(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記硬化性組成物は、単官能(メタ)アクリレートモノマーおよび多官能(メタ)アクリレートモノマーからなる群から選ばれる(メタ)アクリレート化合物を含む請求項8に記載の光変換部材。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明および本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明および本明細書中、ピークの「半値幅」とは、ピーク高さ1/2でのピークの幅のことを言う。また、400〜500nmの波長帯域、好ましくは430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を青色光と呼び、500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を緑色光と呼び、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を赤色光と呼ぶ。
【0029】
本発明および本明細書において、レターデーションの単位はnmである。Re(λ)、Rth(λ)は、各々、波長λにおける面内のレターデーション、および厚さ方向のレターデーションを表す。Re(λ)はKOBRA 21ADH、またはWR(王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。測定されるフィルムが、1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、またはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50°まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADH、またはWRが算出する。なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合には、フィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値、および入力された膜厚値を基に、以下の式(A)、および式(B)よりRthを算出することもできる。
【0030】
【数1】
なお、上記のRe(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、式(A)におけるnxは、面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは、面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dは膜厚である。
Rth=((nx+ny)/2−nz)×d・・・・・・・・・・・式(B)
【0031】
測定されるフィルムが、1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(optic axis)がないフィルムの場合には、以下の方法により、Rth(λ)は算出される。Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADH、またはWRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として、フィルム法線方向に対して−50°から+50°まで10°ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはWRが算出する。また、上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについては、アッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはWRはnx、ny、nzを算出する。この算出されたnx、ny、nzよりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
【0032】
なお、本明細書では、「可視光」とは、380nm〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
また、本明細書において、角度(例えば「90°」等の角度)、およびその関係(例えば「直交」、「平行」、および「交差」等)については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含むものとする。例えば、厳密な角度±10°未満の範囲内であることなどを意味し、厳密な角度との誤差は、5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましい。
本明細書において、「遅相軸」は、屈折率が最大となる方向を意味する。また、本明細書で「正面」とは、表示面に対する法線方向を意味する。
【0033】
[光変換部材]
本発明の一態様にかかる光変換部材は、入射する励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む光変換層、および、ポリビニルアセタール樹脂層、を含む。先に記載したように、ポリビニルアセタール樹脂層をバリア層として、好ましくは封止材として設けることにより、光変換層の透明性を低下させることなく、耐候性を向上することができる。
以下、上記光変換部材について、更に詳細に説明する。なお光変換部材、光変換層は、波長変換部材、波長変換層と呼ぶこともできる。
【0034】
光変換層
光変換層は、少なくとも一種の量子ドットを含み、発光特性の異なる二種以上の量子ドットを含むこともできる。公知の量子ドットには、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットA、500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットB、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットCがあり、量子ドットAは、励起光により励起され赤色光を発光し、量子ドットBは緑色光を、量子ドットCは青色光を発光する。例えば、量子ドットAと量子ドットBを含む光変換層へ励起光として青色光を入射させると、量子ドットAにより発光される赤色光、量子ドットBにより発光される緑色光と、光変換層を透過した青色光により、白色光を具現化することができる。または、量子ドットA、B、およびCを含む光変換層に励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドットAにより発光される赤色光、量子ドットBにより発光される緑色光、および量子ドットCにより発光される青色光により、白色光を具現化することができる。量子ドットは、通常、ナノオーダーのサイズを有する半導体結晶(半導体ナノ結晶)粒子、または半導体ナノ結晶表面が有機リガンドで修飾された粒子、もしくは半導体ナノ結晶表面がポリマー層で被覆された粒子である。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズ、ならびに組成およびサイズにより調整することができる。
【0035】
量子ドットの一例としては、CdSe、CdTe、CdS、ZnSe、ZnTe、ZnS、HgTe、またはHgSなどのII−VI族化合物が挙げられる。
【0036】
また、量子ドットの好ましい態様としては、コアシェル構造を有するものを挙げることもできる。コアとなる粒子に、より広いバンドギャップを持つシェルを被覆することで、量子効率を大きく向上することができ、高い発光効率を有する量子ドットを得ることができる。コアとしては、例えば、CdSe、CdTe、CdS、ZnSe、ZnTe、ZnS、HgTe、およびHgSからなる群から選択されるいずれか1つを挙げることができる。シェルとしては、CdSe、CdTe、CdS、ZnSe、ZnTe、ZnS、HgTe、およびHgSからなる群から選択されるいずれか1つを挙げることができる。さらに、InPなどのIII−V族化合物でもよい。
【0037】
コアシェル構造を有する量子ドットのより好ましい態様としては、シェルが多層構造である、いわゆるコア・マルチシェル構造を有する量子ドットを挙げることができる。バンドギャップの広いコアに、バンドギャップの狭いシェルを1層または2層以上積層し、更にこのシェルの上に、広いバンドギャップを有するシェルを積層することで、より一層発光効率の高い量子ドットを得ることができる。
【0038】
量子ドットとしては、半導体結晶粒子の表面が有機リガンドにより被覆されているもの、および保護層により被覆されているものを挙げることもできる。有機リガンドにより修飾することにより、または保護層により被覆することによって、量子ドットの化学的安定性を向上することができる。有機リガンドとしては、例えば、ピリジン、メルカプトアルコール、チオール、ホスフィン、およびホスフィン酸化物などを挙げることができる。一方、保護層は、エポキシ、シリコン、アクリル系樹脂、ガラス、カーボネート系樹脂、またはそれらの混合物などを使用してもよい。
【0039】
