特許第6241321号(P6241321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6241321-バラスト水の処理方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6241321
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】バラスト水の処理方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 13/00 20060101AFI20171127BHJP
   C02F 1/70 20060101ALI20171127BHJP
   C02F 1/50 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   B63B13/00 Z
   B63B13/00 E
   C02F1/70 Z
   C02F1/50 510A
   C02F1/50 520F
   C02F1/50 520B
   C02F1/50 531M
   C02F1/50 532H
   C02F1/50 550L
   C02F1/50 560Z
   C02F1/50 531P
   C02F1/50 532D
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-40605(P2014-40605)
(22)【出願日】2014年3月3日
(65)【公開番号】特開2015-166200(P2015-166200A)
(43)【公開日】2015年9月24日
【審査請求日】2016年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】深瀬 哲朗
(72)【発明者】
【氏名】脇田 正明
(72)【発明者】
【氏名】八木 稔
(72)【発明者】
【氏名】福澤 耕太郎
【審査官】 岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−238473(JP,A)
【文献】 特開2007−229577(JP,A)
【文献】 実開昭57−037098(JP,U)
【文献】 特開2012−217914(JP,A)
【文献】 特開2011−207441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 13/00
C02F 1/50, 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バラストタンクに貯留されている水生微生物を殺滅処理したバラスト水を中和して放流するバラスト水の処理方法であって、
まず、バラストタンク内の殺滅処理後のバラスト水を、排水ライン上に中和剤を添加することによって中和しながら、該排水ラインの途中に設置された排水ポンプにより排出し、
該排水ポンプで排出しきれずに前記バラストタンク内に残存するバラスト水を、前記バラストタンクに中和剤を添加することによって中和した後、
この中和後の残存するバラスト水を、エジェクタにより吸引して排出する
ことを特徴とするバラスト水の処理方法。
【請求項2】
前記エジェクタによる吸引の圧力差発生用水として、前記バラスト水を排出する船舶所在地の海水、汽水もしくは河川水を使用することを特徴とする請求項1に記載のバラスト水の処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バラストタンクに貯留された水生微生物を殺滅処理済みのバラスト水を中和して放流するバラスト水の処理方法に関する。特にバラストタンクの底部に残存した少量の殺滅処理済みのバラスト水を中和して放流するバラスト水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に船舶、特に貨物船は、積載貨物などの重量を含めて設計されているため、空荷または積荷が少ない状態の船舶は、プロペラ没水深度の確保、空荷時における安全航行の確保等の必要性から、出港前に港において海水を取水して船舶のバランスを取るが、このバラストとして用いられる水のことを船舶バラスト水とよぶ。この船舶バラスト水は、無積載で出港するとき、その出港地で港の海水などをバラストタンクに積み込む一方、逆に港内で積荷をするときには、船舶バラスト水の排水を行う。
【0003】
ところで、環境の異なる荷積み港と荷下し港との間を往復する船舶によって船舶バラスト水の注排水が行われると、荷積み港と荷下し港における船舶バラスト水に含まれる微生物の差異により沿岸生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されている。そこで、船舶の船舶バラスト水管理に関する国際会議において2004年2月に船舶の船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約が採択され、船舶バラスト水の処理が義務付けられることとなった。
【0004】
