【文献】
FireFileCopy Version 3.9.2,PC Japan 第9巻 第4号,日本,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2004年 4月 1日,第9巻 第4号,P.27
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本実施形態では一例として会議システムについて説明する。
【0010】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る会議システムの一例の構成図である。
図1の会議システム1は1台以上の情報処理端末10、会議サーバ装置20が、ネットワークN1に有線や無線で接続されている。
【0011】
なお、会議サーバ装置20は1つのコンピュータ上で動作するソフトウェアやサービスであってもよい。また、会議サーバ装置20は1つ以上のコンピュータ上で動作するソフトウェアやサービスであってもよい。例えば会議サーバ装置20はいわゆるクラウドサービスの形態をとることもできる。
【0012】
情報処理端末10は、ユーザが操作するデバイスである。情報処理端末10は、PC(パーソナルコンピュータ)やタブレット端末、スマートフォンや携帯電話、PDAなどの携帯情報端末、電子ホワイトボード等の表示装置、プロジェクタ等の投影装置等の他、会議専用端末であってもよい。情報処理端末10は、会議サーバ装置20から会議資料を受信(ダウンロード)して、会議資料の同期表示、非同期表示などを行う。ここで、会議資料は、例えば会議に用いられる文書や図表などの電子データである。
【0013】
なお、情報処理端末10において会議資料の同期表示を行うモードを以下では共有モードと呼ぶ。共有モードでは、同一の会議に参加している情報処理端末10が、会議サーバ装置20から指定された会議資料の同一のページを表示する。また、情報処理端末10において会議資料の非同期表示を行うモードを以下では個人モードと呼ぶ。個人モードでは、同一の会議に参加している情報処理端末10であっても、会議サーバ装置20から指定された会議資料のページ以外を一時的に表示できる。
【0014】
また、情報処理端末10は、表示している会議資料に対し、例えばタッチパネルやキーボードなどを介してメモ書きを行うことができる。情報処理端末10は、会議の発表者である発表者モードと、会議の参加者である参加者モードが存在する。発表者モードであり、かつ、共有モードである情報処理端末10が表示している会議資料に対してユーザがメモ書きやページめくりなどの操作を行った場合、参加者モードである他の情報処理端末10に表示されている会議資料に対してメモ書きやページめくりなどの操作が同期される。
【0015】
なお、同一の会議において発表者モードである情報処理端末10は1台であることが好ましい。また、ユーザの操作により、発表者モードの情報処理端末10を切り替えることができるようにすることが好ましい。
【0016】
会議サーバ装置20は、会議に関する情報処理を行う装置である。会議サーバ装置20は、情報処理端末10へ会議資料の送信を行う。また、会議サーバ装置20は、発表者モードの情報処理端末10が行ったメモ書きやページめくりなどの操作を他の情報処理端末10に同期させるための情報の送信を行う。会議サーバ装置20はWS(ワークステーション)やPCなどである。会議サーバ装置20と各情報処理端末10とは、例えばTCP/IPなどの通信プロトコルにより相互に通信可能であるとする。会議サーバ装置20は、登録された会議情報、ユーザ情報等を保存する。会議サーバ装置20は情報処理端末10から登録(アップロード)された会議資料などを保存する。
【0017】
なお、
図1の会議システム1は一例であり、会議サーバ装置20がない構成であってもよい。
【0018】
<ハードウェア構成>
情報処理端末10、会議サーバ装置20は、例えば
図2に示すようなハードウェア構成により実現される。
【0019】
図2は本実施形態に係る会議システムを構成するコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図2に示す情報処理端末10は、入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507、HDD508等を備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、情報処理端末10はカメラ、マイク、スピーカなどを有する構成であってもよい。
【0020】
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、情報処理端末10に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、情報処理端末10による処理結果を表示する。通信I/F507は情報処理端末10をネットワークN1に接続するインタフェースである。これにより、情報処理端末10は通信I/F507を介して会議サーバ装置20とデータ通信を行うことができる。
