(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態による撮像装置の回路構成を例示するブロック図である。
図1に例示される電子カメラ200は、撮影レンズ7と、絞り8と、絞り駆動部9と、撮像素子10と、アナログ信号処理回路11と、A/D変換回路12と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)13と、ドライバ16と、タイミングジェネレータ(TG)17と、CPU18と、RAM19と、ROM20と、表示モニタ21と、メインスイッチ22と、半押しスイッチ23と、全押しスイッチ24と、測光装置25と、操作部材26と、記録媒体27とを備える。
【0009】
撮影レンズ7は、ズームレンズやフォーカシングレンズを含む複数のレンズ群で構成され、被写体像を撮像素子10の受光面に結像させる。なお、
図1では、図を簡単にするため、撮影レンズ7は単レンズとして図示されている。絞り8は、複数枚の絞り羽根(不図示)から形成され、撮像素子10に受光させる光束の光量を調整する。絞り駆動部9は、CPU18から送信された絞り値に基づいて、絞り羽根(不図示)を駆動する。
【0010】
なお、
図1に示す電子カメラ200は、撮影レンズ7がカメラと一体的に形成された(撮影レンズが着脱不能な)デジタルカメラである。しかしながら後述する構成は、カメラボディと、そのカメラボディに着脱可能な交換レンズからなるカメラシステムに適用することも可能である。その場合、
図1に図示された構成のうち撮影レンズ7、絞り8、絞り駆動部9が交換レンズ側の構成となり、その他の構成がカメラボディ側の構成となる。
【0011】
撮像素子10は、撮像面上に撮像画素を有する。撮像画素は、撮像素子10の撮像面上に、例えばベイヤ配列に従い配置されている。撮像素子10の撮像面には撮影レンズ7によって被写体像が結像される。撮像素子10の各画素は、シャッタスピードの間露光して、被写体像の明るさに応じた信号電荷が蓄積される。
【0012】
撮像素子10は、内部発振装置10aを内蔵する。内部発振装置10aは、所定のフレームレートで駆動信号を発生させる。撮像素子10に蓄積された信号電荷は、内部発振装置10aまたは後述するドライバ16が出力する駆動信号に従って読み出されて、アナログ信号処理回路11に出力される。撮像画素に蓄積された信号電荷は、ライブビュー画像、各種圧縮形式で圧縮された記録用画像の生成などに用いられる。
【0013】
アナログ信号処理回路11は、AGC回路やCDS回路などを含み、撮像素子10から読み出された信号電荷に対するアナログ信号処理(ゲインコントロール、ノイズ除去など)を行い、撮像信号を出力する。A/D変換回路12は、アナログ信号処理回路11によるアナログ信号処理後の撮像信号をデジタル信号に変換して、ASIC13に出力する。なお、アナログ信号処理回路11およびA/D変換回路12は、撮像素子10と一体的に形成することができる。
【0014】
ASIC13は、RAM19を作業領域として、A/D変換回路12から出力されるデジタル信号に対して露出補正や明暗差調整などの画像処理を行い、ライブビュー画像、各種圧縮形式で圧縮された記録用画像などを出力する。
【0015】
露出補正とは、電子カメラ200のCPU18が自動露出制御により定めた適正露出から露出を変更して、画像の明るさを変更することである。露出補正の強度は、零を中心値とする所定の範囲の値に設定することができる。
【0016】
明暗差調整とは、デジタル信号が表す画像のハイライト部の白とびを抑え、シャドー部の黒つぶれを軽減するための画像処理である。明暗差調整の強度には「強」、「中」、「弱」などの段階があり、「中」が中間値である。
【0017】
タイミングジェネレータ17は、CPU18の制御のもと、タイミング信号を発生させる。タイミング信号は、アナログ信号処理回路11、A/D変換回路12、およびドライバ16のそれぞれに供給される。ドライバ16は、タイミング信号を用いて駆動信号を生成し、その駆動信号を撮像素子10へ出力する。
【0018】
CPU18は、マイクロコンピュータなどによって構成され、RAM19を作業領域として用いてROM20に記憶された制御プログラムを実行して、電子カメラ200の各部を制御する。例えば、自動露出制御、オートフォーカス処理等が実行される。
【0019】
RAM19は、ASIC13、CPU18等が各部の処理を実行する際に一時的にデータを格納する作業用メモリである。ROM20は、例えばEEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであって、電子カメラ200の制御プログラムや設定情報等を記憶している。表示モニタ21は、例えば液晶モニタであって、ライブビュー画像、メニュー画面、後述する記録媒体27に保存された記録画像などが表示される。表示モニタ21に表示される表示データは、CPU18により生成される。
