特許第6240043号(P6240043)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6240043
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】光信号増幅装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/272 20130101AFI20171120BHJP
   H04B 10/293 20130101ALI20171120BHJP
   H01S 5/50 20060101ALI20171120BHJP
   H01S 5/0683 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H04B10/272
   H04B10/293
   H01S5/50 610
   H01S5/0683
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-164015(P2014-164015)
(22)【出願日】2014年8月12日
(65)【公開番号】特開2016-39623(P2016-39623A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】堤 卓也
(72)【発明者】
【氏名】木村 康隆
(72)【発明者】
【氏名】坂本 健
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 謙一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 稔久
(72)【発明者】
【氏名】酒井 慈仁
(72)【発明者】
【氏名】王 寛
【審査官】 佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−070353(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/038262(WO,A1)
【文献】 特開2013−191902(JP,A)
【文献】 特開平05−022234(JP,A)
【文献】 特開2012−165127(JP,A)
【文献】 特開2013−229836(JP,A)
【文献】 特開2010−186919(JP,A)
【文献】 特開平01−293584(JP,A)
【文献】 特開2001−154160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/272
H01S 5/0683
H01S 5/50
H04B 10/293
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力光信号を出力電力目標値となるように増幅した出力光信号を出力する光信号増幅装置であって、
前記入力光信号を注入電流の量に応じて増幅し、前記出力光信号として出力する光アンプと、
前記入力光信号及び前記出力光信号の電力値に基づいて、前記出力光信号の電力値が前記出力電力目標値と等しくなるように、前記光アンプへの注入電流量を制御する光出力制御ループと、
前記光出力制御ループの制御する前記光アンプへの注入電流の増減量を用いて、前記光アンプの温度変化を算出し、当該温度変化に依存する前記光アンプの前記出力光信号の電力の変動を抑制するように、前記光出力制御ループの制御する前記光アンプへの注入電流量を制御する温度変動制御ループと、
を備える、
光信号増幅装置。
【請求項2】
前記温度変動制御ループは、
前記光アンプに注入電流を供給し、前記注入電流に応じた参照電流を出力する温度制御フィードフォワード回路と、
前記参照電流の増減から前記光アンプの温度変化を算出し、前記光アンプの温度変化に依存する前記光アンプの前記出力光信号の電力の変動を抑制するように、前記温度制御フィードフォワード回路の供給する前記注入電流を増減させる温度制御フィードバック回路とを備え、
前記光出力制御ループは、
前記入力光信号の一部の電力値から前記光アンプに入力された前記入力光信号の電力値を算出し、前記光アンプから出力される前記出力光信号の電力が前記出力電力目標値と等しくなるように、前記光アンプへの注入電流量を制御する光出力制御フィードフォワード回路と、
前記出力電力目標値及び前記出力光信号の一部の電力値が入力され、前記出力電力目標値から前記出力光信号の電力値を減算した値がゼロとなるように、前記光アンプへの注入電流量を制御する光出力制御フィードバック回路と、備える、
請求項1に記載の光信号増幅装置。
【請求項3】
前記温度制御フィードフォワード回路及び前記温度制御フィードバック回路のそれぞれの入出力間の遅延時間は、前記光出力制御フィードフォワード回路及び前記光出力制御フィードバック回路の入出力間の遅延時間のそれぞれより小さい、