【0021】
HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、情報処理端末10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。
【0022】
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、情報処理端末10は外部I/F503を介して、記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0023】
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM505には、情報処理端末10の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。また、RAM504は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0024】
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、情報処理端末10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0025】
情報処理端末10は、例えば上記ハードウェア構成でプログラムを実行することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0026】
図2に示した会議サーバ装置20は、入力装置601、表示装置602、外部I/F603、RAM604、ROM605、CPU606、通信I/F607、HDD608等を備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置601及び表示装置602は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
【0027】
入力装置601はキーボードやマウスなどを含み、会議サーバ装置20に各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置602はディスプレイ等を含み、会議サーバ装置20による処理結果を表示する。
【0028】
通信I/F607は会議サーバ装置20をネットワーク14に接続するインタフェースである。会議サーバ装置20は通信I/F607を介して情報処理端末10とデータ通信を行うことができる。
【0029】
HDD608は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、会議サーバ装置20全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。
【0030】
外部I/F603は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体603aなどがある。これにより、会議サーバ装置20は外部I/F603を介して、記録媒体603aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体603aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0031】
ROM605は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)である。ROM605には、会議サーバ装置20の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM604は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0032】
CPU606は、ROM605やHDD608などの記憶装置からプログラムやデータをRAM604上に読み出し、処理を実行することで、会議サーバ装置20全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0033】
会議サーバ装置20は、例えば上記ハードウェア構成でプログラムを実行することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0034】
<ソフトウェア構成>
本実施形態に係る会議システム1は例えば
図3に示す機能ブロックで実現される。
図3は本実施形態に係る会議システムの一例の機能ブロック図である。
【0035】
《情報処理端末10》
