(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態につき
図1〜
図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る検査装置100を示す。検査装置100は、一例としてシリコン等からなるウエハ(半導体ウエハ)50の表面に整列形成された状態の複数のCCD型又はCMOS型等の固体撮像素子58(
図7(a)参照)の性能を検査するものである。検査装置100は、被検査物であるウエハ50表面の被照射面16を均一な照度分布の照明光ILで照明する照明装置80と、ウエハ50を移動するプローバ90と、ウエハ50表面の検査対象の固体撮像素子(検査対象素子)の電気出力を取り込んでその性能を検査するテスタ56と、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置53と、照明装置80を構成する光学部材等を支持するフレーム機構(不図示)とを有する。以下、ウエハ50が移動する平面内で
図1の紙面に平行な方向にX軸を、
図1の紙面に垂直な方向にY軸を取り、その平面に垂直な方向にZ軸を取り、Z軸に平行な軸の回りの回転方向をθz方向として説明する。
【0018】
まず、プローバ90は、ウエハ50が載置されるステージ51、ステージ51をX方向、Y方向、及びθz方向に駆動するステージ駆動装置52、並びにウエハ50表面の検査対象素子の出力端子に接触可能な複数のプローブピン55を有する。テスタ56は、プローブピン55を介して得られる検査対象素子(照明装置80で照明されている)の電気信号(出力)からその検査対象素子の性能を検査する。主制御装置53は、不図示のアライメント系の検出結果に基づいてステージ駆動装置52を介してステージ51(ウエハ50)を移動して、検査対象素子を照明装置80の被照射面16の照明領域内に移動する。
【0019】
また、照明装置80は、ほぼ400〜700nm程度の広帯域の波長範囲を含み非偏光な照明光ILを射出する光源1を有する。光源1から射出された照明光ILは、撮像素子が受光する光の3原色である赤色光(中心波長600nm)、緑色光(中心波長555nm)、及び青色光(中心波長450nm)を含む白色光である。光源1としては、一例と
してフィラメントを有するハロゲンランプが使用されている。なお、光源1としては、一般的な白熱電球又はキセノンランプ等も使用可能である。
【0020】
さらに、照明装置80は、光源1から被照射面16に向かって順に配列された複数の光学部材、すなわち、コレクタレンズ2、フィルタ群3、リレー光学系4、リレー光学系4からほぼ+X方向に射出された光束をほぼ−Z方向に90°折り曲げる平面ミラーよりなる折り返しミラー5、及び照明むらを減少させるためのフライアイレンズ6(オプティカルインテグレータ)を有する。また、照明装置80は、フライアイレンズ6からの光束を集光して被照射面16をテレセントリック照明するコンデンサレンズ7、照明装置80の光学系の光軸AXに垂直な平面15に対して斜めに配置された光透過性の平行平面板よりなる偏光補正板8、及び照明光路に対して挿脱可能に、かつθz方向に回転可能に支持された直線偏光板(偏光子)9を有する。フィルタ群3は、熱線吸収フィルタ3A、交換可能なカラーフィルタ3B、光量を制御するために交換可能なNDフィルタ3C、及びバンドパスフィルタ(不図示)などを有する。
【0021】
折り返しミラー5は、一例としてガラス板の反射面にアルミニウム等の金属膜を形成したものである。折り返しミラー5の反射面5aは照明装置80の光軸AXに対して、Y軸に平行な軸の回りに45°傾斜している。フライアイレンズ6は、一例として断面形状が正方形の複数のレンズエレメントを密着して束ねたものである。このとき、フライアイレンズ6の入射面と被照射面16とはコンデンサレンズ7によって共役であるため、被照射面16の照明領域の形状も正方形である。偏光補正板8の材料(硝材)は、屈折率が例えば1.5以上に高い材料が望ましい。
【0022】
