(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判別部は、前記標本画像信号から得られる標本指標値と、前記指標値算出部で算出された前記指標値とを比較して、前記画像信号が前記標本画像信号と類似するか否かの判別を行うことを特徴とする請求項6記載のプロセッサ装置。
前記特定の条件を満たすと判別された場合に、前記特定画像信号から生成される画像の静止画を前記内視鏡に取得させるための操作を促す報知を行う報知部を有することを特徴とする請求項1ないし8いずれか1項記載のプロセッサ装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
図1に示すように、内視鏡システム10は、内視鏡12と、光源装置14と、プロセッサ装置16と、モニタ18と、コンソール19とを有する。内視鏡12は、光源装置14と光学的に接続されるとともに、プロセッサ装置16と電気的に接続される。内視鏡12は、観察対象の体内に挿入される挿入部12aと、挿入部12aの基端部分に設けられた操作部12bと、挿入部12aの先端側に設けられた湾曲部12c及び先端部12dとを有している。操作部12bのアングルノブ12eを操作することにより、湾曲部12cは湾曲動作する。この湾曲動作によって、先端部12dが所望の方向に向けられる。
【0018】
また、操作部12bには、アングルノブ12eの他、モード切替SW(モード切替スイッチ)12fと、静止画取得指示部12gと、ズーム操作部12hとが設けられている。モード切替SW12fは、観察モードの切り替え操作に用いられる。内視鏡システム10は、観察モードとして通常観察モードと特殊観察モードとを有している。通常観察モードは、照明光に白色光を用いて観察対象を撮像して得た自然な色合いの画像(以下、通常画像という)をモニタ18に表示する。特殊観察モードは、特定の波長帯域の光を照明光として得られる画像(以下、特殊画像という)をモニタ18に表示する。静止画取得指示部12gは、内視鏡システム10に静止画を取得させるとともに、取得させた静止画をストレージ(図示省略)に保存させるために用いられる。ズーム操作部12hは、観察対象を拡大表示した拡大観察と、拡大観察をしない非拡大観察との変更を指示するために用いられる。
【0019】
プロセッサ装置16は、モニタ18及びコンソール19と電気的に接続される。モニタ18は、観察対象の画像や、観察対象の画像に付帯する情報等を出力表示する。コンソール19は、機能設定等の入力操作を受け付けるユーザインタフェースとして機能する。なお、プロセッサ装置16には、画像や画像情報等を記録する外付けの記録部(図示省略)を接続してもよい。
【0020】
図2に示すように、光源装置14は、光源20と、光源20を制御する光源制御部22と、を備えている。光源20は、例えば複数の半導体光源を有し、これらをそれぞれ点灯または消灯し、点灯する場合には各半導体光源の発光量を制御することにより、観察対象に照射する照明光を発生する。本実施形態では、光源20は、V−LED(Violet Light Emitting Diode)20a、B−LED(Blue Light Emitting Diode)20b、G−LED(Green Light Emitting Diode)20c、及びR−LED(Red Light Emitting Diode)20dの4色のLEDを有する。
【0021】
図3に示すように、V−LED20aは、中心波長405nm、波長帯域380nm〜420nmの紫色光Vを発する紫色半導体光源である。B−LED20bは、中心波長460nm、波長帯域420nm〜500nmの青色光Bを発する青色半導体光源である。G−LED20cは、波長帯域が480nm〜600nmに及ぶ緑色光Gを発する緑色半導体光源である。R−LED20dは、中心波長620nm〜630nmで、波長帯域が600nm〜650nmに及び赤色光Rを発する赤色半導体光源である。なお、V−LED20aとB−LED20bの中心波長は、±5nmから±10nm程度の幅を有する。
【0022】
これらの各LED20a〜20dの点灯や消灯、点灯時の発光量等は、光源制御部22が各々に独立した制御信号を入力するによって各々に制御することができる。本実施形態では、通常観察モード及び特殊観察モードのどちらの観察モードでも、光源制御部22は、V−LED20a、B−LED20b、G−LED20c、及びR−LED20dを全て点灯させる。このため、紫色光V、青色光B、緑色光G、及び赤色光Rを含む白色光が、通常観察モード及び特殊観察モードの照明光として用いられる。
