(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6239969
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】排水構造および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20171120BHJP
B24B 41/02 20060101ALI20171120BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
H01L21/304 622Q
B24B41/02
B23Q11/00 Q
【請求項の数】6
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-266882(P2013-266882)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-122465(P2015-122465A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年4月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(72)【発明者】
【氏名】牛丸 誠也
(72)【発明者】
【氏名】田中 智裕
(72)【発明者】
【氏名】西田 弘明
【審査官】
梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】
特開平6−198559(JP,A)
【文献】
特開平9−217406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B23Q 11/00
B24B 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置のポリッシャーパンの排水口の縁部に突設された複数の凸部と、
前記ポリッシャーパンから異物が排出することを防止するストレーナと、
を備え、
前記ストレーナは、前記複数の凸部を内嵌めする枠を有し、
前記ストレーナの枠は、円周の一部と弦を組み合わせた形状を有し、
前記ストレーナの上部は、基板処理装置の部品との干渉を回避するための段差を有し、
前記複数の凸部のうちの2つが、前記ストレーナの枠の円周と弦との境界に位置するとともに、前記複数の凸部のうちの1つが、前記ストレーナの枠の円周に位置し、前記段差の部分が前記基板処理装置の部品との干渉を回避する向きで、前記ストレーナが固定される、排水構造。
【請求項2】
前記排水口は、前記ポリッシャーパンの水位が上昇したときにオーバーフローさせる配管口の下部に設けられている、請求項1に記載の排水構造。
【請求項3】
前記凸部の先端が丸くなっている請求項1または2に記載の排水構造。
【請求項4】
前記凸部は、3個である請求項1乃至3のいずれかに記載の排水構造。
【請求項5】
前記ポリッシャーパンの下部に円筒状の排水部材を備え、前記排水部材の上部が前記ポリッシャーパンの底面に接続されて排水口を形成する請求項1乃至4のいずれかに記載の排水構造。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の排水構造を備えた基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置のポリッシャーパンに用いられる排水構造に関する。
【背景技術】
【0002】
化学機械研磨装置などの基板処理装置は、研磨カスや砥液を洗浄した洗浄液を受けるポリッシャーパンを有している(特許文献1)。そして、ポリッシャーパンの排水口には、外部に異物が排出されるのを防止するためのストレーナが取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−66755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ストレーナは、排水口に対して比較的ゆるく取り付けられていたため、装置を移動する際の振動等によって外れてしまう場合があった。基板処理装置のポリッシャーパンの排水口は、各種の部品が入り組んだ狭い場所にあり、ストレーナの取り付け作業を行いにくい場所にある。したがって、いったん取り付けたストレーナは、振動等によって簡単に外れないことが求められる。
【0005】
また、ストレーナに異物が詰まったような場合には、ストレーナを外す必要があるので、その場合には、容易に外れることが望まれる。
【0006】
本発明は、上記背景に鑑み、容易に脱着が可能であると共に、振動等によっては簡単に外れることのないストレーナの取付構造および基板処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の排水構造は、基板処理装置のポリッシャーパンの排水口の縁部に突設された複数の凸部と、前記ポリッシャーパンから異物が排出することを防止するストレーナとを備え、前記ストレーナは、前記複数の凸部を内嵌めする枠を有する。前記凸部は3個であってもよい。
【0008】
このようにストレーナの枠が排水口に設けられた複数の凸部を内嵌めすることにより、基板処理装置を移動した際の振動によってストレーナが外れることを防止できる。また、ストレーナを押し込むことで取り付けることができる構造なので、ストレーナの取付けおよび取外しを容易に行える。
【0009】
本発明の排水構造において、前記ストレーナの枠の内周は円形ではなく、前記ストレーナの上部は、基板処理装置の部品との干渉を回避するための段差を有してもよい。
【0010】
上述したとおり、ストレーナを取り付ける箇所は各種の部品が入り組んだ狭い場所であるが、ストレーナの上部に段差を設けることにより、他の部品との干渉を避けることができる。また、上部がストレーナの枠の内周を円形以外の形状とすることにより、ストレーナの取付けの方向を規定することができ、段差によって部品との干渉を避ける向きで、取り付けることが容易である。
【0011】
本発明の排水構造において、前記凸部の先端が丸くなっていてもよい。この構成により、ストレーナを容易に内嵌めすることができる。
【0012】
本発明の排水構造は、前記ポリッシャーパンの下部に円筒状の排水部材を備え、前記排水部材の上部が前記ポリッシャーパンの底面に接続されて排水口を形成してもよい。このように排水部材を設けることにより、ポリッシャーパンからの排水を所定の場所へ案内できる。
【0013】
