特許第6242330号(P6242330)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242330
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/532 20060101AFI20171127BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   A61F13/532 100
   A61F13/532 200
   A61F13/533 100
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-266717(P2014-266717)
(22)【出願日】2014年12月26日
(65)【公開番号】特開2016-123641(P2016-123641A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2016年6月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【弁理士】
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100141438
【弁理士】
【氏名又は名称】吉迫 大祐
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 剛規
(72)【発明者】
【氏名】田村 竜也
(72)【発明者】
【氏名】野田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】橋野 央
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/199714(WO,A1)
【文献】 特開2010−148708(JP,A)
【文献】 特開2007−097954(JP,A)
【文献】 特開2009−131417(JP,A)
【文献】 特表2002−517280(JP,A)
【文献】 米国特許第03525337(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15 〜 13/84
A61L 15/16 〜 15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性層と、液不透過性層と、前記液透過性層及び前記液不透過性層の間の吸収体とを備える吸収性物品であって、
前記吸収体は、セルロース系吸水性繊維、及び該セルロース系吸水性繊維よりも繊維長が長い熱可塑性樹脂繊維を含み、前記吸収体中の前記熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部が、前記吸収体の前記液透過性層側の表面に露出する第1の部分と、前記吸収体の前記液不透過性層側の表面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有していると共に、
前記吸収体は、予め定められた坪量の第1領域と、該第1領域よりも高坪量である第2領域とを備えていて、前記第2領域は、前記第1領域よりも前記熱可塑性樹脂繊維の坪量が高く
前記吸収体の前記第1領域及び前記第2領域は、単一のシート部材により一体に形成されていて、前記第2領域は、前記シート部材を、該シート部材の第1面と該第1面とは反対側の第2面との方向に交互に折り返すと共に、その折り返し部分を前記シート部材の厚さ方向に圧縮することにより形成されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収体は、厚さ方向の引張強度が100Pa以上である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収体は、該吸収体を厚さ方向にエンボスすることにより形成されたエンボス部を備えていて、第2領域のエンボス部は、第1領域のエンボス部よりも深い、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体と液透過性層とは、該液透過性層側からこれらの吸収体及び液透過性層を圧搾することにより形成された圧搾部により相互に接合されていて、該圧搾部は前記第1領域に設けられている、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収体は、前記液透過性層側又は前記液不透過性層側のいずれか一方の面に、前記第1領域と前記第2領域とを跨ぐように取付けられた第2の液透過性層を備えている、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収体は、前記第2の液透過性層を該第2の液透過性層の厚さ方向に貫通し、且つ前記第2の液透過性層が取付けられた面とは反対側の面には達していない複数のスリットを備えていて、これらのスリットのうち、前記第2領域に設けられた第2のスリットは、前記第1領域に設けられた第1のスリットよりも、吸収体の厚さ方向に深い、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収体は、前記第2領域に、前記熱可塑性樹脂繊維が、前記吸収体の厚さ方向に向けて配向された部分を備えている、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収体は、前記第1領域と前記第2領域との最大厚さが相互に同じである、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキンや使い捨ておむつ、失禁パッド等の吸収性物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば経血等などの排泄液を吸収する生理用ナプキンとしては、着用者の肌側に位置する液透過性層(いわゆるトップシート)と、衣服側に位置する液不透過性層(いわゆるバックシート)と、これらの液透過性層と液不透過性層との間に設けられた吸収体とを備えているのが一般的である。
この種の吸収性物品は、パルプ等のセルロース系吸水性繊維と、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂繊維とを有する吸収体が広く用いられているが、このような吸収体としては、使用者からの排泄液をしっかり吸収することができるようにするため、排泄液が主に排泄される領域については、他の領域に比べて繊維の坪量を高くした高坪量領域として、排泄液の吸収能力を高めているものが存在する。
【0003】
吸収体に高坪量領域を形成するに際しては、例えば、特許文献1に記載されているように、複数枚の吸液性のシート部材を複数層重ねたり、特許文献2に記載されているように、幅広の吸収体を折り曲げることにより多層の吸収層とすることにより、坪量が高い部分を形成することが行われている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2の吸収体の場合、確かに吸収体の坪量は高まるものの、使用者の動きによって、あるいは吸収体が排泄液を吸収してウェット状態となったことにより、吸収体がよれ易くなった場合には、重ねた吸収性シート間、又は多層の吸収層の間で剥離が発生して破損することがあり、吸収性能や耐久性の著しい低下が生じる場合があった。また、吸収体の耐久性を向上させるために吸収性シート間や吸収層間にホットメルト型の接着剤を塗布することも考えられるが、この場合には、排泄液の通液性が低下してしまい、却って吸収性能を阻害する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−517280号公報