【0023】
各LED20a〜20dが発する各色の光は、ミラーやレンズ等で形成される光路結合部23を介して、挿入部12a内に挿通されたライトガイド41に入射される。ライトガイド41は、内視鏡12及びユニバーサルコード(内視鏡12と、光源装置14及びプロセッサ装置16を接続するコード)に内蔵されている。ライトガイド41は、光源20が発生した照明光を、内視鏡12の先端部12dまで伝搬する。
【0024】
内視鏡12の先端部12dには、照明光学系30aと撮像光学系30bが設けられている。照明光学系30aは照明レンズ45を有しており、ライトガイド41によって伝搬された照明光は照明レンズ45を介して観察対象に照射される。撮像光学系30bは、対物レンズ46、ズームレンズ47、撮像センサ48を有している。照明光を照射したことによる観察対象からの反射光、散乱光、及び蛍光等の各種の光は、対物レンズ46及びズームレンズ47を介して撮像センサ48に入射する。これにより、撮像センサ48に観察対象の像が結像される。なお、ズームレンズ47は、ズーム操作部12hを操作することでテレ端とワイド端との間で自在に移動され、撮像センサ48に結像する観察対象の反射像を拡大または縮小する。
【0025】
撮像センサ48は、照明光が照射された観察対象を撮像するカラー撮像センサである。撮像センサ48の各画素には、
図4に示すR(赤色)カラーフィルタ、G(緑色)カラーフィルタ、B(青色)カラーフィルタのいずれかが各画素に設けられている。このため、撮像センサ48は、紫色から青色の光をBカラーフィルタが設けられたB画素(青色画素)で受光し、緑色の光をGカラーフィルタが設けられたG画素(緑色画素)で受光し、赤色の光をRカラーフィルタが設けられたR画素(赤色画素)で受光する。そして、各色の画素から、RGB各色の画像信号を出力する。
【0026】
撮像センサ48としては、CCD(Charge Coupled Device)撮像センサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)撮像センサを利用可能である。また、原色の撮像センサ48の代わりに、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)及びG(緑)の補色フィルタを備えた補色撮像センサを用いても良い。補色撮像センサを用いる場合には、CMYGの四色の画像信号が出力されるので、補色−原色色変換によって、CMYGの4色の画像信号をRGBの3色の画像信号に変換することにより、撮像センサ48と同様のRGB画像信号を得ることができる。また、撮像センサ48の代わりに、カラーフィルタを設けていないモノクロセンサを用いても良い。
【0027】
CDS/AGC回路51は、撮像センサ48から得られるアナログの画像信号に相関二重サンプリング(CDS;Correlated Double Sampling)や自動利得制御(AGC;Automatic Gain Control)を行う。CDS/AGC回路51を経た画像信号は、A/D(Analog to Digital)コンバータ52により、デジタル画像信号に変換される。A/D変換後のデジタル画像信号がプロセッサ装置16に入力される。
【0028】
プロセッサ装置16は、画像信号取得部54と、DSP(Digital Signal Processor)56と、ノイズ除去部58と、画像処理切替部61と、通常画像処理部66と、特殊画像処理部67と、映像信号生成部68とを備えている。画像信号取得部54は、CDS/AGC回路51及びA/Dコンバータ52を介して、撮像センサ48からデジタルの画像信号を取得する。
【0029】
DSP56は、取得した画像信号に対して、欠陥補正処理、オフセット処理、ゲイン補正処理、リニアマトリクス処理、ガンマ変換処理、デモザイク処理等の各種信号処理を施す。欠陥補正処理では、撮像センサ48の欠陥画素の信号が補正される。オフセット処理では、欠陥補正処理が施された画像信号から暗電流成分が除かれ、正確な零レベルが設定される。ゲイン補正処理では、オフセット処理後の画像信号に特定のゲインを乗じることにより信号レベルが整えられる。
