(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及び、それらの用語を含む別の用語)を用いる。それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
【0010】
<実施の形態1>
図1〜
図2に示すように、本実施の形態に係る発光装置11は、基板30と側壁31とから成るハウジング32と、ハウジング32の凹部33内において基板30の上面30aに実装された発光素子60と、発光素子60の上面61に載置された板状の透光性部材40とを含んでいる。透光性部材40と発光素子60との間の接合は、例えば、圧着、焼結、接着剤による接着、低融点ガラスによる接着などで行うことができる。本実施の形態に係る発光装置11では、透光性部材40と発光素子とは透光性の接着剤層70によって固定されている。
凹部33内の発光素子60及び透光性部材40は、2層から成る封止部材50によって封止される。本実施の形態では、特許文献1〜2とは異なり、透光性部材40の上面41の全面が封止部材50によって覆われている。
【0011】
透光性部材40が、上面視において、発光素子60よりも外側に延在していることにより、外側に延在した部分(外延部45)の面積分だけ、実質的な発光面積を拡大することができる。また、透光性部材40が発光素子60よりも大きく、上面視したときに発光素子60が透光性部材40によって完全に覆われているのが好ましい。特に、発光素子60の全周にわたって透光性部材40の縁部が発光素子60よりも外側に位置しているとより好ましい。
以下に、実質的な発光面積を拡大する効果について詳しく説明する。
【0012】
透光性部材40を備えていない発光装置100(
図3(b))を上面から観察すると、発光素子60の上面61そのものが発光していると認識される。つまり、発光面積は、発光素子60の面積となる。
一方、本発明のように、発光素子60の上面61に透光性部材40を載置すると、発光素子60の上面61から出射された発光は透光性部材40に入射する。発光は、透光性部材40を横方向(xy平面方向)に伝播して透光性部材40全体に広がった後に、透光性部材40の上面41の全体から出射される。そのため、発光装置11を上面から観察すると、透光性部材40全体が発光しているように見える。つまり、実質的な発光面積は、透光性部材40の面積となる。
また透光性部材40は蛍光体を含まないため、透光性部材40内を発光が伝播する際に蛍光体81が発光を散乱又は吸収することがない。そのため、透光性部材40の全体に発光を広げることができる。
【0013】
このように、発光素子60上に、発光素子60の上面61よりも大面積で且つ蛍光体81を含有していない透光性部材40を載置するだけで、実質的な発光面積を効果的に広げることができる。
なお、透光性部材40は蛍光体を実質的には含まないが、製造工程中の混入等により微量の蛍光体を含むことはあり得る。本発明の効果との関係から、透光性部材40に微量の蛍光体が含まれていたとしても、実質的な発光面積を効果的に広げる効果を著しく低下させることはないため、許容される。
【0014】
本実施の形態では、封止部材50は2つの層51、52から成る。下側の層51は、光反射性部材から成る第1封止部材(光反射層)51であり、上側の層52は、発光素子20の発光を異なる波長の光に変換するための蛍光体81を含有する第2封止部材(蛍光体含有層)52である。
【0015】
光反射層51は、発光素子60の側面63を覆っている。本明細書において、「覆っている」とは、発光素子60の側面63に光反射層51が直接接触して覆っている形態だけでなく、側面63と光反射層51との間に別部材が配置されている形態(例えば、
図2のように、側面63と光反射層51との間に接着剤層70が配置されている形態)も含んでいる。
光反射層51で発光素子60の側面63を覆うことにより、側面63から出射される発光を光反射層51によって反射して、発光素子からの発光の大部分を透光性部材40に導入することができる。
【0016】
光反射層51は、さらに基板30の上面30aを覆っていてもよい。蛍光体含有層52中の蛍光体81によって散乱されて基板30方向に向かった発光を光反射層51で反射して、上方向(
図2のz方向)から取り出すことができる。
また、光反射層51は、さらに側壁31の内面31bを覆っていてもよい。蛍光体含有層52中の蛍光体81によって散乱されて側壁31方向に向かった発光を光反射層51で反射して、上方向(
図2のz方向)から取り出すことができる。
特に、基板30及び側壁31をセラミックから形成した場合、基板30及び側壁31を発光が透過しやすい傾向がある。そこで、基板30の上面30a及び側壁31の内面31bを光反射層51で覆って、発光を効果的に反射することにより、上方向からの光取出し効率を向上することができる。
【0017】
図2のように、光反射層51は、さらに透光性部材40の側面43を覆っていてもよい。これにより、透光性部材40内に入射した発光が側面43から出射されることは殆どなく、発光の大部分を透光性部材40の上面から出射させることができる。これにより、色むらの低減においては有利になり得る。
