【課題を解決するための手段】
【0014】
驚いたことに、ZrO
2、ZnO、Al
2O
3、TiO
2、Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeOOHおよびBaSO
4から成る群から選択される凝集体、またはこれらの混合物で表面(第1層)を被覆された、0.1〜100μmの直径を有する球状粒子に基づく顔料は、従来技術のフィラー/顔料よりも、より優れた隠蔽力の調節および皮膚の著しくより自然な外観を可能にし、さらにより優れた皮膚感触を備えることが分かった。さらに、本発明による顔料は、きめに所望の影響を示す、すなわち、塗布特性に不利に影響することなく、エマルジョンの粘度およびファンデーションの固さをわずかに増加させる。
【0015】
それゆえ、本発明は、0.1〜100μmの粒径を有する球状粒子に基づき、ZrO
2、ZnO、Al
2O
3、TiO
2、Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeOOHおよびBaSO
4から成る群から選択される凝集体、またはこれらの混合物で表面を被覆され、任意に金属酸化物もしくは金属酸化物混合物、レーキまたはベルリンブルーを含むさらなる層(第2層)で被覆されているという事実によって区別される顔料に関する。
【0016】
既知の顔料と比較すると、本発明による球状顔料は、
− 皮膚のより自然な外観
− より容易な分散性
− 向上した加工性
− 広い範囲内で調節することができる隠蔽力
− 向上した皮膚感触
− 化粧用調製物の向上したきめ
− 化粧用配合物の向上した塗布挙動
− より強い白さ
− より高い色純度
を示す。
【0017】
本発明はさらに、本発明による球状顔料の、塗料、被覆剤、好ましくは工業用被覆剤、印刷用インク、機密印刷用インク、プラスチック類、セラミック材料、ガラス類における使用、トレーサーとしての使用、フィラーとしての使用、および特に化粧用配合物における使用に関する。本発明による顔料はさらに、顔料調製物の調製、および例えば顆粒、チップ、ペレット、ソーセージ、ブリケットなどの乾燥調製物の調製にも適している。乾燥調製物は、特に、印刷用インクおよび化粧品において使用される。
【0018】
適当なベース基材は、例えば、特にSunjin Chemical、Omega Materials、3M、Dow CorningまたはEvonikから市販されているような球状粒子である。好ましい球状粒子は、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルカリ金属アルミニウム、ケイ酸アルカリ土類金属アルミニウム、およびこれらの組み合わせ、二酸化ケイ素、ガラス球、中空ガラス球、ナイロン、ポリアクリレート、ならびに酸化アルミニウムから成る群から選択される。
【0019】
特に好ましい球状基材は、例えば、Ceramic MicrospheresおよびCosmetic Microspheres、またはZeeospheresという商品名で3Mより販売されているケイ酸マグネシウムおよびケイ酸アルカリ金属アルミニウムである。
【0020】
使用され得る基材は、異なる基材の混合物でもある。2つ以下の異なる基材を使用するのが好ましい。特に好ましい基材混合物は、
− ケイ酸アルカリ金属アルミニウムおよびケイ酸マグネシウム
− ケイ酸アルカリ金属アルミニウムおよび二酸化ケイ素
− ケイ酸アルカリ金属アルミニウムおよびケイ酸アルカリ土類金属アルミニウム
である。
【0021】
本発明による顔料の微小球状ベース基材は、0.1〜100μm、好ましくは0.3〜50μm、特に0.5〜15μmの粒径を有する。
【0022】
顔料の微小球状ベース粒子は、好ましくは、特にZrO
2、ZnO、Al
2O
3、TiO
2、Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeOOHまたはこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1つの金属酸化物を含む凝集体で表面(第1層)を被覆されている。凝集体はさらに、BaSO
4、またはBaSO
