(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射部材Aが吸収する光の波長が380nm以上440nm未満であり、前記反射部材Aが発光する光の波長が400nm以上600nm以下である、請求項4に記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の発光装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。必要に応じて具体的な実施例を示すが、それは本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明をそれらに限定するものではない。また、以下に記載する構成部品の材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0013】
また、本明細書において基体上などでいう「上」とは、必ずしもその基体などの上面に接触して部材が形成される場合に限られず、離間して上方に形成される場合も含んでおり、部材と部材の間に何らかの別の部材が存在する場合も包含する意味で使用する。
【0014】
また、本明細書において、特に特定的な記載がない限り、紫外光とは波長200nm以上380nm未満の光とし、可視光とは波長380nm以上780nm以下の光とする。
【0015】
[発光装置]
本発明の発光装置の代表的な実施態様の断面模式図を
図1に示す。また、別の実施態様の断面模式図を
図2に示す。
【0016】
図1及び
図2に示される通り、一実施態様の発光装置10は、一対の電極を有する基体12と、基体12上に設けられ、前記一対の電極に電気的に接続した発光素子14と、前記基体12に接して設けられ、発光素子14を取り囲むパッケージ部材18と、を有する。また、発光装置10は通常、少なくとも前記発光素子14を被覆する被覆部材22を有する。さらに、前記パッケージ部材18が、紫外光を吸収して可視光を発光する白色の反射部材A 20を含む。なお、
図1の態様では前記発光素子14は基体12に接着剤16を介して接着され、基体12における一対の電極とはボンディングワイヤ24を介して電気的に接続している。また、
図2の態様では前記発光素子14は基体12における一対の電極と直接接続している。以下、一実施態様の発光装置10を構成する各部材について説明する。
【0017】
<基体12>
基体12は前記の通り一対の電極を有しており、任意に三つ以上の電極を備えていてもよい。一対の電極の態様としては従来公知の各種の態様が可能である。例えば
図1に示す態様では、基体12は概略第1のリードフレーム及び第2のリードフレームから構成され、これらが一対の電極である。そして一方のリードフレームがボンディングワイヤ24の一方を介して発光素子14のp側電極と電気的に接続し、他方のリードフレームがボンディングワイヤ24の他方を介して発光素子14のn側電極と電気的に接続される。この接続により、例えば前記電極を介して発光素子14に外部電力が供給される。
【0018】
なお、第1のリードフレーム及び第2のリードフレームは、絶縁体12aにより絶縁される。絶縁体12aは、下記に説明する基板と同様の材料から形成することができ、また後述するパッケージ部材18と同様の材料から形成することもできる。特に、パッケージ部材18を基体12に一体的に成形する場合、絶縁体12aはパッケージ部材18と一体化されてもよい。
【0019】
また例えば
図2に示す態様では、基体12は概略第1の突起電極(バンプ)及び第2の突起電極(バンプ)から構成され、これらが一対の電極である。そして一方の突起電極が発光素子14のp側電極と直接接続され、他方の突起電極が発光素子14のn側電極と直接接続される。この接続により、例えば前記電極を介して発光素子14に外部電力が供給される。
【0020】
基体12の有する一対の電極は、基板上にパッド電極や配線パターンの形態で形成したものであってもよく、あるいは基板上にリードフレームを形成して発光素子14と電気的に接続し、このリードフレームを基板の発光素子14が配置される面とは反対側の面に回り込ませ、外部電源等との接続に供してもよい。なお電極が配線パターンである場合、その上面視における形状は特に限定されるものではなく、通常の、発光素子を搭載する基板等における配線パターンと同様又はそれに準じた形状等とすることができる。
【0021】
