(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
インクジェット方式の画像形成装置を用いて、本発明を説明する。なお、本発明は、以後に説明する画像形成装置以外でも、プリンタ、スキャナ、被写機、プロッタ、ファクシミリ及びファックス等において、吐出器(吐出ヘッド、インクヘッド、記録ヘッド、インクジェットなど)から液滴(インク、トナーなど)を吐出して、記録媒体の表面に画像を形成(又は、印刷、印写、印字、記録など)するものであれば、いずれのものにも用いることができる。本発明の一実施形態に係る画像形成装置を用いて、下記に示す順序で本発明を説明する。
【0012】
1.画像形成装置の構成
2.搬入手段の構成
3.前処理手段の構成
4.乾燥手段の構成
5.画像形成手段の構成
6.後処理手段の構成
7.搬出手段の構成
8.制御手段の構成
9.実施例1(画像形成方法)
10.実施例2(画像形成方法(実施例1に後処理の液量の調整を追加した例))
【0013】
(画像形成装置の構成)
本発明の実施形態に係る画像形成装置100を、
図1〜
図5を用いて説明する。
【0014】
なお、本実施形態では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色の吐出ヘッド(記録ヘッド、インクヘッド)を有する画像形成装置を説明するが、本発明を適用できる画像形成装置はこれらの吐出ヘッドを有するものに限定されない。すなわち、本発明を用いることができる画像形成装置は、グリーン(G)、レッド(R)、ライトシアン(LC)及び/又はその他の色に対応する吐出ヘッドを更に有するもの、又は、ブラック(K)のみの吐出ヘッドを有するものなどを含む。ここで、以後の説明において、添え字K、C、M及びYを付与された記号は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの夫々に対応するものとする。
【0015】
また、本実施形態では、記録媒体として、ロール状に巻かれた連続紙(以下、「ロール紙Md」という。)を用いるが、本発明に係る画像形成装置が画像を形成することができる記録媒体は、ロール紙に限定されない。すなわち、本発明に係る画像形成装置が画像を形成することができる記録媒体は、カット紙でもよい。また、本発明に係る画像形成装置を用いて画像を形成することができる記録媒体には、普通紙、上質紙、薄紙、厚紙、記録紙及びロール紙、並びに、OHPシート、合成樹脂フィルム、金属薄膜及びその他表面にインク等で画像を形成することができるものを含む。ここで、ロール紙とは、定型よりも長い連続紙である。ロール紙は切断可能なミシン目が所定間隔で形成された連続紙、ミシン目が形成されない連続紙を含む。ミシン目が形成されている連続帳票においては、ページ(頁)とは、例えば所定間隔のミシン目で挟まれる領域である。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、ロール紙Md(記録媒体)を搬入する搬入手段10と、搬入されたロール紙Mdを前処理する前処理手段20と、前処理されたロール紙Mdを乾燥させる乾燥手段30とを有する。また、画像形成装置100は、ロール紙Mdの表面に画像を形成する画像形成手段40と、画像が形成されたロール紙Mdを後処理する後処理手段50と、後処理されたロール紙Mdを搬出する搬出手段60とを有する。更に、画像形成装置100は、画像形成装置100の動作を制御する制御手段70(不図示)を有する。
【0017】
本実施形態に係る画像形成装置100は、搬入手段10によってロール紙Mdを搬入し、前処理手段20及び乾燥手段30によってロール紙Mdの表面を前処理及び乾燥する。また、画像形成装置100は、画像形成手段40によって、前処理及び乾燥した後のロール紙Mdの表面に画像を形成する。更に、画像形成装置100は、本実施形態では、後処理手段50によって、画像が形成されたロール紙Mdを後処理する。その後、画像形成装置100は、搬出手段60によって、ロール紙Mdを巻き取る(排出する、搬出する)。
【0018】
以下に、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の各構成を具体的に説明する。なお、本発明を用いることができる画像形成装置は、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に基づいて、前処理手段20、乾燥手段30(前処理液乾燥手段31、後処理液乾燥手段32)及び後処理手段50の動作を制御する。また、画像形成装置は、後述する前処理手段20等のいずれか一つ又は複数を含まない構成とすることができる。
【0019】
(搬入手段の構成)
搬入手段10は、記録媒体を前処理手段20等に搬送する手段である。搬入手段10は、本実施形態では、給紙部11及び複数の搬送ローラ12等で構成される。搬入手段10は、搬送ローラ12等を用いて、給紙部11の給紙ロールに巻き付けて保持されたロール紙Mdを搬入(移動)し、後述する前処理手段20(プラテン)等に搬送する。
【0020】
(前処理手段の構成)
前処理手段20は、画像が形成される前の記録媒体を処理する手段である。前処理手段20は、本実施形態では、搬入手段10によって搬入されたロール紙Mdの表面を、前処理液で前処理する。
【0021】
ここで、前処理とは、ロール紙Md(記録媒体)表面に、インクを凝集させる機能を有する前処理液(後述)を均一に塗布する処理である。
【0022】
本発明の実施形態に係る画像形成装置100の前処理手段20は、記録媒体に形成される画像の解像度(単位面積辺りのドットの数)に基づいて、塗布する前処理液の量を制御することができる。これにより、画像形成装置100は、インクジェット方式の専用紙以外の記録媒体に画像を形成する場合において、前処理手段20を用いて、記録媒体に画像を形成する前に、インクを凝集させる機能を有する前処理液を記録媒体表面に塗布することができる。このため、画像形成装置100は、形成される画像の滲み、濃度、色調及び裏写りなどの品質問題、並びに、耐水性、耐候性及びその他画像堅牢性に関する問題が発生することを低減することができる。すなわち、画像形成装置100は、前処理手段20を用いて、記録媒体に画像を形成する前にインクを凝集させる機能を有する前処理液を塗布することによって、その後形成される画像の品質を向上することができる。
【0023】
なお、画像形成装置100は、前処理手段20を用いて、インクジェット方式の専用紙(記録媒体)に画像を形成する前に、インクを凝集させる機能を有する前処理液を塗布してもよい。
【0024】
本発明の実施形態に係る画像形成装置100の前処理手段20は、前処理方法として、例えばブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などを用いることができる。
【0025】
また、本実施形態に係る前処理手段20は、前処理液として、例えば水溶性脂肪族系有機酸を含有した処理液を用いることができる。ここで、水溶性脂肪族系有機酸を含有した処理液とは、水分散性着色剤を凝集させる性質を有する処理液である。また、凝集するとは、水分散性着色剤粒子同士が吸着集合することである。
【0026】
更に、本実施形態に係る前処理手段20は、前処理液に水溶性脂肪族系有機酸等のイオン性物質を加えることによって、水分散性着色剤の表面にイオンを吸着させることができる。これにより、前処理手段20は、水分散性着色剤の表面電荷を中和することができる。また、前処理手段20は、分子間力による凝集作用を増強し、水分散性着色剤を更に凝集させることができる。
【0027】
ロールコート法を用いた前処理手段20の一例を、
図2を用いて説明する。
【0028】
図2に示すように、前処理手段20は、本実施形態では、搬入手段10(
図1)によって前処理手段20内に搬入(搬送)されたロール紙Mdの表面に、貯留している前処理液20Lを塗布する。
【0029】
具体的には、前処理手段20は、先ず、攪拌(供給)ローラ21及び薄膜化(移送)ローラ22によって、前処理液20Lを塗布ローラ23の表面に薄膜状に転写(転移)する。次に、前処理手段20は、塗布ローラ23を回転するプラテンローラ24に押し付け、塗布ローラ23を回転する。このとき、前処理手段20は、塗布ローラ23とプラテンローラ24との間隙にロール紙Mdを搬送することで、ロール紙Mdの表面に前処理液20Lを塗布することができる。
【0030】
また、前処理手段20は、圧力調整装置25を用いて、前処理液を塗布するときのニップ圧(塗布ローラ23とプラテンローラ24とが接触する位置に作用する圧力)を制御する。これにより、前処理手段20は、圧力調整装置25を用いてニップ圧を変えることで、前処理液20Lの塗布量(膜厚、液量、付着量、乾燥付着量など)を制御(変化)することができる。
【0031】
更に、前処理手段20は、塗布ローラ23及びプラテンローラ24の回転速度を制御する。これにより、前処理手段20は、塗布ローラ23等の回転速度を変えることで、前処理液20Lの塗布量を制御(変化)することができる。なお、前処理手段20は、例えば塗布ローラ23及びプラテンローラ24を駆動する図示しない動力源(駆動モーターなど)の動作を制御することによって、塗布ローラ23等の回転速度を制御してもよい。
【0032】
