【実施例】
【0055】
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」は、特に断りのない限り、「重量部」及び「重量%」である。
また、実施例及び比較例で
用いる共重合体の分子量は次のようにして求めた。
<共重合体の分子量測定>
GPC(Gel Permeation Chromatography)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%の共重合体を1mL注入し、上記の条件で測定した共重合体の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して共重合体の数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwを算出した。
【0056】
実施例
31で用いる共重合体1の合成
15.6g(252mmol)のエチレングリコールを100mLの塩化メチレンに溶解し、3.49g(44mmol)のピリジンを加えて、氷水で冷却した。この溶液に、8.00g(42mmol)の2−ナフタレンカルボニルクロリドを80mLの塩化メチレンに溶解した溶液を、1時間かけて攪拌しながら滴下し、2時間攪拌した後、更に室温で6時間攪拌した。得られた反応溶液を水洗した後、有機相を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。残留物を、溶離液として塩化メチレン/メタノール(97/3)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、6.88gの2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを得た。
次に、0.2gのスチレン−無水マレイン酸共重合体〔SMA1000P、川原油化社製、重量平均分子量(Mw):5500、数平均分子量(Mn):2000〕と0.64g(3mmol)の2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを、8mLの乾燥ジメチルホルムアミドに溶解し、120℃で12時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで希釈し、溶媒を留去した。残留物をリサイクルHPLC(LC―9201、日本分析工業社製、展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:3.5mL/min)で精製して、0.17gの共重合体1〔重量平均分子量(Mw):5700、数平均分子量(Mn):2200〕を得た。
共重合体1の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図1に示す。
【0057】
実施例
32で用いる共重合体2の合成
エチレングリコールに代えて、1,4−ブタンジオールを用いた点以外は、
共重合体1の合成と同様にして、2−ナフトエ酸−4−ヒドロキシブチルエステルを得た。
以下、
共重合体1の合成と同様にして、共重合体2〔重量平均分子量(Mw):5700、数平均分子量(Mn):2200〕を得た。
共重合体2の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図2に示す。
【0058】
実施例
33〜36、48で用いる共重合体3の合成
エチレングリコールに代えて1,6−ヘキサンジオールを用いた点以外は、
共重合体1の合成と同様にして、2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルを得た。
以下、
共重合体1の合成と同様にして、共重合体3〔重量平均分子量(Mw):5800、数平均分子量(Mn):2300〕を得た。
共重合体3の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図3に示す。
【0059】
実施例
37で用いる共重合体4の合成
エチレングリコールに代えて1,12−ドデカンジオールを用いた点以外は、
共重合体1の合成と同様にして、2−ナフトエ酸−12−ヒドロキシドデシルエステルを得た。
以下、
共重合体1の合成と同様にして、共重合体4〔重量平均分子量(Mw):5800、数平均分子量(Mn):2300〕を得た。
共重合体4の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図4に示す。
【0060】
実施例
38で用いる共重合体5の合成
5,59g(30mmol)の1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物と、3.52g(30mmol)の6−アミノ−1−ヘキサノールを、80mLの乾燥トルエンと15mLの乾燥ピリジンの混合溶媒に加え、16時間還流した後、室温まで冷却した。次いで、溶媒を留去した残留物を、溶離液としてトルエン/酢酸エチル(7/3〜5/5)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、7.67gのイミド化合物を得た。次いで、このイミド化合物と前記SMA1000Pを用い、
共重合体1の合成と同様にして、共重合体5〔重量平均分子量(Mw):5700、数平均分子量(Mn):2200〕を得た。
共重合体5の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図5に示す。
【0061】
実施例
39で用いる共重合体6の合成
共重合体3の合成で得られた2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルと、スチレン−無水マレイン酸共重合体〔SMA2000P、川原油化社製、重量平均分子量(Mw):7500、数平均分子量(Mn):3000〕を用い、
