(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成図を示す図である。この画像形成装置1は、後処理装置としてのシート処理装置6を備えている。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置1の装置本体1Aの略中央部に配置された画像形成部2と、この画像形成部2の下方に配置された給紙部3とを有する。また、画像形成部2の上方に配置された排紙部4と、装置本体1Aの上方に配置され原稿画像を読み取る画像読取部であるスキャナ5とを有する。
【0015】
装置本体1Aの一側(
図1では左側)には、パンチユニットなどの穿孔装置、ソータなどの仕分け装置、ステープラ、及び、シート処理装置6などの綴じ装置の少なくとも1つを備えたシート処理装置6が設置されている。
【0016】
装置本体1Aにおける排紙部4の横側方の上面であって、スキャナ5の下方に形成される排紙空間7aを備えた胴内排出部7には、シート中継搬送装置としての中継搬送ユニット8が設けられている。中継搬送ユニット8は、排紙部4からシート処理装置6へ、シート状の記録媒体である用紙などのシートPを搬送するものである。
【0017】
給紙部3には、装置本体1Aに対して着脱可能な給紙カセット9が2つ装着されており、それぞれに紙種の異なるシートPが収容されている。
【0018】
シートPは、給紙カセット9から給紙コロ11によって、給紙部3から排紙部4に至る略上下(鉛直)方向に延びる搬送路10に給紙され、搬送ローラ12により搬送路10内を搬送される。そして、画像形成部2にて画像形成され定着処理された後、排紙ローラ13により中継搬送ユニット8へ排紙される。
【0019】
画像形成部2には、図中矢印で示す反時計まわり方向へ回転駆動される潜像担持体としての感光体15や、感光体15に静電潜像を形成する光書込装置16などが設けられている。さらに、感光体15の周囲には、感光体15の反時計まわり方向へ順に、帯電装置17、現像装置18、転写装置19、クリーニングユニット20などが配設されている。帯電装置17は、感光体15を均一に帯電する装置であり、現像装置18は、感光体15上の静電潜像にトナーを付着させて可視像化する装置である。また、転写装置19は、現像装置18によって形成されたトナー像を搬送されてきたシートPに転写する装置である。また、クリーニングユニット20は、転写後の感光体15に残存するトナー等を除去して感光体15をクリーニングするユニットである。
【0020】
転写装置19と排紙部4との間には、転写装置19でシートPに転写されたトナー像を加熱及び加圧して、シートPに定着させる定着装置21が設けられている。
【0021】
光書込装置16は、スキャナ5からの画像データ、あるいは、パーソナルコンピュータなどから入力される画像情報に基づいて、感光体15の表面をレーザー光によって露光し光書込みを行って、感光体15の表面上に静電潜像を形成する。
【0022】
シートPは、上下の給紙カセット9の何れか一方の給紙コロ11により選択的に給紙され、次いで分離ローラ対22で1枚ずつに分離され、搬送ローラ12により搬送路10内を搬送される。
【0023】
さらに、シートPは、転写装置19よりも用紙搬送方向上流側に設けられているレジストローラ対23にて一旦搬送が停止される。その後、所定のタイミングで転写装置19と感光体15とのニップ部にレジストローラ対23によって送り込まれ、前記ニップ部で感光体15からシートPにトナー像が転写される。
【0024】
スキャナ5は、原稿を載置されるコンタクトガラス25と、原稿を押える白圧板26と、コンタクトガラス25に載置された原稿に光を照射する照明ランプ27とを有している。また、原稿の表面からの反射光を折り返し反射する走査ミラー28と、走査ミラー28の半分の速度で移動する光路折り返しミラー対29a,29bとを有している。さらに、結像レンズ30と、画像センサとしてのCCD(電荷結合素子)31とを有している。
【0025】
中継搬送ユニット8には、その上面に排紙トレイ部8aが設けられ、内部にシート処理装置6へ排紙される用紙を搬送するローラ搬送部8bが設けられている。さらに、中継搬送ユニット8は、第1搬送部32と、第2搬送部33と、排紙ローラ13から排紙されるシートPの進路を第1搬送部32または第2搬送部33へ切り替える分岐部材としての分岐爪34とを有している。第1版総武32は、排紙部4の排紙ローラ13から排紙されるシートPを排紙トレイ部8aへ搬送する搬送部である。第2搬送部33は、排紙ローラ13から排紙されるシートPをローラ搬送部8bへ搬送する搬送部33である。
【0026】
第1搬送部32には、排紙トレイ部8aへシートPを排紙する第1搬送部用排紙ローラである排紙ローラ35が設けられている。第2搬送部33に連通するローラ搬送部8bは、中継搬送ユニット8内においてシート処理装置6に通じる中継搬送パス36を有している。また、中継搬送パス36上に配設された2つの搬送ローラ37と、中継搬送パス36の用紙搬送方向最下流に配設され、シート処理装置6へシートPを排紙する第2搬送部用排紙ローラである排紙ローラ38とを有している。
【0027】
加えて、中継搬送ユニット8には、中継搬送パス36を搬送中の用紙のジャムを検出するための中継排紙センサ214が設けられている。2つの搬送ローラ37と排紙ローラ38とは、プーリ及びベルト等の駆動力伝達機構を介して互いに連結されており、単一の中継搬送モータ215によって回転駆動される。
【0028】
図2は、光書込装置16の概略構成図である。