船舶バラスト水の処理基準として国際海事機構(IMO)が定める基準は、船舶から排出される船舶バラスト水に含まれる50μm以上の生物(主に動物プランクトン)の数が1m中に10個未満、10μm以上50μm未満の生物(主に植物プランクトン)の数が1ml中に10個未満、コレラ菌の数が100ml中に1cfu未満、大腸菌の数が100ml中に250cfu未満、腸球菌の数が100ml中に100cfu未満となっている。
【0005】
このようなバラスト水の処理基準を満たすために、船舶バラスト水に次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸カルシウムなどの塩素系活性物質などの殺滅剤を添加して、滞留時間を確保することにより微生物等を殺滅する船舶バラスト水の処理方法が提案されている。このバラスト水処理における塩素系活性物質の添加量は、IMO基本承認時に設定された最大許容添加量(MAD)を指標として決定される。
【0006】
このように微生物等を殺滅した後のバラスト水は、航海が終了して貨物を搭載するときには排出することになるが、この際にはバラスト水中の塩素系活性物質などの殺滅剤の残留成分が海洋環境の有害物質となるため、TRO(残留オキシダント)を測定するなどして、これに応じて適量の中和剤を添加して、活性物質を中和したうえで排出する必要がある。
【0007】
このようなバラスト水の排出時の中和処理方法としては、排水ポンプでバラスト水を吸い上げて、この排水ポンプと連通した排水ラインの途中でTRO(残留オキシダント)の測定値に応じた量の中和剤を添加して船外に排出するのが一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、この従来のバラスト水の中和排出方法では、バラストタンク中のバラスト水の量が少なくなり、排水ポンプが空気を同時に吸引するようになると排水できなくなり、バラストタンクの底部に少量のバラスト水が残存する、という問題点がある。
【0009】
この残存した少量のバラスト水は、塩素系活性物質が残留しているので、そのまま排出することはできない。そこで、あらかじめバラストタンクに直接中和剤を添加して、バラスト水の全量を中和してやることが考えられるが、バラスト水は非常に量が多く、バラストタンクは非常に大容量である上にバラストタンク中には通常敷居構造を有するので、中和剤を均一に混合することはできず、計算上の必要量よりも非常に大量の中和剤を添加しなければならない、という問題点がある。このように従来は、バラストタンク中のバラスト水の全量を中和して排出する効率のよい処理方法はなかった。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決して、バラストタンクの底部に残存する少量の殺滅処理済みのバラスト水を中和した状態で確実に放流することの可能なバラスト水の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、バラストタンクに貯留されている水生微生物を殺滅処理したバラスト水を中和して放流するバラスト水の処理方法であって、まず、バラストタンク内の殺滅処理後のバラスト水を中和しながら排水ポンプにより排出し、該排水ポンプで排出しきれずに前記バラストタンク内に残存するバラスト水に中和剤を添加して中和した後、エジェクタにより吸引して排出することを特徴とするバラスト水の処理方法を提供する(発明1)。
【0012】
かかる発明(発明1)によれば、まず、初めにバラストタンク内の殺滅処理後のバラスト水を排水ポンプを用いて排出する。この排出は、該排水ポンプの排水ラインで中和剤を添加しながら殺滅処理による活性物質を中和しながら行う。そして、バラストタンク内のバラスト水の量が少なくなり、排水ポンプが空気を同時に吸引するようになると排出機能を発揮できなくなり、バラストタンクの底部に少量のバラスト水が残存する。そこで、発明1においては、少量のバラスト水が残存しているバラストタンクに中和剤を添加して殺滅処理による活性物質を中和し、その後エジェクタを使用して排出する。このエジェクタは、排出対象であるバラスト水とは異なる外部環境の水を圧力差発生用水とするものであるので、少量のバラスト水であっても確実に排出することができる。
【0013】
上記発明(発明1)においては、前記エジェクタによる吸引の圧力差発生用水として、前記バラスト水を排出する船舶所在地の海水、汽水もしくは河川水を使用するのが好ましい(発明2)。
【0014】
かかる発明(発明2)によれば、これらの水を圧力差発生用水とすることにより、容易に水源を確保して少量のバラスト水であっても確実に排出することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のバラスト水の処理方法によれば、まず、初めにバラストタンク内の殺滅処理後のバラスト水を排水ポンプにより排水ラインに中和剤を添加しながら排出する。そして、バラストタンク内のバラスト水の量が少なくなり、排水ポンプが空気を同時に吸引するようになりそれ以上排出できなくなったら、少量のバラスト水が残存しているバラストタンクに中和剤を添加して殺滅処理による活性物質を中和し、その後エジェクタを使用して排出することで、少量のバラスト水であっても確実に排出することができる。