4と1つもしくは複数の前記金属酸化物との混合物から成っていてもよい。
【0023】
ベース粒子は、好ましくは、TiO
2を含む凝集体の被覆を有する。ここでのTiO
2は、ルチルまたはアナターゼ種、好ましくはアナターゼ形態であり得る。
【0024】
本特許出願中の被覆(単数または複数)は、金属酸化物および/またはBaSO
4によるベース粒子の部分的または完全な被覆を意味するものとし、ここで、金属酸化物(1つまたは複数)またはBaSO
4の両者は凝集体の形状をしている。
【0025】
本出願中の凝集体は、球状ベース粒子の表面に不規則に分布した酸化物またはBaSO
4粒子を意味するものとする。凝集体の形成は、光散乱中心の数を減らすので、被覆の散乱能力は、凝集していない個々の粒子による被覆の場合よりも、被覆度が増加してもあまり増加しない。凝集体を与える多数の酸化物粒子の部分的垂直配列はまた、被覆の不規則な層の厚さおよび亀裂が生じた表面という結果をもたらす。それゆえ、媒体との相互作用がより強力で、被覆された球状粒子間でネットワークを形成することができ、粘度の所望の増加およびファンデーションの固さの向上をもたらし、同時に塗布挙動を向上させる。
【0026】
球状粒子を含む第1層の平均層厚は、好ましくは0.01〜2μm、特に0.02〜1μm、特に大変好ましくは0.05〜0.8μmである。
【0027】
凝集体は表面上に非常に不規則に分布しているので、凝集体の平均層厚、すなわち基材表面上の層材料の均一かつコンパクトな(凝集していない)分布を仮定した層厚が本出願で示される。
【0028】
分散性、化学的および光化学的安定性、ならびに皮膚感触を向上させるため、SiO
2を含む上面層(最終層)を塗布することがしばしば適切である。SiO
2層は一般的に、0.01〜1μm、特に0.02〜0.7μm、そして特に大変好ましくは0.05〜0.5μmの平均層厚を有する。
【0029】
この最終SiO
2層は、凝集体で被覆された球状粒子を薄い層で覆う。それにより、分散性が向上し、本発明による顔料と塗布媒体との化学的および光化学的相互作用が防がれる。
【0030】
球状ベース粒子は、好ましくは1つまたは2つの層で被覆される。例えばTiO
2などの無色の第1層による球状ベース粒子の被覆、またはTiO
2/Fe
2O
3の混合物による、および場合によりSiO
2の上面層によるマストーン(実体色:mass tone)の定着が特に好ましい。
【0031】
金属酸化物、好ましくはFe
2O
3もしくはFe
3O
4、レーキまたはベルリンブルーを含む第2被覆を第1被覆に任意で塗布することもできる。第2被覆は、2つ、3つ、またはそれ以上の金属酸化物から成る金属酸化物混合物であってもよい。この金属酸化物混合物は、2つの金属酸化物、特にTiO
2およびFe
2O
3から成るのが好ましい。
【0032】
レーキは、無機の支持マトリクスに結合している有機着色剤である。支持マトリクスとして適当なのは、特に、例えばAl
2O
3およびSiO
2などのネットワーク形成無機酸化物である。言及され得る有機着色剤は、レーキに変換され得る全ての着色化合物、特に、カーマインレッド(CAS番号1390−65−4)、アルラレッド(CAS番号25956−17−6)、タートラジン(CAS番号1934−21−0)、ブリリアントブルーFCF(CAS番号3844−45−9)、エリスロシン(CAS番号16423−68−0)およびフロキシンB(CAS番号18472−87−2)のアルカリおよびアルカリ土類金属塩である。このリストは、少数の考えられるレーキを表すに過ぎず、限定的であると理解すべきではない。
【0033】
ベルリンブルーは、実験式Fe
4[Fe(CN)
6]
3を有する、ヘキサシアノ鉄(II)酸アニオンの鉄(III)塩である。これは、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムと鉄(III)塩、またはヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムと鉄(II)塩の溶液を弱酸性溶液中で混ぜ合わせることによって容易に調製することができる。
【0034】