また、照明装置80は、偏光補正板8の平面15に対する傾き角αを調整する角度調整機構10、及び直線偏光板9を必要に応じて照明光路に設置し、かつその照明光路で直線偏光板9をθz方向に回転する挿脱回転機構20を有する。角度調整機構10は、偏光補正板8の−X方向の端部を回転可能に支持する支持部11、偏光補正板8の+X方向の端部を支持する支持部12、円弧状のガイド部14、及びガイド部14に沿って歯車機構を介して支持部12を移動させる駆動部13を有する。駆動部13はマニュアルでもよいが、駆動モータで駆動してもよい。また、さらに偏光補正板8及び角度調整機構10を一体的にθz方向に回転する回転機構(不図示)を設けることが望ましい。この場合、角度調整機構10および不図示の回転機構により、照明装置80の光軸Axに対する任意の方位において、偏光補正板8の傾き角αを可変させることができる。なお、角度調整機構10および回転機構(不図示)に限定されることなく、照明装置80の光軸Axに対する任意の方位において偏光補正板8の偏光補正板8の傾き角αを任意に設定できる機構であれば、例えば偏光補正板8を3点でキネマティック支持するなど、既存の機構を適用することができる。挿脱回転機構20は、直線偏光板9を支持する支持枠21、支持枠21を内側で回転可能に支持する軸受け22、軸受け22の外枠を回転して軸受け22内の直線偏光板9を照明光路に設置し、かつ照明光路から退避させる第1駆動モータ23、及び軸受け22内で支持枠21(直線偏光板9)をθz方向に回転させる第2駆動モータ24を有する。なお、角度調整機構10及び挿脱回転機構20の構成は上記の構成に限られることはなく、周知の技術を適用してもよい。
【0023】
照明装置80において、光源1から射出された光束(照明光IL)は、コレクタレンズ2によりほぼ+X方向に向かう略平行光束に変換され(コリメートされ)、フィルタ群3に入射する。フィルタ群3を配置する位置は、光束径が小さくなるコレクタレンズ2の後ろ側焦点付近やリレー光学系4の中間位置(光源像ができる位置)付近が望ましい。また、フィルタ群3のフィルタ3A〜3C等は互いに異なる位置に配置してもよい。フィルタ3A〜3C等は、多重反射の影響を軽減するために傾けて配置する場合もある。フィルタ群3を通過した光束は、リレー光学系4により、フライアイレンズ6に入射するのに適切なサイズと開口数(NA)を持つ光束に変換され、折り返しミラー5を介してフライアイレンズ6に入射する。
【0024】
本実施形態では、照明装置80ひいては検査装置100を小型化するために、リレー光学系4とフライアイレンズ6との間に折り返しミラー5が配置されている。折り返しミラー5は、光源1の中心又はフライアイレンズ6の射出面の中心からの光が光軸AXと略平行になる位置に設置するのが望ましい。この位置であれば、被照射面16の各位置に集光される光束は、折り返しミラー5への入射角分布が互いにほぼ等しい光束になっているため、折り返しミラー5が傾斜していることによる光量のむら(傾斜むら)が生じにくい。仮に折り返しミラー5をリレー光学系4の中間位置に配置すると、折り返しミラー5への光の入射角分布が、被照射面16の集光位置に依存して異なる。この場合、一般にミラーの反射率は入射角依存性があるので、照明光の光量むら(傾斜むら)が生じる。
【0025】
そして、フライアイレンズ6の射出面を2次光源とするケーラー照明になるように、フライアイレンズ6から射出される光束でコンデンサレンズ7によって被照射面16を照明する。この際にテレセントリック照明になるように、概ねコンデンサレンズ7の前側焦点位置がフライアイレンズ6の射出面(瞳面又は二次光源が形成される面)に設定されている。
【0026】
次に、本実施形態における偏光補正板8の作用につき説明する。本実施形態に係る検査装置100によるウエハ50表面の検査対象素子の検査に際して、第1の検査方法としては、例えば検査対象素子の偏光依存性の影響を解消するために、検査対象素子に非偏光な光束を照射する。この第1の検査方法では、直線偏光板9は照明光路の外部に退避している。また、光源1としては非偏光な照明光ILを射出する光源が使用されている。ところが、照明装置80の小型化のために使用されている折り返しミラー5は、s偏光とp偏光の反射率が異なるため、折り返しミラー5で反射された後の光束の偏光度は変化し(偏光度は上がり)、例えば数%程度の偏光度を持つことがある。より詳しくは、折り返しミラー5で反射された後の光束に直線偏光成分が生じるため、偏光度が上がることがある。