以上により、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の前処理手段20によれば、噴射ヘッドを用いて前処理液を記録媒体に塗布する場合と比較して、塗布ローラ23等を用いて、ロール紙Md(記録媒体)の表面に均一に前処理液20Lを塗布することができる。すなわち、本実施形態に係る前処理手段20は、比較的粘度の高い前処理液20Lの場合でも、前処理液20Lをロール紙Md上に均一に薄く塗布することができる。また、本実施形態に係る前処理手段20によれば、前処理液20Lをロール紙Md上に均一に薄く塗布することができるので、その後に形成される画像の滲み等を低減することができる。更に、本実施形態に係る前処理手段20によれば、前処理液20Lをロール紙Md上に均一に薄く塗布することができ、その後に形成される画像の滲みなどを低減することができるので、画像品質を向上させることができる。
【0033】
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の前処理手段20によれば、塗布ローラ23等を用いて塗布する前処理液の塗布量(膜厚、液量、付着量、乾燥付着量など)を制御することができるので、その後の画像形成及び後処理に適した塗布量で、ロール紙Md(記録媒体)の表面に前処理液20Lを塗布することができる。
【0034】
更に、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の前処理手段20によれば、塗布ローラ23等を用いて塗布する前処理液の塗布量を制御することができるので、記録媒体の種類に基づいて、前処理液の塗布量を制御することができる。すなわち、本実施形態に係る前処理手段20によれば、前処理液の塗布量を制御することができるので、形成される画像の品質を向上させることができる。
【0035】
(乾燥手段の構成)
乾燥手段30は、記録媒体を加熱等により乾燥する手段である。乾燥手段30は、
図1に示すように、本実施形態では、前処理手段20によって前処理されたロール紙Mdを乾燥させる前処理液乾燥手段31と、後処理手段50によって後処理されたロール紙Mdを乾燥させる後処理液乾燥手段32と、を有する。本実施形態に係る画像形成装置100の乾燥手段30は、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に応じて、前処理液乾燥手段31の前処理液乾燥強度及び後処理液乾燥手段32の後処理液乾燥強度を制御し、ロール紙Mdを乾燥する。
図3を用いて、前処理液乾燥手段31の構成を説明する。
【0036】
図3に示すように、前処理液乾燥手段31は、本実施形態では、乾燥効果を高めるため、複数のヒートローラ311乃至316を用いる。また、前処理液乾燥手段31は、記録媒体に形成される画像の解像度に応じて、乾燥強度(前処理液乾燥強度)を制御(変更)する。更に、前処理液乾燥手段31は、前処理手段20が塗布した記録媒体表面の単位面積当たりの塗布量を更に用いて、乾燥強度を制御することができる。
【0037】
具体的には、前処理液乾燥手段31は、ヒートローラ(311等)を例えば40〜100℃に加熱し、前処理液を塗布されたロール紙Mdの表面をヒートローラ(311等)に接触等させる。これにより、前処理液乾燥手段31は、前処理液を塗布されたロール紙Mdの表面をヒートローラ(311等)により加熱し、前処理液の水分を蒸発させ、ロール紙Md(の前処理液)を乾燥させることができる。
【0038】
また、前処理液乾燥手段31は、乾燥強度を弱くする場合に、ヒートローラ(311等)の温度を低くする。前処理液乾燥手段31は、例えば浸透性が低いインクを用いた場合に乾燥強度を弱め、浸透性が高いインクを用いた場合に乾燥強度を強める。前処理液乾燥手段31は、ヒートローラ(311等)の温度を例えば40〜80度とする。
【0039】
更に、前処理液乾燥手段31は、例えばヒートローラ311とヒートローラ312のみを加熱し、その他のヒートローラを加熱しないなどして、使用本数を増減することで乾燥強度を増減してもよい。なお、本実施形態では、ヒートローラの温度及びヒートローラの使用本数を制御する例を説明したが、いずれか一方のみによって、乾燥強度を制御してもよい。
【0040】
後処理液乾燥手段32の構成は、前処理液乾燥手段31の構成と同様のため、説明を省略する。なお、後処理液乾燥手段32は、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に基づいて乾燥強度(後処理液乾燥強度)を制御する。また、後処理液乾燥手段32は、後処理手段50が吐出した記録媒体表面の単位面積当たりの吐出量を更に用いて、乾燥強度を制御することができる。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置100の乾燥手段30(前処理液乾燥手段31及び後処理液乾燥手段32)によれば、ヒートローラの温度及び/又はヒートローラの使用本数の組み合わせにより乾燥強度を制御することができる。また、本実施形態に係る画像形成装置100の乾燥手段30によれば、乾燥強度を制御することができるので、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に応じて、記録媒体の乾燥強度を最適化することができる。更に、本実施形態に係る画像形成装置100の乾燥手段30によれば、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に基づいて前処理液乾燥強度を制御することによって、前処理液の乾燥不足による画像品質の低下および乾燥過多による記録媒体の収縮の発生を抑えることができる。すなわち、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、画像形成の品質(印刷品質)を向上することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る画像形成装置100の乾燥手段30によれば、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に基づいて後処理液乾燥強度を制御することによって、後処理液の乾燥不足による画像堅牢性の低下を抑制し、画像品質を向上させることができる。更に、本実施形態に係る画像形成装置100の乾燥手段30によれば、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に基づいて後処理液乾燥強度を制御することによって、乾燥過多による記録媒体の収縮の発生を抑えることができる。
【0043】
画像形成装置では、例えばインクジェット方式において同じ条件で液滴を記録媒体上に吐出させる場合に、インクの粘度や表面張力などの物性値を一定に保つために、グリセリンなどのさまざまな添加剤で調合する場合がある。このため、画像形成装置では、調合されたインクを用いる場合に、少なくとも記録媒体に形成される画像の解像度に応じてインクの浸透性や印刷後の光沢度が異なる。本実施形態に係る画像形成装置100の乾燥手段30によれば、記録媒体への浸透性の低いインクで画像形成を行なった場合でも、前処理液又は後処理液を十分に乾燥させることができる。これにより、本実施形態に係る乾燥手段30によれば、後処理液が乾燥する前に記録媒体の表面が他の物体(例えば他の記録媒体)と擦れることにより記録媒体上の画像が剥がれるなどの問題が発生することを防止することができる。また、本実施形態に係る乾燥手段30によれば、例えば記録媒体への浸透性の高いインクを用いて画像形成を行なった場合に、乾燥過多による記録媒体の収縮を防止し、画像形成の品質(印刷品質)を向上することができる。
【0044】
なお、本発明を用いることができる乾燥手段30は、記録媒体の加熱手段をヒートローラに限定されない。すなわち、乾燥手段30は、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、温風乾燥及びその他乾燥方法を用いることができる。また、乾燥手段30は、複数の乾燥方法を組み合わせた乾燥方法を用いてもよい。更に、乾燥手段30は、前処理手段20が前処理液を塗布する前に、ロール紙Md(記録媒体)を余熱(加熱)してもよい(プレヒート工程(不図示))。
【0045】
(画像形成手段の構成)
画像形成手段40は、記録媒体に画像を形成する手段である。画像形成手段40は、本実施形態では、乾燥手段30によって乾燥されたロール紙Md上に液滴(以下、「インク」という。)を吐出することによって、ロール紙Mdの表面に画像を形成する。
【0046】
画像形成手段40の外形形状の一例を、
図4を用いて説明する。ここで、
図4(a)は、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の画像形成手段40の全体の構成の一例を示す概略平面図である。
図4(b)は、画像形成手段40の要部(ブラック(K)の吐出ヘッド40K)の一例を示す概略平面図である。
【0047】
図4(a)に示すように、画像形成手段40は、本実施形態では、フルライン型のヘッドを用いることができる。すなわち、画像形成手段40は、記録媒体の搬送方向Xmの上流側からブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)に対応する4つの吐出ヘッド40K、40C、40M及び40Yを配置している。
【0048】
