特許第6242861号(P6242861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6242861円錐形の石英ドームを通って伝送される光を制御する光学系
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6242861
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】円錐形の石英ドームを通って伝送される光を制御する光学系
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20171127BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20171127BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20171127BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20171127BHJP
【FI】
   H01L21/205
   H01L21/285 C
   H01L21/31 B
   C23C16/46
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-508956(P2015-508956)
(86)(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公表番号】特表2015-516688(P2015-516688A)
(43)【公表日】2015年6月11日
(86)【国際出願番号】US2013029344
(87)【国際公開番号】WO2013162712
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年3月4日
(31)【優先権主張番号】61/637,998
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/662,166
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ラニッシュ, ジョゼフ エム.
【審査官】 桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−529911(JP,A)
【文献】 特開2004−259964(JP,A)
【文献】 特開2004−186495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/285
H01L 21/31
C23C 16/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的に透明なドームを含むチャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置された基板支持体と、
前記光学的に透明なドームに隣接して配置された複数のランプと、
前記チャンバ本体内で前記複数のランプと前記基板支持体上に位置決めされた基板との間に位置決めされた光集束アセンブリであって、前記複数のランプから放出される放射エネルギーに影響を与えるように適合された光集束アセンブリとを備え
前記光集束アセンブリが、複数の同心リング、またはリングに対する多角形の近似を備え、前記複数の同心リング、またはリングに対する多角形の近似は、光学的に透明な材料から形成されており、
前記複数の同心リング、またはリングに対する多角形の近似は、内部に中空の空洞を含み、前記中空の空洞の内面は、当該内面上に反射性の被覆を有している、プロセスチャンバ。
【請求項2】
前記同心リングの少なくともいくつかが、異なる高さを有する、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項3】
前記同心リングがそれぞれ、2.5ミリメートル〜35ミリメートルの範囲内の厚さを有する、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項4】
光学的に透明なドームを含むチャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置された基板支持体と、
前記光学的に透明なドームに隣接して配置された複数のランプと、
前記チャンバ本体内で前記複数のランプと前記基板支持体上に位置決めされた基板との間に位置決めされた光集束アセンブリであって、前記複数のランプから放出される放射エネルギーに影響を与えるように適合された光集束アセンブリと、を備え、
前記光集束アセンブリが、複数の同心リング、またはリングに対する多角形の近似を含み、
前記基板支持体に結合された支持シャフトが、前記複数の同心リングの最も内側のリングの中心を通って配置され、前記支持シャフトが、石英から形成され、中空の空洞を収容するプロセスチャンバ。
