(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記第3搬送ローラ対を、用紙が搬送できる閉位置に戻すとともに、前記第1搬送ローラ対の「周速S」と、前記第3搬送ローラ対の「周速S’」の関係が「周速S」≧「周速S’」となるように制御することを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
前記制御手段は、前記第3搬送ローラ対が用紙に圧を加えない前記開位置に移動させる動作と、用紙を搬送するための前記閉位置の状態を維持する動作とを選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の用紙後処理装置。
前記制御手段は、用紙後処理装置内での用紙のスキュー補正が終了した後、前記第3搬送ローラ対を閉位置に移動し、前記第3搬送ローラ対と前記第1搬送ローラ対を正転方向もしくは逆転方向へ回転させて前記用紙を所望の後処理部へ搬送することを特徴とする請求項1に記載の用紙後処理装置。
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の用紙後処理装置と、前記用紙後処理装置に搬送する用紙に画像形成処理を行う画像形成部を備えた画像形成装置とを備えることを特徴とする画像形成システム。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態1に係る用紙後処理装置の用紙搬送経路を示す模式図である。
【
図2】同用紙後処理装置の各種ローラの配置状態および制御系を示す模式図である。
【
図3】同用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。
【
図4】同用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。
【
図5】同用紙後処理装置における用紙の状態を示す模式図である。
【
図6】同用紙後処理装置の制御を示すフローチャートである。
【
図7】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態2に係る用紙後処理装置の制御を示すフローチャートである。
【
図8】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態3に係る用紙後処理装置の制御を示すフローチャートである。
【
図9】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態4に係る用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。
【
図10】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態5に係る用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。
【
図11】本発明を適用しない場合における用紙のスキューおよびレジストの状態を示すグラフである。
【
図12】本発明を適用した第1の例での用紙のスキューおよびレジストの状態を示すグラフである。
【
図13】本発明を適用した第2の例での用紙のスキューおよびレジストの状態を示すグラフである。
【
図14】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態6に係る用紙後処理装置でレジスト補正を行う場合の制御を示すフローチャートである。
【
図15】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態6に係る用紙後処理装置でシフト動作を行う場合の制御を示すフローチャートである。
【
図16】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態7に係る用紙後処理装置でストレート搬送を行う場合の制御を示すフローチャートである。
【
図17】本発明に係る用紙後処理装置の実施形態8に係る用紙後処理装置でスイッチバック搬送を行う場合の制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明を実施するための形態に係る用紙後処理装置、および画像形成システムについて説明する。
【0011】
<実施形態1>
以下、実施形態1に係る用紙後処理装置、および画像形成システムについて説明する。
図1は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態1に係る用紙後処理装置の用紙搬送経路を示す模式図である。
【0012】