【0030】
ゲイン補正処理後の画像信号には、色再現性を高めるためのリニアマトリクス処理が施される。その後、ガンマ変換処理によって明るさや彩度が整えられる。ガンマ変換処理後の画像信号には、デモザイク処理(等方化処理、または同時化処理とも言う)が施され、各画素で不足した色の信号が補間によって生成される。このデモザイク処理によって、全画素がRGB各色の信号を有するようになる。ノイズ除去部58は、DSP56でデモザイク処理等が施された画像信号に対してノイズ除去処理(例えば移動平均法やメディアンフィルタ法等による)を施すことによってノイズを除去する。ノイズが除去された画像信号は、画像処理切替部61に送信される。モード切替SW12fの操作によって通常観察モードにセットされている場合、画像処理切替部61は、RGB各色の画像信号を通常画像処理部66に送信し、特殊観察モードにセットされている場合には、RGB画像信号を特殊画像処理部67に送信する。
【0031】
通常画像処理部66は、通常観察モードに設定されている場合に作動し、RGB画像信号に対して、色変換処理、色彩強調処理、及び構造強調処理を行い、通常画像信号を生成する。色変換処理では、RGB画像信号に対して3×3のマトリクス処理、階調変換処理、及び3次元LUT(ルックアップテーブル)処理などにより色変換処理を行う。色彩強調処理は、色変換処理済みの画像信号に対して行われる。構造強調処理は、例えば表層血管やピットパターン(腺管)等の観察対象の構造を強調する処理であり、色彩強調処理後の画像信号に対して行われる。上記のように、構造強調処理まで各種画像処理等を施した通常画像信号を用いたカラー画像が通常画像である。
【0032】
特殊画像処理部67は、特殊観察モードに設定されている場合に作動し、画像処理切替部61からの画像信号から、観察対象に含まれる粘膜情報の指標値を算出し、指標値に基づいた特定の条件を満たす画像信号を自動的に保存する。
【0033】
図5に示すように、特殊画像処理部67には、選択部70と、粘膜情報抽出部72と、指標値算出部74と、判別部76と、設定部78と、保存制御部80と、特殊画像生成部82とが設けられている。
【0034】
選択部70は、複数の粘膜情報を記憶した粘膜情報用記憶部(図示省略)から少なくとも1つの粘膜情報を選択する。粘膜情報は、観察対象に含まれる粘膜の状態を示しており、ドクターが画像内の観察対象に病変の可能性がある部位(以下、病変可能性部位という)が含まれているかどうかの診断に用いる情報である。粘膜情報は、観察対象に含まれる血管、腺管、発赤、ひだ、粘液である。粘膜情報の選択は、コンソール19の操作によって行われる。また、選択部70は、コンソール19の操作に応じて、粘膜情報用記憶部に記憶された粘膜情報以外の粘膜情報を自由に入力可能である。
【0035】
粘膜情報抽出部72は、画像処理切替部61から受信した画像信号から、選択部70で選択された粘膜情報を抽出した粘膜情報画像信号を生成する。例えば、粘膜情報として血管及び腺管が選択されている場合では、粘膜情報抽出部72は、画像処理切替部61から受信した画像信号84を用いて、観察対象の血管86を表す血管画像信号88、及び観察対象の腺管90を表す腺管画像信号92を生成する。血管画像信号88、及び腺管画像信号92は、指標値算出部74に入力される。
【0036】
粘膜情報抽出部72は、血管86を抽出する場合には、画像処理切替部61からの画像信号84に対してブラックハットフィルタ処理を施して、血管86を抽出した血管画像信号88を生成する。
図6に示すように、粘膜情報抽出部72に入力する前の画像信号84においては、腺管90の画素はその周辺の画素よりも画素値が大きい一方で、血管86の画素はその周辺の画素よりも画素値が小さくなっている。この画像信号84に対してブラックハットフィルタ処理を施すことで、画素値が周辺の画素よりも小さい血管86の画素のみが抽出された血管画像信号88が得られる。ブラックハット処理は、ノイズを除きつつ、近隣の画素と比較して画素値が小さい画素を抽出するモルフォロジー処理(モフォロジー処理とも言う)である。
【0037】
また、腺管90を抽出する場合には、画像処理切替部61からの画像信号84に対してトップハットフィルタ処理を施す。このトップハットフィルタ処理を施すことで、
