(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ジョブ取得ステップは、ユーザを識別するユーザ識別情報、及び、前記コンピュータを識別するデバイス識別情報のうち、少なくとも一つに対応する前記印刷ジョブを取得することを特徴とする請求項1又は2に記載の制御プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る制御プログラム、制御システム及びジョブ処理方法の実施の形態を説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
(実施の形態1)
[システム構成]
図1を用いて、実施の形態1に係る制御システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態1に係る制御システムの構成例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、制御システム1には、クライアント装置10と、印刷サーバ装置20と、端末装置30と、画像形成装置40とが含まれる。これらの各装置は、インターネット等のネットワークに接続されている。上述した構成において、クライアント装置10は、ユーザ操作に応じて印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを印刷サーバ装置20に対して送信するPC(Personal Computer)等の情報処理装置である。
【0012】
印刷サーバ装置20は、クライアント装置10によって送信された印刷ジョブを受信し、受信した印刷ジョブを蓄積する。また、印刷サーバ装置20は、端末装置30からの要求に応じて、蓄積された印刷ジョブを端末装置30に対して送信する。端末装置30からの印刷ジョブの要求時には、ユーザ認証やデバイス認証が行なわれる。このため、印刷サーバ装置20は、ユーザ認証やデバイス認証のために、ユーザを識別するためのユーザ識別情報や、デバイスを識別するためのデバイス識別情報を保持している。つまり、端末装置30に対して送信される印刷ジョブは、ユーザ識別情報やデバイス識別情報に対応する印刷ジョブとなる。
【0013】
端末装置30は、印刷ジョブを印刷サーバ装置20から取得し、取得した印刷ジョブの出力を画像形成装置40に要求する携帯電話機やスマートフォン、タブレット端末等である。画像形成装置40は、端末装置30からの印刷ジョブの出力要求にしたがって画像処理を行ない、印刷物を出力する。なお、端末装置30や画像形成装置40による処理の詳細については後述する。
【0014】
[実施の形態1に係る装置構成]
次に、
図2を用いて、実施の形態1に係る装置構成を説明する。
図2は、実施の形態1に係る端末装置30及び画像形成装置40の構成例を示す機能ブロック図である。
【0015】
図2に示すように、端末装置30は、操作表示部31と、機器探索部32と、機器通信部33と、印刷サーバ通信部34と、ジョブ送信部35と、保留ジョブ情報記憶部36と、保留ジョブ取得部37と、ユーザ設定記憶部38と、ユーザ設定登録部39とを有する。
【0016】
操作表示部31は、各種のユーザ操作を受け付けて、ユーザ操作に対する処理結果を表示する。より具体的には、操作表示部31は、画像形成装置を探索するためのユーザ操作を受け付ける。そして、操作表示部31は、画像形成装置を探索する指示を機器探索部32に対して行なう。つまり、ユーザは、クライアント装置10等を利用して生成を行なった印刷ジョブを出力させたい画像形成装置の近傍で上記ユーザ操作を行なう。
【0017】
機器探索部32は、画像形成装置を探索する。より具体的には、機器探索部32は、操作表示部31から探索の指示を受け付けると、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信を利用して、近傍に設置された画像形成装置を探索する。以下では、近傍に設置された画像形成装置として、画像形成装置40を例に挙げる。また、本実施の形態では、端末装置30側をリーダー/ライターモードとして動作させ、画像形成装置40側をカードエミュレーションモードとして動作させるものとする。これにより、端末装置30は、NFC経由で画像形成装置40の検出、及び画像形成装置40のIPアドレス等のネットワークアクセスに利用する情報を取得する。そして、機器探索部32は、画像形成装置40を検出した旨と、画像形成装置40に対するネットワークアクセスで利用する情報とを機器通信部33に対して出力する。
【0018】
