及び4中のx軸及びy軸と同一ではない。
【0042】
減衰装置30は、渦電流ブレーキとして具体化され、フレーム12に対する反動質量37の動きを減衰させる。減衰装置30は、ホルダ装置31、4つの磁石積層40〜43、及び2つの軟鉄プレート33を有する。ホルダ装置31は、フレーム12に取り付けるか、あるいはアクチュエータ50の筐体上または筐体内に設けることができ、そして金属材料製とすることができる。これに適したものは、例えば銅または銅合金のような高い導電率を有する金属材料である。例えばAW2014のようなアルミニウム合金が、耐久性と導電率に関して良好な妥協案を与え、従って特に適している。ホルダ装置31は、ほぼ立方体の基部31a、及びレセプタクル部31bを有し、レセプタクル部31bは円筒管の形状を有し、その長さ方向に沿って切断してある。基部31aとレセプタクル部31bとは、バネ要素34によって相互接続され、バネ要素34はウェブとして具体化される。従って、基部31a、レセプタクル部31b、及びウェブ34は、統合された具体例を有する。基部31aの上部は、円弧状の断面を持つ切り欠きを有する。4つの磁石積層40〜43及び2つの軟鉄プレート33は、基部31aの上側とレセプタクル部31の下側との間に設けられる。さらに、5つのフィン35が、レセプタクル部31bの下側から基部31aに向かって放射方向に延びる。これらのフィン35は、導電性の金属シートであり、磁石積層40〜43と軟鉄33との間に配置される。フィン35の下端と基部31aの上側との間には、ギャップ36が設けられる。このようにしてホルダ装置31が提供され、ホルダ装置31内では、基部31aがウェブ34を介してレセプタクル部31bにフレキシブルに接続される。ここで装置の剛性は、z方向が比較的低い。換言すれば、ウェブ34がバネとして機能し、ウェブ34のバネ力に対して作用する比較的弱い力によって、レセプタクル部31bをz方向に変位させることができる。これに対し、x方向及びy方向の装置の剛性、及び回転剛性は、比較的高い。
【0043】
反動質量37の一端は、レセプタクル部31bの上側に保持されて固定接続される。反動質量37の他端は、アクチュエータ50に接続される。本例では、アクチュエータ50がボイスコイル・アクチュエータとして具体化される。ここでは、アクチュエータ50が円筒コイル51を有し、
図3ではその位置を単に概略的に示し、円筒コイル51は、反動質量37の端部に設けられた磁気回転子と相互作用する。従って、アクチュエータ50の他方の端に取り付けられた光学素子13は、円筒コイル51に適切な電流を供給することによって、1つの自由度について、即ちz方向に位置決めすることができる。
【0044】
図示する例では、反動質量37が略円筒形に具体化され、反動質量37は、例えば鋼鉄製またはタングステン合金製、等とすることができる。上述したように、反動質量37はローパスフィルタとして機能し、このローパスフィルタは、光学素子を設定した際に発生する、反動質量37の固有振動数を上回る周波数範囲の振動を抑制する。ここでは、振動が主に1つの自由度について抑制され、正確には、図示する例ではz方向に抑制される。
【0045】
特に
図5より明らかになるように、磁石積層40〜43の各々が4つの磁石40a...40d〜43a...43dを具え、これらの磁石はz方向に上下に重ねて配置されて、ホルダ装置31内に配置されている。x−y平面で切断した断面を見ると、磁石40a...40d〜43a...43dは、実質的に台形の形状を有するか、あるいは切り欠き端付きの扇形の形状を有する。軟鉄プレート33は、磁束を完結させるか戻す働きをし、磁石積層40及び43の外側に平行に配置されている。
【0046】
ここでは、上下に重ねて配置された磁石が互いに逆の配向を有する。従って、磁石40aの北極は、その上に配置された磁石40bの南極に対向し、磁石40aの南極は、その上に配置された磁石40bの北極に対向する(