【請求項5】
前記光集束アセンブリが、隣接する同心リング間に配置された複数の屈折要素をさらに備える、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項6】
前記屈折要素が凸レンズまたは凹レンズを含む、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項7】
前記屈折要素が、フレネルレンズを含み、前記ランプが、前記チャンバ本体の処理領域の外側に位置決めされる、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項8】
光学的に透明なドームを含むチャンバ本体と、
前記チャンバ本体内に配置された基板支持体であって、前記基板支持体から支持シャフトが延びる、基板支持体と、
前記光学的に透明なドームに隣接して配置された複数のランプと、
前記チャンバ本体内で前記光学的に透明なドームと前記基板支持体との間に位置決めされた光集束アセンブリであって、前記光学的に透明なドームの上面と接触しており、前記複数のランプから放出される放射エネルギーに影響を与えるように適合された光集束アセンブリとを備え
前記光集束アセンブリが、複数の同心リング、またはリングに対する多角形の近似を備え、前記複数の同心リング、またはリングに対する多角形の近似は、光学的に透明な材料から形成されており、
前記複数の同心リング、またはリングに対する多角形の近似は、内部に中空の空洞を含み、前記中空の空洞の内壁は、当該内壁上に反射性の被覆を有している、プロセスチャンバ。
【請求項9】
前記支持シャフトが中空の空洞を含、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項10】
前記同心リングが石英を含む、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項11】
前記光集束アセンブリが、隣接する同心リング間に配置された複数の屈折要素をさらに備え、前記屈折要素が、凹レンズ、凸レンズ、またはフレネルレンズを含む、請求項に記載のプロセスチャンバ。
【請求項12】
光学的に透明な材料から形成された複数の同心リングであって、各同心リングが内部に中空の空洞を有する、複数の同心リングと、
前記中空の空洞内に配置された反射性材料とを備える光学アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して、半導体基板などの基板を加熱する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板は、集積デバイスおよびマイクロデバイスの製造を含む多種多様な適用分野向けに処理される。基板を処理する1つの方法は、誘電体材料または導電性金属などの材料を基板の上面に堆積させることを含む。材料は、横向きの流れチャンバ内で、支持体上に位置決めされた基板の表面に対して平行にプロセスガスを流し、このプロセスガスを熱分解してガスからの材料を基板表面上へ堆積させることによって堆積させることができる。加熱された基板はプロセスガスの熱分解を容易にするので、基板上で均一な堆積を行うには均一な基板温度を有することが望ましい。基板の温度の不均一性は、基板上で不均一な材料堆積をもたらす可能性があり、それによって最終的に、最終の製品デバイスの性能に影響を与える。
【0003】
したがって、基板を均一に加熱する装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に記載する実施形態は、概して、基板を加熱する装置に関する。この装置は、概して、基板支持体を有するプロセスチャンバを含む。光学的に透明なドームを通って基板支持体上に位置決めされた基板へ放射エネルギーを提供するように、複数のランプが位置決めされる。基板上の加熱および温度分布に影響を与え、密度などの均一な特性を有する、基板上の膜の形成を容易にするように、光集束アセンブリがチャンバ内に位置決めされる。光集束アセンブリは、1つまたは複数のリフレクタ、光導波管、または屈折レンズを含むことができる。
【0005】
一実施形態では、プロセスチャンバは、光学的に透明なドームを含むチャンバ本体を備える。チャンバ本体内に、基板支持体が配置される。光学的に透明なドームに隣接して、複数のランプが配置される。チャンバ本体内で複数のランプと基板支持体上に位置決めされた基板との間に、光集束アセンブリが位置決めされる。光集束アセンブリは、複数のランプから放出される放射エネルギーに影響を与えるように適合される。
【0006】
別の実施形態では、プロセスチャンバは、光学的に透明なドームを含むチャンバ本体を備える。チャンバ本体内に、基板支持体が配置される。基板支持体は支持シャフトを有し、基板支持体から支持シャフトを通って中空の空胴が延びる。光学的に透明なドームに隣接して、複数のランプが配置される。チャンバ本体内で光学的に透明なドームと基板支持体との間に、光集束アセンブリが位置決めされる。光集束アセンブリは、光学的に透明なドームの上面と接触しており、複数のランプから放出される放射エネルギーに影響を与えるように適合される。