以上説明した量子ドットは、公知の方法で合成することができ、また市販品としても入手可能である。詳細については、例えばUS2010/123155A1、特表2012−509604号公報、米国特許第8425803号、特開2013−136754号公報、WO2005/022120、特表2006−521278号公報等を参照できる。
【0040】
ところで量子ドットとしては、カドミウムを含むものが知られているが、近年、環境負荷低減の観点から、量子ドットのカドミウムフリー化が進められている。ただしカドミウムフリーの量子ドットは、カドミウム含有量子ドットと比べ酸素等により劣化しやすい。これに対し本発明の一態様では、ポリビニルアセタール樹脂層により光変換層に含まれる量子ドットの劣化を防ぐことができる。したがって、本発明の一態様によれば、カドミウムフリー材料である量子ドットを含む光変換部材の耐候性を高めることができる。
【0041】
光変換部材における光変換層は、量子ドットを有機マトリックス中に含むことができる。有機マトリックスは、通常、重合性組成物を光照射等により重合させた重合体である。光変換層の形状は特に限定されるものではなく、シート状、バー状等の任意の形状であることができる。
【0042】
光変換層は、好ましくは塗布法により作製される。具体的には、量子ドットを含む重合性組成物(硬化性組成物)をガラスなどの基材上等に塗布し、次いで光照射等により硬化処理を施すことにより光変換層を得ることができる。
【0043】
重合性組成物の作製に用いる重合性化合物は特に限定されるものではない。硬化後の硬化被膜の透明性、密着性等の観点からは、単官能または多官能(メタ)アクリレートモノマー等の(メタ)アクリレート化合物や、そのポリマー、プレポリマー等が好ましい。なお本発明および本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方、または、いずれかの意味で用いるものとする。「(メタ)アクリロイル」等も同様である。
【0044】
単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を分子内に1個有するモノマーを挙げることができる。それらの具体例については、WO2012/077807A1段落0022を参照できる。
【0045】
上記(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を1分子内に1個有するモノマーと共に、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能(メタ)アクリレートモノマーを併用することもできる。その詳細については、WO2012/077807A1段落0024を参照できる。また、多官能(メタ)アクリレート化合物として、特開2013−043382号公報段落0023〜0036に記載のものを用いることもできる。更に、特許第5129458号明細書段落0014〜0017に記載の一般式(4)〜(6)で表されるアルキル鎖含有(メタ)アクリレートモノマーを使用することも可能である。
【0046】
多官能(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、塗膜強度の観点からは、5質量部以上とすることが好ましく、組成物のゲル化抑制の観点からは、95質量部以下とすることが好ましい。また、同様の観点から、単官能(メタ)アクリレートモノマーの使用量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、5質量部以上、95質量部以下とすることが好ましい。また、重合性組成物全量に占める全重合性化合物の含有量は、10〜99.99質量%程度とすることが好ましい。
【0047】
上記重合性組成物は、重合開始剤としては、公知のラジカル開始剤を含むことができる。重合開始剤については、例えば、特開2013−043382号公報段落0037を参照できる。重合開始剤は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。
【0048】
量子ドットは、上記重合性組成物に粒子の状態で添加してもよく、溶媒に分散した分散液の状態で添加してもよい。分散液の状態で添加することが、量子ドットの粒子の凝集を抑制する観点から、好ましい。ここで使用される溶媒は、特に限定されるものではない。量子ドットは、組成物の全量100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部程度添加することができる。
【0049】
好ましい一態様では、上記重合性組成物は、ボロン酸含有化合物およびボロン酸エステル含有化合物からなる群から選ばれるボロン酸系化合物を一種以上含む。ボロン酸系化合物は、光変換層と隣接層との密着性向上に寄与し、特に、ポリビニルアセタール樹脂層が、光変換層に直接接する隣接層として含まれる場合、光変換層とポリビニルアセタール樹脂層との密着性を大きく高めることができる。これによりポリビニルアセタール樹脂層によるバリア効果がより良好に発揮されるため、耐候性をより一層向上することができる。ここで、直接接するとは、接着層などの他の層を介さずに二層が隣接配置されていることをいうものとする。
【0050】
好ましいボロン酸系化合物としては、
一般式(Ia) T−X
1−Q
で表されるボロン酸系化合物を挙げることができる。一般式(Ia)中、X
1は二価の連結基、水素原子、または、置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基またはヘテロアリール基を表し、Tは重合性基を有する置換基を表し、Qは、ボロン酸またはボロン酸エステルを表す。但し、Tを有していなくてもよく、Tを有する場合にはX
1は二価の連結基を表す。一般式(Ia)の詳細については、特開2012−150428号公報段落0144〜0167を参照できる。
【0051】
以上説明した量子ドットを含む重合性組成物を、適当な支持体上に塗布、乾燥して溶媒を除去するとともに、その後、光照射等により重合硬化させて、量子ドット層を得ることができる。塗布方法としてはカーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。また、硬化条件は、使用する重合性化合物の種類や重合性組成物の組成に応じて、適宜設定することができる。
光変換層の総厚は、十分な励起光透過率を得る観点からは500μm以下であることが好ましく、十分な蛍光を得る観点からは1μm以上であることが好ましい。より好ましくは100〜400μmの範囲である。また、光変換層は、二層以上の積層構造であってもよく、二種以上の異なる発光特性を示す量子ドットを同一の層に含む量子ドット層を有してもよい。光変換層が複数の量子ドット層を有する場合、一層の膜厚は、好ましくは1〜300μmの範囲であり、より好ましくは10〜250μmの範囲である。
【0052】
ポリビニルアセタール樹脂層
本発明の一態様にかかる光変換部材は、以上説明した光変換層を、ポリビニルアセタール樹脂層により保護することで、量子ドットの劣化による耐候性低下を防ぐことができる。
【0053】
ポリビニルアセタール樹脂層は、接着層等の他の層を介して光変換層上に設けることもできる。ここで接着剤層等としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。耐候性のより一層の向上の観点からは、光変換層に直接接する隣接層として、ポリビニルアセタール樹脂層を設けることが好ましい。
【0054】
光変換層は、おもて面、裏面の2つの主表面と4つの側面から構成され、少なくともいずれかの表面上にポリビニルアセタール樹脂層が設けられる。耐候性向上の点からは、より広範な面積をポリビニルアセタール樹脂層により保護することが好ましい。この点から、ポリビニルアセタール樹脂層は、好ましくはいずれか一方の主表面上に設けられ、より好ましくは両主表面上に設けられ、より一層好ましくは両主表面と4つの側面の全表面上に、即ち、封止材として設けられる。
【0055】
ポリビニルアセタール樹脂層は、少なくともポリビニルアセタールを含み、その含有割合は、ポリビニルアセタール樹脂層の重量を100%として40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが更に好ましく、80質量%以上であることがより一層好ましい。ポリビニルアセタールによるバリア性を損なわない限り、ポリビニルアセタール以外の樹脂と混合することも可能であり、また、無機物(酸化チタン、タルク等)を混合することも可能である。特に好ましい態様では、樹脂成分の全量がポリビニルアセタールである。
【0056】
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルアセタール中のビニルアセテート成分が20モル%以下のものが好ましく、5モル%以下のものがより好ましく、2モル%以下のものがさらに好ましい。
【0057】
ポリビニルアセタールは、通常ビニルアセタール成分、ビニルアルコール成分およびビニルアセテート成分から構成されており、これらの各成分量は、例えば、JIS K 6728:1977年「ポリビニルブチラール試験方法」や核磁気共鳴法(NMR)に基づいて測定することができる。
【0058】
