(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6243803
(24)【登録日】2017年11月17日
(45)【発行日】2017年12月6日
(54)【発明の名称】充填状態検査装置および充填状態検査方法
(51)【国際特許分類】
B65B 57/10 20060101AFI20171127BHJP
G01F 17/00 20060101ALI20171127BHJP
G01B 5/06 20060101ALI20171127BHJP
B65B 9/087 20120101ALI20171127BHJP
【FI】
B65B57/10 C
G01F17/00 Z
G01B5/06 101
B65B9/087
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-124349(P2014-124349)
(22)【出願日】2014年6月17日
(65)【公開番号】特開2016-3032(P2016-3032A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2016年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大江 健介
(72)【発明者】
【氏名】西岡 卓馬
(72)【発明者】
【氏名】藁谷 馨
(72)【発明者】
【氏名】小西 忠弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 充
【審査官】
小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】
特開平03−289407(JP,A)
【文献】
実開昭56−024675(JP,U)
【文献】
実開昭61−105809(JP,U)
【文献】
米国特許第04729210(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/10
B65B 9/087
G01B 5/06
G01F 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続生産される連結包装体への内容物充填工程の後、前記連結包装体が個別の包装体に切り離される工程の前に、前記連結包装体への内容物の充填状態を検査する装置であって、
前記連結包装体を挟み込むように設けられた固定ローラーと可動ローラーとからなるローラーセットと、
前記可動ローラーの変位量を連続的に検知する変位量検知手段と、
前記変位量検知手段により検知された変位量の時間変化に基づいて、連結包装体の内容物の充填状態を判定する判定手段と、
前記連結包装体の収容部を封止する封止手段と、
を備え、
前記封止手段により前記連結包装体の収容部を封止する直前に前記ローラーセットによる前記連結包装体の挟み込みを行うことを特徴とする充填状態検査装置。
【請求項2】
前記連結包装体は、個別の包装体ごとに二以上の収容部を有し、
当該収容部は、それぞれ前記連結包装体の連結方向に沿って設けられる
ことを特徴とする請求項1記載の充填状態検査装置。
【請求項3】
前記連続包装体に充填される内容物は、粉末状もしくは粒状またはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項1または2記載の充填状態検査装置。
【請求項4】
前記ローラーセットは、前記連結包装体を横方向から挟み込むように設けられたことを特徴とする請求項1〜3何れか一項記載の充填状態検査装置。
【請求項5】
連続生産される連結包装体への内容物充填工程の後、前記連結包装体が個別の包装体に切り離される工程の前に、前記連結包装体への内容物の充填状態を検査する方法であって、
固定ローラーと可動ローラーとからなるローラーセットにより前記連結包装体を挟み込む工程と、
前記可動ローラーの変位量を連続的に検知する工程と、
検知された変位量の時間変化に基づいて、前記連結包装体の内容物の充填状態を判定する工程と、
前記連結包装体の収容部を封止する工程と、
を含み、
前記連結包装体の収容部を封止する工程の直前に前記ローラーセットにより前記連結包装体を挟み込む工程を行うことを特徴とする、充填状態検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続生産される連結された包装体に充填された内容物の充填状態を検査する充填状態検査装置および充填状態検査方法に関する。特に、連結された包装体に内容物が充填された後、個別の包装体に切り離される前に、連結された包装体に内容物が正しく充填されたか否かを検査する充填状態検査装置および充填状態検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、製袋充填機と呼ばれる充填機が一般的に広く用いられている。この製袋充填機は、熱接着性の巻取包装材料から製袋する工程の途中もしくは直後に内容物を充填し、口を封じ、切断する形式の包装機である。