金属酸化物、レーキまたはベルリンブルーを含む第2層の平均層厚は、10〜500nm、好ましくは10〜200nm、そして特に好ましくは10〜100nmである。顔料中のレーキの重量比率は全体として、製品の所望の着色強度、およびそれぞれのレーキの着色効果に依存する。それは、0.1〜30%、好ましくは0.2〜25%、そして特に好ましくは0.5〜20%である。
【0035】
本発明による特に好ましい顔料は、表面に以下の被覆を有する:
球状ベース基材+TiO
2
球状ベース基材+TiO
2+SiO
2
球状ベース基材+TiO
2/Fe
2O
3
球状ベース基材+TiO
2/Fe
2O
3+SiO
2
球状ベース基材+Fe
2O
3+SiO
2
球状ベース基材+FeO(OH)+SiO
2
球状ベース基材+Fe
3O
4+SiO
2
球状ベース基材+TiFe
2O
5+SiO
2
球状ベース基材+TiO
2+Fe
2O
3+SiO
2
球状ベース基材+TiO
2+Fe
3O
4+SiO
2
球状ベース基材+TiO
2+Fe
4[Fe(CN)
6]
3
球状ベース基材+TiO
2+Fe
4[Fe(CN)
6]
3+SiO
2
球状ベース基材+TiO
2+カーマインレーキ
球状ベース基材+TiO
2+カーマインレーキ+SiO
2。
【0036】
ケイ酸AlまたはMg球に基づき、金属酸化物、好ましくはTiO
2またはFe
2O
3の被覆、および任意でSiO
2を含む上面層(最終層)を有する顔料が特に好ましい。
【0037】
本発明による顔料の場合の最終SiO
2層は、色、色の純度および色の強度における顔料の光学的特性、ならびに例えば、分散性、皮膚感触と化学的および光学的安定性などの塗布特性を向上させることができる。
【0038】
本発明による球状顔料は、一般的に、10〜200、特に20〜200、特に大変好ましくは50〜150の吸油値を有する。本特許出願の吸油値は、DIN ISO 787/5−1980(E)に従って測定される。
【0039】
窒素吸収によって測定される、本発明による顔料のBET表面積は、一般的に、1〜200m
2/g、好ましくは2〜150m
2/g、特に3〜100m
2/gである。本特許出願のBET表面積は、DIN ISO 9277:2003−05に従って測定される。
【0040】
本発明による顔料は、皮膚上へのより容易な塗布およびより均一な分布を達成し、皮膚感触を向上させることにより、特に化粧品のきめを向上させる。顔料は、鉱物基礎の上に形づくられており、主として無機成分を含むので、皮膚によって非常によく耐えられる。
【0041】
球状粒子の調製は既知である。したがって、例えば、ケイ酸MgまたはAl球は、一般的に、細かく分割したケイ酸塩原材料および/またはその酸化物出発化合物をガス流中で加熱することによって溶融され、球状形態をとる。融点を下げることによって溶融をより容易にするため、一般的に、細かく分割したアルカリおよび/またはアルカリ土類金属化合物が反応混合物に添加される。
【0042】
球状ベース粒子の被覆は、ワンポットプロセスで行うことができる。本発明による顔料は、種々の方法で比較的単純に調製することができる。球状粒子は、ウェット化学被覆により、またはCVDもしくはPVDプロセスにより、1つまたは複数の被覆で被覆することができる。
【0043】
球状ベース粒子の被覆は、好ましくは、金属酸化物または金属水酸化物の塩溶液からの加水分解による金属酸化物または金属水酸化物の堆積によるウェット化学法で行うことができる。凝集体の形成は、沈殿条件の適当な選択により引き起こされ得る。これらは特に、塩溶液の反応温度、pH、攪拌速度および量り入れ速度(metering rate)である。TiO
2の沈殿は、一般的に、1.0〜3.0のpH範囲で行われる。凝集体を形成する傾向は、pH1.0〜pH3.0で増加する。しかしながら、過度に高いpHを選択すると、いわゆる2次的沈殿が生じ得ることがあり、すなわち、TiO
2粒子がベース粒子と一緒に沈殿し、層を形成しない。前記ベース粒子に関して、顔料の分野の当業者によって容易に決定され得る異なる沈殿条件は、一般的に、異なる表面挙動により選択されるべきである。
【0044】