【特許文献2】特開2005−102864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、セルロース系吸水性繊維及び熱可塑性樹脂繊維を含む吸収体において、高い吸収性能を有しながら、使用者の動きによっても剥離等が生じることなく高い耐久性を維持するができる吸収体を備えた吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の吸収性物品は次の通りである。
(1)液透過性層と、液不透過性層と、前記液透過性層及び前記液不透過性層の間の吸収体とを備える吸収性物品であって、前記吸収体は、セルロース系吸水性繊維、及び該セルロース系吸水性繊維よりも繊維長が長い熱可塑性樹脂繊維を含み、前記吸収体中の前記熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部が、前記吸収体の前記液透過性層側の表面に露出する第1の部分と、前記吸収体の前記液不透過性層側の表面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有していると共に、前記吸収体は、予め定められた坪量の第1領域と、該第1領域よりも高坪量である第2領域とを備えていて、前記第2領域は、前記第1領域よりも前記熱可塑性樹脂繊維の坪量が高い、吸収性物品。
【0007】
(2)前記吸収体の前記第1領域及び前記第2領域は、単一のシート部材により一体に形成されていて、前記第2領域は、前記シート部材を、該シート部材の第1面と該第1面とは反対側の第2面との方向に交互に折り返すと共に、その折り返し部分を前記シート部材の厚さ方向に圧縮することにより形成されている、前記(1)に記載の吸収性物品。
(3)前記吸収体は、厚さ方向の引張強度が100Pa以上である、前記(1)又は前記(2)に記載の吸収性物品。
【0008】
(4)前記吸収体は、該吸収体を厚さ方向にエンボスすることにより形成されたエンボス部を備えていて、第2領域のエンボス部は、第1領域のエンボス部よりも深い、前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の吸収性物品。
(5)前記吸収体と液透過性層とは、該液透過性層側からこれらの吸収体及び液透過性層を圧搾することにより形成された圧搾部により相互に接合されていて、該圧搾部は前記第1領域に設けられている、前記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の吸収性物品。
【0009】
(6)前記吸収体は、前記液透過性層側又は前記液不透過性層側のいずれか一方の面に、前記第1領域と前記第2領域とを跨ぐように取付けられた第2の液透過性層を備えている、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の吸収性物品。
(7)前記吸収体は、前記第2の液透過性層を該第2の液透過性層の厚さ方向に貫通し、且つ前記第2の液透過性層が取付けられた面とは反対側の面には達していない複数のスリットを備えていて、これらのスリットのうち、前記第2領域に設けられた第2のスリットは、前記第1領域に設けられた第1のスリットよりも、吸収体の厚さ方向に深い、前記(6)に記載の吸収性物品。
【0010】
(8)前記吸収体は、前記第2領域に、前記熱可塑性樹脂繊維が、前記吸収体の厚さ方向に向けて配向された部分を備えている、前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の吸収性物品。
(9)前記吸収体は、前記第1領域と前記第2領域との最大厚さが相互に同じである、前記(1)〜(8)のいずれか1つに記載の吸収性物品。
【発明の効果】
【0011】
本発明の吸収性物品によれば、吸収体が、セルロース系吸水性繊維、及び該セルロース系吸水性繊維よりも繊維長が長い熱可塑性樹脂繊維を含み、この熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部が、前記吸収体の前記液透過性層側の表面に露出する第1の部分と、前記吸収体の前記液不透過性層側の表面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有している。これにより、熱可塑性樹脂繊維が、吸収体の第1面と第2面との剥離を抑えるため、吸収体の耐久性を向上させることができる。
しかも、前記吸収体は、第1領域よりも高坪量である第2領域において、前記熱可塑性樹脂繊維の坪量が第1領域よりも高いため、吸収体が排泄液を吸収してウェット状態となったとしても、繊維長が長い前記熱可塑性樹脂繊維によってよれが抑止される。これにより、吸収体の耐久性の低下が抑えられると共に、高坪量である第2領域の吸収性能の低下を抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の吸収性物品の一実施の形態である生理用ナプキンを示す平面図である。
図2図2は、図1に示される生理用ナプキンのI−Iでの断面図である。
図3図3は、本発明に係る吸収性物品における吸収体の熱可塑性樹脂繊維の状態を模式的に示す図である。
図4図4は、本発明に係る吸収性物品の吸収体にエンボス部を設けた状態を示す要部拡大断面図である。
図5図5は、エンボス部における熱可塑性樹脂繊維の状態を模式的に示す図である。
図6図6は、本発明に係る吸収性物品における吸収体にスリットを設けた状態を示す平面図である。
図7】同断面図である。
図8図8は、本発明に係る吸収性物品を製造する製造装置を模式的に示す図である。
図9図9は、図8の製造装置におけるサクションドラムの型部材を模式的に示す図である。ただし、(a)平面図、(b)(a)におけるII−IIでの断面図、(c)(a)におけるIII−IIIでの断面図である。
図10図9の型部材に繊維が積層してシート部材が形成された状態を模式的に示す図である。
図11図11は、シート部材が第1領域と第2領域を有する吸収体になるまでの経緯を説明する図である。ただし、(a)シート部材が型部材からセカンドシート連続体に転写された直後の状態、(b)シート部材の突出部が潰れた状態、(c)シート部材の突出部が潰れて折り返し部分が形成された状態、(d)シート部材の突出部による折り返し部分を圧縮して均一な厚さの吸収体とした状態をそれぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図7は、本発明の吸収性物品の一実施の形態を示すもので、この実施の形態においては、吸収性物品が生理用ナプキンである場合について説明する。
具体的に、この生理用ナプキン1は、長さ方向及び幅方向、厚さ方向を有し、液透過性層としてのトップシート2と、トップシート2の一面側に配設された液不透過性層としてのバックシート3と、これらのトップシート2及びバックシート3との間に配設された吸収体4とを備えている。さらに、吸収体4とトップシート2との間に、第2の液透透過性層として、吸収体4の長さ方向に延びるセカンドシート5が配設されている。