情報処理端末10は会議アプリケーション等のプログラムを実行することにより、送受信制御部71、操作制御部72、表示制御部73、会議情報制御部74、描画制御部75、会議情報記憶部76を実現している。
【0036】
送受信制御部71は、通信I/F507を介して会議サーバ装置20との通信処理を行う。操作制御部72は、ユーザが入力装置501に対して入力した操作信号に対応する処理を行う。
【0037】
表示制御部73は、共有されている会議資料を表示装置502に出力する処理を行う。また、表示制御部73は、共有されている会議資料に対するメモ書きやページめくりなどの操作に応じて、会議資料にメモ書きを表示させたり、指定されたページを表示させる処理を行う。
【0038】
会議情報制御部74は、会議資料や、会議資料に対するメモ書きに関する情報である描画情報を会議情報記憶部76に記憶する。また、会議情報制御部74は、会議資料に対してメモ書きやページめくりなどの操作が行われた場合、この操作を他の情報処理端末10に反映させる否か(他の情報処理端末10と同期表示させるか否か)を判断する。すなわち、会議情報制御部74は、情報処理端末10が発表者モードであるか否か、及び、共有モードであるか否かを判断する。
【0039】
描画制御部75は、会議資料に対するメモ書きの可否を制御する。描画制御部75は情報量算出部751、情報量判定部752を有する。情報量算出部751は共有されている会議資料のメモ書き(各情報処理端末10で共有されているメモ書き)の情報量を算出する。情報量とは、例えばメモ書きを構成する点の個数などである。情報量判定部752は、情報量算出部751で算出した情報量が所定の値以上か否かを判定する。
【0040】
会議情報記憶部76は会議に関する情報を記憶する。会議に関する情報は、会議に用いる文書や図表などの電子データである会議資料や、会議資料に対するメモ書きに関する情報である描画情報を含む情報である。
【0041】
《会議サーバ装置20》
会議サーバ装置20はプログラムを実行することにより、送受信制御部81、会議情報制御部82、会議情報記憶部83を実現している。
【0042】
なお、会議情報記憶部83は、会議サーバ装置20からデータの送受信が可能な他のサーバ装置等が有していてもよい。
【0043】
送受信制御部81は、通信I/F607を介して情報処理端末10との通信処理を行う。会議情報制御部82は、会議資料や、会議資料に対するメモ書きに関する情報である描画情報を会議情報記憶部83に記憶する。会議情報記憶部83は会議に関する情報を記憶する。会議に関する情報は、会議に用いる文書や図表などの電子データである会議資料や、会議資料に対するメモ書きに関する情報である描画情報を含む情報である。
【0044】
《描画情報》
次に、情報処理端末10の会議情報記憶部76、会議サーバ装置20の会議情報記憶部83が記憶する描画情報のデータ構造について説明する。
【0045】
描画情報は、ストローク情報と点情報を含む情報である。
図4は、ストローク情報の一例の説明図である。
【0046】
ストローク情報は、ストロークID、ページ番号、色、太さなどのデータ項目を有する。ストロークIDはストローク情報を一意に識別する識別子である。ページ番号はユーザがメモ書きを行った会議資料のページ番号である。色はユーザが会議資料に行ったメモ書きの色である。太さはユーザが会議資料に行ったメモ書きの線(線分又は曲線)の太さである。
【0047】
図5は、点情報の一例の説明図である。点情報は、点ID、ストロークID、X座標、Y座標などのデータ項目を有する。点IDは点情報を一意に識別する識別子である。ストロークIDは点IDに関連付くストロークIDである。1つのストロークIDに対して2以上の点IDが関連付けられる。X座標、Y座標は、情報処理端末10の表示画面の座標である。
【0048】
これらのストローク情報と点情報により、ユーザが会議資料に行った線分又は曲線で表示されるメモ書きを表すことができる。例えばストロークID「S00001」では、会議資料の2ページ目に色「黒」、太さ「太」で描画された、点ID「P00001」と点ID「P00002」を端点とする線分、点ID「P00002」と点ID「P00003」を端点とする線分、点ID「P00003」と点ID「P00004」を端点とする線分、点ID「P00004」と点ID「P00005」を端点とする線分で構成されるメモ書きを表している。
【0049】
以上により、ユーザが会議資料に行ったメモ書きをに関する情報(描画情報)が情報処理端末10の会議情報記憶部76、会議サーバ装置20の会議情報記憶部83に記憶される。
【0050】
<処理のイメージ>
次に、本実施形態に係る会議システム1の処理のイメージについて、図面を参照しながら説明する。
【0051】
図6は、共有画面の一例のイメージ図である。