光書込装置16は、LDユニット40、コリメートレンズ52、アパーチャ54、シリンドリカルレンズ53、ポリゴンスキャナ50、走査レンズ(fθレンズ)43、同期ミラー62、同期レンズ63などを有している。これらは、光学ハウジング80に収納されている。光学ハウジング80は、上面が開放した箱型の形状であり、上面がカバー部材(不図示)で覆われていて、光書込装置内への塵芥の侵入を防いでいる。LDユニット40は、光学ハウジング80の側面に取り付けられている。光学ハウジング80は、ガラス繊維を含有した熱可塑性樹脂で構成されている。
【0029】
LDユニット40は、感光体15に走査光線Lを照射するための半導体レーザからなる光源41と不図示のフォトICとが固定された制御基板42を有する。
【0030】
偏向手段としてのポリゴンスキャナ50は、正多角柱形状からなる回転多面鏡たるポリゴンミラー49を有している。ポリゴンスキャナ50は、光学ハウジング80の防音壁55内にネジによって締結されている。ポリゴンミラー49は、その6つの側面に反射鏡を有している。本実施形態においては、ポリゴンミラー49を正六角柱形状として、側面に6つの反射鏡を有しているが、これに限定されるものではない。
【0031】
LDユニット40の光源41から出射された光ビームは、コリメートレンズ52により、発散光ビームが平行光ビームに変換される。その後、アパーチャー54により整形され後、シリンドリカルレンズ53を透過して、副走査方向(感光体表面上における感光体表面移動方向に相当する方向)に集光せしめら
れる。そして、ポリゴンミラー49に入射する。ポリゴンミラー49に入射した光ビームLは、ポリゴンミラー49の反射鏡に反射しながら主走査方向(感光体表面上における軸線方向に相当する方向)に偏向せしめられる。次に、ポリゴンミラー49によって一定の角速度で主走査方向に偏向せしめられる光ビームは、防音ガラス51を透過して走査レンズ43に入射する。走査レンズ43は、ポリゴンミラー49によって一定の角速度で主走査方向に偏向せしめられた光ビームの偏向方向の移動速度を等速に変換する。走査レンズ43を透過した後、同期ミラー62で折り返され、同期レンズ63で集光されて、LDユニット40の不図示のフォトICに入射する。
【0032】
不図示のフォトICが光ビームLを検知すると、同期信号が出力される。そして、同期が取れて光源41から出射された画像データに基づく光ビームLが、上述と同様にコリメートレンズ52、アパーチャ54、シリンドリカルレンズ53、ポリゴンミラー49、走査レンズ43を順次経由する。そして、走査レンズ43を経由した光ビームLは、光学ハウジング80の側面に形成された開口部を覆うようにして設けられた不図示の防塵ガラスを透過して感光体15の表面を光走査する。
【0033】
図3は、光書込装置16を下から斜視図である。
なお、以下の説明において、ポリゴンミラー49
の回転軸方向をZ軸、ポリゴンミラー49から感光体15へ向かう方向をX軸、Z−X平面に垂直なY軸と設定して説明する。
光書込装置16は、画像形成装置1に対して着脱自在に設けられた着脱ユニットである。具体的には、
図1において、装置本体に対して紙面と直交する方向(Y軸方向)に着脱可能に構成されている。
【0034】
図3に示すように、光学ハウジング80の下面には、被位置決め部としての3つの受け部81,82,83と、被位置決め部としての突出部85,86とを有している。
【0035】
第1受け部81は、光書込装置16の装着方向手前側の端部におけるX方向中央部に設けられた後述する第1固定部87の下面に設けられている。第2受け部82は、光書込装置16の装着方向奥側の端部におけるX方向一端(光書込装置16の光ビーム出射側と反対側)に設けられた第2固定部88の下面に設けられている。第3受け部83は、光書込装置16の装着方向奥側の端部におけるX方向一端(光書込装置16の光ビーム出射側)に設けられた第3固定部89の下面に設けられている。各受け部81,82,83は、各固定部の下面からほんの少し突出した四角柱形状をしており、その頂面は高い精度の平面度を有している。また、各受け部81,82,83の光書込装置のある箇所を基準にしたZ方向における位置が同じ位置(同一高さ)となっている。
【0036】
図4は、光書込装置16が、位置決め固定される装置本体のステー90を示す平面図である。
ステー90には、3つの位置決め面91,92,93と、2つの位置決め穴95,96とを有している。第1位置決め面91は、光書込装置16が装置本体に装着された際、第1受け部81と対向する箇所に設けられている。第2位置決め面92は、光書込装置16が装置本体に装着された際、第2受け部82と対向する箇所に設けられている。また、第3位置決め面93は、光書込装置16が装置本体に装着された際、第3受け部83と対向する箇所に設けられている。各位置決め面91,92,93は、ステー90からほんの少し突出して設けられており、各位置決め面91,92,93は高い精度の平面度を有している。また、各位置決め面91,92,93のステーからの高さは同じとなっている。
【0037】
第1位置決め穴95は、第1突出部85が嵌る位置決め穴部95aと、第1突出部95aを位置決め穴部95aに案内する案内穴部95bとを有している。位置決め穴部95aのX軸方向長さは、第1突出部の先端側の直径と略同一となっている。案内穴部95bは、位置決め穴部95aよりも光書込装置16装着方向手前側に設けられている。案内穴部95bは、位置決め穴部95aよりもX軸方向長さが長くなっており、位置決め穴部95との連結箇所付近は、位置決め穴部95に向かうほど、X軸方向長さが短くなるよう形状となっている。
【0038】
第2位置決め穴96は、四角形状の穴であり、Y軸方向長さ、X方向長さが、第2突出部の先端側の直径と略同一となっている。
【0039】
