(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定されない。
ここで、本明細書において“質量%”と“重量%”、“質量ppm”と“重量ppm”、及び“質量部”と“重量部”とは、それぞれ同義である。また、単に“ppm”と記載した場合は、“重量ppm”のことを示す。
【0020】
本発明で使用する原料の1,4BGは、公知の方法により得ることができる。例えばブタジエンのジアセトキシ化により得た1,4−ジアセトキシ−2−ブテンを水素化、加水分解を行って得た1,4BGを使用することができる。或いは無水マレイン酸の水素化により得た1,4BG、レッペ法によりアセチレンから誘導した1,4BG、プロピレンの酸化を経由して得られる1,4BG、発酵法により得た1,4BGなどが使用可能である。これら公知技術で製造した1,4BGには製法由来の副生物として、1−アセトキシ−4−ヒドロキシブタン、1,4BGの脱水二量体や三量体、ガンマブチロラクトン、2−メチルー1,3−プロパンジオールなどの不純物が含まれているが、本発明で使用する原料の1,4BGには、これらの不純物が含まれていてもよい。
また、BGTFは1,4BGが酸化することで生成されることから、一般的に上述の製法で得られる1,4BGや市販の1,4BGにもBGTFが含まれる。そのため、通常、THFの製造原料として使用する場合、これらの1,4BGは水素添加蒸留等公知の方法によって精製され、BGTFなどの各種不純物の含有量が低減されたものを用いる。
【0021】
<製造方法1>
本発明においては、原料の1,4BG中にBGTFが0.001〜5.0重量%含まれ
ていてもよい。本発明における原料1,4BG中に含まれるBGTF濃度は、好ましくは0.001〜1.0重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.8重量%、更に好ましくは0.02%〜0.5重量%である。
原料1,4BG中のBGTFの濃度が低すぎると、精製に多大なコストが必要となり工業的に好ましくない傾向がある。一方、原料1,4BG中のBGTFの濃度が高すぎると、固形物の析出が起こり、反応器に付着して連続運転が阻害される場合がある。
【0022】
本発明では反応器内での固形副生物の生成を低減し、且つ反応速度の低下も最小限に抑えつつ安定的にTHFを得るため、BGTFを含む1,4BGを原料として用い、かつ、反応器液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とすること、及び/又は下記一般式(1)のθの値を0.001以上0.5以下の範囲とすることが必要である。これにより反応器内に高濃度に蓄積した重合物が析出を起こすことなく反応器液相中に溶解し、長期間安定的に運転を継続することが出来る。
θ=B/(W・T) (1)
(上記式(1)中、Tは反応時間(hr)、Bは反応時間TにおけるBGTF積算重量(g)、Wは反応時間Tにおける反応器内液相水分重量(g)、を示す。)
【0023】
上記一般式(1)における定義を示す。
反応時間(T)とは、原料と触媒が反応器内に導入されて、反応器内温度が設定温度に達した時点を反応開始時間とした際の経過時間である。
反応時間TにおけるBGTF積算重量(g)(B)とは、反応時間(T)における原料1,4BGの導入重量と原料1,4BG中のBGTF濃度の積である。反応器内に別途原料を用意しておく場合は、反応器内に用意しておいた原料中のBGTF重量と導入した原料中のBGTF重量の和とする。
反応時間Tにおける反応器内液相水分重量(g)(W)とは、反応器内の液相に含まれる水分重量であり、反応器内の液相部分の全体重量と、反応時間(T)における該液相部分に対してカールフィッシャー法を用いて測定した水分濃度の積である。また、反応器内の液相部と気相部に水分が存在する場合には、反応器内の液相の水分重量を意味する。
【0024】
1,4BG中のBGTFは4−ヒドロキシブチルアルデヒドと1,4BGとの反応で生じる環状アセタールであり、これは酸性条件下では容易に分解し、2,3−ジヒドロフランや2−ヒドロキシ−テトラヒドロフラン、4−ヒドロキシブチルアルデヒドを経由して容易に重合する。この時生じるポリマー(アセタールポリマー)は官能基として水酸基を多く含み、一種の多官能ポリオールとなる。
反応器内では原料1,4BGの脱水環化反応によりTHFが生成するが、その他の副生物として、副反応である1,4BG分子間脱水による1,4BGの二量体や三量体、分子量100〜10000程度の分子間脱水ポリマー(1,4BGオリゴマー)も存在する。これら副生物は、1,4BGの脱水環化反応を長期間行うことにより、反応器内に高濃度に蓄積される。アセタールポリマーと1,4BGオリゴマー及び原料1,4BGは何れも親水性が高く、反応器液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とすること、及び/又は上記式(1)のθの値を0.001以上0.5以下の範囲とすることで、反応器液相中に溶解させておくことができ、長期間安定的に運転を継続することが出来る。
【0025】
反応器液相中の水分濃度が1.4重量%未満ではアセタールポリマーの脱水反応が容易に進行し、炭素−炭素共役二重結合が生成する。更に脱水反応が進行するとアセタールポリマーから親水性官能基が失われ疎水性のポリマーとなり、反応器内で固形物が析出する。反応器液相中の水分濃度を1.4重量%以上とすることで、アセタールポリマーからの脱水反応が顕著に抑制される。反応器液相中の水分濃度の下限は、好ましくは1.5重量%、更に好ましくは2.0重量%である。
一方、反応器液相中の水分濃度が10重量%を超えると、水による脱水環化反応阻害の
影響があり、THFの生成速度が顕著に低下するため、反応器液相中の水分濃度の上限は10重量%、好ましくは8重量%であり、更に好ましくは7重量%である。
【0026】
また、本発明では反応器中に供給する原料1,4BG中に含まれるBGTFの積算供給重量の反応時間平均に対して、反応器液相部水分重量を特定の範囲内とすることで、反応器内に高濃度に蓄積した重合物が固形物として析出することなく反応器液相中で溶解状態を維持でき、長期間安定的に運転を継続することが出来る。これは、原料1,4BG中のBGTFの濃度が高ければ、反応器液相中の水分濃度を高くすることで固形物の析出を抑制し、逆に1,4BG中のBGTFの濃度が低ければ、反応器液相中の水分濃度を低くすることで脱水環化反応を有利に進めることができる。
上記式(1)に示されるθの値としては、0.001以上0.5以下の範囲であるが、好ましくは0.002以上0.4以下、更に好ましくは0.005以上0.35以下である。この値が大きくなるほど、短時間の運転でアセタールポリマーの脱水反応が進行し、反応器内で固形物が析出しやすくなり、この値が小さくなるほど、水による反応阻害の影響によって、THFの生成速度が低下する。
【0027】
本発明において、反応器液相中の水分濃度を特定の範囲とする、式(1)の値を特定の範囲とするとは、原料と触媒が反応器内に導入されて、反応器内温度が設定温度に達した時点を反応開始時間、反応器内温度を設定温度で維持することを停止した時点(加熱を停止した時間)を反応停止時間とし、反応開始時間から反応停止時間までの総反応時間のうち70%以上を上記何れかの規定条件下で運転することを意味する。
【0028】
反応器液相中の水分濃度を1.4〜10重量%の範囲とする、及び/又は式(1)の値を0.001以上0.5以下の範囲とするための具体的な手段は、特に限定されるものではないが、例えば以下に挙げられる方法が可能である。例えば、流通反応装置や回分反応装置を用いる場合には、原料中に水を添加することで水分量の制御を行うことが可能である。