ポリビニルアセタールが、ビニルアセタール成分以外の成分を含む場合は、通常ビニルアルコールの成分量とビニルアセテートの成分量を測定し、ポリビニルアセタールの全量からこれらの両成分量を差し引くことで、残りのビニルアセタール成分の量を算出することができる。
【0059】
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルアルコールにアルデヒド類を反応させてなるものを用いることができる。このようなポリビニルアセタールは、公知の方法により製造することができる。
【0060】
ポリビニルアセタールの平均重合度は、良好な成膜を可能にする観点からは、100〜5000の範囲であることが好ましく、400〜3000の範囲であることがより好ましく、600〜2500の範囲であることがさらに好ましく、700〜2300の範囲であることが一層好ましく、750〜2000の範囲であることがより一層好ましい。ポリビニルアセタールの平均重合度は、原料であるポリビニルアルコールの平均重合度と一致する。ポリビニルアルコールの平均重合度は、例えば、JIS K 6726「ポリビニルアルコール試験方法」に基づいて測定することができる。
【0061】
また、ポリビニルアセタールの酸価は、ポリビニルアセタール樹脂層の着色抑制および腐食防止の観点からは、0.50KOHmg/g以下であることが好ましく、0.30KOHmg/g以下であることがより好ましく、0.10KOHmg/g以下であることがさらに好ましく、0.06KOHmg/g以下であることが一層好ましい。また、ポリビニルアセタールの酸価は、例えば0.01KOHmg/g以上であるが、特に限定されるものではない。ここで、ポリビニルアセタールの酸価は、JIS K6728:1977年に準じて測定される値である。
【0062】
ポリビニルアセタールの原料として用いられるポリビニルアルコール、アルデヒド、およびポリビニルアセタールの調製方法などの詳細については、特許第5231686号明細書段落0028〜0039、0052、0053〜0060を参照できる。アルデヒドとしては、同明細書段落0035に記載の各種アルデヒドを例示することができる。アルデヒドとしては、炭素数2〜6程度のものが望ましく、より一層の耐候性向上を考慮すると、ブチルアルデヒドが好ましい。即ち、本発明の一態様において好適に用いられるポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールである。
【0063】
ポリビニルアセタール樹脂層には、成膜性向上等の観点から適量の可塑剤を添加することもできるが、添加する場合、可塑剤の含有量は、ポリビニルアセタール100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。可塑剤により、ポリビニルアセタール樹脂層の透湿度が高まりポリビニルアセタール樹脂層によるバリア効果が低下するからである。可塑剤の添加量は、ポリビニルアセタール100質量部に対して8質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることが更に好ましく、4質量部未満であることが一層好ましく、3質量部以下であることが更に一層好ましく、2質量部以下であることがなお一層好ましく、0質量部であってもよい。使用可能な可塑剤の詳細については、特許第5231686号明細書段落0042〜0043を参照できる。また、ポリビニルアセタール樹脂層は、公知の添加剤を含むこともできる。使用可能な添加剤の詳細については、特許第5231686号明細書段落0044〜0049を参照できる。
【0064】
以上説明したポリビニルアセタールを単独で、または必要に応じて適量の添加剤を配合し、均一に混練した後、押出し法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等、公知の製膜方法によりシートを作製し、これを光変換層に貼り合せることで光変換層上にポリビニルアセタール樹脂層を設けることができる。シートの作製方法の詳細については、特許第5231686号明細書段落0051を参照できる。貼り合せは、例えば、接着層により、接着剤を用いるラミネートにより、または接着剤を用いないラミネート(熱圧着)により行うことができる。熱圧着によるラミネートによれば、光変換部材と直接接する隣接層としてポリビニルアセタール樹脂層を設けることができるため、耐候性の更なる向上の点から好ましい。
【0065】
ポリビニルアセタール樹脂層の厚さは、特に限定されないが、厚いほどラミネートが容易であり、薄いほどコスト面で有利である。以上の点から、ポリビニルアセタール樹脂層の厚さは、10〜10,000μmの範囲であることが好ましく、50〜3,000μmの範囲であることがより好ましく、100〜1,000μmの範囲であることがさらに好ましい。
【0066】
以上説明した光変換部材は、液晶表示装置の構成部材として用いることができる。一態様では、液晶表示装置の液晶パネルの構成部材として、他の一態様ではバックライトユニットの構成部材として用いることができる。これら態様の詳細は、後述する。
【0067】
[偏光板、液晶パネル]
本発明の更なる態様は、
上記光変換部材と、
円偏光を出射するコレステリック液晶層である偏光子と、
を含み、光変換部材とコレステリック液晶層との間に、光変換部材のポリビニルアセタール樹脂層と直接接する隣接層としてλ/4板を有する。
通常、λ/4板を作製するためには、λ/4板に含まれる液晶性化合物を配向させるための配向膜が用いられる。これに対し上記偏光板では、λ/4板作製のための配向膜としての機能を、光変換層を保護するためのポリビニルアセタール樹脂層が果たすことができる。このように、ある層が2つの機能を果たし構成部材数を低減することにより、液晶表示装置の薄型化および軽量化を実現することができる。
【0068】
本発明の更なる態様は、液晶セルと、上記偏光板と、を少なくとも含む液晶パネルに関する。
上記偏光板は、偏光子から出射される円偏光をλ/4板により直線偏光に変換し液晶セルに入射させることができるため、好ましい一態様では、液晶パネルのバックライト側偏光板として用いられる。この場合、光変換部材がλ/4板と液晶セルとの間に配置される。上記液晶パネルでは、光変換部材が液晶セルと対向配置され、λ/4板と液晶セルとの間に光変換部材が配置されている。したがって、偏光子から出射された円偏光はλ/4板により直線偏光に変化され光変換部材に入射し、光変換部材において光変換(波長変換)されて液晶セルに入射することができる。他の一態様では、上記光変換部材を有する偏光板は、反射偏光子を含み、いわゆる輝度向上膜として、バックライト側偏光板のバックライト側表面上に配置される。
【0069】
以下、上記偏光板および液晶パネルについて、更に詳細に説明する。
【0070】
(偏光板)
上記偏光板に含まれるコレステリック液晶層は、少なくとも偏光機能を有するものであればよく、好ましくは反射偏光子としての機能を有する。反射偏光子とは、入射光の中の第一の偏光状態の光を反射し、第二の偏光状態の光を透過する機能を有する。反射偏光子により反射された第一の偏光状態の光は、バックライトユニットに含まれる反射部材(導光器、光共振器と言われることもある。)により、その方向および偏光状態をランダム化され再循環される。これにより、液晶表示装置の表示面の輝度を向上させることができる。即ち、偏光子として反射偏光子を含む態様では、上記偏光板は、輝度向上膜として機能することができる。反射偏光子を透過した第二の偏光状態(例えば、左円偏光)の光は、λ/4板により直線偏光に変換され、液晶セルに入射することができる。偏光子(直線偏光子)を透過することができる。λ/4板は、単層であっても、2層以上の積層体であってもよく、2層以上の積層体であることが好ましい。
【0071】
円偏光を出射する反射偏光子として使用されるコレステリック液晶層は、好ましくは、
430〜480nmの波長帯域に反射中心波長を有し、半値幅が100nm以下である反射率のピークを有し、円偏光を出射する、コレステリック液晶相を固定してなる第一の光反射層と、
500〜600nmの波長帯域に反射中心波長を有し、半値幅が100nm以下である反射率のピークを有し、円偏光を出射する、コレステリック液晶相を固定してなる第二の光反射層と、
600〜650nmの波長帯域に反射中心波長を有し、半値幅が100nm以下である反射率のピークを有し、円偏光を出射する、コレステリック液晶相を固定してなる第三の光反射層と、
を含む反射偏光子である。
【0072】
ところで、従来の輝度向上膜は、白色光に対する広帯域の光リサイクル機能を付与するため、多層構成、部材の波長分散性を考慮した複雑な設計の上、製造コストが高いという課題があった。これに対し本発明の一態様にかかる液晶パネルは、量子ドットを含む光変換部材を備えるため、RGB波長領域の発光ピークが狭いRGBの輝線光(好ましくは半値幅100nm以下)を得ることができる。したがって、RGB波長領域に狭い反射ピークを有する上記の反射偏光子を用いて光利用率を上げることで、シンプルな構成で、正面輝度、正面コントラストおよび色再現域の向上が可能となる。偏光板の膜厚を薄くする観点から、上記反射偏光子はコレステリック液晶層として、第一の光反射層、第二の光反射層、第三の光反射層のみを有することが好ましく、すなわちその他のコレステリック液晶層を有さないことが好ましい。