【0018】
封止部材50の上側の層を構成する蛍光体含有層52は、少なくとも透光性部材40の上面41を覆っている。これにより、透光性部材40の上面41から出射される光を、蛍光体含有層52内の蛍光体81によって波長変換することができる。
なお、蛍光体含有層52に含有される蛍光体81は、例えば、蛍光体含有層52の全体に蛍光体81が分散されていてもよい。
第2封止部材は透光性部材40の上面を覆うように形成された蛍光体層であっても良い。この場合、蛍光体層を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレー法、電着法、静電塗装法を用いることができる。あるいは樹脂に蛍光体を分散させた材料から成る蛍光体シート、蛍光体含有ガラス板等を、透光性部材40に接着してもよい。蛍光体としては、後述する当該分野で公知のものを使用することができる。
【0019】
本発明においては、透光性部材40が実質的に蛍光体を含まないので、まず、発光素子60からの発光を、透光性部材40内で伝播して実質的な発光面積(発光素子からの発光の発光面積)を広くし、その後に広い発光面積から出射された発光が蛍光体含有層52を通過するので、色むらの少ない発光を広い面積で発光させることができる。
そして、発光素子60から出射される光束が同じままに発光面積を広げるので、単位面積当たりの光束が少なくなり、当該単位面積上の蛍光体含有層52の厚さ方向における総蛍光体量を低減することができる。これにより、発光が蛍光体含有層52を通過しやすくなり、発光装置11の光取出し効率を向上することができる。
この光取出し効率の向上効果について、
図3を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
本実施の形態において、所定の発光色(例えば白色)の発光装置を製造するためには、発光素子からの発光の光束に合わせて、蛍光体含有層52中における蛍光体81の量を適宜調節する必要がある。具体的には、発光の出射面における単位面積を通過する発光の光束が増加すると、それに伴って、当該単位面積上から蛍光体含有層52の厚さ方向に存在する蛍光体81の総量を増加させる必要がある。蛍光体81は、発光の通過を阻害する要因としても機能しうるので、蛍光体81の総量が増加すれば、蛍光体含有層52を通過できる発光量が減り、発光装置11の光取出し効率が低下する。
【0021】
透光性部材40を載置した本発明に係る発光装置11(
図3(a))と、透光性部材40を載置していない従来の発光装置100(
図3(b))の模式断面図を参照しながら、上記理論のイメージを説明する。なお、
図3では、上記理論を理解しやすくするために、光束LFを矢印で示し、蛍光体含有層52を透過する光束LFの本数や、蛍光体含有層52中の蛍光体81の濃度等を誇張して図示している。
本発明に係る発光装置11では、発光素子60からの発光は透光性部材40に入射し、透光性部材40内を伝播して、透光性部材40の上面41全体から出射される(
図3(a))。一方、従来の発光装置100では、発光素子60からの発光は、発光素子60の上面61からそのまま出射される(
図3(b))。
【0022】
いずれの発光装置においても、発光素子60から出射される光束は等しいので、発光素子60から蛍光体含有層52への出射面の面積(これを「蛍光体励起面積」と称する)が大きいほど、蛍光体励起面積当たりの光束LF(光束LFの密度)は小さくなる。
図3(a)の発光装置11では、蛍光体励起面積は、透光性部材40の上面41の面積であり、
図3(b)の発光装置100では、発光素子60の上面61の面積である。図からも分かるように、透光性部材40の上面41の面積は、発光素子60の上面61の面積よりも、外延部45(xy平面において、発光装置11よりも外側に延在した部分)の分だけ広い。よって、
図3(a)の発光装置11のほうが、
図3(b)の発光装置100よりも、光束LFの密度が低い(
図3では、隣接する光束LFの間隔が広いほど、光束LFの密度が低いことを意味している)。
【0023】
そして、発光装置の発光色を同等にするためには、光束LFの密度が高いほど、蛍光体励起面積の単位面積において蛍光体含有層52内でその厚さ方向に存在する蛍光体81の総量を、増加させる必要がある。そのため、
図3(b)の発光装置100における蛍光体81の当該総量は多くなり、光束LFは蛍光体含有層52を通過しにくくなり、発光装置100の光取出し効率が低下する。
これに対して、
図3(a)の発光装置11では、光束LFの密度が低いので、蛍光体含有層52中における蛍光体81の上記総量を少なくすることができる。そのため、
図3(a)の発光装置11では、光束LFは蛍光体含有層52を通過しやすくなり。発光装置100の光取出し効率を向上することができる。
【0024】
次に、
図2を参照しながら、本実施の形態に係る発光装置11の製造方法について説明する。製造方法は、少なくとも以下の4工程を含む。なお、これらの工程番号は、この順番で行うことを意味するものではなく、工程2と工程3は入れ替えることもできる。
・工程1):基板の上面に発光素子を実装する工程
・工程2):前記発光素子の上面に、上面視において前記発光素子より大きい板状の透光性部材を載置する工程