図6では、発表者モードの情報処理端末10(発表者の情報処理端末10)の表示画面に会議資料2100が表示されている画面2000を表している。個人モードボタン2001及び共有モードボタン2002は、それぞれ個人モード及び共有モードに切り替えるためのボタンである。共有モードの場合、発表者の情報処理端末10が行ったメモ書きやページめくりなどの操作が他の情報処理端末10(参加者の情報処理端末10)に反映(同期)される。個人モードの場合、発表者の情報処理端末10が行ったメモ書きやページめくりなどの操作が他の情報処理端末10(参加者の情報処理端末10)に反映(同期)される。なお、ページめくりは、例えばタッチパネル上に表示された会議資料2100に対してスワイプやタップなどの操作を行うことで実現することができる。
【0052】
会議資料2100対するメモ書きは、メモ書きボタン2003を押下した後、例えばタッチパネル上で所望の操作することにより行うことができる。メモ削除ボタン2004を押下した後、例えばタッチパネル上でメモ書きをタップすることにより、メモ書きを削除することができる。また、メモ書きボタン2003を押下する前(又はメモ書きボタン2003が押下されている状態)に、線の太さボタン2005や線の色ボタン2006で所望の線の太さや線の色を選択することで、メモ書きの線分の太さや色を変更することができる。
【0053】
また、パレット閉じるボタン2007を押下することにより、メモ書きボタン2003、メモ削除ボタン2004、線の太さボタン2005、線の色ボタン2006などが表示されているパレットを非表示にすることができる。
【0054】
なお、後述するメモ書き容量3001や、メモ書きボタン2003、メモ削除ボタン2004、線の太さボタン2005、線の色ボタン2006、パレット閉じるボタン2007などはGUI部品の一例である。
【0055】
次に、メモ書きがされた場合について説明する。
図7は、メモ書きの一例のイメージ図である。
図7では、発表者の情報処理端末10の表示画面にメモ書きがされた会議資料3100が表示されている画面3000を表している。なお、発表者の情報処理端末10に表示されている会議資料にメモ書きがされた場合、このメモ書きは参加者の情報処理端末10にも表示(同期)される。
【0056】
ユーザによりメモ書きがされると、メモ書きの情報量(メモ書きを構成する点の個数)に応じてメモ書き容量3001が変化(増減)する。
図7の例では、メモ書き容量3001は、会議資料3100にされているメモ書きに対して「13%」と表示されている。このメモ書き容量3001が、予め設定された値、例えば「100%」になった場合、それ以上メモ書きを行うことはできない。このメモ書き容量3001は、会議資料にされたすべてのメモ書きの情報量に応じた値が表示されることが好ましいが、ページ毎の値であってもよい。
【0057】
なお、
図7の例では、メモ書き容量3001を百分率で表示しているがこれに限られず、例えば円グラフや棒グラフなどでメモ書きを行うことができる割合を表示してもよい。また、メモ書き容量3001は、必ずしも割合を表示させる必要はなく、例えばメモ書きが可能なことを示す「可」、それ以上メモ書きを行うことができないことを示す「不可」などを表示させてもよい。また、既にメモ書きされている容量とメモ書き可能な容量とを定量的に表して表示してもよい。
【0058】
次に、例えばメモ書き容量3001が「100%」となり、それ以上メモ書きを行うことができない場合について説明する。
図8は、メモ書きが不可となった場合の一例のイメージ図である。
図8では、発表者の情報処理端末10の表示画面にメモ書きがされた会議資料4100が表示されている画面4000を表している。
【0059】
図8の例では、メモ書き容量4001は、「100%」となっており、それ以上メモ書きをすることができない。このとき、例えば
図6のメモ書きボタン2003は押下することができない。なお、メモ書きボタン2003を押下した場合、又はメモ書きを行おうとした場合に、メモ書きを行うことができないことを示すエラーメッセージや警告メッセージを表示させてもよい。
【0060】
なお、例えば
図6のメモ削除ボタン2004を用いてメモ書きを削除した結果、メモ書き容量4001が減少した場合(例えば「100%」未満になった場合)、再度メモ書きを行えるようにすることが好ましい。
【0061】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る会議システム1の処理の詳細について説明する。
【0062】
まず、発表者の情報処理端末10が表示している会議資料に対してメモ書きを行い、このメモ書きに関する情報を会議サーバ装置20に送信する処理について説明する。
図9は、発表者の情報処理端末によるメモ書き処理の一例のフローチャートである。
【0063】