図5参照)。これに対し、磁石積層40〜43は同じ配向を有し、従って、磁石積層40〜43内の磁石の反対極は、常に、互いに対向して位置する。従って、この結果は、
図5に例示する磁力線プロファイルとなる。この図より明らかになるように、非常に不均一な磁界が、磁石積層40〜43の間に提供され、この磁界の方向はz軸に沿って複数回反転する。従って、z軸に沿った大きな勾配を有する磁界が提供される。
【0047】
フィン35と共に、磁石積層40〜43及び軟鉄プレート33の構成が渦電流ブレーキとして機能する。ここでは、フィン35の機能が
図2の金属プレート25の機能に相当する。z軸に沿った変位の場合、フィン35が、磁石積層40〜43間の不均一な磁界を横切って移動し、従って、導電フィン35内に渦電流が誘導されて、この移動の運動エネルギーが熱に変換される。磁石積層40〜43内の磁石40a...40d〜43a...43dの交互配列の結果として、磁界のz方向の勾配が特に顕著になり、従って、高度な減衰を達成することができる。主たる自由度(即ち、z方向)について、約4.5%のモード減衰が実験によって示され、さらに最適化した場合には、約5%〜6%のモード減衰が可能であるものと期待される。
【0048】
磁石積層40〜43の円形配置は、複数の自由度における減衰を可能にする。従って、平坦または非円形の配置の場合(これは、
図2の配置に相当するか、あるいは
図5に平面射影形式で図示する配置に相当する)、x方向及びy方向は磁界の勾配が小さい。こうした平坦な配置の場合、x方向及びy方向は、渦電流ブレーキ効果もあまり顕著ではない、ということになる。これに対し、円弧に沿った磁石の円形配置が達成することは、x方向及びy方向の磁界成分の勾配が大幅に増加する、ということである。従って、x方向及びy方向の動きの減衰も達成される。すべての平行移動が減衰されるので、すべての回転運動の減衰も達成され、従って、その結果、6つの自由度全部における動きが減衰される。さらに、低周波数範囲までも有効な広帯域の減衰を達成することができる。
【0049】
x方向及びy方向の平行移動が減衰される度合いは、磁石積層40〜43が当該円弧に沿って配置された円弧の円弧角に大きく依存し、この度合いは、この円弧の大きさと共に必然的に増加する。例えば30°の比較的小さい円弧でも、顕著な効果が達成され、少なくとも45°の円弧角が有利であり、少なくとも90°の円弧角がさらに有利であり、少なくとも180°の円弧角が特に有利である。極端な場合、磁石積層40〜43が全円に沿って配置され、これは360°の円弧角に相当する。対応する実施形態を、以下でさらに説明する。
【0050】
(例えばバイトン(Viton)(登録商標)製の)ゴム要素等による減衰に比べれば、追加的な利点は、減衰装置30上に摩損がほとんどないことである、というのは、互いに擦れ合う部分を設けないからであり、そして、磁石の磁力が何十年にわたっても安定しているからである。さらに、例えば光学素子に固着して結像特性を悪化させるゴム粒子の摩耗の恐れもない。さらに、磁石を、その組成により精密に設定することができ、従って、バッチ依存性も非常に低くなる。この場合、例えばネオジム磁石、あるいはSmCo(サマリウムコバルト)合金製の磁石のような希土類磁石が、特に有利であることが判明している。さらに、その剛性は、提案する配置によって影響されず、ゴム要素を用いた減衰時の場合のように、追加的な固有モードが発生しない。
【0051】
第1実施形態では、磁石積層40〜43の各々が4つの磁石を具えているが、これらは異なる数の磁石を具えることもできる。しかし、磁石積層40〜43のそれぞれが偶数の磁石を具えれば、これにより寄生磁界の形成が防止されるので有利である。偶数の磁石の場合、外側の磁石40a、40c、43a及び43cからの磁束が、軟鉄プレートを通って磁石40b、40d、43b及び43dに完全に戻るのに対し、奇数の磁石の場合、このことは不可能であり、従って、寄生磁界が形成される。
【実施例2】
【0052】
第2実施形態