【0029】
また、反応蒸留装置を用いる場合には、反応温度や各種条件を制御することで、反応器液相中での1,4BG脱水環化による水の生成速度や、反応器内液相部と気相部の水の気液平衡による分配率が変わり、反応器内の水分量を特定の範囲内で制御することが可能である。また、反応で生成するTHF及び水を含むガスを反応器の気相部から排出して熱交換器により凝縮する液の還流比を制御することで、反応器外へ抜き出すTHFと水の流量比が変わり、THFより揮発性の低い水を反応器内に保持し、特定の範囲内に制御すること可能である。更には、系外から水を連続的又は断続的に供給し、特定の範囲内に制御することも可能である。系外から供給する水は、特に限定されるものではないが、反応で生成するTHF及び水を更に蒸留分離することで得られる副生水を循環再利用するのが排水量の増加がないので好ましい。
【0030】
本発明において、反応器内液相中の水分量を確認する手段としては、特に限定されないが、反応器内液相部分に対してカールフィッシャー法を用いて水分濃度を確認する方法や、原料中水分量と反応器外へ抜き出した生成物中の水分量から、反応器内液相中の水分量をバランス計算する方法等が挙げられる。
【0031】
アセタールポリマーの脱水による炭素−炭素共役系の生成度合いは、反応器液相のUVスペクトルで確認できる。測定波長領域は特に限定されるものではないが、100時間程度の短時間の運転では300〜330nmの中から選ばれる1波長以上で、長時間の運転では650〜750nmの中から選ばれる1波長以上が好ましい。特定波長の吸光度が上昇することは即ち炭素−炭素共役系が成長することであり、アセタールポリマーの脱水反応が進行し、反応器内で固形物の析出が進行し易いことを示す。
【0032】
UVスペクトルによってアセタールポリマーの脱水による炭素−炭素共役系の生成度合いをより定量的に確認する方法としては、異なる吸光度を持つ反応器液相中の溶液をそれぞれ加熱して得られた乾燥固形物重量からUVスペクトル値−固形物量の一次直線の近似式を作成する方法が挙げられる。
【0033】
上記近似式によって得られた反応器内液相中の固形物含有濃度と固形物の溶解度から、任意に設定された反応器内温度において、反応器内液相中の固形物含有濃度が固形物の溶解度を超え飽和するまでの時間、即ち析出開始時間を計算することもできる。本発明において、析出開始時間は、通常4時間以上であり、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上、更に好ましくは13時間以上である。析出開始時間が短すぎると、固形物の析出による反応阻害や熱交換器のファウリング、配管の閉塞によって、連続運転が困難となる場合がある。
【0034】
本発明のように、1,4BGを酸触媒の存在下で脱水環化反応を行うことによりTHFを生成する方法では、反応形式として、流通反応形式や回分反応形式、反応蒸留形式等の公知の反応形式を使用することができる。
中でも、反応部に触媒を存在させ1,4BGを反応部に供給し、脱水環化反応により生成されたTHFと水およびOTFを含む副生物を反応器の気相部から抜き出し、残りの水や副生物、未反応の原料が液相部に含まれる状態を維持する反応蒸留法を用いることが温度設定や各種条件の設定によって反応器内の水分量を制御しやすいことから好ましく用いられる。
本発明のTHFの製造における反応形式として、流通反応形式や回分反応形式、反応蒸留形式等の公知の反応形式を使用することができる。温度設定や各種条件の設定によって反応器内の水分量を制御しやすい反応蒸留形式が好ましい。
【0035】
本発明のTHFの製造に用いる反応器とは、反応槽、反応容器、反応釜、反応塔等と同じ意味内容で用いられるものであって、脱水環化反応を行うことができる容器であれば特に限定されるものではない。脱水環化反応が化学平衡となる場合には、反応生成水を反応器から取り除くことで反応が進行することから、反応器内に、原料、触媒又は生成物が液相で存在して反応を行う反応器内液相部及び揮発性の高い生成物からなる気相部を有する構造とすることが好ましい。反応の経過に従い気相部から生成物を、連続的又は間欠的に反応器外に抜き出すことで反応は進行する。本発明のように、1,4BGを触媒の存在下で脱水環化反応によりTHFを生成する反応では、反応部に触媒を存在させ1,4BGを反応部に供給し、反応による生成する揮発されたTHFと一部の水蒸気が反応部の気相部に含まれ、残りの水や副生物は液相部に含まれる。
【0036】
本発明に用いる触媒は酸触媒であれば特に制限されないが、pKa値が4以下の酸触媒が好ましく用いられる。酸触媒としては、通常、陽イオン交換樹脂、硫酸化ジルコニア、フルオロスルホン酸含有樹脂(例えばNafion(DuPont社 登録商標))等の不均一系触媒、硫酸、硝酸、リン酸、ヘテロポリ酸(リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸)、スルホン酸化合物等の均一系触媒が挙げられ、中でも均一系触媒が好ましく用いられる。均一系触媒の中でも、触媒活性や使用温度範囲が広く、取り扱いが簡便であるという観点から、スルホン酸がさらに好ましく、有機スルホン酸が最も好ましい。有機スルホン酸の具体例として、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、オルトトルエンスルホン酸、メタトルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸誘導体、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸などの鎖状の炭化水素スルホン酸誘導体が挙げられる。これらは一種または複数で用いてもよく、また炭素骨格内にスルホン酸以外の官能基を有していてもよい。これらの具体例の中でも、特に好ましくはパラトルエンスルホン酸である。
【0037】
尚、触媒は原料の1,4BGを供給して反応を開始する前に予め反応器の反応部に存在させておき、反応を開始することも可能であるが、触媒劣化による反応収率低下を抑制するという観点から、逐次的に触媒を反応器に投入することがより効果的である。中でも、水、1,4BG又はTHFに溶解させて反応器内に供給して反応器に間欠的或いは連続的に供給することが好ましい。
【0038】
本発明のTHFの製造における脱水環化反応は、反応器を加熱しながら反応を行うが、反応器の加熱方式は外部ジャケットにスチーム等の熱媒を接触させることによって加熱するものであってもよいし、反応器の内部にコイル等の伝熱装置を備えていて加熱するものであってもよい。また、反応器の外部に熱交換器を備え、反応器液相部の一部を系外に抜き出してこの熱交換器で加熱して再度反応器に戻すことで加熱するものであってもよい。このような反応器や熱交換器の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、例えば、SUS製、ハステロイ(商標)、チタン、ガラス、中でも、スルホン酸に含まれる硫黄による腐食が軽減されるという観点から、好ましくは、SUS304、SUS316、SUS316L、SUS317、SUS317L、SUS329J4L、ハステロイ(商標)、チタン、ガラス、より好ましくは、SUS316L、SUS317L、SUS329J4L、ハステロイ(商標)等が挙げられる。
