(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フィルタは、処理液への気泡の混入源となり得るので、フィルタに蓄積した気泡を処理液の供給に先立って十分に除去することが必要となる。複数のフィルタを用いる場合においては、各フィルタ中の気泡を効率よく除去できることが望まれる。
【0005】
本開示は、複数のフィルタ中の気泡を効率よく除去できる装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る基板処理装置は、第一フィルタ及び第一トラップタンクを含み、第一フィルタ側から第一トラップタンク側に処理液を導く第一管路と、第二フィルタを含み、第一トラップタンクの下流側と第一フィルタの上流側とを接続する第二管路と、第一トラップタンクから供給された処理液を導出する第三管路と、共通の加圧源により第一フィルタの上流側及び第二フィルタの上流側を個別に加圧可能とするように構成された第四管路と、を備える。
【0007】
この基板処理装置によれば、第一フィルタの上流側及び第二フィルタの上流側を個別に加圧することにより、気泡の除去をフィルタごとに実行できる。このため、一方のフィルタから他方のフィルタへの気泡の混入を抑制し、各フィルタにおける気泡の除去を迅速に遂行できる。また、各フィルタにおける気泡の除去に共通の加圧源を用いることが可能であるため、フィルタごとの気泡の除去を簡単な構成によって実現できる。
従って、複数のフィルタ中の気泡を効率よく除去できる。
【0008】
第一フィルタの上流側に接続された処理液の供給源を更に備え、第四管路は、供給源に接続された加圧源を共通の加圧源とした場合に、第一フィルタの上流側及び第二フィルタの上流側を個別に加圧可能とするように構成されてもよい。この場合、供給源に接続された加圧源(例えば処理液を押し出すための加圧源)をフィルタごとの気泡の除去に活用することで、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【0009】
第三管路と第一トラップタンクとの間に介在するポンプを更に備え、第四管路は、ポンプを共通の加圧源とした場合に、第一フィルタの上流側及び第二フィルタの上流側を個別に加圧可能とするように構成されてもよい。この場合、ポンプをフィルタごとの気泡の除去に活用することで、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【0010】
第四管路は、第一管路及び第二管路に対して並列に設けられてもよい。この場合、加圧源を第四管路に接続することで、当該加圧源により第一フィルタの上流側及び第二フィルタの上流側を個別に加圧可能である。このため、フィルタごとの気泡の除去を簡単な構成の第四管路によって実現できる。従って、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【0011】
第二管路は、第二フィルタの下流側に接続された第二トラップタンクを更に含んでもよい。この場合、第二フィルタから第一フィルタへの気泡の混入をより確実に防止できる。
【0012】
本開示に係る基板処理装置は、第一フィルタ及び第一トラップタンクを含み、第一フィルタ側から第一トラップタンク側に処理液を通す第一管路と、第二フィルタを含み、第一トラップタンクの下流側と第一フィルタの上流側とを接続する第二管路と、第一トラップタンクから処理液を導出する第三管路と、第一管路及び第二管路に対して並列に設けられた第四管路と、を備える。
【0013】
この基板処理装置によれば、加圧源を第四管路に接続することで、当該加圧源により第一フィルタの上流側及び第二フィルタの上流側を個別に加圧可能である。第一フィルタの上流側及び第二フィルタの上流側を個別に加圧することにより、気泡の除去をフィルタごとに実行できる。このため、一方のフィルタから他方のフィルタへの気泡の混入を抑制し、各フィルタにおける気泡の除去を迅速に遂行できる。また、各フィルタにおける気泡の除去に共通の加圧源を用いることが可能であるため、フィルタごとの気泡の除去を簡単な構成にて実現できる。従って、複数のフィルタ中の気泡を効率よく除去できる。
【0014】
本開示に係る基板処理方法は、上記基板処理装置を用い、第一フィルタ及び第二フィルタのうち、いずれか一方のフィルタの上流側に対して、第四管路を経て共通の加圧源による加圧を行い、当該一方のフィルタを通過した処理液を排出すること、第一フィルタ及び第二フィルタのうち、他方のフィルタの上流側に対して、第四管路を経ることなく共通の加圧源による加圧を行い、当該他方のフィルタを通過した処理液を排出すること、を含む。
【0015】
この基板処理方法によれば、気泡の除去をフィルタごとに実行できる。このため、一方のフィルタから他方のフィルタへの気泡の混入を抑制し、各フィルタにおける気泡の除去を迅速に遂行できる。また、各フィルタにおける気泡の除去に共通の加圧源を用いることが可能であるため、フィルタごとの気泡の除去を簡単な構成によって実現できる。
従って、複数のフィルタ中の気泡を効率よく除去できる。
【0016】