共重合体1の合成と同様にして、共重合体6〔重量平均分子量(Mw):7700、数平均分子量(Mn):3200〕を得た。
共重合体6の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図6に示す。
【0062】
実施例
40で用いる共重合体7の合成
共重合体3の合成で得た2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルと、スチレン−無水マレイン酸共重合体〔SMA3000P、川原油化社製、重量平均分子量(Mw):9500、数平均分子量(Mn):3800〕を用い、
共重合体1の合成と同様にして共重合体7〔重量平均分子量(Mw):9900、数平均分子量(Mn):4100〕を得た。
共重合体7の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図7に示す。
【0063】
実施例
41で用いる共重合体8の合成
9.05g(50mmol)の4−ヒドロキシビフェニル、10.20g(60mmol)の6−ブロモ−1−ヘキサノール、及び20.7g(150mmol)の炭酸カリウムを、80mLのメチルエチルケトンに加え、24時間還流した後、室温まで冷却した。200mLの塩化メチレンで希釈し、水で3回洗浄した後、有機相を単離し、硫酸マグネシウムで乾燥させて溶媒を留去した。残留物をトルエンに溶解し、再結晶により精製して、10.25gの6−(4−フェニルフェノキシ)ヘキサン−1−オールを得た。
次に、0.72g(2.7mmol)の6−(4−フェニルフェノキシ)ヘキサン−1−オールと1.0gのスチレン−無水マレイン酸共重合体〔SMA3024、川原油化社製、重量平均分子量(Mw):24000〕を、1mLの乾燥ジメチルアセトアミドに溶解し、還流下で2時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで希釈し溶媒を留去した。残留物をリサイクルHPLC(LC―9201、日本分析工業社製、展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:3.5mL/min)で精製して、1.16gの共重合体8〔重量平均分子量(Mw):24300、数平均分子量(Mn):10000〕を得た。
共重合体8の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図8に示す。
【0064】
実施例
42で用いる共重合体9の合成
9.91g(50mmol)の2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物と、5.86g(50mmol)の6−アミノ−1−ヘキサノールを、130mLの乾燥トルエンと30mLの乾燥ピリジンの混合溶媒に加え、12時間還流した後、室温まで冷却した。次いで、溶媒を留去した残留物を、溶離液としてトルエン/酢酸エチル(7/3〜5/5)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、11.34gのイミド化合物を得た。
次に、0.80g(2.7mmol)のイミド化合物と1.0gの前記SMA3024を、1mLの乾燥ジメチルアセトアミドに溶解し、還流下で3時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで希釈し、溶媒を留去した。残留物をリサイクルHPLC(LC―9201、日本分析工業社製、展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:3.5mL/min)で精製して、1.21gの共重合体9〔重量平均分子量(Mw):24200、数平均分子量(Mn):10000〕を得た。
共重合体9の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図9に示す。
【0065】
実施例
43で用いる共重合体10の合成
10.0g(19.4mmol)の1,16−ヘキサンデカンジオールを150mLのテトラヒドロフランと30mLの塩化メチレンの混合溶媒に溶解し、1.54g(19.4mmol)のピリジンを加えた。この溶液に、3.70g(38、8mmol)の2−ナフタレンカルボニルクロリドを50mLのテトラヒドロフランに溶解した溶液を、2時間かけて攪拌しながら滴下した後、更に1時間攪拌した。得られた反応溶液から溶媒を留去し、残留物をメタノールで洗浄した後、水で洗浄し、乾燥した。溶離液として塩化メチレン/メタノール(95/5)混合溶媒を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2.06gの2−ナフトエ酸−16−ヒドロキシヘキサデカンエステルを得た。
次に、0.32g(0.78mmol)の2−ナフトエ酸−16−ヒドロキシヘキサデカンエステルと0.30gの前記SMA3024を、1mLの乾燥ジメチアセトアミドに溶解し還流下で2時間攪拌した。得られた反応溶液をトルエンで希釈し溶媒を留去した。残留物をリサイクルHPLC(LC―9201、日本分析工業社製、展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:3.5mL/min)で精製して0.47gの共重合体10〔重量平均分子量(Mw):24400、数平均分子量(Mn):10000〕を得た。
共重合体10の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図10に示す。
【0066】
実施例
44で用いる共重合体11の合成