また、本発明の反応器には、脱水環化反応を均一に効率よく行うため攪拌機が備えられていることが好ましい。更に、反応性を損なわない範囲で攪拌機に準ずる混合方法であってもよい。攪拌機は特に限定されるものではなく、通常、電動モーター、軸、攪拌機から構成されるがその攪拌翼も形状を問わない。攪拌機に準ずる混合方法としても特に限定されるものではなく、反応に対して不活性なガスを液相部に供給する方法、反応液液相部の一部を系外に抜き出して再度反応器に戻す方法、反応器内部での対流による混合方法などが挙げられる。
【0039】
反応器の気相部には、反応器内の反応部で生成されたTHF及び水を含むガスが存在するが、このガスを熱交換器に導入し、熱交換器内で凝縮液化され、テトラヒドロフラン及び水を含む凝縮液を得ることができる。上記熱交換器とは、反応器から生じる留出物を凝縮液化させる装置であり、該凝縮液化は、冷却液である外部流体と留出物とを熱交換させることにより行われる。なお、THF及び水を含むガスには、水溶液の形態で仕込まれる原料からの生成水、必要に応じて生成水と共沸させるために用いられる脱水溶剤なども含んでいてもよい。
【0040】
尚、生成したテトラヒドロフラン及び水を含むガスから原料の1,4−ブタンジオールなどの沸点が高い成分を分離するための充填塔、棚段塔など蒸留塔を熱交換器に導入する前に有してもよい。充填塔、棚段塔などの段数は任意であるが、通常理論段として1段以上、好ましくは3段以上であり、一方、通常100段以下、好ましくは20段以下、より好ましくは5段以下、更に好ましくは4段以下である。理論段が多すぎると塔が大きくなりすぎ、設備建設のための経済性が悪化する場合がある。
この蒸留塔や熱交換器の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、酸触媒による腐食は反応器と比べて軽減されるため、SUS304、SUS316、SUS316L等が挙げられる。
【0041】
本発明を反応蒸留装置を用いて行う場合には、生成するTHF及び水を含むガスを反応器の気相部から排出して熱交換器により凝縮して該熱交換器出口から凝縮液を得て、その一部を反応器内の気相部に戻すことが好ましい。凝縮した液の組成はTHF、水を任意の濃度で含有するが、通常、THF濃度が30〜99重量%であり、好ましくは30〜95重量%であり、より好ましくは50〜85重量%、更に好ましくは50〜75重量%の範囲である。また、本発明の脱水環化反応は化学量論的に水を生成するため、該凝縮液中の
水濃度は、通常、1〜50重量%であり、好ましくは、5〜30重量%であり、特に好ましくは、15〜25重量%の範囲である。
【0042】
熱交換器出口から得られる凝縮液の一部は反応器内の気相部に戻し、残りの凝縮液は反応器外に抜き出すが、反応器の気相部に供給する凝縮液の流量に対する反応器外に抜き出す凝縮液の流量の比率(以下、「還流比」と呼ぶことがある)は、通常は0.001以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.8以上、特に好ましくは1.0以上であり、下限は通常30以下好ましくは10以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.0以下、特に好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.8以下である。尚、還流比が高すぎた場合には、加熱のための熱源コストが増大して経済性が悪化する傾向があり、還流比が少なすぎた場合には、反応器内での固形物析出低減の効果が得られず、且つ高沸点成分の分離悪化による凝縮液への混入が進行する傾向がある。THF及び水を含むガスを熱交換機に導入する時の温度は通常10〜200℃、好ましくは60〜100℃の範囲である。
【0043】
尚、換言するに、熱交換器出口から得られる凝縮液の一部は反応器内の気相部に戻し、残りの凝縮液は反応器外に抜き出すが、反応器の気相部に供給する凝縮液の流量に対する反応器外に抜き出す凝縮液の流量の比率(以下、「還流比」と呼ぶことがある)は、通常は0.001以上30以下であり、好ましくは0.01以上10.00以下の範囲であり、特に好ましくは0.1以上3.0以下の範囲である。尚、還流比が高すぎた場合には、加熱のための熱源コストが増大して経済性が悪化する傾向があり、還流比が少なすぎた場合には、反応器内での固形物析出低減の効果が得られず、且つ高沸点成分の分離悪化による凝縮液への混入が進行する傾向がある。THF及び水を含むガスを熱交換機に導入する時の温度は通常10〜200℃、好ましくは60〜100℃の範囲である。
【0044】
本発明では反応器内の反応部で1,4BGの脱水環化によるTHFの生成反応が進行するが、反応器内の液相部での触媒の濃度は、通常0.01〜20重量%であり、好ましくは0.05〜10重量%以下、特に好ましくは0.2〜5重量%である。
【0045】
また、反応器内の液相部溶液の25℃における粘度は、通常50〜1300mPa・sであり、好ましくは100〜1000mPa・sである。測定方法については後述する。
【0046】
反応器内の液相部の温度は、80℃〜250℃が好ましく、より好ましくは100℃〜200℃であり、特に好ましくは120℃〜180℃の範囲である。この温度が低くなるほど、THFの生産性が著しく低下する傾向にあり、高くなるほど微量副生物の増加する傾向にある。
【0047】
反応圧力は特に限定されないが、絶対圧として通常10kPa〜1000kPaであり、好ましくは100kPa〜500kPaである。
【0048】
<製造方法2>
初めに、本発明の推定メカニズムを示す。
1,4BG中のBGTFは酸性条件下では容易に分解し、OTF、4−ヒドロキシブチルアルデヒドを経由して容易に2,3DHFとなる。
この時生じた2,3DHFが重合してなるアセタールポリマーは官能基として水酸基を多く含み、特定の条件下では一種の多官能ポリオールとなる。
上記アセタールポリマーは特に反応器液相中の水分濃度が低すぎる場合は、反応器内で脱水反応が容易に進行し、炭素−炭素共役二重結合が生成する。更に脱水反応が進行するとアセタールポリマーから親水性官能基が失われ疎水性のポリマーとなり、反応器内で固形物が析出する。
【0049】
また、OTFが脱水反応することにより生じる2,3DHFは、反応器内でポリマー化するだけでなく、一部は反応器内の気相部に存在し、製品であるTHFに混入することが多い。理由として、2,3DHFの沸点は55℃であり、THFの沸点(66℃)と近く、蒸留による分離除去が困難であるためである。
上記の理由から、アセタールポリマーの生成量を低減するためには、2,3DHFの生成量を低減する必要があった。本発明では、2,3DHFの前駆体となる反応器液相中のOTF濃度を特定の範囲とすることで、反応器液相中の固形物の生成および2,3DHFの生成量を低減することができ、長期間安定的に運転を継続することが出来ると共に、2,3DHFの除去に要するTHFの精製負荷を下げることが可能となった。
【0050】
本発明における原料1,4BG中に含まれるBGTF濃度は特に限定されないが、通常0.001〜5.0重量%、好ましくは0.01〜3.0重量%、より好ましくは0.02〜0.8重量%である。
原料1,4BG中のBGTFの濃度が低すぎると、原料1,4BGの精製に多大なコストが必要となり工業的に好ましくない傾向にある。一方、原料1,4BG中のBGTFの濃度が高すぎると、固形物の析出が起こり、反応器に付着して連続運転が阻害される恐れがある。
【0051】
[テトラヒドロフランの製造方法]