第一フィルタの上流側及び第二フィルタの下流側に接続された共通の加圧源を用い、第二フィルタの上流側に対して、第四管路を経て当該加圧源による加圧を行い、第二フィルタを通過した処理液を排出すること、第一フィルタの上流側に対して、第四管路を経ることなく当該加圧源による加圧を行い、第一フィルタを通過した処理液を排出すること、を含んでもよい。この場合、例えば供給源から処理液を押し出すための加圧源をフィルタごとの気泡の除去に活用することで、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【0017】
第一トラップタンクの下流側及び第二フィルタの上流側に接続された共通の加圧源を用い、第一フィルタの上流側に対して、第四管路を経て当該加圧源による加圧を行い、第一フィルタを通過した処理液を排出すること、第二フィルタの上流側に対して、第四管路を経ることなく当該加圧源による加圧を行い、第二フィルタを通過した処理液を排出すること、を含んでもよい。この場合、例えば処理液の導出用のポンプをフィルタごとの気泡の除去に活用することで、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、複数のフィルタ中の気泡を効率よく除去できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
〔基板処理システム〕
まず、本実施形態に係る基板処理システム1の概要を説明する。
図1に示すように、基板処理システム1は、塗布・現像装置2と露光装置3とを備える。露光装置3は、レジスト膜の露光処理を行う。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウェハW(基板)の表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
【0022】
図1及び
図2に示すように、塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6とを備える。キャリアブロック4、処理ブロック5及びインタフェースブロック6は、水平方向に並んでいる。
【0023】
キャリアブロック4は、キャリアステーション12と搬入・搬出部13とを有する。搬入・搬出部13はキャリアステーション12と処理ブロック5との間に介在する。キャリアステーション12は、複数のキャリア11を支持する。キャリア11は、例えば円形の複数枚のウェハWを密封状態で収容し、ウェハWを出し入れするための開閉扉(不図示)を一側面11a側に有する。キャリア11は、側面11aが搬入・搬出部13側に面するように、キャリアステーション12上に着脱自在に設置される。
【0024】
搬入・搬出部13は、キャリアステーション12上の複数のキャリア11にそれぞれ対応する複数の開閉扉13aを有する。側面11aの開閉扉と開閉扉13aとを同時に開放することで、キャリア11内と搬入・搬出部13内とが連通する。搬入・搬出部13は受け渡しアームA1を内蔵している。受け渡しアームA1は、キャリア11からウェハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウェハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
【0025】
処理ブロック5は、複数の処理モジュール14,15,16,17を有する。
図2及び
図3に示すように、処理モジュール14,15,16,17は、複数の液処理ユニットU1と、複数の熱処理ユニットU2と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。処理モジュール17は、これらのユニットを経ずにウェハWを搬送する直接搬送アームA6を更に内蔵している。液処理ユニットU1は、各種の処理液をウェハWの表面に供給する。熱処理ユニットU2は、例えば熱板によりウェハWを加熱し、加熱後のウェハWを例えば冷却板により冷却して熱処理を行う。
【0026】
処理モジュール14は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりウェハWの表面上に下層膜を形成する。処理モジュール14の液処理ユニットU1は、処理液の一例として、下層膜形成用の液体をウェハW上に塗布する。処理モジュール14の熱処理ユニットU2は、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、液体の塗布により形成された液膜を硬化させるための加熱処理が挙げられる。
【0027】
処理モジュール15は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により下層膜上にレジスト膜を形成する。処理モジュール15の液処理ユニットU1は、処理液の一例として、レジスト膜形成用の液体を下層膜の上に塗布する。処理モジュール15の熱処理ユニットU2は、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、液体の塗布により形成された液膜を硬化させるための加熱処理が挙げられる。
【0028】
処理モジュール16は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2によりレジスト膜上に上層膜を形成する。処理モジュール16の液処理ユニットU1は、処理液の一例として、上層膜形成用の液体をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール16の熱処理ユニットU2は、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、液体の塗布により形成された液膜を硬化させるための加熱処理が挙げられる。