第1実施形態によるリソグラフィ装置10では、磁石40〜43がホルダ装置31を介してホルダフレーム12に強固に接続されるのに対し、フィン35は、ホルダフレーム12に対して磁石間を移動することができ、かつ反動質量37に強固に接続されている。しかし、磁石が反動質量に強固に接続された逆の構成も可能である。こうした構成は、次の第2実施形態において説明する。
【0053】
第2実施形態によるリソグラフィ装置は、
図1に示すのと同じ概略設計を有し、従って、以下の文章では、その詳細な説明は控える。
図6は、減衰装置70を統合したアクチュエータ60の設計を概略的に示し、減衰装置70は渦電流ブレーキとして具体化される。
図7に、この減衰装置70の磁石の配列を示す。
図8に、この磁石配置の平面射影を示す。平面射影の結果、
図8中のz軸は、
図6及び7中のz軸と同一であるのに対し、他の2つのデカルト座標軸、即ちx’軸及びy’軸は、
図6及び7中のx軸及びy軸と同一ではない。
【0054】
アクチュエータ60は、磁気重力補償装置として、即ち、重力を補正するための受動アクチュエータとして具体化することができるのに対し、第1実施形態におけるアクチュエータは、1つの空間的自由度における光学素子の位置の能動的な、即ち任意の固定用に具体化されている。
【0055】
アクチュエータ60は、アクチュエータ筐体61、円筒コイル62、磁石ピストン63、ピン64、及びバネ65を具えている。減衰装置70は、磁石配列66及びフィン67を具えている。アクチュエータ60は、光学素子13(構造要素)をホルダフレーム12に結合する。
【0056】
より正確には、アクチュエータ筐体61が光学素子13に強固に接続され(
図1参照)、円筒コイル62が反動質量68に強固に接続され、反動質量68は、アクチュエータ60とは反対向きの側が、バネ要素34を介してフレーム12に結合されている(
図1参照)。その代案として、円筒コイル62を光学素子13に直接接続するか、あるいは、アクチュエータ60、ホルダフレーム12、及び光学素子13の間に、追加的な結合要素を設けることもできる。磁石ピストン63は、ピン64を介してアクチュエータ筐体61に強固に接続されている。円筒コイル62を制御電流によって励磁すれば、これにより磁界が誘導され、この磁界が磁石ピストン63と相互作用し、従って、z方向の力が光学素子13に加わり、その結果、光学素子のz方向の位置を設定することができる。
【0057】
バネ65は円筒バネとして具体化することができ、その中に配置された円筒コイル62及び磁石ピストン63を包囲する。バネ65は、一方の側をアクチュエータ筐体61に固定接続され、他方の側を反動質量68に固定接続されている。従って、バネ65のバネ力が、円筒コイル62にz方向に作用する力に対抗し、その結果、zピストンを安定化させて、より正確に設定することができる。
【0058】
磁石配列66は、円筒コイル62の、反動質量68とは反対向きの端部に設けられ、随意的に、結合要素(これ以上詳細に図示せず)を介して結合される。磁石配列66は、12個の磁石積層66−1...66−12を具え、これらは円周に沿って配置され、即ち360°の円弧に沿って配置されている(
図7参照)。磁石積層66−1...66−12のそれぞれが、(
図7にa、b及びcで表す)3つの磁石を有し、これらはz方向に順に下積みまたは上積みされて配置される。従って、これらの磁石は3平面または3段階に配置される。x−y平面で切断した断面を見ると、磁石積層66−1...66−12の磁石は、実質的に台形の形状を有するか、切り欠き端付きの扇形の形状を有する。従って、全体的には、これにより円筒形の磁石配列66ができ、ピン64が導入される同様に円筒形の切り欠きが、磁石配列66の中心に設けられる(
図6参照)。本実施形態では、磁石積層66−1...66−12が完全な環形の様式で配列されているので、磁束を完結させるための軟鉄を設ける必要はない。従って、図示する例のように、個別の磁石積層66−1...66−12には、奇数の磁石を設けることもできる。奇数の磁石の場合でも、磁束が円形様式で、磁石積層66−1...66−12を通って延びて、寄生磁界が全く、あるいはほとんど発生しないので、このことが可能である。