また、生理用ナプキン1には、この生理用ナプキンの幅方向の両端側に、使用時において下着のクロッチ部に固定されるウイング部7を備えた、一対のサイドシート6,6がそれぞれ設けられている。
なお、バックシート3及びウイング部7には、生理用ナプキン1を下着のクロッチ部に貼り付けるための粘着シート8が設けられている。
【0014】
トップシート2は、使用者の肌に当接してその使用者からの経血等の排泄液を素早く吸収あるいは透過させて、セカンドシート5や吸収体4に向けて移行させるもので、吸収体4における使用者の肌と対向する面側(図2中、吸収体4の上面側)に配設されている。
この実施の形態においては、前記トップシート2は、生理用ナプキンの長さ方向に沿う方向に長く形成されている。
トップシート2は、例えば不織布、織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、網目を有するネット状シート等により形成されるが、このうち、不織布が好ましい。
【0015】
バックシート3は、生理用ナプキン1における使用者の下着側(図2中の吸収体4の下面側)に設けられていて、排出された排泄液の透過を防止して下着等に漏れ出るのを防止するものである。
このバックシート3は、トップシート2及びサイドシート6,6と、吸収体4及びセカンドシート5とを間に挟んだ状態で、周縁部分において相互に接合されている。接合手段としては例えばホットメルト型接着剤による接着、ヒートエンボス処理による接合、超音波エンボス処理による接合等、任意の手段を用いることができる。
なお、本発明においては、バックシートとして、例えば、防水処理を施した不織布、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シート(例えばスパンボンド、スパンレース等の不織布に通気性の合成樹脂フィルムが接合された複合フィルム)、耐水性の高いメルトブローン不織布を強度の強いスパンボンド不織布で挟んだSMS不織布等を用いることができる。
【0016】
一対のサイドシート6,6は、使用者からの排泄液が生理用ナプキン1の幅方向の両側から外側に漏れるのを防止するもので、これらの各サイドシート6,6の少なくとも一部は、前記トップシート2の幅方向の両側部をそれぞれ覆っていると共に、バックシート3における、前記一対のウイング部7,7に相当する部分のトップシート側の表面を被覆している。
なお、前記一対のサイドシート6,6は、体液の漏れを防止し得るように、疎水性又は撥水性を有することが好ましく、例えば、スパンボンド不織布、SMS不織布、エアスルー不織布等の材料によって構成することができる。
【0017】
前記セカンドシート5は、トップシート2からの排泄液を吸収して吸収体4に移行させるもので、この実施の形態においては、前記セカンドシート5は、吸収体4とほぼ同じ平面視形状でほぼ同じ大きさの略長円状に形成されていて、トップシート側の面がトップシート2の吸収体側の面と、吸収体側の面が吸収体4のトップシート側と、ホットメルト型接着剤によってそれぞれ接着されている。
なお、前記セカンドシート5は、トップシート2と同様に、例えば不織布、織布、液透過孔が形成された合成樹脂フィルム、網目を有するネット状シート等により形成することができるが、この中でも不織布が好ましい。
【0018】
そして、吸収体4は、使用者の排泄液を吸収して保持するもので、セルロース系吸水性繊維11、及びセルロース系吸水性繊維11よりも繊維長が長い熱可塑性樹脂繊維12、さらに吸水性ポリマー13を含んでいる。この実施の形態においては、吸収体4は、長さ方向の両端側がその吸収体4の長さ方向の外方向きに凸となるように湾曲した、トップシート2やバックシート3よりも小さな略長円形状に形成されている。
【0019】
また、吸収体4は、この吸収体4中の熱可塑性樹脂繊維12の少なくとも一部が、吸収体4のトップシート2側(この実施の形態の場合、厳密にはセカンドシート5側)の表面に露出する第1の部分と、吸収体4のバックシート3側の表面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有している。
ここで、本発明において、熱可塑性樹脂繊維に関する「露出」は、熱可塑性樹脂繊維が、吸収体の液透過性層側(この実施の形態の場合はトップシート側)の表面又は液不透過性層側(この実施の形態の場合はバックシート側)の表面に存在することを意味する。
【0020】
より具体的に、この実施の形態においては、図3に示すように、熱可塑性樹脂繊維12の一部である熱可塑性樹脂繊維12’は、一方の端部(図3中において、左側に位置する端部)側に、吸収体4のトップシート側の表面4aに露出する第1の部分12’aを有し、他方の端部(図3中において、右側に位置する端部)側に、吸収体4のバックシート3側の表面4bに露出する第2の部分12’bを有している。そして、これらの第1の部分12’aと第2の部分12’bとの間に連結部分12’cが設けられている。
また、熱可塑性樹脂繊維12の他の一部である熱可塑性樹脂繊維12’’ は、一方の端部(図3中において、右側に位置する端部)側に、吸収体4のトップシート2側の表面4aに露出する第1の部分12’’aを有し、他方の端部(図3中において、左側に位置する端部)側に、吸収体4のバックシート側の表面4bに露出する第2の部分12’’bを有している。そして、これらの第1の部分12’’aと第2の部分12’’bとの間に連結部分12’’cが設けられている。
さらに、図3に示すように、熱可塑性樹脂繊維12’,12’’の連結部分12’c,12’’cは、吸収体4の厚さ方向に向けて配向された状態となっている。
【0021】
これにより、本発明の吸収体は、熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部が、液透過性層側に表面に露出する第1の部分と、吸収体の液不透過性層側の表面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有することにより、前記熱可塑性樹脂繊維が、吸収体の他の成分、例えば、セルロース系吸水性繊維を保持するための骨格として機能し、吸収体の強度が向上する。その結果、体圧等の力が加わった際に、吸収体の内部で層内剥離が生じにくくなり、吸収体(及び吸収性物品)が、熱可塑性樹脂繊維を含まない吸収体、例えば、パルプのみを含む吸収体よりもよれにくくなっている。
また、本発明の吸収体は、吸収性物品に用いられる際、吸収体の着用者側に隣接する層(例えば、液透過性層)、及び/又は吸収体の着衣側に隣接する層(例えば、液不透過性層)に接着される。このとき、前記熱可塑性樹脂繊維の第1の部分及び/又は第2の部分がそれらの層により安定的に固定されるため、前記連結部分の働きにより、吸収体の内部で層内剥離がより生じにくくなり、ひいては吸収体が一層よれにくくなる。
【0022】
さらに、本発明においては、熱可塑性樹脂繊維は、吸収体の厚さの、好ましくは約2倍以上、より好ましくは約3倍以上、さらに好ましくは約4倍以上、さらにいっそう好ましくは約5倍以上、そしてさらにいっそう好ましくは約7倍以上の倍率の平均繊維長を有する。前記倍率が約2倍未満であると、熱可塑性樹脂繊維が、吸収体の液透過性層側の表面と、吸収体の液不透過性層側の表面との両方に露出することが難しくなる傾向がある。
一方で、前記熱可塑性樹脂繊維は、吸収体の厚さの、好ましくは約30倍以下、より好ましくは約20倍以下、そしてさらに好ましくは約15倍以下の倍率の平均繊維長を有する。上記倍率が約30倍超であると、熱可塑性樹脂繊維の開繊が不十分になり、吸収体の均一性が阻害される場合がある。