【0003】
このような製袋充填機を用いた製袋充填工程においては、内容物が正しく充填されたか否かを検査することが重要であり、従前より様々な方法が考えられている。従来の検査方法としては、内容物の充填工程後、切断前の連結された包装体(以下、「連結包装体」という)に対し、レーザー変位計によるレーザーを照射することで連結包装体の厚みを連続的に測定し、内容物の充填有無を検知する方法が知られている。また、特許文献1には、液体が充填され、密閉シールされた連結包装体を、クランプ板で挟んだ時の板の厚さを測定し、その時に計測された厚さ寸法によって充填量の大小を測定する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−325375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したようなレーザー変位計を用いた連結包装体の厚み測定方法では、連結包装体に空気による膨らみやシワ等があった場合にも厚みとして計測してしまう場合があり、特に内容物が少量である場合には誤検知されてしまう恐れがあった。一方、特許文献1記載の方法では、連結包装体をクランプ板で挟んだ時の板の厚さを測定するので、連結包装体のシワが検知される恐れは軽減される。しかし、連結包装体の密閉時に空気が入っていた場合には、依然として空気による膨らみが検知される場合があり、内容物が少量である場合には正確な検知が困難であった。また、連結包装体の搬送速度が速い場合や、個別の包装体が連結方向に短い場合、または個別の包装体がそれぞれ複数の収容部を有して各収容部に内容物が充填されている場合等には、厚み測定を連続的に行う必要があるが、その場合クランプ板を高速で動作制御する必要があり、連結包装体の搬送を妨げずに測定を行うことは困難であった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、搬送を妨げることなく連結包装体の内容物の充填状態が検知できる充填状態検査装置および充填状態検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る充填状態検査装置は、連続生産される連結包装体への内容物充填工程の後、当該連結包装体が個別の包装体に切り離される工程の前に、当該連結包装体への内容物の充填状態を検査する装置であって、前記連結包装体を挟み込むように設けられた固定ローラーと可動ローラーとからなるローラーセットと、前記可動ローラーの変位量を連続的に検知する変位量検知手段と、前記変位量検知手段により検知された変位量の時間変化に基づいて、連結包装体の内容物の充填状態を判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る充填状態検査方法は、連続生産される連結包装体への内容物充填工程の後、当該連結包装体が個別の包装体に切り離される工程の前に、当該連結包装体への内容物の充填状態を検査する方法であって、固定ローラーと可動ローラーとからなるローラーセットにより前記連結包装体を挟み込む工程と、前記可動ローラーの変位量を連続的に検知する工程と、検知された変位量の時間変化に基づいて、正確かつ高速に連結包装体の内容物の充填状態を判定する工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る充填状態検査装置および充填状態検査方法によれば、搬送を妨げることなく連結包装体の内容物の充填状態が検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る充填状態検査装置を含む製袋充填機全体の構成を示す概略図である。
【
図2】本発明に係る充填状態検査装置を構成する検知部を示す平面図および斜視図である。
【
図3】(a)本発明に係る充填状態検査装置を構成するレーザー変位計により検知された変位量の時間変化を示すグラフ、及び(b)固定ローラー及び可動ローラーを用いない場合にレーザー変位計により検知された変位量の時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明を適用した一実施形態に用いられる、充填状態検査装置を含む製袋充填機全体の構成を示す概略図である。