実施形態1に係る画像形成システムは、画像形成装置100に用紙後処理装置200を並べて配置されて構成される。画像形成装置100は、用紙に電子写真方式で画像形成を行う画像形成部を備え、画像形成処理がなされた用紙を排紙ローラ101から用紙後処理装置200に排出する。用紙後処理装置200では、用紙または用紙束の「端とじ処理」、「中折り」、「中折りとじ処理」、「穿孔処理」等がなされる。これらの後処理は所望のものが選択することができ、おのおの後処理を行うか否かにより搬送経路が切り替わるようになっている。また、画像形成装置100の画像形成手段は上述した電子写真方式の他、インクジェット方式その他の方式を採用できる。
【0013】
次に用紙後処理装置200の構成について説明する。用紙後処理装置200は、後処理部として用紙受け入れ部210と、プルーフ排出部220と、端とじ処理部230と、中とじ・折り処理排出部240と、穿孔処理部250とを備える。
【0014】
用紙受け入れ部210は、画像形成装置100から排出されてきた画像形成済みの用紙Pを受け入れる導入経路1と導入経路1から分岐する3つの経路を備える。これの経路は、プルーフトレイ6へ向かう上搬送経路2と、シフト処理や端とじ、2箇所とじ処理を行うストレート搬送経路3と、中とじ・折り処理を行う下搬送経路4とからなる。
【0015】
導入経路1には第2ローラである入口ローラ対10と、入口センサー13とが配置される。入口センサー13は、用紙Pが後処理装置内へ搬入されたことを検知する。入口ローラ対10の下流には第3ローラである水平搬送ローラ対11が配置される。導入経路1の終端部には分岐部が形成され分岐爪78が配置される。分岐爪78を回動させることにより上搬送経路2、ストレート搬送経路3、下搬送経路4へ用紙Pを仕分ける。
【0016】
プルーフ排出部220には上搬送経路2を備える。上搬送経路2は用紙Pをプルーフトレイ6へ搬送する経路である。導入経路1から分岐爪7で進行方向を変えられた用紙Pがプルーフトレイ6へと排出される。
【0017】
ストレート搬送経路3には第3ローラ対である中間搬送ローラ対12が配置される。用紙Pは、中間搬送ローラ対12により、ストレート搬送経路3に搬送される。ストレート搬送経路3には、排紙ローラ26、排紙センサー28が配置される。シフト/ソートモード時は、シフト機構を有する中間搬送ローラ対12が図示しない駆動手段により、搬送中に搬送方向と直角方向に一定量移動することによって用紙Pは一定量シフトする。用紙Pは、排紙ローラ26により用紙積載手段である排紙トレイ5に排紙され、順次スタックされていく。
【0018】
排紙トレイ5への排紙口部は、排紙ローラ26と従動ローラ27とが配置され、これらで用紙Pまたは複数の用紙Pからなる用紙束を挟んで排出する。排紙ローラ26に対して従動ローラ27を備えた排紙ガイド板が接離動作することで、用紙Pまたは用紙束を挟んでして排出可能な閉状態と、挟持しない開状態とを選択的に取り得る。用紙のシフト動作が完了した後、用紙を挟んで排出する。
【0019】
排紙口上方付近には、フィラー40が設けられている。フィラー40は、スタックされた用紙Pの中央付近位置に回動自在に配置されている。フィラー40の先端は、用紙Pの上面に接する。フィラー40の根元付近には、フィラー40の先端の高さを検知する図示していない上面検知センサーが配置される。これらによりスタックされた用紙Pの紙面高さを検知する。排紙トレイ5上の堆積枚数が増加すると用紙高さが上昇するので、この上昇に従って、上面検知センサーがオン状態となる。上面検知センサーがオン状態となると、図示しない制御部は排紙トレイ5を上下動させる図示していない駆動手段を駆動して、排紙トレイ5を下降させる。排紙トレイ5が下降し上面検知センサーがオフ状態になると、排紙トレイ5の下降が停止される。この動作を繰り返し、排紙トレイ5が規定のトレイ満杯状態になると、用紙後処理装置200から画像形成装置100に停止信号を出力し、画像形成システムの画像形成動作を停止させる。
【0020】
次に端とじ処理部230について説明する。ストレート搬送経路3にはステープルトレイ21が配置されている。戻しローラ41は振り子運動を行って用紙に接触し、後端フェンス24、25に用紙後端を突き当てる。これにより用紙束の縦方向位置をそろえる。また、このステープルトレイ21上には、ジョガー22、23が配置されている。ジョガー22、23は、紙面と直交する方向に進退動して、ステープルトレイ21上に排出された用紙Pの幅方向位置をそろえる。この2つの動作を行うことで、ステープルトレイ21上に排出された用紙束をそろえてスタックする。
【0021】
そろえられた用紙束は、端とじモード時はステープラ50が紙面と直交する方向に移動して用紙束の下縁部の適所をとじ、放出爪29によって用紙束を排出方向に移動させることで排出処理を行う。用紙束は、排紙ローラ26、従動ローラ27が挟まれ排紙トレイ5上に整えて排出される。