【0023】
また、本発明においては、熱可塑性樹脂繊維は、好ましくは約5〜約50mm、より好ましくは約10〜約30mmの平均繊維長を有する。前記平均繊維長が約5mmを下回ると、熱可塑性樹脂繊維が、吸収体の液透過性層側の表面と、吸収体の液不透過性層側の表面との両方に露出することが難しくなる傾向があり、そして熱可塑性樹脂繊維が、他の熱可塑性樹脂繊維及び/又はセルロース系吸水性繊維と絡み合いにくくなる傾向がある。
一方で、平均繊維長が約50mmを上回ると、熱可塑性樹脂繊維の開繊性が著しく低下し、吸収体が開繊されていない熱可塑性樹脂繊維を含むことになり、吸収体の均一性が低下する傾向がある。
なお、上記平均繊維長は、本開示の吸収体が、エアレイド方式により、セルロース系吸水性繊維、例えば、パルプと混合される場合に特に好ましい。
【0024】
本発明において、熱可塑性樹脂繊維並びにセルロース系吸水性繊維のうち、パルプ以外のもの、例えば再生セルロース繊維や半合成繊維の平均繊維長は、JIS L 1015:2010の附属書Aの「A7.1 繊維長の測定」の「A7.1.1 A法(標準法)目盛りが付いたガラス板上で個々の繊維の長さを測定する方法」に従って測定する。なお、上記方法は、1981年に発行されたISO 6989に相当する試験方法である。
【0025】
また、本発明においては、前記熱可塑性樹脂繊維は、好ましくは約0.5〜約10dtex、そしてより好ましくは約1.5〜約5dtexの繊度を有する。前記繊度が約0.5dtex未満であると、熱可塑性樹脂繊維の開繊性が低下する場合があり、一方で、前記繊度が10dtexを超えると、熱可塑性樹脂繊維の本数が少なくなり、他の熱可塑性樹脂繊維及び/又はセルロース系吸水性繊維と絡み合う点の数が少なくなる傾向がある。
【0026】
さらに、本発明の吸収体は、熱可塑性樹脂繊維の含有比率が、約5〜約30質量%であることが好ましく、より好ましくは約10〜約20質量%とすることである。熱可塑性樹脂繊維の含有比率が約5質量%未満であると、吸収体の強度が不十分になり、吸収体がよれやすくなる傾向があり、逆に50質量%を超えると、吸収性に優れるセルロース系吸水性繊維の含有比率が低くなりすぎて吸収体の吸収性が不十分になる傾向がある。
【0027】
また、本発明においては、吸収体の厚さ方向の引張強さの下限は、100Pa以上であり、好ましくは150Pa以上、より好ましくは200Pa以上、そしてさらに好ましくは250Pa以上である。引張強さが100Paを下回ると、吸収体の強度が弱く、吸収体がよれやすい傾向がある。なお、吸収体の厚さ方向の引張強さの上限は、特に限定されるものではないが、柔らかさの観点からは、3000Pa以下である。
なお、吸収体の厚さ方向の引張強さについては、例えば特許第5579337号公報に記載の方法により測定される。
【0028】
前記吸収体については、吸収体の用途等によってその好ましい厚さは異なり、この実施の形態のような生理用ナプキン1の場合、約1〜約6mm程度とすることが好ましく、より好ましくは約1.5〜約3mm程度とすることである。厚さが約1mm未満となると、吸収体の柔軟性が損なわれてしまう可能性があり、約6mm超となると、一般に薄いことが好まれる生理用ナプキンとしては吸収体の厚みが大きくなりすぎ、使用感が損なわれる。
ただし、使い捨ておむつや失禁パット等を含めた吸収性物品としては、一般的には約0.1〜約15mm、好ましくは約1〜約10mm、より好ましくは約1.5〜約5mmの厚さを有し、吸収体の用途に適宜選択することができる。
本発明においては、吸収体の厚さ(mm)は、以下の通り測定される。
株式会社大栄科学精器製作所製 FS−60DS[測定面44mm(直径),測定圧3g/cm2]を準備し、標準状態(温度23±2℃,相対湿度50±5%)の下、吸収体の異なる5つの部位を加圧し、各部位における加圧10秒後の厚さを測定し、5つの測定値の平均値を吸収体の厚さとする。
【0029】
さらに、本発明において、吸収体を形成するセルロース系吸水性繊維としては、パルプ、例えば、針葉樹又は広葉樹を原料として得られる木材パルプ、バガス、ケナフ、竹、麻、綿(例えば、コットンリンター)等の非木材パルプ;レーヨン繊維等の再生セルロース繊維;アセテート繊維等の半合成繊維等が挙げられる。上記パルプとしては、工業的に安価に得られ且つ安全性が高いクラフトパルプが好ましい。
前記セルロース系吸水性繊維の平均繊維長は、特に制限されない。また、上記セルロース系吸水性繊維が再生セルロース繊維、半合成繊維等である場合は、約3〜約70mm、約5〜約50mm、約10〜約40mm等の平均繊維長を有することができる。上記再生セルロース繊維、半合成繊維等は、繊維長によっては、乾燥時に熱可塑性樹脂繊維と同様の機能を有し、吸収体によれにくさを付与することができる。
なお、本発明において、セルロース系吸水性繊維がパルプの場合の平均繊維長は、重さ加重平均繊維長を意味し、メッツォオートメーション(metso automation)社製のカヤーニファイバーラボファイバープロパティーズ(オフライン)[kajaaniFiberLab fiber properties(off−line)]により測定されるL(w)値を意味する。また、セルロース系吸水性繊維がパルプ以外の場合の平均繊維長については既に述べた通りである。
【0030】
さらに、本発明において、前記吸収体を形成する吸水性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸塩系、ポリスルホン酸塩系、無水マレイン酸塩系、ポリアクリルアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリエチレンオキシド系、ポリアスパラギン酸塩系、ポリグルタミン酸塩系、ポリアルギン酸塩系、デンプン系、セルロース系等の高吸水性樹脂(Super absorbent Polymer:SAP)等が挙げられるが、これらのうちポリアクリル酸塩系(特に、ポリアクリル酸ナトリウム系)の高吸水性樹脂が好ましい。
【0031】
ところで、吸収体4は、予め定められた坪量の第1領域15と、この第1領域15よりも高坪量である第2領域16とを備えている。
このように第2領域16を第1領域15よりも高坪量としたのは、第2領域16が使用者の排泄位置に対応させて、使用者からの排泄液をより確実且つ効率良く吸収させるためであり、また、吸収体のねじれや曲げに対しての耐久性を確保し、吸収体あるいは吸収性物品のよれを抑止するためである。この実施の形態においては、第2領域16は、吸収体4の長さ方向及び幅方向のほぼ中央部に設けられていて、平面視において、この第2領域16の周囲を囲むように第1領域15が配設されている。
また、吸収体4は単層により形成されていて、吸収体4内での剥離、特に高坪量領域である第2領域での剥離が生じない構成となっている。したがって、従来の吸収体のように、高坪量領域において層間剥離が生じず、またホットメルト型接着剤で層間を接着した場合のような吸収性の低下もほとんどない。
さらに、吸収体4は、第1領域15と前記第2領域16との最大厚さが相互に同じとなっていて、吸収体4全体としての厚さは、第1領域15あっても第2領域16であっても実質的にほとんど変わらず、吸収体4全体としてほぼ一定の厚さとなっている。これにより、吸収体全体として生理用ナプキンとして必要な吸収体の薄さを確保することができるようになっている。