本発明のTHFの製造方法は、1,4BGを原料に用い、反応器液相中のOTF濃度を特定の濃度範囲に制御することを必要とする。
【0052】
本発明において、反応器液相中のOTF濃度を特定の濃度範囲に制御するとは、原料と触媒が反応器内に導入されて、原料と触媒が反応器内に導入されて、反応器内温度が設定温度に達した時点を反応開始時間、反応器内温度を設定温度で維持することを停止した時点(加熱を停止した時間)を反応停止時間とし、反応開始時間から反応停止時間までの総反応時間のうち70%以上を上記何れかの規定条件下で運転することを意味する。
【0053】
本発明のように、1,4BGを酸触媒の存在下で脱水環化反応を行うことによりTHFを生成する方法では、反応部に触媒を存在させ1,4BGを反応部に供給し、脱水環化反応により生成されたTHFと水およびOTFを含む副生物を反応器の気相部から抜き出し、残りの水や副生物、未反応の原料が液相部に含まれる状態を維持する反応蒸留法を用いる必要がある。
【0054】
本発明における反応器液相中のOTF濃度は、500重量ppm以下とする必要があり、好ましくは400重量ppm以下、より好ましくは350重量ppm以下、更に好ましくは300重量ppm以下であり、下限は特に限定されないが、好ましくは1重量ppm以上、より好ましくは5重量ppm以上、更に好ましくは10重量ppm以上である。反応器液相中のOTF濃度が高くなるにつれ、短時間の運転でアセタールポリマー濃度が高くなり、反応器内で固形物が析出しやすくなると共に、2,3DHFの生成量が増加する。OTF濃度が低くなるにつれ、原料1,4BGを精製する際の、原料1,4BGのロスや精製による製造コストが増加する。
【0055】
尚、換言するに本発明における反応器液相中のOTF濃度は、1〜500重量ppmの範囲であるが、好ましくは5〜400重量ppm、より好ましくは7〜350重量ppm、更に好ましくは10〜300重量ppmである。反応器液相中のOTF濃度が高くなるにつれ、短時間の運転でアセタールポリマー濃度が高くなり、反応器内で固形物が析出しやすくなると共に、2,3DHFの生成量が増加する。OTF濃度が低くなるにつれ、原料1,4BGを精製する際の、原料1,4BGのロスや精製による製造コストが増加する
。
【0056】
反応器液相中のOTF濃度を500重量ppm以下の範囲に制御するための具体的な手段は、特に限定されるものではないが、以下に挙げられる方法や、それら方法の組み合わせによって制御することが可能である。例えば、反応蒸留形式を用いた場合には、反応温度を初めとした各種条件を変更することで、反応器内液相部と気相部のOTFの気液平衡による分配率を変えたり、さらに、脱水環化反応で生成するTHF及びOTFを含むガスを反応器の気相部から排出して熱交換器により凝縮する液の還流比を制御することで、反応器外へ抜き出すTHFとOTFの流量比が変わり、THFより沸点の高いOTFを反応器外へ抜き出したりする方法で制御可能である。
【0057】
また、反応器液相中のOTF濃度を制御する方法として、原料として反応器中に供給する1,4BG中のBGTF濃度を調整する方法が有効と考えられる。
【0058】
本発明において、反応器内液相中の水分濃度は通常1.4〜10重量%、好ましくは2.0〜8.0重量%である。反応器内液相中の水分濃度が高すぎると、脱水環化反応が阻害され、THFの生成速度が低下する傾向があり、低すぎるとアセタールポリマーの脱水反応が進行し、固形物が析出する傾向がある。
【0059】
本発明において、反応器内液相中の水分量を確認する手段としては、上記製造方法1と同様である。
【0060】
反応器内の水分濃度を特定の範囲とするための具体的な手段は、特に限定されるものではないが、例えば以下に挙げられる方法やこれらの方法の組み合わせを用いることができる。
反応蒸留形式では、反応温度や各種条件を制御することで、反応器液相中での1,4BG脱水環化反応による水の生成速度や、反応器内液相部と気相部の水の気液平衡による分配率が変わり、反応器内の水分量を特定の範囲内で制御することが可能である。また、反応で生成するTHF及び水を含むガスを反応器の気相部から排出して熱交換器により凝縮する液の還流比を制御することで、反応器外へ抜き出すTHFと水の流量比が変わり、THFより揮発性の低い水を反応器内に保持し、特定の範囲内に制御することも可能である。更には、系外から水を連続的又は断続的に供給し、特定の範囲内に制御することも可能である。
【0061】
本発明のTHFの製造に用いる反応器とは、反応槽、反応容器、反応釜、反応塔等と同じ意味内容で用いられるものであって、脱水環化反応を行うことができる容器であれば特に限定されるものではない。脱水環化反応が化学平衡となる場合には、反応生成水を反応器から取り除くことで反応が進行することから、反応器内に、原料、触媒又は生成物が液相で存在して反応を行う反応器内液相部及び揮発性の高い生成物からなる気相部を有する構造とすることが好ましい。反応の経過に従い気相部から生成物を、連続的又は間欠的に反応器外に抜き出すことで反応は進行する。
【0062】
本発明において、OTFを含む気相部を反応器外に抜き出す方法では、液相中および気相中に含まれるOTF全重量に対する、気相中に含まれるOTF重量の割合は、通常10〜70%であり、好ましくは20〜60%である。
上記割合が高すぎる場合には、OTFだけでなく未反応原料や他の不純物も気層部に含まれやすいことから、工業的に好ましくない傾向があり、低すぎる場合には、反応器内液相中のOTF濃度を制御することが困難になる傾向にある。
【0063】
本発明に用いる触媒は酸触媒であれば特に制限されないが、pKa値が4以下の酸触媒
が好ましく用いられる。酸触媒としては、通常、陽イオン交換樹脂、硫酸化ジルコニア、フルオロスルホン酸含有樹脂(例えばNafion(DuPont社 登録商標))等の不均一系触媒、硫酸、硝酸、リン酸、ヘテロポリ酸(リンタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイタングステン酸)、スルホン酸化合物等の均一系触媒が挙げられ、中でも均一系触媒が好ましく用いられる。均一系触媒の中でも、触媒活性や使用温度範囲が広く、取り扱いが簡便であるという観点から、スルホン酸化合物がより好ましく、有機スルホン酸が更に好ましい。有機スルホン酸の具体例として、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、オルトトルエンスルホン酸、メタトルエンスルホン酸などの芳香族スルホン酸誘導体、メタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸などの鎖状の炭化水素スルホン酸誘導体が挙げられる。これらは一種または複数で用いてもよく、また炭素骨格内にスルホン酸以外の官能基を有していてもよい。これらの具体例の中でも、特に好ましくはパラトルエンスルホン酸である。
【0064】
尚、触媒は原料の1,4BGを供給して反応を開始する前に予め反応器の反応部に存在させておき、反応を開始することも可能であるが、触媒劣化による反応収率低下を抑制するという観点から、反応開始から終了までの間、逐次的に触媒を反応器に投入することがより効果的である。中でも、水、1,4BG又はTHFに溶解させて反応器内に供給して反応器に間欠的或いは連続的に供給することが好ましい。
【0065】