このような一対の電極を形成する材料としては、Fe、Cu、Ni、Al、Ag、Au、Pd、これらを含む金属(合金)やメッキ、又はそれらを積層した材料を用いることが好ましく、発光装置10の光取り出し効率の向上のため反射率や、基板が存在する場合にはそれとの密着性を考慮して適宜選択される。特に、電極の最表面がAgであれば、高い光取り出し効率を得やすいので好ましい。
【0022】
一対の電極の厚みは特に限定されるものではなく、当該分野で通常使用される電極の厚みを適用することができる。例えば、前記電極の厚みは数μm〜数mm程度とすることができる。
【0023】
また、基体12が基板上にパッド電極が形成されてなる場合などにおける基板は、発光装置10の支持体となる部材であり、その目的や用途等に応じて、また、発光素子14の実装、光反射率、他の部材との密着性などを考慮して、適切な公知の各種材料を用いて形成することができる。そのような材料としては、例えば、セラミック、樹脂、ガラス等を用いることができる。
【0024】
前記セラミックとしては、例えば、窒化アルミニウム、アルミナ、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)等を用いることができる。
【0025】
また前記樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができ、具体的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂などの変性シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、アクリレート樹脂、変性ウレタン樹脂、テフロン(登録商標)、FR−4、CEM−3などをあげることができる。さらに、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー、ナイロン等も用いることができる。さらにこれらの樹脂中には、Al
2O
3、MgO、MgCO
3、CaCO
3、Mg(OH)
2、Ca(OH)
2などの微粒子などを含有させてもよい。
【0026】
また、基体12を形成する材料に、発光素子14からの下向き(基体12の方向への)の発光を反射して発光装置10の光取り出し効率を向上させるため、光反射率の高い材料(例えば、酸化チタン等の白色フィラーなど)を含有させてもよい。
【0027】
以上説明した各種形態を取り得る基体12の厚みは、当該技術分野で採用されているものであれば特に制限されず、例えば10μm〜数mm程度の厚みとすることができる。
【0028】
また、一実施態様の発光装置10の上面視における基体12の形状は、特に限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。例えば、四角形、長方形、多角形、円形、楕円形、及びそれらを組み合わせた形状とすることができる。
【0029】
<発光素子14>
上述の通り発光素子14が基体12上に設けられ、その一対の電極と電気的に接続されている。発光素子14の構成は特に制限されるものではなく、従来公知の発光素子の各種構成が特に制限なく採用可能である。
【0030】
代表的には、発光素子14はp型半導体層、発光を行う活性層、及びn型半導体層を有し、p型半導体層及びn型半導体層のそれぞれが、基体12の一対の電極のそれぞれと電気的に接続し、外部電力の供給を受ける。
【0031】
前記半導体層と一対の電極との接続のために、一般にp型半導体層及びn型半導体層上にそれぞれp側電極及びn側電極を設ける。
図1に示された態様では発光素子14は、二つのボンディングワイヤ24の一端がそれぞれp側電極及びn側電極に接続し、その他端が一対の電極のそれぞれと接続している。そして発光素子14は、接着剤16により物理的に電極及び/又は基体12上のその他の位置に固定される。
【0032】
その他の態様として、p型半導体層、活性層及びn型半導体層が積層されてなる半導体層の下部にp側電極を設けて、これを介してp型半導体層を直接電極に接続し、さらに半導体層上に設けられたn側電極を、ボンディングワイヤを介して電極の他方に接続することもできる。
【0033】
発光素子14における各層の構成としては、従来公知の各種の構成を特に制限なく採用可能である。例えば前記n型半導体層は、GaNのコンタクト層、InGaN/GaNの多層膜構造、p型半導体層は、GaNのコンタクト層、AlGaN,InGaN,GaNの単層、多層膜構造等を用いて構成することができる。また、各層の一部に、絶縁性、半絶縁性の領域、層、又は逆導電型の領域、層を設けてもよい。なお、発光素子14は、サファイアなど半導体層の結晶成長用基板を有してもよいし、結晶成長用基板が除去された後シリコンなど別の接合用基板が接合されてもよいし、基板を有さなくてもよい。