・工程3):前記発光素子の発光を反射する光反射性部材から成る第1封止部材により、前記発光素子の側面を覆う工程
・工程4):前記工程2)及び3)の後に、前記発光素子の発光を異なる波長の光に変換するための蛍光体を含有する第2封止部材により、前記透光性部材の少なくとも上面を覆う工程
各工程の詳細について、以下に説明する。
【0025】
<工程1.発光素子60の実装>
外部電極37等の導体配線を形成した基板30を準備し、その上面30aに側壁31を固定して、凹部33を備えたハウジング32を形成する。なお、ハウジング32は、あらかじめ基板30と側壁31とが一体に成型されたものを用いることもできる。
凹部33の底面(基板30の上面30a)に、発光素子60を実装する。このとき、基板30に設けられた導体配線に発光素子60の電極を適宜接続することにより、外部電極37から発光素子60に通電することができる。
【0026】
<工程2.透光性部材40の載置>
発光素子60の上面61の面積より大きい透光性部材40を準備し、発光素子60の上面61に載置する。このとき、接着剤によって発光素子60と透光性部材40とを固定するのが好ましい。接着剤は、発光素子60の上面61と透光性部材40の下面42との間のみならず、発光素子60の側面63と透光性部材40の外延部45の下面45bまで覆ってもよい。接着剤を硬化することにより、透光性の接着剤層70が形成される。
透光性部材40は、発光素子60の上面61を完全に覆うように載置されているので、発光素子60の上面61から出射される発光を透光性部材40に効率よく導入することができる。
【0027】
<工程3.光反射層51の形成>
光反射層51は、反射性物質を添加した樹脂材料(反射性樹脂)から形成することができる。硬化前の液状樹脂材料に反射性物質を添加した後に、ハウジング32の側壁31と透光性部材40との隙間に滴下する。滴下された液状樹脂材料は、最初に基板30の上面30aに接触し、その後に表面張力によって、側壁31の内面31b、接着剤層70の表面(すなわち、間接的に発光素子60の側面63)、及び透光性部材40の側面43を這い上がって、それらの面を覆う。このようにして、
図2のような断面形状の光反射層51を容易に形成することができる。
最後に、液状樹脂材料を硬化させて、光反射層51を形成する。
【0028】
<工程4.蛍光体含有層52の形成>
蛍光体含有層52は、蛍光体81を添加した樹脂材料(蛍光体含有樹脂)から形成することができる。硬化前の液状樹脂材料に蛍光体81を添加した後に、透光性部材40の上面41に滴下する。滴下された液状樹脂材料は、透光性部材40の上面41から光反射層51の上面まで広がって、凹部33内に充填される。
最後に、液状樹脂材料を硬化させて、蛍光体含有層52を形成する。
このようにして、本実施の形態に係る発光装置11を得ることができる。
【0029】
(変形例)
図4は、本実施の形態の変形例に係る発光装置11’である。
図2に示した発光装置11とは、蛍光体含有層52内に含有されている蛍光体81の分散状態が異なっている。具体的には、本変形例に係る発光装置11’では、蛍光体含有層52内において、蛍光体81が透光性部材40の上面41、及び蛍光体含有層52と光反射層51との界面55上に堆積している。蛍光体含有層52の中で、蛍光体81が堆積している範囲を蛍光体層80とする。なお、本明細書中での堆積とは、底の方に沈んでいるという意味であり、蛍光体81は、蛍光体含有層52の中で堆積して蛍光体が密に存在する蛍光体層80を形成している。
【0030】
蛍光体81が堆積していると、透光性部材40の上面41から蛍光体含有層52に向かって出射された発光は、上面41に堆積した蛍光体層80を通過する間に、発光の一部が波長変換される。蛍光体層80内では蛍光体81が密に存在しているので、(蛍光体81が疎に存在する場合に比べて)発光が蛍光体81に衝突する確率が高くなる。つまり、蛍光体含有層52に含まれる蛍光体81の量が同じであれば、蛍光体含有層52の全体に蛍光体81を分散した形態(
図2の発光装置11)に比べて、蛍光体含有層52の下側に蛍光体81を堆積した形態(
図4の発光装置11’)のほうが、発光を波長変換する率(波長変換率)が高くなる。よって、蛍光体81を堆積した発光装置11’のほうが、蛍光体81を分散した発光装置11に比べて、所望の色度を達成するのに必要な蛍光体81の添加量を少なくすることができる。
【0031】
変形例に係る発光装置11’を製造するためには、発光装置11の製造方法の工程4を一部変更する。他の工程1〜3については発光装置11と同様である。
工程4において、液状樹脂材料を硬化させる前に、液状樹脂材料内の蛍光体81を沈降させ、蛍光体81を、透光性部材40の上面41及び光反射層51の上面に堆積させる。蛍光体81が堆積した後に、液状樹脂材料を硬化させる。
このようにして、本変形例に係る発光装置11’を得ることができる。
【0032】
<実施の形態2>