【0027】
なお、被照射面16に入射する光束に関して、X方向の偏光成分(折り返しミラー5に関するp偏光)とY方向の偏光成分(折り返しミラー5に関するs偏光)との強度差をS1、X方向に対して45°傾斜した偏光成分と135°傾斜した偏光成分との強度差をS2、右円偏光と左円偏光との強度差をS3、全光束の強度をSTとすると、偏光度は次のように定義される。
【0028】
偏光度={(S1
2+S2
2+S3
2)
1/2/ST}×100(%) …(1)
以下、偏光度がほぼ0%と見做せる光(偏光度が1%以下程度の光)を非偏光な光と表す。
また、白色光で使用されるミラー用コーティングは一般にはアルミニウムコートである。そこで、一例として折り返しミラー5も反射面にアルミニウムコートが施されたミラー(アルミミラー)であるとすると、アルミミラーは45°入射で概ね90%程度の反射率を持つ。さらに、アルミミラーでは、s偏光とp偏光に対する反射率特性に、
図2(a)(入射角45°の場合)及び
図2(b)(波長550nmの場合)に示すように5%程度の差がある。
【0029】
本実施形態のように固体撮像素子の検査用の検査装置100では、広い波長範囲に対応している方が望ましいが、広い波長範囲に対応するミラーであると偏光が生じやすい。なお、検査用の光がレーザ光のような単波長の光でよい場合には、単波長のミラー用コーティングは、s偏光及びp偏光ともにほぼ100%の非常に高い反射率を得ることも可能であるため、偏光はほとんど生じない。
【0030】
非偏光な光束が折り返しミラー5(ここではアルミミラー)に入射したときの反射光の偏光度の波長依存性及び入射角依存性をそれぞれ
図2(c)(入射角45°の場合)及び
図2(d)(波長550nmの場合)に示す。アルミミラーからの反射光の偏光度は、波長依存性は小さいが(
図2(c)参照)、入射角依存性は大きい(
図2(d)参照)。折り返しミラー5に対する光束の入射角は45°の近傍であるため、折り返しミラー5からの反射光の偏光度はほぼ3%になっている。その他にも、照明光路中に光軸に垂直な面に対して斜めに配置されるビームスプリッター等の光学部材などがある場合にも、その光学部材を通過した後の光束の偏光度が変化する。
【0031】
本実施形態では、折り返しミラー5で反射された光束に生じた偏光度の変化(偏光度の増加分)を低減(より具体的には、折り返しミラー5で反射された光束に生じた直線偏光の成分を低減)するために、コンデンサレンズ7と被照射面16との間に傾斜した平行平面板よりなる偏光補正板8を配置している。平行平面板を斜めに配置するとs偏光とp偏光とで透過率が異なるため、折り返しミラー5で生じたs偏光とp偏光との強度差を減少させて、偏光度を低下させることができる。一例として、偏光補正板8の材料としてはBK7(d線屈折率=1.5168)を使用する。BK7の屈折率は1.5に対してあまり高くはないが、大きな平行平面板の入手性が良い。
【0032】
ここで、平行平面板によるp偏光及びs偏光の光束の入射角とフレネル反射率(エネルギー反射率)Rp,Rsとの関係は次の通りである。
Rp=tan
2(θ
1−θ
2)/tan
2(θ
1+θ
2) …(2)
Rs=sin
2(θ
1−θ
2)/sin
2(θ
1+θ
2) …(3)
sinθ
1=nsinθ
2 …(4)
なお、θ
1は空気中での入射角、θ
2は平行平面板中での屈折角、nは平行平面板の屈折率である。平行平面板(偏光補正板8)の材料がBK7の場合の、入射角とp偏光及びs偏光のエネルギー反射率との関係(1反射面あたり)を
図3(a)に、入射角とp偏光及びs偏光のエネルギー透過率との関係(平行平面板1枚あたり)を