【0034】
また、発光素子14における活性層は、例えば、Al
aIn
bGa
1-a-bN(0≦a≦1、0≦b≦1、a+b≦1)からなる井戸層と、Al
cIn
dGa
1-c-dN(0≦c≦1、0≦d≦1、c+d≦1)からなる障壁層とを含む量子井戸構造を有する。活性層から出射される光の波長は、発光素子14の目的、用途等に応じて紫外域から可視域まで選択できる。可視光を発光する発光装置の発光効率の観点からは、活性層から可視光が出射されることが好ましい。より詳細には、例えば波長380nm以上600nm以下、好ましくは波長400nm以上500nm以下、より好ましくは波長430nm以上470nm以下である。
【0035】
発光素子14におけるn側電極及びp側電極の具体例としては、例えばNi,Pt,Pd,Rh,Ru,Os,Ir,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Co,Fe,Mn,Mo,Cr,W,La,Cu,Ag,Y,Al,Si,Auなどの金属またはこれらの酸化物あるいはこれらの窒化物が挙げられる。
【0036】
さらに発光素子14は、その下面、つまり基体12と対向する面に、誘電体多層膜やAg、Al等の光反射率の高い金属膜などからなる反射膜を有していてもよい。これにより発光素子14の活性層から下向きに出射された光を反射し、発光装置10の光取り出し効率を高めることができる。
【0037】
<パッケージ部材18及び反射部材A 20>
例えば
図1に示す態様では、パッケージ部材18は基体12上に接して設けられ、発光素子14を略中心にしてそれを取り囲み、凹部(開口部)を形成している。パッケージ部材18の前記凹部を形成する側面の形状は特に制限されるものではなく、
図1に示されるように略直線の斜面形状でもよいし、これに凹凸や段をつけた形状でもよいし、さらに曲面形状であってもよい。また、パッケージ部材18の凹部形成側面とは反対側の側面及び上部表面の形状も特に制限されるものではない。
【0038】
また例えば
図2に示す態様では、パッケージ部材18は、発光素子14の上面を露出させて側面と下面を直接被覆している。また、パッケージ部材18は、一対の突起電極である基体12の下面を露出させて側面を直接被覆している。この基体12の露出された下面が外部接続用の端子として機能する。
【0039】
前記パッケージ部材18の形成材料としては従来公知の各種材料が使用可能で、例えば熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が使用可能である。なお熱硬化性樹脂の場合は、発光装置10の製造においては、例えば第三級アミン類や芳香族スルホニウム塩、酸無水物などの硬化剤を使用し、パッケージ部材18の形状に成形したあと前記熱硬化性樹脂を硬化させるので、発光装置10においては前記熱硬化性樹脂の硬化体として存在する。
【0040】
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂及び変性ウレタン樹脂が挙げられる。
【0041】
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性シリコーン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)、液晶ポリマー及びポリアミド樹脂が挙げられる。
【0042】
従来はパッケージ部材に、光取り出し効率向上のため、酸化チタンなどの反射部材を含有させたり、蛍光体であるYAGを含有させたり、していた。一方本発明では、紫外光を吸収して可視光を発光することのできる反射部材A 20を含有させる。
【0043】
反射部材A 20は、従来使用されている反射部材と同様白色で(物体色が白く)、発光素子14からの可視光を効率良く反射することができる。反射部材A 20の可視光の反射率は、通常波長440nm未満で0%以上100%以下かつ波長440nm以上で60%以上100%以下であり、好ましくは、波長440nm未満で0%以上100%以下かつ波長440nm以上で80%以上100%以下である。
【0044】