本発明のTHFの製造における脱水環化反応は、反応器を加熱しながら反応を行うが、反応器の加熱方式は外部ジャケットにスチーム等の熱媒を接触させることによって加熱するものであってもよいし、反応器の内部にコイル等の伝熱装置を備えていて加熱するものであってもよい。また、反応器の外部に熱交換器を備え、反応器液相部の一部を系外に抜き出してこの熱交換器で加熱して再度反応器に戻すことで加熱するものであってもよい。このような反応器や熱交換器の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、例えば、SUS製、ハステロイ(商標)、チタン、ガラス、中でも、スルホン酸に含まれる硫黄による腐食が軽減されるという観点から、好ましくは、SUS304、SUS316、SUS316L、SUS317、SUS317L、SUS329J4L、ハステロイ(商標)、チタン、ガラス、より好ましくは、SUS316L、SUS317L、SUS329J4L、ハステロイ(商標)等が挙げられる。
また、本発明の反応器には、脱水環化反応を均一に効率よく行うため攪拌機が備えられていることが好ましい。更に、反応性を損なわない範囲で攪拌機に準ずる混合方法であってもよい。攪拌機は特に限定されるものではなく、通常、電動モーター、軸、攪拌機から構成されるがその攪拌翼も形状を問わない。攪拌機に準ずる混合方法としても特に限定されるものではなく、反応に対して不活性なガスを液相部に供給する方法、液相部の一部を系外に抜き出して再度反応器に戻す方法、反応器内部での対流による混合方法などが挙げられる。
【0066】
反応器の気相部には、反応器内の反応部で生成されたTHF及び水を含むガスが存在するが、このガスを熱交換器に導入し、熱交換器内で凝縮液化され、テトラヒドロフラン及び水を含む凝縮液を得ることができる。上記熱交換器とは、反応器から生じる留出物を凝縮液化させる装置であり、該凝縮液化は、冷却液である外部流体と留出物とを熱交換させることにより行われる。なお、THF及び水を含むガスには、水溶液の形態で仕込まれる原料からの生成水、必要に応じて生成水と共沸させるために用いられる脱水溶剤なども含んでいてもよい。
【0067】
尚、生成したテトラヒドロフラン及び水を含むガスから原料の1,4−ブタンジオールなどの沸点が高い成分を分離するための充填塔、棚段塔など蒸留塔を熱交換器に導入する前に有してもよい。充填塔、棚段塔などの段数は任意であるが、通常理論段として1〜100段、好ましくは1〜10段、より好ましくは1〜5段、更に好ましくは1〜4段であ
る。理論段が多すぎると塔が大きくなりすぎ、設備建設のための経済性が悪化する傾向がある。
この蒸留塔や熱交換器の内部の材質としては特に限定されず、公知の材質が使用できるが、酸触媒による腐食は反応器と比べて軽減されるため、SUS304、SUS316、SUS316L等が挙げられる。
【0068】
本発明における反応蒸留装置とは、攪拌式反応器と精留塔を一つに組み合わせた装置のことであり、反応器内の気相部に存在する生成物の一部または全量を抜き出したガスを充填塔や棚段などの蒸留塔に供給することで反応生成物を得ることが出来る。また、上記ガスを冷却して得た凝縮液の一部を還流として反応器内に循環させることで、未反応原料と反応生成物を分離することも可能である。
【0069】
本発明を反応蒸留装置を用いて行う場合には、生成するTHF及び水を含むガスを反応器の気相部から排出して熱交換器により凝縮して該熱交換器出口から凝縮液を得て、その一部を反応器内の気相部に戻すことが好ましい。凝縮した液の組成はTHF、水を任意の濃度で含有するが、通常、THF濃度が30〜99重量%であり、好ましくは30〜95重量%であり、より好ましくは50〜85重量%、更に好ましくは50〜75重量%の範囲である。。また、本発明の脱水環化反応は化学量論的に水を生成するため、該凝縮液中の水濃度は、通常、1〜50重量%であり、好ましくは、5〜30重量%であり、特に好ましくは、15〜25重量%の範囲である。
【0070】
本発明を反応蒸留装置を用いて行う場合には、熱交換器出口から得られる凝縮液の一部は反応器内の気相部に戻し、残りの凝縮液は反応器外に抜き出すが、反応器の気相部に供給する凝縮液の流量に対する反応器外に抜き出す凝縮液の流量の重量比率(以下、「還流比」と呼ぶことがある)は、通常0.01〜4.0であり、好ましくは0.05〜1.0の範囲であり、特に好ましくは0.08〜0.8の範囲である。還流比が高すぎると、加熱のための熱源コストが増大して経済性が悪化する傾向があり、かつ、反応器内から十分にOTFを分離出来ないことによって、2,3DHFの生成量が増える傾向にある。還流比が小さすぎると、反応器内での固形物析出低減の効果が得られず、且つ高沸点成分の分離を十分に行えず、凝縮液への混入が増加する傾向にある。THF及び水を含むガスを熱交換機に導入する時の温度は通常10〜200℃、好ましくは60〜100℃の範囲である。
【0071】
本発明では反応器内の反応部で1,4BGの脱水環化によるTHFの生成反応が進行するが、反応器内の液相部での触媒の濃度は、通常0.01〜20重量%であり、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.2〜5重量%である。
【0072】
反応器内の液相部の温度は、80℃〜250℃が好ましく、より好ましくは100℃〜200℃であり、特に好ましくは120℃〜180℃の範囲である。この温度が低くなるほど、THFの生産性が著しく低下する傾向にあり、高くなるほど微量副生物が増加する傾向にある。
【0073】
反応圧力は特に限定されないが、絶対圧として通常10kPa〜1000kPaであり、好ましくは100kPa〜500kPaである。
【0074】
本発明では、前述の通り、2,3DHFが重合してアセタールポリマーが生じる。上記アセタールポリマーが脱水されてできる、共役二重結合を多く含む化合物による着色の程度は、反応器液相のUVスペクトルで確認できる。測定波長領域は特に限定されるものではないが、脱水環化反応が100時間未満の運転では300〜330nmの中から選ばれる1波長以上で、100時間以上の長時間の運転では650〜750nmの中から選ばれ
る1波長以上が好ましい。特定波長の吸光度が上昇することは即ち共役二重結合を多く含む長鎖化合物が生成していることであり、反応器内のアセタールポリマー濃度が増加し、アセタールポリマーの脱水反応が進行してできる固形物が析出しやすくなることを示す。
【0075】
UVスペクトルによってアセタールポリマーの脱水による炭素−炭素共役系の生成度合いをより定量的に確認する方法としては、異なる吸光度を持つ反応器液相中の溶液をそれぞれ加熱して得られた乾燥固形物重量からUVスペクトル値−固形物量の一次直線の近似式を作成する方法が挙げられる。
【0076】
上記近似式によって得られた反応器内液相中の固形物含有濃度と固形物の溶解度から、任意に設定された反応器内温度において、反応器内液相中の固形物含有濃度が固形物の溶解度を超え飽和するまでの時間、即ち析出開始時間を計算することもできる。本発明において、析出開始時間は、通常4時間以上であり、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上、更に好ましくは13時間以上である。析出開始時間が短すぎると、固形物の析出による反応阻害や熱交換器のファウリング、配管の閉塞によって、連続運転が困難となる場合がある。
【0077】
尚、上記の<製造方法1>に係る発明と、<製造方法2>に係る発明とは、各々独立するものであり、何れか一方を満たす発明であれば、本発明の課題は達成することが出来る。又、上記の<製造方法1>及び<製造方法2>の要件を何れも満たす発明も、本発明の好ましい態様である。
【実施例】