光書込装置を装置本体に装着すると、光学ハウジング80の各受け部81,82,83が、ステー90のそれぞれ対応する各位置決め面91,92,93に当接する。各受け部のZ方向高さ、各位置決め面のZ方向高さは揃えられており、また当接箇所の平面度も高くしている。よって、各受け部81,82,83が、対応する各位置決め面91,92,93に当接することにより、光学ハウジング80は、装置本体に対して、Z軸方向に位置決めされる。また、各受け部81,82,83がそれぞれ対応する位置決め面91,92,93に当接することにより、X軸方向回り、Y軸方向回りに光書込装置16が装置本体に対して位置決めされる。
【0040】
また、光書込装置16を装着していくと、第1突出部85が第1位置決め穴95の案内穴部95bに落ちる。さらに光書込装置16を装着していくと、第1突出部85は、案内穴部95bに案内されなが、位置決め穴部95aへ移動していき、位置決め穴部95aに嵌る。上述したように、位置決め穴部95aのX方向長さは、第1突出部85の直径と略同一である。よって、第1突出部85が位置決め穴部95aに嵌ることで、光書込装置16が装置本体に対してX軸方向に位置決めされる。
【0041】
また、光書込装置16が、装置本体に装着されると、第2突出部86が、第2位置決め穴96に嵌る。上述したように、第2位置決め穴96のY軸方向おおびX軸方向長さは、第2突出部86の直径と略同一である。従って、第2突出部86が、第2位置決め穴96に嵌ることで、光書込装置16が、装置本体に対してY軸方向に位置決めされる。また、各突出部85,86が、それぞれ対応する位置決め穴95,96に嵌ることで、光書込装置16が、装置本体に対してZ軸方向回りに位置決めされる。
【0042】
また、
図4に示すように、ステー90には、光書込装置16の第1固定部87を装置本体に固定するための板バネが取り付けられる第1板バネ取り付け部96を有している。第2固定部88を装置本体に固定するための板バネが取り付けられる第2板バネ取り付け部97を有している。第1板バネ取り付け部96は、第1位置決め面92の光書込装置16装着方向奥側に隣接するように設けられている。また、第2板バネ取り付け部97は、第2位置決め面93の光書込装置16装着方向奥側に隣接するように設けられている。
【0043】
図5は、第2位置決め面92付近の拡大斜視図である。(a)は、光書込装置16を装置本体に装着している様子を示す図であり、(b)は、光書込装置16を装置反対に装着したときの様子を示す図である。
図5に示すように、先の
図4に示したステー90の第1板バネ取り付け部96に板バネ120が取り付けられている。板バネ120の先端は、第2位置決め面92に当接している。
【0044】
図5(a)に示すように、光書込装置16を装置本体に装着していくと、光学ハウジング80の第2固定部88が、板バネ120と第2位置決め面92との間に入り込む。これにより、
図5(b)に示すように、第2固定部88は、板バネ120により、第2位置決め面92側へ押圧されて固定される。
【0045】
光学ハウジング80の第3固定部89も、第2固定部88と同様にして板バネにより第3位置決め面93側へ押圧されて固定される。
【0046】
図6は、第1位置決め面91付近の拡大斜視図である。
図6に示すように、ステー90には、光学ハウジング80の第1固定部87(
図3参照)を、第1位置決め面91側へ押圧して固定する押圧固定部材たるクリップ150が設けられている。具体的には、ステー90の第1位置決め面91のX方向両側には、クリップ取り付け穴99が設けられており、クリップ150は、これらクリップ取り付け穴99に回転自在に取り付けられている。
【0047】
図7は、クリップ150の斜視図である。
クリップ150は、鉄等の金属からなる線材を折り曲げて形成したものであり、一対のクリップ取り付け穴99に取り付けられるX軸方向に延びる一対の取り付け部150Aを有する。また、クリップ150は、X軸方向に延びる各取り付け部150AからZ軸方向に立ち上がる立ち上がり部150F、各立ち上がり部150FからY軸方向に延びる一対の延設部150Gを有している。また、クリップ150は、各延設部150GからX軸方向外側に湾曲した一対の弾性調整部150B、各弾性調整部150Bから、X軸方向内側に延びる一対の押圧部150Cを有している。また、クリップ150は、各押圧部150Cに連結するようにX軸中央部に設けられ、
図8に示すように、工具160が引っ掛けられる工具引っ掛け部151を有している。工具引っ掛け部151は、Z軸方向に対して傾斜するように、押圧部150Cの一端からそれぞれ立ち上がった一対の傾斜部150Dと、一対の傾斜部150Dを連結するX軸方向に延びる連結部150Eとで構成されている。
【0048】
上記弾性調整部150Bは、押圧部150Cの第1固定部87への押圧力を決定する設計パラメータとなる部分である。言い換えると、上記弾性調整部150Bは、上記押圧部150Cの長さや、第1固定部87に固定させたときの押圧部150Cの変形量を決定するパラメータとなる部分である。すなわち、上記弾性調整部150BのX軸方向の長さを長くすれば、押圧部150CのX軸方向長さが長くなり、押圧部150Cを弾性変形させやすくすることができる。また、弾性調整部150BのY軸方向の長さを長くすれば、後述するように、第1固定部87の固定面87Bに押圧部150Cを乗り上げさせたとき、押圧部150Cの変形量が少なくなり、押圧力が低下する。よって、必要な押圧力などに応じて弾性調整部150BのX軸方向の長さやY軸方向長さを決定する。
【0049】
また、先の
図6に示すように、工具引っ掛け部151以外は、ステー90に沿うように、各立ち上がり部150FのZ軸方向長さが設計されている。
【0050】
クリップ150は鉄等の線材を折り曲げ加工で成形することにより、上述した弾性調整部150Bや各立ち上がり部150Fを所望の形状に容易に成形することができ好ましい。