請求項2に記載の光信号増幅装置。
【請求項4】
前記光出力制御フィードフォワード回路は、前記光アンプへの注入電流量を示す光制御ループフィードフォワード信号を前記温度制御フィードフォワード回路に出力し、
前記温度制御フィードフォワード回路は、
前記光制御ループフィードフォワード信号が示す注入電流から、前記温度制御フィードバック回路からの温度制御ループフィードバック信号が示す前記光アンプの前記注入電流の増減量を減算した注入電流を前記光アンプに供給する、
請求項2又は3に記載の光信号増幅装置。
【請求項5】
前記光出力制御フィードバック回路は、前記注入電流を増減させる光制御ループフィードバック信号を前記温度制御フィードバック回路に出力し、
前記温度制御フィードバック回路は、
前記光制御ループフィードバック信号が示す前記光アンプの前記注入電流の変化量から、前記参照電流の増減から算出した前記光アンプの温度変化を抑制するための前記注入電流の変化量を減算することによって、前記光アンプの温度変化を抑制する前記注入電流の増減量を算出する、
請求項2から4のいずれかに記載の光信号増幅装置。
【請求項6】
前記温度制御フィードバック回路は、前記注入電流の増減量に対する前記光アンプの温度変化と負の相関を有する伝達関数を備え、前記伝達関数を参照して、前記参照電流の増減量に対応する前記光アンプの温度変化を算出する、
請求項2から5のいずれかに記載の光信号増幅装置。
【請求項7】
前記光出力制御フィードバック回路は、
前記温度変動制御ループでのオフセット及び前記出力光信号に含まれるASEノイズを除去し、前記出力電力目標値から前記出力光信号に含まれるASEノイズを除去した後の電力値を減算した値がゼロとなるように、前記光アンプへの注入電流量をPID制御するPID制御部を備える、
請求項2から6のいずれかに記載の光信号増幅装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の通信トラフィック量の爆発的増大により、設備センタとユーザ間を接続するアクセスネットワークにはより高い高速性が求められている。また同時に、既存のサービスに比べてサービス提供価格を上昇させないための高い経済性も求められている。この高速性と経済性を両立可能なアクセスネットワークシステムとしてPON(Passive Optical Network)がある。
【0003】
PONは光ファイバを用いた光信号の変調に基づくネットワークであり、従来のメタル配線を用いたネットワークよりも高い高速性を得ることができる。また、PONでは、設備センタに収容される光加入者線終端盤(以下OSU:Optical subscriber unit)1枚あたりに対し、光ファイバ線路途中に配置された光スプリッタによる光分岐のみによって光回線終端装置(ONU:Optical network unit)を介して多ユーザを収容することができることから、経済性にも優れたネットワークといえる。
【0004】
一方、多ユーザ収容のために光ファイバの分岐を行うと、その際に発生する分岐損により、設備センタに収容可能なユーザまでの距離(アクセス可能距離)を短縮させてしまう。このアクセス可能距離の短縮は、ユーザ分布に合わせて多くの設備を密に配置しなければならないことを意味する。これは設備投資を増加させ、結果としてPONの持つ優れた特長の一つである経済性を損なってしまう。従って、1つのOSUに対して多ユーザを収容してもアクセス可能距離を短縮させないような工夫が必要である。
【0005】
この課題を解決する方法として、強度が減衰した光バースト信号を光増幅器によって増幅させる方法がある。これによって、アクセス可能距離を長延化することができ、より経済性に優れたアクセスネットワークを構築することができる。アクセスネットワークに用いられる光アンプには、一般的に応答速度が早く、価格も低廉な半導体光アンプ(SOA:Semiconductor optical amplifier)がよく用いられる。
【0006】
この光増幅器を用いてアクセスネットワークを長延化した例が特許文献1である。この発明はSOA、熱電温度コントローラ(TEC:Thermo electric controller)、可変光アッテネータ(VOA:Variable optical amplifier)の3つの構成要素からなる。特に上りバースト信号におけるアンプへの入力パワーは、ONUの設置距離や通信用レーザの個体間毎にパワーが大きく異なるため、SOAの前段でパワーを検出し、フィードフォワード的にVOAの挿入損失量を増減させる。このことによって増幅された信号はVOA段でパワーが一定になるよう、バースト信号毎に自動レベル制御(ALC:Auto level control)される。
【0007】