本実施の形態に係る発光装置は、透光性部材40の側面43を覆う封止部材50が、光反射層51から蛍光体含有層52に変更された点で、実施の形態1に係る発光装置11と大きく異なる。また、発光素子60の側面63が、光反射層51によって直接覆われている点でも、実施の形態1に係る発光装置11と異なる。その他の構成については、実施の形態1に係る発光装置11と同様である。
以下に、実施の形態1に係る発光装置11と異なる点を中心に説明する。
【0033】
図5に示すように、本実施の形態に係る発光装置12は、透光性部材40の側面43が、封止部材50の蛍光体含有層52によって覆われている。よって、透光性部材40中で広がった光は、透光性部材40の上面41のみならず、透光性部材40の側面43からも出射される。側面43から出射した発光によって、実質的な発光面積をさらに広げることができる。
【0034】
また、従来の白色発光装置では、発光装置の周囲が黄色く見える現象(イエローリング)が起こりやすく、発光装置の色むらの原因となっていた。このイエローリングは、発光素子から上方向に進行する青色光が蛍光体によって散乱されて、発光素子周囲にある蛍光体を光らせることによって生じると考えられる。本実施の形態の発光装置12では、従来の発光装置では青色光が届かなかった発光装置の周辺領域に、透光性部材40の側面43から出射された青色光が届くので、イエローリングの発生を抑えることができる。
【0035】
本実施の形態では、さらに、透光性部材40の外延部45の下面45bの少なくとも一部(好ましくは全部)が封止部材50の蛍光体含有層52によって覆われている。よって、透光性部材40中で広がった発光は、外延部45の下面45bからも出射される。ここで、基板30の上面30aが光反射層51で覆われていることにより、外延部45の下面45bから下向きに出射した発光を、上向きに反射することができるので、発光装置12の光取出し効率を向上させることができる。また、外延部45の下面45bからも出射される発光も、イエローリングの緩和に寄与しうる。
【0036】
透光性部材40の側面43の面積が増加すると、側面43からの青色光の出射量が増加するので、イエローリングの緩和効果が高まる。このことから、透光性部材40の厚さが厚いほど好ましい。その一方で、透光性部材40の厚さが薄いほど、発光装置の高さを抑制できるので好ましい。透光性部材40の厚さは、0.05mm〜0.15mmであるのが好ましく、発光装置の薄型化を図りつつ、光取出し効率の向上効果及びイエローリングに緩和効果を得ることができる。
【0037】
次に、
図5を参照しながら、本実施の形態に係る発光装置12の製造方法について説明する。実施の形態1と異なるのは、透光性部材40の載置(工程2)より前に、光反射層51を形成(工程3)する点である。
【0038】
<工程1.発光素子60の実装>
実施の形態1の工程1と同様に、ハウジング32を形成し、発光素子60を実装する。
【0039】
<工程3.光反射層51の形成>
実施の形態1の工程3同様に、光反射層51は、反射性物質を添加した樹脂材料(反射性樹脂)から形成することができる。硬化前の液状樹脂材料に反射性物質を添加した後に、ハウジング32の側壁31と発光素子60との隙間に滴下する。滴下された液状樹脂材料は、最初に基板30の上面30aに接触し、その後に表面張力によって、側壁31の内面31b、及び発光素子60の側面63を這い上がって、それらの面を覆う。このようにして、
図5のような断面形状の光反射層51を容易に形成することができる。
最後に、液状樹脂材料を硬化させて、光反射層51を形成する。
【0040】
<工程2.透光性部材40の載置>
発光素子60の上面61の面積より大きい透光性部材40を準備し、透光性部材40の上面41に載置する。接着剤は、発光素子60の上面61と透光性部材40の下面42との間のみならず、透光性部材40の外延部45の下面45bまで覆ってもよい。実施の形態1とは異なり、発光素子60の側面63は既に光反射層51で覆われているので、発光素子60の側面63が接着剤で覆われることはない。接着剤を硬化することにより、透光性の接着剤層70が形成される。
【0041】
<工程4.蛍光体含有層52の形成>
実施の形態1の工程4と同様に、蛍光体含有層52は、蛍光体81を添加した樹脂材料(蛍光体含有樹脂)から形成することができる。硬化前の液状樹脂材料に蛍光体81を添加した後に、透光性部材40の上面41に滴下する。滴下された液状樹脂材料は、透光性部材40の上面41から、透光性部材40の側面43、外延部45の下面45b、及び光反射層51の上面まで広がって、凹部33内に充填される。
最後に、液状樹脂材料を硬化させて、蛍光体含有層52を形成する。
このようにして、本実施の形態に係る発光装置12を得ることができる。
【0042】
(変形例)
図6は、本実施の形態の変形例に係る発光装置12’である。発光装置12’では、蛍光体含有層52内において、蛍光体81が透光性部材40の上面41、及び蛍光体含有層52と光反射層51との界面55上に堆積している。ここで、外延部45の下側には蛍光体81が堆積せず、蛍光体層80は