以下、上記の光反射層について説明する。
【0073】
第一の光反射層は、430〜480nmの波長帯域に反射中心波長を有し、半値幅が100nm以下である反射率のピークを有する。
第一の光反射層の反射中心波長は、430〜470nmの波長帯域にあることが好ましい。
第一の光反射層の反射率のピークの半値幅は、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが特に好ましい。
【0074】
第二の光反射層は、500〜600nmの波長帯域に反射中心波長を有し、半値幅が100nm以下である反射率のピークを有する。
第二の光反射層の反射中心波長は、520〜560nmの波長帯域にあることが好ましい。
第二の光反射層の反射率のピークの半値幅は、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが特に好ましい。
【0075】
第三の光反射層は、600〜650nmの波長帯域に反射中心波長を有し、半値幅が100nm以下である反射率のピークを有する。
第三の光反射層の反射中心波長は、610〜640nmの波長帯域にあることが好ましい。
第三の光反射層の反射率のピークの半値幅は、100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることがより好ましく、70nm以下であることが特に好ましい。
ピークを与える波長(すなわち反射中心波長)は、コレステリック液晶層のピッチまたは屈折率を変えることにより調整することができるが、ピッチを変えることはキラル剤の添加量を変えることによって容易に調整可能である。具体的には富士フイルム研究報告No.50(2005年)pp.60−63に詳細な記載がある。
【0076】
第一、第二、第三の光反射層の積層順について説明する。いずれの順番でも正面輝度を向上させることができる。ただし、斜め方位では第一、第二、第三の光反射層の影響で色づきが発生する。この理由は以下の2つである。1つ目の理由は、斜め方位において、光反射層の反射率のピーク波長は正面のピーク波長に対して短波側にシフトすることである。例えば、500〜600nmの波長帯域に反射中心波長を有する光反射層は、斜め方位では400〜500nmに波長帯域に中心波長がシフトする。もう1つの理由は、光反射層は反射しない波長領域においては負のCプレート(Rthでは正の位相差板)として作用するため、斜め方位ではレターデーションの影響で色づきが発生する。本発明者らは、上記の色づきの理由を詳細に検討した結果、第一、第二、第三の光反射層の積層順によって、色づき抑止に最も好ましい配置順があることを見出した。すなわち、バックライトユニット(光源)側から見て、最も波長の小さい第一の光反射層を光源側に位置させ(Blue層:B)、次に最も波長の大きい第三の光反射層を位置させ(Red層:R)、次に中間の波長の第二の光反射層(Green層:G)を位置させることが、最も好ましい。すなわち、バックライトユニット(光源)側から順に、BRG(第一の光反射層、第三の光反射層、第二の光反射層)の順となる。
第一、第二、第三の光反射層の積層順は、バックライトユニット側から順にBRG(第一の光反射層、第三の光反射層、第二の光反射層)、BGR(第一の光反射層、第二の光反射層、第三の光反射層)、GBR(第二の光反射層、第一の光反射層、第三の光反射層)、GRB(第二の光反射層、第三の光反射層、第一の光反射層)、RBG(第三の光反射層、第一の光反射層、第二の光反射層)またはRGB(第三の光反射層、第二の光反射層、第一の光反射層)という配置順のいずれかであり;
バックライトユニット側から順にBRG(第一の光反射層、第三の光反射層、第二の光反射層)、BGR(第一の光反射層、第二の光反射層、第三の光反射層)またはGBR(第二の光反射層、第一の光反射層、第三の光反射層)という配置順であることが好ましく;
バックライトユニット側から順にBRG(第一の光反射層、第三の光反射層、第二の光反射層)というという配置順であることがより好ましい。
【0077】
上記コレステリック液晶相を固定してなる光反射層の製造方法は、特に制限はないが、例えば、特開平1−133003号公報、特許3416302号、特許3363565号、特開平8−271731号公報に記載の方法を用いることができ、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。より詳しくは、特開平8−271731号公報段落0011〜0015を参照できる。
【0078】
λ/4板は、反射偏光子から出射された円偏光を直線偏光に変換するための層である。同時に、厚さ方向のレターデーション(Rth)を調節することで、斜め方位から見た場合に発生する正の厚さ方向の位相差をキャンセルすることが可能となる。
従って、λ/4板の厚さ方向のレターデーション(Rth)は、0に近い値であれば好ましく、負の値を有することが更に好ましい。好ましいRth値は、光反射層の層順に依存して異なる。これは、前述したように光反射層は反射しない波長領域においては負のCプレートすなわち正のRthの位相差板として作用するため、光反射層の順序が、好ましいレターデーションを与える波長に直接影響するためである。第一、第二および第三の光反射層の配置順序に応じた、好ましいλ/4板のRthの範囲は以下の表1に示す通りである。
【0080】
上記λ/4板は、波長550nmにおける面内方向のレターデーションRe(550)が、下記式(2)を満たすことが好ましい。
550/(4−25)<Re(550)<550/(4+25) …(2)
式(2)は、より好ましくは下記式(2’)であり、更に好ましくは下記式(2’’)である。
式(2’) 550nm/4−15nm<Re(550)<550nm/4+15nm
式(2’’) 550nm/4−5nm<Re(550)<550nm/4+5nm
【0081】
上記λ/4板は、更に、下記(1)、(3)および(4)を満たすことが好ましい。
式(1) 450nm/4−25nm<Re(450)<450nm/4+25nm
式(3) 630nm/4−25nm<Re(630)<630nm/4+25nm
式(4) Re(450)<Re(550)<Re(630)
【0082】
式(1)、(3)、(4)は、好ましくは下記式(1’)、(3’)、(4’)である。
式(1’) 450nm/4−15nm<Re(450)<450nm/4+15nm
式(3’) 630nm/4−15nm<Re(630)<630nm/4+15nm
式(4’) Re(450)<Re(550)<Re(630)
式(1)、(3)、(4)は、更に好ましくは下記式(1’’)、(3’’)、(4’’)である。
式(1’’) 450nm/4−5nm<Re(450)<450nm/4+5nm
式(3’’) 630nm/4−5nm<Re(630)<630nm/4+5nm
式(4’’) Re(450)<Re(550)<Re(630)
【0083】
λ/4板の製造方法としては、特に制限はない。位相差フィルムの重畳体からなる1/4波長板としては、例えば単色光に対して1/2波長の位相差を与えるものと、1/4波長の位相差を与えるものとを、それらの光軸を交差させて積層したものが挙げられる。単色光に対して1/2波長または1/4波長の位相差を与える位相差フィルムの複数枚をそれらの光軸を交差させて積層することにより、複屈折光の屈折率差(△n)と厚さ(d)の積(△nd)で定義されるレターデーションの波長分散を重畳ないし加減できて任意に制御でき、全体としての位相差を1/4波長に制御しつつ波長分散を抑制して、広い波長域にわたり1/4波長の位相差を示す波長板とすることができる。λ/4板の製造方法としては、例えば特開平8−271731号公報に記載の方法を用いることができ、この公報の内容は本発明に組み込まれる。より詳しくは、特開平8−271731号公報段落0016〜0024を参照できる。
【0084】
一方、好ましくは式(2)、より好ましくは式(1)〜(4)を満たすλ/4板は、以下のλ/2板およびλ/4板として用いられる光学異方性層の積層体として調製したものを用いることもできる。
【0085】
λ/2板およびλ/4板として用いられる光学異方性層は、液晶化合物を主成分とする硬化性組成物の1種または複数種から形成することができる。液晶化合物は、重合性基を有する液晶化合物が好ましい。好ましくは式(2)、より好ましくは式(1)〜(4)を満たすλ/4板に使用されるλ/4板は、支持体自身で目的のλ/4機能を有する光学異方性支持体であってもよいし、ポリマーフィルムからなる支持体上に光学異方性層等を有していてもよい。後者の場合、支持体上に他の層を積層させることで所望のλ/4機能を持たせる。光学異方性層の構成材料については特に制限されない。液晶性化合物を含有する組成物から形成され、液晶性化合物の分子の配向によって発現された光学異方性を示す層であっても、ポリマーフィルムを延伸してフィルム中の高分子を配向させて発現させた光学異方性を有する層であっても、双方の層を有していてもよい。すなわち、1枚または2枚以上の二軸性フィルムによって構成することができるし、またCプレートとAプレートとの組合せ等、一軸性フィルムを2枚以上組合せることでも構成することができる。1枚以上の二軸性フィルムと、1枚以上の一軸性フィルムとを組み合わせることによっても構成することもできる。