ALCではSOAへの注入電流を一定、すなわちSOAのゲインを一定とし、SOAの外部に接続された可変光アッテネータの挿入損失量を入力光パワーに応じて増減させ、出力段での光パワーを一定にしている。この場合、フィードフォワード的に入力光パワーを監視し、後段の可変光アッテネータの挿入損失量を決定するだけであるから制御系が単純となるため、安定かつ高速に出力パワーを制御することができる。この機構によって、様々な入力パワーを有するバースト信号を増幅し、かつ一定の出力パワーで光増幅してシステムの長延化を実現することができる。
【0008】
しかしながら該発明の構成では経済性の点で2点課題がある。1点目の課題はペルチェ効果を利用した熱電温度コントローラ(TEC)を付加しなければならない点である。SOAによって入力光を増幅するためには、SOAに対して電流を注入し、キャリアの反転分布を発生させて入力光をトリガとする誘導光を発生させる必要がある。しかしながらこの時、注入電流に起因する抵抗損が発生し、結果としてSOAの温度ゆらぎが生じる。この温度ゆらぎはSOAの光増幅の不安定化につながる。このことを防止するためにTECの実装がなされるが、これは光アンプ価格の上昇、及びTEC機能発現に要する消費電力の上昇を招く。
【0009】
また2点目の課題は、フィードフォワード制御の対象であるVOAを付加しなければならない点である。このALC用のVOAの実装は制御安定性の面で非常に有利ではあるものの、高価であるため光アンプ全体に対して価格の更なる上昇を招く。これらのTEC、VOAの実装に伴う光アンプの高コスト化は、長延化によってアクセスシステム全体の低コスト化を図るという目的と照らし合わせると望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許4834164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、TEC及びVOAを省略し、入力光信号を制御性よく増幅して出力光電力を一定として出力可能な光増幅装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本願発明の光信号増幅装置は、入力光信号を一定の出力で増幅するための光増幅装置において、光アンプへの注入電流を制御量とするフィードフォワード回路とフィードバック回路を有する温度変動制御ループと、温度変動制御ループの外側に設けられ、注入電流を制御量とするフィードフォワード回路とフィードバック回路を有する出力光制御ループとを備える。
【0013】
具体的には、本発明に係る光信号増幅装置は、入力光信号を出力電力目標値となるように増幅した出力光信号を出力する光信号増幅装置であって、前記入力光信号を注入電流の量に応じて増幅し、前記出力光信号として出力する光アンプと、前記入力光信号及び前記出力光信号の電力値に基づいて、前記出力光信号の電力値が前記出力電力目標値と等しくなるように、前記光アンプへの注入電流量を制御する光出力制御ループと、前記光出力制御ループの制御する前記光アンプへの注入電流の増減量を用いて、前記光アンプの温度変化を算出し、当該温度変化に依存する前記光アンプの前記出力光信号の電力の変動を抑制するように、前記光出力制御ループの制御する前記光アンプへの注入電流量を制御する温度変動制御ループと、を備える。
【0014】
本発明に係る光信号増幅装置は、前記温度変動制御ループは、前記光アンプに注入電流を供給し、前記注入電流に応じた参照電流を出力する温度制御フィードフォワード回路と、前記参照電流の増減から前記光アンプの温度変化を算出し、前記光アンプの温度変化に依存する前記光アンプの前記出力光信号の電力の変動を抑制するように、前記温度制御フィードフォワード回路の供給する前記注入電流を増減させる温度制御フィードバック回路とを備え、前記光出力制御ループは、前記入力光信号の一部の電力値から前記光アンプに入力された前記入力光信号の電力値を算出し、前記光アンプから出力される前記出力光信号の電力が前記出力電力目標値と等しくなるように、前記光アンプへの注入電流量を制御する光出力制御フィードフォワード回路と、前記出力電力目標値及び前記出力光信号の一部の電力値が入力され、前記出力電力目標値から前記出力光信号の電力値を減算した値がゼロとなるように、前記光アンプへの注入電流量を制御する光出力制御フィードバック回路と、備えてもよい。
【0015】
本発明に係る光信号増幅装置は、前記温度制御フィードフォワード回路及び前記温度制御フィードバック回路のそれぞれの入出力間の遅延時間は、前記光出力制御フィードフォワード回路及び前記光出力制御フィードバック回路の入出力間の遅延時間のそれぞれより小さくてもよい。
【0016】
本発明に係る光信号増幅装置は、前記光出力制御フィードフォワード回路は、前記光アンプへの注入電流量を示す光制御ループフィードフォワード信号を前記温度制御フィードフォワード回路に出力し、前記温度制御フィードフォワード回路は、前記光制御ループフィードフォワード信号が示す注入電流から、前記温度制御フィードバック回路からの温度制御ループフィードバック信号が示す前記光アンプの前記注入電流の増減量を減算した注入電流を前記光アンプに供給してもよい。