【0059】
ここでは、上下に重ねて配置された磁石どうしが、逆の配向を有する。換言すれば、磁石66−1aの北極は、その上に配置された磁石66−bの南極に対向し、磁石66−1aの北極は、その上に配置された磁石66−1bの南極に対向する。これに対し、磁石積層66−1〜66−12は同じ配向を有し、従って、磁石積層66−1...66−12内の磁石の反対極は、常に、互いに対向して位置する。従って、この結果は、
図8に例示する磁力線プロファイルとなる。この図より明らかになるように、非常に不均一な磁界が、磁石積層66−1〜66−12の間に提供され、この磁界の方向はz軸に沿って複数回反転する。従って、z軸に沿った大きな勾配を有する磁界が提供される。
【0060】
フィン67のそれぞれが、隣接する2つの磁石積層66−1...66−12の間に配置される。例えば銅または銅合金のような高い導電率を有する金属材料は、フィン67にも適している。例えばAW2014のようなアルミニウム合金が、耐久性と導電率に関して良好な妥協案を与え、従って特に適している。第1実施形態と同様に、磁石積層66−1...66−12がフィン67と共に、減衰装置としての渦電流ブレーキ70を形成する。磁石配列66がz軸に沿って変位すれば、フィン67内に渦電流が誘導されて、この動きの運動エネルギーが熱に変換される。磁石積層66−1...66−12内の磁石の交互配列の結果として、磁界のz方向の勾配が特に顕著になり、従って、高度な減衰を達成することができる。主たる自由度(即ち、z方向)について、約2.5%のモード減衰が実験によって示され、さらに最適化した場合には、5%までのモード減衰が可能であるものと期待される。
【0061】
第1実施形態による構成における結果と同様に有利な結果が、この構成からも得られる。磁石積層66−1...66−12の円形配列は、複数の自由度における減衰を可能にする。より正確には、本実施形態では、6つの自由度全部における広帯域の減衰も達成される。さらに、この減衰は摩擦なしであり、減衰装置の長寿命を保証する。この構成の追加的利点は、この構成が非常に小型であることである。さらに、剛性は提案する構成によって影響されず、ゴム要素を用いて減衰させる場合のように追加的な固有モードが発生しない。
【0062】
さらに、本実施形態では、磁石配列66がコイル62を介して反動質量68に固定接続されている。従って、磁石配列66は、反動質量に寄与するか、反動質量の一部であるものと考えることができる。その結果、より強固なバネ要素65を用いて、アクチュエータの設計を簡略化することができる。
【実施例3】
【0063】
第3実施形態
第2実施形態の磁石配列では、磁石が磁石積層66−1〜66−12の形に配列されている。同じx−y平面内に配置された異なる積層66−1〜66−12のそれぞれが、このx−y平面内に360°にわたって延びる弧状配列の形に配置された一組の磁石で構成される。
図7に示す配列では、こうした一組の磁石のうち3つが存在し、z方向に互いに重ねて積層されている。これらの磁石の組の各々は、略円盤形である。ここでは、これらの磁石の組がz方向に互いに重ねて積層されているので、減衰される主方向もz方向である。しかし、これらの磁石を直線状に積層させる必要はなく、これらの磁石は弧状に互いに重ねて積層させることもできる。このことは、以下に
図9及び10を参照しながら説明する。
【0064】
図9に、第3実施形態の第1変形例による渦電流減衰装置(ダンパ)の磁石配列80を示す。なお、説明上の理由で、
図9は、渦電流減衰装置の磁石のみを示し、他の要素は省略している。
図7の配列のように、
図9の磁石配列80も、上下に重ねて積層された略円盤形の磁石の組で構成される。また、
図7のように、
図9の配列でも、磁石の各組が12個の台形磁石82−1〜82−12を含む(
図9には、磁石82−1及び82−7を示している)。