ここで、好ましくは式(2)、より好ましくは式(1)〜(4)を満たすλ/4板に用いられる「λ/4板」とは、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)が
Re(λ)=λ/4
を満たす光学異方性層のことをいう。上式は可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよいが、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が
115nm≦Re(550)≦155nm
であることが好ましく、120nm〜145nmの範囲であることがより好ましい。この範囲であると、後述するλ/2板と組み合わせたときに、反射光の光漏れを視認されない程度まで低減できるため好ましい。
【0086】
好ましくは式(2)、より好ましくは式(1)〜(4)を満たすλ/4板に使用されるλ/2板は、支持体自身で目的のλ/2機能を有する光学異方性支持体であってもよいし、ポリマーフィルムからなる支持体上に光学異方性層等を有していてもよい。後者の場合、支持体上に他の層を積層させることで所望のλ/2機能を持たせる。光学異方性層の構成材料については特に制限されない。液晶性化合物を含有する組成物から形成され、液晶性化合物の分子の配向によって発現された光学異方性を示す層であっても、ポリマーフィルムを延伸してフィルム中の高分子を配向させて発現させた光学異方性を有する層であっても、双方の層を有していてもよい。すなわち、1枚または2枚以上の二軸性フィルムによって構成することができるし、またCプレートとAプレートとの組合せ等、一軸性フィルムを2枚以上組合せることでも構成することができる。1枚以上の二軸性フィルムと、1枚以上の一軸性フィルムとを組み合わせることによっても構成することもできる。
ここで、好ましくは式(2)、より好ましくは式(1)〜(4)を満たすλ/4板(C)に用いられる「λ/2板」とは、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)が
Re(λ)=λ/2
を満たす光学異方性層のことをいう。上式は可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよい。さらに、好ましくは、λ/2板の面内レターデーションRe1がλ/4板の面内レターデーションRe2に対し実質的に2倍であるように設定される。
ここで、「レターデーションが実質的に2倍である」とは、
Re1=2×Re2±50nm
であることを意味する。
Re1=2×Re2±20nm
であることがより好ましく、
Re1=2×Re2±10nm
であることがさらに好ましい。上式は可視光域のいずれかの波長において達成されていればよく、波長550nmにおいて達成されていることが好ましい。この範囲であると、上述のλ/4板と組み合わせたときに、反射光の光漏れを視認されない程度まで低減できるため好ましい。
【0087】
上記光変換部材および反射偏光子を含む偏光板が輝度向上膜としてバックライト側偏光板上に配置される場合、反射偏光子から出射されλ/4板を透過した直線偏光の方向は、バックライト側偏光板の透過軸方向と平行となるよう積層される。
λ/4板が単層の場合には、λ/4板の遅相軸方向と偏光板の吸収軸方向のなす角は45°になる。
λ/4板がλ/4板とλ/2板の積層体の場合には、それぞれの遅相軸方向と偏光板の吸収軸方向のなす角は、次のような位置関係となる。
【0088】
λ/2板の波長550nmにおけるRthが負である場合には、λ/2板の遅相軸方向と偏光板の吸収軸方向とのなす角が75°±8°の範囲であることが好ましく、75°±6°の範囲であることがより好ましく、75°±3°の範囲であることがさらに好ましい。さらにこのとき、λ/4板の遅相軸方向と偏光板の吸収軸方向とのなす角が15°±8°の範囲であることが好ましく、15°±6°の範囲であることがより好ましく、15°±3°の範囲であることがさらに好ましい。上記の範囲であると、反射光の光漏れを視認されない程度まで低減できるため好ましい。
【0089】
また、λ/2板の波長550nmにおけるRthが正である場合には、λ/2板の遅相軸方向と偏光板の吸収軸方向とのなす角が15°±8°の範囲であることが好ましく、15°±6°の範囲であることがより好ましく、15°±3°の範囲であることがさらに好ましい。さらにこのとき、λ/4板の遅相軸方向と偏光板の吸収軸方向とのなす角が75°±8°の範囲であることが好ましく、75°±6°の範囲であることがより好ましく、75°±3°の範囲であることがさらに好ましい。上記の範囲であると、反射光の光漏れを視認されない程度まで低減できるため好ましい。
【0090】
光学異方性支持体の材料について特に制限はない。光学異方性支持体の材料として使用可能なポリマーフィルムについては、例えば、特開2012−108471号公報段落0030を参照できる。
【0091】
λ/2板およびλ/4板がポリマーフィルム(透明支持体)と光学異方性層との積層体である場合、光学異方性層は、液晶性化合物を含有する組成物から形成された層を少なくとも一層含んでいることが好ましい。即ち、ポリマーフィルム(透明支持体)と液晶性化合物を含有する組成物から形成された光学異方性層との積層体であることが好ましい。透明支持体には光学異方性が小さいポリマーフィルムを用いてもよいし、延伸処理などにより光学異方性を発現させたポリマーフィルムを用いてもよい。支持体は光透過率が80%以上であることが好ましい。
【0092】
λ/2板およびλ/4板が有してもよい光学異方性層の形成に用いられる液晶性化合物の種類については特に制限されない。詳細については、例えば、特開2012−108471号公報段落0032および0033を参照できる。
【0093】
一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプと円盤状タイプに分類できる。さらにそれぞれ低分子と高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いることが好ましい。2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。温度変化や湿度変化を小さくできることから、反応性基を有する棒状液晶化合物または円盤状液晶化合物を用いて形成することがより好ましく、少なくとも1つは1液晶分子中の反応性基が2以上あることがさらに好ましい。液晶化合物は二種類以上の混合物でもよく、その場合少なくとも1つが2以上の反応性基を有していることが好ましい。
棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報や特開2007−279688号公報に記載のものを好ましく用いることができ、ディスコティック液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報や特開2010−244038号公報に記載のものを好ましく用いることができるが、これらに限定されない。
【0094】
λ/2板およびλ/4板が、液晶性化合物を含有する光学異方性層を含む場合、光学異方性層は一層のみからなっていてもよいし、二層以上の光学異方性層の積層体であってもよい。
【0095】
光学異方性層の形成については、例えば、特開2012−108471号公報段落0035、0201、0202〜0211を参照できる。
【0096】
光学異方性層を支持する透明支持体(ポリマーフィルム)の面内のレターデーション(Re)は0〜50nmであることが好ましく、0〜30nmであることがより好ましく、0〜10nmであることがさらに好ましい。上記の範囲であると、反射光の光漏れを視認されない程度まで低減できるため好ましい。
【0097】
また、上記支持体の厚さ方向のレターデーション(Rth)は、その上または下に設けられる光学異方性層との組み合わせによって選択することが好ましい。それによって、斜め方向から観察したときの反射光の光漏れ、および色味付きを低減することができる。
【0098】
支持体を構成するポリマーの例としては、例えば特開2012−108471号公報段落0213に記載のものが挙げられる。中でもトリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、脂環式構造を有するポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
【0099】
透明支持体の厚さは、例えば10μm〜200μm程度であり、好ましくは10μm〜80μmであり、20μm〜60μmであることが外光反射の抑制の点で好ましい。また、透明支持体は複数枚の積層からなっていてもよい。透明支持体とその上に設けられる光学異方性層との接着を改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処理)を施してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。また、透明支持体や長尺の透明支持体には、搬送工程でのすべり性を付与したり、巻き取った後の裏面と表面の貼り付きを防止するために、平均粒径が10〜100nm程度の無機粒子を固形分重量比で5%〜40%混合したポリマー層を支持体の片側に塗布や支持体との共流延によって形成したものを用いることが好ましい。