【0017】
本発明に係る光信号増幅装置は、前記光出力制御フィードバック回路は、前記注入電流を増減させる光制御ループフィードバック信号を前記温度制御フィードバック回路に出力し、前記温度制御フィードバック回路は、前記光制御ループフィードバック信号が示す前記光アンプの前記注入電流の変化量から、前記参照電流の増減から算出した前記光アンプの温度変化を抑制するための前記注入電流の変化量を減算することによって、前記光アンプの温度変化を抑制する前記注入電流の増減量を算出してもよい。
【0018】
本発明に係る光信号増幅装置は、前記温度制御フィードバック回路は、前記注入電流の増減量に対する前記光アンプの温度変化を表す伝達関数を備え、前記伝達関数を参照して、前記参照電流の増減量に対応する前記光アンプの温度変化を算出してもよい。
【0019】
本発明に係る光信号増幅装置は、前記光出力制御フィードバック回路は、前記温度変動制御ループでのオフセット及び前記出力光信号に含まれるASEノイズを除去し、前記出力電力目標値から前記出力光信号に含まれるASEノイズを除去した後の電力値を減算した値がゼロとなるように、前記光アンプへの注入電流量をPID制御するPID制御部を備えてもよい。
【0020】
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、温度変動制御ループを備えるため、注入電流に起因する発熱によるSOAの動作が不安定に陥らない機構を、高価なTECを省略しながら実現することができる。また、本発明は、光出力制御ループを備えるため、VOAを省略しながら安定的な入力光信号の出力制御を実現することができる。したがって、本発明に係る光増幅装置では、TEC、VOAを省略し、安価で長延化に寄与可能な光信号増幅装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る光信号増幅装置の一例を示す。
図2】本発明の実施形態に係る温度制御ループの一例を示す。
図3】本発明の実施形態に係る出力光制御ループの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0024】
図1に、本発明の実施形態に係る光信号増幅装置の模式図を示す。本実施形態に係る光信号増幅装置は、SOA31と、温度制御ループ30と、光出力制御ループ20とを備える。出力光制御ループ20は、光出力制御FF(Feed Forward)回路21と、光出力制御FB(Feed Back)回路22を備える。光出力制御FF(Feed Forward)回路21は、光出力制御フィードフォワード回路として機能する。光出力制御FB(Feed Back)回路22は、光出力制御フィードバック回路として機能する。温度制御ループ30は、温度制御FB回路32と、温度制御FF回路33を備える。温度制御FB回路32は、温度制御フィードバック回路として機能する。温度制御FF回路33は、温度制御フィードバック回路として機能する。
【0025】
分岐部41は、光信号増幅装置へ入力した光信号を分岐する。分岐部41は、例えば光分岐器である。入力光は、分岐部41の分岐率に応じて分岐され、一方がSOA31に入力される。SOA31に入力される光信号の電力は、Pin_SOAである。
分岐部41で分岐された入力光の他方が、入力モニタ用光信号として光出力制御FF(Feed Forward)回路21に入力される。入力モニタ用光信号の電力は、Pin_mである。入力モニタ用光信号の電力Pin_mは、例えば入力光電力Pinの1%である。
【0026】
SOA31は、入力された電力がPin_SOAである光信号を、注入電流ISOAの量に応じて増幅して、電力Pout_SOAである光信号を出力する。SOA31の入力光の電力Pin_SOAと、出力光の電力Pout_SOAの間のゲインはGSOAである。また、SOA31の出力光には、ASE(Amlified Spontaneous Emission)ノイズNASEが含まれる。
【0027】
分岐部42は、分岐部42の分岐率に従って、SOA31の出力光は、分岐部42で出力光信号と出力モニタ用光信号に分岐される。ここで、SOA31の出力光の電力はPout_SOAであり、出力光信号の電力はPoutであり、出力モニタ用光信号の電力はPout_mである。
【0028】
分岐部42は、例えば光分岐器である。出力モニタ用光信号の電力Pout_mが光出力制御FB回路22に入力される。出力モニタ用光信号の電力Pout_mは、例えば出力光信号の電力Poutの1%である。
【0029】
光出力制御FB回路22には、出力電力参照値Prefが入力される。ここで、出力電力参照値Prefは、出力光の電力の目標値である出力電力目標値を、分岐部42の分岐率のうち、光出力制御FB回路22へ入力される光の分岐率で割った値である。そのため、出力電力参照値Prefと、出力モニタ用光信号の電力Pout_mが等しければ、出力電力目標値と出力光信号の電力Poutは等しい。