図6に示すようなプロファイルとなる。蛍光体層80が外延部45直下に実質的に延在しないことにより、外延部45の下面45bから下向きに出射された発光の多くは、蛍光体層80に衝突せずに(つまり、蛍光体層80内の蛍光体81によって散乱されることなく)、光反射層51によって反射される。ここで、光反射層51の上面(界面55)の断面形状は、外向きかつ上向きの湾曲面になっている。このような形状は、例えば、光反射層51の形成時に、反射性樹脂が発光素子60の側面63を這い上がることにより得られる。よって、外延部45の下面45bから下向きに出射された発光は、湾曲した光反射層51の上面によって外向きかつ上向きに反射されるので、透光性部材40に戻ることなく、発光装置12’の外側に取り出すことが可能となる。
【0043】
また、実施の形態1の変形例と同様に、蛍光体81を堆積することにより、蛍光体81を分散した発光装置12に比べて、好適な変換率を達成するのに必要な蛍光体81の添加量を少なくすることができる。
【0044】
変形例に係る発光装置12’を製造するためには、発光装置12の製造方法の工程4を一部変更する。他の工程1〜3については発光装置12と同様である。
工程4において、液状樹脂材料を硬化させる前に、液状樹脂材料内の蛍光体81を沈降させ、蛍光体81を、透光性部材40の上面41及び光反射層51の上面に堆積させる。蛍光体81が堆積した後に、液状樹脂材料を硬化させる。
このようにして、本変形例に係る発光装置12’を得ることができる。
【0045】
<実施の形態3>
図7〜
図8に示すように、本実施の形態に係る発光装置13は、いわゆるチップ・オン・ボード(COB)と呼ばれるタイプの発光装置である。
発光装置13は、基板30と、基板30の上面30aに実装された複数の発光素子60(
図7では3個×6個)と、発光素子60の上面61に載置された板状の透光性部材40とを含んでいる。透光性部材40は複数の発光素子60を覆っており、透光性部材40と発光素子60との間は、透光性の接着剤層70によって固定することができる。基板30の上面30aにはさらに、複数の発光素子60及び透光性部材40を囲むように枠体35が設けられている。枠体35の内側では、発光素子60及び透光性部材40は2層から成る封止部材50によって封止される。
【0046】
この実施の形態に係る発光装置13では、実施の形態1〜2と同様に、面積の大きい透光性部材40を用いることによって実質的な発光面積が広がる効果と、蛍光体81の使用量が抑制されることによって光取出し効率を向上できる効果を奏する。さらに、本実施の形態では、COBタイプの発光装置ならではの課題を解決することができる。以下に詳細に説明する。
【0047】
複数の発光素子を載置したCOBタイプの発光装置では、複数の発光素子が間隔をあけて配列されているため、点灯時にも、各発光素子が分離して配置されているのを視認し得る。そのような発光装置は、均一照明が望ましい照明用途においては好ましくない。そこで、従来は封止樹脂に拡散剤を添加して、個々の発光素子として視認しにくくしていた。しかしながら、拡散剤を添加すると、光取出し効率が低下する問題があった。
本実施の形態では、複数の発光素子60を覆う透光性部材40を設けることにより、各発光素子60からの発光を1枚の透光性部材40内の全体に広げることができるので、個々の発光素子として視認しにくくすることができる。また、封止樹脂に拡散剤を添加しなくてよいので、光取出し効率を低下させることも少ない。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、COB型発光装置において、個々の発光素子を視認しにくくして全体に均一発光しうる発光装置であって、光取出し効率が改善されたものを提供することができる。
【0049】
次に
図8を参照しながら、本実施の形態に係る発光装置13の製造方法について説明する。本実施の形態では、工程1の後に、新たな「工程5」を新たに含む点で大きく異なる。
【0050】
<工程1.発光素子の実装>
外部電極37等の導体配線を形成した基板30を準備し、基板30の上面30aに複数の発光素子60を実装する。このとき、基板30に設けられた導体配線に発光素子60の電極を適宜接続することにより、外部電極37から発光素子60に通電することができる。
【0051】
<工程5.枠体35の形成>
枠体35は、樹脂材料から形成することができ、特に、反射性物質を添加した反射性樹脂から形成するのが好ましい。硬化前のペースト状樹脂材料に反射性物質を添加した後、ペースト状樹脂材料を排出することのできる器具(例えば注射器のような分配装置)を用いて、基板30上に枠体35の形状を描く。
最後に、ペースト状樹脂材料を硬化させて、枠体35を形成する。この方法によれば、金型を使用せずに枠体35を形成することができる。
枠体35は1つのみに限らず、複数形成してもよい。例えば、後述する蛍光体層を形成するための樹脂枠を別途設けることもできる。複数形成する場合は、複数の枠体が上下に重なるように形成しても良いし、平面視で1枠目を囲むように複数設けても良い。
【0052】
<工程3.光反射層51の形成>
実施の形態1〜2の工程3と同様に、光反射層51は、反射性物質を添加した樹脂材料(反射性樹脂)から形成することができる。硬化前の液状樹脂材料に反射性物質を添加した後に、枠体35と発光素子60との隙間に滴下する。滴下された液状樹脂材料は、最初に基板30の上面30aに接触し、その後に表面張力によって、枠体35の内面35b、及び発光素子60の側面63を這い上がって、それらの面を覆う。このようにして、