【0022】
次に中とじ・折り処理排出部240について説明する。用紙Pは、ストレート搬送経路3を通過して下搬送経路4に搬送される。用紙Pが搬送されると、用紙先端検知センサー14で検知した用紙後端が下搬送経路4の分岐部を通過する時間を待って、分岐爪8が切り替わる。分岐爪8が切り替わると、中間搬送ローラ対12が逆回転し、用紙をスイッチバックさせて下搬送経路4へと用紙を搬送する。
【0023】
下搬送経路4には中とじ搬送ローラ対61、62、63、中とじステープラ51が配置されている。中とじ処理を行う場合は用紙を中とじ位置まで搬送し、用紙の中央にとじ処理を行い、中とじ搬送ローラ対62、63により用紙折り部の用紙折りストッパ64に搬送される。搬送された用紙Pは、用紙折りブレード71、用紙折り板72により中折り処理され、中折り排紙ローラ73によって中とじトレイ9に排出される。
【0024】
穿孔処理部250には、穿孔ユニット251が配置される。穿孔ユニット251は、導入経路1の下流に配置されている。穿孔ユニット251は、図示していないレジスト検知手段と、前記レジスト検知手段により検知したレジストずれを考慮して適所に穿孔処理を行う。
【0025】
なお、上述した穿孔処理部250、中とじ・折り処理排出部240は、着脱可能な構成となっており、使用者の要望に応じた後処理装置を提供できる。
【0026】
次に用紙後処理装置200における用紙Pのスキュー補正処理について説明する。
図2(a)は同用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。上述のように、用紙後処理装置200には、入口ローラ対10と、水平搬送ローラ対11と、中間搬送ローラ対12と、排紙ローラ26および従動ローラ27で構成される排紙ローラ対とを備える。実施形態1に係る用紙後処理装置200では、排紙ローラ26および従動ローラ27が第1搬送ローラ対、水平搬送ローラ対11が第2搬送ローラ対、中間搬送ローラ対12が第3搬送ローラ対を構成する。なお、図中符号15は後端の斜行量を検出する検知センサー、16は水平搬送センサー、17は排紙センサーを示している。
【0027】
図2(b)は用紙後処理装置200における各ローラの駆動制御を行う制御系を示すブロック図である。用紙後処理装置200において、入口ローラ対10は、入口ローラ対回転駆動部32で駆動され、水平搬送ローラ対11は水平搬送ローラ対回転駆動部33で回転駆動される。また、中間搬送ローラ対12は中間搬送ローラ対回転駆動部34で、排紙ローラ26は排紙ローラ駆動部35で回転駆動される。さらに、中間搬送ローラ対12は、モータ、ソレノイド等で構成された中間搬送ローラ接離駆動部36で、用紙Pを搬送する閉位置(
図2中実線で示した)、および用紙Pに圧を加えない開位置(
図2中破線で示した)に駆動される。
【0028】
また、排紙ローラ26は、モータ、ソレノイド等で構成された排紙ローラ接離駆動部37により用紙Pを搬送する閉位置(
図2中破線で示した)と用紙Pに圧を加えない開位置(
図2中実線で示した)に駆動される。
【0029】
入口ローラ対回転駆動部32、水平搬送ローラ対回転駆動部33、中間搬送ローラ対回転駆動部34、排紙ローラ駆動部35、中間搬送ローラ接離駆動部36、排紙ローラ接離駆動部37は、制御手段である制御部31に接続されている。また、制御部31には、入口センサー13、用紙先端検知センサー14、検知センサー15、水平搬送センサー16、排紙センサー17が接続されており、制御部31は、用紙Pの位置を検出する。
【0030】
制御部31は、CPU(Central processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるマイクロコンピュータで構成し、CPUで制御プログラムを実行することにより各部の制御を行う。制御部31は各駆動部を次のように駆動制御する。すなわち、排紙ローラ26および従動ローラ27を閉位置(
図2中破線で示した)としてこれを維持して、この排紙ローラ26および従動ローラ27に用紙Pを突き当てる。さらに、用紙Pの後端が水平搬送ローラ対11を抜けたとき、排紙ローラ26および従動ローラ27を開位置にして用紙後処理装置200内で用紙のスキュー補正を行う。
【0031】
次に入口ローラ対10、水平搬送ローラ対11、中間搬送ローラ対12、排紙ローラ26の動作について説明する。まず、用紙後処理装置200の入口ローラ対10によるスキュー補正について説明する。
図2、
図3、および
図4は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態1に係る用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。