図7に示すように、画素値が周辺の画素よりも大きい腺管90の画素のみが抽出された腺管画像信号92が得られる。トップハット処理は、ノイズを除きつつ、近隣の画素と比較して画素値が大きい画素を抽出するモルフォロジー処理である。
【0038】
なお、血管86を抽出する場合においては、画像信号84に対してトップハットフィルタ処理を施した後に反転処理を行うことで、上記と同様に血管画像信号88を生成できる。一方、腺管90を抽出する場合においては、画像信号84に対してブラックハットフィルタ処理を施した後に反転処理を行うことで、上記と同様に腺管画像信号92を生成できる。このように、粘膜情報抽出部72では、同じフィルタ処理により血管86の抽出及び腺管90の抽出が可能である。そして、同じフィルタ処理により血管86の抽出及び腺管90の抽出することで、処理負担を軽減できる。
【0039】
指標値算出部74は、粘膜情報抽出部72から受信した粘膜情報画像信号に含まれる粘膜情報の指標値を算出する。指標値は、画像信号に表される観察対象の血管、腺管、発赤、ひだ、粘液のうち少なくとも1つから求められる。例えば、
図8に示すように、指標値算出部74は、粘膜情報として血管及び腺管が選択されている場合では、粘膜情報抽出部72から血管画像信号88及び腺管画像信号92を受信し、血管画像信号88から血管86の密度(単位面積中にある血管の割合)を算出するとともに、この血管86の密度が一定値以上である領域94の面積を算出する。また、腺管画像信号92から腺管90の密度(単位面積中にある腺管の割合)を算出するとともに、この腺管90の密度が一定値以上である領域96の面積を算出する。なお、指標値として、発赤が見られる領域の面積、ひだの間隔の広さ、粘液の色の濃さが一定以上である面積等を算出してもよい。算出された指標値は、判別部76に入力される。
【0040】
判別部76は、画像処理切替部61から画像信号を受信するとともに、指標値算出部74から指標値を受信し、指標値に基づいて画像信号に表される粘膜情報が特定の条件を満たすか否かの判別を行う。特定の条件は、観察対象の粘膜情報(粘膜の状態)が癌等の病変であり、かつ粘膜情報が明瞭に表されていることを示すための条件である。
図9に示すように、判別部76は、観察対象の粘膜の状態が癌等の病変であるか否かに関して、取得した指標値から、粘膜の状態が「正常」「異常」「消失」の3つの分類のうちいずれに該当するかを判定する。具体的には、算出された指標値が、血管の密度が一定値以上の面積である場合には、血管の密度に関して「正常」である状態を示す面積、「異常」である状態を示す面積、「消失」である状態を示す面積の3つの分類のうち、いずれに該当するかを判定する。また、算出された指標値が、腺管の密度が一定値以上の面積である場合には、腺管の密度に関して「正常」である状態を示す面積、「異常」である状態を示す面積、「消失」である状態を示す面積の3つの分類のうち、いずれに該当するかを判定する。そして、血管と腺管との両方が「正常」以外であった場合、判別部76は、観察対象の粘膜の状態が癌等の病変であると判定する。また、血管と腺管の片方が「異常」もしくは「消失」であった場合、判別部76は、粘膜の状態が癌以外の状態であると判定する。
【0041】
また、粘膜情報が明瞭に表されているか否かに関して、判別部76は、粘膜の状態が癌等の病変であると判別された画像信号のうち、鮮鋭度に関して最適な特定画像信号の判別を行う。鮮鋭度は、画像信号に表される粘膜情報がどれほど明瞭に表れているかを示す度合いであり、鮮鋭度が大きいほど画像信号のブレやピンボケが小さく、細い血管や微細な腺管構造等が明瞭に表されていることを示している。例えば、血管のブレやピンボケが大きい(鮮鋭度が小さい)画像では、血管の密度が一定値以上である領域の面積が小さい傾向がある。これに対し、血管のブレやピンボケが小さい(鮮鋭度が大きい)画像では、血管の密度が一定値以上である領域の面積が大きい傾向がある。したがって、判別部76は、癌等の病変であると判別された画像信号のうち、指標値が最大であり鮮鋭度に関して最適な特定画像信号の判別を行う。このため、鮮鋭度に関して最適な特定画像信号は、鮮鋭度が大きく(ブレやピンボケがなく)、診断の際に重要性が高い粘膜情報が明瞭に表されている画像信号である。この判別結果は、保存制御部80に入力される。なお、判別部76は、上記の判別を一定時間おきに行ってもよい。これにより、処理負担の軽減が可能である。