図8のような断面形状の光反射層51を容易に形成することができる。
最後に、液状樹脂材料を硬化させて、光反射層51を形成する。
【0053】
<工程2.透光性部材40の載置>
複数の発光素子60を覆うことのできる寸法の透光性部材40を準備し、複数の発光素子60の上面61に、それらを覆うように載置する。このとき、接着剤によって発光素子60と透光性部材40とを固定するのが好ましい。接着剤を硬化することにより、透光性の接着剤層70が形成される。
透光性部材40は、複数の透光性部材40の上面41を完全に覆うように載置されているので、各発光素子60の上面61から出射される発光を1枚の透光性部材40に効率よく導入することができる。
【0054】
<4.蛍光体含有層52の形成>
実施の形態1〜2の工程4と同様に、蛍光体含有層52は、蛍光体81を添加した樹脂材料(蛍光体含有樹脂)から形成することができる。硬化前の液状樹脂材料に蛍光体81を添加した後に、透光性部材40の上面41に滴下する。滴下された液状樹脂材料は、透光性部材40の上面41から、透光性部材40の側面43、外延部45の下面45b、及び光反射層51の上面まで広がって、凹部33内に充填される。
なお、液状樹脂材料は、表面張力によって盛り上がった状態となるように形成してもよい。これにより、枠体35の高さが低くても、透光性部材40の上面41を蛍光体含有層52で覆うことができる。
最後に、液状樹脂材料を硬化させて、蛍光体含有層52を形成する。なお、
図8に示すような発光装置13は、実施の形態1〜2の変形例と同様に、蛍光体81が堆積した形態であるので、液状樹脂材料を硬化させる前に、液状樹脂材料内の蛍光体81を沈降させる。これにより、蛍光体81を、透光性部材40の上面41及び光反射層51の上面に堆積させることができる。蛍光体81が堆積した後に、液状樹脂材料を硬化させる。
このようにして、本実施の形態に係る発光装置13を得ることができる。
蛍光体含有層を形成する前に、蛍光体含有層を形成するための枠体を別途設けてもよい。例えば、光反射層を形成するための枠体と、蛍光体含有層を形成するための枠体を別途設けることにより、枠体内面への光反射層の這い上がり高さや、蛍光体含有層の表面形状などを、適宜調整することができる。
また、第1封止樹脂(光反射層)と枠体を一体で形成し、第1封止樹脂を蛍光体含有層を形成するための枠体とすることもできる。
【0055】
以下に、実施の形態1〜3の発光装置11〜13の各構成部材に適した材料を説明する。
【0056】
(基板30)
基板30は、例えば、樹脂材料(例えば、ガラスエポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂)、セラミックス(HTCC、LTCC)などの絶縁性材料、絶縁性材料と金属部材との複合材料等から形成することができる。特に、耐熱性および耐候性の高いセラミックス材料が好ましい。セラミックス材料の具体例としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどが挙げられる。
【0057】
(側壁31)
本願発明では、基板30の上面30aに固定された側壁31を含むことにより、ハウジング32を形成することができる。側壁31に好適な材料としては、基板30と同様の絶縁材料を用いることができ、例えば、樹脂材料(例えば、ガラスエポキシ樹脂などのエポキシ系樹脂)、セラミックス材料などの絶縁性材料や、金属等の導電性材料を絶縁性材料で被覆した複合材料が挙げられる。なお、側壁31に導体配線が接触しない場合には、金属等の導電材料から形成することもできる。
【0058】
(枠体35)
枠体35は、シリコーン樹脂(例えばジメチルシリコーン樹脂)、エポキシ樹脂等の樹脂材料から形成することができる。また、樹脂材料にフィラーを添加して、樹脂材料の物理的又は機械的特性を向上させることができる。例えば、樹脂材料に酸化チタンを添加することにより、枠体35の光の反射率を高めることができる。
【0059】
(発光素子60)
発光素子60としては、半導体発光素子(例えばLED)を用いることができる。半導体発光素子は、発光素子用基板の上に、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等の窒化物半導体、III−V族化合物半導体、II−VI族化合物半導体等の半導体層を積層した積層構造体から構成されている。
【0060】
(透光性部材40)
透光性部材40は、発光素子60の発光を伝播するための板状部材であり、発光に対して透明な材料から形成される。特許文献1〜2とは異なり、透光性部材40は、蛍光体81を含有しない。透光性部材40に好適な材料としては、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス材料、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの透光性樹脂、サファイアなどが挙げられる。
【0061】
(光反射層51)