【0032】
本発明において、第1領域は、坪量が約100〜約350g/m2とすることが好ましく、より好ましくは約150〜約250g/m2とすることである。第1領域の坪量が約100g/m未満となると、第1領域の強度及び吸収性が低くなりすぎ、逆に約350g/m超となると、吸収体の大部分を占める第1領域が硬くなりすぎ、吸収体全体としての柔軟性が低下し、特に薄型の生理用ナプキンの場合には使用感に問題が発生する可能性がある。
一方、本発明において、第2領域は、坪量が約200〜約500g/m2とすることが好ましく、さらに好ましくは約250〜約350g/m2とすることである。第2領域の坪量が約300g/m未満となると、使用者の排泄液を主に吸収する領域としては、吸収能力が低くなりすぎ、逆に約500g/m超となると、薄い生理用ナプキンとしては繊維が高密度化しすぎるため、第2領域が硬くなりすぎ、吸収体全体としての柔軟性が大きく損なわれる可能性がある。
【0033】
そして、第2領域16は、第1領域よりも熱可塑性樹脂繊維の坪量が高くなっている。
このように、第2領域の熱可塑性樹脂繊維の坪量を第1領域よりも高くしたのは、第2領域が排泄液を吸収してウェット状態となった場合に、嵩を維持し易くし、かつ耐久性の低下を抑止するためである。
即ち、吸収体が排泄液を吸収してウェット状態となった場合には、第2領域はパルプに代表されるセルロール系吸水性繊維から形成される空間が減少するが、第2領域は第1領域よりも熱可塑性樹脂繊維の坪量が高いため、熱可塑性樹脂繊維が吸収体の骨格の役割を果たして空間の減少を安定的に抑えることから、嵩を維持し易い。また、吸収体がウェット状態の場合には、パルプ等のセルロール系吸水性繊維から形成される空間の復元力が失われる傾向にあることからよれ易くなるが、第2領域の熱可塑性樹脂繊維の坪量は第1領域よりも高く、前述のように、熱可塑性樹脂繊維が吸収体の骨格の役割を果たすため、吸収体の分解が安定的に抑えられ、耐久性を維持し易い。
【0034】
この発明においては、第2領域における熱可塑性樹脂繊維の坪量は、約15〜約90g/m2とすることが好ましく、より好ましくは約30〜約60g/m2とすることである。
第2領域における熱可塑性樹脂繊維の坪量が約15g/m2未満であると、吸収体がウェット状態場合にパルプ等のセルロール系吸水性繊維を支えるのに十分な骨格を形成することがでないため、ウェット状態での嵩の維持が難しく、逆に約90g/m2を超えると、吸水性が高いセルロール系吸水性繊維の吸収体中の含有比率が低くなりすぎ、排泄液の引き込み性能が低くなってしまう。
一方、第1領域における熱可塑性樹脂繊維の坪量は、第2領域の熱可塑性樹脂繊維の坪量よりも低い範囲において、約10〜約60g/m2とすることが好ましく、より好ましくは約15〜約45g/m2とすることである。第1領域における熱可塑性樹脂繊維の坪量が約10g/m2未満であると、第2領域と同様にウェット状態での嵩の維持が難しく、逆に約60g/m2を超えると、吸収体の骨格をなす熱可塑性樹脂繊維によって第1領域の剛性が高くなりすぎ、第1領域に必要な柔軟性が損なわれてしまう。
【0035】
さらに、前記吸収体4は、第1領域15と第2領域16とに、熱可塑性樹脂繊維12が、吸収体4の厚さ方向に向けて配向された部分を有している。
既に述べたように、熱可塑性樹脂繊維12の一部である熱可塑性樹脂繊維12’,12’’は、その連結部分12’c,12’’cが、吸収体の厚さ方向に向けて配向された状態となっているため、第1領域15と第2領域16とには、いずれも熱可塑性樹脂繊維が吸収体の厚さ方向に向けて配向させた部分が存在する。
このように、第1領域15と第2領域16とに、熱可塑性樹脂繊維12が、吸収体4の厚さ方向に向けて配向された部分が存在すると、吸収体4全体の形状維持を行い易くなるため、吸収体4が押圧された場合等であっても、吸収した排泄液が染み出す、いわゆるリウェットを可及的に抑止することができる。
【0036】
また、図4に示すように、この実施の形態の吸収体4は、この吸収体4を厚さ方向にエンボスすることにより形成された複数のエンボス部21,22を備えていて、第2領域16のエンボス部22は、第1領域15のエンボス部21よりも深く形成されている。これらのエンボス部21,22は、第1領域15と第2領域16とに関わらず、吸収体4全体として相互に等間隔に設けられている。
このように、吸収体4にエンボス部21,22を設けることにより、図5に示すように、熱可塑性樹脂繊維12中の熱可塑性樹脂繊維12’,12’’の一部が、エンボス部21,22による圧縮部23取り込まれ、熱可塑性樹脂繊維12’,12’’が、エンボス部21,22を介して連結されている。これにより、吸収体4が、実質的により長い平均繊維長を有する熱可塑性樹脂繊維を含むことに等しくなり、熱可塑性樹脂繊維12’,12’’が、吸収体の他の成分、例えば、セルロース系吸水性繊維を保持するための骨格として、連結される前よりも高い機能を有し、吸収体の強度が向上する。さらに、エンボス部21,22が、熱可塑性樹脂繊維12’,12’’を部分的に固定するため、体圧等が加わった場合でも、それらの繊維が動きにくく、そして熱可塑性樹脂繊維12’,12’’が確実に固定されるため、吸収体の強度が向上する。
【0037】
また、第2領域16のエンボス部22は、第1領域15のエンボス部21よりも深く形成されているため、第2領域16は第1領域15に比べて圧縮量が大きくなる。そのため、第2領域16は、第1領域15に比べて繊維密度、特にパルプ等のセルロース系吸水性繊維の繊維密度が高くなるため、第1領域15よりも排泄液の引き込み性が高まると共に、剛性も大きくなる。これにより、第2領域16がより多くの排泄液を吸収したとしても、この第2領域16が変形することを可及的に抑えることができ、排泄液を効率良く吸収しながらリウェットを抑止することができる。
一方、第1領域15のエンボス部21は、第2領域16のエンボス部22に比べて浅いため、第2領域16に比べて圧縮量が小さく、第2領域16に比べて繊維密度も低くなることから、第2領域16に比べて柔軟性が高くなる。これにより、第1領域15は、第2領域16に比べて使用者の動きに応じて柔軟に変形し易く、使用感を向上させることが可能となる。
なお、エンボス部21,22については、熱可塑性樹脂繊維が、他の繊維と融着していることが好ましい。熱可塑性樹脂繊維が、他の繊維、特に他の熱融着性繊維と融着することにより、上述の効果が得られやすくなる。
【0038】
ここで、第2領域のエンボス部の深さは、第1領域のエンボス部の深さより深ければ、任意の深さとすることができる。この第2領域のエンボス部の深さとしては、吸収体の厚さにもよるが、例えば、吸収体の厚さの20〜95%程度の深さが好ましく、より好ましくは30〜90%程度、さらに好ましくは40〜85%程度とすることである。
20%未満であると第2領域の圧縮が不足し、所望の繊維密度を得られないため、排泄液の引き込み性が低下し、また剛性も小さくなる一方、95%を超えると圧縮しすぎて剛性が高くなりすぎ、柔軟性が大きく損なわれる。
また、第1領域のエンボス部の深さとしては、第2領域のエンボス部よりも浅い範囲で、例えば、吸収体の厚さの5〜80%程度の深さが好ましく、より好ましくは10〜70%程度、さらに好ましくは15〜60%程度とすることである。5%未満であると十分な剛性が得られず、よれ易くなる一方、80%を超えると剛性が高すぎて柔軟性が得られず、使用感が悪くなる。