ここで、ブラック(K)の吐出ヘッド40Kは、本実施形態では、ロール紙Mdの搬送方向Xmと直行する方向に4つのヘッドユニット40K−1、40K−2、40K−3及び40K−4を千鳥状に配置している。これにより、画像形成手段40は、ロール紙Md(記録媒体)の画像形成領域(印刷領域)の幅方向(搬送方向と直行する方向)の全域に画像を形成することができる。なお、他の吐出ヘッド40C、40M及び40Yの構成は、ブラック(K)の吐出ヘッド40Kの構成と同様のため、説明を省略する。
【0049】
画像形成手段40のブラック(K)の吐出ヘッド40Kのヘッドユニット40K−1の拡大平面図を
図4(b)に示す。
【0050】
図4(b)に示すように、ヘッドユニット40K−1は、本実施形態では、ノズル面(後述する
図5(a)のノズル板43の外形表面)に、複数の吐出口(ノズル、印字ノズル)40Nを備える。ここで、複数の吐出口40Nは、ヘッドユニット40K−1の長手方向に1列に配置され、ノズル列を構成している。なお、ヘッドユニット40K−1は、複数のノズル列を備えてもよい。
【0051】
画像形成手段40の吐出ヘッドの断面形状を、
図5を用いて説明する。ここで、
図5(a)は、画像形成手段40の流路(液室40Fの長手方向の断面)の一例を示す概略断面図である。
図5(b)は、画像形成手段40の吐出口40Nの配置(液室40Fの短手方向(吐出口の並び方向)の断面(
図5(a)のSC1))を示す断面図である。
【0052】
図5(a)に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成手段40の吐出ヘッド(40K等)は、本実施形態では、吐出するインクの通路を形成する流路板41と、流路板41の下面(吐出ヘッドの内部方向)に接合された振動板42と、流路板41の上面(吐出ヘッドの外側方向)に接合されたノズル板43と、振動板42の周縁部を保持するフレーム部材44とを備える。また、吐出ヘッドは、振動板42を変形させるための圧力発生手段(アクチュエータ手段)45を有する。
【0053】
本実施形態に係る吐出ヘッド(40K等)は、流路板41と、振動板42と、ノズル板43とを積層することによって、吐出口(ノズル)40Nに連通する流路であるノズル連通路40R及び液室40Fを形成することができる。また、吐出ヘッドは、フレーム部材44を更に積層することによって、液室40Fにインクを供給するためのインク流入口40S及びインクを液室40Fに供給する共通液室40Cなどを形成することができる。
【0054】
更に、吐出ヘッドは、圧力発生手段45を用いて、振動板42を変形(撓み変形)することができる。これにより、吐出ヘッドは、液室40Fの容積(体積)を変化させ、液室40F内のインクに作用する圧力を変化させることができる。この結果、吐出ヘッドは、吐出口40Nから、インクを吐出することができる。
【0055】
流路板41は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を用いることができる。これにより、流路板41は、水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで、ノズル連通路40R及び液室40Fとなる凹部及び穴部を形成されることができる。なお、流路板41に用いることができる材料は、単結晶シリコン基板に限られるものではない。すなわち、流路板41は、ステンレス基板、感光性樹脂及びその他材料を用いることができる。
【0056】
振動板42は、ニッケルの金属プレートを用いることができる。これにより、振動板42は、ニッケル電鋳(例えばエレクトロフォーミング法、電鋳法)で加工されることができる。なお、振動板42は、ニッケルの金属プレート以外の金属板、又は、金属と樹脂板との接合部材などを用いてもよい。
【0057】
ノズル板43は、単結晶シリコン基板を用いることができる。これにより、ノズル板43は、流路板41と同様に、異方性エッチングで加工されることができる。なお、ノズル板43は、金属部材からなる外形表面に、所要の層を介して、撥水層を形成されてもよい。
【0058】
また、ノズル板43は、本実施形態では、液滴(インク滴)を吐出する複数のノズル40Nを有する。具体的には、ノズル板43は、各液室40Fに対応して、直径10〜30μmのノズル40Nを夫々形成されている。
【0059】
フレーム部材44は、熱硬化性樹脂(例えばエポキシ系樹脂)又はポリフェニレンサルファイト(PPS)などを用いることができる。これにより、フレーム部材44は、射出成形で加工されることができる。
【0060】
また、フレーム部材44は、本実施形態では、圧力発生手段45を収納する収容部、共通液室40Cとなる凹部、共通液室40Cに吐出ヘッド外部からインクを供給するためのインク供給口40INを形成されている。
【0061】
圧力発生手段45は、電気機械変換素子を用いることができる。圧力発生手段45は、本実施形態では、電気機械変換素子である圧電素子45Pと、圧電素子45Pを接合固定するベース基板45Bと、隣り合う圧電素子45Pの間隙に配置された支柱部とを備えている。また、圧力発生手段45は、圧電素子45Pを図示しない駆動回路(駆動IC)に接続するためのFPCケーブル45C等を備えている。
【0062】
ここで、圧電素子45Pは、
図5(b)に示すように、圧電材料45Ppと内部電極45Peとを交互に積層した積層型圧電素子(PZT)を用いることができる。
【0063】
内部電極45Peは、複数の個別電極45Peiと複数の共通電極45Pecとを有する。内部電極45Peは、本実施形態では、圧電素子45Ppの端面に交互に個別電極45Pei又は共通電極45Pecを接続している。
【0064】
また、圧電素子45Pは、実施形態では、圧電素子45Ppの圧電方向として、d33方向を用いる。これにより、圧力発生手段45は、圧電素子45Pの圧電効果(d33方向の変位)を用いて、液室40F内のインクを加圧又は減圧することができる。なお、圧力発生手段45は、圧電素子45Pのd31方向の変位を用いて、液室40F内のインクを加圧又は減圧してもよい。また、圧力発生手段45は、1つの吐出口40Nに対して1列の圧電素子を配置してもよい。
【0065】
なお、支柱部は、圧電素子部材(圧電素子45P)を分割することで、圧電素子45Pと同時に形成してもよい。すなわち、吐出ヘッドは、圧電素子に電圧を印加しないことによって、圧電素子部材を支柱部として用いることができる。
【0066】
以下に、吐出ヘッドがノズル40Nからインクを吐出する動作(引き−押し打ち動作)を具体的に説明する。
【0067】
吐出ヘッドは、本実施形態では、先ず、圧電素子45P(圧力発生手段45)に印加している電圧を基準電位から下げ、圧電素子45Pをその積層方向に縮小させる。また、吐出ヘッドは、圧電素子45Pの縮小によって、振動板42を撓み変形させる。このとき、吐出ヘッドは、振動板42の撓み変形によって、液室40Fの容積(体積)を拡大(膨張)させる。これにより、吐出ヘッドは、共通液室40Cから液室40F内にインクを流入させることができる。
【0068】
次に、吐出ヘッドは、圧電素子45Pに印加している電圧を上げ、圧電素子45Pを積層方向に伸長させる。また、吐出ヘッドは、圧電素子45Pの伸長によって、振動板42をノズル40N方向に変形させる。このとき、吐出ヘッドは、振動板42の変形によって、液室40Fの容積(体積)を縮小(収縮)させる。これにより、吐出ヘッドは、液室40F内のインクに圧力を付加することができる。また、吐出ヘッドは、インクを加圧することによって、吐出口40Nからインクを吐出(噴射)することができる。
【0069】
その後、吐出ヘッドは、圧電素子45Pに印加している電圧を基準電位に戻し、振動板42を初期位置に戻す(復元する)。このとき、吐出ヘッドは、液室40Fの膨張によって液室40F内を減圧し、共通液室40C内から液室40F内にインクを充填(補充)する。次いで、吐出ヘッドは、ノズル40Nのメニスカス面の振動が減衰(安定)した後、次のインクの吐出のための動作に移行し、上記の動作を繰り返す。
【0070】
なお、本発明を用いることができる吐出ヘッドの駆動方法は、上記の例(引き−押し打ち)に限定されるものではない。すなわち、吐出ヘッドの駆動方法は、圧電素子45Pに印加する電圧(駆動波形)を制御することによって、引き打ち又は押し打ち等を行うことができる。
【0071】
以上により、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、画像形成手段40(4つの吐出ヘッド40K、40C、40M及び40Y)を用いて、1回の記録媒体(ロール紙Md)の搬送動作で、画像形成領域の全域に、白黒又はフルカラーの画像を形成することができる。
【0072】
なお、本発明を用いることができる圧力発生手段45は、上記の例(圧電素子45P)に限定されるものではない。すなわち、圧力発生手段45は、発熱抵抗体を用いて液室40F内のインクを加熱して気泡を発生させる方法(いわゆるサーマル型)のもの(例えば特開昭61−59911号公報参照)を用いてもよい。また、圧力発生手段45は、液室40Fの壁面に振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させた静電力によって振動板を変形させる方法(いわゆる静電型)のもの(例えば特開平6−71882号公報参照)を用いてもよい。
【0073】
(後処理手段の構成)
後処理手段50は、画像が形成された後の記録媒体を処理する手段である。後処理手段50は、本実施形態では、画像形成手段40によって画像を形成されたロール紙Mdの表面を、後処理液で後処理する。