ステップS101において、発表者の情報処理端末10のユーザは、入力装置501を介して表示している会議資料にメモ書きを行う。このとき、操作制御部72は入力装置501からの操作を受け付け、表示制御部73に受け付けた操作に関する情報を送る。そして、表示制御部73は発表者の情報処理端末10の表示装置502にメモ書きを表示させる。なお、ユーザは、会議資料にメモ書きを行う際、メモ書きを行う会議資料のページやメモ書きの線の太さや色を指定することができる。
【0064】
なお、このとき、描画制御部75はユーザが行ったメモ書きの情報量の合計が所定の値に達したか否かを判定を行い、所定の値に達した場合(所定の値以上になった場合)、メモ書きを抑止させるメモ書き抑止処理を行う。メモ書き抑止処理の詳細については後述する。
【0065】
ステップS102において、会議情報制御部74はステップS101においてユーザが行ったメモ書きに関する情報(ストローク情報及び点情報を含む描画情報)を会議情報記憶部76に保存する。なお、会議情報制御部74は、情報処理端末10が共有モードか個人モードかに応じて、ステップS101においてユーザが行ったメモ書きに関する情報を会議情報記憶部76の異なる領域に記憶させる。
【0066】
ステップS103において、会議情報制御部74はステップS101においてユーザが行ったメモ書きが、情報処理端末10が共有モードにおいてされたメモ書きか個人モードにおいてされたメモ書きかを判定する。共有モードにおいてされたメモ書きの場合、ステップS104に進み、個人モードにおいてされたメモ書きの場合、処理を終了する。
【0067】
つまり、次ステップで述べるように、発表者の情報処理端末10のユーザが個人モードのときにメモ書きを行った場合、このメモ書きに関する情報(ストローク情報及び点情報を含む描画情報)は会議サーバ装置20に送信されない。すなわち、個人モードのときにされたメモ書きは他の情報処理端末10(参加者の情報処理端末10)に表示(同期)されない。
【0068】
ステップS104において、送受信制御部71はステップS101においてユーザが行ったメモ書きに関する情報(ストローク情報及び点情報を含む描画情報)を会議サーバ装置20に送信する。
【0069】
以上により、発表者の情報処理端末10のユーザが、共有モードのときに会議資料にメモ書きを行った場合、このメモ書きに関する情報(ストローク情報及び点情報を含む描画情報)を会議サーバ装置20に送信することができる。
【0070】
次に、会議サーバ装置20が情報処理端末10からメッセージを受信した場合の処理について説明する。
図10は、会議サーバ装置における情報処理端末からのメッセージ受信処理の一例のフローチャートである。なお、以下では一例として、会議サーバ装置20は、発表者の情報処理端末10からメモ書きに関する情報(ストローク情報及び点情報を含む描画情報)を含むメッセージを受信した場合について説明する。
【0071】
ステップS201において、送受信制御部81は発表者の情報処理端末10から送信された描画情報を含むメッセージを受信する。
【0072】
ステップS202において、会議情報制御部82は受信したメッセージから描画情報を取得し、会議情報記憶部83に記憶させる。
【0073】
ステップS203において、送受信制御部81は描画情報を含むメッセージを参加者の情報処理端末10に送信する。
【0074】
以上により、会議サーバ装置20は、発表者の情報処理端末10から受信したメッセージに含まれる描画情報を参加者の情報処理端末10に送信することができる。
【0075】
また、会議サーバ装置20は発表者の情報処理端末10から受信したメッセージに含まれる描画情報を会議情報記憶部83に記憶させることができる。これにより、例えば会議に途中参加する情報処理端末10は、会議サーバ装置20から会議資料1000と描画情報1100を取得(ダウンロード)することにより、メモ書きが反映された会議資料を表示することができる。
【0076】
次に、情報処理端末10が会議サーバ装置20からメッセージを受信した場合の処理について説明する。
図11は、参加者の情報処理端末における会議サーバ装置からの同期表示処理の一例のフローチャートである。なお、以下では一例として、参加者の情報処理端末10が会議サーバ装置20からメモ書きに関する情報(ストローク情報及び点情報を含む描画情報)を含むメッセージを受信した場合について説明する。
【0077】
ステップS301において、送受信制御部71は会議サーバ装置20から送信された描画情報を含むメッセージを受信する。
【0078】
ステップS302において、会議情報制御部74は受信したメッセージから描画情報を取得し、会議情報記憶部76に記憶させる。
【0079】
ステップS303において、表示制御部73は取得した描画情報に基づき、メモ書きを表示している会議資料に表示(反映)させる。
【0080】
以上により、参加者の情報処理端末10は、会議サーバ装置20から描画情報を含むメッセージを受信し、このメッセージから取得した描画情報に基づいてメモ書きを表示(同期)させることができる。これにより、発表者の情報処理端末10が行ったメモ書きを参加者の情報処理端末10に同期表示させることができる。