【0051】
クリップ150は、
図8に示すように、工具160を工具引っ掛け部151に引っ掛けて、後述するように工具160をX軸回りに回動させることで、クリップ150を回動させて、第1固定部87に取り付ける。本実施形態では、上記工具160として、汎用のスクリュードライバーを用いる。
【0052】
図9は、光学ハウジング80の第1固定部87周辺を示す斜視図である。
第1固定部87は、工具160を回動させるときの支点となる支点部87Eを有している。支点部87Eは、第1固定部87の奥側に位置し、Z軸方向に平行な鉛直面87E1と、X軸方向に平行な略台形形状の水平面87E2とで構成されている。また、工具160を支点部87Eに案内するための案内部87Dを有している。案内部87Dは、支点部87Eの水平面87E2に向けて、Z軸方向高さが徐々に高くなるZ軸方向案内面87D2を有している。また、X軸方向に互いに対向して設けられ、支点部87Eの鉛直面に向かうに連れて、徐々互いの距離が近づくように構成された一対のX方向案内部87D1とで構成されている。
【0053】
また、第1固定部87には、クリップ150の各押圧部150Cが、当接する一対の固定面87Bが設けられている。また、第1固定部87の固定面87Bの光書込装置装着方向奥側端部からZ軸方向に立ち上がってクリップ150の各押圧部150Cが突き当たる突き当て部87Cを有している。また、後述するように、クリップ150の押圧部150Cを、固定面87Bに案内するためのクリップ案内面87Aも有している。
【0054】
図10は、工具160を第1固定部87の支点部87Eに挿入する様子を示す斜視図である。
先の
図5に示すように、第2,第3固定部88,89が板バネ120により固定されるまで光書込装置16を装置本体に挿入したら、
図10に示すように、工具160の先端をクリップ150の工具引っ掛け部151を通して、第1固定部87の第1支点部87Eに突き当てる。
【0055】
クリップ150の工具引っ掛け部151を構成する傾斜部150Dと、連結部150Eと、ステー90の平面との内接円がφ6[mm]となるように、工具引っ掛け部151を形成するのが好ましい。これにより、汎用のスクリュードライバーの先端を、工具引っ掛け部151とステー90との間に通すことができる。
【0056】
図10に示すように、クリップ150の工具引っ掛け部151が、ステー90から突出しているが、装置本体に装着する際は、ステー90に絞り加工を施して形成した不図示のレール部に光書込装置16が載置されて装着していく。この不図示のレール部に光書込装置16が載置されているときは、光書込装置16は、ステー90から浮いて装着されており、ある程度、光書込装置16が装置内に装着されていくと、ステー90上をスライド移動するような構成である。従って、光書込装置16装着時に、光書込装置16が、クリップ150の工具引っ掛け部151に引っ掛かることがない。また、レール部を、ステー90を絞り加工して形成することで、ステー90の強度を上げることができ、レール部材を設ける場合に比べて、好ましい。
【0057】
図11は、工具160の先端を、第1固定部87の支点部87Eの挿入した状態を示す図である。
工具160の先端をクリップ150の工具引っ掛け部151に通した後、
図11に示すように、工具160の先端を第1固定部87の支点部87Eに突き当てるためにさらに工具160を挿入していく。このとき、工具160の先端が、Z軸方向案内面87D2により案内されて、支点部87Eへ移動する。これにより、工具160の先端が第1固定部87に引っ掛かることなく、スムーズに支点部87Eに移動させることができる。その結果、光書込装置16のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0058】
また、工具160の先端を支点部87Eに突き当たるために工具160を移動させたとき、工具160がZ軸方向回りに傾いても、X方向案内部87D1により、工具160の先端を支点部87Eに導くことができる。これにより、工具160の先端を容易に支点部87Eに付き当てることができ、メンテナンス作業性を向上させることができる。
【0059】
図12は、工具160を用いて、クリップ150を、第1固定部87に引っ掛ける様子を示す斜視図である。
図12に示すように、工具160の先端を支点部87Eに突き当てたら、工具160を支点部87Eを支点にしてX軸方向回りに回動させる。すると、工具160により、工具引っ掛け部151の連結部150Eが持ち上げられ、クリップ150が取り付け部150Aを中心にして回動する。また、工具160により一対の押圧部150Cが図中点線で示すように弾性変形する。さらに、工具160を回転させて、押圧部150Cを弾性変形させながら、クリップ150を回動させていき、クリップ150の押圧部150Cを第1固定部87の固定面87Bに乗り上げさせる。これにより、クリップ150の押圧部150Cで固定面87Bを、押圧して固定することができる。
【0060】
工具160の先端を支点部87Eに突き当てて、回転させているとき、工具160は、クリップ150の工具引っ掛け部151の傾斜部150Dと、一対のZ軸方向案内面87D2とにより移動が規制されている。従って、工具160を支点部87Eを支点にして容易に回動させることができ、作業性を向上させることができる。
【0061】
図13は、第1固定部87をクリップ150で固定するときのクリップ150の押圧部150Cの軌跡について、説明する図である。
図13に示すように、第1固定部87をX軸方向からみたとき、押圧部150Cが描く軌道を交差するように、第1固定部87のクリップ案内面87Aが形成されている。よって、工具160によりクリップ150を解除位置(押圧部150Cが、150C−1にある状態)から回動させていくと、押圧部150Cは、第1固定部87のクリップ案内面87Aに当接する(