なお、各エンボス部の深さについては任意の方法で測定できるが、例えば、特開2012−162842号公報に記載されているような、シートの厚さ方向の各種寸法を測定する方法を用いて測定することができる。
即ち、吸収体から、エンボス部を含む所定の大きさの試片を切り出すと共に、三次元測定器((株)キーエンス社製 高精度形状測定システム(高精度ステージ:KS−1100を含む))と、高速・高精度CCDレーザー変位計(コントローラ:LK−G3000Vセット、センサヘッド:LK−G30を含む)とを使用し、この試片の断面形状を測定する。そして、測定した断面形状に対して、スムージング処理が施された断面形状の輪郭線を得るため画像データ処理を行った上で、そのスムージング処理を施された輪郭線に基づいてエンボス部の断面形状の輪郭線を特定すると共に、このエンボス部の断面形状の輪郭線から得られる各部位の寸法に基づいてエンボス部の深さを求めることができる。
【0039】
さらに、この実施の形態においては、吸収体4と液透過性層であるトップシート2とは、トップシート側から圧搾することにより形成された圧搾部25により相互に接合されている。これにより、吸収体4とトップシート2とが一体化され、生理用ナプキン1が使用者の体に沿って湾曲したり捩じれたりした場合であっても、吸収体4とトップシート2とは常時一体的に動いて使用者にフィットし、排泄液を確実に引き込んで吸収、保持することができる。
また、圧搾部25は、吸収体4において第1領域15に相当する位置に設けられている。通常、吸収体に対して圧搾を行うと、その圧搾部分の剛性が高くなるが、第2領域16は第1領域15に比べて既に剛性が高くなっているため、圧搾により第2領域16の剛性が高くなりすぎることを避け、第2領域16に比べて剛性が低く、柔軟性が高い第1領域15で圧搾することにより、吸収体4全体としての剛性のバランスが取れるようにしている。
【0040】
ここで、セカンドシート5は、吸収体4のトップシート2側の面に、吸収体4の第1領域15と第2領域16とを跨ぐように取付けられている。
このように、セカンドシート5が第1領域15と第2領域16を跨ぐように取付けられていることにより、吸収体4の急激な剛性の変化をセカンドシート5が緩和する。これより、第1領域15と第2領域16との間の吸収体割れの発生を安定的に抑止すると共に、吸収体4あるいは生理用ナプキン1が急激に折れ曲がることを防止し、生理用ナプキン1によれが生じることを抑えることができる。
【0041】
さらに、吸収体4は、図6及び図7に示すように、セカンドシート5をそのセカンドシート5の厚さ方向に貫通し、且つセカンドシート5が取付けられた面とは反対側の面(この場合、吸収体4のバックシート側の面)には達していない複数のスリット31、32を備えている。
そして、これらのスリット31,32のうち、吸収体4の第2領域16に設けられた第2のスリット32は、第1領域15に設けられた第1のスリット31よりも、吸収体4の厚さ方向に深く形成されている。
【0042】
このように、吸収体4に、セカンドシート5をその厚さ方向に貫通するスリット31,32を設けたのは、吸収体4の柔軟性を向上させるためである。
即ち、吸収体は、セカンドシートを備えていることにより、セカンドシートの剛性が加わって吸収体全体としての剛性が高まる一方で、これにより吸収性物品の吸収体として、曲げ等に対する柔軟性が損なわれる可能性がある。そのため、セカンドシートに対してその厚さ方向に貫通するスリットを設けることにより、セカンドシート自体の剛性を低く抑え、セカンドシートが吸収体の柔軟性に与える影響をできるだけ抑止できるようにすると共に、スリットの部分が吸収体の折れ起点となって所望の曲率で湾曲し易くしている。
また、スリットを、セカンドシートが取付けられた面とは反対側の面に達しないようにしている、即ち、スリットが吸収体を貫通させない構成としたのは、吸収体中の熱可塑性樹脂繊維やセルロース系吸水性繊維が完全に切断されて、吸収体の強度が低下しすぎて過剰なよれを防止すると共に、排泄液の移行が悪くなることによる吸収性の低下を抑止するためである。
【0043】
さらに、吸収体4の第2領域16に設けられた第2のスリット32を、第1領域15に設けられた第1のスリット31よりも、吸収体4の厚さ方向に深く形成したのは、
第1領域15に比べて剛性の高い第2領域16の柔軟性を可及的に向上させると共に、第2領域16での折れ起点を形成して、吸収体4全体として湾曲させやすくするためである。
また、第2領域16は、第1領域15に比べて排泄液が大量に排泄される領域であることから、第1スリットよりも深い第2のスリット32によって表面積を拡大させて、排泄液をできるだけ効率良く吸収できるようにするためである。
【0044】
この実施の形態においては、スリット31,32は、いずれも、生理用ナプキンの幅方向、即ち吸収体4の幅方向に延びるように形成されている。このように、スリット31,32が吸収体4の幅方向に延びていることにより、吸収体4の長さ方向、延いては生理用ナプキン1の長さ方向に曲げ易くなる一方で、吸収体4の幅方向への曲げ剛性はあまり低下しないため、過剰なよれを抑止することが可能となっている。
また、これらのスリット31,32は、第1領域15の第1のスリット31と第2領域16の第2のスリット32とを問わず、吸収体全体として、ほぼ等間隔且つ同じ長さに形成されている。
【0045】
前記第1及び第2のスリットの長さについては、吸収体の平面視の大きさにもよるが、吸収体の幅の4〜45%程度の長さが好ましく、より好ましくは7〜25%程度、さらに好ましくは10〜20%程度とすることである。例えば、吸収体4の幅が60〜70mm程度の場合、スリットの長さは3〜30mmが好ましく、より好ましくは5〜15mm、さらに好ましくは7〜12mmとすることである。
さらに、第2のスリットの深さについては、吸収体の厚さにもよるが、吸収体の厚さの30〜90%程度の深さが好ましく、より好ましくは40〜80%程度、さらに好ましくは50〜70%程度とすることである。30%未満では剛性の低下が十分でなく、柔軟性が得られない。90%を超えると吸収体の柔軟性は十分であるが、第2のスリット部の強度が低下し。吸収体が割れてしまうおそれがある。例えば、吸収体4の厚さが2〜3mm程度の場合、第2のスリットの深さは0.6〜2.7mmが好ましく、より好ましくは0.8〜2.4mm、さらに好ましくは1〜2.1mmとすることである。
一方、第1のスリットの深さについては、吸収体の厚さにもよるが、第2のスリットの深さよりも浅い範囲において、吸収体の厚さの5〜70%程度の深さが好ましく、より好ましくは10〜60%程度、さらに好ましくは15〜50%程度とすることである。5%より低いと十分な柔軟性が得られず、逆に70%を超えると吸収体の強度低下を招いてしまう。例えば、吸収体4の厚さが2〜3mm程度の場合、第2のスリットの深さよりも浅い範囲において、第1のスリットの深さは0.1〜2.1mmが好ましく、より好ましくは0.2〜1.8mm、さらに好ましくは0.3〜1.5mmとすることである。
なお、第1のスリット及び第2のスリットの深さについては任意の方法で計測することができるが、例えば、吸収体においてこれらのスリットが形成された部分を切断し、その切断面を電子顕微鏡で拡大した上で深さを計測するようにしてもよい。
【0046】
以下、前記構成を有する生理用ナプキン1の製造方法について説明する。