【0030】
光出力制御FF回路21の出力である光制御ループフィードフォワード信号VLFFは、温度制御ループ30の前段である温度制御FF回路33に入力される。一方で、光出力制御FB回路22の出力である光制御ループフィードバック信号VLFBは、温度制御ループ30の後段である温度制御FB回路32に入力される。この構成により、内側に時定数の短い温度制御ループ30、外側に比較的時定数の長いバースト信号毎の特性変動を吸収する光出力制御ループ20を効率的に構築できる。ただし、温度変動の時定数が比較的短い場合などにおいては、この構成によらず自由な構成とすることができる。
【0031】
SOA31の温度は、入力光バースト信号の周期に関わらず電流注入される限り常に変動するため、本来、温度制御ループ30の時定数はいかなる値でも良い。ただし温度制御ループ30は光信号増幅装置全体の応答時間のボトルネックとなる構成であるため、光出力制御ループ20の時定数と同程度か、短くなるように設定すれば、より高い温度安定効果を得ることができる。そのため、温度制御FF回路33及び温度制御FB32回路のそれぞれの入出力間の遅延時間は、光出力制御FF21回路及び光出力制御FB22回路のそれぞれの入出力間の遅延時間より小さくなるように設定する。つまり、温度制御FF回路33及び温度制御FB32回路のそれぞれの時定数は、光出力制御FF21回路及び光出力制御FB22回路のそれぞれの時定数より小さい。ただし、温度変動による特性変動の時定数が短くなるように調整された構造(ヒートシンクを設けるなど)では、温度制御ループ30の時定数を必ずしも光出力制御ループ20の時定数よりも短くする必要はない。
【0032】
(温度制御ループ)
温度制御FF回路33は、SOA31に注入電流ISOAを供給し、注入電流ISOAによるSOA31の温度変動を算出するための参照電流kISOAを出力する。参照電流kISOAは、注入電流ISOAに応じた量である。温度制御FF回路33は、光制御ループフィードフォワード信号VLEFが示す注入電流ISOAから、温度制御FB回路32からの温度制御ループフィードバック信号VTFBが示す光アンプ31の注入電流ISOAの増減量を減算した注入電流ISOAを光アンプ31に供給する。
【0033】
温度制御FB回路32は、SOA31に注入電流ISOAが入力されることによるSOA31の温度変化によって、出力光の電力Poutが変動しないようにする。具体的には、温度制御FB回路32は、参照電流kISOAの増減から光アンプ31の温度変化を算出し、光アンプ31の温度変化を抑制するように、温度制御FF回路33の供給する注入電流ISOAを増減させる。温度制御FB回路32は、光出力変動を除去するための光出力制御ループ信号VLFBが示す光アンプ31の注入電流ISOAの変化量から、参照電流kISOAの増減から算出した光アンプ31の温度変化を抑制するための注入電流ISOAの変化量を減算することによって、光アンプ31の温度変化を抑制する注入電流ISOAの増減量を算出する。
【0034】
まず温度制御ループ30におけるSOA31での温度変動の吸収メカニズムについて述べる。SOA31のゲインGSOAは、SOA31への入力光電力Pin_SOA、及び注入電流ISOAを用い、以下の関係式群の式(1)によって記述される。
【0035】
【数1】
ただし、g:飽和ゲイン、P:飽和入力電力である。
【0036】
飽和ゲインg及び飽和入力電力Pは次式で表される。
【数2】
【数3】
ただし、V:バイアス電圧、Γ:キャリア閉じ込め係数、σ:ゲイン作用断面積、N:真性キャリア密度、ν:入力光波長、σ:導波実効断面積、τ:キャリア寿命である。
【0037】
ここで、式(2)のSOA31への注入電流ISOAは、次式を用いて求めることができる。
【数4】
ただし、q:電気素量、d:活性領域厚、L:活性領域長、w:活性領域幅、n:励起キャリア密度、A:非発光再結合係数、B:自然発光再結合係数、C:非発光オージェ再結合係数である。
【0038】
式(4)のSOA31における励起キャリア密度nは、次式を用いて求めることができる。
【数5】
ただし、Nc:伝導帯実効キャリア密度、E:伝導帯準位、E:フェルミ準位、k:ボルツマン定数、T:絶対温度である。
【0039】
式(5)のSOA31における伝導帯実効キャリア密度Ncは、次式を用いて求めることができる。
【数6】
ただし、m:電子有効質量、h:プランク定数である。
【0040】
SOA31のデバイス温度Tが上昇すると、SOA31内で伝送帯へ励起されるキャリア密度が増えるため(式(5),式(6))、注入電流ISOAの量も増加し(式(4))、この時の発熱によってデバイス温度Tは更に上昇する。このデバイス温度Tの増加は、電流の注入が起因であるため極めて短い時定数で変動し、SOA31の感度を不安定にさせる要因となる。従って、本来この系においては、TECを用いた一定温度制御が必要である。