図13の150C−2の位置)。この状態から工具160をさらにX軸方向回りに回転させると、押圧部150Cがクリップの回動の支点(取り付け部150A)から離間する方向に弾性変形しながら、第1固定部87のクリップ案内面87Aに沿って移動していく(
図13の150C−3)。そして、押圧部150Cがクリップ案内面87Aの頂部871Aにまで到達(150C−4)すると、押圧部150Cの復元力により、クリップ150が回動しながら、押圧部150Cが、固定面87Bに乗り上げる(
図13の150C−5)。さらに、押圧部150Cの復元力により、クリップ150が回動し、押圧部150Cが突き当て部87Cに突き当たり、クリップ150の回転移動を規制する。これにより、クリップ150が、第1固定部87に引っ掛けられ、第1受け部81を第1位置決め面91に押圧する押圧位置(押圧部150Cが、150C−6にある状態)に位置する。なお、押圧部150Cを弾性変形させずにクリップを回転させたときの押圧部150Cの位置は、図の150C’である。これにより第1固定部87は、クリップ150の押圧部150Cよりステー側と、光書込装置装着方向側とに押圧されて固定される。
【0062】
第1固定部87を、クリップ150の押圧部150Cでステー側に押圧することで、第1受け部81を第1位置決め面91に押圧して固定することができる。また、第1固定部87を、クリップ150の押圧部150Cで光書込装置装着方向側に押圧することにより、第2突出部86を、第2位置決め穴96の光書込装置の装着方向側の縁に付き当てることができる。これにより、光書込装置16の第2突出部86を第2位置決め穴96とクリップ150とで挟持することができ、装置本体内で光書込装置16がY軸方向にガタつくことなく、装置本体に固定することができる。
【0063】
また、
図13に示すように、押圧部150Cが突き当て部87Cに突き当たり、クリップ150で光書込装置16を固定したときの押圧部150Cの押圧角度θ(Y軸方向に対する角度)を45±35度に設定するのが好ましい。かかる構成とすることで、小さい回動角度で2軸方向に押圧することができ、工具160の回動角度も小さくすることができる。これにより、クリップ150が多少、装置の奥まった位置に配置されており、工具160をあまり回動できない構成となっていても、クリップ150を工具160で回動させて、押圧部150Cを固定面87Bに乗り上げさせることができる。
【0064】
第1固定部87をX軸方向からみたとき、押圧部が描く軌道を交差するように、第1固定部87のクリップ案内面87Aを形成することにより、工具によりクリップを回動させたとき、押圧部150Cをクリップ案内面87Aに突き当てることができる。これにより、クリップ150をさらに工具160で回転させると、工具160により工具引っ掛け部151が持ち上げられ、押圧部150Cを弾性変形させることができる。これにより、工具160の回転により、押圧部150Cを弾性変形させることができる。
【0065】
なお、クリップ150による固定を解除するときは、作業者が工具引っ掛け部151の連結部150Eを指で手前に引け(光書き装置の引き出し方向側に移動させれ)ば、クリップ150を、梃子の原理により押圧位置から解除位置へ容易に回動させることができる。解除力を低減させるには連結部150Eを高く設計すればよい。
【0066】
このように、本実施形態においては、光書込装置16を装置本体から取り出すときは、クリップ150を解除位置に位置させることができる。これにより、容易に光書込装置16を、装置本体から取り外すことができる。
【0067】
また、本実施形態においては、クリップ150が解除位置にあるとき、クリップ150には、クリップ150を押圧位置へ回動させるような力が生じない。これにより、光書込装置16を装置本体に対して着脱する際に、クリップ150を解除位置に押し付けておく必要がない。よって、容易に光書込装置16を装置本体に対して着脱することができる。
【0068】
また、本実施形態では、クリップ150を回動させて、光書込装置16を固定するための冶具として、汎用のスクリュードライバーを用いて行えるようにした。これにより、クリップ150の回転に専用の冶具を用いるようにしたものに比べて、以下の利点を得ることができる。すなわち、市場において、サービスマンが光書込装置16のメンテナンスを行う際に上記専用の冶具を持ち込む必要がない。よって、例えば、専用の冶具を忘れて、サービスセンターに取りに戻るなどの不具合が発生することがない。また、光書込装置をクリップ150により固定した後、工具を持ち替えることなく、装置のカバーなどのネジ止めを行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0069】
また、本実施形態においては、クリップ150を回転させるときの支点部を、光学ハウジング80の第1固定部87に設けている。本実施形態においては、
図13に示すように、クリップ150を回転させるとき、クリップ150の押圧部150Cをクリップ案内面87Aに押し当てながら押圧部150Cを弾性変形させている。工具160の支点部が、ステー90にあるなど、光学ハウジング80に無い場合、次の不具合が生じる。すなわち、工具160で押圧部150Cを弾性変形させながらクリップを回転させるとき、押圧部150Cとクリップ案内面87Aとの間の摩擦力により、光学ハウジング80が、浮き上がってしまうお
それがあるという不具合である。
【0070】