【0100】
(液晶セル)
液晶セルの駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。
【0101】
液晶セルは、通常、2枚の基板と、これら2枚の基板間に位置する液晶層と、を含む。基板は、ガラス基板が一般的であるが、プラスチック基板、またはガラスとプラスチックとの積層体でもよい。プラスチック単独を基板する場合には、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルサルフォン)など面内で光学異方性をほとんど有さない材質が、液晶層による偏光制御を阻害しないため、有用である。1枚の基板の厚さは、一般に50μm〜2mmの範囲である。
【0102】
液晶セルの液晶層は、通常、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成される。通常、基板上には、透明電極層が、導電性物質を含む透明な膜として形成される。液晶セルには、更にガスバリア層、ハードコート層、透明電極層の接着に用いるアンダーコート層(下塗り層)等の層が設けられる場合もある。これらの層は、通常、基板上に設けられる。
【0103】
(偏光子)
上記光変換部材を含む偏光板以外の偏光板としては、特に限定されるものではなく、液晶表示装置に通常用いられる偏光板を、何ら制限なく使用することができる。例えば、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬して延伸した延伸フィルム等を偏光子として含む偏光板を用いることができる。偏光子の厚さは特に限定されない。液晶表示装置の薄型化の観点からは、薄いほど好ましく、偏光板のコントラストを維持するためには一定の厚みを有することが好ましい。以上の点から、視認側偏光子、バックライト側偏光子とも、厚みは0.5μm〜80μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5μm〜50μm、更に好ましくは1μm〜25μmの範囲である。また、視認側偏光子とバックライト側偏光子の厚みは同じであってもよく、異なっていてもよい。偏光子の詳細については、特開2012−189818号公報段落0037〜0046を参照できる。
【0104】
(保護フィルム)
偏光板は、通常、偏光子の一方または両方の面に、保護フィルムを有する。本発明の一態様にかかる液晶パネルにおいても、視認側偏光子、バックライト側偏光子は、それぞれ、一方または両方の面に、保護フィルムを有していてもよい。保護フィルムの厚さは適宜設定し得るが、一般には、強度や取扱い等の作業性、薄層化等の点から1〜500μm程度であり、1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、5〜150μmが更に好ましい。なお、視認側偏光子、バックライト側偏光子とも、保護フィルムを介さずに液晶セルと貼り合わせてもよい。液晶セルの、特に基板が、バリア機能を発揮し得るからである。
【0105】
偏光板の保護フィルムとしては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性等に優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、環状ポリオレフィン樹脂(ノルボルネン系樹脂)、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびこれらの混合物が挙げられる。保護フィルムとして使用可能な樹脂の詳細については、特開2012−189818号公報段落0049〜0054を参照できる。
【0106】
偏光板保護フィルムとしては、熱可塑性樹脂フィルム上に一層以上の機能層を有するものを使用することもできる。機能層としては、低透湿層、ハードコート層、反射防止層(低屈折率層、中屈折率層、高屈折率層など屈折率を調整した層)、防眩層、帯電防止層、紫外線吸収層などが挙げられる。例えば、偏光板保護フィルムとして低透湿層を有する保護フィルムを用いることは、湿度変化による偏光子の変形を抑制するうえで有効である。これらの機能層については、公知技術を何ら制限なく適用することができる。機能層を有する保護フィルムの層厚は、例えば5〜100μmの範囲であり、好ましくは10〜80μm、より好ましくは15〜75μmの範囲である。なお熱可塑性樹脂フィルムなしで、機能層のみを偏光子に積層することも可能である。
【0107】
(接着層、粘着層)
偏光子と保護フィルムは、公知の接着層ないし粘着層により貼り合わせることができる。詳細については、例えば、特開2012−189818号公報段落0056〜0058、特開2012−133296号公報段落0061〜0063を参照できる。また、本発明の一態様にかかる液晶パネル、液晶表示装置、偏光板および偏光板保護フィルムでは、層間および部材間を貼り合わせる場合、公知の接着剤ないし粘着層を用いることができる。上述の光変換部材を備えた偏光板と他の部材(例えば、液晶セルまたはバックライト側偏光板)との貼り合せにも、公知の接着剤層ないし粘着層を用いることができる。または、接着剤を用いるラミネート、または接着剤を使用しないラミネート(熱圧着)により、層間および部材間を貼り合せることもできる。
【0108】
(位相差層)
視認側偏光板およびバックライト側偏光板は、液晶セルとの間に、少なくとも一層の位相差層を有することもできる。例えば、液晶セル側のインナー側偏光板保護フィルムとして、位相差層を有していてもよい。このような位相差層としては、公知のセルロースアシレートフィルム等を用いることができる。
【0109】
なお後述する第二の液晶表示装置に含まれる液晶パネルについては、本発明の一態様にかかる光変換部材がバックライトユニットに配置されている点以外、上記記載を参照できる。
【0110】
[第一の液晶表示装置]
本発明の更なる態様は、上記液晶パネルと、光源を含むバックライトユニットと、を含む液晶表示装置(第一の液晶表示装置)、に関する。バックライトユニットの構成については、後述の記載を参照できる。また、液晶表示装置の構成についても、後述する。
【0111】
以上の記載では、本発明の一態様にかかる光変換部材を液晶パネルに含む態様について説明したが、本発明の一態様にかかる光変換部材は、バックライトユニットの構成部材として用いることもできる。その詳細を、以下に説明する。
【0112】
[バックライトユニット]
本発明の更なる態様は、上記光変換部材と、光源と、を含むバックライトユニットに関する。
バックライトユニットの構成は、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であっても、直下型方式であってもよい。エッジライト方式では、一態様では、光変換部材は、導光板から出射される光の経路上に配置される。他の一態様では、光変換部材は、導光板と光源との間に配置される。導光板としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。
【0113】
一態様では、光源として、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、例えば、青色光を発光する青色発光ダイオードを用いることができる。青色光を発光する光源を用いる場合、光変換層には、少なくとも、励起光により励起され赤色光を発光する量子ドット(A)と、緑色光を発光する量子ドット(B)が含まれることが好ましい。これにより、光源から発光され光変換部材を透過した青色光と、光変換部材から発光される赤色光および緑色光により、白色光を具現化することができる。または他の態様では、光源として、300nm〜430nmの波長帯域に発光中心波長を有する紫外光を発光するもの、例えば、紫外光発光ダイオードを用いることができる。この場合、光変換層には、量子ドット(A)、(B)とともに、励起光により励起され青色光を発光する量子ドット(C)が含まれることが好ましい。これにより、光変換部材から発光される赤色光、緑色光および青色光により、白色光を具現化することができる。
【0114】
また、バックライトユニットは、光源の後部に、反射部材を備えることもできる。このような反射部材としては特に制限は無く、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
【0115】
バックライトユニットが、青色光のうち460nmよりも短波長の光を選択的に透過する青色用波長選択フィルタを有することも、好ましい。
また、バックライトユニットが、赤色光のうち630nmよりも長波長の光を選択的に透過する赤色用波長選択フィルタを有することも、好ましい。
このような青色用波長選択フィルタや赤色用波長選択フィルタとしては特に制限は無く、公知のものを用いることができる。そのようなフィルタは、特開2008−52067号公報などに記載されており、この公報の内容は本発明に組み込まれる。
【0116】