【0007】
別の実施形態では、光学アセンブリは、光学的に透明な材料から形成された複数の同心リングを備える。各同心リングは、中空の空胴を有する。同心リングの中空の空胴内に反射性材料が配置され、複数の屈折要素が、隣接する同心リングを結合する。
【0008】
本発明の上記の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本発明のより詳細な説明は、実施形態を参照することによって得ることができる。これらの実施形態のいくつかを、添付の図面に示す。しかし、本発明は他の等しく有効な実施形態も許容しうるため、添付の図面は本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって本発明の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による処理チャンバの概略断面図である。
図2A】本発明の一実施形態による光集束アセンブリの概略図である。
図2B】本発明の一実施形態による光集束アセンブリの概略図である。
図3A】本発明の他の実施形態による光集束アセンブリの概略図である。
図3B】本発明の他の実施形態による光集束アセンブリの概略図である。
図3C】本発明の他の実施形態による光集束アセンブリの概略図である。
図3D】本発明の他の実施形態による光集束アセンブリの概略図である。
図4】本発明の別の実施形態による光集束アセンブリを示す図である。
図5】本発明の別の実施形態による光集束アセンブリを示す図である。
図6】本発明の別の実施形態による光集束アセンブリを示す図である。
図7】本発明の別の実施形態による光集束アセンブリを示す図である。
図8A】本発明の一実施形態によるリングの斜視図である。
図8B】本発明の一実施形態によるリングの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合、複数の図に共通の同一の要素を指すために同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素および特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込むことができることが企図される。
【0011】
本明細書に記載する実施形態は、概して、基板を加熱する装置に関する。この装置は、概して、基板支持体を有するプロセスチャンバを含む。光学的に透明なドームを通って基板支持体上に位置決めされた基板へ放射エネルギーを提供するように、複数のランプが位置決めされる。基板上の加熱および温度分布に影響を与え、密度などの均一な特性を有する、基板上の膜の形成を容易にするように、光集束アセンブリが光学的に透明なドームと基板支持体との間に位置決めされる。光集束アセンブリは、1つまたは複数のリフレクタ、光導波管、または屈折レンズを含むことができる。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による処理チャンバ100の概略断面図である。処理チャンバ100は、基板の上面に材料を堆積させることを含めて、1つまたは複数の基板を処理するために使用することができる。処理チャンバ100は、チャンバ本体101と、ステンレス鋼、アルミニウム、セラミック(たとえば、石英)、または被覆された金属もしくはセラミックなどの材料から形成される上部ドーム102とを含む。処理チャンバ100はまた、石英などの光学的に透明な材料から形成された下部ドーム104を含む。下部ドーム104は、チャンバ本体101に結合されており、またはチャンバ本体101の一体部分である。処理チャンバ100内で上部ドーム102と下部ドーム104との間には、基板108を支持するように適合された基板支持体106が配置される。基板支持体106は支持板109に結合されており、支持板109との間に間隙111を形成する。支持板109は、石英などの光学的に透明な材料から形成され、ランプ142からの放射エネルギーが基板支持体106に当たって基板支持体106を所望の処理温度まで加熱することを可能にする。基板支持体106は、炭化ケイ素または炭化ケイ素内に被覆されたグラファイトから形成され、ランプ142からの放射エネルギーを吸収してこの放射エネルギーを基板108へ伝導する。
【0013】
基板支持体106は高い処理位置で示されているが、アクチュエータ112によって基板支持体106を処理位置より下のローディング位置へ垂直に作動させて、リフトピン110が下部ドーム104に接触して基板支持体106から基板108を持ち上げることを可能にすることができる。次いで、ロボット(図示せず)が処理チャンバ100に入り、スリットバルブなどの開口114を通って基板108に係合し、処理チャンバ100から基板108を取り出すことができる。基板支持体106はまた、基板108の均一な処理を容易にするために、アクチュエータ112によって処理中に回転するように適合される。