さらに反射部材A 20は、例えば発光素子14から発光される紫外光を吸収し、可視光を発光するので、可視光の反射効果だけでなく、自らの(紫外光を吸収しての)発光により、発光装置10全体としての発光強度(光取り出し効率)を高める。なお、紫外光を吸収するので、反射部材A 20はパッケージ部材18の耐光性を高める作用も有している。
【0045】
反射部材A 20は、好ましくは紫外光を吸収して短波長又は中波長の可視光を発光する。前記短波長の可視光とは波長380nm以上500nm以下の光であり、好ましくは波長400nm以上470nm以下の光である。また、前記中波長の可視光とは波長が500nmより長く600nm以下の光である。
【0046】
反射部材A 20は、更に好ましくは、短波長の可視光を吸収して、該可視光よりも波長の長い短波長又は中波長の可視光を発光する。この反射部材A 20が吸収する短波長の可視光とは、波長が380nm以上440nm以下の光であり、またこの短波長可視光を吸収して反射部材A 20が発光する短波長又は中波長の可視光とは、波長が400nm以上600nm以下の光であり(なお、発光波長は吸収波長よりも長い)、発光素子14の発光色に近似する青色や緑色の光を含む。
【0047】
このような反射部材A 20としては、例えば、アルミン酸塩を母体とし、賦活剤として希土類又はMnをMサイトにドープしてなる蛍光体;リン酸塩を母体とする蛍光体;ハロリン酸系蛍光体;YOX(Y
2O
3:Eu);並びに、ZnS:Ag,Clが挙げられる。
【0048】
前記アルミン酸塩を母体とし、賦活剤として希土類又はMnをMサイトにドープしてなる蛍光体としては、一般式(Ba,M)Al
10O
17:Eu(但しMはSr,Ca,及びMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素)で表される2価のユーロピウム付活アルカリ土類アルミン酸塩(例えば、BAM:Eu)、
一般式(Ba,M)Al
10O
17:Eu,Mn(但しMはSr,Ca,及びMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素)で表される2価のユーロピウム及び2価のマンガン共付活アルカリ土類アルミン酸塩(例えば、BAM:Eu,Mn)、
一般式Ce(Mg,Zn)
aAl
11O
19−a:Mn(但し0.4≦a≦1.0)で表される3価のセリウム及び2価のマンガン共付活亜鉛マグネシウムアルミン酸塩(例えば、CMZ:Mn)、
式CeMgAl
11O
19:Tbで表される3価のセリウム及び3価のテルビウム共付活マグネシウムアルミン酸塩(CAT:Tb)が挙げられる。
【0049】
前記リン酸塩を母体とする蛍光体としては、式LaPO
4:Ce,Tbで表される3価のセリウム及び3価のテルビウム共付活ランタンリン酸塩(LAP:Ce,Tb)、一般式M
2P
2O
7:Eu(但しMはSr,Ca,Ba,及びMgからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素)で表される2価のユーロピウム付活アルカリ土類ピロリン酸塩(例えばSPE:Eu)が挙げられる。
【0050】
前記ハロリン酸塩蛍光体としては、ユーロピウム付活アルカリ土類ハロリン酸塩(例えば、(Sr
1−x−y−zBa
xCa
yEu
z)
5(PO
4)
3Cl(式中、x、y及びzは、0≦x<0.5、0≦y<0.1、0.005<z<0.1を満たす値である。)、より具体的には、(Sr,Ca,Ba)
10(PO
4)
6Cl
2:Euや、(Ba,Ca,Mg)
10(PO
4)
6Cl
2:Eu,Sb,Mn)等が挙げられる。
【0051】
例えば、
図3は後述する表1に示す各種のBAM:Eu及びLAP、YOXの光反射率を示した図であり(光源として(Xeランプ)を使用、比較として二酸化ケイ素及び酸化チタンの反射率も示す)、
図4はBAM:Eu(後述する表1におけるB)の発光スペクトル及び励起スペクトルである。
図3の下側の図は上側の図の反射率90%以上の部分の拡大図である。
【0052】
図3より、反射部材A 20は、従来使用されている反射部材である二酸化ケイ素や酸化チタンに比べて、幅広い波長の光に対して同等かそれ以上の反射率を示し、特に波長450nm付近の光の反射率が優れていることがわかる。これは、反射部材A 20がこの光を反射するだけでなく、
図4に示される通り、反射部材A 20自体がこの光を発光するからである。波長450nmの光は青色光として発光装置においては重要な光であり、この部分の反射率(これは発光装置10の光取り出し効率に結びつく)が優れていることは大きな利点である。