【0041】
温度制御ループ30では、光出力制御ループ20の制御する光アンプ31への注入電流ISOAの増減量を用いて光アンプ31の温度変化を算出し、当該温度変化に依存する光アンプ31の出力光信号の電力の変動を抑制するように、光出力制御ループ20の制御する光アンプ31への注入電流量を制御する。具体的には、温度制御ループ30は、温度制御FB回路32及び温度制御FF回路33を用いて、温度変化によって出力光の電力Poutが変動しないように、注入電流ISOAを変化させる。温度制御FB回路32には、温度制御FF回路33からの参照電流kISOA及び光出力制御FB回路22からの光制御ループフィードバック量ILFBが入力される。
【0042】
温度制御FB回路32は、参照電流kISOAの増減から求めた注入電流ISOAの増減量を計算する。温度制御FB回路32は、光制御ループフィードバック量ILFBから注入電流ISOAの増減量を減算して、温度制御ループフィードバック信号VTFBとして温度制御FF回路33に出力する。
【0043】
温度制御FF回路33には、光出力制御FF回路21からの光制御ループフィードフォワード信号VLFF及び温度制御FB回路32からの温度制御ループフィードバック信号VTFBが入力される。温度制御FF回路33は、SOA31への注入電流ISOA及び温度制御FB回路32へ入力する参照電流kISOAを出力する。
【0044】
温度制御FB回路32は、この短時間で揺らぐSOA31のデバイス温度Tの変動を参照電流kISOAの変動でモニタする。温度制御FF回路33でのフィードフォワード量(FF量)である参照電流kISOAの量は、任意である。ただし、参照電流kISOAの量は、注入電流ISOAの量に応じて決まるようにする。例えば、参照電流kISOAの量は、注入電流ISOAの量に比例するようにし、適当な係数kを乗じて参照電流kISOAとする。参照電流kISOAの量は、例えば注入電流ISOAの1%である。本実施形態では、参照電流kISOAの量が、注入電流ISOAの量に比例する場合の例を示すが、参照電流kISOAの量は、任意の関数と、注入電流ISOAの量から決まるとしてもよい。この時、モニタ量は電流値でも電圧値でもよく、注入電流ISOAの変動比率さえモニタできれば良い。例えば、温度制御FB回路32は、単位時間あたりの参照電流kISOAの電流量がxx%変動したことを検出する。
【0045】
この参照電流kISOAのモニタ量を、注入電流ISOAの電流変動の時定数程度で温度制御FB回路32に負帰還すれば、TECなしで安定な温度制御が可能になる。例えば注入電流ISOAが上昇した場合、SOA31のデバイス温度Tが上昇したということであるから、注入電流ISOAの変化量が負になるように、温度制御FB回路32から温度制御FF回路33へ入力される。注入電流ISOAが減少した場合は逆のプロセスにより一定温度になるように制御される。
【0046】
この温度制御ループ30の時定数は、注入電流ISOAの変動や、SOA31の構成材料の比熱・熱抵抗を元に決定されるが、概ね数百ナノ秒〜数マイクロ秒程度になるように設定すれば、TECなしで安定な温度制御を実現でき、SOA31の感度を一定に保つことができる。
【0047】
図2図1における温度制御ループ30の一例である。この例では温度制御FF回路33は、SOA31の駆動電流供給に必要なドライバ回路331を有し、温度制御FB回路32は、適当な温度補償回路321を有している。ドライバ回路331からは注入電流ISOAを供給するが、その際に注入電流ISOAの一部の電流量又は注入電流ISOAに比例した電流を参照電流kISOAとして温度補償回路321に入力している。図2では、温度補償回路321で参照電流kISOAをモニタする場合の例を示すが、本発明はこれに限定されない。例えば、SOA31の注入電流ISOAの電流注入線路に微小抵抗(ミリ〜マイクロΩオーダ)を挿入し、その両端の電位差をモニタ量として温度補償回路321に入力する等の構成を用いてもよい。
【0048】
温度補償回路321は参照電流kISOAの入力に対し、負の相関を有する出力を実現するような伝達関数を有する。つまり、温度補償回路321は、注入電流ISOAの増減量に対するSOA31の温度変化と負の相関を有する伝達関数を備え、その伝達関数を参照して、参照電流kISOAの増減量に対応するSOA31の温度変化を算出する。そして、温度補償回路321は、SOA31の温度変化に依存するSOA31の出力光信号の電力の変動を抑制する温度制御ループフィードバック信号VTFBを出力する。そのため、注入電流ISOAの温度依存性は、SOA31の出力光の電力Pout_SOAの注入電流依存性の温度特性とは負の相関を示す。
【0049】