図3(b)に、非偏光光が入射したときの入射角と透過光の偏光度との関係を
図3(c)に、非偏光光が入射したときの波長と透過光の偏光度との関係(入射角28°の場合)を
図3(d)に示す。光学硝子の屈折率の波長依存性は小さいので、
図3(d)に示すように透過光の偏光度の波長依存性も小さい。なお、
図1の偏光補正板8の表面8a(光が入射する面)に対する光軸に平行な光束の入射角は、角度調整機構10によって調整される平面15に対する傾き角αと同じである。
【0033】
本実施形態において、折り返しミラー5ではs偏光の方がp偏光より反射率が高いので、
図1において紙面に平行な面(XZ面)を光の入射面とすると、折り返しミラー5の反射光は、
図1の紙面に垂直な方向(Y軸方向)の直線偏光成分が生じる(すなわち、折り返しミラー5の反射光の偏光度が上がる)。なお、折り返しミラー5では位相差と反射率の差で偏光成分が生じるが、非偏光な光源1から射出される光の位相はランダムであり、位相差による影響は小さい。
【0034】
これに対して、偏光補正板8(平行平面板)ではp偏光の方がs偏光より透過率が高いので、
図1の配置(偏光補正板8が平面15に対してY軸に平行な軸の回りに傾斜している配置)では、偏光補正板8に非偏光な光束が入射すると、
図1の紙面に平行な方向(X軸方向)の直線偏光成分が生じる。
したがって、折り返しミラー5と偏光補正板8との組み合わせでは、それらの直線偏光成分(Y軸方向の直線偏光成分とX軸方向の直線偏光成分)が相殺するため、偏光補正板8の傾き角α(入射角)を調整することにより、偏光補正板8を透過して被照射面16に向かう光束の偏光度を小さくできる。偏光補正板8の硝材がBK7の場合、傾き角αが28°程度で透過光の偏光度が3%程度となり、45°で傾斜している折り返しミラー5(アルミミラー)で生じる偏光度がほぼ相殺される。
【0035】
図1のように、光源1の中心からの照明光ILが光軸AXに略平行になっている位置に折り返しミラー5を配置すると、照明位置が異なっていても折り返しミラー5への入射角は同じような分布になる。そのため、折り返しミラー5で生じる偏光度は照明位置が異なっていてもほぼ3%程度になる。また、照明光ILの波長が異なっていても、その偏光度の波長依存性は小さい。さらに、偏光補正板8は、テレセントリック照明を行うコンデンサレンズ7と被照射面16との間で、フライアイレンズ6の射出面の中心からの光束が光軸AXにほぼ平行になっている位置にある。従って、偏光補正板8に入射する光束は、照明位置が異なっていても入射角は同じような分布になる。また、偏光補正板8(平行平面板)による偏光度の波長依存性は小さい。従って、被照射面16の照明領域全面にわたって、波長範囲を広くして、かつ折り返しミラー5における反射で増加した光の偏光度(反射で生じた直線偏光成分)を低減することができる。
【0036】
なお、実用的には、ステージ51上に入射光の偏光度を計測できるポラリメータ57を設置し、ポラリメータ57を被照射面16内に移動した状態で、照明装置80から被照射面16に照明光ILを照射してもよい。そして、ポラリメータ57で計測される偏光度が例えば1%(又はこれよりも小さい許容値)より小さくなるように、又はその偏光度が最小になるように角度調整機構10で偏光補正板8の傾き角αを調整することで、被照射面16を非偏光な照明光で照明できる。
【0037】
次に、本実施形態における第2の検査方法としては、例えば検査対象素子の偏光特性を計測するために、プローバ90のステージ51に載置されているウエハ50を直線偏光した光束で照明する。この検査方法では、上記のように偏光補正板8の傾き角αを、偏光補正板8を透過する光束が非偏光になるように設定した上で、
図4に示すように、挿脱回転機構20によって直線偏光板(偏光子)9を照明光路に設置する。この状態で、被照射面16を照明光で照明し、テスタ56によって検査対象素子の性能を検査する。
【0038】