【0053】
その他にも、上述の通り前記反射部材A 20は好ましくは400nm以上600nm以下の波長の光を発光する。波長550nm付近の緑色の発光をする反射部材A 20は、緑色は人が最も強く感知する色であるので、人が認識する発光装置10の光強度を高くすることができる。
【0054】
以上説明した反射部材A 20の粒径は、レーザ回折・散乱法により測定(測定機器として例えば、(株)島津製作所製 SALD−3100)した平均粒径D50として、好ましくは0.1μm以上50μm以下であり、より好ましくは0.2μm以上30μm以下である。参考までに、各種の粒径のBAM:Euの粒径のデータを下記表1に示す。Bが
図4に示した発光スペクトル及び励起スペクトルの測定に用いた試料である。
【0056】
光散乱により物体色を白くし可視光の反射率を高くする観点からは、D50は0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。一方反射部材A 20の存在によりパッケージ部材18の形成材料の粘度に影響が出て、パッケージ部材を形成するにあたって採用可能な成形方法に制限が出る等、ハンドリング特性を変化させる場合がある。この点や反射部材A 20の発光効率の観点からは、D50が大きいことが望ましい。なお、D50が大きくなりすぎると反射部材A 20同士の空隙が多くなり、隠蔽性が低くなる場合があるので、上記のD50とした。
【0057】
また、パッケージ部材18(100重量%)中の反射部材A 20の含有量は、光取り出し効率の観点から、好ましくは0.1重量%以上95重量%以下、より好ましくは5重量%以上90重量%以下である。
【0058】
以上説明した反射部材A 20をパッケージ部材18中に含ませるが、反射部材A 20は、パッケージ部材18中に均一に分散していても、パッケージ部材18中において一定の偏りを持って分散していてもよい。
【0059】
<被覆部材22>
一実施態様の発光装置10においては、透光性樹脂を母材とする被覆部材22により少なくとも発光素子14が被覆されている。より具体的には、例えば
図1に示す実施態様では、発光装置10における発光素子14の積層方向上部の露出面と、基体12の積層方向上部の露出面のうち、パッケージ部材18が形成する凹部の内側の露出面とが、被覆部材22により被覆されている。また例えば
図2に示す態様では、発光素子14の上面とパッケージ部材18の上面とが、被覆部材22により被覆されている。なお、被覆部材22は、発光装置10の必須の構成ではなく、省略することもできる。
【0060】
樹脂による被覆は発光装置10の露出部分の物理的・熱的衝撃等からの保護などのために行うが、このような被覆に用いられる透光性樹脂としては、透光性の高いシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂等を使用することが好ましい。また、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の透光性を有する絶縁樹脂も用いることができる。さらに、ユリア樹脂、フッ素樹脂およびこれらの樹脂を少なくとも二種含むハイブリッド樹脂など、耐候性に優れた樹脂も利用できる。
【0061】
(波長変換部材)
また、被覆部材22には、発光素子14からの出射光の少なくとも一部を吸収して可視光を発光する波長変換部材を含有させることができる。この波長変換部材は、代表的には前記出射光によって励起され蛍光を発する蛍光物質である。波長変換部材を有することにより、光源の光を異なる波長の光に変換し、光源からの光と波長変換部材で波長変換された光との混色光を得ることが可能となる。さらに反射部材A 20が紫外光や短波長の可視光を吸収して、可視光を発光するので、この反射部材A 20からの光と波長変換部材で波長変換された光との混色光を得ることも可能である。
【0062】
波長変換部材としては、具体的には、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウムなどを用いることができる。
【0063】
なお、波長変換部材は、透光性樹脂中にほぼ均一の割合で混合することも、部分的に偏在するよう、例えば発光素子14の周辺において濃度が高くなるよう混合することもできる。
【0064】
また、波長変換部材は、一層からなる透光性樹脂中に一種類或いは二種類以上存在してもよい。これにより所望の波長の光を出射可能な発光装置10を実現することができる。