この実施の形態の生理用ナプキン1を製造するに際しては、例えば図8に示すような製造装置50を用いる。
この製造装置50は、熱可塑性樹脂繊維を含む第1のウェブ51を開繊する第1の開繊装置52と、パルプ等のセルロース系吸水性繊維を含む第2のウェブ53を開繊する第2の開繊装置54とを備えている。さらに、開繊された繊維を搬送する搬送管55と、搬送管55内の繊維を吸引し、それらの繊維を、外周面に周方向に沿って一定の間隔で配設された複数の凹状の型部材57内に積層させることにより、後工程において吸収体4となるシート部材58を形成する回転自在のサクションドラム56とを備えている。
また、サクションドラム55の外周面にあるシート部材58を載置する長尺のセカンドシート連続体59を巻き出すセカンドシート用の巻出しロール60と、セカンドシート連続体59上に載置されたシート部材58を、セカンドシート連続体59と共に厚さ方向に圧縮し、且つエンボス部を形成する圧縮装置61とを備えている。
さらに、セカンドシート連続体59及びシート部材58に対して、セカンドシート連続体59側から第1及び第2のスリット31,32を形成するスリット形成装置62と、第1及び第2のスリット31,32が形成されたセカンドシート連続体59及びシート部材58を所定の形状や大きさに切断して、単体の吸収体4を完成させる吸収体用の切断装置63とを有している。
【0047】
また、搬送ライン上を搬送方向MDに向けて搬送されている吸収体4に対して、上面側から長尺のバックシート連続体64を巻き出して接合させるバックシート用の巻出しロール65と、吸収体4に対してセカンドシート側(この場合は下面側)から長尺のトップシート連続体66を巻き出して接合させるトップシート用の巻出しロール67とを備えている。
さらに、トップシート連続体66及びバックシート連続体64が接合された吸収体4に対して、トップシート連続体66側から圧搾する圧搾装置68と、トップシート連続体66及びバックシート連続体64を所定の形状に切断して生理用ナプキン1とする、カッターを備えた切断装置69とを有している。
【0048】
前述の製造装置50を用いて生理用ナプキン1を製造する場合、まず、吸収体4となるシート部材58を形成する形成工程を実施する。
この形成工程は、第1のウェブ51を第1の開繊装置52によって開繊すると共に、第2のウェブ53を第2の開繊装置54によって開繊し、それらの開繊した繊維を搬送管55を通じてサクションドラム56により吸引して、そのサクションドラム56の外周面の型部材57内に積層させる。なお、サクションドラム56の上方側を覆うカバー56a内には、吸収性ポリマー13を噴射するノズル56bが設けられている。
このとき、型部材57は、金網等、サクションドラム56によって繊維を吸引可能な構成となっていると共に、サクションドラム56の内方側に向けてさらに窪んだ窪み部57aを有している。そして、図10に示すように、開繊した繊維は、型部材57内において、この型部材57の底部と窪み部57aの表面に沿ってほぼ同じ厚さで積層されて、窪み部57aの形状に沿った部分を有するシート部材58となる。このとき、シート部材58は、セルロース系吸水性繊維及び熱可塑性樹脂繊維を含み、その熱可塑性樹脂繊維の一部が、吸収体4となった際に液透過性層側(第1面側)となる表面に露出する第1の部分と、液不透過性層側(第2面側)となる表面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有した構成となる。
また、この実施の形態の場合、窪み部57aは、中央に行くに従って次第に先細り、最も深い部分が直線に形成された形状となっている。しかしながら、この窪み部の形状については、後述するシート部材58の突出部58aが形成できれば、任意の形状とすることができる。
【0049】
その後、型部材57内のシート部材58を、搬送方向に移動しているセカンドシート連続体59上に載置する工程を行う。この工程は、サクションドラム56が回転した型部材57内のシート部材58を、セカンドシート用の巻出しロール60から巻き出されて搬送方向MDに移動しているセカンドシート連続体59上に転写して載置し、そのセカンドシート連続体59にホットメルト型接着剤等により接着する。
このとき、図11(a)に示すように、シート部材58は、型部材57の窪み部57a内に積層された部分が、上方側に突出した突出部58aとしてセカンドシート連続体59上に一旦載置される。しかしながら、突出部58aは、図11(b)に示すように、この突出部58aを形成する繊維の自重によって下方に移動し始め、最終的に、シート部材58は、図11(c)に示すような、突出部58aが潰れて、シート部材58の第1面(例えば上面)と第1面とは反対側の第2面(例えば下面)との方向に交互に折り返した折り返し部分が形成された態様となる。
【0050】
さらに、シート部材58が載置されたセカンドシート連続体59を圧縮すると共にエンボス加工を施す工程を行う。この工程では、シート部材58が載置されたセカンドシート連続体59を、搬送方向MDに搬送し、圧縮装置61によりシート部材58を厚さ方向に圧縮すると同時にエンボス加工を行う。
圧縮装置61は、上下一対のロールにより形成されていて、セカンドシート連続体59側、即ち下方側に、外周面に複数のピン(図示せず)が突設されたピンロール61aが配設されていると共に、上方側に外周面が平坦なアンビルロール61bが配設された構成となっている。
したがって、これらのロール61a,61bの間に、シート部材58が載置されたセカンドシート連続体59を装入することにより、シート部材58を、突出部58aを含めて厚さ方向に圧縮する。また同時に、ピンロール61aのピンによって、セカンドシート連続体59及びシート部材58に対して、セカンドシート連続体59側から押圧してエンボス部21,22を形成し、セカンドシート連結体59とシート部材58との接合をより強固にし、またエンボス部21,22によるシート部材58、延いては吸収体4の強度を向上させる。
【0051】
ここで、シート部材58を厚さ方向に圧縮するに際しては、図11(d)に示すように、このシート部材58の突出部58aによる折り返し部分を押し潰して圧縮し、シート部材全体としてほぼ均一な厚さとする。したがって、突出部58aによる折り返し部分が存在する部分は高坪量の領域、即ち、吸収体4における第2領域16に相当する領域となり、シート部材58の突出部58aによる折り返し部分以外の部分は低坪量の領域、即ち吸収体4における第1領域15に相当する領域となる。
したがって、吸収体4の第1領域15及び第2領域16は、実質的に、この単一のシート部材58により一体的に形成されることとなる。また、セカンドシート連続体59、即ち後のセカンドシート5は、吸収体4の第1領域15及び第2領域16を跨ぐように配設されることとなる。
なお、突出部58aによる折り返し部分については、熱可塑性樹脂繊維の少なくとも一部は、折り返し方向に沿うように配向するため、折り返し部分をシート部材58の厚さ方向に圧縮したとしても、一部の熱可塑性樹脂繊維については吸収体4の厚さ方向に相当する方向に配向した状態となる。したがって、吸収体4の第2領域16に相当する部分には、吸収体4の厚さ方向に相当する方向に向けて配向する熱可塑性樹脂繊維が存在することとなる。
【0052】