さらに、必要に応じて、検査対象素子に照射される照明光の直線偏光の方向(偏光方位角)を種々の方向に設定して偏光特性を検査するために、挿脱回転機構20によって直線偏光板9をθz方向に回転する。この際に、本実施形態では、直線偏光板9に入射する照明光は非偏光であるため、直線偏光板9をθz方向に回転しても、直線偏光板9を透過する直線偏光の光束の光量が変化しない。従って、直線偏光板9の回転角を任意の角度に設定しても、光量が変化しないため、検査対象素子の偏光特性を高精度に検査できる。
【0039】
本実施形態の効果等は以下の通りである。
本実施形態に係る検査装置100は、被照射面16にあるウエハ50表面の固体撮像素子(被照射物)を照明する照明装置80を備えている。そして、照明装置80は、非偏光で広帯域の光を発生する光源1と、光源1から発生された光の光路を折り曲げる折り返しミラー5と、光源1からの光が入射するフライアイレンズ6と、その光に対する透過性を有し、折り返しミラー5により増加するその光の偏光度を低減させる偏光補正板8と、を備え、偏光補正板8は、フライアイレンズ6における光の射出面の中心から射出された光が照明装置80の光軸AXに実質的に平行になる位置に配置されている。
【0040】
照明装置80によれば、光源1から発生された広帯域(白色)で非偏光な光束の偏光度が折り返しミラー5によって変化(増加)しても、偏光補正板8によってその変化(偏光
度の増加分)が低減される。従って、光源1から発生される非偏光な光束の偏光度の変化
(偏光度の増加)が抑制でき、検査対象の固体撮像素子(被照射面16)を広帯域でかつ非偏光な光束で照明できる。
【0041】
なお、偏光補正板8は、光が入射する表面8aを有しており、偏光補正板8は、その表面8aと直交する軸に対して、その光の主光線(照明装置80に設けられた不図示の開口絞りの中心を通る光線。ここではフライアイレンズ6の射出面(瞳面)の中心を通る斜光線)が交差して表面8aに入射するように配置されていてもよい。これによって、偏光補正板8に入射する光には常にs偏光及びp偏光の成分が含まれるため、折り返しミラー5で反射した光の偏光度の変化を補正することが可能となる。これより、照明装置80で構成される光学系が偏心光学系であったとしても、折り返しミラー5で反射した光の偏光度の変化を偏光補正板8で補正することが可能となる。
【0042】
また、照明装置80は照度分布を均一化するためのフライアイレンズ6を備え、偏光補正板8は、フライアイレンズ6の射出面(二次光源)の中心からの光束が光軸AXに略平行になる位置に配置されている。従って、照明位置に依らずに、被照射面16の各位置に集光する光束の偏光補正板8への入射角分布がほぼ均一であるため、被照射面16上の照明位置の相違による偏光度のばらつきを小さくできる。
【0043】
また、偏光補正板8は平行平面板であり、製造が容易である。ただし、偏光補正板8としては、例えば表面8aと裏面との間に或る程度の角度がある楔型プリズムのような楔形
状の光学部材(板状光学部材)を使用することも可能である。この場合、例えば、楔形状の光学部材に入射する面(表面)と平面15との成す角を傾き角αとして光軸AXに対して楔形状の光学部材を傾斜させる。この場合、αが零でないことを光軸に対して傾斜していると考える。
また、本実施形態ではリレー光学系4を備えているが、リレー光学系4は省略可能である。また、光源1は必ずしも広帯域でなくともよく、例えば特定波長の光に対する撮像素子の特性を検査する場合には、光源1として単色で非偏光な光を発生する光源を使用してもよい。この場合、折り返しミラーであれば、反射率が100%に近いレーザーミラーを使用すれば、直線偏光成分はほとんど生じないが、ビームスプリッター等では直線偏光成分を生じないようにするのは難しい。
【0044】
また、検査装置100は、照明装置80と、照明装置80からの光で照明される被検査物(ウエハ50表面の固体撮像素子)が載置されるステージ51と、照明装置50からの光で照明されたその被検査物からの出力を検出し、この検出の結果に基づいてその被検査物を検査するテスタ56(検査部)と、を備えている。検査装置100によれば、照明装置80から非偏光な光で被検査物(固体撮像素子)を照明できるため、その検査を高精度に行うことができる。