【0029】
処理モジュール17は、液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2により、露光後のレジスト膜の現像処理を行う。処理モジュール17の液処理ユニットU1は、露光済みのレジスト膜を現像する液処理を行う。処理モジュール17の液処理ユニットU1は、処理液の一例として、現像液をウェハW上に塗布する。更にこの液処理ユニットU1は、処理液の一例として、リンス液をウェハW上に供給することで、レジスト膜の溶解成分を現像液と共に洗い流す。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)、現像処理後の加熱処理(PB:Post Bake)等が挙げられる。
【0030】
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、床面から処理モジュール16に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウェハWを昇降させる。
【0031】
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は床面から処理モジュール17の上部に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
【0032】
インタフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11に配置されたウェハWを露光装置3に渡し、露光装置3からウェハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
【0033】
このように構成された塗布・現像装置2の各構成要素は、概ね次の手順で塗布・現像処理を実行する。まず、受け渡しアームA1がキャリア11内のウェハWを棚ユニットU10に搬送する。このウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール14用のセルに配置し、処理モジュール14の搬送アームA3が処理モジュール14の各ユニットに搬送する。処理モジュール14の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWの表面Wa上に下層膜を形成する。下層膜の形成が完了すると、搬送アームA3がウェハWを棚ユニットU10に戻す。
【0034】
このウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール15用のセルに配置し、処理モジュール15の搬送アームA3が処理モジュール15の各ユニットに搬送する。処理モジュール15の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWの下層膜上にレジスト膜を形成する。レジスト膜の形成が完了すると、搬送アームA3がウェハWを棚ユニットU10に戻す。
【0035】
このウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール16用のセルに配置し、処理モジュール16の搬送アームA3が処理モジュール16の各ユニットに搬送する。処理モジュール16の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWのレジスト膜上に上層膜を形成する。上層膜の形成が完了すると、搬送アームA3がウェハWを棚ユニットU10に戻す。
【0036】
このウェハWを、昇降アームA7が処理モジュール17用のセルに配置し、直接搬送アームA6が棚ユニットU11に搬送する。このウェハWを受け渡しアームA8が露光装置3に送り出す。露光装置3における露光処理が完了すると、受け渡しアームA8がウェハWを露光装置3から受け入れ、棚ユニットU11に戻す。
【0037】
このウェハWを、処理モジュール17の搬送アームA3が処理モジュール17の各ユニットに搬送する。処理モジュール17の液処理ユニットU1及び熱処理ユニットU2は、搬送アームA3により搬送されたウェハWのレジスト膜の現像処理及びこれに伴う熱処理を行う。これらの処理が完了すると、搬送アームA3はウェハWを棚ユニットU10に搬送する。このウェハWを、昇降アームA7が受け渡し用のセルに配置し、受け渡しアームA1がキャリア11内に戻す。以上で、塗布・現像処理が完了する。
【0038】
〔液処理ユニット〕
続いて、本実施形態に係る基板処理装置の一例として、液処理ユニットU1について詳細に説明する。
図4に示すように、液処理ユニットU1は、ウェハ回転保持部21と、ノズル22と、給液装置23と、カップ24とを備える。
【0039】
ウェハ回転保持部21は、保持部25と、回転部26と、昇降部27とを有する。保持部25は、水平に配置されたウェハWを支持し、例えば吸着等により保持する。回転部26は、例えば電動モータ等を動力源として鉛直軸まわりに保持部25を回転させる。昇降部27は、例えばエアシリンダ等を動力源として保持部25を昇降させる。
【0040】
ノズル22は、保持部25に保持されたウェハWの上に配置され、下方に処理液を吐出する。給液装置23は、ノズル22に処理液を供給する。