バックライトユニットは、その他、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート(例えば、住友スリーエム社製BEFシリーズなど)、輝度向上膜(例えば住友スリーエム社製DBEFシリーズ)、導光器を備えていることも好ましい。その他の部材についても、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
【0117】
一態様では、上記バックライトユニットは、上述の本発明の一態様にかかる偏光板、即ち、上記光変換部材と、円偏光を出射するコレステリック液晶層である偏光子と、を含み、光変換部材とコレステリック液晶層との間に、光変換部材のポリビニルアセタール樹脂層と直接接する隣接層としてλ/4板を有する偏光板、を含む。好ましくは、上記偏光板に含まれる偏光子は、反射偏光子である。その詳細は、先に記載した通りである。このような偏光板は、光変換機能と輝度向上機能を兼ね備えている。好ましくは、光変換部材が液晶パネル側に位置し、反射偏光子が光源側に位置するようにバックライトユニットに組み込まれる。これにより、反射偏光子から出射される円偏光を、λ/4板により直線偏光に変換し、次いで光変換部材において光変換(波長変換)した後、液晶パネルに入射させることが可能となる。
【0118】
なお、第一の液晶表示装置に含まれるバックライトユニットについては、光変換部材が液晶パネルに配置されている点以外、本発明の一態様にかかるバックライトユニットに関する上記記載を参照できる。
【0119】
[第二の液晶表示装置]
本発明の更なる態様は、液晶パネルと、本発明の一態様にかかるバックライトユニットと、を含む液晶表示装置(第二の液晶表示装置)、に関する。
【0120】
以下に、第一の液晶表示装置、第二の液晶表示装置の両装置に共通する点について、記載する。
【0121】
(発光波長)
高輝度かつ高い色再現性の実現の観点からは、バックライトユニットとして、多波長光源化されたものを用いることが好ましい。好ましい一態様としては、
430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する青色光と、
500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する緑色光と、
600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する赤色光と、
を発光するバックライトユニットを挙げることができる。
より一層の輝度および色再現性の向上の観点から、青色光の波長帯域は、450〜480nmであることが好ましく、460〜470nmであることがより好ましい。
同様の観点から、緑色光の波長帯域は、520〜550nmであることが好ましく、530〜540nmであることがより好ましい。
また、同様の観点から、赤色光の波長帯域は、610〜650nmであることが好ましく、620〜640nmであることがより好ましい。
【0122】
また同様の観点から、青色光、緑色光および赤色光の各発光強度の半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、45nm以下であることがさらに好ましく、40nm以下であることが一層好ましい。これらの中でも、青色光の各発光強度の半値幅が30nm以下であることが、特に好ましい。
【0123】
液晶表示装置の一実施形態では、対向する少なくとも一方に電極を設けた基板間に液晶層を挟持した液晶セルを有し、この液晶セルは2枚の偏光板の間に配置して構成される。液晶表示装置は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う。さらに必要に応じて偏光板保護フィルムや光学補償を行う光学補償部材、接着層などの付随する機能層を有する。また、カラーフィルター基板、薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層等とともに(またはそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等の表面層が配置されていてもよい。
【0124】
以上説明した本発明の一態様にかかる液晶表示装置は、優れた耐候性と高い透明性を有し得る光変換部材を含むため、高輝度かつ高い色彩再現性を長期にわたり実現することができるものである。
【実施例】
【0125】
以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0126】
以下の実施例、比較例で用いたポリビニルアルコール(PVA)および作製したポリビニルブチラール(PVB)の評価は、以下の方法で行った。
【0127】
(PVAの平均重合度)
JIS K6726:1994年の規定に基づき測定した。前述の通り、ポリビニルアセタールの平均重合度は、原料となるポリビニルアルコールの平均重合度と一致する。
【0128】
(PVBのビニルアセテート成分の量)
JIS K6728:1977年の規定に基づき測定した。
【0129】
(PVBのビニルアルコール成分の量)
JIS K6728:1977年の規定に基づき測定した。
【0130】
(PVBの酸価)
JIS K6728:1977年の規定に基づき測定した。
【0131】
1.ポリビニルブチラールの製造例
【0132】
(製造例1)
撹拌機を取り付けた2m
3反応器に、PVA(平均重合度1000、けん化度99モル%)の7.5質量%水溶液1700kg、ブチルアルデヒド74.6kgおよび2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.13kgを仕込み、全体を14℃に冷却した。
ここに、濃度20質量%の硝酸水溶液160.1Lを添加して、PVAのブチラール化を開始した。添加終了後から10分後に昇温を開始し、90分かけて65℃まで昇温し、さらに120分反応を行った。その後、室温まで冷却して析出したPVBをろ過し、PVBに対して10倍量のイオン交換水で10回洗浄した。その後、0.3質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて十分に中和を行い、さらにPVBに対して10倍量のイオン交換水で10回洗浄し、脱水した後、乾燥させ、PVB(PVB−1)を得た。得られたPVBの分析結果を表2に示す。
【0133】
(製造例2〜7)
製造例1のPVAに代えて、表1に示すPVBの平均重合度と同じ平均重合度を有するPVA(けん化度99モル%)を使用した点以外は製造例1と同様にして、PVB(PVB−2〜7)を得た。得られたPVBの分析結果を表2に示す。
【0134】
【表2】
【0135】
2.光変換部材、液晶表示装置の製造例(実施例、比較例)
【0136】
(実施例1)
1.光変換層(量子ドットを含有する有機層)1の作製
下記の量子ドット分散液1を調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥して塗布液として用いた。この塗布液を、ガラス基板上に塗布した後、窒素下にて160W/cm
2の空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて紫外線を照射固定化した後、ガラス基板から剥離した。量子ドットを含有する光変換層1を作製した。光変換層1の膜厚は、280μmであった。
【0137】
──────────────────────────────────
量子ドットを含有する光変換層1用組成(量子ドット分散液1)
──────────────────────────────────
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:520nm) 10質量部
量子ドット2のトルエン分散液(発行極大:630nm) 1質量部
ラウリルメタクリレート 2.4質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 0.54質量部
光重合開始剤 0.009質量部
(イルガキュア819(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
──────────────────────────────────
【0138】
量子ドット1、2としては、下記のコアシェル構造(InP/ZnS)を有するナノ結晶を用いた。
量子ドット1:InP530―10(NN-labs社製)
量子ドット2:InP620−10(NN-labs社製)
【0139】
2.PVBシートの作製
製造例1で合成したPVB(PVB−1)に、pH調整用緩衝剤として酢酸25ppmおよび酢酸マグネシウム175ppm(量はPVBの質量に基づく)を添加し、圧力100Kgf/cm
2、熱板温度150℃にて10分プレスし、厚さ0.76mmのPVBシート1を作製した。
【0140】
3.PVB封止光変換部材の作製
真空ラミネーター(日清紡メカトロニクス株式会社製1522N)の熱板上に、大きさ100mm×100mmPVBシート1、大きさ90mm×90mmの光変換層1、大きさ100mm×100mmのPVBシート1の順に重ね、以下の条件で、接着剤なしでラミネート(熱圧着)し、
図1の構成のPVB封止光変換部材1を作製した。
<条件>
熱板温度 :165℃