【0014】
基板支持体106は、処理位置に位置する間、処理チャンバ100の内部体積をプロセスガス領域116とパージガス領域118に分割する。プロセスガス領域116は、基板支持体106が処理位置に位置する間、上部ドーム102と基板支持体106の平面120との間に位置する内部チャンバ体積を含む。パージガス領域118は、下部ドーム104と平面120との間に位置する内部チャンバ体積を含む。
【0015】
パージガス源122から供給されるパージガスが、チャンバ本体101の側壁内に形成されたパージガス入り口124を通ってパージガス領域118へ導入される。パージガスは、支持体106の裏面全体にわたって流路126に沿って横方向に流れ、処理チャンバ100のうちパージガス入り口124とは反対側に位置するパージガス出口128を通ってパージガス領域118から排出される。パージガス出口128に結合された排出ポンプ130は、パージガス領域118からのパージガスの除去を容易にすることができる。
【0016】
プロセスガス供給源132から供給されるプロセスガスは、チャンバ本体101の側壁内に形成されたプロセスガス入り口134を通ってプロセスガス領域116内へ導入される。プロセスガスは、流路136に沿って基板108の上面全体にわたって横方向に流れる。プロセスガスは、処理チャンバ100のうちプロセスガス入り口134とは反対側に位置するプロセスガス出口138を通ってプロセスガス領域116から出る。プロセスガス出口138を通ってプロセスガスを除去することは、プロセスガス出口に真空ポンプ140を結合することによって容易になる。
【0017】
下部ドーム104に隣接して下部ドーム104より下に複数のランプ142が配置され、プロセスガスが基板108の上を通過する際に基板108を加熱して基板108の上面への材料の堆積を容易にする。これらのランプは、任意選択のリフレクタ143によって取り囲まれた電球141を含む。各ランプ142は電力分配板147に結合され、電力分配板147を通って電力が各ランプ142へ供給される。ランプ142は、基板支持体106のシャフト127の周りで半径が増大する環状のグループとして配置される。シャフト127は、石英から形成され、中空の部分または空胴129を収容し、基板108の中心付近の放射エネルギーの横方向の変位を低減させ、したがって基板108の均一な照射を容易にする。
【0018】
ランプ142は、基板108の表面上へのプロセスガスの熱分解を容易にするために、基板を所定の温度まで加熱するように適合される。一例では、基板上へ堆積させる材料は、第III族、第IV族、および/もしくは第V族の材料とすることができ、または第III族、第IV族、および/もしくは第V族のドーパントを含む材料とすることができる。たとえば、堆積させる材料は、砒化ガリウム、窒化ガリウム、または窒化アルミニウムガリウムを含むことができる。ランプは、摂氏約300度〜摂氏約1200度、たとえば摂氏約300度〜摂氏約950度の範囲内の温度まで基板を加熱するように適合することができる。ランプ142からの放射エネルギーは、光集束アセンブリ150によって基板支持体106へ誘導され、基板108を制御可能に加熱し、したがって基板108上により均一な堆積をもたらす。基板108上の均一な堆積の結果、より高品質の基板およびより効率的な製品デバイスが得られる。光集束アセンブリ150は、下部ドーム104より上で下部ドーム104と接触し、パージガス領域118に隣接するように位置決めされる。したがって、光集束アセンブリ150は、処理チャンバ100の内部体積内に位置する。
【0019】
1つまたは複数のランプ142がランプヘッド145内に位置決めされる。ランプヘッド145は、ランプ142間に位置するチャネル149内へ導入される冷却流体によって、処理中または処理後に冷却することができる。ランプヘッド145は、一部にはランプヘッド145が下部ドーム104に密接しているため、下部ドーム104を伝導的に冷却する。ランプヘッド145はまた、ランプ壁およびリフレクタ143の壁も同様に冷却する。
【0020】
図1は処理チャンバの一実施形態を示すが、追加の実施形態も企図される。たとえば、別の実施形態では、基板108の直接加熱を可能にするために、基板支持体106を石英などの光学的に透明な材料から形成することができることが企図される。さらに別の実施形態では、任意選択の円形のシールド139を基板支持体106の周りに配置してチャンバ本体101の側壁に結合することができることが企図される。別の実施形態では、プロセスガス供給源132は、複数のタイプのプロセスガス、たとえば第III族の前駆体ガスおよび第V族の前駆体ガスを供給するように適合することができる。複数のプロセスガスは、同じプロセスガス入り口134を通って、または異なるプロセスガス入り口134を通って、チャンバ内へ導入することができる。追加として、基板108上の材料の均一な堆積をさらに容易にするために、ガス入り口124、134またはガス出口128、138の寸法、幅、および/または数を調整することができることも企図される。さらに別の実施形態では、ランプヘッド145が下部ドーム104と接触しないことが企図される。別の実施形態では、基板支持体106は、中心開口を有する環状リングまたはエッジリングとすることができ、基板108の周囲を支持するように適合することができる。そのような実施形態では、基板支持体106は、炭化ケイ素、炭化シリコンで被覆されたグラファイト、またはガラス状炭素で被覆されたグラファイトから形成することができる。