機器通信部33は、画像形成装置と通信を行ない、画像形成装置が実行可能な印刷機能を取得する。より具体的には、機器通信部33は、機器探索部32によって出力されたIPアドレス等をもとに画像形成装置40にアクセスし、該画像形成装置40が実行可能な印刷機能を取得する。かかる印刷機能とは、例えば、カラー機能、両面機能、ステープル機能、パンチ機能、製本機能等である。つまり、機器通信部33は、上記のような印刷機能のうち、画像形成装置40によって実行可能な印刷機能の情報を取得する。そして、機器通信部33は、実行可能な印刷機能の情報を印刷サーバ通信部34に対して出力する。
【0019】
印刷サーバ通信部34は、印刷サーバ装置と通信を行ない、該印刷サーバ装置に蓄積された印刷ジョブを取得する。より具体的には、印刷サーバ通信部34は、端末装置30を所有するユーザのユーザ識別情報及びデバイス識別情報のうち少なくとも一つと、機器通信部33によって出力された実行可能な印刷機能とを、印刷サーバ装置20に対して送信する。印刷サーバ装置20は、印刷ジョブを記憶する印刷ジョブ記憶部を有し、印刷ジョブ記憶部に記憶された情報をもとに、端末装置30に応答する。
【0020】
図3は、実施の形態1に係る印刷サーバ装置20が有する印刷ジョブ記憶部に記憶される情報例を示す図である。
図3に示すように、印刷ジョブ記憶部は、印刷ジョブを識別する識別情報を表す「ジョブID」、ユーザを識別する識別情報を表す「ユーザID」、印刷ジョブのページ数を表す「ページ数」の情報を記憶する。加えて、印刷ジョブ記憶部は、印刷ジョブの名称を表す「ジョブ名」、出力の際の両面印刷若しくは片面印刷の設定を表す「両面情報」、出力の際のカラー印刷若しくはモノクロ印刷の設定を表す「カラー情報」の情報を記憶する。
【0021】
例を挙げると、印刷ジョブ記憶部は、ジョブID「1」と、ユーザID「User1」と、ページ数「3」と、ジョブ名「JobA」と、両面情報「片面」と、カラー情報「カラー」とを対応付けて記憶する。同様に、印刷ジョブ記憶部は、ジョブID「2」と、ユーザID「User2」と、ページ数「6」と、ジョブ名「JobB」と、両面情報「両面」と、カラー情報「モノクロ」とを対応付けて記憶する。なお、ユーザIDはデバイス識別情報で代替しても良いし、デバイス識別情報とユーザIDとを併用しても良い。
【0022】
つまり、印刷サーバ通信部34は、ユーザ識別情報やデバイス識別情報に対応する印刷ジョブのうち、画像形成装置40が実行可能な印刷機能で出力可能な印刷ジョブを印刷サーバ装置20に対して要求する。なお、ユーザ識別情報は、例えば、予め設定されたユーザID及びパスワード等である。また、デバイス識別情報は、例えば、端末装置30を識別するデバイスIDや、端末装置30が携帯電話機若しくはスマートフォンであれば電話番号でも良い。そして、印刷サーバ通信部34は、印刷サーバ装置20から該当する印刷ジョブを取得する。
【0023】
また、操作表示部31は、印刷サーバ通信部34によって取得された印刷ジョブの一覧を表示し、出力対象となる印刷ジョブを選択するユーザ操作を受け付ける。つまり、ユーザは、操作表示部31によって表示された印刷ジョブの一覧から、画像形成装置40で出力したい印刷ジョブを選択する。そして、操作表示部31は、選択された印刷ジョブの送信をジョブ送信部35に対して指示する。
【0024】
ジョブ送信部35は、印刷ジョブを画像形成装置に対して送信する。より具体的には、ジョブ送信部35は、操作表示部31によって表示された一覧から選択された印刷ジョブを、機器探索部32によって探索された画像形成装置40に対して送信し、印刷ジョブの出力要求を行なう。
【0025】
保留ジョブ情報記憶部36は、処理が保留となっている印刷ジョブに関する情報を記憶する。より具体的には、保留ジョブ情報記憶部36は、画像形成装置40による印刷処理の過程において、紙詰まりやハードウェアの故障等の何らかの要因で中断されたことにより、印刷処理が保留となっている印刷ジョブに関する情報を記憶する。
【0026】
図4は、実施の形態1に係る保留ジョブ情報記憶部36に記憶される情報例を示す図である。
図4に示すように、保留ジョブ情報記憶部36は、印刷ジョブを識別する識別情報を表す「ジョブID」、印刷処理を既に完了したページ数を表す「印刷済みページ数」、出力の際のカラー印刷若しくはモノクロ印刷の設定を表す「カラー情報」、出力の際の両面印刷若しくは片面印刷の設定を表す「両面情報」の情報を記憶する。
【0027】
例を挙げると、保留ジョブ情報記憶部36は、ジョブID「1」と、印刷済みページ数「2」と、カラー情報「カラー」と、両面情報「片面」とを対応付けて記憶する。同様に、保留ジョブ情報記憶部36は、ジョブID「2」と、印刷済みページ数「1」と、カラー情報「モノクロ」と、両面情報「両面」とを対応付けて記憶する。
【0028】