【0020】
メインスイッチ22は、オン操作またはオフ操作に応じた操作信号をCPU18へ出力する。CPU18は、オン操作信号を受けた場合に不図示の電源回路から各ブロックへ電源供給を開始させ、オフ操作信号を受けた場合には該電源回路から各ブロックへの電源供給を停止させる。
【0021】
半押しスイッチ23および全押しスイッチ24は、レリーズボタン(不図示)の押下操作に連動してオン/オフされ、それぞれが操作信号をCPU18へ出力する。半押しスイッチ23は、レリーズボタン(不図示)が通常ストロークの半分程度まで押し下げ操作されると半押し信号を出力する。そして、半押しスイッチ23は、半ストロークの押し下げ操作解除により半押し信号の出力が解除される。
【0022】
全押しスイッチ24は、レリーズボタン(不図示)が通常ストロークまで押し下げ操作されると全押し信号を出力する。そして、全押しスイッチ24は、通常ストロークの押し下げ操作が解除されると全押し信号の出力が解除される。
【0023】
測光装置25は、CPU18に対して半押しスイッチ23の半押し信号が入力されたとき、被写体の輝度を算出する。操作部材26は、スイッチ等であって、電子カメラ200の動作モードを変更するときや、後述する第2ライブビューモードにおいて画像効果の設定値を設定するときなどに用いられる。記録媒体27は、たとえば、フラッシュメモリカードなどのデータストレージ部材によって構成され、記録用画像などが保存される。
【0024】
(電子カメラ200の動作モード)
電子カメラ200は、第1ライブビュー表示モードと、第2ライブビュー表示モードと、撮影モードなどの動作モードを有する。ASIC13は、各動作モードに対応した画像データを、A/D変換回路12から出力されたデジタル信号に基づいて生成する。
【0025】
電子カメラ200の動作モードが第1ライブビュー表示モードのとき、ASIC13は、A/D変換回路12から出力されたデジタル信号に基づいて、ライブビュー画像を生成する。そして、そのライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示する。第1ライブビュー表示モードでは、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整などのパラメータの設定値は、オート制御により自動的に調整される。
【0026】
電子カメラ200の動作モードが第2ライブビュー表示モードのとき、ASIC13は、A/D変換回路12から出力されたデジタル信号に基づいて、画像効果が付加されたライブビュー画像を生成する。そして、そのライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示する。第2ライブビュー表示モードのときにライブビュー画像に付加される画像効果は、例えば絞りによる画像効果、シャッタスピードによる画像効果、露出補正による画像効果、明暗差調整による画像効果などがある。
【0027】
電子カメラ200の動作モードが撮影モードのとき、ASIC13は、A/D変換回路12から出力されたデジタル信号と、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整などのパラメータとに基づいて、記録媒体27に記録するための記録用画像を生成する。撮影者は、記録用画像に付加される画像効果を、第2ライブビュー表示モードにおいて表示モニタ21に逐次表示されるライブビュー画像により予め確認することができる。
【0028】
CPU18は、電子カメラ200の動作モードが第1ライブビュー表示モードであるとき、操作部材26を用いて動作モードを第2ライブビュー表示モードに切り替えられると、第1ライブビュー表示モードの処理を終了して第2ライブビュー表示モードの処理を開始する。また、CPU18は、電子カメラ200の動作モードが第2ライブビュー表示モードであるとき、操作部材26を用いて動作モードを第1ライブビュー表示モードに切り替えられると、第2ライブビュー表示モードの処理を終了して第1ライブビュー表示モードの処理を開始する。CPU18は、第1ライブビュー表示モードまたは第2ライブビュー表示モードの処理の実行中に全押し信号が出力されたとき、電子カメラ200を撮影モードに移行させる。
【0029】