【0021】
図2Aおよび図2Bは、本発明の一実施形態による光集束アセンブリ250の概略図である。図2Aは、光集束アセンブリ250の斜視図を示す。図2Bは、断面線2B−2Bに沿って切り取った光集束アセンブリ250の断面図を示す。光集束アセンブリ250は、光集束アセンブリ150に類似しており、光集束アセンブリ150の代わりに使用することができる。光集束アセンブリ250は、直径の増大する複数の同心リング251A〜251Fを含む。リング251A〜251Fは、光の視準、均質化、および/または基板照明の均一性を増大させるように適合される。最も中心のリング251Aは、基板支持体の支持シャフトを収納するための開口252を含む。リング251A〜251Fのそれぞれの隣接する垂直面間に間隙253が配置され、加熱ランプからの放射エネルギーが処理中にリング251A〜251F間を通過して基板を加熱することを可能にする。概して、各間隙253は、プロセスチャンバ内のランプの1つのリングまたはゾーンに対応する。間隙253の寸法および数は、プロセスチャンバ内で利用されるランプの寸法および数に応じて調整することができることに留意されたい。
【0022】
リング251A〜251Fは、石英または他の光学的に透明な材料から形成された中空のリングまたはデューア瓶であり、このリング内に形成される中空の空胴の内面260上に反射性材料が配置される。たとえば、内面260は、アルミニウム、銀、金、または他の反射性の被覆を有することができ、それによって基板の均一な加熱を容易にするための所定の方法で光などの放射エネルギーを基板の方へ反射することができる。リング251A〜251F内に反射性材料を配置することで、洗浄プロセス中に利用される洗浄ガスから反射性材料を保護する。リング251A〜251Fは、それぞれ互いに対して平行な2つの外側の垂直面254と、垂直面254に対して直角の頂面255とを有する。頂面255は概して、プロセスチャンバ内の基板に対して平行に位置決めされる。各リング251A〜251Fの底面256は、上面255に対して角度を付けて位置決めされる。底面256の角度は、底面256と下部ドームとの間の接触を容易にするために、プロセスチャンバ内の下部ドームの角度に整合するように選択される。2つの最も内側のリング251Aおよび251Bの頂面255は、残りのリング251C〜251Fの頂面255の平面より下に配置されることに留意されたい。最も内側のリング251Aおよび251Bの高さを低減させることで、基板支持体および/または基板の中心でより均一な照射を提供することによって、基板のより均一な加熱を容易にすると考えられる。しかし、いくつかの実施形態では、リング251Aおよび251Bの上面は、リング251C〜251Fの上面と共平面とすることができることが企図される。
【0023】
リング251A〜251Fは、約2.5ミリメートル〜約35ミリメートル、たとえば約2.5ミリメートル〜約5ミリメートル、または約25ミリメートル〜約35ミリメートルの範囲内の厚さを有することができる。一例では、リング251A〜251Fは、それぞれ約1ミリメートルの厚さを有する壁を有することができる。そのような例では、リング251A〜251Fは、約0.5ミリメートル〜約33ミリメートル、たとえば約0.5ミリメートル〜約3ミリメートル、または約23ミリメートル〜約33ミリメートルの幅を有する空胴を有することができる。空胴が約5ミリメートルより大きい幅を有する実施形態では、空胴の上面もまた、反射性材料で被覆することができる。空胴の上面上の反射性材料は、基板支持体106によって吸収されなかったあらゆる放射エネルギーを再び基板支持体106の方へ反射し、したがってプロセス効率を高める。追加として、リング251A〜251Fのそれぞれの幅が増大するにつれて、リング間の間隙253は低下する。間隙寸法が低下することで、光が間隙253に入ることが可能な角度を低減させることによって、間隙253に再び入りうる放射エネルギー(たとえば、基板もしくは基板支持体から下方への反射または基板もしくは基板支持体からの直接の熱放射による)の量を低減させる。間隙253に入るそのような放射エネルギーは、プロセス効率を低減させることがある。
【0024】