【0042】
なお、特定の条件は、指標値に対応するように設定部78によって設定可能である。例えば、血管の密度、及び腺管の密度の他、発赤が見られる領域の面積、ひだの間隔の広さ、粘液の色の濃さ等に対応して、「正常」「異常」「消失」のいずれに分類されるか等を設定可能である。
【0043】
保存制御部80は、画像処理切替部61から画像信号を受信するとともに、判別部76から判別結果を受信し、特定の条件を満たすと判別された特定画像信号を自動的に保存用記憶部96(
図2参照)に保存する。例えば、保存制御部80は、血管と腺管との両方が「正常」以外であり癌の状態を表した複数の画像信号の中から、最も血管と腺管が明瞭に表された画像信号を、特定画像信号として自動的に保存用記憶部96に保存する。
【0044】
特殊画像生成部82は、RGB画像信号を用いて、特殊画像を生成する。生成された特殊画像は、映像信号生成部68を介してモニタ18で表示可能な画像として表示するための映像信号に変換され、モニタ18に順次出力する。これにより、モニタ18に特殊画像が表示される。なお、特殊画像生成部82は、通常画像処理部66と同様に、色変換処理、色彩強調処理、及び構造強調処理を行っても良い。
【0045】
次に、本発明の作用について、
図10に示すフローチャートに沿って説明する。内視鏡12によって観察対象の撮像が行われ、画像信号が取得される(S10)。取得された画像信号は、信号処理、ノイズ除去処理などが施された後、モード切替SW12fのセット位置に応じて、通常画像処理部66または特殊画像処理部67に入力される。特殊画像処理部67にセットされている場合、特殊画像処理部67は、画像信号から粘膜情報を抽出した粘膜情報画像信号を生成する(S11)。粘膜情報は、選択部70によって、血管、腺管、発赤、ひだ、粘液の少なくとも1つが選択される。生成された粘膜情報画像信号から、観察対象に含まれる粘膜情報の指標値を算出する(S12)。そして、指標値に基づいて特定の条件を満たすか否かの判別を行い(S13)、特定の条件を満たす場合(S13−YES)、特定の条件を満たした特定画像信号を自動的に保存し(S14)、特定画像信号に基づいて生成された特殊画像をモニタ18に表示する(S15)。一方、特定の条件を満たさない場合(S13−NO)、取得した画像信号に基づいて生成された画像をモニタ18に表示する(S15)。
【0046】
以上のように、本発明は、観察対象を撮像して得られた画像信号から粘膜情報の指標値を算出し、指標値に基づいて特定の条件を満たす特定画像信号を自動的に保存するため、病変画像など診断に最適な画像を漏れなく確実に保存できる。また、診断に最適な画像が自動的に保存されることにより、内視鏡診断に不慣れなドクターに対するサポートが可能である。
【0047】
[第2実施形態]
第1実施形態では、判別部76は、特定の条件を満たすか否かの判別を行っているが、第2実施形態では、特定の条件を満たすか否かの判別に加え、内視鏡12の動き量が一定範囲内にあるか否かの判別を行う。
図11に示すように、第2実施形態では、特殊画像処理部67に、動き量算出部98と、判別部100と、保存制御部102とを備える。その他の部材は第1実施形態と同じなので省略する。
【0048】
動き量算出部98は、粘膜情報抽出部72から受信した粘膜情報画像信号から、内視鏡12の先端の動き量を算出する。具体的には、動き量算出部98では、粘膜情報抽出部72から、特定タイミングで観察対象を撮像して得られた粘膜情報画像信号と、特定タイミングよりも前の前タイミングで観察対象を撮像して得られた粘膜情報画像信号とを取得する。そして、特定タイミングの粘膜情報画像信号に表された粘膜情報に対応する画素、及び前タイミングの粘膜情報画像信号に表された粘膜情報に対応する画素について、画像信号の比較演算を行うことにより、特定タイミングと前タイミングとの間のX方向への動き量、及びY方向への動き量を算出する。算出された動き量は、判別部100に入力される。
【0049】
判別部100は、指標値算出部74から指標値を受信するとともに、動き量算出部98から動き量を受信し、指標値に基づいて特定の条件を満たすか否かの判別に加え、動き量が一定範囲内にあるか否かの判別を行う。動き量が一定範囲内にある場合では、ドクターが病変可能性部位を見つけて内視鏡12の移動を停止させ、観察対象を精査している可能性が高い。このため、動き量が一定範囲内にある場合には、診断に重要な粘膜情報や病変可能性部位が明瞭に表された特定画像信号を取得できる可能性が高い。