図4(a)に示すように、後処理手段50は、本実施形態では、画像形成手段40に対して、記録媒体の搬送方向Xmの下流側に配置されている。また、後処理手段50は、画像形成手段40と同様に、ロール紙Mdの搬送方向Xmと直行する方向に吐出ヘッド50H(吐出器)を千鳥状に配置している。更に、後処理手段50は、吐出ヘッド50Hに入力する駆動波形を制御することによって、後処理液の吐出量を制御する。これにより、後処理手段50は、吐出ヘッド50Hを用いて、ロール紙Md(記録媒体)の画像形成領域(印刷領域)の幅方向(搬送方向と直行する方向)の全域に後処理液を吐出することができる。なお、吐出ヘッド50Hの構成は、画像形成手段40の構成(
図4及び
図5)と同様のため、説明を省略する。
【0074】
ここで、後処理とは、ロール紙Md(記録媒体)上に後処理液(後述)を吐出(堆積)する処理である。後処理液は、斑点形状や縞形状等の形状で形成される。これにより、画像が形成された記録媒体は、耐擦過性及び光沢度、並びに、保存安定性(耐水性、耐光性、耐ガス性など)等を向上させることができる。例えば
図6に示すように、ロール紙Md(本発明に係る画像形成方法により生産した生産物、本発明に係る印刷方法により印刷した印刷物)は、後処理手段50の後処理開始時に、その表面に前処理液20Lを塗布され、画像を形成するインク40Inkを更に吐出されている。本発明の実施形態に係る画像形成装置100の後処理手段50は、後処理として、画像を形成されたロール紙Md上に、後処理液50Lを吐出(堆積)する処理を実施する。
【0075】
更に、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の後処理手段50は、記録媒体の前処理液を塗布された表面面積よりも小さい面積に、後処理液を吐出することができる。また、後処理手段50は、少なくとも記録媒体の画像を形成された部分において、画像を形成された表面面積よりも小さい面積に、後処理液を吐出することができる。
【0076】
ここで、後処理液50Lは、少なくとも前処理液20Lよりも少ない面積に吐出(堆積)されている。また、本断面では、インク40Inkが全面に吐出されており、後処理液50Lはその面積よりも小さい面積に吐出(堆積)されている。
【0077】
なお、
図6では、後処理液50Lは、斑点形状に形成されているように見えるが、断面と直交する方向の縞形状であっても良い。
【0078】
図6に示すように、後処理液50Lは、少なくとも記録媒体の画像を形成された部分において、画像を形成された表面面積よりも小さい面積に吐出(堆積)されていればよい。また、後処理液50Lは、画像が形成されていない部分においては、吐出(堆積)がされていても、吐出(堆積)がされていなくても良い。
【0079】
ここで、
図6の形状に形成された記録媒体が他の媒体と擦れる場合には、後処理液50Lの層の表面部が擦れることになる。後処理液は高さを持っているので、後処理液が堆積している部分のインク40Inkだけでなく、後処理液が堆積していないインク40Inkについても擦れによる画像(インク)の剥離を予防することが出来る。
【0080】
このように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100によれば、後処理手段50を用いて、画像を形成された記録媒体(ロール紙Md)上に後処理液(後処理液50L)を堆積(吐出)することができる。このため、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、後処理液を堆積しない場合と比較して、画像が形成された記録媒体(ロール紙Md)の表面が他の物体(例えば他の記録媒体)と擦れることによって記録媒体上の画像(インク)が剥離(剥奪)することを防止することができる。すなわち、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、後処理手段50を用いて、記録媒体上に形成された画像の耐擦過性(耐擦性)を向上することができる。
【0081】
また、本発明の実施形態に係る画像形成装置100によれば、後処理手段50を用いて、画像を形成された記録媒体(ロール紙Md)上に後処理液を堆積(吐出)することができるので、記録媒体に形成された画像の品質を向上することができる。すなわち、画像形成装置100は、後処理手段50を用いて、画像を形成された記録媒体上に後処理液を堆積することができるので、形成される画像の滲み、濃度、色調、光沢及び裏写りなどの品質問題、並びに、耐水性、耐候性及びその他画像堅牢性に関する問題が発生することを低減することができる。
【0082】
本発明の実施形態に係る画像形成装置100の後処理手段50は、後処理方法として、ロール紙Mdの画像が形成された領域の特定の部分のみに後処理液を堆積(吐出)することが好ましい。後処理手段50は、記録媒体の種類、浸透性、光沢度及び/若しくは解像度、並びに/又は、前処理手段20が塗布した前処理液の塗布量(液量)に基づいて、後処理液の吐出量(塗布量)及び吐出(塗布)方法を変えることが更に好ましい。
【0083】
また、本実施形態に係る後処理手段50は、吐出ヘッドを用いて、任意の領域(任意の箇所)に、所望の吐出量(所望の斑点形状又は所望の縞形状)で、後処理液を吐出することができる。
【0084】
具体的には、後処理手段50は、ロール紙Md(記録媒体)の(1)画像を形成することが可能な範囲の全領域に吐出すること、(2)画像が形成された領域に吐出すること、(3)画像形成部分(ドット吐出部分)の領域のみに吐出すること等を選択することができる。また、後処理手段50は、(4)ロール紙Md(記録媒体)の画像形成部分より広い領域(画像形成部分の外縁に対して、+1ドット又は2ドット以上など)に吐出することを選択することができる。更に、後処理手段50は、選択した後処理液を吐出する領域に対して、n%の領域(斑点形状又は縞形状)に後処理液を吐出することができる。
【0085】
ここで、n%は、5〜50%とすることができる。また、n%は、実験又は数値計算等で予め定められる値とすることができる。
【0086】
また、本実施形態に係る後処理手段50は、後処理液50Lを吐出する方法として、(1)印字Dutyに基づいて吐出する、(2)吐出する後処理液50Lの液滴量に基づいて吐出するなどを選択することができる。このとき、後処理手段50は、入力された情報(印刷画像データなど)から印字Dutyや後処理液50Lの液滴量を算出し、算出した印字Duty等に基づいて吐出する方法を決定してもよい。
【0087】
これにより、本発明の実施形態に係る画像形成装置100によれば、記録媒体の全面に後処理液を塗布(吐出)する場合と比較して、後処理手段50を用いて、画像が形成された領域の特定の部分のみに後処理液を堆積(吐出)することができる。このため、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、後処理に要する時間、特に後処理液の乾燥に要する時間を短縮することができる。また、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、記録媒体の全面に後処理液を塗布(吐出)する場合と比較して、後処理に要する後処理液の液量を低減することができる。更に、本実施形態に係る画像形成装置100によれば、記録媒体の全面に後処理液を塗布(吐出)する場合と比較して、後処理液の液量を低減することができるので、後処理に要するコストを低減することができる。
【0088】
なお、後処理手段50の後処理方法は、特に制限はなく、後処理液の種類に応じて適宜選択してもよい。また、後処理手段50の後処理方法は、前述の前処理手段20の前処理液の塗布方法、又は、前述の画像形成手段40のインクを吐出する方法を用いることができる。更に、後処理手段50の後処理方法は、装置の小型化及び後処理液の保存安定性の観点から、画像形成手段40のインクを吐出する方法と同様の方法を用いることがより好ましい。ここで、後処理液を吐出させる場合では、画像形成手段40のインクを吐出する方法で使用されている水溶性有機溶剤(湿潤剤)を適当量含有することが好ましい。
【0089】
また、本実施形態に係る後処理手段50は、後処理液の乾燥付着量を0.5g/m
2〜10g/m
2とすることが好ましい。後処理手段50は、後処理液の乾燥付着量を2g/m
2〜8g/m
2とすることがより好ましい。なお、後処理液の乾燥付着量が0.5g/m
2未満であると、画像品質(耐擦過性、画像濃度、彩度、光沢度及び定着性)が低下する場合がある。また、後処理液の乾燥付着量が10g/m
2を超えると、保護層(後処理液)の乾燥性が低下する(乾燥に時間がかかる)場合がある。更に、後処理液の乾燥付着量が10g/m
2を超えると、後処理による画像品質の向上効果が飽和し、経済的に不利となる場合がある。
【0090】
本実施形態に係る後処理手段50は、後処理液として、ロール紙Md(記録媒体)上に透明な保護層を形成し得る成分を含有する処理液を用いることができる。透明な保護層を形成し得る成分を含有する処理液とは、例えば、水分散性樹脂(樹脂)、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、浸透剤、界面活性剤、水及び/又は必要に応じてその他の成分を含有してなる処理液である。また、後処理液は、紫外線照射によって高分子化する成分を含む樹脂組成物及び/又は熱可塑性樹脂であっても良い。更に、後処理液は、光沢性・定着性向上のために、熱可塑性樹脂エマルジョンであることが好ましい。これにより、後処理手段50は、吐出(塗布)する方法に応じて、画像が形成されたロール紙Mdの表面の光沢性を増加させること、又は、ロール紙Mdの表面を樹脂層で保護することができる。