第2ライブビュー表示モードの処理を開始したとき、CPU18は、操作部材26による操作を受け付けて、ライブビュー画像に付加させる画像効果を選択させる。ユーザが絞りによる画像効果を選択した場合、表示モニタ21には絞り値を設定するための設定画面と、その設定画面を介して設定された絞り値による画像効果が付加されたライブビュー画像とが逐次表示される。ユーザは、設定画面を用いて絞り値を調整しながらライブビュー画像を見て、撮影モードにおいて記録用画像に付加される絞りによる画像効果を確認することができる。例えば、ユーザが背景をぼかして特定の被写体を強調した画像を記録したい場合に、ユーザは絞り値が小さく設定されたライブビュー画像を見ることにより背景のぼけ具合などを確認することができる。
【0030】
ユーザがシャッタスピードによる画像効果を付加するモードを選択した場合、表示モニタ21にはシャッタスピードを設定するための設定画面と、その設定画面を介して設定されたシャッタスピードによる画像効果が付加されたライブビュー画像とが逐次表示される。ユーザは、設定画面を用いてシャッタスピードを調整しながらライブビュー画像を見て、撮影モードにおいて記録用画像に付加されるシャッタスピードによる画像効果を確認することができる。例えば、ユーザが長秒時撮影を行って被写体の動きが表現された画像を記録したい場合に、ユーザは長いシャッタスピードが設定されたライブビュー画像を見ることにより記録用画像において表現される被写体の動きを撮影前に確認することができる。設定画面において、設定可能なシャッタスピードの範囲は予め定められている。設定画面で設定可能なシャッタスピードの最長値、換言すると第2ライブビュー表示モードにおいて設定可能な最低速秒時は、例えば1/2secである。また、設定画面で設定可能なシャッタスピードの最短値、換言すると第2ライブビュー表示モードにおいて設定可能な最高速秒時は、例えば1/4000secである。第2ライブビュー表示モードでは、第1ライブビュー表示モードにおいて設定可能なシャッタスピードの最長値よりも長いシャッタスピードに設定することができる。
【0031】
ユーザが露出補正による画像効果を付加するモードを選択した場合、表示モニタ21には露出補正の強度を設定するための設定画面と、その設定画面を介して設定された強度の露出補正による画像効果が付加されたライブビュー画像とが逐次表示される。ユーザは、設定画面を用いて露出補正の強度を調整しながらライブビュー画像を見て、撮影モードにおける記録用画像の明るさを撮影前に確認することができる。
【0032】
ユーザが明暗差調整による画像効果を付加するモードを選択した場合、表示モニタ21には明暗差調整の強度を設定するための設定画面と、その設定画面を介して設定された強度の明暗差調整による画像効果が付加されたライブビュー画像とが逐次表示される。ユーザは、設定画面を用いて明暗差調整の強度を調整しながら画像効果が付加されたライブビュー画像を見て、撮影モードにおいて記録用画像に付加される明暗差調整による画像効果を確認することができる。例えば、ユーザは、黒つぶれや白とびの画像領域の有無、明暗差調整により画像に現れるノイズ(ざらつき、むら、すじ)などを撮影前に確認することができる。
【0033】
CPU18は、第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始するときと、第2ライブビュー表示モードを終了して第1ライブビュー表示モードを開始するときとにおいて、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータの設定値または強度(以後、総じて設定値と称する)を初期化する。
【0034】
CPU18は、第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始するとき、ライブビュー画像に付加する画像効果に関わるパラメータの設定値を所定の初期値に設定して、画像効果に関わるパラメータ以外のパラメータの設定値をオート制御により設定する。オート制御とは、ライブビュー画像や記録用画像において適正露出が保たれるように、ユーザにより設定されたパラメータを除く他のパラメータの設定値をCPU18が算出して設定する制御である。また、ユーザにより設定されたパラメータが無い場合は、測光装置25により算出された被写体の輝度を基に、各パラメータの設定値をCPU18が算出して設定する制御である。
【0035】
また、CPU18は、第2ライブビュー表示モードを終了して第1ライブビューモードを開始するとき、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータの設定値の初期値として、オート制御により算出された値に設定する。
【0036】