共重合体7の合成で得られた1.37gの共重合体7を3mLのエクアミドM100(出光興産社製)に溶解した。0.294gのテトラエチルアンモニウムヒドキシドを12mLのイオン交換水に溶解し、得られた水溶液を激しく攪拌しながら、この水溶液に前記共重合体のエクアミドM100溶液を滴下した。滴下終了後、約1時間攪拌し、溶媒を留去した。残量物をイオン交換水で洗浄し、減圧乾燥して共重合体11(共重合体7のカルボン酸基がカルボキシテトラエチルアンモニウム塩に変わった共重合体)〔重量平均分子量(Mw):9900、数平均分子量(Mn):4100〕を得た。
【0067】
実施例
45で用いる共重合体12の合成
共重合体1の合成と同様にして、2−ナフトエ酸−2−ヒドロキシエチルエステルを得た後、10.3g(25mmol)の無水マレイン酸と6.81g(25mmol)の2−ナフトエ酸−6−ヒドロキシヘキシルエステルを50mLのメチルエチルケトンに溶解し、6時間加熱還流した。得られた反応混合物を濃縮し、残留物を、塩化メチレン/メタノール(体積比9/1)混合溶媒を溶離液として用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、8.1gの下記式で表される構造の化合物〔以下、マレイン酸誘導体(1)という〕を得た。
【化9】
次に、3.20g(8.6mmol)のマレイン酸誘導体(1)を1.80g(17.3mmol)のスチレンに溶解し、5.0gのイオン交換水、0.15gのアクアロンKH−10(第一工業製薬社製のアニオン性ラジカル反応性界面活性剤)、及び0.05gの過硫酸アンモニウムを加え、ホモミキサーでプレエマルジョンを形成した。次いで、5.0gのイオン交換水に0.1gのアクアロンKH−10を加え、アルゴン気流下で80℃まで加熱した後、プレエマルジョンのうち10%を加え、30分間初期重合させた。次いで、残りのプレエマルジョンを2時間かけて滴下しながら重合させた後、更に80℃で2時間重合させた。冷却後、ろ過し、アンモニア水で中和して、固形分濃度30%の共重合体12〔重量平均分子量(Mw):17000、数平均分子量(Mn):9000〕を得た。
加熱温風下でエマルジョン状態の共重合体12から水分を留去した後、減圧乾燥して得た共重合体12の赤外吸収スペクトルを
図11に示す。
【0068】
実施例
46〜48で用いる共重合体13の合成
3.08g(8.32mmol)のマレイン酸誘導体(1)と0.64g(4.99mmol)のブチルアクリレートを1.73g(16.6mmol)のスチレンに溶解し、5.0gのイオン交換水、0.15gのアクアロンKH−10(第一工業製薬社製のアニオン性反応性界面活性剤)、及び0.05gの過硫酸アンモニウムを加え、ホモミキサーでプレエマルジョンを形成した。次いで、5.0gのイオン交換水に0.1gのアクアロンKH−10を加え、アルゴン気流下で80℃まで加熱した後、プレエマルジョンのうち10%を加え、30分間初期重合させた。次いで、残りのプレエマルジョンを2時間かけて滴下しながら重合させた後、更に80℃で2時間重合させた。冷却後、ろ過し、アンモニア水で中和して、固形分濃度30%の共重合体13〔重量平均分子量(Mw):28000、数平均分子量(Mn):10000〕を得た。
共重合体13の赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を
図12に示す。
【0069】
上記
共重合体1〜13の構造を纏めて表1に示す。
【表1】
共重合体11の具体例1の塩におけるRの「*」はテトラエチルアンモニウム塩である。
共重合体13の具体例12におけるmは0、nは6である。
【0070】
比較例
21〜24、27で用いる比較共重合体1の合成
0.2gのスチレン−無水マレイン酸共重合体〔SMA1000P、川原油化社製、重量平均分子量(Mw):5500、数平均分子量(Mn):2000〕と0.30g(3mmol)の1−ヘキサノールを、8mLの乾燥ジメチルホルムアミドに溶解し、120℃で12時間攪拌し反応させた。得られた反応溶液をトルエンで希釈し溶媒を留去した。残留物をリサイクルHPLC(LC―9201、日本分析工業社製、展開溶媒:テトラヒドロフラン、流速:3.5mL/min)で精製して、0.21gの比較共重合体1〔重量平均分子量(Mw):5600、数平均分子量(Mn):2100〕を得た。
【0071】
比較例
25〜27で用いる比較共重合体2の合成
10.3g(25mmol)の無水マレイン酸と2.55g(25mmol)の1−ヘキサノールを50mLのメチルエチルケトンに溶解し、6時間加熱還流して反応させた。得られた反応混合物を濃縮し、残留物を、塩化メチレン/メタノール(体積比9/1)混合溶媒を溶離液として用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、8.7gの下記式で表される構造の化合物〔以下、マレイン酸誘導体(2)という〕を得た。
【化10】
共重合体12
の合成におけるマレイン酸誘導体(1)を、マレイン酸誘導体(2)に変えた点以外は同様にして、固形分濃度30%の比較共重合体2〔重量平均分子量(Mw):17000、数平均分子量(Mn):7000〕を得た。
【0072】
実施例31
(顔料分散体の調製)
5.0部の共重合体1を8.0部のテトラヒドロフランに溶解し、70.0部のイオン交換水と、該共重合体の酸価に対して100%の量の中和剤(水酸化ナトリウム溶液)とを加えて中和した後、20.0部のカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)を加えて攪拌した。得られた混合物をディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.1mmのジルコニアボール使用)を用いて、周速10m/sで1時間循環分散した後、エバポレーターで減圧しながら溶剤を留去した。残留物を孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過し、調整量のイオン交換水を加えて、95.0部の顔料分散体31(顔料固形分濃度:20%)を得た。
(インクの作製)