【0065】
<その他の添加部材>
一実施態様の発光装置10においては、本発明の効果を損なわない範囲で、パッケージ部材18中に、反射部材A以外の反射部材B、強化剤、酸化防止剤、シリコーン系等の低応力剤、ワックス類、ハロゲントラップ剤、硬化促進剤、変性剤、脱泡剤、レベリング剤、離型剤等を含有させてもよい。
【0066】
前記反射部材Bとは、自身は発光せず、可視光を反射することのできる部材である。反射部材Bとしては従来公知の反射部材、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、鉛白、カオリン、炭酸カルシウム、酸化ジルコニウムなどが使用可能である。特に反射部材Aがアルミン酸塩を母体とし、賦活剤として希土類又はMnをMサイトにドープしてなる蛍光体や、リン酸塩を母体とする蛍光体である場合には、パッケージ部材18の肉厚によっては、屈折率の関係から、隠蔽性が不十分(透過光大)となる場合があり得るので、反射部材Bの併用が望ましい。強化剤としては、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、ガラスなどの繊維状フィラーが使用可能である。
【0067】
また、被覆部材22には、上記で説明した波長変換部材の他、粘度増量剤、顔料及び光散乱材等、使用用途に応じて適切な部材を含有させることができ、これによって良好な指向特性を有する発光装置10が得られる。同様に外来光や発光素子14からの不要な波長の光をカットするフィルター効果を持たせたフィルター材として各種着色剤を含有させることもできる。
【0068】
<発光装置10の用途>
以上説明した一実施態様の発光装置10は、パッケージ部材18中に特定の反射部材A 20を含み、これは発光素子14からの可視光を反射するだけでなく、紫外光を吸収して可視光を発光することもできる。このため、発光装置10は従来の発光装置よりも優れた光取り出し効率を達成し得るものであり、照明器具、液晶ディスプレイのバックライト、動画照明補助光源、その他の一般的民生用光源などに利用可能である。
【0069】
<発光装置10の製造方法>
一実施態様の発光装置10の製造方法は、以上説明した発光装置の構成を実現し得る限り特に制限されるものではないが、例えば、以下のようにして発光装置10を製造することができる。
【0070】
まず、一対の電極を有する基体12を用意する。また、上述の通り必要に応じて電極は三つ又はそれ以上存在してもよい。基板上に一対の電極を形成してこれを基体12とする場合は、電極は、蒸着、スパッタリング、メッキ、フォトレジストを用いたビルドアップ法やサブトラクティブ法、金属箔の貼り付け、並びに導電性ペーストを用いた印刷法などの公知の方法により形成可能である。
【0071】
この基体12を、例えばトランスファー成形機の金型内に設置して、パッケージ部材18の母材を構成する樹脂及び反射部材A 20を含む樹脂組成物を使用して、トランスファー成形により基体12上にパッケージ部材18を形成する。なお、必要に応じて前記樹脂の熱硬化も行う。反射部材A 20は上述の通り好ましくは所定の平均粒径を有しているので、前記樹脂組成物はハンドリング性に優れ、成形を円滑に行うことができる。
【0072】
また、パッケージ部材18は射出成形や圧縮成形により形成することもできる。さらに、パッケージ部材18は、滴下(ポッティング)法により、基体12上に枠状に描画して形成することもできる。なお、基体12とパッケージ部材18を一体的に成形することも可能である。
【0073】
続いて基体12上に発光素子14を形成し、発光素子14を電極やボンディングワイヤ24により、基体12の一対の電極と電気的に接続させる。
【0074】
さらに、透光性樹脂による被覆を行って被覆部材22を形成し、発光装置10が完成する。前記被覆の方法としては従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。また透光性樹脂には上記の通り波長変換部材や、その他の添加部材を含有させることもできる。
【0075】
以上、主として
図1に示す態様の発光装置の製造方法について説明したが、
図2に示す態様の発光装置は、発光素子14のn側電極及びp側電極上に其々突起電極である基体12をメッキなどにより形成した後、上述と同様の方法により、発光素子14及び基体12の側方を被覆するようにパッケージ部材18を成形し、さらに被覆部材22により発光素子14及びパッケージ部材18の上方を被覆すればよい。