【0013】
製袋充填機400は、シートロール410、縦シーラー421〜423、充填ノズル431,432、ヒーター440、横シーラー450、及びカッター460から構成される。製袋充填機400により、シートロール410から排出された包装用シート200が、縦シーラー421〜423、充填ノズル431,432、ヒーター440、横シーラー450、カッター460をそれぞれ経由して、内容物を内包した包装体100が順次製造される。
【0014】
製袋充填機400の縦シーラー421〜423と横シーラー450との間には、充填状態検査装置300が備えられる。充填状態検査装置300は、検知部310、下位支持部320、及び上位支持部330から構成される。
【0015】
次に、製袋充填機400及び充填状態検査装置300について詳細に説明する。
【0016】
シートロール410は、包装用シート200がロール状に巻かれたものである。ここで、包装用シート200は、ヒートシール可能な素材であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、もしくはポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムからなり、これらを積層したフィルムであっても良い。また、合成樹脂フィルム材料にアルミニウムや銅等の金属を蒸着したものを用いても良い。包装用シート200は、シートロール410から引き出されながら連続的に搬送される。
【0017】
包装用シート200は、縦シーラー421に到達する前に、搬送方向に沿う方向に折り目が来るように、搬送されながら二つ折りされる。このとき、二つ折りされた折部が下方に位置し、上方は開いた状態となっている。
【0018】
包装用シート200は、縦シーラー421〜423により上下方向にヒートシールされ、収容部が形成される。同時に、充填ノズル431が縦シーラー421,422の隙間から、充填ノズル432が縦シーラー422,423の隙間から、それぞれ差し込まれ、充填ノズル431からは第一内容物、充填ノズル432からは第二内容物がそれぞれ包装用シート200の各収容部に充填される。なお、
図1では簡略化して記載したが、縦シーラー421〜423及び充填ノズル431,432は、それぞれ複数個設けられていても良く、包装用シート200が搬送される速度と同期して移動しても良い。なお、こうして内容物が充填された包装用シート200は、以降の工程においては連結包装体210と呼称する。
【0019】
ところで、内容物は、特に限定されないが、固形状であることが望ましく、粉末状もしくは粒状またはこれらの混合物であることがさらに望ましい。例えば、粉末スープ等の粉末状、七味唐辛子等の粉末状と粒状の混合物からなる調味料等が挙げられる。
【0020】
その後、連結包装体210は、下位支持部320により下部のブレが制限されながら、検知部310により内容物の充填状態が検査される。下位支持部320により連結包装体210の下部のブレが制限されることで、検知部310による検査の精度を向上させることができる。
【0021】
検知部310による検査を経た連結包装体210は、上位支持部330により上方向へのブレが制限される。詳細は後述するが、検知部310では連結包装体210の下部をローラーで挟むため、連結包装体210に上方向への力が発生することがある。上位支持部330を設けることで、連結包装体210が上方向に動いてしまうことを防ぐことができる。
【0022】
連結包装体210は、ヒーター440により上端が予熱された後、横シーラー450により上端がシールされることで、収容部が封止される。ここで、ヒーター440で予熱することで、横シーラー450によるシールを確実に行うことができる。連結包装体210がヒーター440で予熱される位置は、縦シーラー423によるシール後、横シーラー450によるシール前であれば特に限定されない。連結包装体210は上位支持部330を経た後、横シーラー450によりシールされる。
【0023】
横シーラー450により上端がシールされた連結包装体210は、カッター460により切り離され、個別の包装体100が完成する。ここで、カッター460は、連結包装体210を縦シール位置で切り離す。なお、カッター460は連結包装体210を縦シール位置一箇所置きに切り離し、一つの包装体100に第一内容物と第二内容物とが別の収容部に封入されたものが順次製造される。
【0024】
図2は、本発明を適用した一実施形態に用いられる、充填状態検査装置を構成する検知部を示す平面図及び斜視図である。
【0025】