真空引き時間:12分
プレス圧力 :50kPa
プレス時間 :17分
【0141】
(実施例2〜9)
PVBシートの作製に用いるPVBを製造例2〜9で合成したPVB(PVB2〜9)に変更し、実施例2、3ではPVB100質量部に対し表3に示す量の可塑剤を添加した点以外、実施例1と同様の方法で、PVB封止光変換部材2〜9を作製した。
実施例2、3では、可塑剤として、トリエチレングリコール−ジ(2−エチルヘキサノエート)(酸価0.02KOHmg/g)を用いた。
【0142】
(実施例10)
光変換層の作製において、量子ドット1の分散液を、特表2012−509604号公報段落0069〜0073に記載の方法2により発光極大520nmとなるように合成したコアシェル構造(InP/ZnS)を有するナノ結晶粒子を同公報実施例2に記載の方法により樹脂で被覆した量子ドットを用いてトルエン中1質量%溶液になるように調製した分散液に変更し、量子ドット2の分散液を、上記方法2により発光極大630nmとなるように合成したコアシェル構造(InP/ZnS)を有するナノ結晶粒子を同公報実施例2に記載の方法により樹脂で被覆した量子ドットを用いてトルエン中1質量%溶液になるように調製した分散液に変更した点以外は、実施例1と同様にして、PVB封止光変換部材10を作製した。
【0143】
(実施例11)
光変換層の作製において、光変換層10の塗布液に、下記ボロン酸アクリレートを0.002質量部添加した点以外は、実施例10と同様にして、PVB封止光変換部材11を作製した。
【0144】
【化1】
【0145】
(比較例1)
(CdSeナノ結晶の合成)
特表2006−521278号公報に記載の方法で発光極大520nmとなるように合成したCdSeナノ結晶粒子を作製し、1質量%溶液となるようにトルエンを加えCdSeナノ結晶分散液1を作製した。また、特表2006−521278号公報に記載の方法で発光極大630nmとなるようにCdSeナノ結晶を作製し、1質量%溶液となるようにトルエンを加え、CdSeナノ結晶分散液2を作製した。
【0146】
(量子ドット分散液Aの作製)
下記に示すように、量子ドットを含有する分散液Aを作製した。
【0147】
-------------------------------------------------------------------
量子ドットを含有する光変換層用組成(量子ドット分散液A)
-------------------------------------------------------------------
樹脂:PVB-1 3質量部
溶剤:ジエチルケトン 7質量部
量子ドット1:CdSeナノ結晶分散液1 10質量部
量子ドット2:CdSeナノ結晶分散液2 1質量部
-------------------------------------------------------------------
【0148】
量子ドット分散液Aを、ボールミルに供給し、pH調整用緩衝剤として、酢酸25ppmおよび酢酸マグネシウム175ppm(量はPVBの質量に基づく)を添加し、24時間に亘って攪拌混合して塗工溶液を得た。
【0149】
(光変換層の作製)
ガラス基材上に塗工溶液を、乾燥後の厚みが280μmとなるように塗布して、乾燥することで、膜を形成した。得られた膜をガラスから剥離することで、有機マトリックスとしてポリビニルブチラールを含む光変換部材(光変換層)Aを得た。
【0150】
(光変換部材の評価)
<ヘイズの測定>
JIS K−7136に準拠して、実施例、比較例で作製した光変換部材のヘイズを測定した。測定結果から、以下の基準でヘイズを評価した。測定値が低いほどヘイズが少なく透明性が高いことを意味する。
A 10%以下
B 10%超、15%以下
C 15%超
<耐候性の評価>
実施例、比較例で作製した光変換部材の耐候性を評価した。耐候性は、22mW、465nmの青色LEDを使用し、このLEDパッケージに20mAの電流を流し、大気下、200時間連続して光変換部材に照射し、光照射後での積層体の発光効率を測定した。測定結果から、以下の基準で耐候性を評価した。
A 光照射前と比較して80%以上の発光効率である。
B 光照射前と比較して60%以上80%未満の発光効率である。
C 光照射前と比較して40%以上60%未満の発光効率である。
D 光照射前と比較して40%未満の発光効率である。
【0151】
以上の結果を、表3に示す。
【0152】
【表3】
【0153】
表3に示す実施例と比較例との対比から、光変換部材をPVBシートにより封止することによって、透明性を維持しつつ(低ヘイズ)、光変換部材の耐候性向上が可能となることが確認できる。
【0154】
(液晶表示装置の作製)
市販の液晶表示装置(パナソニック社製商品名THL42D2)を分解し、液晶セルがある側の導光板上に実施例で作製した光変換部材を加え、バックライトユニットを以下のB狭大域バックライトユニットに変更し、液晶表示装置を製造した。用いたB狭帯域バックライトユニットは、光源として、青色発光ダイオード(日亜B−LED:Blue,主波長465nm、半値幅20nm)を備える。
【0155】
(実施例12)
<PVBシート上へのλ/4板の形成>
特開2003−262727号公報の段落0020〜0033と同様にして、λ/4板を準備した。光変換部材10の上に2層の液晶性材料を塗布、重合すること広帯域λ/4板を形成した。
得られたλ/4板のRe(450)は110nm、Re(550)は135nm、Re(630)は140nm、膜厚は1.6μmであった。光変換部材の封止材として用いたPVBシートが配向膜の役割を果たした結果、配向膜を別途設けることなく、λ/4板の作製が可能であった。
【0156】
<反射偏光子の形成>
得られたλ/4板の上に、富士フイルム研究報告 No.50(2005年)pp.60−63を参考に用いたキラル剤の添加量を変更して、コレステリック液晶相を固定してなる第一の光反射層、コレステリック液晶相を固定してなる第二の光反射層およびコレステリック液晶相を固定してなる第三の光反射層を塗布により形成した。
得られた第一の光反射層の最大反射率のピークの反射中心波長は450nm、半値幅は40nm、膜厚は1.8μmであった。
得られた第二の光反射層の最大反射率のピークの反射中心波長は550nm、半値幅は50nm、膜厚は2.0μmであった。
得られた第三の光反射層の最大反射率のピークの反射中心波長は630nm、半値幅は60nm、膜厚は2.1μmであった。
なお、第一の光反射層、第二の光反射層および第三の光反射層の平均屈折率は1.57であった。
また、得られたλ/4板および反射偏光子のトータル厚さは7.5μmであった。
このようにして、PVB封止光変換部材上にλ/4板と反射偏光子が積層された光学シート部材1を得た。
【0157】
<液晶表示装置の製造>
市販の液晶表示装置(パナソニック社製、商品名TH−L42D2)を分解し、バックライト側偏光板として、光学シート部材1を用いて、実施例11の液晶表示装置を製造した。
用いたRGB狭帯域バックライトユニットは、光源として青色発光ダイオード(日亜B−LED、主波長465nm、半値幅20nm)を備える。
【0158】
(比較例2)
<偏光板の作製>
バックライト側偏光板のフロント側偏光板保護フィルムとして市販のセルロースアシレート系フィルム「TD80UL」(富士フイルム社製)を用い、位相差フィルムを準備した。バックライト側偏光板のリア側偏光板保護フィルムとして市販のセルロースアシレート系フィルム「TD80UL」(富士フイルム社製)を用いた。特開2006−293275号公報の段落0219と同様にして、偏光子を製造し、上記位相差フィルムおよび偏光板保護フィルムを偏光子の両面にそれぞれ貼り合わせて、偏光板を製造した。
【0159】
<液晶表示装置の製造>
市販の液晶表示装置(パナソニック社製、商品名TH−L42D2)を分解し、バックライト側偏光板として上記方法で作製した偏光板を用い、輝度向上膜(商品名DBEF、スリーエム・カンパニー社製)を接着剤を使用せず、分離できる状態のまま、バックライト側偏光板とバックライトユニットの間に配置し、比較例2の液晶表示装置を作製した。輝度向上膜は、青〜緑〜赤領域の450〜550〜630nmまでほぼ一定で波長に対しフラットなピークの反射率を示す。この液晶表示装置のバックライト光源は、青色光の発光ピーク波長450nmであった。緑〜赤領域では1つの発光ピークであり、ピーク波長は550nm、半値幅は100nmであった。
【0160】
<正面輝度の評価>
実施例12、比較例2で作製した液晶表示装置の正面輝度を、特開2009−93166号公報に記載の方法で測定した。測定結果から、以下の基準で評価した。結果を表4に示した。
5:比較例2の液晶表示装置の正面輝度よりも30%以上、良好である
4:比較例2の液晶表示装置の正面輝度よりも20%以上、30%未満、良好である
3:比較例2の液晶表示装置の正面輝度よりも10%以上、20%未満、良好である
2:比較例2の液晶表示装置の正面輝度と同等以下である。
【0161】
【表4】
【0162】
表4に示す結果から、実施例12では、積層されたコレステリック液晶層が反射偏光子の役割を果たした結果、市販の輝度向上膜を用いた比較例2と比べ、正面輝度の大幅な向上が可能となったことが確認できる。