図7に示す実施形態では、こうした磁石の組のうち3つが存在する(即ち、各積層が3つの磁石を含む)のに対し、
図9に示す実施形態では、こうした磁石の組が4つ存在する(即ち、各積層が4つの磁石を含み、例えば82−1a〜82−1dで表す)。
【0065】
さらに、
図7に示す配列では、磁石の組の各々が平行な平面内に、即ち、x−y平面及びこれに平行な平面内に配置されているのに対し、
図9に示す例では、種々の磁石の組が配置された平面が互いに対して傾斜している。より具体的には、第1組の磁石82−1a〜82−12aはx−y平面内に配置されている。第2組の磁石82−1b〜82−12bは、x−y平面に対して例えば10°の角度に傾斜した平面内に配置されている、等である。本実施形態の磁石配列の他の態様は、第2実施形態に関して説明した通りであり、このため、さらなる説明は省略する。
【0066】
この磁石配列80の結果は、種々の磁石の組が、動きを減衰させるべき構造要素の弧状の軌跡84に沿って配列される、ということになる。より具体的には、動きを減衰させるべき構造要素が、
図9に一点鎖線で示す弧状の軌跡に沿って移動する。従って、直線または回転運動を行う構造要素の移動だけでなく、弧状の軌跡84に沿って移動する構造要素の移動も減衰させることができる。言うまでもなく、弧状の軌跡84の曲率及び方向は、この軌跡に沿って一定である必要はなく、必要に応じて適合させることができる。例えば、弧状の軌跡84は、(
図9のように)単一平面内に配置する必要はなく、必要に応じて複雑にすることができる。
【0067】
さらに、この磁石配列80により、構造要素の動きを小型の構成で減衰させることができる。ここでは、種々の磁石の組の各々が、弧状の軌跡84の接線に対して垂直に広がる平面内に配置されているが、このことには限定されず、これらの磁石の組は、弧状の軌跡84に対して、例えば45°までの角度に配置することもできる。しかし、これらの磁石の組のそれぞれを、弧状の軌跡84にほぼ直交する平面内に配置すると、より大きな減衰比を達成することができる。
【0068】
図10に、第3実施形態の第2変形例による渦電流減衰装置の磁石配列90を示す。この磁石配列90でも、磁石積層92−1〜92−12(
図10には92−1〜92−7のみを示す)が、動きを減衰させるべき構造要素の弧状の軌跡94に沿って配列されている。磁石配列90は、
図9の磁石配列80とは、配列90内の磁石が、x-y平面で切断した際に台形の断面を有する点で異なる。従って、小型の磁石配列で高い減衰比を達成することができる。これに対し、
図9の磁石配列90内の磁石は長方形の断面を有し、このため、磁石の組の間のギャップは、弧状の軌跡84からの半径方向の距離に応じて変化する。
【0069】
なお、上述した実施形態は好適なものに過ぎず、特許請求の範囲が保護する範囲内で、多種多様な方法で変化させることができる。
【0070】
このように、先の実施形態は、反動質量または光学素子の動きを減衰させるための渦電流ブレーキを有するリソグラフィ装置を説明した。しかし、渦電流ブレーキを用いて、リソグラフィ装置の他の可動構造の動きを減衰させることも、同様に可能である。
【0071】
さらに、先の実施形態では、磁石を円弧状配列の形に配置しており、このことは特に小型の構成を可能にする。しかし、円弧状にされることなく、及び楕円状、双曲線状、放物線状、等のような他の弧状も可能である。
【0072】
さらに、先の実施形態では、フィン(即ち、導電シート)がアクチュエータまたは構造要素に機械結合されている。しかし、これらは、電磁結合、磁気結合、あるいは静電結合することもできる。特に、フィンの支持体は
図3に示す構成に限定されず、フィンは、追加的な磁気支持体またはガス支持によって支持することもできる。
【0073】
さらに、先の実施形態では、磁石が積層の形に配置され、即ち、複数組の磁石が上下に重ねて配置されている。しかし、
図7に示す例では、例えば最下層の磁石66−1a〜66−12aのみに相当する、単一組の磁石を設けることもできる。