保留ジョブ取得部37は、保留状態の印刷ジョブに関する保留ジョブ情報を取得する。より具体的には、保留ジョブ取得部37は、機器通信部33を介して、画像形成装置40によって実行されている印刷処理を監視し、印刷処理の中断が発生した場合に、中断により保留状態になった印刷ジョブの保留ジョブ情報を取得する。そして、保留ジョブ取得部37は、取得した保留ジョブ情報を保留ジョブ情報記憶部36に登録する。かかる保留ジョブ情報は、例えば、「印刷済みページ数」に相当する情報である。
【0029】
また、保留ジョブ取得部37は、保留ジョブ情報として、保留状態の印刷ジョブに設定された印刷設定情報もさらに取得する。そして、保留ジョブ取得部37は、印刷設定情報を含む保留ジョブ情報を保留ジョブ情報記憶部36に登録する。かかる印刷設定情報は、例えば、「カラー情報」や「両面情報」に相当する情報である。保留ジョブ情報記憶部36に記憶された情報は、保留状態の印刷ジョブを継続して出力するかをユーザに選択させるときに利用される。
【0030】
すなわち、操作表示部31は、印刷サーバ装置20から取得された印刷ジョブを画像形成装置40に送信する前に、保留ジョブ情報記憶部36に記憶された保留ジョブ情報を表示する。より具体的には、操作表示部31は、出力対象の印刷ジョブのジョブIDと一致する保留ジョブ情報を保留ジョブ情報記憶部36から取得する。取得される保留ジョブ情報は、印刷済みページ数やカラー情報、両面情報等の情報である。そして、操作表示部31は、出力対象の印刷ジョブについて、対応する印刷済みページ数やカラー情報、両面情報等の保留ジョブ情報を表示する。ユーザは、保留状態の印刷ジョブを継続して出力するか否かの選択や、保留状態の印刷ジョブの印刷設定状態をそのまま反映して出力するか否かの選択を行なう。これにより、操作表示部31は、出力対象の印刷ジョブについて、継続して出力するためのページ数やカラー情報、両面情報等を受け付ける。その後、操作表示部31は、印刷ジョブの送信をジョブ送信部35に対して指示する場合に、継続して出力するためのページ数やカラー情報、両面情報等も合わせて出力する。
【0031】
これにより、ジョブ送信部35は、継続して出力するためのページ数やカラー情報、両面情報を付加した印刷ジョブを画像形成装置に対して送信する。より具体的には、ジョブ送信部35は、操作表示部31によって表示された一覧から選択された印刷ジョブのページ数情報を、継続して出力するためのページ数に更新するとともに、カラー情報や両面情報等の印刷設定情報を更新する。印刷ジョブのページ数情報は初期設定では先頭のページ数である1ページ目に設定されているため、該ページ数情報を更新する。同様に、印刷設定情報は初期設定されているため、該印刷設定情報を更新する。そして、ジョブ送信部35は、各種設定が行なわれた印刷ジョブを、機器探索部32によって探索された画像形成装置40に対して送信し、印刷ジョブの出力要求を行なう。
【0032】
ユーザ設定記憶部38は、ユーザ設定を記憶する。より具体的には、ユーザ設定記憶部38は、操作表示部31による印刷ジョブの一覧の表示の際に設定されたユーザ設定を記憶する。ユーザ設定は、例えば、一覧の表示のソート順や、印刷設定の情報等である。つまり、ユーザ設定記憶部38に、一覧表示の状態や印刷設定の情報等を記憶させることにより、ユーザ操作の操作性を向上させることができる。
【0033】
ユーザ設定登録部39は、ユーザ設定をユーザ設定記憶部38に登録する。より具体的には、ユーザ設定登録部39は、操作表示部31によって印刷ジョブの一覧が表示されているときに設定された各種ユーザ設定を、ユーザ設定記憶部38に登録する。ユーザ設定の登録は、自動で登録しても良いし、登録するためのユーザ操作に応じて登録しても良い。これにより、操作表示部31は、印刷ジョブの一覧を表示する場合に、ユーザ設定記憶部38を参照し、一覧の表示のソート順や、印刷設定の情報を反映した表示を行なう。
【0034】
また、
図2に示すように、画像形成装置40は、端末探索部41と、端末通信部42と、機能情報記憶部43と、ジョブ状態情報記憶部44と、ジョブ受信部45と、画像処理部46とを有する。
【0035】
端末探索部41は、端末装置を探索する。より具体的には、端末探索部41は、機器探索部32による探索に応じて、近距離無線通信を利用して、端末装置30を探索する。上述したように、画像形成装置40側は、カードエミュレーションモードとして動作する。
【0036】
端末通信部42は、機器通信部33からの要求に応じて、画像形成装置40が実行可能な印刷機能を端末装置30に対して送信する。より具体的には、端末通信部42は、機器通信部33から実行可能な印刷機能の取得要求を受け付けた場合に、機能情報記憶部43から実行可能な印刷機能の機能情報を取得し、取得した実行可能な印刷機能を機器通信部33に対して送信する。