本発明は、本発明による顔料の調製方法にも関し、この方法において、球状粒子は、酸または塩基の存在下で、凝集体または層を形成する原材料の溶液を実質的に均一に、同時もしくは非同時に添加することにより、水性懸濁液中に層材料を沈殿させることによって凝集体で被覆され、濾過され、洗浄され、乾燥され、任意でか焼され、ふるいにかけられる。
【0045】
球状粒子上の金属酸化物層は、好ましくはウェット化学法によって塗布され、ここでは一般に、真珠光沢のある顔料の調製用に開発されたウェット化学被覆法が使用され得る。この種の方法は、例えば、US3087828、US3087829、US3553001、DE1467468、DE1959988、DE2009566、DE2214545、DE2215191、DE2244298、DE2313331、DE2522572、DE3137808、DE3137809、DE3151343、DE3151354、DE3151355、DE3211602、DE3235017、DE19618568、EP0659843、または当業者にとって既知のさらなる特許文書および他の刊行物に記載されている。
【0046】
ウェット化学被覆の場合、球状粒子を水に懸濁し、1つまたは複数の加水分解性金属塩を、金属酸化物または金属酸化物を、水和物が凝集体として球上に直接沈殿されるように選択された、加水分解に適したpHで添加する。pHは通常、塩基または酸を同時に計量しながら添加することによって一定に保たれる。顔料を引き続き、分離し、洗浄し、好ましくは50〜350℃、特に80〜150℃で乾燥し、任意でか焼するが、か焼温度は各々の場合に存在する被覆剤に関して最適化され得る。一般に、か焼温度は250℃と1100℃との間、好ましくは350℃と900℃との間である。所望ならば、顔料を、個々の被覆剤の塗布後に分離し、洗浄し、任意でか焼し、次いでさらなる層の沈殿のために再懸濁することができる。
【0047】
さらに、被覆は、流動層式反応装置中で気相被覆によって行うこともでき、ここでは、例えば、真珠光沢のある顔料の調製用にEP0045851およびEP0106235で提案されている方法を対応して用いることができる。着色層がFe
3O
4または他の還元された酸化物型を含む場合、還元段階、例えば、還元雰囲気中でのか焼が、最終工程段階として必要となり得る。
【0048】
最終SiO
2層の塗布に関しては、好ましくはDE19618569に記載されている方法が使用される。SiO
2層の製造に関しては、好ましくはナトリウムまたはカリウムの水ガラス溶液が使用される。
【0049】
硫酸バリウムの沈殿の場合、バリウム塩、例えば塩化バリウム、および硫酸塩、例えば硫酸ナトリウムの溶液が同時に量り入れられる。両方法において、溶液中に酸化物または硫酸塩の核が形成され、凝集体として球状粒子の表面に沈殿する。
【0050】
所望の量の層材料が沈殿したら、反応を中断し、後処理に適したpH、例えばpH5に調整する。
【0051】
後処理のため、被覆された球状粒子を濾過し、水で洗浄し、好ましくは50〜350℃の温度で1〜20時間乾燥し、任意で350〜1100℃の温度で0.1〜2時間か焼する。最後に、顔料をふるいにかける。
【0052】
本発明による顔料の色相および隠蔽力は、被覆材料の選択、およびそこから結果として生じる被覆率または層厚によって幅広い範囲内で変え得る。一定の色相のための良い調整は、量の純粋な選択を越えて、視覚的または測定技術の制御の下で所望の色に近づくことにより達成し得る。
【0053】
レーキでの被覆の場合、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、またはこれら2つの混合物のマトリクスが、一般的に最初に塗布される。これは、例えば、DE2429762およびEP1595921に記載されている方法により、ケイ酸塩またはアルミン酸塩溶液を加水分解することによって行われる。第2段階では、例えば、EP1595921に記載されているように、溶解した形態のレーキの有機成分が、例えばカルシウム、アルミニウムまたはバリウム等の適当なカチオンの存在下でマトリクス上に吸収される。
【0054】