図2は用紙後処理装置の入口ローラによるスキュー補正を示すものである。
【0032】
画像形成装置100の最終ローラ対である画像形成装置100の排紙ローラ101を通過した用紙Pは、用紙後処理装置200の入口部に配置された入口センサー13を通過する。用紙Pが入口ローラ対10に用紙先端が達したとき、入口ローラ対10が閉位置で所定時間停止させ、用紙Pの先端を平行に近づける。これによりスキュー補正がなされる。このとき用紙Pの後端はまだ排紙ローラ101に挟まれているため、用紙先端がたわむことになる。
【0033】
図3はスキュー補正後の用紙搬送状態を示す図である。入口ローラ対10でスキュー補正された用紙Pは水平搬送ローラ対11および中間搬送ローラ対12で排紙ローラ26の方向に搬送される。
【0034】
図4は後処理装置機内で行う2度目のスキュー補正処理を示す図である。中間搬送ローラ対12で挟まれ搬送された用紙Pの先端が排紙ローラ26に達する前に用紙Pを排紙ローラ26と従動ローラ27とで挟む排出可能な閉位置へと移動し、さらに排紙ローラ26の搬送駆動を停止する。中間搬送ローラ対12で挟まれ搬送された用紙Pの先端が排紙ローラ26に達し、さらに用紙Pの後端が水平搬送ローラ対11を通過したら、中間搬送ローラ対12を開位置に移動させる。これにより、用紙Pが大きくたわむことなくスキュー補正を行うことができる。
【0035】
次に用紙後処理装置200内でのスキュー補正について説明する。
図5は同用紙後処理装置における用紙の状態を示す模式図である。(a)は入口ローラ対10でのスキュー補正を、(b)は用紙後処理装置200内でのスキューの補正を示している。
【0036】
図5(a)に示すように、入口ローラ対10を停止させ、上流に配置された図示していない画像形成装置100の排紙ローラ101で搬送された用紙Pの先端が入口ローラ対10に達してスキューが補正される。しかし、これだけでは、スキューが完全に補正されない場合がある。そこで、
図5(b)に示すように、用紙後処理装置200内で2度目のスキュー補正を行う。すなわち、閉位置にある排紙ローラ26に用紙先端を突き当て、用紙Pの後端が水平搬送ローラ対11を通過した時点で中間搬送ローラ対12を開位置に移動させる。これにより、用紙Pを大きくたわませることなくスキュー補正を行うのである。
【0037】
この用紙後処理装置200内でのスキュー補正の処理について説明する。
図6は同用紙後処理装置の制御を示すフローチャートである。まず、入口ローラ対10でスキュー補正を行う(ステップS1)。これは公知の技術であるため詳細な説明は省略する。次に、排紙センサー28がON状態となるのを待ち(ステップS2)、オン状態となったら排紙ガイド板を閉じ(ステップS3)、さらに排紙ローラ26の駆動を停止する(ステップS4)。これにより、用紙Pの先端を閉位置にある排紙ローラ26に突き当てる。
【0038】
次に、用紙後端が水平搬送ローラ対11を抜けるのを待ち(ステップS5)、用紙Pの後端が水平搬送ローラ対11を抜けた時点で中間搬送ローラ対12を開位置とし、用紙への圧を解除する(ステップS6)。中間搬送ローラ対12の圧解除が完了したら、例えば50mSec間待ち(ステップS8)、排紙ローラ26の搬送を開始する(ステップS9)とともに、排紙ガイド板の開き動作を行う(ステップS10)。この50mSecの待ちの間、用紙先端が排紙ローラ26に加圧された状態でこの時用紙の先端は搬送方向に対して水平を保たれている。さらに用紙後端に対する圧を解除することにより、用紙のスキューが完全に補正される。
【0039】
<実施形態2>
次に本発明に係る用紙後処理装置の実施形態2に係る用紙後処理装置について説明する。実施形態2に係る用紙後処理装置では、スキュー補正によって形成したたわみを除去する。
図7は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態2に係る用紙後処理装置の制御を示すフローチャートである。
【0040】
スキュー補正によるたわみが形成された後、
図6のS8を処理した後、制御部31は、形成されたたわみを取りつつ用紙Pを下流側へ用紙を搬送する。まず、中間搬送ローラ対12を閉状態(
図3参照)へ移動させる(ステップS20)。次いで中間搬送ローラ対12が閉位置に移動完了したら排紙ローラ26の「周速S」、および中間搬送ローラ対12の「周速S’」を、「周速S」=363.4mm/Sec、「周速S’」=352.8mm/Secに設定し用紙の搬送動作を開始する(ステップS21、ステップS22、ステップS23)。これにより下流側に位置する排紙ローラ26の「周速S」>「周速S’」となるので、用紙Pに形成されたたわみを搬送しながら取り除くことができる。
【0041】