【0037】
図5は、実施の形態1に係る機能情報記憶部43に記憶される情報例を示す図である。
図5に示すように、機能情報記憶部43は、画像形成装置40で実行可能な印刷機能の情報を記憶する。例を挙げると、機能情報記憶部43は、カラー機能「可」、両面機能「可」、ステープル機能「不可」、パンチ機能「不可」、製本機能「不可」を記憶する。つまり、
図5の例では、画像形成装置40においてカラー機能と両面機能とが実行可能な印刷機能となる。上述したように、画像形成装置40で実行可能な印刷機能は、端末装置30を介して印刷サーバ装置20に送信される。これにより、実行可能な印刷機能に対応する印刷ジョブが印刷サーバ装置20から端末装置30に送信されることで、一覧から印刷ジョブを選択するユーザ操作の時間短縮や、実行不可能な印刷機能を設定することによるミスプリントを抑止することができる。
【0038】
また、端末通信部42は、機器通信部33からの要求に応じて、画像形成装置40における保留ジョブ情報を端末装置30に対して送信する。より具体的には、端末通信部42は、機器通信部33を介して保留ジョブ取得部37から保留ジョブ情報の取得要求を受け付けた場合に、ジョブ状態情報記憶部44から印刷が中断された印刷ジョブに関する情報を取得し、取得した情報を保留ジョブ取得部37に対して送信する。
【0039】
図6は、実施の形態1に係るジョブ状態情報記憶部44に記憶される情報例を示す図である。
図6に示すように、ジョブ状態情報記憶部44は、画像形成装置40で実行された印刷ジョブの状態に関する情報を記憶する。例を挙げると、ジョブ状態情報記憶部44は、トラックID「1」と、状態「印刷完了」と、出力ページ数「3」とを対応付けて記憶する。同様に、ジョブ状態情報記憶部44は、トラックID「3」と、状態「印刷中断」と、出力ページ数「1」とを対応付けて記憶する。
図6の例では、トラックID「3」の印刷処理について、1ページ分を出力したときに印刷が中断されたことがわかる。つまり、端末通信部42は、状態が「印刷中断」であるものを保留ジョブ情報として端末装置30に対して送信する。これにより、ユーザは、保留になっている印刷ジョブについて継続して出力するか否かを選択することができる。
【0040】
ジョブ受信部45は、印刷ジョブを受信する。より具体的には、ジョブ受信部45は、ジョブ送信部35によって送信された印刷ジョブを受信し、画像処理部46に対して出力する。かかる印刷ジョブには、途中のページから印刷を開始することを表す情報や、各種の印刷設定情報が含まれている場合がある。画像処理部46は、印刷ジョブの画像処理を実行する。より具体的には、画像処理部46は、ジョブ受信部45によって受信された印刷ジョブの画像処理を行ない、印刷物を出力する。これにより、画像形成装置40では、端末装置30によって行なわれた印刷ジョブに対する各種設定を反映した印刷物の出力を実行する。
【0041】
[実施の形態1に係る印刷ジョブ蓄積処理シーケンス]
次に、
図7を用いて、実施の形態1に係る印刷ジョブ蓄積処理の流れについて説明する。
図7は、実施の形態1に係る印刷ジョブ蓄積処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【0042】
図7に示すように、クライアント装置10は、印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブを印刷サーバ装置20に対して送信する(ステップS101)。印刷サーバ装置20は、クライアント装置10によって送信された印刷ジョブを受信し(ステップS102)、受信した印刷ジョブを蓄積するとともに、該印刷ジョブに関する情報をジョブ情報記憶部に格納する(ステップS103)。
【0043】
[実施の形態1に係るジョブ一覧取得処理シーケンス]
次に、
図8を用いて、実施の形態1に係るジョブ一覧取得処理の流れについて説明する。
図8は、実施の形態1に係るジョブ一覧取得処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【0044】
図8に示すように、機器探索部32は、近傍に設置された画像形成装置の探索を開始する(ステップS201)。ここでは、探索により画像形成装置40を検出できたものとする。そして、機器通信部33は、検出できた画像形成装置40に対して、画像形成装置40が実行可能な印刷機能の取得要求を行なう(ステップS202)。印刷機能の取得要求を受け付けた端末通信部42は、機能情報記憶部43から画像形成装置40で実行可能な印刷機能を取得し、取得した印刷機能を端末装置30に対して送信する(ステップS203)。
【0045】