封止部材50を構成する光反射層51は、光反射率の高い反射性材料から形成することができる。反射性材料としては、反射性物質を添加した樹脂材料が好ましく、本願の実施の形態1〜3で開示したような形態の光反射層51を形成するのが容易である。
樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、また、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等を好適に用いることができる。
反射性物質は、発光素子60からの発光(例えば青色発光)と蛍光体81による波長変換後の光(例えば黄色蛍光)のいずれに対しても高い反射率を有する材料であって、樹脂材料中に分散可能なものが好ましい。反射性物質としては、例えば、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどを好適に用いることができる。
【0062】
(蛍光体含有層52)
封止部材50を構成する蛍光体含有層52は、蛍光体81を含有した透光性材料から形成することができる。透光性材料としては、蛍光体81を添加した樹脂材料が好ましく、本願の実施の形態1〜3で開示したような形態の蛍光体含有層52を形成するのが容易である。
樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、また、これらの樹脂を少なくとも一種以上含むハイブリッド樹脂等を好適に用いることができる。
【0063】
(蛍光体81)
蛍光体81としては、発光素子60からの発光を吸収して、異なる波長の光に波長変換するものが選択される。蛍光体は、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット(LAG)、ユウロピウム及び/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al
2O
3−SiO
2)系蛍光体、ユウロピウムで賦活されたシリケート((Sr,Ba)
2SiO
4)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、CASN系やSCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)、硫化物系蛍光体などが挙げられる。これにより、可視波長の一次光及び二次光の混色光(例えば、白色系)を出射する発光装置、紫外光の一次光に励起されて可視波長の二次光を出射する発光装置とすることができる。
蛍光体は、複数の種類の蛍光体を組み合わせて用いても良い。所望の色調に適した組み合わせや配合比で用いて、演色性や色再現性を調整することもできる。例えば、透光性部材40の上面を覆う蛍光体と、第2封止部材と前記第1封止部材との界面上に堆積している蛍光体とで、違う種類の蛍光体を用いてもよい。
【0064】
(接着剤層70)
接着剤層70は、発光素子60の発光に対して透明である材料から形成される。接着剤層70は、例えばエポキシまたはシリコーンのような樹脂系接着剤から形成することができる。
【実施例1】
【0065】
<光束の測定>
本発明に係る発光素子の光取出し効率の向上を観察するために、発光素子の光束を測定した。
測定用の発光装置としては、
図4に示す発光装置11’(試料1a〜1c)と、
図6に示すに示す発光装置12(試料2a〜2c)とを準備した。なお、比較用として、透光性部材40を備えていない発光装置(比較試料3a)も準備した。
【0066】
各試料では、発光素子60として窒化物半導体系の青色発光素子(1辺0.8mmの正方形)を用いた。透光性部材40は、板状のガラスから形成し、寸法は縦1.0mm×横1.0mm×厚さ0.05〜1.45mmであった。各試料に使用した透光性部材40の具体的な厚さは表1に示す。光反射層51は、シリコーン樹脂に酸化チタンを添加した反射性材料(酸化チタン濃度30wt%)から形成した。蛍光体含有層52は、蛍光体81としてYAG蛍光体を用いた。なお、蛍光体含有層52中における蛍光体の濃度は、発光装置を正面から観察したときの中心点における発光色が白色(色度表示で(x,y)≒(0.3,0.3))となるように調節された。
【0067】
各々調製した試料に350mAの電流を通電して発光させて、光束を測定した。光束の測定値(lm)と、比較試料3aの光束を100%としたときの相対値(%)とを表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
透光性部材40を備えた試料1a〜1c,2a〜2cでは、透光性部材40を備えていない比較試料3aに比べて、約9%〜17%の光束の増加が確認された。特に、試料2a〜2cでは、光束が11〜17%も増加しており、透光性部材40の厚さが厚いほど、光束が増加する傾向が確認された。
これらの結果から、発光素子の上に、発光素子よりも大きい透光性部材40を載置することにより、光束が増加し、光取出し効率を向上できることがわかった。