【0091】
ここで、水分散性樹脂(樹脂)とは、例えばアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル−シリコン樹脂、フッ素樹脂などが好適である。これらの水分散性樹脂は、画像形成手段40のインクを吐出する方法に用いられる水分散性樹脂と同様のものを適宜選択して用いることができる。また、水分散性樹脂の保護層における含有量は、固形分で1質量%〜50質量%が好ましい。更に、画像形成手段40のインクを吐出する方法を用いる場合には、水分散性樹脂の保護層における含有量は、1質量%〜30質量%とすることが好ましい。
【0092】
なお、樹脂含有量が50質量%を超える場合には、後処理液の粘度が高くなる場合がある。また、樹脂含有量が1質量%未満である場合には、後処理液の水分蒸発のために必要なエネルギーが増加する場合がある。
【0093】
後処理液の水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、後処理液の粘度と関係する。組成が同じ場合では、例えば粒径が小さくなるほど後処理液の粘度が大きくなる。従って、後処理時に過剰な高粘度となることを防止するために、水分散性樹脂の平均粒子径(D50)を50nm以上にすることが好ましい。
【0094】
また、後処理液の水分散性樹脂の平均粒子径は、数十μmの場合では、後処理液を吐出する吐出ヘッドのノズル径(
図4(a)の吐出口40Nの直径)より大きくなるため、好ましくない。また、後処理液の水分散性樹脂の平均粒子径が、ノズル径より小さくても、粒子径の大きな粒子が後処理液中に存在すると、吐出ヘッドの吐出性を悪化させる場合がある。
【0095】
従って、後処理液(水分散性樹脂)の平均粒子径(D50)は、200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
【0096】
水溶性有機溶剤(湿潤剤)を用いた場合では、後処理液中に含まれる水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されない。水溶性有機溶剤の含有量は、10〜80質量%でもよい。また、水溶性有機溶剤の含有量は、15〜60質量%がより好ましい。水溶性有機溶剤(湿潤剤)とは、例えば1、3−ブタジエン、グリセリンである。
【0097】
なお、水溶性有機溶剤の含有量が80質量%より大きい場合には、後処理後の記録媒体が乾燥しにくくなる場合がある。また、水溶性有機溶剤の含有量が10質量%より小さい場合には、前処理液との混合で後処理液の組成が変わる場合がある。
【0098】
浸透剤及び界面活性剤は、特に制限はない。浸透剤とは、例えば2−エチル−1、3−ヘキサンジオールである。界面活性剤とは、例えばパーフルオロアルキルポリエチレンオキシド付加反応物である。浸透剤及び界面活性剤は、前処理手段20に用いる前処理液、又は、画像形成手段40に用いるインクに含有する浸透剤若しくは界面活性剤を適宜選択してもよい。
【0099】
なお、後処理液は、その他の成分を更に含んでもよい。後処理液は、例えば、ワックス、pH調整剤、抗菌剤、表面改質剤、消泡剤などを更に含んでもよい。
【0100】
ワックスとは、例えばポリエチレンワックスである。pH調整剤とは、例えば2−アミノ−2−エチル−1、3−プロパンジオールである。抗菌剤とは、例えば有効成分1、2−ベンゾチアゾル−3−オンである。表面改質剤とは、例えばポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとポリエーテルの混合物(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)である。消泡剤とは、例えば2、4、7、9−テトラメチル−4、7−デカンジオールである。
【0101】
(搬出手段の構成)
搬出手段60は、画像が形成等された記録媒体を搬出(排出)する手段である。
図1に示すように、搬出手段60は、本実施形態では、保管部61及び複数の搬送ローラ62等で構成される。搬出手段60は、搬送ローラ62等を用いて、保管部61の保管ロールに画像が形成されたロール紙Mdを巻き付けて、保管する。
【0102】
なお、ロール紙Mdを保管部61の保管ロールに巻き付けるときに、ロール紙Mdに作用する圧力が大きくなる場合には、ロール紙Mdの裏面に他の画像が転写することを防止するため、巻き取り直前にロール紙Mdを更に乾燥する乾燥手段を設けてもよい。
【0103】
(制御手段の構成)
制御手段70は、画像形成装置100の動作を制御する手段である。制御手段70は、本実施形態では、画像形成装置100の各構成に動作を指示し、その動作を制御する。
図7〜
図10を用いて、本実施形態に係る制御手段70を説明する。
【0104】
なお、本発明の実施形態に係る画像形成装置100は、印刷システムとして、プロダクションプリンティングを用いてもよい。ここで、プロダクションプリンティングとは、ジョブ管理や印刷データの管理などを効率的に行うことによって、短時間に大量の印刷物(画像形成媒体、印字物)を印刷(画像形成、印字)することができる製造システムである。具体的には、本実施形態に係る画像形成装置100は、複数の装置、例えばRIP(RASTER IMAGE PROCESSPR)装置とプリンタ装置とからなる。RIP装置は、印刷データの印刷順等の制御と印刷データのラスタイメージデータへの変換を行う装置である。プリンタ装置は、変換されたラスタイメージデータに基づく印刷動作を制御装置である。
【0105】
また、本実施形態に係る画像形成装置100(制御手段70)は、印刷データの作成から印刷物の分配までの管理を行うワークフローのシステムを構築する。すなわち、本実施形態に係る画像形成装置100(制御手段70)は、当該ワークフローのように処理時間の長いシステムにおいて、RIP装置とプリンタ装置のように装置を分離し処理を分散させることで、印刷の高速化を可能とする。
【0106】
図7(a)に示すように、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の制御手段70は、RIP処理などを行う上位装置(RIP装置、DFE、Digital Front End)71と、印刷処理などを行うプリンタ装置72とを含む。ここで、上位装置71とプリンタ装置72とは、複数のデータ線70LDと制御線70LCとで接続されている。
【0107】
以下に、本実施形態に係る制御手段70の上位装置71及びプリンタ装置72を具体的に説明する。
【0108】
(上位装置)
本発明の実施形態に係る画像形成装置100の制御手段70の上位装置71は、ホスト装置(不図示)から出力される印刷ジョブデータ(ジョブデータ、印刷データ)に基づいて、RIP処理を行う装置である。すなわち、本実施形態に係る上位装置71は、印刷ジョブデータに基づいて、各色に対応するラスタイメージデータ(以下、「印刷画像データ」という。)を夫々作成する。ここで、印刷画像データは、本実施形態では、後処理手段50が吐出する後処理液の吐出に関するデータ(以下、「後処理に関する画像データ」という。)を更に含む。
【0109】
また、本実施形態に係る上位装置71は、印刷ジョブデータ及びホスト装置の情報などに基づいて、印刷動作を制御するためのデータ(以下、「制御情報データ」という。)を作成する。ここで、制御情報データとは、印刷条件(印刷形態、印刷種別、給排紙情報、印刷面順、印刷用紙サイズ、印刷画像データのデータサイズ、解像度、紙種情報、階調、色情報及び印刷を行うページ数の情報など)に関するデータを含む。また、制御情報データは、本実施形態では、後処理手段50が吐出する後処理液の吐出に関するデータ(以下、「後処理に関する制御データ」という。)を更に含む。
【0110】
図7(b)に示すように、上位装置71は、本実施形態では、CPU(Central Processing Unit)71a、ROM(Read Only Memory)71b、RAM(Random Access Memory)71c、HDD(ハードディスクドライブ)71dを備える。また、上位装置71は、外部I/F71e、制御情報用I/F71f及び画像データ用I/F71gを備える。更に、上位装置71は、CPU71a等を夫々接続するバス71hを備える。すなわち、上位装置71は、バス71hを介して、CPU71a等を相互に送受信可能とする構成である。
【0111】
CPU71aは、上位装置71全体の動作を制御するものである。CPU71aは、ROM71b及び/又はHHD71dに格納(記憶)されている制御プログラム等を用いて、上位装置71の動作を制御する。
【0112】
ROM71b、RAM71c及びHDD71dは、データ等を記憶するものである。ROM71b及び/又はHDD71dは、CPU71aを制御するための制御プログラムを予め格納されている。RAM71cは、CPU71aのワークメモリとして用いられる。
【0113】
外部I/F71eは、画像形成装置100外部(ホスト装置等)との通信(送受信)を制御するものである。外部I/F71eは、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)に対応した通信を制御することができる。