【0045】
また、照明装置80は偏光補正板8の傾き角αを調整する角度調整機構10を有するため、例えばカラーフィルタ3Bの交換時等に、偏光補正板8を透過する光束の偏光度が最小になるようにその傾き角αを調整することもできる。ただし、偏光度の波長依存性は小さいため、偏光補正板8の傾き角αは、一度調整した後は固定することも可能である。このように傾き角αを固定しておく場合には、角度調整機構10を設けることなく、偏光補正板8を調整機構のない支持部材で支持してもよい。
【0046】
また、本実施形態では偏光補正板8の硝材はBK7であるため入手が容易である。実際には、偏光補正板8(平行平面板)の硝材としては、屈折率が高い方が傾き角αを小さくできるため、配置が容易になるという利点がある。
図5は、偏光補正板8の硝材としてSF6(d線屈折率=1.805180)を使用した場合の、透過光の偏光度の入射角依存性を示す。
図5より、SF6(重フリントガラス)を用いた場合には、偏光度を3%とするための入射角(傾き角α)はほぼ21°となり、BK7(クラウンガラス)を用いた場合の28°よりも小さくなるため、偏光補正板8の配置が容易である。
【0047】
また、偏光補正板8を配置する位置としては、偏光補正板8に表面8aに対する光の入
射角度分布をほぼ等しくして被照射面16における光量むら(傾斜むら)を抑制するため、光源1(又は二次光源)の中心からの光束が光軸AXに略平行になる位置(又は被照射面16の各位置に集光される光束において、それぞれの光束の偏光補正板8への入射角分布が互いに等しくなるような位置)が望ましい。そのため、偏光補正板8は、本実施形態のようにコンデンサレンズ7と被照射面16との間の他に、例えばフィルタ群3とリレー光学系4との間の位置P1、リレー光学系4と折り返しミラー5との間の位置、又は折り返しミラー5とフライアイレンズ6との間の位置等にも配置できる。
【0048】
偏光補正板8を位置P1に配置したとき、被照射面16を照明する照明装置80は、非偏光な光を発生する光源1と、光源1から発生された光の光路を折り曲げる折り返しミラー5と、その光に対する透過性を有し、折り返しミラー5により増加するその光の偏光度を予め低減させる偏光補正板8と、を備え、偏光補正板8は、光源1の中心から射出された光が照明装置80の光軸AXに実質的に平行になる位置に配置されることになる。この場合にも、被照射面16を非偏光な照明光ILで照明できる。この場合には、折り返しミラー5と被照射面16との間の構成は任意であり、必ずしもオプティカルインテグレータを備える必要もない。
【0049】
また、本実施形態の照明装置80は、挿脱回転機構20に支持された直線偏光板9を有するため、被照射面16を任意の方向の直線偏光で、かつ光量が同じ光束で照明できる。なお、例えば固体撮像素子の偏光特性等を検査する必要がない場合には、直線偏光板9及び挿脱回転機構20を設ける必要はない。
また、本実施形態において、被照射面16に入射する光(撮像素子の照明光)の偏光度は、非偏光を偏光度が0%と見做せる状態と定義したように、偏光度が0%の光に限定されるものではなく、所定の検査に応じた偏光度の照明光となるように偏光補正板8を設置してもよい。例えば、被照射面16に入射する光の偏光度は1%程度であってもよい。
【0050】
なお、上記実施形態では、偏光度がほぼ0%の非偏光な光を発生させる光源(光源1)を用いていたが、偏光度がほぼ0%ではない光(所謂、部分偏光の光、偏光度数%〜10%程度)を発生させる光源を使用してもよく、又は非偏光な光を発生させる光源と所定の光学部材を組合せて偏光度がほぼ0%ではない光を発生させる構成を採用してもよい。この場合、固体撮像素子(被照射面16)が非偏光な光で照明されるように偏光補正板8の傾き角αを設定し、偏光補正板8で表面8aに入射した光の偏光度を変化させる。
【0051】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態につき
図6及び
図7を参照して説明する。なお、