また、印刷サーバ通信部34は、画像形成装置40で実行可能な印刷機能とともに、ユーザ情報等を印刷サーバ装置20に対して送信することにより、印刷ジョブの一覧を要求する(ステップS204)。印刷サーバ装置20は、ジョブ情報記憶部を参照し、印刷ジョブの一覧の要求に応じた印刷ジョブの一覧を生成する(ステップS205)。そして、印刷サーバ装置20は、生成した印刷ジョブの一覧を端末装置30に対して送信する(ステップS207)。これにより、操作表示部31は、印刷サーバ装置20から受信した印刷ジョブの一覧を表示出力する(ステップS207)。
【0046】
[実施の形態1に係る印刷処理シーケンス]
次に、
図9を用いて、実施の形態1に係る印刷処理の流れについて説明する。
図9は、実施の形態1に係る印刷処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【0047】
図9に示すように、印刷サーバ通信部34は、操作表示部31において一覧から選択された印刷ジョブの印刷データの要求を印刷サーバ装置20に対して行なう(ステップS301)。印刷サーバ装置20は、端末装置30からの要求に応じて印刷データを送信する(ステップS302)。一覧から選択された印刷ジョブの印刷データが受信されると、操作表示部31は、保留ジョブ情報記憶部36を参照し、出力対象の印刷ジョブが保留状態であるか否かを確認する(ステップS303)。そして、操作表示部31は、保留状態の印刷ジョブであれば、途中から継続して印刷するか否かを選択させる画面表示を行なう(ステップS304)。このとき、操作表示部31は、印刷設定の情報についても合わせて表示し、ユーザに選択を促す。
【0048】
ジョブ送信部35は、途中から継続して印刷する場合に、印刷ジョブの開始ページの情報を更新する(ステップS305)。このとき、ジョブ送信部35は、印刷設定に関する情報についても更新する。そして、ジョブ送信部35は、印刷ジョブを画像形成装置40に対して送信する(ステップS307)。画像形成装置40では、ジョブ受信部45によって印刷ジョブが受信され、画像処理部46によって画像処理が実行されることにより、印刷データの出力が開始される(ステップS307)。
【0049】
このとき、端末装置30において、保留ジョブ取得部37は、画像形成装置40による出力の監視を開始し(ステップS308)、出力が中断されたら、保留ジョブ情報を画像形成装置40から取得し、保留ジョブ情報記憶部36に登録する(ステップS309)。これにより、端末装置30では、保留となった印刷ジョブが出力対象となったときに、保留ジョブ情報をもとに、継続して出力するか否かをユーザに選択させることができる。
【0050】
[実施の形態1による効果]
端末装置30は、近傍の画像形成装置を探索し、印刷ジョブを蓄積する印刷サーバ装置から取得した印刷ジョブの一覧を表示し、一覧から選択された印刷ジョブを、探索された画像形成装置に送信する。この結果、ユーザは、オンデマンド印刷において、印刷ジョブを選択するUIとして、ユーザ所有の端末装置を容易に活用することができる。
【0051】
また、端末装置30は、探索された画像形成装置が実行可能な印刷機能に対応する印刷ジョブを印刷サーバ装置から取得するので、ユーザ操作の操作性を向上させることができるとともに、ミスプリントの発生を抑止することができる。
【0052】
また、端末装置30は、印刷ジョブの出力状況を監視し、中断により保留状態となった印刷ジョブの印刷済みページ数や印刷設定等の情報を登録する。この結果、出力を中断した画像形成装置とは異なる画像形成装置を利用する場合であっても、一度設定した印刷設定を反映したうえで、途中から継続して出力させることができる。これにより、再度印刷するときに、印刷設定の再設定の手間を省けるとともに、全ページを出力するよりも印刷用紙を削減することができる。
【0053】
また、端末装置30は、印刷ジョブの一覧の表示画面でのソート順や印刷設定のデフォルト値等を登録するので、ユーザ操作の操作性や利便性を向上させることができる。
【0054】
(実施の形態2)
さて、これまで本発明に係る端末装置30や画像形成装置40の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態以外にも種々の異なる形態にて実施されて良いものである。そこで、(1)構成、(2)プログラム、について異なる実施の形態を説明する。
【0055】
(1)構成
上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメタ等を含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した各装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に、分散又は統合することができる。