一方、クリップ150を回転させるときの工具160の支点部を、光学ハウジング80の第1固定部87に設けることで、以下の効果が得られる。すなわち、工具160でクリップ150の押圧部150Cを弾性変形させながら回転させるとき、押圧部150Cの押圧力が工具160を介して、第1固定部87に加わる。これにより、工具160でクリップ150を回転させているとき、第1固定部87をステー90側に押圧することができる。その結果、光学ハウジング80がステー90から浮き上がることなく、押圧部150Cを弾性変形させることができ、容易に押圧部150Cを固定面87Bに乗り上げさせることができるという効果である。
【0071】
また、クリップ150を光学ハウジング80に設け、固定部を装置本体のステー90に設けてもよい。しかし、クリップ150をステー90に設ける方が好ましい。これは、光学ハウジングにクリップを設けた場合は、交換装置である光書込装置毎に、クリップ150を設ける必要が生じ、コストアップに繋がる。しかし、ステー90に設けた場合、光書込装置16が交換されても、クリップは、装置本体に残る。よって、光書込装置毎に設ける必要がなくなり、装置のコストアップを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態においては、光書込装置16は、板バネ120とクリップ150とで、光書込装置16を装置本体の位置決め面91、92,92へ押圧して光書込装置16を装置本体に固定する。これにより、ネジにより装置本体に固定する場合に比べて、以下の利点を得ることができる。すなわち、ネジで光書込装置16を固定する場合、ネジで締結する際にネジの回転方向に光書込装置16に力が加わり、光書込装置16が、ネジの回転方向回りに回転してしまうおそれがある。光書込装置16が、ほんの少し、位置や姿勢が所定の位置や姿勢から外れてしまうだけで、画像に影響が出てしまう。その結果、光書込装置16の装置本体に対する位置精度や姿勢精度が厳しい。よって、光書込装置16が、ネジの回転方向回りに回転してしまうと、所定の位置や姿勢からずれてしまい、良好な画像が得られなくなるという不具合が生じる。また、ネジで固定する場合、光書込装置の固定位置で締結力が異なり、固定後に光書込装置16に残留応力が残り、撓みやねじれなどが生じるおそれがある。さらに、量産工程においては、複数のネジをひとつずつ、ネジ止めする必要があり、組立時間がかかり、製造コストアップに繋がるという不具合も生じる。
【0073】
一方、本実施形態では、光書込装置の装着方向奥側の固定を位置決め面92,93に対向する2つの板バネ120で行う。これにより、光学ハウジングの各固定部88,89を板バネ120と位置決め面92,93との間に挿入するだけで、光書込装置16の装着方向奥側を固定することができる。また、各固定部88,89の板バネ120と位置決め面92,93との間への挿入方向を、光書込装置16の装置本体への装着方向と同じ方向としている。よって、光書込装置16を装置本体に装着するだけで、各固定部88,89が、板バネ120と位置決め面92,93との間へ挿入され、光書込装置16の装着方向奥側を固定することができる。これにより、ネジで固定する場合に比べて、容易に光書込装置16を装置本体に位置決め固定することができ、組み立時間を短縮することができ、製造コストアップを抑制することができる。
【0074】
また、各固定部87を板バネ120と位置決め面92,93との間へ挿入していくとき、各固定部87は、位置決め面92,93側に押圧される。これにより、ネジ締結とは異なり、光書込装置16を固定する際に、姿勢や位置を規定の位置から外れさせる方向に力が生じることがない。よって、ネジ締結と異なり、固定後に位置や姿勢が規定の位置や姿勢からずれるのを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
【0075】
また、光書込装置16の装着方向手前側の固定も、クリップ150を工具160で回転させるだけで、固定することができる。これにより、ネジでネジ止めする場合に比べて容易に、装置に固定することができる。また、上述したように、本実施形態においては、第1固定部87に工具の支点部を設けている。これにより、工具160で第1固定部87を第1位置決め面91に押圧した状態でクリップ150により光書込装置16を固定することができる。これにより、ネジで固定する場合とは、異なり、固定時に、姿勢や位置を規定の位置から外れさせる方向に力が生じることがない。よって、ネジ締結と異なり、固定後に位置や姿勢が規定の位置や姿勢からずれるのを抑制することができ、良好な画像を得ることができる。
【0076】
また、被位置決め部である受け部81,82,83を有する光学ハウジング80は、樹脂で形成されており、位置決め部である位置決め面91,92,93を有するステーは金属で形成されている。従って、2部材の線膨張係数は、互いに異なっている。よって、光書込装置をネジにより装置本体に固定する場合、温度上昇した際に、光学ハウジング80とステー90との線膨張係数の異なる2つの部材間で引っ張り合いが生じ、光学ハウジング80に変形が起こるおそれがある。その結果、光学ハウジングが保持する光書込装置16の光学素子の位置および姿勢に変動が起こり、感光体上の光学特性が変化するおそれがある。一方、本実施形態においては、板バネ120とクリップ150とで光書込装置16を位置決め面91,92,93に押圧して、光書込装置16を固定している。従って、光学ハウジング80の線膨張係数と、ステー90との線膨張係数が異なっていても、板バネ120やクリップ150の押圧部150Cが弾性変形することにより、引っ張り合いが生じることがない。これにより、光学ハウジング80に変形が起こるのを抑制することができ、感光体上の光学特性が変化するのを抑制することができる。
【0077】