図2は、第1のライブビュー表示モードが終了して第2ライブビュー表示モードを開始するときに実行されるパラメータの設定値の初期化処理に関するフローチャートである。
図2に示す処理は、CPU18により実行される。
【0037】
ステップS100では、CPU18は、ライブビュー画像に付加させる画像効果として、どのパラメータが選択されたかを判断する。CPU18は、絞りによる画像効果が選択された場合、処理をステップS101に進める。CPU18は、シャッタスピードによる画像効果が選択された場合、処理をステップS102に進める。CPU18は、露出補正による画像効果が選択された場合、処理をステップS103に進める。CPU18は、明暗差調整による画像効果が選択された場合、処理をステップS104に進める。
【0038】
ステップS101では、CPU18は、絞り値の初期値を開放絞り値に設定して、シャッタスピード、露出補正、および明暗差調整の各パラメータにおける設定値の初期値をオート制御により算出された値に設定する。その後、初期化処理を終了して、第2ライブビュー表示モードの処理を開始する。絞り値の初期値を開放絞り値に設定することにより被写界深度が浅くなり、ライブビュー画像において背景が顕著にぼけて電子カメラ200に近い特定の被写体が強調されるため、ユーザに対して第1ライブビュー表示モードから第2ライブビュー表示モードに変更されたことを知らしめることができる。
【0039】
ステップS102では、CPU18は、設定画面を介して設定可能なシャッタスピードの最長値(前述の例では、1/2sec)に設定して、絞り、露出補正、および明暗差調整の各パラメータにおける設定値の初期値をオート制御により算出された値に設定する。その後、初期化処理を終了して、第2ライブビュー表示モードの処理を開始する。設定画面を介して設定可能な最長値にシャッタスピードを設定することにより、ライブビュー画像において被写体の動きが表現された長秒時撮影の効果が顕著に現れるため、ユーザに対して第1ライブビュー表示モードから第2ライブビュー表示モードに変更されたことを知らしめることができる。
【0040】
ステップS103では、CPU18は、露出補正による画像効果が付加されたライブビュー画像の生成を開始するときは、露出補正の強度を中間値である零に設定して、絞り、シャッタスピード、および明暗差調整の各パラメータにおける設定値の初期値をオート制御により算出された値に設定する。その後、初期化処理を終了して、第2ライブビュー表示モードの処理を開始する。
【0041】
ステップS104では、CPU18は、明暗差調整による画像効果が付加されたライブビュー画像の生成を開始するときは、明暗差調整の強度を中に設定して、絞り、シャッタスピード、および露出補正の各パラメータにおける設定値の初期値をオート制御により算出された値に設定する。その後、初期化処理を終了して、第2ライブビュー表示モードの処理を開始する。
【0042】
図3は、第2のライブビュー表示モードが終了して第1のライブビュー表示モードを開始するときに実行されるパラメータの設定値の初期化処理に関するフローチャートである。
図3のステップS200では、CPU18は、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータにおける設定値の初期値をオート制御により算出された値に設定する。その後、
図3の初期化処理を終了して、第1ライブビュー表示モードの処理を実行する。
【0043】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態における電子カメラは、第1の実施の形態における電子カメラ200と同一の構成を備え、第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始するときに実行する処理についても第1の実施の形態と同一である。第2の実施の形態では、第1ライブビュー表示モードの処理を終了して第2のライブビューモードの処理を開始する場合に、第1ライブビュー表示モードの処理を終了する直前に絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータの設定値をRAM19に記憶する点と、第2ライブビュー表示モードを終了して第1のライブビューモードを開始するときにRAM19に記憶された各パラメータの設定値を初期値に設定する点が第1の実施の形態と異なる。
【0044】