【0056】
例えば、上述してきた制御システム1のサービスは、クラウドコンピューティングシステムを構成することにより実現しても良い。
図10は、実施の形態2に係るシステムの構成例を示す図である。
図10に示すように、実施の形態2に係るシステムでは、企業100と、クラウドシステム200とが、インターネット等のネットワークに接続される。
【0057】
これらのうち、企業100には、端末装置30aと、画像形成装置40aとが含まれる。また、企業100の各装置からネットワークに接続する場合には、ファイアウォールを介することになる。なお、企業100に含まれる各装置は、それぞれ1台以上配置される。また、企業100に含まれる装置の一部が企業外のネットワーク上にあっても良い。端末装置30aや画像形成装置40aは、実施の形態1に係る端末装置30や画像形成装置40に相当する。但し、端末装置30aは、いくつかの処理をクラウドシステム200により実現することができる。また、端末装置30aは、クラウドシステム200を利用するための認証処理の要求を、クラウドシステム200に対して行なう。具体的には、端末装置30aは、画像形成装置40aとのNFCにより、画像形成装置40aから組織コードや画像形成装置40aのデバイスIDを取得する。組織コードは、1以上のユーザやデバイスの集合を特定することが可能な情報である。そして、端末装置30aは、組織コードやデバイスIDとともに、ユーザ操作により入力されたユーザ情報(例えば、ユーザID、パスワード等)を、クラウドシステム200に対して送信することにより、認証要求を行なう。認証が正常に完了すれば、端末装置30aは、クラウドシステム200によって提供される各種サービスを利用することができる。
【0058】
また、クラウドシステム200には、アクセス制御装置210と、サービス提供装置220とが含まれる。なお、クラウドシステム200には、サービス提供装置220とは異なるサービスを提供する装置が複数含まれていても良い。アクセス制御装置210は、各種サービスの提供を管理するPCやサーバ装置等の情報処理装置である。サービス提供装置220は、印刷ジョブや印刷ジョブに関する情報、ユーザ認証のためのユーザ情報、画像形成装置40aに関する情報等を保持する。サービス提供装置220は、端末装置30aから認証要求を受け付けた場合に、保持している情報を利用して認証処理を実行し、端末装置30aに応答する。これにより、サービス提供装置220は、各種サービスの提供を開始する。
【0059】
具体的には、サービス提供装置220は、オンデマンド印刷対応のため、異なる国の画像形成装置40aで印刷を行なう場合に各国の言語に対応したUI情報や、各ユーザ対応のUI情報(印刷ジョブの一覧のソート順や印刷設定等)を保持し、端末装置30aからの要求に応じてこれらを提供する。また、この他、保留状態の印刷ジョブの情報を保持しておき、端末装置30aからの要求に応じて提供するようにしても良い。すなわち、端末装置30aで実現可能な処理の一部又は全てをクラウドシステム200により実現する。また、上述したサービスの提供は、1台のサービス提供装置220ではなく、複数のサービス提供装置によって実現するようにしても良い。
【0060】
これらのように、クラウドコンピューティングシステムを採用した場合にも、制御システム1の処理を実現することができる。
【0061】
(2)プログラム
また、端末装置30で実行される制御プログラムは、一つの様態として、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、端末装置30で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、端末装置30で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。また、制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0062】
端末装置30で実行される制御プログラムは、上述した各部(操作表示部31、機器探索部32、機器通信部33、印刷サーバ通信部34、ジョブ送信部35等)を制御する機能を有するモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が記憶媒体から画像生成プログラムを読み出して実行することにより、上記各部を制御する機能が主記憶装置上にロードされ、操作表示部31、機器探索部32、機器通信部33、印刷サーバ通信部34、ジョブ送信部35を制御する機能が主記憶装置上に生成されるようになっている。