また、ネジで光書込装置16を固定した場合、本体に衝撃が加わると、直接光走査装置に衝撃が加わる。一方、本実施形態のように、板バネ120とクリップ150とで、押圧で固定する場合は、装置本体と光書込装置16との間に弾性を持たせることができる。これにより、本体に衝撃が加わった場合、、板バネ120やクリップ150が弾性変形して衝撃を緩和することができる。これにより、光書込装置16への衝撃を緩和することができる。
【0078】
また、本実施形態においては、光書込装置装着方向手前側端部のX軸方向中央部に第1受け部81を備えた第1固定部87を設ける。そして、装着方向奥側端部のX軸方向一端に第2受け部82を備える第2固定部88を設け、他端に第3受け部83を備える第3固定部89を設けた。このように、本実施形態においては、3点でZ軸方向に位置決め固定する構造である。これにより、Z軸方向の位置精度を出す箇所を3箇所にでき、4点でZ軸方向に位置決めする構造に比べて、装置を安価にすることができる。また、4点でZ軸方向に位置決めする構造においては、4点うちいずれかが、Z軸方向の位置がずれると、光学ハウジング80がねじれ変形するお
それがある。一方、本実施形態において、第1受け部81と第1位置決め面との位置決めの位置がずれていた場合、光書込装置16が装着方向奥側の2箇所の位置決め箇所を支点にしてY軸方向に対して傾くだけである。従って、光学ハウジングがねじり変形するのを、4点で位置決めする場合に比べて、抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態において光書込装置の装着方向奥側に、第2受け部88と、第3受け部89とを設け、2点受け部にし、装置方向手前側を、1点受け部にした。装置本体構造が、Y軸方向に対向するように設けられた2枚の側板と、これら側板を連結するY軸と平行に延びるフレームとで構成された場合、光書込装置装着方向手前側の側板には、光書込装置を着脱するための開口部などが設けられている。一方、光書込装置装着方向奥側の側板には、開口部が少ない。画像形成装置の設置面が水平面でなかった場合、側板に開口部の少ない奥側は、設置面に倣って変形し難い。よって、ステー90は、装置奥側の方が、装置手前に比べてZ軸方向の位置が変動しがたいと言える。従って、光書き込み装置の2点受け部側を、装置方向奥側に設けた方が、一方の受け部と他方の受け部との間のZ方向の位置ずれを抑制することができ、光学ハウジングのねじれを抑制することができる。また、装着方向手前側の1点受け部はX軸方向の中央部に設けられるので、手前の側板の変形の影響を、Z軸方向端部に比べて少なくすることができる。これにより、側板の変形によるZ軸方向の位置ずれ最小限にとどめることができる。
【0080】
また、2枚の側板のうち、感光体などを駆動する駆動部が取り付けられた側板側は、駆動部で補強されることで、変形しがたくなる。よって、光書込装置における駆動部が取り付けられた側板側を2点受け部にしてもよい。
【0081】
また、本実施形態においては、先の
図7に示すように、クリップ150をX軸方向中央を通るY軸方向に平行な対称軸上に対して対称形状にしている。また、クリップの押圧部150Cにより押圧される第1固定部87の固定面87Bも、上記対称軸に対して対称形状としている。これにより、各固定面87Bに加わる押圧力を同じにすることができ、光学ハウジング80のねじれを抑制することができる。
【0082】
また、第1受け部81を、上記対称軸に設けることで、第1受け部81に各押圧部150Cの押圧力が均等に加わり、第1受け部81を均一に第1位置決め面91に押圧することができる。
【0083】
また、本実施形態では、工具160を用いてクリップ150を解除位置から押圧位置へ回動させているが、例えば、作業者が指でクリップ150を摘んでクリップ150を引っ張り上げながら固定面87Bに押圧部150Cを引っ掛けてもよい。
【0084】
また、プロセスカートリッジなど画像形成装置本体に対して着脱可能なユニットあり装置本体に位置決めされるユニットであれば、本発明を適用することができる。なお、プロセスカートリッジは、感光体15と、帯電装置17、現像装置18およびクリーニングユニット20のいずれかひとつとをユニット化して、画像形成装置に着脱可能に構成したものである。
【0085】
また、本実施形態においては、モノクロ用の光書込装置に本発明を適用した例について、説明したが、複数の感光体に光書込みが可能な対向走査方式の光書込装置にも本発明を適用することができる。対向走査方式の光書込装置は、ポリゴンミラーの回転中心をとおり、ポリゴンスキャナの回転軸の軸方向に対して直交する方向に引いた対称線に関して走査レンズなどの一対の光学素子を対称配置したものである。
【0086】
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
装置本体1Aに対して着脱可能に構成された光書込装置16などの着脱ユニットと、着脱ユニットの受け部81,82,83などの被位置決め部を装置本体1Aに設けられた位置決め面91,92,93などの位置決め部に押圧する押圧手段とを備えた画像形成装置1において、押圧手段は、装置本体1Aに回動自在に取り付けられ、着脱ユニットに設けられた固定部87Bなどの当接部に当接して被位置決め部を位置決め部に押圧するクリップ150などの押圧部材を有し、押圧部材は、押圧部材の回動の支点を基点にして支点から離間する方向に弾性変形可能であり、押圧部材を回動させることで、当接部に当接して被位置決め部を位置決め部に押圧する押圧状態(
図13において、クリップ150の押圧部150Cが、150C−6の位置にある状態)と、当接部から離間して、被位置決め部の位置決め部への押圧が解除される解除状態(