【0041】
カップ24は、ウェハ回転保持部21を収容し、ウェハW上から振り切られた処理液の飛散を防ぐ。カップ24の底部には、処理液を排出するドレン孔24aが形成されている。
【0042】
コントローラ100は、液処理を実行するように液処理ユニットU1の各部を制御する。一例として、コントローラ100は、まず保持部25を上昇させるように昇降部27を制御し、ウェハ回転保持部21上にウェハWを配置するように搬送アームA3を制御し、ウェハWを保持するように保持部25を制御する。その後、コントローラ100は、保持部25を下降させるように昇降部27を制御し、ウェハWをカップ24内に収容する。
【0043】
次に、コントローラ100は、保持部25の回転を開始させるように回転部26を制御した後に、処理液をノズル22から吐出させるように給液装置23を制御する。これにより、ウェハW上に処理液が塗布される。処理液の塗布が完了すると、コントローラ100は、処理液の吐出を停止させるように給液装置23を制御し、保持部25の回転を停止させるように回転部26を制御する。
【0044】
次に、コントローラ100は、保持部25を上昇させるように昇降部27を制御し、ウェハWの保持を解除するように保持部25を制御し、ウェハWを保持部25上から搬出するように搬送アームA3を制御する。以上で液処理が完了する。
【0045】
コントローラ100は、例えば一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成されており、メモリに記録されたプログラムに従って各種制御を実行する。コントローラ100は、例えばハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体から上記プログラムを読み出すように構成されていてもよい。上記プログラムは、上述した液処理を液処理ユニットU1に実行させるためのプログラムを含む。
【0046】
〔給液装置〕
続いて、給液装置23の構成について詳細に説明する。
図5に示すように、給液装置23は、タンク30と、ガスボンベ31と、ポンプ32と、管路PL0〜PL6と、排出管D1〜D4と、バルブV0〜V14とを有する。
【0047】
タンク30は処理液を収容し、処理液の供給源として機能する。ガスボンベ31は、圧縮された不活性ガス(例えば窒素ガス)を収容しており、加圧用のガスの供給源として機能する。
【0048】
ポンプ32は、例えばダイヤフラム式、ベローズ式、ロータリー式等のポンプであり、処理液をノズル22に圧送する。
【0049】
管路PL0は、ガスボンベ31及びタンク30を接続し、ガスボンベ31からタンク30に不活性ガスを導く。
【0050】
管路PL1(第一管路)はフィルタ33(第一フィルタ)及びトラップタンク34(第一トラップタンク)を含む。フィルタ33は処理液中のパーティクルを捕集する。トラップタンク34は処理液から気体を分離する。
【0051】
管路PL1の一端部はタンク30に接続されており、フィルタ33及びトラップタンク34はタンク30側から順に並んでいる。この構成により、管路PL1は、フィルタ33側からトラップタンク34側に処理液を導く。以下、「フィルタ33の上流側」はトラップタンク34の逆側を意味し、「トラップタンク34の下流側」はフィルタ33の逆側を意味する。この定義において、タンク30はフィルタ33の上流側に接続されている。
【0052】
管路PL2(第二管路)は、フィルタ35(第二フィルタ)及びトラップタンク36(第二トラップタンク)を含む。フィルタ35は処理液中のパーティクルを捕集する。フィルタ35はフィルタ33と同種であってもよいし、異種であってもよい。例えばフィルタ35は、捕集対象の大きさがフィルタ33と異なるものであってもよい。トラップタンク36は処理液から気体を分離する。
【0053】
管路PL2は、トラップタンク34の下流側とフィルタ33の上流側とを接続している。一例として、管路PL2の一端部はトラップタンク34の下流側の接続部J1において管路PL1に接続されている。管路PL2の他端部はタンク30及びフィルタ33の間の接続部J2において管路PL1に接続されている。フィルタ35及びトラップタンク36は、管路PL2の上記一端部側から上記他端部側に並んでいる。以下、「フィルタ35の上流側」はトラップタンク36の逆側を意味し、「トラップタンク36の下流側」はフィルタ35の逆側を意味する。
【0054】
管路PL3(第三管路)の一端部はポンプ32を介してトラップタンク34に接続されており、管路PL3の他端部はノズル22に接続されている。管路PL3はトラップタンク34から供給された処理液を導出する(ノズル22に導く)。
【0055】
管路PL4(第四管路)は、管路PL1及び管路PL2に対して並列に設けられている。換言すると、管路PL4はフィルタ33及びトラップタンク36の間と、フィルタ35及びトラップタンク34の間とを接続している。一例として、管路PL4の一端部は、上記接続部J1及びフィルタ35の間の接続部J3に接続されている。管路PL4の他端部は、上記接続部J2及びトラップタンク36の間の接続部J4に接続されている。
【0056】
管路PL5,PL6は、いずれもトラップタンク34とポンプ32とを接続する。管路PL5は、トラップタンク34からポンプ32に処理液を導く。管路PL6は、ポンプ32からトラップタンク34に処理液を導く。
【0057】