【0114】
制御情報用I/F71fは、制御情報データの通信(送受信)を制御するものである。制御情報用I/F71fは、例えばPCI Express(Peripheral Component Interconnect Bus Express)を用いることができる。
【0115】
画像データ用I/F71gは、印刷画像データの通信(送受信)を制御するものである。画像データ用I/F71gは、例えばPCI Expressを用いることができる。画像データ用I/F71gは、本実施形態では、印刷画像データの各色に対応した複数のチャネル(後述)を有する。
【0116】
本実施形態に係る制御手段70の上位装置71は、ホスト装置から送信された印刷ジョブデータを外部I/F71eで受信し、CPU71aを用いて、HDD71dに格納する。また、上位装置71は、CPU71aを用いて、HDD71dから印刷ジョブデータを読み出す。更に、上位装置71は、CPU71aを用いて、読み出した印刷ジョブデータに基づいて各色(イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(K))のラスタイメージデータを生成し、生成した各色のラスタイメージデータをRAM71cに格納する。ここで、上位装置71(CPU71a)は、RIP処理として、例えばPDL(Page Description Language)をレンダリングして各色のラスタイメージデータを生成し、RAM71cに書き出すことができる。
【0117】
次に、上位装置71は、RAM71cに書き出された各色のラスタイメージデータを圧縮して符号化し、HDD71dに一旦格納する。
【0118】
その後、上位装置71(CPU71a)は、プリンタ装置72で印刷動作が開始される際に、HDD71dから符号化された各色のラスタイメージデータを読み出し、復号して各色のラスタイメージデータをRAM71cに夫々書き込む。次いで、上位装置71は、RAM71cから各色のラスタイメージデータを読み出し、各色の印刷画像データとして、画像データ用I/F71gの各チャネルを介して、プリンタ装置72(後述するプリンタエンジン72E)に出力する。ここで、上位装置71は、画像データ用I/F71gの各チャネルとして、
図7に示すデータ線70LD(70LD−Y、70LD−C、70LD−M及び70LD−K)を介して、プリンタ装置72に印刷画像データを出力することができる。
【0119】
また、本実施形態に係る上位装置71は、印刷動作の進行などに応じて、CPU71aを用いて、プリンタ装置72(後述するプリンタコントローラ72C)との間で、制御情報用I/F71f(制御線70LC)を介して、制御情報データの送受信を行う。
【0120】
更に、本実施形態に係る上位装置71は、プリンタ装置72(
図1の後処理手段50)において後処理が開始される際に、CPU71aを用いて、HDD71dから符号化された後処理に関する画像データを読み出す。このとき、上位装置71は、上記のラスタイメージデータと同様に、データ線70LD−P(
図8)を介して、プリンタ装置72(プリンタエンジン72E)に出力する。
【0121】
(プリンタ装置)
本発明の実施形態に係る画像形成装置100の制御手段70のプリンタ装置72は、上位装置71から入力された印刷画像データ及び制御情報データに基づいて、記録媒体に画像を形成する動作を制御する装置である。プリンタ装置72は、本実施形態では、プリンタコントローラ72Cとプリンタエンジン72Eとを有する。
【0122】
プリンタコントローラ72Cは、後述するプリンタエンジン72Eの動作を制御するものである。プリンタコントローラ72Cは、制御線70LCを介して、上位装置71との間で制御情報データ等の送受信を行う。また、プリンタコントローラ72Cは、制御線72LCを介して、プリンタエンジン72Eと制御情報データ等の送受信を行う。これにより、プリンタコントローラ72Cは、制御情報データに含まれる各種の印刷条件等を印刷制御部72Ccのレジスタなどに書き込み、印刷条件を記憶することができる。また、プリンタコントローラ72Cは、制御情報データに基づいてプリンタエンジン72Eを制御し、印刷ジョブデータ(制御情報データ)に従った印刷を実行することができる。
【0123】
図8に示すように、プリンタコントローラ72Cは、本実施形態では、CPU72Cp及び印刷制御部72Ccを有する。また、プリンタコントローラ72Cは、CPU72Cpと印刷制御部72Ccとを互いに送受信可能にバス72Cbで接続している。ここで、バス72Cbは、通信I/F(不図示)を介して、制御線70LCに接続されている。
【0124】
CPU72Cpは、ROM(不図示)に格納されている制御プログラムを用いて、プリンタ装置72全体の動作を制御する。印刷制御部72Ccは、上位装置71から送信された制御情報データに基づいて、プリンタエンジン72Eとの間でコマンドやステータス情報の送受信を行う。これにより、印刷制御部72Ccは、プリンタエンジン72Eの動作を制御することができる。
【0125】
プリンタエンジン72Eは、上位装置71から入力された印刷画像データ及びプリンタコントローラ72Cから入力された制御情報データに基づいて、記録媒体に画像を形成する動作を制御する装置である。また、プリンタエンジン72Eは、上位装置71から入力された印刷画像データ(後処理に関する画像データ)及びプリンタコントローラ72Cから入力された制御情報データ(後処理に関する制御データ)に基づいて、後処理する動作を制御する装置である。
【0126】
図8に示すように、プリンタエンジン72Eは、複数のデータ線70LD(70LD−Y、70LD−C、70LD−M、70LD−K及び70LD−P)が接続されている。プリンタエンジン72Eは、複数のデータ線70LD−C等を介して、上位装置71から印刷画像データを受信する。これにより、プリンタエンジン72Eは、受信した印刷画像データに基づいて、各色の印刷動作及び後処理の動作を実施することができる。
【0127】
プリンタエンジン72Eは、本実施形態では、複数のデータ管理部72EC、72EM、72EY、72EK及び72EPを有する。また、プリンタエンジン72Eは、データ管理部72EC等から印刷画像データ等を入力される画像出力部72Eiと、記録媒体の搬送を制御する搬送制御部72Ecとを有する。更に、プリンタエンジン72Eは、本実施形態では、データ管理部72EPから後処理に関する画像データを入力される後処理液出力部72Epと、乾燥手段30(
図1)の動作を制御する後処理後乾燥制御部72Epbとを有する。
【0128】
なお、プリンタエンジン72Eは、前処理液塗布制御部、前処理後乾燥制御部及び巻取前乾燥制御部等を更に含んでもよい。
【0129】
データ管理部72ECの構成を、
図8を用いて説明する。なお、その他のデータ管理部72EM、72EY、72EK及び72EPの構成は、データ管理部72ECの構成と同様のため、説明を省略する。
【0130】
図9に示すように、データ管理部72ECは、ロジック回路72EClとメモリ部72ECmとを含む。データ管理部72EC(ロジック回路72ECl)は、データ線70LD−Cを介して、上位装置71に接続されている。また、データ管理部72EC(ロジック回路72ECl)は、制御線72LCを介して、プリンタコントローラ72C(印刷制御部72Cc)に接続されている。
【0131】
ロジック回路72EClは、本実施形態では、プリンタコントローラ72C(印刷制御部72Cc)から出力された制御信号に基づいて、上位装置71から出力された印刷画像データをメモリ72ECmに格納(記憶)する。また、ロジック回路72EClは、プリンタコントローラ72C(印刷制御部72Cc)から出力された制御信号に基づいて、メモリ72ECmからシアン(C)に対応する印刷画像データIc(
図8)を読み出し、画像出力部72Eiに出力する。なお、ロジック回路72ECp(データ管理部72EP)の場合は、後処理に関する画像データIp(
図8)を、後処理液出力部72Epに出力する。
【0132】
ここで、メモリ部72ECmは、少なくとも3ページ分の印刷画像データを格納可能な容量とすることができる。3ページ分の印刷画像データとは、例えば上位装置71から転送(受信)中のページに対応する印刷画像データと、画像出力部72Eiに出力中のページに対応する印刷画像データと、次のページに対応する印刷画像データである。
【0133】
なお、データ管理部72ECは、論理回路などの組み合わせによって構成されるハードウェアのロジック回路を用いてもよい。これにより、データ管理部72ECは、より高速な処理を実現することができる。また、データ管理部72ECは、ロジック回路72EClを用いて、例えばビット列による制御信号に対する論理判定を行い、実行する処理を決定してもよい。
【0134】
画像出力部72Eiの構成を、
図10を用いて説明する。なお、後処理液出力部72Epの構成は、画像出力部72Eiの構成と基本的に同様のため、説明を省略する。
【0135】
図10に示すように、画像出力部72Eiは、出力制御部72Eicを含む。出力制御部72Eicは、各色に対応する印刷画像データを各色に対応する吐出ヘッド40C、40M、40Y及び40K(
図4)に出力する。これにより、出力制御部72Eicは、印刷画像データに基づいて、吐出ヘッド40C等の動作を制御することができる。
【0136】