40.0部の顔料分散体31、20.0部の1,3−ブタンジオール、10.0部のグリセリン、1.0部の2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、2.0部のゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤、固形分40質量%)、及び26.0部のイオン交換水を混合し、1時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク31を得た。
【0073】
実施例32
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体2を用いた点以外は同様にして、顔料分散体32を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体32を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク32を得た。
【0074】
実施例33
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体3を用いた点以外は同様にして、顔料分散体33を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体
31の代わりに、顔料分散体33を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク33を得た。
【0075】
実施例34
実施例33の顔料分散体の調製におけるカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)の代わりに、ピグメントブルー15:3(大日精化社製、クロモファインブルー シアン顔料)を用いた点以外は同様にして、顔料分散体34を得た。
次に、実施例33のインクの作製における顔料分散体33の代わりに、顔料分散体34を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク34を得た。
【0076】
実施例35
実施例33の顔料分散体の調製におけるカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)の代わりに、ピグメントレッド122(クラリアント社製、トナーマゼンタEO02 マゼンタ顔料)を用いた点以外は同様にして、顔料分散体35を得た。
次に、実施例33のインクの作製における顔料分散体33の代わりに、顔料分散体35を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク35を得た。
【0077】
実施例36
実施例33の顔料分散体の調製におけるカーボンブラック(NIPEX150、デグサ社製)の代わりに、ピグメントイエロー(大日精化社製、ファーストイエロー531 イエロー顔料)を用いた点以外は同様にして、顔料分散体36を得た。
次に、実施例33のインクの作製における顔料分散体33の代わりに、顔料分散体36を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク36を得た。
【0078】
実施例37
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体4を用いた点以外は同様にして、顔料分散体37を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体37を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク37を得た。
【0079】
実施例38
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体5を用いた点以外は同様にして、顔料分散体38を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体38を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク38を得た。
【0080】
実施例39
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体6を用いた点以外は同様にして、顔料分散体39を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体39を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク39を得た。
【0081】
実施例40
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体7を用いた点以外は同様にして、顔料分散体40を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体40を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク40を得た。
【0082】
実施例41
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体8を用いた点以外は同様にして、顔料分散体41を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体41を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク41を得た。
【0083】
実施例42
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体9を用いた点以外は同様にして、顔料分散体42を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体42を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク42を得た。