図6において
図1に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る検査装置100Aの概略構成を示す。検査装置100Aは、ウエハ50表面の固体撮像素子(検査対象素子)を照明する照明装置80Aと、ウエハ50を移動するプローバ90と、照明装置80Aで照明された検査対象素子の性能を検査するテスタ(不図示)と、主制御装置53と、照明装置80Aの光学部材等を支持するフレーム機構FRとを備えている。
【0052】
照明装置80Aにおいて、光源1からほぼ+Z方向に射出された非偏光で広帯域の光束(照明光IL)は、コレクタレンズ2、フィルタ群3、第1のリレー光学系4Aを通過し、第1の折り返しミラー5Aによって光路がほぼ+X方向に90°折り曲げられて、第2のリレー光学系4Bに入射する。リレー光学系4Bから射出された光束は、第2の折り返しミラー5Bによって光路がほぼ−Z方向に90°折り曲げられて第1のフライアイレンズ6Aに入射する。フライアイレンズ6Aから射出された光束は、レンズ25、及び光軸AXに対してほぼ35°傾斜した平行平面板の一面にビームスプリッター面(フレネル反射面)が形成されたビームスプリッター31を介して第2のフライアイレンズ6Bに入射する。フライアイレンズ6Bから射出された光束は、コンデンサレンズ7及び光軸AXに垂直な平面に対して傾斜した偏光補正板8を介して被照射面16に入射する。折り返しミラー5A,5Bは
図1の折り返しミラー5と同様の平面ミラーであり、折り返しミラー5A,5Bの反射面は、照明装置80Aの光軸AXに対してY軸に平行な軸の回りに45°傾斜している。折り返しミラー5A,5Bはそれぞれ光源1の中心からの光束が光軸AXに略平行になる位置に配置されている。光源1から偏光補正板8までの光学部材から照明装置80Aの光学系が構成されている。
【0053】
また、照明装置80Aは、ビームスプリッター31、ビームスプリッター31で反射(分岐)された光束を集光するレンズ32、及びその集光された光束を受光する光電センサ33からなる光量モニター系30を有する。光量モニター系30で検出される照明光ILの光量情報は主制御装置53に出力される。主制御装置53は、例えばその光量情報に基づいて被照射面16での照度が所定値になるように光源1の出力を制御、またはNDフィルタを制御する。光量モニター系30のビームスプリッター31は、レンズ25とフライアイレンズ6Bとの間の、フライアイレンズ6Aの射出面(瞳面又は二次光源)の中心からの光束が光軸AXに略平行になる位置に配置されている。このようにビームスプリッター31が設置される位置は、折り返しミラー5A,5Bと同様に、光源1又は二次光源の中心からの光束が光軸AXに略平行となる位置(又は被照射面16の各点に集光する光束が、互いに等しい入射角分布の光束を均等に含むような位置)が望ましい。
【0054】
さらに、照明装置80Aは、フライアイレンズ6A,6B、レンズ25、ビームスプリッター31、レンズ32、及び光電センサ33を一体的にθz方向に回転する第1の回転機構35と、偏光補正板8及びこの角度調整機構10を一体的にθz方向に回転する第2の回転機構40とを有する。回転機構35は、一例として、フレーム機構FRに対して軸受け37を介して回転対象の光学部材を保持する支持部材36と、支持部材36をフレーム機構FRに対して歯車機構39を介して回転する駆動モータ38とを有する。同様に、回転機構40は、フレーム機構FRに対して軸受け42を介して角度調整機構10及び偏光補正板8を保持する支持部材41と、支持部材41をフレーム機構FRに対して歯車機構44を介して回転する駆動モータ43とを有する。主制御装置53が駆動モータ38,43を介して支持部材36,41の回転角を制御する。
【0055】
次に、
図7(a)は本実施形態(
図6)のウエハ50表面に整列形成された複数の長方形の固体撮像素子58(X方向の長さa1、Y方向の幅b1とする)の配列の一例を示す。
図7(a)において、