図2Bに示すように、光集束アセンブリ250は、概して円錐形の横断面を有し、リングの半径が低下するにつれて、各リングの高さが増大する。しかし、上記のように、いくつかの実施形態では、最も内側のリング251Aおよび任意選択で251Bで高さを低減させて、基板支持体の中心付近で均一な照射を促進することができる。別の実施形態では、リング251A〜251Fの頂面をすべて共平面にすることができることが企図される。そのような実施形態では、最も内側のリング251Aは、最も大きい高さを有するはずである。
【0025】
図2Aおよび図2Bは光集束アセンブリの一実施形態を示すが、他の実施形態も企図される。別の実施形態では、リング251A〜251Fを一体とすることができ、リング251A〜251Fの外側に反射性材料を配置することができることが企図される。そのような実施形態では、反射性材料を二酸化ケイ素などの保護誘電体被覆で覆って、反射性材料を腐食性の洗浄ガスから保護することができる。さらに別の実施形態では、リング251A〜251Fの内面260を反射性材料内に覆わないことが企図される。代わりに、リング251A〜251Fのそれぞれの中に形成された空胴内に、アルミニウム箔などの反射要素を位置決めすることができる。さらに別の実施形態では、垂直面254または内面260の一方または両方は、Z軸に対して角度θを付けて配置することができることが企図される。角度θは、約−20度〜約20度の範囲内とすることができるが、垂直面254または内面260のそれぞれに対して同じである必要はない。
【0026】
図3A〜3Dは、本発明の他の実施形態による光集束アセンブリの概略図である。図3Aは、光集束アセンブリ350の上面斜視図を示す。光集束アセンブリ350は光集束アセンブリ250に類似しているが、光集束アセンブリ350は、リング251A〜251Fの下部部分に結合された屈折要素360を含む。屈折要素360は、石英などの光学的に透明な材料から形成された凸レンズ、凹レンズ、線形レンズ、フレネルレンズ、または他のレンズである。屈折要素360は、リング251A〜251Fの反射特性と組み合わせて、光の視準、均質化、および/または基板照明の均一性を増大させるように適合される。それぞれの屈折要素360の下面は線形であり、かつリング251A〜251Fの下面256と共平面であり、したがって光集束アセンブリ350をプロセスチャンバ内の下部ドームに嵌合させることを容易にする。
【0027】
図3Bは、断面線3B−3Bに沿って光集束アセンブリ350の断面図を示す。屈折要素360は、リング251A〜251Fの下部の垂直エッジに結合され、リング251A〜251Fを互いに結合し、したがって光集束アセンブリ350の剛性を増大させる。別の実施形態では、屈折要素360は、寸法および形状がプロセスチャンバの下部ドームに類似している円錐形の単体を形成することができることが企図される。そのような実施形態では、リングはこの単体の上面に結合され、次いでプロセスチャンバの下部ドーム上、または下部ドームより上に位置決めすることができる。さらに別の実施形態では、屈折要素は、プロセスチャンバ内の下部ドームに直接結合することができ、または下部ドームの一体部分として形成することができることが企図される。別の実施形態では、屈折要素360を別個のものとし、個々に交換可能とすることができることが企図される。
【0028】
図3Cは、一実施形態による光集束アセンブリ350の一部分の拡大概略図を示す。図3Cは、リング251Aとリング251Bとの間でリング251Aおよびリング251Bと接触するように位置決めされた屈折要素360Aを示す。屈折要素360Aは、屈折要素360A近傍に位置決めされたランプから放出される放射エネルギーの視準および均質化を容易にする凸レンズである。凸形の形状を有する屈折要素360Aが示されているが、凹形または線形を含む他の形状も企図される。
【0029】
図3Dは、別の実施形態による光集束アセンブリ350の一部分の拡大概略図を示す。図3Dに示す屈折要素360Bはフレネルレンズであり、図3Cに示す屈折要素360Aなどの従来のレンズと比較すると、レンズを形成するのに必要とされる材料の量が低減される。屈折要素360Bを使用することで、光集束アセンブリ350の重量が低減される。屈折要素360Aは、凸レンズ362を取り囲む複数の同心円状の環状区間361、またはフレネルゾーンを含む。屈折要素360Bの設計は例示的なものであり、拡散性の光学系などの他のレンズ設計も企図されることに留意されたい。
【0030】
別の実施形態では、屈折要素360Aおよび/または360Bは、図1の支持板109に結合することができ、したがって基板支持体106によって作動されることが企図される。そのような実施形態では、光集束アセンブリ350を除くことができ、それによって処理チャンバ100の設計を簡略化させ、処理チャンバ100の生産コストを低減させることができる。さらに、光集束アセンブリ350を除くことができるので、下部ドーム104が光集束アセンブリ350に対する支持を提供する必要がなくなるはずであるため、下部ドーム104の厚さを低減させることもできる。下部ドーム104の厚さを減少させることで、製造コストがさらに低減される。さらに別の実施形態では、屈折要素360Aおよび/または360Bを下部ドーム104上に位置決めすることができ、同心リング251A〜251Fを除くことができることが企図される。そのような実施形態では、同心リングをなくす結果、生産コストが低減される。