本発明の基板処理装置は、上記排水構造を備えた構成を有する。この構成により、基板処理装置の移動時の振動によってストレーナが外れることを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、基板処理装置を移動した際の振動によってストレーナが外れることを防止できると共に、ストレーナの取付けおよび取外しを容易に行えるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ポリッシャーパンの構成を示す断面図である。
【
図2】ポリッシャーパンの排出部材の構成を示す図である。
【
図5】(a)ストレーナを下から見た図である。(b)ストレーナに対して凸部が係合する位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態に係る排水構造について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態の排水構造を有する基板処理装置のポリッシャーパン20の構成を示す断面図である。
図1では、ストレーナを装着していない状態を示している。ポリッシャーパン20は、研磨カスや砥液を洗浄した洗浄液を受ける。ポリッシャーパン20の中には、ストレーナ詰まり等で水位が上昇したときにオーバーフローさせる配管口23等が収納されている。ポリッシャーパン20の下部には、排水部材10が接続されている。排水部材10の上部の開口が排水口Aを形成している。
【0017】
図2は、排水部材10の構成を示す図である。排水部材10は、円筒状の構造11を有し、排水口Aの縁部に沿って、上方(ポリッシャーパン20の内部)に向かって突設する3つの凸部12を有している。この3つの凸部12は、後述するストレーナ13に嵌め込まれる。凸部12の先端は角部12aが丸くなっており、ストレーナ13を嵌め込みやすい構成とされている。
【0018】
図3は、排水口Aを覆うストレーナ13の外観を示す斜視図である。ストレーナ13は、容器を伏せたような形状を有している。すなわち、排水口Aの縁部を取り囲む枠14と、その枠14の上を覆う板状部16とを有している。なお、本実施の形態においてストレーナ13は樹脂製であり、枠14と板状部16は一体成形されている。
【0019】
図4は、ストレーナ13を上面及び側面から見た図である。
図4に示すようにストレーナ13の枠14の部分には、複数の穴15が形成されている。また、ストレーナ13の板状部16にも複数の穴17が形成されている。これらの穴15,17を通じて、ポリッシャーパン20内の液体は排水部材10へと流れていく。また、板状部16の一部には、切欠きが形成され、段差18が形成されている。この段差18は、ポリッシャーパン20に設けられた配管口23との干渉を回避するために設けられている。
【0020】
図5(a)は、ストレーナ13を下面から見た図である。
図5(a)に示すように、ストレーナ13の枠14は、円周の一部と弦を組み合わせた形状を有している。つまり、ストレーナ13の枠14は、完全な円の形状ではない。
【0021】
図5(b)は、ストレーナ13に対して嵌め込まれる3つの凸部12の位置を示すである。ストレーナ13の枠14は、3つの凸部12に同時に当接すると共に3つの凸部12を内嵌めする。
図5(b)に示すように、3つの凸部12のうちの2つがストレーナ13の枠14の円周と弦との境界に位置するので、ストレーナ13は、回転しない態様で固定される。これにより、上述した段差18の部分が配管口23との干渉を回避する向きで、ストレーナ13が固定される。したがって、作業者は、ストレーナ13を取り付ける際に、ストレーナ13の取付角度に特別な注意を払わなくても、ストレーナ13の嵌まる向きを手探りで探すだけで、ストレーナ13と配管口23との干渉を回避できる。
【0022】
ストレーナ13の枠14の内周は、3つの凸部12によって形成される仮想的な円の外周よりも若干小さい。ストレーナ13を取り付ける際に3つの凸部12に押し付けると、ストレーナ13の枠14が若干開くことによって3つの凸部12がストレーナ13の中に押し込まれる。この状態では、ストレーナ13の枠14が弾性力によって元の大きさに戻ろうとするため、ストレーナ13の枠14と3つの凸部12との摩擦力によって、排水部材10に対してストレーナ13が固定されることになる。
【0023】
以上、本実施の形態の排水構造について説明した。本実施の形態の排水構造は、ストレーナ13の枠14の中に3つの凸部12を押し込むことにより、排水部材10に対してストレーナ13が固定されるので、基板処理装置を移動するとき等に、ストレーナ13が外れてしまうことがない。
【0024】
本実施の形態の排水構造は、ストレーナ13の枠14の中に3つの凸部12を押し込むことにより、ストレーナ13を取り付けることができ、外す際には、ストレーナ13を引っ張ればよいので、ストレーナ13の取り外しが容易である。また、本実施の形態では、ストレーナ13は、枠14及び板状部16に穴15,17を有しているので、穴15,17に棒などを引っかけて引っ張ることにより、ストレーナ13を容易に取り外すことができる。
【0025】
本実施の形態の排水構造は、ストレーナ13を取り付けるためのネジ穴などを開けることなく、ストレーナ13の枠14に凸部12を当接させるという簡単な構造で、ストレーナ13を排水部材10の開口部に固定することができる。
【0026】
本実施の排水構造は、3つの凸部12によってストレーナ13を取り付ける構造のため、比較的小さい力で脱着が可能でありながら、ストレーナ13の固定に必要な摩擦力が得られる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態の排水構造および基板処理装置について、実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0028】
本実施の形態では、3つの凸部12を有する排水部材10を例としたが、凸部12の数は3つに限らず、2つ、4つ、またはそれ以上であってもよい。
【0029】
本実施の形態では、ストレーナ13の上部に段差18を持った板状部16を備える例を挙げて説明したが、ストレーナ13の取付けスペースに余裕がある場合には、必ずしも段差18は必要ではない。また、段差を有しない場合には、ストレーナ13をどの向きに取り付けても構わないので、枠14の形状は円形でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、振動によってストレーナが外れることを防止できると共に、ストレーナの取付けおよび取外しを容易に行えるという効果を有し、基板処理装置のポリッシャーパンの排水口に設けるストレーナ等として有用である。
【符号の説明】
【0031】
10 排水部材
11 円筒状の構造
12 凸部
13 ストレーナ
14 枠
15 穴
16 板状部
17 穴
18 段差
20 ポリッシャーパン
21 穴
22 穴
23 配管口