第2の実施の形態では、第1ライブビュー表示モードと第2ライブビュー表示モードとで共通して用いられる共通メモリ領域がRAM19に確保される。この共通メモリ領域には、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータの設定値をそれぞれ一つずつ記憶することができる。共通メモリ領域に記憶された各パラメータの設定値は、第1ライブビュー表示モードや第2ライブビュー表示モードの処理が終了した後であっても参照可能に維持される。CPU18は、第1ライブビュー表示モードの処理を終了して第2のライブビューモードの処理を開始する場合、第1ライブビュー表示モードの処理を終了する直前に絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータの設定値をRAM19内の共通メモリ領域に記憶する。
【0045】
図4は、第1のライブビュー表示モードを開始するときに実行される各パラメータにおける設定値の初期化処理に関するフローチャートである。
図4に示す処理は、CPU18により実行される。
【0046】
ステップS300では、CPU18は、RAM19の共通メモリ領域に各パラメータの設定値が記憶されているか否かを判定する。メインスイッチ22のオン操作が行われてから最初に第1のライブビュー表示モードの動作を開始する場合、各パラメータの設定値がRAM19の共通メモリ領域に記憶されていないため、ステップS300は否定判定される。一方で、第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始して、更にその第2ライブビュー表示モードを終了して第1ライブビュー表示モードを再開する場合は、各パラメータの設定値がRAM19の共通メモリ領域に記憶されているため、ステップS300は肯定判定される。CPU18は、ステップS300が肯定判定された場合、つまり第1のライブビュー表示モードを終了して第2のライブビュー表示モードが開始されるときのように、各パラメータの設定値がRAM19に記憶されている場合はステップS301に処理を進め、ステップS300が否定判定された場合、つまりメインスイッチ22のオン操作が行われてから最初に第1のライブビュー表示モードの動作を開始するときのように、各パラメータの設定値がRAM19に記憶されていない場合はステップS302に処理を進める。
【0047】
ステップS301では、CPU18は、RAM19の共通メモリ領域に記憶されている設定値を絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータにおける設定値の初期値に設定する。その後、
図4の初期化処理を終了して、第1ライブビュー表示モードの処理を実行する。
【0048】
ステップS302では、CPU18は、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータにおける設定値の初期値をオート制御に算出された値を初期値として設定する。その後、
図4の初期化処理を終了して、第1ライブビュー表示モードの処理を実行する。
【0049】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態における電子カメラは、第1の実施の形態における電子カメラ200と同一の構成を備える。第3の実施の形態では、第2ライブビュー表示モードの処理を終了して第1ライブビュー表示モードの処理を開始するときに絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータの設定値をRAM19内に記憶する点と、第2ライブビュー表示モードの処理を終了して第1のライブビューモードの処理を開始するときにその各パラメータの設定値をRAM19に記憶した値に戻す点が第1の実施の形態と異なる。
【0050】
第3の実施の形態においても、RAM19には、第1ライブビュー表示モードと第2ライブビュー表示モードとで共通して用いられる共通メモリ領域が確保されている。第3の実施の形態では、この共通メモリ領域に、絞り、シャッタスピード、露出補正、および明暗差調整のパラメータのうちいずれか一つのパラメータの設定値と、そのパラメータの種類とが記憶される。
【0051】
図5は、第2ライブビュー表示モードの処理を終了して第1ライブビュー表示モードの処理を開始するときにCPU18が実行するパラメータの記憶処理に関するフローチャートである。
ステップS400では、CPU18は、ライブビュー画像に付加させる画像効果としてどのパラメータが選択されたかを判断する。CPU18は、絞りによる画像効果を付加するモードが選択されている場合、処理をステップS401に進める。CPU18は、シャッタスピードによる画像効果を付加するモードが選択されている場合、処理をステップS402に進める。CPU18は、露出補正による画像効果を付加するモードが選択されている場合、処理をステップS403に進める。CPU18は、明暗差調整による画像効果を付加するモードが選択されている場合、処理をステップS404に進める。