【0078】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明の要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、水分の分析はカールフィッシャー法を用いて行った。有機成分の分析はガスクロマトグラフィー(装置:島津製作所製、型番GC−2014、カラムDB−1)により行い、面積百分率により算出した。尚、100重量%から水分濃度を差し引いた値を算出し、その値から残る成分の割合(重量%)をガスクロマトグラフィーの各成分の面積百分率により計算した。尚、310nmの吸光度は島津製作所製の「UV−2400」により測定した(光路長1mm、光路幅10mmの合成石英製密閉セルを使用)。このブランク測定には純水を用いた。
液粘度は東機産業製EH型粘度計ViScometerTV−22型を用いて、3゜×14mmRコーンプレートを使用して100rpmで液温度25℃における粘度を測定した。
【0079】
<参考例1〜5 UVスペクトル値−固形物収量の近似式の作成>
<反応器内液相中の溶液の調製方法>
ガラス製の300ml反応器を用いて、且つ槽上部に理論段として4段の不規則充填物を充填した塔を有し、その塔頂部に熱交換器であるコンデンサで生成するガスを冷却する冷却管を使用した。冷却用の冷媒にはナイブライン(MORESCO社 登録商標)を使用し、
反応器の加熱はオイルバスを用いて行った。原料として、BGTFを0.037〜0.248重量%の範囲で含む1,4BGを用いた。それぞれの原料1,4BGを70g、パラトルエンスルホン酸0.28g(0.4重量%)を仕込み、オイルバスを使用して反応器内の液相部の内温度を150℃まで加熱し、内液温度が150℃に安定した後、反応で生成するTHFと水を含むガスをコンデンサで凝縮し得られる凝縮液は生成液として反応器外にある貯槽に抜き出した。冷却器部位の内温度は90℃であった。以上の反応条件で1,4BGの脱水環化反応を連続的に行い、THFを生成させた。反応器の気相部から生成ガスとして排出され、冷却器で凝縮されたTHFと水を含む凝縮液を40g/hrで得て、反応器外の貯槽に抜き出した。また、液相量を70gとなるよう調整し、その後、液相
量を一定に保持するために原料1,4BGを40g/hrで連続的に反応器に供給した。反応器の液相部からの抜き出し量は0.0g/hrとして排出しなかった。液相部容量に対する原料1,4BGの流量比は3.5倍であった(滞留時間として考えると3.5hr)。その際、パラトルエンスルホン酸を0.8mg/hrの量となるように原料1,4BGに溶解し、あわせて連続的に添加した。反応開始から90時間を経過した時点で原料1,4BGの供給を停止した。この時点での反応器内液相中の溶液の310nmの吸光度を測定した。
【0080】
<反応器内液相中の溶液の乾固方法>
上記実験により調整した反応器内液相中の溶液をガラス製の時計皿に20g入れて、ホットプレートを用いて加熱した。壁温150℃で約2時間加熱し、250℃で約1時間加熱した後の残渣量から固形物収量を求めた。
【0081】
<UVスペクトル値−固形物量の一次直線の近似式>
上記方法により得た反応器内液相中の溶液のUVスペクトル値と乾固処理により得た固形物収量を表1に示すと共に、これらの結果から得られた一次直線の近似式を
図1に示す。
【0082】
<固形物の溶解度>
1,4BGを50重量%、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(分子量2000、三菱化学社製)50重量%の混合液を反応液内液のモデル液とし、このモデル液に対する固形物の溶解度を測定した。固形物としてそれぞれ3.0重量%、5.3重量%、7.1重量%、9.6重量%、12.6重量%となるようモデル液と固形物を混ぜ合わせ、180℃以上まで加熱した後に温度を徐々に下げ、目視で固形物が析出する温度を飽和温度とした。
飽和温度と固形物濃度から一次直線の近似式を導き出し、特定温度での溶解度を求めた。本発明における固形物の溶解度は145℃で10.47wt%であった。
【0083】
<析出開始時間>
固形物換算濃度と反応時間より1時間あたりの固形物濃度の変化量を求めた後、1時間あたりの固形物濃度の変化量から、固形物の溶解度を超えるまでに必要な反応時間を析出開始時間とした。
本発明においては、固形物の溶解度は145℃における溶解度(10.47wt%)を用いた。
【0084】
【表1】
【0085】
<実施例1−1>
反応器内ガスを留出させるためのガラス製冷却管と、原料導入管を備えたガラス製の200ccフラスコ反応器に、あらかじめBGTFを0.394重量%含む1,4BGを70g、パラトルエンスルホン酸(pKa値−2.8)を0.28g(フラスコ内の1,4BG液に対して0.4重量%)を仕込み、オイルバスを使用してフラスコ反応器内温度(設定温度)を140℃まで加熱して脱水環化反応を開始した。尚、反応圧力は大気圧であった。フラスコ反応器内の液温度が140℃に安定した後、フラスコ内気相部から生成物であるTHFと水を含むガスを冷却管から87℃にして排出し、更に冷却器で凝縮してTHFを含む凝縮液を7.5g/hrで抜き出した。同時にフラスコ内の液相量を一定に保持するために、反応器内に導入していた原料と同じ組成の原料1,4BGとパラトルエンスルホン酸の混合液を原料導入管から、抜き出し速度と同じ導入速度で連続的にフラスコに供給した。上記混合液は、原料1,4BG中に連続追加分のパラトルエンスルホン酸を20重量ppmとなるように溶解して供給した。
反応条件は、フラスコ内の液容量に対する原料1,4BGのフラスコ内の平均滞留時間は9.3hrとし、得られた凝縮液の組成は、THF78重量%、水22重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。
【0086】
上記条件で、140℃を維持し1,4BGの脱水環化反応及びフラスコ内の気相部から生成物のTHFを含むガスの留出及び原料1,4BGの供給を、40時間継続した(反応時間T=40hr)。
この間、フラスコ内の液相部からの液抜き出しは実施せず、フラスコ内に全量溜め込んで反応を行なった。反応器内の液に含まれるパラトルエンスルホン酸の濃度は0.40重量%で開始され、停止までに0.43重量%まで増加した。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.53g、反応器内液の水分濃度は6.5重量%(Wは4.4g)であり、前記式(1)に示すθの値は0.009であった。
反応器内の液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.34であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られず、液は薄黄色く着色していた。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は1.5wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は286時間であった。
結果を表2に示す。
【0087】
<実施例1−2>