【0084】
実施例43
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体10を用いた点以外は同様にして、顔料分散体43を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体43を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク43を得た。
【0085】
実施例44
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、共重合体11を用いた点以外は同様にして、顔料分散体44を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、顔料分散体44を用いた点以外は同様にして、本発明の水性インク44を得た。
【0086】
実施例45
下記の材料を混合し、30分間攪拌して水溶液1を調製した。
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.00部
・グリセロール 10.00部
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 15.00部
・3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 15.00部
・2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸 0.05部
・2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール 0.50部
・ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤) 0.25部
・ジエタノールアミン 0.01部
・イオン交換水 12.93部
次いで、50gの乾燥カーボンブラック、100mLのイオン交換水、及び15.5g(50mmol)の下式の化合物を混合し、300rpmで撹拌しながら60℃まで加熱した。50mmolの20%亜硝酸ナトリウム水溶液を15分間かけて加え、3時間60℃で撹拌した。内容物を75mLのイオン交換水で希釈し、ろ過した後、固形分濃度が20.0%となるようにイオン交換水を加えてカーボンブラックの顔料分散体45を得た。
【化11】
次に37.50部の顔料分散体45を水溶液1に加えて30分間攪拌し、更に6.67部の共重合体12(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク45を得た。
【0087】
実施例46
下記の材料を混合し、30分間攪拌して水溶液2を調製した。
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.00部
・グリセロール 10.00部
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 20.00部
・3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド 20.00部
・2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸 0.05部
・2,4,7,9−テトラメチル−4,7−デカンジオール 0.50部
・ゾニールFS−300(Dupont社製、フッ素系界面活性剤) 0.25部
・ジエタノールアミン 0.01部
・イオン交換水 17.93部
次いで、60℃に加熱した150gのイオン交換水に4.50gのp−アミノ安息香酸を加え、8000rpmで10分間混合した。この混合物に、1.80gの亜硝酸ナトリウムを15gのイオン交換水に溶解した溶液を加えた後、直ちに20gの銅フタロシアニン顔料PB15:4(Sun Chemical社製)を加え、8500rpmで1時間混合した。更に、4.5gのp−アミノ安息香酸を15gのイオン交換水に溶解した溶液を加え、8500rpm、65℃で3時間混合した。得られた反応混合物を200nmのメッシュでろ過し、水で洗浄した後、得られたシアン顔料を水に分散した。遠心分離により粗大粒子を除去し、固形分濃度が20.0%となるようにイオン交換水を加えて、p−アミノ安息香酸で表面処理したシアン顔料分散体46を得た。
次に22.50部の顔料分散体46を水溶液2に加えて30分間攪拌し、更に6.67部の共重合体13(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク46を得た。
【0088】
実施例47
実施例45と同様にして水溶液1を調製した。
次いで、60℃に加熱した150gのイオン交換水に4.50gのスルファニル酸を加え、8000rpmで10分間混合した。この混合物に、1.80gの亜硝酸ナトリウムを15gのイオン交換水に溶解した溶液を加えた後、直ちに20gのマゼンタ顔料PR122(Sun Chemical社製)を加え、8500rpmで1時間混合した。更に、4.5gのスルファニル酸を15gのイオン交換水に溶解した溶液を加え、8500rpm、65℃で3時間混合した。得られた反応混合物を200nmのメッシュでろ過し、水で洗浄した後、得られたマゼンタ顔料を水に分散した。遠心分離により粗大粒子を除去し、固形分濃度が20.0%となるように水を加えて、スルファニル酸で表面処理したマゼンタ顔料分散体47を得た。
次に22.50部の顔料分散体47を水溶液1に加えて30分間攪拌し、更に6.67部の共重合体13(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク47を得た。
【0089】
実施例48