さらに、シート部材58において、吸収体4の第2領域16に相当する領域については、第1領域15に相当する領域よりも剛性が高く圧縮されにくいため、ピンロール61aのピンはその基端近傍までシート部材58に入り込む一方、第1領域15に相当する領域は比較的柔軟であるため、ピンによる押圧によって弾性的にへこみ、ピンが入り込みにくい。そのため、シート部材58において、吸収体4の第2領域16に相当する領域についてはエンボス部22の深さが、第1の領域15に相当する領域のエンボス部21よりも深くなる。
【0053】
圧縮及びエンボス加工を行う工程が終了した後、スリットを形成する工程を行う。この工程では、シート部材58が載置されたセカンドシート連続体59をスリット形成装置62に搬送し、セカンドシート連続体59側からスリットを形成する。
スリット形成装置62は、上下一対のロールにより形成されていて、セカンドシート連続体59側、即ち下方側に、外周面にロールの幅方向に延びる複数の刃(図示せず)が突設されたカットロール62aが配設されていると共に、上方側に外周面が平坦なアンビルロール62bが配設された構成となっている。
したがって、これらのロール62a,62bの間にシート部材58が載置されたセカンドシート連続体59を装入することにより、カットロール62aの刃が、セカンドシート連続体59側からセカンドシート連続体59を押圧しながら切断し、スリット31,32を形成する。
【0054】
このとき、シート部材58において吸収体4の第2領域16に相当する領域については、突出部58aによる折り返し部分を圧縮した部分であり剛性が高いため、カットロール62a及びアンビルロール62bとの間に装入された場合であっても厚さ方向にはあまり変形せず、カッターロール62aの刃が刃の基端近傍まで入りやすくなるため、スリットが深めに入る。一方で、シート部材58において吸収体4の第1領域15に相当する領域については、第2領域16に比べて柔軟性が高いため、カットロール62a及びアンビルロール62bとの間に装入された場合にはカッターロール62aの刃先で押圧されて圧縮しやすい。そのため、第2領域16の場合に比べて、カッターロール62aの刃がシート部材58の厚さ方向にあまり入っていかず、第2領域16のスリットよりも浅めのスリットが形成される。
したがって、シート部材58において吸収体4の第2領域16に相当する領域については、第1領域15に相当する領域の第1のスリット31に比べて深めの第2のスロット32が形成されることとなる。
【0055】
スリット31,32が形成された後、シート部材58が載置されたセカンドシート連続体59を単一の吸収体に切断する工程を実施する。この工程においては、シート部材58が載置されたセカンドシート連続体59を、吸収体用の切断装置63によって所定の形状に切断して、セカンドシート5を備えた単一の吸収体4とする。
その後、具体的な吸収性物品(この場合、生理用ナプキン1)とするための工程を実施する。即ち、バックシート用の巻出しロール65から巻き出したバックシート連続体64を、搬送中の吸収体4の上面側、即ち、セカンドシート5が配設された面とは反対側の面からホットメルト型接着剤等により接合する。また、トップシート用の巻出しロール67から巻き出したトップシート連続体66を、セカンドシート側、即ち吸収体4の下面側からホットメルト型接着剤等により接合する。なお、トップシート連続体66は、その幅方向の両端側に図示しないサイドシート連続体をした状態で吸収体4への接合を行う。
【0056】
そして、圧搾装置68により、吸収体4の第1領域15の部分において、トップシート連続体66と吸収体4とを、トップシート連続体66側から圧搾して複数の圧搾部25を形成し、これらの圧搾部25によってトップシート連続体66と吸収体4とを相互に接合する。この実施の形態においては、トップシート連続体側(下方側)に配設された、外周面に圧搾用のピンが設けられた圧搾ロールと、バックシート連続体側(上方側)に設けられたアンビルロールとの間に、吸収体4にトップシート連続体66及びバックシート連続体64が接合されたものを装入することにより圧搾部の形成を行う。これにより、トップシート連続体66と吸収体4とがより強固に接合されることとなる。
最後に、トップシート連続体66(サイドシート連続体含む)及びバックシート連続体64を、切断装置69により所定の形状・大きさに切断することにより、製品としての生理用ナプキン1が完成することとなる。
【0057】
上記構成を有する生理用ナプキンによれば、吸収体4中に含まれる、セルロース系吸水性繊維よりも繊維長が長い熱可塑性樹脂繊維の一部が、吸収体4のトップシート2側の表面に露出する第1の部分と、バックシート3側の表面に露出する第2の部分と、第1の部分及び第2の部分を連結する連結部分とを有している。これにより、熱可塑性樹脂繊維が、吸収体4のトップシート側の面とバックシート側の面との剥離を抑えるため、吸収体4の耐久性を向上させることができる。
さらに、吸収体4は、第1領域15よりも高坪量である第2領域16を有していて、この第2領域16における熱可塑性樹脂繊維の坪量が第1領域15よりも高いため、吸収体4が排泄液を吸収してウェット状態となったとしても、繊維長が長い熱可塑性樹脂繊維によって第2領域15のよれが抑止される。これにより、吸収体4の耐久性の低下が抑えられると共に、高坪量である第2領域の吸収性能の低下を抑止することができる。
【0058】
前記実施の形態においては、吸収体4が、第2の液透過性層としてのセカンドシート5を備えた構成となっているが、この第2の液透過性層は必ずしも必要ではなく、例えば、吸収体4が吸収性物品の製造工程での搬送等に対して十分に耐えうる強度を備えている場合には省略することができる。
【0059】
また、前記実施の形態においては、吸収体4の第2領域16のエンボス部32は、第1領域15のエンボス部31よりも深く形成されているが、第1領域及び第2領域のエンボス部の深さは任意に決定することができ、同じ深さであっても、また第1領域のエンボス部が第2領域のエンボス部よりも深くても良い。あるいは、第1領域及び第2領域の両方又は一方のエンボス部を省略してもよい。
【0060】
前記実施の形態においては、第2領域16に設けられた第2のスリット32は、第1領域15に設けられた第1のスリット31よりも、吸収体4の厚さ方向に深く形成されているが、第1のスリット及び第2のスリットの深さは相互に同じであってもよく、また第1のスリットの方が第2のスリットよりも深く形成されていてもよい。
さらに、第2の液透過性層の存在が、吸収体としての柔軟性の確保に与える影響が小さい場合には、スリットは必ずしも設ける必要はなく、省略することができる。
【0061】
さらに、前記実施の形態では、吸収性物品として生理用ナプキンの例について説明したが、吸収性物品としては、使い捨ておむつ、失禁パッド(パンティーライナー)等の各種吸収性物品であってもよい。
【0062】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 トップシート(液透過性層)
3 バックシート(液不透過性層)
4 吸収体
5 セカンドシート(第2の液透過性層)
11 セルロース系吸水性繊維
12,12’,12’’ 熱可塑性樹脂繊維
12’a,12’’a 第1の部分
12’b,12’’b 第2の部分
12’c,12’’c 連結部分
15 第1領域
16 第2領域
21,22 エンボス部
25 圧搾部
31,32 スリット
図1
図2
図3
図4
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図11