ベルリンブルーの場合、酸化剤の存在下で、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム溶液および硫酸鉄(II)溶液を水性顔料懸濁液に添加する。鉄(III)溶液、例えば、塩化鉄(III)を使用する場合、酸化剤の添加は不必要である。ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムの代替物として、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウムを使用することも可能であるが、この場合、鉄(II)化合物、例えば、硫酸鉄(II)溶液が添加されなければならない。ベルリンブルー沈殿を行うための対応する方法は、例えば、DE2313332、EP1595921、EP1254928およびEP0659843に記載されている。
【0055】
光、水および天候安定性を高めるために、用途領域に応じて、完成顔料または完成フィラーを後被覆または後処理に供することがしばしば推奨される。適当な後被覆または後処理方法は、例えば、ドイツ特許第2215191号、DE−A3151354、DE−A3235017またはDE−A3334598に記載されている方法である。この最終SiO
2層への後被覆は、化学的および光化学的安定性をさらに増加させる、または吸収顔料の取り扱い、特に種々の媒体への取り込みをより容易にする。濡れ性、分散性および/または塗布媒体との適合性を向上させるために、Al
2O
3もしくはZrO
2またはこれらの混合物を含む機能性被覆剤が顔料表面に形成され得る。さらに、例えば、EP0090259、EP0634459、WO99/57204、WO96/32446、WO99/57204、US5759255、US5571851、WO01/92425またはJ.J.Ponjee、Philips Technical Review、44巻、3号、81ff.およびP.H.Harding J.C.Berg、J.Adhesion Sci.Technol.11巻4号、471〜493ページに記載されているシランによる有機性の後被覆が可能である。
【0056】
本発明による顔料は、好ましくは塗料、被覆剤および印刷用インクの領域の多数の表色系に適合する。多数の結合剤、特に、例えばBASF、Marabu、Proll、Sericol、Hartmann、Gebr.Schmidt、Sicpa、Aarberg、Siegberg、GSB−Wahl、Follmann、RucoまたはCoates Screen INKS GmbHによって販売されている水溶性の製品が、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷またはオフセットオーバープリントワニス用の印刷用インクの調製に適している。印刷用インクは、水系または溶剤系であり得る。さらに、顔料は、紙およびプラスチック類のレーザーマーキング、ならびに農業分野における適用、例えば温室用シート、および例えば、防水シートの着色にも適している。
【0057】
本発明は、特に高い色純度および並外れた高隠蔽力の顔料の調製を可能にする。それゆえ、種々の塗布媒体、例えばマニキュア、口紅、コンパクトパウダー、ジェル、ローション、石鹸、練り歯磨きなどの化粧用配合物、塗料、工業用被覆剤および粉末被覆剤、ならびにプラスチック類およびセラミックにおいて、本発明による顔料により特に有効な効果が達成され得る。
【0058】
優れた皮膚感触および非常に優れた皮膚粘着性のために、本発明による顔料は、装飾用化粧品におけるフィラーとして特に適しているが、例えば、ボディローション、エマルジョン、石鹸、シャンプーなどのパーソナルケア用途にも適している。
【0059】
本発明による顔料は、高い比表面積を有する。その結果として、本発明による顔料は、液体吸収性の特性が望まれる化粧品、例えば、消臭剤およびつや消しクリームなどにおける使用に特に適している。
【0060】
本発明による顔料がまた、例えば、
− 例えば鉄フレークまたはアルミニウムフレークに基づく金属効果顔料、
− 金属酸化物で被覆された、合成雲母フレーク、天然雲母フレーク、ガラスフレーク、Al
2O
3フレーク、Fe
2O
3フレークまたはSiO
2フレークに基づく真珠光沢顔料、