これにより、バラストタンク内の殺滅処理済みのバラスト水の全量を中和した状態で外部環境に放流することができ、外部環境に与える影響を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るバラスト水の処理方法を概略的に示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のバラスト水の処理方法について、一実施形態に基づき詳細に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態のバラスト水の処理方法を実施可能なバラスト水処理装置を概略的に示しており、図1において、バラストタンク1には、排水ライン2が接続しており、この排水ライン2の途中には排水ポンプ3が設置されている。また、4は中和剤貯槽であり、この中和剤貯槽4は、供給ポンプ6の下流側で第1の供給管5と第2の供給管8とに分岐した供給管により、それぞれ排水ライン2及びバラストタンク1に接続していて、第1の開閉バルブ7及び第2の開閉バルブ9を切り替えることで排水ライン2及びバラストタンク1にそれぞれ中和剤を供給可能となっている。さらに、バラストタンク1には、サブ排水ライン10も接続していて、このサブ排水ライン10は排水ポンプ3の下流側で排水ライン2に合流している。そして、サブ排水ライン10の途中にはエジェクタ11が設けられていて、このエジェクタ11の側部には海水供給ポンプ13が付設された海水供給管12が連通していて、エジェクタ11による吸引の圧力差発生用水として海水を供給可能となっている。
【0019】
なお、バラストタンク1には、この排出機構とは別に、給水機構としてそれぞれ図示しないバラスト水としての海水の供給機構と、この海水中の微小生物などを殺滅するための塩素系殺菌剤などによる殺滅機構とを備える。さらに、バラストタンク1内には全部残留酸化性物質濃度(TRO)計(図示せず)が設置されている。なお、全残留酸化性物質濃度とは、TRO(Total Residual Oxidants)のことであり、塩素系活性物質の添加による酸化性塩素濃度、及びこの酸化性塩素との反応により生じる他の酸化性成分が含まれる。この全残留酸化性物質濃度は、DPD吸光度法を用いた市販の高精度TRO計を用いて常温にて測定することができる。
【0020】
上述したようなバラスト水処理装置において、塩素系の殺菌剤(塩素系活性物質)としては、次亜塩素酸ナトリウムなどの次亜塩素酸塩(水溶液)が好ましい。また、ジクロロイソシアヌル酸塩、トリクロロイソシアヌル酸塩などのイソシアヌル酸塩(水溶液)を用いることもできる。
【0021】
また、中和剤貯槽4に貯留する中和剤としては、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム(亜硫酸水素ナトリウム)、チオ硫酸ナトリウムなどを用いることができる。特にチオ硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
【0022】
次に、上述したバラスト水処理装置を用いたバラスト水の処理方法について以下説明する。
【0023】
バラスト水の取水時には、図示しない海水の供給機構を駆動してバラストタンク1に海水を供給する。このとき、この海水を供給する途中で図示しない殺滅機構から塩素系殺菌剤を注入して、海水中の微小生物などを殺滅する。そして、バラストタンク1内に設けた残留酸化性物質濃度(TRO)計(図示せず)により、バラストタンク1内のバラスト水が十分な殺菌性を有するのを確認しておくことで、航海の間の水性微小生物の再増殖やプランクトンの孵化などを防止することができる。
【0024】
続いて、航海が終了して積荷港に船舶が寄港したら、バラストタンク1内に積荷を搭載するためにバラスト水の排出を行う。このバラスト水の排出の排出は、本実施形態においては、以下のようにして行う。
【0025】
すなわち、バラスト水排出時には、まず排水ポンプ3を駆動することでバラストタンク1に貯留されたバラスト水Wが排水ライン2から外部環境に排出する。この時、バラストタンク1内に設置されたTRO計(図示せず)によりバラスト水中のTRO濃度を計測し、この計測結果に基づき必要な中和剤の注入率を算出し、第1の開閉バルブ7は開成し第2の開閉バルブ9を閉鎖した状態で中和剤貯槽4から第1の供給管5を介して中和剤を排水ライン2に供給する。これにより、バラスト水中の残留酸化性物質(活性物質)が消失した状態で排出することができる。
【0026】
そして、バラストタンク1内のバラスト水の量が少なくなると、排水ポンプ3が空気を同時に吸引するようになるため、バラストタンク1の底部にバラスト水が残存した状態でそれ以上排出できなくなる。そこで、本実施形態においては、排水ポンプ3でバラストタンク1内のバラスト水が排出できなくなったら、排水ポンプ3を停止して、バラストタンク1内に設置されたTRO計(図示せず)によりバラスト水中のTRO濃度を計測し、この計測結果に基づき、必要な中和剤の注入量を算出する。続いて、第1の開閉バルブ7を閉鎖し、第2の開閉バルブ9を開成して中和剤貯槽4から第2の供給管8を介して中和剤をバラトトタンク1に供給する。これにより、バラストタンク1内のバラスト水の残留酸化性物質(活性物質)を消失した状態とする。