【0081】
次に、発表者の情報処理端末10のユーザがメモ書きを行った場合に、メモ書きの情報量を判定し、所定の場合にメモ書きを抑止させる処理について説明する。
図12は、メモ書き抑止処理の一例のフローチャートである。
【0082】
ステップS401の処理は、ステップS101の処理と同様であるため説明を省略する。
【0083】
ステップS402において、会議情報制御部74は会議情報記憶部76から描画情報1100に含まれる点情報1102を取得する。そして、情報量算出部751は、会議情報制御部74が取得した点情報1102と、ステップS401で発表者の情報処理端末10のユーザが行ったメモ書きの点情報とから点の個数(情報量)を算出する。すなわち、情報量算出部751は、点情報1102として記憶されている点の個数(すなわち点情報1102のデータ数)とステップS401で行ったメモ書きを構成する点の個数の合計値を算出する。これにより、情報処理端末10間で共有されている会議資料のメモ書きを構成する点の個数を算出することができる。
【0084】
なお、本実施形態においては、情報量としてメモ書きを構成する点の個数の合計値としているがこれに限られない。例えば情報量として、ビットやバイトなどで表したデータ量を用いてもよい。
【0085】
ステップS403において、情報量判定部752はステップS402で算出した点の個数の合計値が所定の値に達しているか否かを判定する。点の個数の合計が所定の値に達している場合、ステップS404に進み、所定の値に達していない場合、ステップS405に進む。なお、所定の値として、例えば点の個数が2500個などとすればよい。また、この値は例えば会議システム1の管理者などが設定できるようにしてもよい。
【0086】
ステップS404において、描画制御部75は表示制御部73を介して、メモ書きをこれ以上行うことができないことを示すメッセージを表示させる。また、このとき、描画制御部75は、例えばメモ書きボタン2003などを非表示にしたり、選択不可能にすることにより、それ以上メモ書きが行えないようにしてもよい。また、例えば自動的にメモ削除ボタン2004にカーソルを遷移させ、メモ書きを削除することにより点の個数の合計値が所定の値を下回るまでメモ書きを行うことができないことを示すメッセージを表示させ続けるようにしてもよい。
【0087】
ステップS405において、会議情報制御部74は、ステップS401で行ったメモ書きに関する情報(ストローク情報及び点情報を含む描画情報)を会議情報記憶部76に保存する。また、描画制御部75は会議情報記憶部76に保存されている点の個数について、所定の値に対する割合を算出し、表示制御部73を介して、例えばメモ書き容量3001(メモ書き容量4001)に算出した割合を百分率で表示させる。
【0088】
なお、上記のステップS401〜S405の処理は、個人モードである情報処理端末10のユーザがメモ書きを行った場合についても適用することができる。
【0089】
以上により、情報処理端末10は会議資料のメモ書きの情報量が所定以上の場合、それ以上メモ書きを行うことができないようにすることができる。これにより、会議資料に行うことができるメモ書きの量(情報量)を制限することができる。したがって、例えば会議に途中から参加するユーザが取得するメモ書きに関する情報(描画情報)を軽減させることができる。また、情報処理端末10やネットワークN1の処理の負荷を軽減することができる。
【0090】
<まとめ>
以上の本実施形態に係る会議システム1では、発表者の情報処理端末10におけるメモ書きやページめくりなどのユーザ操作を参加者の情報処理端末10に反映させ、各情報処理端末10間で同期表示を行うことができる。
【0091】
また、本実施形態に係る会議システム1では、情報処理端末10の会議資料におけるメモ書きについて、メモ書きの情報量に基づいて新たなメモ書き操作を抑止することができる。これにより、会議資料に大量のメモ書きがされるのを防止することができ、例えば会議に途中参加するユーザの情報処理端末10が取得(ダウンロード)するデータ量を抑えることができる。
【0092】
なお、会議システム1は、情報処理システムの一例である。会議資料及び描画情報は、表示データの一例である。操作制御部72及び表示制御部73は、描画手段及び削除手段の一例である。送受信制御部71及び表示制御部73は、表示同期手段の一例である。情報量算出部751は、算出手段の一例である。描画制御部75は、描画抑制手段の一例である。表示制御部73は、GUI部品表示手段の一例である。送受信制御部71は、取得手段の一例である。
【0093】
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。