具体的には、出力制御部72Eicは、複数の吐出ヘッド40C等を個別に制御する。また、出力制御部72Eicは、入力された印刷画像データ(例えば
図10のIc)を用いて、複数の吐出ヘッド40C等を同時に制御してもよい。更に、出力制御部72Eicは、図示しない制御装置から入力される制御信号に基づいて、吐出ヘッド40C等を制御してもよい。出力制御部72Eicは、例えばユーザーの操作入力に基づいて、吐出ヘッド40C等を制御してもよい。
【0137】
以上により、本実施形態に係るプリンタ装置72は、データ管理部72EC等及び出力制御部72Eicを用いて、上位装置71から出力される印刷画像データを、複数の吐出ヘッド40C等に入力する。このとき、プリンタ装置72は、各色の印刷画像データを互いに独立して制御することができる。また、プリンタ装置72は、印刷画像データの色数(C、M、Y及びK、又は、K色のみなど)又は吐出ヘッド数に応じて、プリンタエンジン72Eの構成を容易に変更することが可能である。すなわち、本実施形態に係る画像形成装置100(プリンタ装置72)は、必要なデータ管理部72EC等及び吐出ヘッド40C等のみを搭載することにより、装置の小型化及び低コスト化について有利な効果を有する。
【0138】
本実施形態に係る画像形成装置100(プリンタ装置72)は、例えば、C、M、Y及びKの4色でフルカラー印刷を行う場合には、プリンタエンジン72Eにデータ管理部72EC等を全て設けることができる。これにより、画像形成装置100(プリンタ装置72)は、出力制御部72Eicを用いて、データ管理部72EC等の各出力を夫々吐出ヘッド40C等に接続することができる。
【0139】
また、画像形成装置100(プリンタ装置72)は、例えばKの1色で印刷を行う場合には、装置コスト優先として、1つのデータ管理部72EK及び吐出ヘッド40Kのみを設けることができる。これにより、画像形成装置100(プリンタ装置72)は、出力制御部72Eicを用いて、データ管理部72EKの出力を吐出ヘッド40Kに接続することができる。
【0140】
更に、画像形成装置100(プリンタ装置72)は、例えは色Kの1色で印刷を行う場合には、印刷速度優先として、1のデータ管理部72EKと4つの吐出ヘッドとを設けることができる。
【0141】
これにより、画像形成装置100(プリンタ装置72)は、出力制御部72Eicを用いて、データ管理部72EKの出力を4つの吐出ヘッドに夫々接続することができる。
【0142】
この場合、画像形成装置100(プリンタ装置72)は、同一色(K)を複数回、重ねて(重畳して)印刷することができるので、例えば1つの吐出ヘッドで画像を形成する場合と比較して、4倍の高速印刷(画像形成)を実現することができる。
【実施例】
【0143】
画像形成装置の実施例を用いて、本発明を説明する。
【0144】
(実施例1)
実施例1の画像形成装置100Eを用いて、本発明を説明する。
【0145】
(画像形成装置の構成)、(搬入手段の構成)、(前処理手段の構成)、(乾燥手段の構成)、(画像形成手段の構成)、(後処理手段の構成)及び(搬出手段の構成)
本実施例に係る画像形成装置100Eの構成等を
図1〜
図5に示す。
図1〜
図5に示すように、本実施例に係る画像形成装置100Eの構成等は、前述の実施形態に係る画像形成装置100の構成等と基本的に同様のため、説明を省略する。
【0146】
(制御手段の構成)
本実施例に係る画像形成装置100Eの制御手段70の構成等を
図7〜
図10に示す。
図7〜
図10に示すように、本実施例に係る画像形成装置100Eの制御手段70の構成等は、前述の実施形態に係る画像形成装置100の制御手段70の構成等と基本的に同様のため、異なる部分を主に説明する。
【0147】
本実施例に係る制御手段70は、記録媒体の種類を判断する。
【0148】
制御手段70は、本実施例では、ユーザーにより画像形成装置100Eに入力される入力情報に基づいて、記録媒体の種類を判断する。
【0149】
(画像を形成する動作)
本実施例に係る画像形成装置100Eが、画像を形成する動作を、
図11を用いて説明する。なお、以後に説明する画像形成装置100Eの画像を形成する動作は、記録媒体に画像を印刷する動作にも用いることができる。
【0150】
図11に示すように、本実施例に係る画像形成装置100Eは、ステップS1101において、画像形成装置100Eの外部から入力される印刷ジョブデータ等に基づいて、画像の形成(又は印刷)を開始する。また、画像形成装置100Eは、入力された印刷ジョブデータ等を上位装置71のHDD71d等に記憶する。
【0151】
開始後、画像形成装置100EはステップS1102に進む。
【0152】
次に、ステップS1102において、画像形成装置100Eは、制御手段70を用いて記録媒体の種類等を判断し、上位装置71のHDD71d等に判断した記録媒体の種類等を設定(記憶)する。
【0153】
ここで、制御手段70は、記録媒体の種類等として、画像形成装置100Eの外部から入力される記録媒体情報(記録媒体の物性(紙材料物性、紙厚、坪量など))を更に記憶してもよい。また、制御手段70は、記録媒体の種類等として、予め上位装置71のHDD71d等に記憶されている記憶媒体の種目と対応付けて、記録媒体の種類等を記憶してもよい。これにより、制御手段70は、後の動作において、対応付けた記憶媒体の種目を用いて、記録媒体の種類等を読み出すことができる。なお、画像形成装置100Eは、ユーザー等によって、記憶媒体の種目等を、上位装置71のHDD71d等に予め記憶されることができる。
【0154】
その後、画像形成装置100EはステップS1103に進む。
【0155】
ステップS1103において、画像形成装置100Eは、制御手段70の上位装置71を用いて、印刷画像データ及び制御情報データ等を生成する。具体的には、制御手段70の上位装置71は、HDD71d等に記憶されている印刷ジョブデータ等及び少なくとも画像の解像度に基づいて、印刷画像データ及び制御情報データ等を生成する。
【0156】
その後、画像形成装置100EはステップS1104に進む。
【0157】
ステップS1104において、画像形成装置100Eは、制御手段70を用いて、前処理の液量(本実施例では塗布量)及び後処理の液量(本実施例では吐出量)を算出する。
【0158】
具体的には、制御手段70は、少なくとも画像の解像度に基づいて、前処理手段20の前処理液20Lの塗布量及び後処理手段50の後処理液50Lの吐出量を算出する。ここで、制御手段70は、形成する画像の解像度が高い場合に、前処理液20Lの塗布量を減少することができる。また、制御手段70は、形成する画像の解像度が低い場合に、前処理液20Lの塗布量を増加することができる。
【0159】
低解像度の画像を記録する場合には、高解像度の場合に比べて記録用紙に形成されるインクのドット径が大きくなり、各ドットは、その表面積に対してインクの体積の割合が大きいため乾燥しにくい。また、記録速度も高解像度の場合より速いためインクが乾燥しにくく、浸透しにくいので滲みやビーディングが発生しやすくなる。このため、形成される画像の解像度が高い場合に前処理液20Lの塗布量を減少させ、形成する画像の解像度が低い場合に、前処理液20Lの塗布量を増加させる。
【0160】
更に、制御手段70は、形成する画像の解像度が高い場合(吐出する液滴の径が小さい場合)に、後処理液50Lの吐出量を減少することができる。また、制御手段70は、形成する画像の解像度が低い場合(吐出する液滴の径が大きい場合)に、後処理液50Lの吐出量を増加することができる。
【0161】
すなわち、制御手段70は、形成する画像の解像度に基づいて前処理液20Lの塗布量を算出し、少なくとも形成する画像の解像度に基づいて後処理液50Lの吐出量を算出することができる。少なくとも形成する画像の解像度に基づく後処理液50の吐出量の算出には、形成する画像の解像度に基づいて算出された前処理液の塗布量に基づいて後処理液の吐出量を算出するものを含む。これにより、画像形成装置100Eは、形成する画像の解像度が低い場合で、その後形成される画像の耐擦過性が低下する場合においても、ステップS1009(後述)で後処理液50Lの吐出量を増加することによって、画像が形成された記録媒体の耐擦過性を向上することができる。
【0162】
なお、制御手段70は、前処理液20Lの塗布量を増加する場合とは、前処理液20Lが記録媒体に付着する付着量を1.5g/m
2以上とする場合とすることができる。また、後処理液50Lの吐出量を増加する場合とは、後処理液50Lが記録媒体に付着する付着量を1.2g/m
2以上とする場合とすることができる。一方、制御手段70は、前処理液20Lの塗布量及び後処理液50Lの吐出量を減少する場合とは、上記付着量を1.5g/m
2未満及び1.2g/m
2未満とする場合とすることができる。また、制御手段70は、前処理液20Lの塗布量及び後処理液50Lの吐出量を減少する場合には、塗布又は吐出しない場合も含むことができる。更に、制御手段70は、前処理液20Lの塗布量及び後処理液50Lの吐出量を、記録媒体の物性等に応じて、適宜変更してもよい。
【0163】
前処理の液量及び後処理の液量を算出後、画像形成装置100EはステップS1105に進む。なお、画像形成装置100Eは、予め記憶してある記録媒体の種類に対応する前処理の液量及び後処理の液量を、UI(ユーザーインターフェース)などを用いて、ユーザー等により選択される構成を用いてもよい。
【0164】
ステップS1105において、画像形成装置100Eは、制御手段70を用いて、少なくとも画像の解像度に基づいて、前処理液乾燥手段31(