なお、本実施形態ではcpm80枚の装置で周速を設定しているが、この周速は接続される画像形成装置に依存することもあるため周速はこの限りではない。また、「周速S」を「周速S‘」の3%増しとしている。これは各種検証結果によって導き出した結果から最適値として設定しており、紙種、サイズ、転写条件等に依存する。このため設定値もこの限りではない。重要なのは「周速S」≧「周速S’」の関係が成り立っていることである。
【0042】
<実施形態3>
次に本発明に係る用紙後処理装置の実施形態3に係る用紙後処理装置について説明する。
図8は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態3に係る用紙後処理装置の制御を示すフローチャートである。実施形態2において、
図6で示した手順でスキュー補正を行うために中間搬送ローラ対12を開位置(
図4参照)へ移動させる制御について説明した。しかしスキューの程度はサイズ、紙種、転写条件等に依存して異なる。また、スキューによる影響を許容でき、かつ生産性の向上を望むユーザーにとっては、中間搬送ローラ対12の開位置への移動(
図6のS6)、搬送位置移動(
図7のS20)の動作は余分な動作となる。
【0043】
そこで実施形態3に係る用紙後処理装置では、上述の動作の有無を選択できるようにした。これにより、ユーザーの利便性を向上させることができる。具体的には、制御部31は、(ステップS5:
図6)用紙Pの後端が水平搬送ローラ対11を抜けるのを待った後に、中間搬送ローラ対12が開位置となる設定の有無を確認(ステップS30)し、設定がありの場合は
図6(ステップS6)以降の制御を実行する。設定がなしの場合は、50mSec経過待ち(ステップS31)をした後に排紙ローラ26、中間搬送ローラ対12の搬送動作を開始する(ステップS32)。なお、本実施例で記載した(ステップS30):中間搬送ローラ対12が開位置に移動するかの設定はユーザーによる操作を前提としているが、画像形成装置からの情報であっても構わない。さらには、制御部31が紙種、サイズ、転写条件等の各種条件から自動判断してもよい。
【0044】
<実施形態4>
次に本発明に係る用紙後処理装置の実施形態4に係る用紙後処理装置について説明する。
図9は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態4に係る用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。この図は、スキュー補正後の用紙Pを排紙トレイ5方向へ搬送して、排紙する用紙状態について説明するものである。用紙Pのスキュー補正が完了したタイミングで、開位置にあった中間搬送ローラ対12を閉位置へ移動させ、排紙ローラ26とともに正転方向へ回転駆動し、用紙の搬送を再開する。
【0045】
用紙の後端が所定の位置を通過したタイミングで、前述のシフト機構により中間搬送ローラ対12を用紙搬送方向と直行する方向に一定量移動し、用紙Pのシフトを行う。シフトされた用紙Pは排紙トレイ5に排出され、順次スタックされていく。
【0046】
図10は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態5に係る用紙後処理装置の各種ローラの配置状態を示す模式図である。ここでは、スキュー補正後の用紙を中とじ・中折り処理部方向へ搬送・排紙する処理について説明する。
【0047】
用紙のスキュー補正が終了したタイミングで、開位置にあった中間搬送ローラ対12を閉位置へ移動させ、排紙ローラ26とともに正転方向へ回転駆動し、用紙の搬送を再開する。次いで、用紙の後端が所定の位置を通過したタイミングで、前述の分岐爪8が下搬送経路4方向へ切り替わる。分岐爪8が切り替わると、中間搬送ローラ対12と排紙ローラ26とが逆回転し、用紙Pをスイッチバックさせて下搬送経路4へと用紙を搬送し、順次中とじ処理を行う。
【0048】
以下、本発明に係る用紙後処理装置でスキュー量を測定した結果について説明する。
図11は本発明を適用しない場合における用紙のスキューおよびレジストの状態を示すグラフである。これは従来技術におけるスキューおよびレジストズレの状態に相当する。公知技術である後処理装置入口部でのスキュー補正のみを実施した場合、例えば4.2mmスキュー、かつ1.13mmレジストずれしている用紙を受け入れた場合、(1)入口部でのスキュー補正でスキュー量は減少するが、それでもスキュー量は1.66mm残っている(グラフ中破線A)。また、レジストズレ量は1.13mmのままである(グラフ中点線B)。これは、生産性を落とさずに公知の技術によるスキュー補正を行った場合の効果である。なお、スキューの要因については、印刷機や複写機等の画像形成装置機内を搬送する際のスキューや、給紙部へ用紙をセットする際のズレ、画像形成装置と後処理装置との接続部の傾きなど、さまざまであり、本実施形態ではスキューの要因については特定しない。