温度補償回路321の形態には様々のものが考えられるが、例えばバイポーラトランジスタを用いたNOT回路を用いれば、参照電流kISOAの増減とは逆の振る舞いをするような出力を得ることができる。NOT回路は、例えば、エミッタ接地NPN型トランジスタを用い、コレクタに正電圧を供給し、ベースに参照電流kISOA入力を入力するような構成とすることが例示できる。
【0050】
この時の温度補償回路321の伝達関数はトランジスタの等価回路モデルから表現されるが、このときSOA31の想定動作温度域においてデバイス温度Tに無依存であるか又はほぼ無依存になるように温度制御FB回路32全体の伝達関数Gt,fbを決定すれば良い。例えば、温度制御FB回路32は、光アンプ31への注入電流ISOAの温度依存性と逆の特性を持つ伝達関数Gt,fbを持つ回路、すなわち前述したNOT回路がSOA31の温度特性を打ち消すような構成になるような回路を配置すれば、温度変動に伴うゲイン変動を抑制することができる。なお、SOA31の想定動作温度域は、例えば、100℃から200℃と見積もることができる。
【0051】
本実施形態では、光制御ループフィードフォワード信号VLFF及び温度制御ループフィードバック信号VTFBは別々に温度制御FF回路33に入力される例を示した。しかし、温度制御FF回路33への入力前に、光制御ループフィードフォワード信号VLFF及び温度制御ループフィードバック信号VTFBが示す注入電流ISOAの増減量を計算した後、注入電流ISOAの量を温度制御FF回路33に入力してもよい。その際、例えばオペアンプを用いた2入力差動増幅回路を構成することにより、VTFBとkISOAの2つを入力値としてその差分に当たる出力を温度制御FF回路33に入力すれば、簡便な構成とすることができる。その際、2入力差動増幅回路に対し温度補償機能が備わるような特性を持つトランジスタを用いれば、より高い温度補償効果を有する温度制御を付加的に実現することができる。
【0052】
(光出力制御ループ)
図3に、本実施形態に係る出力光制御ループ20の一例を示す。出力光制御ループ20は、入力光信号の電力Pin及び出力光信号の電力Poutに基づいて、出力光信号の電力Poutが出力電力目標値と等しくなるように、光アンプ31への注入電流ISOAの量を制御する。
【0053】
光出力制御FF回路21は、入力光信号の一部の電力値であるPin_mから光アンプ31に入力された入力光信号Pin_SOAの電力値を算出し、光アンプ31から出力される出力光信号の電力Poutが出力電力目標値と等しくなるように、光アンプ31への注入電流ISOAの量を制御する。光出力制御FF回路21は、光アンプ31への注入電流ISOAの量を示す光制御ループフィードフォワード信号VLEFを温度制御FF回路33に出力する。
【0054】
光出力制御FB回路22は、出力電力参照値Pref及び出力光信号の一部の電力値である出力モニタ用光信号の電力Pout_mが入力され、光制御ループフィードバック信号VLFBを出力する。光制御ループフィードバック信号VLFBは、温度制御FB回路32に入力され、出力電力参照値Prefから出力モニタ用光信号の電力Pout_mを減算した値がゼロとなるように、光アンプへの注入電流量ISOAを制御する。出力電力参照値Prefから出力モニタ用光信号の電力Pout_mを減算した値がゼロとなる場合、出力電力目標値と出力光信号の電力値Poutとは等しい。また、光出力制御FB回路22は、注入電流ISOAを増減させる光出力制御ループフィードバック信号VLFBを温度制御FB回路32に出力する。
【0055】
ここで、温度以外の変動要因であるバースト光入力信号の電力Pinの変動は、図3の出力光制御ループ20により抑制され、出力光信号の電力Poutが一定の出力になるように制御される。
【0056】
光出力制御FF回路21及び光出力制御FB回路22に要求される応答速度は、通信速度や帯域割当周期にもよるが、例えば、数十μ秒〜100μ秒以下であれば、遅延なく温度制御FF回路33へ制御量を引き渡すことができる。引き続いて光出力制御FF回路21で検出された入力バースト信号のピーク値を温度制御FF回路33に入力し、注入する注入電流ISOAを決定する。
【0057】
光出力制御FF回路21は、光電変換回路212と、ピークホールド回路211を備える。入力バースト信号の入力光電力Pinの一部(例えば、入力パワーの1%程度)は、入力光電力Pin_mとして抽出され、光出力制御FF回路21へ入力される。光出力制御FF回路21は、入力光電力Pinが変動しても一定の出力光の電力Poutを得るための注入電流ISOAをSOA31に供給する。
【0058】