【0050】
保存制御部102は、画像処理切替部61から画像信号を受信するとともに、判別部100から判別結果を受信し、特定の条件を満たし、かつ動き量が一定範囲内にあると判別された特定画像信号を自動的に保存用記憶部96に保存する。
【0051】
このように、特定の条件を満たし、かつ動き量が一定範囲内にある特定画像信号を自動的に保存するため、ドクターが関心を持って精査している部位が含まれた画像の静止画を撮り逃してしまうことを防止できる。
【0052】
[第3実施形態]
第3実施形態では、特定の条件を満たすか否かの判別に加え、受信した画像信号が、特定画像信号の標本となる標本画像信号と類似するか否かの判別を行う。
図12に示すように、第3実施形態では、特殊画像処理部67に、標本画像信号記憶部104と、判別部106と、保存制御部108とを備える。
【0053】
標本画像信号記憶部104は、標本画像信号が予め記憶されている。標本画像信号は、診断に重要な粘膜の状態が明瞭に表されており、診断に最適な画像信号を示す典型的な例である。標本画像信号は、判別部106によって読み出される。
【0054】
判別部106は、画像処理切替部61から画像信号を受信し、指標値算出部74から指標値を受信するとともに、標本画像信号記憶部104から、選択された粘膜情報に対応する標本画像信号を読み出す。そして、指標値に基づいて特定の条件を満たすか否かの判別に加え、受信した画像信号が標本画像信号と類似するか否かの判別を行う。画像信号が標本画像信号と類似する場合は、受信した画像信号に、診断に重要な粘膜の状態が明瞭に表されている可能性が高い。つまり、受信した画像信号が標本画像信号と類似する場合は、診断に最適な画像信号が取得された可能性が高いことを示す。
【0055】
保存制御部108は、画像処理切替部61から画像信号を受信するとともに、判別部106から判別結果を受信し、特定の条件を満たし、かつ受信した画像信号が標本画像信号と類似すると判別された特定画像信号を自動的に保存用記憶部96に保存する。
【0056】
このように、特定の条件を満たし、かつ受信した画像信号が標本画像信号と類似する特定画像信号を自動的に保存することにより、診断に重要な粘膜情報や病変可能性部位が表されている可能性が高い画像の静止画を撮り逃してしまうことを防止できる。
【0057】
なお、判別部106は、特定の条件を満たすか否かの判別、及び受信した画像信号が標本画像信号と類似するか否かの判別に加え、第2実施形態のように動き量算出部98で算出した動き量が一定範囲内にあるか否かの判別を行うようにしてもよい。この場合、保存制御部108は、画像処理切替部61から画像信号を受信するとともに、判別部106から判別結果を受信し、特定の条件を満たし、かつ受信した画像信号が標本画像信号と類似し、かつ動き量が一定範囲内にあると判別された特定画像信号を自動的に保存用記憶部96に保存する。
【0058】
また、判別部106は、標本画像信号から得られる標本指標値と、指標値算出部74で算出された指標値とを比較して、受信した画像信号が標本画像信号と類似するか否かの判別を行ってもよい。標本指標値は、標本画像信号の観察対象に表された粘膜情報の指標値を示しており、標本画像信号に対応付けされて標本画像信号記憶部104に記憶される。算出された指標値が標本指標値と類似する場合は、受信した画像信号に表されている粘膜情報が、標本画像信号に表されている典型的な粘膜情報と類似していることを示している。したがって、判別部106は、算出された指標値が標本指標値と類似する場合に、画像信号が標本画像信号と類似していると判別できる。
【0059】
なお、特殊画像処理部67には、標本画像信号記憶部104に標本画像信号を入力するための標本画像信号入力部110が設けられていてもよい(
図12参照)。標本画像信号入力部110は、コンソール19の操作に応じて、ドクターが所望する標本画像信号を、標本画像信号記憶部104に入力する。こうすることで、ドクターが得意とする治療に関する標本画像信号の充実や、ドクターが不得意とする治療に関する標本画像信号の補填が可能となるため、ドクターにとって使い易い内視鏡システム用のプロセッサ装置を提供できる。
【0060】
[第4実施形態]