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を160℃に変更し、平均滞留時間を3.5hrとなるようにTHFを含む凝縮液の抜出速度と原料1,4BGの反応器への導入速度を変更とした以外は、全て実施例1−1と同様に1,4BGの環化脱水反応を行ってTHFを製造した。得られた凝縮液の組成は、THF81重量%、水19重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。18.5時間反応を継続した(反応時間T=18.5)。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.55g、反応器内液の水分濃度は4.8重量%(反応器内水分重量(W)は3.2g)であり、前記式(1)のθの値は0.026であり、反応器内の液の310nmの吸光度は0.49であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られず、液は黄色く着色していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は2.2wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は88時間であった。
【0088】
<実施例1−3>
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を180℃に変更し、平均滞留時間を0.9hrとなるようにTHFを含む凝縮液の抜出速度と原料1,4BGの反応器への導入速度を変更とした以外は、全て実施例1−1と同様に1,4BGの環化脱水反応を行ってTHFを製造した。得られた凝縮液の組成は、THF80重量%、水20重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。4.3時間反応を継続した(反応時
間T=4.3)。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.72g、反応器内液の水分濃度は1.9重量%(反応器内水分重量(W)は1.3g)であり、前記式(1)のθの値は0.308であり、反応器内の液の310nmの吸光度は0.83であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られなかったが、液はこげ茶色に着色し、透明度も低下していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は3.8wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は12時間であった。
【0089】
<実施例1−4>
SUS316L製の500L反応器を有し、且つ槽上部に理論段として4段の不規則充填物を充填した塔を有し、その塔頂部に熱交換器であるコンデンサで生成するガスを冷却する設備を使用した。冷却用の冷媒には水を使用し、反応器の加熱はジャケット式、熱媒(オイル)を用いて行った。原料のBGTFを0.2重量%含む1,4BGを400L、パラトルエンスルホン酸800g(0.2重量%)を仕込み、熱媒を使用して反応器内の液相部の内温度(設定温度)を145℃まで加熱し、内液温度が145℃に安定した後、反応で生成するTHFと水を含むガスをコンデンサで凝縮し得られる凝縮液は生成液として反応器外にある貯槽に抜き出すとともに、その一部を反応器の上部の冷却器下に液として再導入して還流を行った。冷却器部位の内温度は87℃であった。
【0090】
上記の反応条件で1,4BGの脱水環化反応を連続的に行い、THFを生成させた。反応器の気相部から生成ガスとして排出され、冷却器で凝縮されたTHFと水を含む凝縮液を60kg/hrで得て、そのうち15kg/hrを反応器の気相部に供給し、残りを反応器外の貯槽に抜き出した(還流比:0.3)。また、液相量を360Lとなるよう調整し、その後、液相量を一定に保持するために原料1,4BGを60kg/hrで連続的に反応器に供給した。反応器の液相部からの抜き出し量は0.0kg/hrとして排出しなかった。液相部容量に対する原料1,4BGの流量比は6倍であった(滞留時間として考えると6hr)。その際、パラトルエンスルホン酸を0.72g/hrの量となるように原料1,4BGに溶解し、あわせて連続的に添加した。この際、反応器の液相部の水分濃度は2.72重量%であった。
【0091】
貯槽に得られた凝縮液の組成は、THF80重量%、水20重量%であり、1,4BGは検出下限の10重量ppm以下であった。
反応開始から40時間を経過した時点で原料1,4BGの供給を停止した。この時点でのBGTF積算重量(B)は5655g、反応器内液の水分重量(W)は7888gであり、前記式(1)のθに示す値は0.018であり、反応器内の液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.40であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られず、液は黄色く着色していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は1.8wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は238時間であった。
【0092】
<比較例1−1>
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を110℃となるように変更し、1,4BGの環化脱水反応を行ってTHFを製造したが、平均滞留時間が613hrとなり、実質的にTHFを製造できなかった。
【0093】
<比較例1−2>
実施例1−1において、フラスコ内温度(設定温度)を210℃に変更し、平均滞留時間を0.27hrとなるようにTHFを含む凝縮液の抜出速度と原料1,4BGの反応器への導入速度を変更とした以外は、全て実施例1−1と同様に1,4BGの環化脱水反応
を行ってTHFを製造した。得られた凝縮液の組成は、THF81重量%、水19重量%及び1000重量ppm以下の不純物を含有していた。1.5時間反応を継続した(反応時間T=1.5)。
反応終了時点でのBGTF積算重量(B)は1.81g、反応器内液の水分濃度は1.3重量%(反応器内水分重量(W)は1.0g)であり、前記式(1)のθの値は1.207であり、反応器内の液の310nmの吸光度は1.013であった。反応器内、及び反応器内液に析出は見られなかったが、液はこげ茶色に着色し、透明度も低下していた。結果を表2に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は4.7wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は3時間であった。
【0094】
【表2】
【0095】
<
参考例2−1>
ガラス製の1200ccフラスコ反応器に、BGTFを0.28重量%含む1,4BGを1000g、パラトルエンスルホン酸(pKa値−2.8)を2g(フラスコ内の1,4BGに対して0.2重量%)を仕込み、塔径35mm、理論段が5段のオルダーショウ型蒸留塔を使用して、塔頂の圧力を常圧、液相部の温度(設定温度)を145℃でバッチ反応蒸留による脱水環化反応を実施した。この時、還流比を0.1とした。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には