【0031】
図4は、本発明の別の実施形態による光集束アセンブリ450を示す。光集束アセンブリ450は、光学的に透明な下部プレート404と光学的に透明な上部プレート474との間に配置されて光学的に透明な下部プレート404および光学的に透明な上部プレート474に結合された同心リング451A〜451Fを含む。光学的に透明な下部プレート404は、図1に示す下部ドーム104などの下部ドーム上に位置決めされるように寸法設定および成形される。光学的に透明な下部プレート404は、接着剤またはインターロック部品によって、下部ドーム104に結合することができる。光学的に透明な上部プレート474は、光学的に透明な下部プレート404の反対側で同心リング451A〜451Fに結合される。同心リング451A〜451F、光学的に透明な下部プレート404、および光学的に透明な上部プレート474は、石英などの単体の材料ブロックから機械加工することができ、または個々に構築し、次いで組み立てることができる。同心リング451A〜451F、下部ドーム104、および光学的に透明な上部プレート474は、同心リング451A〜451Fのそれぞれの間に間隙475を形成するように位置決めされる。間隙475は、図1に示す処理チャンバ100などの処理チャンバ内でランプの上に位置決めされる。概して、間隙475は排気されて、間隙475内に真空を形成する。
【0032】
各間隙475の内面460(たとえば、同心リング451A〜451Fの表面)は、照明の制御を高めるために、反射性材料で被覆される。したがって、各同心リング451A〜451F内の中空の空胴を形成して被覆する必要はない。そのような実施形態では、反射材で被覆された表面の作製および修理が簡略化される。各間隙475が密封された囲壁であるため、間隙475内の反射性材料は、プロセスおよび洗浄ガスから保護される。
【0033】
同心リング451A〜451Fの表面460は、光学的に透明な下部プレート404または光学的に透明な上部プレート474内に開口を形成し、液体などの反射性材料を各間隙475内へ導入してその後乾燥させることによって被覆することができる。望ましくない反射性材料は、たとえばエッチングによって除去することができる。追加または別法として、反射性材料の望ましくない堆積は、堆積が望ましくない表面をマスキングすることによって低減または防止することができる。さらに別の実施形態では、たとえば、個々の構成要素から光集束アセンブリ450を構築するとき、組立て前に反射性材料を表面460上に堆積させることができる。そのような実施形態では、堆積、マスキング、および/またはエッチングを簡略化することができる。同心リング251A〜251F(図2A図2B図3A、および図3Bに示す)への反射性材料の塗布も、同様に実行することができることに留意されたい。
【0034】
図4は、光集束アセンブリ450の一実施形態を示すが、他の実施形態も企図される。たとえば、同心リング451A〜451Fは、反射性材料で被覆された光学的に透明な材料ではなく、金属または他の反射性材料から形成することができることが企図される。たとえば、同心リング451A〜451Fは、銀、金、銅、アルミニウム、またはこれらの組合せから形成することができる。場合によっては、石英ではなく金属から同心リング451A〜451Fを製造することで、必要な製造ステップを少なくすることができ、製造コストを低減させることができる。追加として、同心リング451A〜451Fの修理および交換を簡略化することができる。
【0035】
図5は、本発明の別の実施形態による光集束アセンブリ550を示す。光集束アセンブリ550は、光集束アセンブリ450に類似しているが、光学的に透明な上部プレート474は、空間570のため、同心リング451A〜451Fのすべてに接触するわけではない。したがって、間隙575が流体的に連通している。そのような実施形態では、間隙575の排気、ならびに反射性材料の塗布が簡略化される。追加として、空間570は、光学的に透明な下部プレート404と光学的に透明な上部プレート474との間の熱伝導経路内に切れ目を提供し、それによって上部プレート474から下部プレート404へ、したがって下部チャンバドーム104(図1に示す)への伝導性の熱流を低減させる。上記で論じたように、ランプヘッド145(図1に示す)内に配置された冷却チャネルを介して光学的に透明な下部プレート404および下部チャンバドーム104から余分な熱が除去されるため、伝導性の熱流が低減する結果、下部ドームの温度が低減し、または下部ドームの温度が最小値を有する必要がある場合、ランプヘッド内の冷却剤の流れが低減される。
【0036】