検知部310は、固定ローラー311、可動ローラー312、及びレーザー変位計313から構成される。固定ローラー311は、円柱状をなし、ローラー軸311aを中心としてローラー表面311bが回転可能となっている。また、固定ローラー311は製袋充填機400上を移動しないように固定されている。
【0026】
可動ローラー312は、円柱状をなし、ローラー軸312aを中心としてローラー表面312bが回転可能となっている。また、可動ローラー312は、平面図上、連結包装体210の進行方向に対して垂直方向に移動可能である。さらに、可動ローラー312は、バネ等の弾性体により固定ローラー311の方向に付勢され、固定ローラー311と互いの側面で接した状態を安定状態として、固定ローラー311から遠ざかるほど固定ローラー311の方向へ強い力で付勢される。以下では、可動ローラー312が固定ローラー311と接した状態を変位量ゼロとして、可動ローラー312が固定ローラー311から遠ざかるほど変位量が大きいと表現する。
【0027】
連結包装体210は、固定ローラー311のローラー表面311bと可動ローラー312のローラー表面312bとにより挟み込まれた状態で搬送される。固定ローラー311及び可動ローラー312の回転可能方向は、ともに連結包装体210の搬送方向と一致しており、可動ローラー312は連結包装体210の厚みに応じて連続的に変位し続ける。具体的には、連結包装体210には内容物が充填された箇所と縦シール部とが搬送方向に交互に配置されているが、内容物が充填された箇所が両ローラー間を通過するときには可動ローラー312の変位量は大きくなる。一方、縦シール部が両ローラー間を通過するときには、可動ローラー312の変位量は、内容物が充填された箇所が通過するときに比較して小さくなる。
【0028】
なお、連結包装体210の縦シール部は、切り離し用シール部211と、仕分け用シール部212とが交互に配置されている。切り離し用シール部211は、カッター460により切り離される位置に相当するシール部である。一方、仕分け用シール部212は、切り離し後の包装体100内で内容物を仕分けるためのシール部である。
【0029】
固定ローラー311及び可動ローラー312が連結包装体210を挟み込む位置は、内容物を挟み込む位置であれば特に限定されないが、内容物を確実に挟み込むためには、連結包装体210の下端付近を挟み込むことが望ましい。
【0030】
また、平面図上、連結包装体210の進路を遮る位置に固定ローラー311を設け、連結包装体210が固定ローラー311に押し付けられた状態で搬送されるように構成しても良い。このような構成とすることで、連結包装体210の厚みの変化がより可動ローラー312の変位に高精度に反映され、連結包装体210の厚み検知の確実性を向上させることができる。
【0031】
レーザー変位計313は、可動ローラー312の変位量の時間変化を測定するためのものである。レーザー変位計313は、レーザー発光・受光部313aを備える。レーザー発光・受光部313aからレーザーが発光され、可動ローラー312のローラー表面312bのレーザー照射エリアAに照射されると、照射されたレーザーの一部がレーザー照射エリアAから反射され、レーザー発光・受光部313aに入射される。ここでは詳述を省略するが、通常のレーザー変位計の測定原理に従い、レーザー変位計313は、レーザー発光・受光部313aに入射されたレーザーを用いて、可動ローラー312の変位量の時間変化を測定することができる。
【0032】
コンピュータ314は、レーザー変位計313と有線または無線により情報交換可能に接続され、レーザー変位計313により測定された可動ローラー312の変位量の時間変化のデータを受信する。そして、受信したデータについて解析を行い、第一内容物110及び第二内容物120がそれぞれ充填されているか否かの判定を行う。
【0033】
図3は、レーザー変位計により検知された変位量の時間変化を示すグラフである。より詳細には、
図3(a)は、レーザー変位計313により測定された変位量の時間変化を示すグラフ、
図3(b)は、比較例として、固定ローラー311及び可動ローラー312を用いずに、連結包装体210にレーザー変位計313から直接レーザーを照射した場合の変位量の時間変化を示すグラフである。これらグラフの横軸は時間、縦軸は変位量を表す。
【0034】
これらのグラフを比較すると、両グラフともに、時間変化に伴い変位量が上昇と下降を略一定の周期で繰り返している点で共通する。これは、連結包装体210の切り離し用シール部211の位置で連結包装体210の厚みが小さくなるため変位量が減少し、第一内容物110や第二内容物120の位置では連結包装体210の厚みが大きくなるため変位量が増大することによる。また、第一内容物110と第二内容物120の間に仕分け用シール部212が存在するが、仕分け用シール部212は切り離し用シール部211よりも搬送方向に短いため、比較例では、