2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.02g(17重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.03g(37重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は100gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.02g(120重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は14.2%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.17であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は薄い黄色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は1.01wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は31時間であった。
【0096】
<
参考例2−2>
原料をBGTF濃度が0.59重量%である1,4BGに変更した以外は
参考例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.02g(25重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.04g(50重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は227gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.06g(260重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は9.6%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.16であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は薄い黄色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は0.96wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は33時間であった。
【0097】
<
参考例2−3>
原料をBGTF濃度が1.13重量%である1,4BGに変更した以外は
参考例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.04g(55重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.07g(100重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は227gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.08g(336重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は16.4%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は0.54であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は黄色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式
を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は2.80wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は11時間であった。
【0098】
<比較例2−1>
原料をBGTF濃度が2.84重量%である1,4BGに変更し、理論段が1段のオルダーショウ型蒸留塔を使用した以外は
参考例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.12g(161重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.14g(190重量ppm)含まれていた。また、反応器に残った濃縮液は227gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.11g(507重量ppm)含まれていた。この時の、濃縮液中に含まれるOTFの重量濃度に対する凝縮液中のOTF重量濃度の割合(以下、「OTF比率」と記すことがある)は31.8%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は2.16であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は茶色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は10.64wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は3時間であった。
【0099】
<比較例2−2>
原料をBGTF濃度が2.84重量%である1,4BGに変更した以外は
参考例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を740g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.05g(131重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.17g(227重量ppm)含まれていた。また、反応釜に残った濃縮液は230gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.24g(625重量ppm)含まれていた。この時のOTF比率は21.0%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は2.57であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は茶色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は12.64wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は2時間であった。
【0100】
<比較例2−3>
原料をBGTF濃度が2.84重量%である1,4BGに変更し、還流比を5.0に変更した以外は
参考例2−1と同様の条件で脱水環化反応を行った。液相部の温度が安定してから約3時間の反応を行ない、塔頂部より生成物であるTHFと水を含むガスを凝縮器により凝縮して、THFを含む凝縮液を739g抜き出した。この凝縮液中には2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.05g(67重量ppm)、2,3−ジヒドロフランが0.24g(327重量ppm)含まれていた。また、反応釜に残った濃縮液は231gであり、濃縮液中に2−ヒドロキシテトラヒドロフランが0.19g(855重量ppm)含まれていた。この時のOTF比率は7.8%であった。また、濃縮液の310nmの吸光度を測定した結果、吸光度は3.65であった。反応器内、及び反応器内液に固形物の析出は見られず、液は茶色を有していた。結果を表3に示す。参考例で求めた近似式を用いて、吸光度から計算した反応器内液相中の固形物換算濃度は17.87wt%であり、固形物換算濃度と固形物の溶解度より求めた析出開始時間は2時間であった。
【0101】
【表3】