図13において、クリップ150の押圧部150Cが、150C−1の位置にある状態)とを取りうるように構成し、解除状態から押圧状態にすべく、押圧部材を回動させる過程で、押圧部材の回動の支点を基点にして支点から離間する方向に押圧部材を弾性変形させて、押圧部材を当接部に引っ掛けることで押圧部材を当接部に当接させ、押圧部材の復元力により被位置決め部を位置決め部に押圧する。
(態様1)によれば、
図13を用いて説明したように、解除状態(
図13において、クリップ150の押圧部150Cが、150C−1の位置(解除位置)にある状態)から押圧状態(
図13において、クリップ150の押圧部150Cが、150C−6の位置(押圧位置)にある状態)へクリップ150などの押圧部材を回動させる過程で、押圧部材を弾性変形させて、光書込装置16などの着脱ユニットに設けられた固定部87Bなどの当接部に押圧部材(本実施形態では、クリップ150の押圧部150C)を引っ掛ける。固定部87Bなどの当接部に押圧部材を引っ掛けると、押圧部材の復元力(本実施形態では、押圧部材の復元力が、
図13におけるY軸方向およびZ軸方向に働く)により、第1受け部81などの被位置決め部を第1位置決め面91などの位置決め部に押圧する。これにより、押圧部材と当接部との2部材で、被位置決め部を位置決め部に押圧することができる。これにより、特許文献1に記載のように、圧縮スプリングとレバーと当接部とで、着脱ユニットの被位置決め部を装置本体の位置決め部に押圧する構成に比べて、部品点数を削減でき、装置のコストアップを抑制することができる。
【0087】
また、着脱ユニットを装置本体から取り外すとき押圧部材を回動させて、解除状態にすることができる。これにより、着脱ユニットを装置本体から取り外すとき押圧部材の押圧力(復元力)が、着脱ユニットの移動時の抵抗とならず、スムーズに着脱ユニットを装置本体から取り外すことができる。また、着脱ユニットを装着する際は、押圧部材を解除位置(先の
図13において、クリップ150の押圧部150Cが150C−1の位置にある位置)に位置させて、装着することができる。これにより、装着の過程で、押圧部材からの押圧力で、装着抵抗が増加してしまうのを防止することができる。
【0088】
また、(態様1)によれば、当接部に押圧部材を引っ掛けることで、押圧状態を維持する構成であり、特許文献1に記載のように、圧縮スプリングで、押圧状態の維持する構成とは異なる。従って、特許文献1とは異なり、押圧部材を当接部から外して、押圧を解除した後に、押圧状態とすべく、押圧部材を回動させるような力が生じない。従って、着脱ユニットを装置本体から取り外すときに押圧部材が回動しないように、押さえつけておく必要がない。よって、押圧部材を押さえつけて解除状態を維持しながら、着脱ユニットを装置本体から取り外す必要がなくなり、容易に着脱ユニットを装置本体から取り外すことができる。また、押圧部材が回動しないように、押さえつけて着脱ユニットを装着する必要がなく、着脱ユニットを容易に装着することができる。
このように、(態様1)によれば、特許文献1に比べて、着脱ユニットの着脱を容易に行うことができる。
【0089】
また、(態様1)によれば、クリップ150など押圧部材を、装置本体に設けている。これにより、実施形態で説明したように、クリップ150などの押圧部材を光書込装置などの着脱ユニットに設けた場合に比べて、装置のコストアップを抑制することができる。
【0090】
また、本実施形態では図示しないが、実施形態で説明したように、プロセスカートリッジなど、画像形成装置本体に着脱可能なユニットであれば、(態様1)を適用することができる。
【0091】
(態様2)
(態様1)において、クリップ150などの押圧部材は、工具160などの冶具を引っ掛ける工具引っ掛け部151などの冶具引っ掛け部を有し、冶具を冶具引っ掛け部に引っ掛けて、冶具で押圧部材を弾性変形させながら、押圧部材を回動させることで、押圧部材を前記当接部に引っ掛ける。
(態様2)によれば、押圧部材を回動させる部材を、装置本体毎に設ける場合に比べて、装置を安価にすることができる。
【0092】
(態様3)
(態様2)において、工具160などの冶具でクリップ150などの押圧部材を弾性変形させながら回動させる際の冶具の支点部87Eを、光書込装置16などの着脱ユニットに設けた。
(態様4)によれば、実施形態で説明したように、工具160などの冶具でクリップ150などの押圧部材を弾性変形させるとき、冶具で着脱ユニットが押圧部材の復元力で移動しないように押さえることができる。これにより、押圧部材を冶具で弾性変形せながら、固定部87などの当接部に容易に引っ掛けることができ、作業性を向上させることができる。
【0093】
(態様4)
(態様3)によれば、工具160などの冶具を支点部87Eに案内する案内部87Dを設けた。
(態様4)によれば、実施形態で説明したように、工具160などの冶具を容易に支点部87Eに差し込むことができ、作業性を向上させることができる。
【0094】
(態様5)
(態様2)乃至(態様4)いずれかにおいて冶具として、スクリュードライバなどの汎用のネジ締め工具を用いた。
(態様5)によれば、光書込装置16などの装置本体に対する位置決めを行うにあたり、専用の冶具を用意せずに、行うことができる。
【0095】
(態様6)
(態様1)乃至(態様5)のいすれかにおいて、クリップ150などの押圧部材を、金属製の線材で形成した。
(態様6)によれば、実施形態で説明したように、線材を折り曲げ加工で成形することにより、所望の押し力などが得られる形状に容易に押圧部材を成形することができる。
【0096】
(態様7)
(態様1)乃至(態様6)いずれかにおいて、着脱ユニットは、感光体などの潜像担持体表面に潜像を書き込む光書込装置16である。
(態様8)によれば、安価な構成で、光書込装置16を装置本体に位置決めすることができる。