図1)の乾燥強度(前処理液乾燥強度)を決定する。また、画像形成装置100Eは、前処理液20Lの塗布量を更に用いて、乾燥強度(前処理液乾燥強度)を決定してもよい。その後、画像形成装置100Eは、ステップS1106に進む。
【0165】
ステップS1106において、画像形成装置100Eは、制御手段70を用いて、少なくとも画像の解像度に基づいて、後処理液乾燥手段32(
図1)の乾燥強度(後処理液乾燥強度)を決定する。また、画像形成装置100Eは、後処理液50Lの吐出量を更に用いて、乾燥強度(後処理液乾燥強度)を決定してもよい。その後、画像形成装置100Eは、ステップS1107に進む。
【0166】
ステップS1107において、画像形成装置100Eは、搬入手段10(
図1)を用いて、記録媒体を前処理手段20等に搬入(搬送)する。なお、画像形成装置100Eは、ステップS1101の画像形成の開始直後に、ステップS1107を開始してもよい。搬入開始後、画像形成装置100EはステップS1108に進む。
【0167】
ステップS1108において、画像形成装置100Eは、前処理手段20(
図1)を用いて、前処理を実施する。具体的には、前処理手段20は、ステップS1104で算出した前処理液20Lの塗布量に基づいて、圧力調整装置25(
図2)を用いてニップ圧を制御し、前処理液20Lの塗布量(膜厚など)を制御(変化)する。なお、前処理手段20は、塗布ローラ23(
図2)の回転速度を変更することによって、前処理液20Lの塗布量を制御してもよい。これにより、画像形成装置100Eは、前処理手段20の前処理液20Lの塗布量を制御することによって、その後形成される画像(インク)の滲みを抑制することができる。
【0168】
例えば
図12に示すように、画像形成装置100Eは、前処理手段20の前処理液20Lの塗布量を増加することにより、画像形成時に吐出されるインクの粒状度(ビーディング)を小さくすることができる。すなわち、画像形成装置100Eは、前処理手段20の前処理液20Lの塗布量を増加することによって、画像形成に使用されたインクを所定の粒状度Rs以下とすることができる。ここで、所定の粒状度Rsとは、記録媒体上のインクが滲み難い粒状度とすることができる。また、所定の粒状度Rsは、実験又は数値計算等で予め定められる値とすることができる。
【0169】
その後、画像形成装置100Eは、記録媒体を乾燥手段30(
図1の前処理液乾燥手段31)に搬送し、ステップS1109に進む。
【0170】
ステップS1109において、画像形成装置100Eは、前処理液乾燥手段31(
図1)を用いて、記録媒体を乾燥する。ここで、前処理液乾燥手段31は、ステップS1105で決定した前処理液乾燥強度に基づいて、記録媒体を乾燥する。
【0171】
その後、画像形成装置100Eは、記録媒体を画像形成手段40(
図1及び
図4)に搬送し、ステップS1110に進む。
【0172】
ステップS1110において、画像形成装置100Eは、画像形成ステップとして、画像形成手段40を用いて、生成した印刷画像データ(ステップS1103)に基づいて、記録媒体の表面に画像を形成する。ここで、画像形成手段40は、記録媒体の種類等及び形成する画像の解像度を更に用いて、画像を形成することができる。また、画像形成手段40は、圧電素子45P(
図4の圧力発生手段45)に印加する電圧(駆動電圧)を制御することによって、画像を形成する動作を制御することができる。
【0173】
その後、画像形成装置100Eは、記録媒体を後処理手段50(
図1)に搬送し、ステップS1111に進む。
【0174】
ステップS1111において、画像形成装置100Eは、後処理ステップとして、後処理手段50を用いて、記録媒体を後処理する。
【0175】
具体的には、後処理手段50は、算出した後処理液50Lの吐出量(ステップS1104)及び後処理に関する画像データ等(ステップS1103)に基づいて、記録媒体の画像が形成された領域の特定の部分に後処理液50Lを堆積(吐出)する。ここで、後処理手段50は、制御手段70の後処理液出力部72Epを用いて、後処理に関する画像データに基づいて、記録媒体に吐出する吐出量を制御することができる。
【0176】
その後、画像形成装置100Eは、記録媒体を乾燥手段30(
図1の後処理液乾燥手段32)に搬送し、ステップS1112に進む。
【0177】
ステップS1112において、画像形成装置100Eは、後処理液乾燥手段32(ヒートローラ)を用いて、記録媒体を乾燥する。ここで、後処理液乾燥手段32は、ステップS1106で決定した後処理液乾燥強度に基づいて、記録媒体を乾燥する。乾燥後、画像形成装置100Eは、ステップS1113に進む。
【0178】
ステップS1113において、画像形成装置100Eは、搬出手段60(
図1)を用いて、記録媒体を搬出(排出)する。その後、画像形成装置100Eは、図中のENDに進み、画像を形成する動作を終了する。
【0179】
以上により、本発明の実施例1に係る画像形成装置100Eは、実施形態に係る画像形成装置の制御装置100と同様の効果を得ることができる。また、本実施例に係る画像形成装置100Eは、上記のステップS1101乃至ステップS1113で記録媒体に画像を形成若しくは印刷することによって、生産物を生産すること若しくは印刷物を印刷することができる。なお、本実施例に係る画像形成装置100Eが生産した生産物若しくは印刷した印刷物は、例えば
図6に示す断面形状となる。
【0180】
(実施例2)
実施例2の画像形成装置200Eを用いて、本発明を説明する。
【0181】
(画像形成装置の構成)、(搬入手段の構成)、(前処理手段の構成)、(乾燥手段の構成)、(画像形成手段の構成)、(後処理手段の構成)及び(搬出手段の構成)
本実施例に係る画像形成装置200Eの構成等を
図1〜
図5に示す。
図1〜
図5に示すように、本実施例に係る画像形成装置200Eの構成等は、前述の実施例1に係る画像形成装置100Eの構成等と基本的に同様のため、説明を省略する。
【0182】
(制御手段の構成)
本実施例に係る画像形成装置200Eの制御手段70の構成等を
図7〜
図10に示す。
図7〜
図10に示すように、本実施例に係る画像形成装置200Eの制御手段70の構成等は、前述の実施例1に係る画像形成装置100Eの制御手段70の構成等と基本的に同様のため、異なる部分を主に説明する。
【0183】
実施例1(
図11)のフローチャートでは、後処理液の液量(吐出量)の調整(再計算)の工程が含まれていなかった。本実施例に係る制御手段70は、少なくとも記録媒体の情報に基づいて、後処理液の液量(吐出量)を調整(再計算)する工程を含む。
【0184】
(画像を形成する動作)
本実施例に係る画像形成装置200Eが、画像を形成する動作を、
図13を用いて説明する。なお、以後に説明する画像形成装置200Eの画像を形成する動作は、記録媒体に画像を印刷する動作にも用いることができる。
【0185】
図13に示すように、本実施例に係る画像形成装置200Eは、実施例1に係る画像形成装置100E(ステップS1101〜ステップS1104)と同様に、ステップS1301〜ステップS1304を実施する。その後、画像形成装置200EはステップS1305に進む。
【0186】
ステップS1305において、画像形成装置400Eは、制御手段70を用いて、記録媒体の情報に基づく後処理液の液量(吐出量)を調整(再計算)する。その後、画像形成装置200EはステップS1306に進む。
【0187】
ステップS1306において、画像形成装置400Eは、制御手段70を用いて、前処理液乾燥強度を決定する。ここで、制御手段70は、本実施例では、ステップS1304で算出した前処理液の液量に基づいて、前処理液乾燥強度を決定する。その後、画像形成装置200EはステップS1307に進む。
【0188】
ステップS1307において、画像形成装置400Eは、制御手段70を用いて、後処理液乾燥強度を決定する。ここで、制御手段70は、本実施例では、ステップS1304で算出した後処理液の液量に基づいて、後処理液乾燥強度を決定する。その後、画像形成装置200EはステップS1308に進む。
【0189】
次いで、画像形成装置200Eは、実施例1に係る画像形成装置100E(ステップS1107〜ステップS1113)と同様に、ステップS1308〜ステップS1314を実施する。その後、画像形成装置200Eは、図中のENDに進み、画像を形成する動作を終了する。
【0190】
以上より、本発明の実施例2に係る画像形成装置200Eは、実施例1に係る画像形成装置100Eと同様の効果を得ることができる。なお、ここでは後処理の液量を調整(再計算)しているが、前処理の液量も記録媒体の情報に基づいて調整しても良い。
【0191】
また、本実施例に係る画像形成装置200Eは、上記のステップS1301乃至ステップS1314で記録媒体に画像を形成若しくは印刷することによって、生産物を生産すること若しくは印刷物を印刷することができる。なお、本実施例に係る画像形成装置200Eが生産した生産物若しくは印刷した印刷物は、例えば
図6に示す断面形状となる。
【0192】
以上により、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されるものではない。また、本発明は、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更することが可能である。