【0052】
ステップS401では、CPU18は、パラメータが絞りであることを表す情報と、絞り値の設定値とをRAM19の共通メモリ領域に記憶する。その後、
図5の記憶処理を終了して、
図6で詳述する初期化処理を実行する。
【0053】
ステップS402では、CPU18は、パラメータがシャッタスピードであることを表す情報と、シャッタスピードの設定値とをRAM19の共通メモリ領域に記憶する。その後、
図5の記憶処理を終了して、
図6で詳述する初期化処理を実行する。
【0054】
ステップS403では、CPU18は、パラメータが露出補正であることを表す情報と、露出補正の強度の設定値とをRAM19の共通メモリ領域に記憶する。その後、
図5の記憶処理を終了して、
図6で詳述する初期化処理を実行する。
【0055】
ステップS404では、CPU18は、パラメータが明暗差調整であることを表す情報と、明暗差調整の強度の設定値とをRAM19の共通メモリ領域に記憶する。その後、
図5の記憶処理を終了して、
図6で詳述する初期化処理を実行する。
【0056】
ステップS401でRAM19の共通メモリ領域に記憶されたパラメータが絞りであることを表す情報と、パラメータがシャッタスピードであることを表す情報と、パラメータが露出補正であることを表す情報と、パラメータが明暗差調整であることを表す情報のことを、以降パラメータの種別を表す情報と称する。
【0057】
図6は、第1ライブビュー表示モードを開始するときにCPU18が実行するパラメータの初期化処理に関するフローチャートである。
図6に示す処理は、CPU18により実行される。
【0058】
ステップS500では、CPU18は、RAM19の共通メモリ領域にパラメータの種別を表す情報が記憶されているか否かを判定する。メインスイッチ22のオン操作が行われてから最初に第1のライブビュー表示モードの動作を開始する場合、
図5に示した処理が実行されていないため、ステップS500は否定判定される。一方で、第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始して、更にその第2ライブビュー表示モードを終了して第1ライブビュー表示モードを再開する場合は、第2ライブビュー表示モードを終了するときに
図5に示した処理が実行されているため、ステップS500は肯定判定される。CPU18は、ステップS500が肯定判定された場合はステップS501に処理を進め、ステップS500が否定判定された場合はステップS502に処理を進める。
【0059】
ステップS501では、CPU18は、RAM19の共通メモリに記憶されているパラメータの種別を表す情報に基づいて、その種別が表すパラメータの設定値を、共通メモリに記憶されている設定値に変更する。そして、CPU18は、RAM19の共通メモリに記憶されていないパラメータの初期値をオート制御によって算出された値に設定する。その後、
図6の初期化処理を終了して、第1ライブビュー表示モードの処理を実行する。
【0060】
ステップS502では、CPU18は、絞り、シャッタスピード、露出補正、明暗差調整の各パラメータにおける設定値の初期値を、オート制御により算出した値に設定する。その後、初期化処理を終了する。その後、
図6の初期化処理を終了して、第1ライブビュー表示モードの処理を実行する。
【0061】
以上で説明した実施の形態によれば、以下の作用効果が得られる。
本発明の第1〜第3の実施の形態において、電子カメラ200は、絞りとシャッタスピードと露出補正と明暗差調整を含む複数のパラメータに対して自動調整を行い、ライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示させる第1ライブビュー表示モードと、画像効果を付加したライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示させる第2ライブビュー表示モードとを有する。電子カメラ200のCPU18は、操作部材26を用いた操作により第2ライブビュー表示モードにおいて付加する画像効果を選択させて、選択された画像効果に対応するパラメータを選択する。また、第2ライブビュー表示モードにおいて、選択された画像効果に対応するパラメータは操作部材26により設定され、選択された画像効果に対応するパラメータ以外のパラメータは自動調整される。CPU18は、第1ライブビュー表示モードの処理を終了して第2ライブビュー表示モードの処理を開始するとき、選択された画像効果に対応するパラメータを所定の初期値に設定する(