− 金属酸化物で被覆された、合成雲母フレーク、天然雲母フレーク、ガラスフレーク、Al
2O
3フレーク、Fe
2O
3フレークまたはSiO
2フレークに基づく干渉顔料、
− ゴニオクロマチック顔料(goniochromatic pigment)、
− 金属酸化物で被覆された、合成雲母フレーク、天然雲母フレーク、ガラスフレーク、Al
2O
3フレーク、Fe
2O
3フレークまたはSiO
2フレークに基づく多層顔料(好ましくは2、3、4、5、または7層を含む)、
− 有機染料、
− 有機顔料、
− 例えば、透明および不透明の白色、有色、ならびに黒色顔料などの無機顔料、
− フレーク状酸化鉄、
− ホログラフィック顔料、
− LCPs(液晶ポリマー)、
− カーボンブラック、
との混合物として、種々の用途に有利に使用され得ることは言うまでもない。
【0061】
本発明による顔料は、市販の顔料および/またはさらに市販のフィラーと任意の比率で混合され得る。
【0062】
言及され得る市販のフィラーには、例えば、天然および合成の雲母、ナイロン粉末、純粋なまたは充填剤入りのメラミン樹脂、タルク、ガラス、カオリン、アルミニウムの酸化物または水酸化物、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、窒化ホウ素、ならびにこれらの物質の物理的または化学的組み合わせがある。フィラーの粒子形状については、制限はない。粒子形状は、要求に応じて、例えば、フレーク形状、球状または針状とすることができる。
【0063】
本発明による顔料は、当然、配合物中で任意の種類の化粧用原材料および補助剤と結合させることもできる。これらには、特に、油、脂肪、ワックス、フィルム形成剤、防腐剤、ならびに例えばベントナイト、ヘクトライト、二酸化ケイ素、ケイ酸Ca、ゼラチン、高分子量炭水化物などの増粘剤およびレオロジー添加剤(rheological additives)、および/または表面活性補助剤などの一般的に塗布特性を決定する補助剤が含まれる。
【0064】
本発明による顔料を含む配合物は、親油性、親水性、または疎水性の型に属することができる。分離した水相および非水相を備える不均一性配合物の場合、本発明による顔料は、各々の場合で、2つの相の1つの相にのみ、あるいは両相にわたって分配されて存在してよい。
【0065】
配合物のpH値は、1と14との間、好ましくは2と11との間、そして特に好ましくは5と8との間であることができる。
【0066】
配合物中の本発明による顔料の濃度に制限はない。濃度は、用途に応じて、0.001%(洗い流す製品、例えば、シャワージェル)と60%との間であることができる。さらに、本発明による顔料は、化粧用活性化合物と結合させてもよい。適当な活性化合物は、例えば虫忌避剤、UV A/BC保護フィルター(例えば、OMC、B3、MBC)、抗老化活性化合物、ビタミンおよびその誘導体(例えば、ビタミンA、C、Eなど)、セルフタンニング剤(self−tannning agent)(例えば、特に、DHA、エリトルロース)、ならびに、例えばビサボロール、LPO、エクトイン、エンブリカ、アラントイン、ビオフラボノイドおよびこれらの誘導体などのさらなる化粧用活性化合物である。
【0067】
同様に、本発明は配合物、特に、本発明による顔料に加えて、吸収剤、収斂剤、抗菌物質、抗酸化剤、制汗剤、消泡剤、抗ふけ活性化合物、帯電防止剤、結合剤、生物学的添加剤、漂白剤、キレート剤、防臭剤、皮膚軟化剤、乳化剤、エマルジョン安定化剤、染料、湿潤剤、フィルム形成剤、フィラー、芳香剤、フレーバー、虫忌避剤、防腐剤、防錆剤、化粧用油、溶剤、酸化剤、植物性成分、緩衝物質、還元剤、界面活性剤、噴霧ガス、乳白剤、UVフィルターおよびUV吸収剤、変性剤、粘度調整剤、香料ならびにビタミンから成る群から選択される少なくとも1つの成分を含む化粧用配合物に関する。
【0068】
本発明は、本発明による顔料の、塗料、被覆剤、印刷用インク、機密印刷用インク、プラスチック類、セラミック材料、ガラス類における使用、トレーサーとしての使用、化粧用配合物における使用、ならびに顔料調製物および乾燥調製物を調製するための使用にも関する。