排出管D1はフィルタ33に接続されており、フィルタ33内の気泡を処理液と共に排出する。排出管D2はトラップタンク34に接続されており、トラップタンク34内の気泡を処理液と共に排出する。排出管D3はフィルタ35に接続されており、フィルタ35内の気泡を処理液と共に排出する。排出管D4はトラップタンク36に接続されており、トラップタンク36内の気泡を処理液と共に排出する。
【0058】
バルブV0〜V14は、例えば電磁弁であり、コントローラ100からの指令入力に応じて開閉する。バルブV0は、管路PL0に設けられている。バルブV1〜V3は管路PL1に設けられている。バルブV1はタンク30及び接続部J2の間に配置され、バルブV2は接続部J2及びフィルタ33の間に配置され、バルブV3はフィルタ33及びトラップタンク34の間に配置されている。バルブV4〜V6は管路PL2に設けられている。バルブV4はトラップタンク34及び接続部J3の間に配置され、バルブV5はトラップタンク36及び接続部J4の間に配置され、バルブV6は接続部J4及び接続部J2の間に配置されている。バルブV7〜V10は管路PL3〜PL6にそれぞれ設けられている。バルブV11〜V14は排出管D1〜D4にそれぞれ設けられている。
【0059】
〔給液手順〕
続いて、基板処理方法の一例として、液処理ユニットU1により実行される給液手順について説明する。この給液手順は、上述した液処理において、処理液をノズル22から吐出させるための手順である。この給液手順は、第一の通液手順と、処理液の吐出手順と、第二の通液手順とを含む。以下、これらの手順について説明する。
【0060】
(第一の通液手順)
第一の通液手順は、ガスボンベ31を共通の加圧源として、フィルタ33,35、トラップタンク34,36及びポンプ32への通液を行うことで、各部の気泡を除去する手順である。第一の通液手順は、例えばフィルタ33,35の少なくともいずれかを交換した直後に実行される。第一の通液手順は、オペレータの指示入力に応じて実行されてもよい。
【0061】
図6に示すように、液処理ユニットU1は、まずステップS01を実行する。ステップS01では、コントローラ100が、バルブV0,V1,V2,V11を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV0が開くことにより、タンク30内が不活性ガスによって加圧される。バルブV1,V2が開くことにより、更にフィルタ33の上流側が加圧される。V11が開くことにより、フィルタ33を経てタンク30から排出管D1に至る流路R1が形成される(
図7参照)。このため処理液は、フィルタ33を通過してタンク30から排出管D1に流れる。これにより、フィルタ33内の気泡が除去される。
【0062】
次に、液処理ユニットU1はステップS02を実行する。ステップS02では、コントローラ100が、バルブV0,V1,V2,V3,V12を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV0が開くことにより、タンク30内が不活性ガスによって加圧される。バルブV1,V2が開くことにより、更にフィルタ33の上流側が加圧される。バルブV3,V12が開くことにより、フィルタ33及びトラップタンク34を経てタンク30から排出管D2に至る流路R2が形成される(
図8参照)。このため処理液は、フィルタ33及びトラップタンク34を通過してタンク30から排出管D2に流れる。これにより、トラップタンク34内の気泡が除去される。
【0063】
次に、液処理ユニットU1はステップS03を実行する。ステップS03では、コントローラ100がバルブV0,V1,V6,V8,V13を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV0が開くことにより、タンク30内が不活性ガスによって加圧される。バルブV1,V6,V8が開くことにより、更にフィルタ35の上流側が加圧される。バルブV13が開くことにより、フィルタ35を経てタンク30から排出管D3に至る流路R3が形成される(
図9参照)。このため処理液は、フィルタ35を通過してタンク30から排出管D3に流れる。これにより、フィルタ35内の気泡が除去される。
【0064】
次に、液処理ユニットU1はステップS04を実行する。ステップS04では、コントローラ100がバルブV0,V1,V6,V8,V14を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV0が開くことにより、タンク30内が不活性ガスによって加圧される。バルブV1,V6,V8が開くことにより、更にフィルタ35の上流側が加圧される。バルブV14が開くことにより、フィルタ35及びトラップタンク36を経てタンク30から排出管D4に至る流路R4が形成される(
図10参照)。このため処理液は、フィルタ35及びトラップタンク36を通過してタンク30から排出管D4に流れる。これにより、トラップタンク36内の気泡が除去される。
【0065】
その後、コントローラ100は、バルブV0,V1,V6,V5,V14を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV1,V6,V5が開くことにより、フィルタ35の上流側に代えてトラップタンク36の下流側が加圧される。バルブV14が開くことにより、トラップタンク36を経てタンク30から排出管D4に至る流路R5が形成される(