【0049】
図12は本発明に係る用紙後処理装置での用紙のスキューおよびレジストの状態を示すグラフである。(1)入口部でのスキュー補正および(2)後処理装置機内でのスキュー補正を実施した結果、スキュー量は0mmにすることができた。これにより、スキューのない用紙を提供することができるが(グラフ中破線A)、レジストズレ量については、受け入れた状態である1.13mmのままとなっている(グラフ中点線B)。
【0050】
次にレジスト補正も実施した場合を示す。
図13は本発明を適用した第2の例での用紙のスキューおよびレジストの状態を示すグラフである。図中(3)レジスト補正のように受け入れた用紙のレジストズレも補正することができる。これにより、用紙の位置がより適正な位置で搬送できることがわかる。
【0051】
<実施形態5>
次に用紙後処理装置200でのレジスト補正を行うための制御について説明する。
図14は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態5に係る用紙後処理装置でレジスト補正を行う場合の制御を示すフローチャートである。スキュー補正後、ステップS10(
図6)の後、図示しないレジスト検出手段によりレジストズレ量を検出し、レジスト補正手段を備えた中間搬送ローラ対12で検出されたずれを補正する。これにより用紙Pを所定の適切な位置へと搬送することができる。
【0052】
すなわち、入口部でのスキューを補正し(ステップS11)、排紙センサーがオン状態になった後(ステップS12のYes)、排紙ガイド板を閉じ(ステップS13)、排紙ローラ26を停止する。そして、用紙Pの後端が水平搬送ローラ対11を抜けた後(ステップS15のYes)、中間搬送ローラ対12を開状態にする(ステップS16)。さらに中間搬送ローラ対12が開状態となった後(ステップS17のYes)、50msec待ち(ステップS18)、排紙ローラ26での搬送を開始し(ステップS19)、排紙ガイド板を開き動作して(ステップS20)、レジスト補正を行う(ステップS21)。
【0053】
<実施形態6>
また、例えばシフト動作仕分け動作を行う場合は、前記レジスト補正を行うことにより、より仕分け精度の高い仕分けを行うことができる。
図15は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態6に係る用紙後処理装置でシフト動作を行う場合の制御を示すフローチャートである。ステップS31からステップS40まで、実施形態5と同じ動作を行い、スキュー補正が完了(ステップS40)した後、図示しないレジスト検出手段によりレジスト補正量を検出し(ステップS41)、図示しないレジスト補正量通達手段により仕分け制御手段へと通達し、仕分け動作制御手段においてレジスト補正量を加味し、適正な位置へと用紙を仕分けする(ステップS42)。
【0054】
<実施形態7>
また、レジスト補正後に各搬送モータを正転駆動して処理トレイ或いは積載トレイへと用紙をストレート搬送する場合、搬送中心位置にて用紙を搬送することができる。
図16は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態7に係る用紙後処理装置でストレート搬送を行う場合の制御を示すフローチャートである。ステップS51からステップS60まで、実施形態5と同じ動作を行ってスキュー補正を完了(ステップS60)した後、レジスト補正を行い(ステップS61)、各搬送モータ正転方向に配置された処理トレイあるいは積載トレイへと用紙をストレート搬送する(ステップS62)。これにより、用紙を理想の搬送中心位置にて搬送することができる。
【0055】
<実施形態8>
また、例えばレジスト補正後に各搬送モータを逆転駆動することによりスイッチバック搬送する場合には、搬送後の処理トレイあるいは積載トレイに対して、搬送中心位置にて用紙を搬送することができ、より精度の高い処理を実施することができる。
【0056】
図17は本発明に係る用紙後処理装置の実施形態8に係る用紙後処理装置でスイッチバック搬送を行う場合の制御を示すフローチャートである。ステップS71からステップS80まで、実施形態5と同じ動作を行ってスキュー補正を完了(ステップS60)した後、レジスト補正(ステップS81)を行い、各搬送モータを逆転方向に回転し、配置された処理トレイあるいは積載トレイへと用紙をスイッチバック搬送する(ステップS82)。これにより、用紙を理想の搬送中心位置にて搬送することができる。
【0057】
なお、前記実施形態では正転方向をストレート搬送、逆転方向をスイッチバック搬送として説明しているが、これは一例であり、必ずしもこの限りではない。