図2)。これにより、ユーザに対して、ライブビュー画像に画像効果を付す動作モードが開始されたことを知らしめることができる。
【0062】
所定の初期値は、画像効果に対応したパラメータが絞り値であるときは開放絞り値である。絞り値を開放絞り値に設定することにより被写界深度が浅くなり、ライブビュー画像において背景が顕著にぼけるため、ユーザに第2ライブビュー表示モードに変更されたことを知らしめることができる。また、所定の初期値は、画像効果に対応したパラメータがシャッタスピードであるときは、シャッタスピードの設定に用いる設定画面で設定可能な最長値である。シャッタスピードを最長値に設定することにより、ライブビュー画像において長秒時撮影の効果が顕著に現れるため、ユーザに第2ライブビュー表示モードに変更されたことを知らしめることができる。
【0063】
以上で説明した実施形態は、以下のように変形して実施できる。
〔変形例1〕
操作部材26を用いた操作により、
図2に示した初期化処理が実行されないように電子カメラ200を設定してもよい。また、第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始するときに、第1ライブビュー表示モード終了時点のパラメータを初期値に用いることを選択可能に構成してもよい。
【0064】
〔変形例2〕
第2ライブビュー表示モードにおいて、シャッタスピードによる画像効果をライブビュー画像に付加する方法は、如何なる方法であってもよい。たとえば、シャッタスピードを手動設定された値に変更して、そのシャッタスピードの間、撮像素子10を露光してライブビュー画像を生成することにしてもよい。また、実際のシャッタスピードを変える代わりに、表示モニタ21への表示フレームレートF[fps]で取得したフレーム画像を用いた後述する画像の重ね合わせ(合成)等のデジタル処理、換言すれば画像処理により、シャッタスピードによる画像効果が付加されたライブビュー画像を生成することにしてもよい。以降、手動設定されたシャッタスピードの間、撮像素子10を露光してライブビュー画像を生成する方法を第1の生成方法と呼ぶ。また、フレーム画像を合成する等の画像処理により、シャッタスピードによる画像効果が付加されたライブビュー画像を生成する方法を第2の生成方法と呼ぶ。
【0065】
第2の生成方法では、たとえば、シャッタスピードがT1[sec]に手動設定された場合に、T1>1/Fのときは、ASIC13がT1×Fフレーム連続して取得されたフレーム画像を重ね合わせて、換言すると連続して取得されたフレーム画像を合成して、シャッタスピードによる画像効果が付加されたライブビュー画像を生成する。また、シャッタスピードがT1[sec]に手動設定された場合に、T1≦1/Fのときは、ASIC13がシャッタスピードT1で生成した各ライブビュー画像をそれぞれ1/F秒間表示する。
【0066】
また、第2ライブビュー表示モードにおいて、CPU18が手動設定されたシャッタスピードに基づいて第1の生成方法と第2の生成方法とを切り替えて、シャッタスピードによる画像効果を付加したライブビュー画像を生成することにしてもよい。たとえば、シャッタスピードによる画像効果が付加されたライブビュー画像を第1の生成方法で生成することができる範囲内にシャッタスピードが手動設定された場合には第1の生成方法が選択され、シャッタスピードによる画像効果が付加されたライブビュー画像を第1の生成方法で生成することができない範囲内にシャッタスピードが手動設定された場合には第2の生成方法が選択されるようにすればよい。より具体的には、CPU18は、シャッタスピードが所定の閾値Th、たとえば1/2[sec]以下の値に手動設定された場合には第1の生成方法に切り替えて、シャッタスピードが所定の閾値Thより大きい値に手動設定された場合には第2の生成方法に切り替えることにしてもよい。手動設定された設定値が所定の閾値Th以下か否かに基づいて、第1の生成方法と第2の生成方法とを切り替えるようにすることで、第2ライブビュー表示モードで設定可能なパラメータの範囲を拡大することができる。なお、上の例では、閾値Thを1/2[sec]としたが、第1の生成方法でシャッタスピードによる画像効果を付加したライブビュー画像を生成することができる値であれば他の値を閾値としてもよい。
【0067】
電子カメラ200には、被写体に適した設定(シーンモード)が被写体の種類ごとに予め設けられている。電子カメラ200には、たとえば、人物の撮影に適したポートレートモード、自然の風景や街並みの撮影に適した風景モード、夜景や暗闇での撮影に適した夜景モードなどが予め設けられている。CPU18は、これらのシーンモードごとに閾値Thを異ならせることにしてもよい。