図11参照)。このため処理液は、トラップタンク36を通過してタンク30から排出管D4に流れる。これにより、トラップタンク36内の気泡がより確実に除去される。
【0066】
次に、液処理ユニットU1はステップS05を実行する。ステップS05では、コントローラ100が、バルブV0,V1,V6,V8,V4,V10,V7を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV0が開くことにより、タンク30内が不活性ガスによって加圧される。バルブV1,V6,V8,V4が開くことにより、更にトラップタンク36の下流側が加圧される。バルブV10,V7が開くことにより、トラップタンク34及びポンプ32を経てタンク30から管路PL3に至る流路R6が形成される(
図12参照)。このため処理液は、トラップタンク34及びポンプ32を通過してタンク30から管路PL3に流れる。これにより、ポンプ32内の気泡が除去される。
【0067】
その後、コントローラ100は、バルブV0,V1,V2,V3,V9,V7を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV1,V2が開くことにより、トラップタンク34の下流側に代えてフィルタ33の上流側が加圧される。バルブV3,V9,V7が開くことにより、フィルタ33、トラップタンク34及びポンプ32を経てタンク30から管路PL3に至る流路R7が形成される(
図13参照)。このため処理液は、フィルタ33、トラップタンク34、ポンプ32を通過してタンク30から管路PL3に流れる。これにより、ポンプ32内の気泡がより確実に除去される。
【0068】
以上で第一の通液手順が完了する。第一の通液手順は、フィルタ33,35のいずれか一方のフィルタの上流側に対して、管路PL4を経て共通の加圧源による加圧を行い、当該一方のフィルタを通過した処理液を排出すること、フィルタ33,35のうち他方のフィルタの上流側に対して、管路PL4を経ることなく共通の加圧源による加圧を行い、当該他方のフィルタを通過した処理液を排出すること、を含む。
【0069】
一例として、第一の通液手順は、フィルタ35の上流側に対して、管路PL4を経てガスボンベ31による加圧を行い、フィルタ35を通過した処理液を排出すること、フィルタ33の上流側に対して、管路PL4を経ることなくガスボンベ31による加圧を行い、フィルタ33を通過した処理液を排出すること、を含む。
【0070】
第一の通液手順にて示されるように、管路PL4は、共通の加圧源によりフィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能とするように構成されている。一例として、管路PL4は、ガスボンベ31を共通の加圧源とした場合に、フィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能とするように構成されている。
【0071】
(処理液の吐出手順)
処理液の吐出手順は、処理対象のウェハWが液処理ユニットU1に搬入された場合に、ノズル22から処理液を吐出し、ウェハWの表面Waに処理液を供給する手順である。
【0072】
図14に示すように、液処理ユニットU1は、まずステップS11を実行する。ステップS11では、処理対象のウェハWが液処理ユニットU1内にあるか否かをコントローラ100が確認する。液処理ユニットU1内に液処理対象のウェハWがないと判定した場合、液処理ユニットU1はステップS12,S13,S14を実行する。
【0073】
ステップS12では、コントローラ100が、管路PL5内を減圧するようにポンプ32を制御し、バルブV1,V2,V3,V9を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV1,V2,V3,V9が開くことにより、フィルタ33及びトラップタンク34を経てタンク30からポンプ32に至る流路R11が形成される(
図15参照)。このため、管路PL5内の減圧に応じ、処理液が流路R11を流れ、タンク30からポンプ32内に流入する。流路R11においてフィルタ33及びトラップタンク34を通過することにより、処理液中のパーティクル及び気泡が除去される。
【0074】
ステップS13では、コントローラ100が、管路PL6内を加圧するようにポンプ32を制御し、バルブV1,V6,V5,V4,V10を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV1,V6,V5,V4,V10が開くことにより、フィルタ35及びトラップタンク36を経てポンプ32からタンク30に至る流路R12が形成される(
図16参照)。このため、管路PL6内の加圧に応じ、処理液が流路R12を流れ、ポンプ32からタンク30内に戻る。流路R12においてフィルタ35及びトラップタンク36を通過することにより、処理液中のパーティクル及び気泡が更に除去される。
【0075】