図5は、光集束アセンブリ550の一実施形態を示すが、他の実施形態も企図される。たとえば、光学的に透明な上部プレート474は、同心リング551A〜551Eの延長部を介して個別の点で、同心リング551A〜551Eのいくつかまたはすべてに接触することができることが企図される。同心リング551A〜551Eと光学的に透明な上部プレート474との間の接触により、光集束アセンブリ550の構造上の剛性が増大する。そのような実施形態では、間隙575の流体的連通を維持するため、いくつかの空間570は残される。別の実施形態では、光集束アセンブリ550の構造上の剛性を増大させるために、隣接する同心リング551A〜551F間に、光学的に透明な材料から形成されたたすき棒を位置決めすることができることが企図される。
【0037】
図6は、本発明の別の実施形態による光集束アセンブリ650を示す。光集束アセンブリ650は、複数の同心リング651A〜651Cを含む。3つの同心リングが示されているが、より多いまたはより少ない同心リングを含むことができ、たとえば処理チャンバ内のランプの1つの輪につき1つの同心リングを含むことができることが企図される。同心リング651A〜651Cは、石英などの光学的に透明な材料から形成され、ランプ142の上に位置決めされる。そのような実施形態では、同心リング651A〜651Cは、屈折要素として機能し、ランプ142からの照度に影響を与えて基板の均一な処理を容易にする。同心リング651A〜651Cは、ランプ142からの光の拡散を低減させ、それによって、特にランプの放射状のアレイ間で、ランプ142から基板上への照射の交差結合を低減させる。
【0038】
図7は、本発明の別の実施形態による光集束アセンブリ750を示す。光集束アセンブリ750は、光集束アセンブリ650に類似しているが、光集束アセンブリは、同心リングの多角形の近似である同心リング751Bおよび751Cを含む。同心リング751Bおよび751Cは、輪に近似するように寸法設定、成形、および組み立てられた個別の多角形779から構成される。各同心リング751Bおよび751Cは、複数の多角形779から構成され、各リング内の多角形779の数は、図示のものより多くまたは少なくすることができることが企図される。完全なリングではなく、多角形779を使用することで、ランプ142からの光の混合を増大させ、その結果得られる照射プロファイルが個々のランプ特性にそれほど依存しなくなることによって、より再現可能な放射プロファイルが得られる。場合によっては、多角形779を使用することで、ランプ142の分布プロファイルを改善することができる。
【0039】
各リングが同じ数の多角形779、したがって同じ数の小面を含む必要はない。追加として、1つまたは2つのランプ142の上に配置された多角形779が示されているが、各多角形779を任意の数のランプ142の上に位置決めすることができることが企図される。隣接する多角形779は、接触させることができ、または隣接する多角形779間に間隙を位置決めし、追加の表面を作ることによって全体的な内部反射を増大させることができることが企図される。隣接する多角形779の隣接する表面は、透明とすることができ、または反射性材料で被覆することができる。
【0040】
図8Aおよび図8Bは、本発明の一実施形態によるリング851の斜視図を示す。リング851は、本明細書に記載するいずれの実施形態でも、たとえばリング251A、451A、651A、または751Aとして利用することができる。リング851は、円形の第1の面890と、多角形の第2の面891とを含む。リング851は、リング851を通って中心に配置された開口を含む。多角形の小面の数は、所望の量の光の混合を容易にするように調整することができる。第1の面890および第2の面891のそれぞれの表面は、凹レンズまたは凸レンズなどの特有の屈折要素を含むように成形することができることが企図される。第1の面890と第2の面890を接続するリング851の側壁は概して平行であるが、平行でない実施形態も企図される。リング851は、第1の面809または第2の面891が1つまたは複数のランプの方へ位置決めされた状態で、プロセスチャンバ内に位置決めすることができる。
【0041】
多数の反射要素および屈折要素を本明細書に記載したが、反射要素または屈折要素のいずれかを、単独でまたは互いに組み合わせて利用することができることが企図される。
【0042】
本発明の利益は、プロセスチャンバ内の放射エネルギーの視準および均質化が増大することを含む。視準および均質化を増大させる結果、基板のより制御された加熱が得られ、その結果、基板上でより均一な堆積プロファイルおよび材料特性が得られる。基板上の均一な堆積プロファイルの結果、高品質でより効率的な製品デバイスが得られる。
【0043】
上記は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の基本的な範囲から逸脱することなく、本発明の他のさらなる実施形態を考案することもでき、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B