実施例46と同様にして水溶液2を調製し、37.50部の実施例34で調製したシアン顔料分散体34(固形分20.0%)を加えて30分間攪拌した後、6.67部の共重合体13(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、本発明の水性インク48を得た。
【0090】
比較例21
実施例31の顔料分散体の調製における共重合体1の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体21を得た。
次に、実施例31のインクの作製における顔料分散体31の代わりに、比較顔料分散体21を用いた点以外は同様にして、比較水性インク21を得た。
【0091】
比較例22
実施例34の顔料分散体の調製における共重合体3の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体22を得た。
次に、実施例34のインクの作製における顔料分散体34の代わりに、比較顔料分散体22を用いた点以外は同様にして、比較水性インク22を得た。
【0092】
比較例23
実施例35の顔料分散体の調製における共重合体3の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体23を得た。
次に、実施例35のインクの作製における顔料分散体35の代わりに、比較顔料分散体23を用いた点以外は同様にして、比較水性インク23を得た。
【0093】
比較例24
実施例36の顔料分散体の調製における共重合体3の代わりに、比較共重合体1を用いた点以外は同様にして、比較顔料分散体24を得た。
次に、実施例36のインクの作製における顔料分散体36の代わりに、比較顔料分散体24を用いた点以外は同様にして、比較水性インク24を得た。
【0094】
比較例25
実施例46と同様にして水溶液2を調製し、22.50部の実施例46で調製したシアン顔料の顔料分散体46(固形分20.0%)を加えて30分間攪拌した後、6.67部の比較共重合体2(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、比較水性インク25を得た。
【0095】
比較例26
実施例47と同様にして水溶液1を調製し、37.50部の実施例47で調製したマゼンタ顔料の顔料分散体47(固形分20.0%)を加えて30分間攪拌した後、6.67部の比較共重合体2(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、比較水性インク26を得た。
【0096】
比較例27
比較例22と同様にして比較顔料分散体22を調製し、6.67部の比較共重合体2(固形分濃度:30%)を加えて30分攪拌した。次いで、孔径1.2μmのメンブレンフィルターでろ過して、比較水性インク27を得た。
【0097】
上記実施例及び比較例で作製した各水性インクの特性を下記の方法により評価した。
結果を纏めて表2に示す。
<画像濃度>
23℃、50%RH環境下で、インクジェットプリンター(リコー社製、IPSiO GX5000)に各インクを充填し、Microsoft Word2000(Microsoft社製)で作成した64pointのJIS X 0208(1997),2223の一般記号が記載されているチャートを、普通紙1(XEROX4200、XEROX社製)、及び普通紙2(MyPaper、リコー社製)に打ち出し、印字面の前記記号部を、X−Rite938(エックスライト社製)により測色し、下記の基準で評価した。
なお、印字モードは、プリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準はやい」モードを「色補正なし」に改変したモードを使用した。
なお、上記JIS X 0208(1997),2223は、外形が正四方形であって、記号全面がインクにより塗りつぶされている記号である。
〔評価基準〕
A:1.25以上
B:1.20以上、1.25未満
C:1.10以上、1.20未満
D:1.10未満
E:顔料がゲル化してインク中に分散できず、印字できない。
【0098】
<インクの保存安定性>
各インクをインクカートリッジに充填して60℃で1週間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記式から求め、下記の基準で評価した。
粘度の変化率(%)=(保存後のインクの粘度/保存前のインクの粘度)×100
粘度の測定には、粘度計(RE80L、東機産業社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
〔評価基準〕
A:粘度の変化率が±5%以内
B:粘度の変化率が±5%を超え、±8%以内
C:粘度の変化率が±8%を超え、±10%以内
D:粘度の変化率が±10%を超え、±30%以内
E:粘度の変化率が±30%を超える(ゲル化して評価不能)
【0099】
<ビーディング>
記録媒体として、印刷用紙LumiArt Gloss 90GSM(登録商標)(Stora Enso社製)を用い、印字モードを「光沢紙−はやい」モードとする点以外は、前記画像濃度評価の場合と同様にしてJIS X 0208(1997),2223の一般記号を印字し、下記の基準で評価した。評価基準A〜Eに相当する印字状態の画像を
図15として示
す。なお、拡大図のA〜Eでは、四角のドットで示される印字部の間に、ドットのない部分が散見されるが、AからEに向かって徐々にドットのない部分が増えていることが分かる。
〔評価基準〕
A:ビーディングが全く発生しないか、又は画像全体の10%未満にビーディング
が発生する。
B:画像全体の10%以上、20%未満にビーディングが発生する。
C:画像全体の20%以上、40%未満にビーディングが発生する。
D:画像全体の40%以上、90%未満にビーディングが発生する。
E:画像全体の90%以上にビーディングが発生する。
F:顔料がゲル化してインク中に分散できず印字できない。
【0100】
【表2】