第4実施形態では、特定の条件を満たす場合に、診断に最適な画像の静止画を取得させるための操作を促すメッセージを表示させる。
図13に示すように、第4実施形態では、特殊画像処理部67に報知部112が設けられる。
【0061】
報知部112は、判別部76から判別結果を受信し、特定の条件を満たすと判別された場合に、特定の条件を満たす特定画像信号から生成される特殊画像の静止画を、内視鏡12に取得させるための操作(静止画取得指示部12gの操作)を促す報知を行う。報知部112は、特定の条件を満たすと判別された場合に、静止画を取得させる旨のメッセージに関する情報を特殊画像生成部82に送信する。
【0062】
特殊画像生成部82では、報知部112から静止画を取得させる旨のメッセージに関する情報を受信すると、画像信号に対して、静止画を取得させる旨のメッセージに関する情報をオーバーラップ処理させて、特殊画像を生成する。例えば、
図14に示すように、モニタ18上の下領域114などに、静止画を取得させる旨のメッセージに関する情報としては、「シャッタチャンスです 静止画取得操作をしてください」と表示する。また、静止画を取得させるための操作を促すマークを表示させてもよいし、静止画を取得させるための操作を音声の出力によって促すようにしてもよい。
【0063】
このように、特定の条件を満たすと判別された場合に、静止画を内視鏡12に取得させるための操作(静止画取得指示部12gの操作)を促す報知を行うことにより、内視鏡診断に不慣れなドクターに対するサポートが可能である。
【0064】
[第5実施形態]
第5実施形態では、上記第1〜第4実施形態で示した4色のLED20a〜20dの代わりに、レーザ光源と蛍光体を用いて観察対象の照明を行う。それ以外については、第1実施形態と同様である。
【0065】
図15に示すように、第5実施形態の内視鏡システム200では、光源装置14において、4色のLED20a〜20dの代わりに、中心波長445±10nmの青色レーザ光を発する青色レーザ光源(
図15では「445LD」と表記)204と、中心波長405±10nmの青紫色レーザ光を発する青紫色レーザ光源(
図15では「405LD」と表記)206とが設けられている。これら各光源204、206の半導体発光素子からの発光は、光源制御部208により個別に制御されており、青色レーザ光源204の出射光と、青紫色レーザ光源206の出射光の光量比は変更自在になっている。
【0066】
光源制御部208は、通常観察モードの場合には、青色レーザ光源204を駆動させる。これに対して、特殊観察モードの場合には、青色レーザ光源204と青紫色レーザ光源206の両方を駆動させるとともに、青色レーザ光の発光比率を青紫色レーザ光の発光比率よりも大きくなるように制御している。以上の各光源204、206から出射されるレーザ光は、集光レンズ、光ファイバ、合波器などの光学部材(いずれも図示せず)を介して、ライトガイド41に入射する。
【0067】
なお、青色レーザ光又は青紫色レーザ光の半値幅は±10nm程度にすることが好ましい。また、青色レーザ光源204及び青紫色レーザ光源206は、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが利用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードやGaNAs系レーザダイオードを用いることもできる。また、上記光源として、発光ダイオード等の発光体を用いた構成としてもよい。
【0068】
照明光学系30aには、照明レンズ45の他に、ライトガイド41からの青色レーザ光又は青紫色レーザ光が入射する蛍光体210が設けられている。蛍光体210に、青色レーザ光が照射されることで、蛍光体210から蛍光が発せられる。また、一部の青色レーザ光は、そのまま蛍光体210を透過する。青紫色レーザ光は、蛍光体210を励起させることなく透過する。蛍光体210を出射した光は、照明レンズ45を介して、観察対象の体内に照射される。
【0069】
ここで、通常観察モードにおいては、主として青色レーザ光が蛍光体210に入射するため、
図16に示すような、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体210から励起発光する蛍光を合波した白色光が、観察対象に照射される。一方、特殊観察モードにおいては、青紫色レーザ光と青色レーザ光の両方が蛍光体210に入射するため、