また、透光性部材40の側面43が光反射層51で覆われていない試料2a〜2cのほうが、側面43が光反射層51で覆われている試料よりも光束が増加し、光取出し効率を改善する効果が高いことがわかる。特に、透光性部材40の厚さが厚くなると(つまり、側面43の面積が増加すると)光束がさらに増加し、光取出し効率が改善する効果が顕著になることもわかる。このことから、側面43から出射される発光量を増加することにより、発光装置の光取出し効率を向上できることがわかった。
【実施例2】
【0070】
<発光色の角度依存性の測定>
白色の発光装置の発光色について、測定方向との関係(角度依存性)を調べた。測定は、実施例1と同じ試料を使用した。
各試料に350mAの電流を通電して発光させて、測定方向を変えながら発光色を測定した。測定方向は、発光装置の光軸C(z軸と平行で、発光装置の上面視中央点を通る軸のこと。
図2参照)からの角度θで規定した。また、測定に際しては、x−z平面内において角度θを変えた測定(xz面測定)と、y−z平面内において角度θを変えた測定(yz面測定)を行った。
【0071】
発光色の評価には、CIE表色系に基づくx値、y値を用いた。θ=0°における発光色の色度(白色)を基準値とし、各測定値について基準値のずれ(Δx、Δy)で発光色を評価した。Δx、Δyと発光色とは、次のような関係性がある。まず、Δx、Δyが小さいほど白色光に近い。Δx、Δyが共に正の値の場合は黄色にシフトしている。そして、Δx、Δyが共に負の値の場合は青色にシフトしている。
【0072】
各試料の測定結果を
図9〜
図15に示す。図から分かるように、xz面測定とyz面測定におけるΔx、Δyの最大値はほぼ等しかったので、測定結果の検討においては、xz面測定の結果を用いることとする。また、各グラフとも、θ=0°〜90°のグラフと、θ=0°〜−90°のグラフは、縦軸に対して略線対称となっているので、θ=0°〜90°の範囲のグラフのみを検討する。さらに、角度θ=80°〜90°は、発光装置を略真横(x軸方向又はy軸方向)から観察したものであり、実際の照明用途において視認されることは殆どないので、θ=0°〜+80°の範囲における発光色のみを評価の対象とした。
表2には、以下の事項を記載した。
(1)各試料のΔx、Δyの最大値(つまり、θ=80°におけるΔx、Δy)
(2)Δx、Δyの最大値について、比較試料3aのΔx、Δyを100%としたときの相対値(%)
(3)相対値の評価は、100%では変化がなく(つまり、発光色の角度依存性の改善は見られず)、60%〜99%であると改善が見られるので好ましく、0%〜60%であると、著しく改善されるので、最も好ましい。
【0073】
【表2】
【0074】
(比較試料3aについて)
図15に示すように、比較試料3aは、0≦θ≦15°ではΔx、Δyともほぼ0であった。θ>15°でΔx、Δyとも増加し、θ=80°ではΔx=0.025、Δy=0.050(黄色がかった白色光)であった。
【0075】
(試料1a〜1cについて)
図9に示すように、試料1aは、比較試料3aとほぼ同じ結果であった。
図10に示すように、試料1bは、0≦θ≦10°ではΔx、Δyともほぼ0であった。θ>10°でΔx、Δyとも増加し、θ=80°ではΔx=0.025、Δy=0.050(黄色がかった白色光)であった。
図11に示すように、試料1cは、0≦θ≦10°ではΔx、Δyともほぼ0であった。θ>10°でΔx、Δyとも増加し、θ=80°ではΔx=0.020、Δy=0.040(僅かに黄色がかった白色光)となった。
【0076】
(試料2a〜2cについて)
図12に示すように、試料2aは、0≦θ≦15°ではΔx、Δyともほぼ0であった。θ>15°でΔx、Δyとも増加し、θ=80°ではΔx=0.015、Δy=0.025(ごく僅かに黄色がかっているが、略白色光と見なせる)となった。
図13に示すように、試料2bは、0≦θ≦15°ではΔx、Δyともほぼ0であった。θ>15°でΔx、Δyとも増加し、θ=80°ではΔx=0.007、Δy=0.020(純粋な白色光)となった。
図14に示すように、試料2cは、0≦θ≦30°ではΔx、Δyともほぼ0であった。θ>30°でΔx、Δyとも増加し、θ=80°ではΔx=0.005、Δy=0.010(純粋な白色光)となった。
【0077】
表2の評価から、発光色の角度依存性について、試料1a〜1bは比較試料3aと同様であり、試料1cは僅かに改善され、試料1a〜1cは顕著に改善されたことがわかる。
まとめると、透光性部材40を備えた試料1a〜1cは、透光性部材40を備えていない比較試料3aと比べて、発光色の角度依存性の改善は殆ど認められなかった。透光性部材40を発光素子60に載置するだけでは、発光色の角度依存性が改善できないとものと推測される。
しかしながら、透光性部材40を載置した上で、その側面43を光反射層51で覆っていない試料2a〜2cは、比較試料3aに比べて、発光色の角度依存性が大幅に改善された。特に、透光性部材40の厚さが厚くなると(つまり、側面43の面積が増加すると)発光色の角度依存性がさらに抑制され、視認方向に拘わらずほぼ白色光になることがわかる。このことから、透光性部材40の側面43から発光を取り出すことにより、発光色の角度依存性を効果的に改善できることがわかった。
【0078】
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。