【0027】
次に海水供給ポンプ13を駆動して、圧力差発生用水としてのバラスト水排出水域の海水を、海水供給管12を介してエジェクタ11の吸引側に供給する。これによりエジェクタ11の供給側が負圧となるので、バラストタンク1内に残存するバラスト水W1が吸引され、サブ排水ライン10からエジェクタ11の供給側に流入し、前述した海水と混合されて排出側から吐出され、排水ライン2に合流して排水ライン2から外部環境に排出される。
【0028】
以上のように、本実施形態においては、初めにバラストタンク1内の殺滅処理後のバラスト水を排水ポンプ3からの排水ライン2に中和剤を添加して活性物質を中和しながら排出する。次に排水ポンプ3で排出しきれずにバラスト水が残存しているバラストタンク1に中和剤を添加して、バラストタンク1に残存するバラスト水中の活性物質を中和し、エジェクタ11を使用して排出しているので、バラストタンク1内の殺滅処理済みのバラスト水の全量を中和した状態で外部環境に放流することができ、外部環境に与える影響を最小限に抑制することができる。特に、エジェクタ11による排出時には、バラスト水が残存しているバラストタンク1に中和剤を添加しているので、エジェクタ11の排出側で海水と混合した後中和剤を添加する場合と比べて、確実に中和した状態で排出することが可能であり、しかも使用する中和剤の量も少なくて済む。
【0029】
以上、本発明について添付図面を参照して説明してきたが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の変形実施が可能である。例えば、本実施形態においては、殺滅処理手段として、塩素系の殺菌剤(塩素系活性物質)を用いた場合を例に説明してきたが、これに限定されず、過酸化物、オゾン等を用いて殺滅処理を行った場合においても、適当な中和剤を選定して同様に実施することができる。また、エジェクタ11の圧力差発生用水としての海水を用いたが、これに限らずバラスト水排出水域の汽水、河川水などを用いてもよい。
【実施例】
【0030】
以下の具体的実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
【0031】
図1に示す装置において、海水(TOC:9mg/L)をバラスト水として、次亜塩素酸ナトリウムを該バラスト水の中和後の全残留酸化性物質濃度(TRO)が、排出時において0.5〜3mg/L(asCl)となるように添加しながらバラストタンク1に注入した。このバラストタンクに注入した海水を所定時間放置した後、排水ポンプ3を駆動して中和剤貯槽4から中和剤としてチオ硫酸ナトリウムを所定の割合で供給して塩素系活性物質を中和しながら排出した。
【0032】
そして、バラストタンク1内のバラスト水のほとんどを排出したら、排水ポンプ3が空気を同時に吸引するようになり、排出できなくなった。この時点でバラストタンク1の底部にバタスト水が残存しており、全量を排出できていなかった。そこで、排水ポンプ3を停止して、中和剤貯槽4から第2の供給管8を介してチオ硫酸ナトリウムを所定の割合で供給して、バラストタンク1に残存するバラスト水の塩素系活性物質を消失させた。
【0033】
続いて、海水供給ポンプ13を駆動して、圧力差発生用水として海水をエジェクタ11の吸引側に供給し、バラストタンク1内に残存するバラスト水W1を吸引し、サブ排水ライン10からエジェクタ11の供給側に流入し、海水と混合して排出側から吐出したところ、バラストタンク1内のバラスト水のほぼ全量を排出することができた。また、このエジェクタ11からの排出水は、塩素系活性物質が中和されていた。
〔比較例1〕
【0034】
実施例1において、排水ポンプ3が空気を同時に吸引するようになったら、バラストタンク1に中和剤貯としてのチオ硫酸ナトリウムを添加せず、同様にエジェクタ11により排出した。そして、エジェクタ11の排出側で海水と混合した後の排出水に実施例1と同量のチオ硫酸ナトリウムを添加したところ、バラストタンク1内のバラスト水のほぼ全量を排出することができたが、塩素系活性物質の中和は完全ではなく、残存するバラスト水を確実に中和するには、非常に多量のチオ硫酸ナトリウム(中和剤)が必要であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のバラスト水の処理方法により、排水ポンプで排出しきれなかった残存するバラスト水に中和剤を添加した後、エジェクタを使用して排出することにより、少量のバラスト水であっても確実に中和して排出することができる。これにより、バラストタンク内の殺滅処理済みのバラスト水の全量を中和した状態で外部環境に放流することができ、外部環境に与える影響を最小限に抑制したバラスト水処理を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0036】
1…バラストタンク
2…排水ライン
3…排水ポンプ
4…中和剤貯槽
5…第1の供給管
6…供給ポンプ
7…第1の開閉バルブ
8…第2の供給管
9…第2の開閉バルブ
10…サブ排水ライン
11…エジェクタ
12…海水供給管
13…海水供給ポンプ
W,W1…バラスト水
図1