図17に示すような、青紫色レーザ光、青色レーザ光、及び青色レーザ光により蛍光体210から励起発光する蛍光を合波した特殊光が、検体内に照射される。
【0070】
なお、蛍光体210は、青色レーザ光の一部を吸収して、緑色〜黄色に励起発光する複数種の蛍光体(例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl
10O
17)等の蛍光体)を含んで構成されるものを使用することが好ましい。本構成例のように、半導体発光素子を蛍光体210の励起光源として用いれば、高い発光効率で高強度の白色光が得られ、白色光の強度を容易に調整できる上に、白色光の色温度、色度の変化を小さく抑えることができる。
【0071】
[第6実施形態]
第6実施形態では、上記第1〜第4実施形態で示した4色のLED20a〜20dの代わりに、キセノンランプなどの広帯域光源と回転フィルタを用いて観察対象の照明を行う。また、カラーの撮像センサ48に代えて、モノクロの撮像センサで観察対象の撮像を行う。それ以外については、第1実施形態と同様である。
【0072】
図18に示すように、第3実施形態の内視鏡システム300では、光源装置14において、4色のLED20a〜20dに代えて、広帯域光源302、回転フィルタ304、フィルタ切替部305が設けられている。また、撮像光学系30bには、カラーの撮像センサ48の代わりに、カラーフィルタが設けられていないモノクロの撮像センサ306が設けられている。
【0073】
広帯域光源302はキセノンランプ、白色LEDなどであり、波長域が青色から赤色に及ぶ白色光を発する。回転フィルタ304は、内側に設けられた通常観察モード用フィルタ308と、外側に設けられた特殊観察モード用フィルタ309とを備えている(
図19参照)。フィルタ切替部305は、回転フィルタ304を径方向に移動させるものであり、モード切替SW12fにより通常観察モードにセットされたときに、回転フィルタ304の通常観察モード用フィルタ308を白色光の光路に挿入し、特殊観察モードにセットされたときに、回転フィルタ304の特殊観察モード用フィルタ309を白色光の光路に挿入する。
【0074】
図19に示すように、通常観察モード用フィルタ308には、周方向に沿って、白色光のうち青色光を透過させるBフィルタ308a、白色光のうち緑色光を透過させるGフィルタ308b、白色光のうち赤色光を透過させるRフィルタ308cが設けられている。したがって、通常観察モード時には、回転フィルタ304が回転することで、青色光、緑色光、赤色光が交互に観察対象に照射される。
【0075】
特殊観察モード用フィルタ309には、周方向に沿って、白色光のうち特定波長の青色狭帯域光を透過させるBnフィルタ309aと、白色光のうち緑色光を透過させるGフィルタ309b、白色光のうち赤色光を透過させるRフィルタ309cが設けられている。したがって、特殊観察モード時には、回転フィルタ304が回転することで、青色狭帯域光、緑色光、赤色光が交互に観察対象に照射される。
【0076】
内視鏡システム300では、通常観察モード時には、青色光、緑色光、赤色光が観察対象に照射される毎にモノクロの撮像センサ306で検体内を撮像する。これにより、RGBの3色の画像信号が得られる。そして、それらRGB画像信号に基づいて、上記第1実施形態と同様の方法で、通常画像が生成される。
【0077】
一方、特殊観察モード時には、青色狭帯域光、緑色光、赤色光が観察対象に照射される毎にモノクロの撮像センサ306で検体内を撮像する。これにより、Bn画像信号と、G画像信号、R画像信号が得られる。これらBn画像信号と、G画像信号、R画像信号に基づいて、特殊画像の生成が行われる。特殊画像の生成には、B画像信号の代わりに、Bn画像信号が用いられる。それ以外については、第1実施形態と同様の方法で特殊画像の生成が行われる。
【0078】
なお、上記実施形態では、指標値として、血管86の密度が一定値以上である領域の面積と腺管90の密度が一定値以上である領域の面積を組み合わせて用いているが、発赤が見られる領域の面積、ひだの間隔の広さ、粘液の色の濃さが一定以上である面積などの他の指標値と組み合わせてもよい。また、1つの指標値を用いてもよいし、組み合わせる数についても自由に設定可能である。