光出力制御FF回路21に入力されたバースト信号の入力光電力Pin_mは、光電変換回路212を用いることによりモニタされる。光電変換回路212は、例えば、PD(Photo Diode)である。光電変換回路212の出力は、入力バースト信号の入力光電力Pin_mのピーク値を保持するためのピークホールド機能を有したピークホールド回路211へ入力される。この入力バースト信号の入力光電力Pin_mのピーク値を前述した温度制御FF回路33のドライバ回路331へ入力して、入力バースト信号の入力光電力Pin_mに対応したIsoaを決定する。つまり、この光出力制御ループ20ではバースト信号の入力光電力Pin_mごとに応じた注入電流ISOAを決定し、前述した温度制御ループ30ではその注入電流ISOAの細かい変動を除去する、という機能の分担を行う。
【0059】
引き続き、入力バースト信号の入力光電力Pinは光出力制御ループ20・温度変動制御ループ30で決定された注入電流ISOAが注入されるSOA31によって安定的に増幅され出力される。この時SOA31によって増幅されたバースト信号は、ASEノイズNASEが重畳されて出力される。ここで、(4)式の第2項のBnがASEノイズNASEに相当する。
【0060】
このASEノイズNASEを含んだSOA31の出力光は、分岐部42で出力光信号と出力モニタ用光信号に分岐される。出力モニタ用光信号の電力Pout_mは、モニタ量として再び光出力制御ループ20の中の光出力制御FB回路22に入力される。
【0061】
光出力制御FB回路22は、光電変換回路223、ピークホールド回路211、PID(Proportional−Integral−Derivative)制御回路221を備える。光出力制御FB回路22は、出力モニタ用光信号の電力Pout_mの電力値が、出力電力参照値Prefと等しくなるように、注入電流ISOAの電流値を制御する。出力バースト信号の出力光信号の電力Poutの一部である出力モニタ用光信号の電力Pout_mは、光電変換回路223、ピークホールド回路222に入力され、出力バースト信号の出力モニタ用光信号の電力Pout_mのピーク量は電気量として後段のPID制御回路221に入力される。光電変換回路223は、例えばPDである。
【0062】
ピークホールド回路222は、光電変換回路223で電気信号に変換された出力モニタ用光信号の電力Pout_mのピーク値を保持する。ピークホールド回路222は、PID制御回路221に保持する出力モニタ用光信号の電力Pout_mのピーク値を出力する。
【0063】
出力光制御FB回路22はPID制御回路221を備えることにより、温度変動制御ループ30で除去しきれなかったオフセットやASEノイズNASEの影響を除去し、バースト信号においても応答性のよい良好な制御を実現する。出力光制御FB回路22では、出力電力参照値Prefに対する制御量を決定する。図1の例では出力電力参照値Prefは光として出力光制御FB回路22へ入力しているが、図3のように光電変換回路223で出力モニタ用光信号の電力Pout_mを光電変換した後に、PID制御回路221に電気的な参照量として出力電力参照値Prefを入力し、出力電力参照値Prefを入力するための光源を省く構造としてもよい。
【0064】
最後に光出力制御FB回路22で決定された出力が、光制御ループフィードバック量として、先に述べた温度制御FF回路33へ偏差として入力されることにより、本実施形態の光信号増幅回路の制御系が完成される。ここで、光制御ループフィードバック量は、出力電力参照値Prefから出力モニタ用光信号の電力Pout_mの値を減算した量である。これら制御回路を、適切な時定数、ゲインの組み合わせで構築することにより、TECやVOAを省略しても安定なバースト信号対応光増幅装置を構築することができる。
【0065】
本実施形態では、光出力制御FB回路22へ入力される出力電力参照値Pref及び出力モニタ用光信号の電力Pout_mは、別々に光出力制御FB回路22に入力される例を示した。しかし、光出力制御FB回路22への入力前に、出力電力参照値Prefが示す電力値から、出力モニタ用光信号の電力Pout_mが示す電力値を減算した後、光出力制御FB回路22に入力してもよい。その際、参照光とモニタ用光信号の位相差を180度となるよう制御し、光段における干渉を利用することによって減算を実現することができる。この場合は参照光とモニタ光で2つ必要だったPDを1つに減らすことができ、高い経済効果を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の光信号増幅装置は、情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0067】
20:出力光制御ループ
21:光出力制御FF回路
211:ピークホールド回路
212:光電変換回路
22:光出力制御FB回路
221:PID制御回路
222:ピークホールド回路
223:光電変換回路
30:温度変動制御ループ
31:SOA
32:温度制御FB回路
321:温度補償回路
33:温度制御FF回路
331:ドライバ回路
41:分岐部
42:分岐部
図1
図2
図3