ステップS14では、コントローラ100が、動作停止が必要か否かを確認する。動作停止が必要な状況としては、タンク30内における処理液の残量が過少となった場合、各部における気泡の除去を再度実行するタイミングとなった場合等が挙げられる。動作停止が必要ではない場合、コントローラ100は処理をステップS11に戻す。以後、動作停止が必要な状況となるか、ウェハWが液処理ユニットU1に搬入されるまで、液処理ユニットU1はステップS12,S13を繰り返す。これにより、管路PL1及び管路PL2の間で処理液が循環するので、フィルタ33,35及びトラップタンク34,36における処理液の滞留が抑制される。このため、滞留に起因するパーティクルの成長・混入が抑制される。
【0076】
ステップS11において、処理対象のウェハWが液処理ユニットU1内に搬入されたと判定した場合、液処理ユニットU1はステップS15,S16,S17を実行する。
【0077】
ステップS15では、コントローラ100が、管路PL3へ処理液を圧送するようにポンプ32を制御し、バルブV1,V2,V3,V9,V7を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV1,V2,V3,V9,V7が開くことにより、フィルタ33、トラップタンク34、ポンプ32を経てタンク30からノズル22に至る流路R13が形成される(
図17参照)。このため、ポンプ32による圧送に応じ、処理液が流路R13を流れ、タンク30からノズル22に供給され、ノズル22から吐出される。
【0078】
ステップS16では、コントローラ100が予め設定された基準時間の経過を待機する。基準時間は、処理内容に応じて適宜設定される。ステップS17では、コントローラ100が、バルブV7を閉じるように指令信号を出力し、管路PL3への処理液の圧送を停止するようにポンプ32を制御する。これにより、処理液の吐出が完了する。ステップS17が完了すると、コントローラ100は処理をステップS11に戻す。
【0079】
液処理ユニットU1は上述した処理を繰り返す。液処理ユニットU1は、ステップS14において動作を停止すべき状況であると判定した場合に処理を終了する。
【0080】
(第二の通液手順)
第二の通液手順は、ポンプ32を共通の加圧源として、フィルタ33,35、トラップタンク34,36への通液を行うことで、各部の気泡を除去する手順である。第二の通液手順は、例えば上述した処理液の吐出手順の合間に定期的に実行される。第二の通液手順は、オペレータの指示入力に応じて実行されてもよい。
【0081】
図18に示すように、液処理ユニットU1は、まずステップS21を実行する。ステップS21では、コントローラ100が、管路PL6内を加圧するようにポンプ32を制御し、バルブV10,V12を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV10が開くことにより、管路PL6内の加圧に伴ってトラップタンク34の下流側も加圧される。バルブV12が開くことにより、トラップタンク34を経てポンプ32から排出管D2に至る流路R21が形成される(
図19参照)。このため処理液は、トラップタンク34を通過してポンプ32から排出管D2に流れる。これにより、トラップタンク34内の気泡が除去される。
【0082】
次に、液処理ユニットU1はステップS22を実行する。ステップS22では、コントローラ100が、管路PL6内を加圧するようにポンプ32を制御し、バルブV10,V4,V8,V6,V2,V11を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV10,V4,V8,V6,V2が開くことにより、管路PL6内の加圧に伴ってフィルタ33の上流側も加圧される。バルブV11が開くことにより、フィルタ33を経てポンプ32から排出管D1に至る流路R22が形成される(
図20参照)。このため処理液は、フィルタ33を通過してポンプ32から排出管D1に流れる。これにより、フィルタ33内の気泡が除去される。
【0083】
次に、液処理ユニットU1はステップS23を実行する。ステップS23では、コントローラ100が、管路PL6内を加圧するようにポンプ32を制御し、バルブV10,V4,V13を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV10,V4が開くことにより、管路PL6内の加圧に伴ってフィルタ35の上流側も加圧される。バルブV13が開くことにより、フィルタ35を経てポンプ32から排出管D3に至る流路R23が形成される(
図21参照)。このため処理液は、フィルタ35を通過してポンプ32から排出管D3に流れる。これにより、フィルタ35内の気泡が除去される。
【0084】
次に、液処理ユニットU1はステップS24を実行する。ステップS24では、コントローラ100が、管路PL6内を加圧するようにポンプ32を制御し、バルブV10,V4,V14を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。バルブV10,V4が開くことにより、管路PL6内の加圧に伴ってフィルタ35の上流側も加圧される。バルブV14が開くことにより、フィルタ35及びトラップタンク36を経てポンプ32から排出管D4に至る流路R24が形成される(
図22参照)。このため処理液は、フィルタ35及びトラップタンク36を通過してポンプ32から排出管D4に流れる。これにより、トラップタンク36内の気泡が除去される。
【0085】