図3(b)で示すように変位量の減少ピークがはっきり現れず、仕分け用シール部212がうまく検出できない。このため、比較例では第一内容物110または第二内容物120のいずれかが充填されているということは検知できても、第一内容物110、第二内容物120それぞれの充填有無を検知することは困難である。
【0035】
一方、本発明に係る実施の形態によれば、
図3(a)で示すように、第一内容物に対応するピーク51と第二内容物に対応するピーク52とがはっきりと現れ、仕分け用シール部211に対応する減少ピークもはっきりと現れるため、第一内容物110、第二内容物120それぞれの充填有無を検知することが可能となる。
【0036】
コンピュータ314が第一内容物110、第二内容物120それぞれの充填有無を検知する方法としては、例えば、第一内容物110、第二内容物120それぞれに対応する変位量上昇ピークの値から、直前の切り離し用シール部211に対応する変位量減少ピークの値を引き、その差が各内容物毎に予め設定されたしきい値以上である場合に内容物が充填されていると判定し、しきい値未満の場合に内容物が充填されていないと判定する方法が用いられる。このしきい値は、例えば第一内容物110の方が第二内容物120よりも充填量が多かったり充填物が大きかったりする場合には、第一内容物110に対応するしきい値を第二内容物120に対応するしきい値よりも大きく設定するなど、充填されていると判定する最低限の充填量を調整することができる。これにより、充填量が微量であっても高い精度で検知することが可能となる。
【0037】
また、切り離し用シール部211に対応する変位量減少ピークの代わりに、仕分け用シール部212に対応する変位量減少ピークの値を用いても良い。さらに、しきい値を複数段階設けることで、各内容物の充填有無のみならず、充填量を判定することもできる。
【0038】
コンピュータ314により、何れかの内容物が充填されていないと判定された場合には、コンピュータ314は製袋充填機400に対し、動作を停止する命令を送信する。命令を受信すると、製袋充填機400は製袋充填の動作を停止するため、内容物が充填されていない包装体100が製造されることを防ぐことができる。
【0039】
このように、本実施形態に係る充填状態検査装置300によれば、搬送を妨げることなく、連結包装体の内容物が微量であっても、高い精度で内容物の充填状態を検知することができる。
【0040】
なお、本願発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0041】
例えば、内容物として第一内容物110および第二内容物120の2種類を充填した包装体100について説明したが、内容物の種類は1種類でもよく、また3種類以上であってもよい。
【0042】
また、検知部310は、横シーラー450により連結包装体210の上端がシールされる前の工程に設けられるとしたが、横シーラー450の後の工程に設けてもよい。ただし、検知部310を横シーラー450より前の工程に設けることで、包装体内の空気が包装体外部に入り込んでいてもローラー間の空気が包装体外部に押し出されるため、可動ローラー312の変位に対する空気の影響が小さくなり、より内容物の検知の精度が上昇する。従って、検知部310を横シーラー450より前の工程に設けることがより好ましい。
【符号の説明】
【0043】
100…包装体
101…第一ヒートシール部
102…第二ヒートシール部
103…第三ヒートシール部
104…第四ヒートシール部
110…第一内容物
120…第二内容物
200…包装用シート
210…連結包装体
211…切り離し用シール部
212…仕分け用シール部
300…充填状態検査装置
310…検知部
311…固定ローラー
311a…ローラー軸
311b…ローラー表面
312…可動ローラー
312a…ローラー軸
312b…ローラー表面
313…レーザー変位計
313a…レーザー発光・受光部
314…コンピュータ
320…下位支持部
330…上位支持部
400…製袋充填機
410…シートロール
421…縦シーラー
422…縦シーラー
423…縦シーラー
431…充填ノズル
432…充填ノズル
440…ヒーター
450…横シーラー
460…カッター
50…変位量の時間変化グラフ
51…第一内容物に対応するピーク
52…第二内容物に対応するピーク
A…レーザー照射エリア