【0068】
また、CPU18は、電子カメラ1のシーンモードに応じて、第1の生成方法と第2の生成方法とを切り替えることにしてもよい。たとえば、電子カメラ200のシーンモードが夜景モードに設定された場合には、第2の生成方法に切り替えることにしてもよい。夜景モードは、シャッタスピードは長秒時に設定される。電子カメラ200が夜景モードに設定された場合には、第2の生成方法に切り替えることにより、夜景モードでユーザが撮影しようとしたライブビュー画像を表示モニタ21に表示させることができるようになる。
【0069】
また、第1の生成方法で生成したライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示しているときに、第2の生成方法で生成したライブビュー画像をさらに表示モニタ21に逐次表示することにしてもよい。このようにすることで、第1の生成方法でライブビュー画像を表示した場合と、第2の生成方法でライブビュー画像を表示した場合の差異をユーザに知らしめることができる。また、複数のシャッタスピードによる画像効果が付加されたライブビュー画像を同時に生成して表示することができるため、シャッタスピードの変更による影響をユーザに明瞭に知らしめることができる。
【0070】
第1の生成方法で生成したライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示しているときに第2の生成方法で複数のライブビュー画像を生成することにしてもよい。また、第1の生成方法で生成したライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示しているときに第2の生成方法で生成するライブビュー画像は、サムネイル画像のように小さく表示することにしてもよい。たとえば、第1の生成方法で生成したライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示しているときに、シャッタスピードを上限値に設定したときのライブビュー画像と下限値に設定したときのライブビュー画像とを第2の生成方法で生成して、それらのライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示することにしてもよい。なお、シャッタスピードの上限値および下限値は、第1の生成方法でライブビュー画像を生成する際の上限値および下限値でもよいし、第2の生成方法でライブビュー画像を生成する際の上限値および下限値でもよい。
【0071】
絞り値による画像効果をライブビュー画像に付加する場合も同様に、第2ライブビュー表示モードにおいて、絞り8の絞り値を手動設定された値に設定してライブビュー画像を生成することにしてもよいし、実際の絞り値の設定を変える代わりに画像処理でライブビュー画像をぼかすことにしてもよい。また、第2ライブビュー表示モードにおいて手動設定された絞り値に基づいて、実際に絞り8をその絞り値に設定してライブビュー画像を生成するのか、画像処理を用いてぼかしたライブビュー画像を生成するのかをCPU18が切り替えることにしてもよい。二つの生成方法を切り替える閾値をシーンモード等に基づいて変更可能にしてもよい。また、実際に絞り8をその絞り値に設定して生成したライブビュー画像を表示モニタ21に逐次表示しているときに、画像処理でぼかして生成したライブビュー画像をさらに表示モニタ21に逐次表示することにしてもよい。
【0072】
〔変形例3〕
第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始するときに設定されるライブビュー画像に付加する画像効果に関わるパラメータの初期値は、
図2に示した値に限定されない。また、第1ライブビュー表示モードを終了して第2ライブビュー表示モードを開始するときに設定されるライブビュー画像に付加する画像効果に関わるパラメータの初期値を電子カメラ200のシーンモードに基づいて変更することにしてもよい。たとえば、電子カメラ200がポートレートモードに設定されている場合には、
図2のステップS101で設定される絞り値の初期値を開放絞り値に設定し、風景モードに設定されている場合には、小絞りまたは小絞りに近い値に設定することにしてもよい。シーンモードごとに初期値を変えることにより、好適な撮影条件から第2ライブビュー表示モードによるライブビュー表示を開始することができる。
【0073】
以上で説明した実施の形態や変形例はあくまで例示に過ぎず、発明の特徴が損なわれない限り本発明はこれらの内容に限定されない。また、以上で説明した実施の形態や変形例は発明の特徴が損なわれない限り組み合わせて実行してもよい。