以上で第二の通液手順が完了する。第二の通液手順は、フィルタ33,35のいずれか一方のフィルタの上流側に対して、管路PL4を経て共通の加圧源による加圧を行い、当該一方のフィルタを通過した処理液を排出すること、フィルタ33,35のうち他方のフィルタの上流側に対して、管路PL4を経ることなく共通の加圧源による加圧を行い、当該他方のフィルタを通過した処理液を排出すること、を含む。
【0086】
一例として、第二の通液手順は、フィルタ33の上流側に対して、管路PL4を経てポンプ32による加圧を行い、フィルタ33を通過した処理液を排出すること、フィルタ35の上流側に対して、管路PL4を経ることなくポンプ32による加圧を行い、フィルタ33を通過した処理液を排出すること、を含む。
【0087】
第二の通液手順にて示されるように、管路PL4は、共通の加圧源によりフィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能とするように構成されている。一例として、管路PL4は、ポンプ32を共通の加圧源とした場合に、フィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能とするように構成されている。
【0088】
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、液処理ユニットU1は、フィルタ33及びトラップタンク34を含み、フィルタ33側からトラップタンク34側に処理液を導く管路PL1と、フィルタ35を含み、トラップタンク34の下流側とフィルタ33の上流側とを接続する管路PL2と、トラップタンク34から供給された処理液を導出する管路PL3と、共通の加圧源によりフィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能とするように構成された管路PL4と、を備える。
【0089】
このように構成された液処理ユニットU1によれば、フィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧することにより、気泡の除去をフィルタごとに実行できる。このため、一方のフィルタから他方のフィルタへの気泡の混入を抑制し、各フィルタにおける気泡の除去を迅速に遂行できる。また、各フィルタにおける気泡の除去に共通の加圧源を用いることが可能であるため、フィルタごとの気泡の除去を簡単な構成によって実現できる。従って、複数のフィルタ中の気泡を効率よく除去できる。
【0090】
フィルタ33の上流側に接続されたタンク30を更に備え、管路PL4は、タンク30に接続されたガスボンベ31を共通の加圧源とした場合に、フィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能とするように構成されていてもよい。この場合、タンク30に接続されたガスボンベ31をフィルタごとの気泡の除去に活用することで、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【0091】
液処理ユニットU1は、管路PL3とトラップタンク34との間に介在するポンプ32を更に備えてもよく、管路PL4は、ポンプ32を共通の加圧源とした場合に、フィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能とするように構成されていてもよい。この場合、ポンプ32をフィルタごとの気泡の除去に活用することで、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【0092】
管路PL4は、管路PL1及び管路PL2に対して並列に設けられていてもよい。この場合、加圧源を管路PL4に接続することで、当該加圧源によりフィルタ33の上流側及びフィルタ35の上流側を個別に加圧可能である。このため、フィルタごとの気泡の除去を簡単な構成の管路PL4によって実現できる。従って、装置構成の更なる単純化を図ることができる。
【0093】
管路PL2は、フィルタ35の下流側に接続されたトラップタンク36を更に含んでもよい。この場合、フィルタ35からフィルタ33への気泡の混入をより確実に防止できる。
【0094】
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、第一の通液手順、処理液の吐出手順及び第二の通液手順の各ステップは適宜省略可能である。
【0095】
必要に応じて他のステップを追加してもよい。例えば、第一の通液手順及び第二の通液手順の少なくとも一方に、減圧脱気のステップを追加してもよい。
図23は、減圧脱気のステップの一例を示している。このステップでは、コントローラ100が、管路PL5内を減圧するようにポンプ32を制御し、バルブV5,V6,V2,V3,V9を開いてその他のバルブを閉じるように指令信号を出力する。これにより、フィルタ35、トラップタンク36、フィルタ33及びトラップタンク34を経る減圧経路R31が形成される(
図23参照)。このため、管路PL5内の減圧に応じ、フィルタ35内、トラップタンク36内、フィルタ33内及びトラップタンク34内がそれぞれ減圧される。これにより、処理液中に潜在していた気体が顕在化し、処理液中の気泡の除去が促進される。
【0096】
液処理ユニットU1として例示した構成は、半導体ウェハ以外の基板を処理対象とする構成にも適用可能である。処理対象の基板としては、例えばガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)等が挙げられる。