図6の被照射面16の例えば正方形の照明領域59の一辺の幅をA1とする。また、不図示のテスタで固体撮像素子58の検査を行う場合、斜線を施したようにY方向に1つおきに配置された複数の固体撮像素子58A〜58D等を一度に検査可能であるとする。このとき、一例として、固体撮像素子58の長さa1を9.8mm、幅b1を7.6mm、照明領域59の幅A1を44.6mmとすると、仮に照明領域59が点線の位置59Aで示すように、X軸又はY軸に各辺が平行になるように配置されている場合には、一度に検査可能な固体撮像素子58A〜58Cは3個である。
【0056】
これに対して本実施形態では、
図6の第1の回転機構35によってフライアイレンズ6A,6B等をθz方向に回転することによって、被照射面16の照明領域59を
図7(a)の実線で示すように(ここではX軸に対して45°傾斜した角度に)回転可能である。この状態では、照明領域59内に4個の固体撮像素子58A〜58Dが入るため、一度に4個の固体撮像素子58の検査が可能になる。なお、回転機構35がない場合に、一度に4個の固体撮像素子58の検査を行うには、
図7(b)に示すように幅A2が例えば53.2mmの広い照明領域60が必要になり、照明装置が大型化してしまう。
【0057】
このように本実施形態では、回転機構35が設けられているため、被照射面16の照明領域59を広くすることなく、より多くの固体撮像素子を一度に検査可能である。
また、本実施形態においては、2段のフライアイレンズ6A,6Bを用いるいわゆるダブルフライアイ構成であるため、被照射面16における照度分布の均一性が向上している。さらに、2枚の折り返しミラー5A,5Bを用いることによって、ダブルフライアイ構成で2段のリレー光学系4A,4Bを用いていても照明装置80Aを小型化できる。
【0058】
しかしながら、2枚の折り返しミラー5A,5Bを用いており、第2の折り返しミラー5Bの反射面は、第1の折り返しミラー5Aの反射面を光軸AXの回りに180°回転した面に平行である。言い替えると、折り返しミラー5A,5Bの光軸に沿った光の入射面(XZ面)は互いに平行である。また、第1の実施形態の説明より、折り返しミラー5A,5Bでは、s偏光(Y方向の偏光)の光に対する反射率がともに大きくなるため、折り返しミラー5Bで反射された光束の偏光度は、第1の実施形態の場合のほぼ2倍に悪化する。さらに、本実施形態では、照明光路に配置されている光量モニター系30のビームスプリッター31によっても偏光度が変化する。ただし、ビームスプリッター31では、通常はp偏光の光の透過率が高いため、
図6の配置のように、例えばビームスプリッター31が光軸AXに対してθy方向に例えばほぼ35°で傾斜しているときには、ビームスプリッター31を透過した光束の偏光度は、折り返しミラー5Bで反射された直後の光束の偏光度よりもほぼ小さくなる。
【0059】
しかしながら、本実施形態では、被照射面16の照明領域59を回転するために、回転機構35によってフライアイレンズ6A,6B及びビームスプリッター31が一体的に回転される。この結果、ビームスプリッター31の回転角によっては、ビームスプリッター31を透過した後の光束の偏光度は複雑に変化し、その偏光度は折り返しミラー5Bで反射された後の光束の偏光度よりも高くなることもありえる。
【0060】
そこで、本実施形態では、ビームスプリッター31を透過した光束の偏光度を小さくするために、コンデンサレンズ7と被照射面16との間に、光軸AXに垂直な平面に対する傾き角αが調整可能で、かつθz方向の回転角が調整可能な偏光補正板8を設けている。本実施形態では、偏光補正板8に入射する光束の偏光度は第1の実施形態の場合よりも増加していることがありえるため、偏光補正板8の傾き角αを小さくするために、偏光補正板8はより屈折率の大きい例えばSF6からなる平行平面板であることが好ましい。
【0061】
一例として、検査装置100Aの使用開始前に、ステージ51上に入射光の偏光度を計測できるポラリメータ57を設置し、ポラリメータ57を被照射面16内に移動し、光源1の発光を開始する。そして、主制御装置53が回転機構35を介してフライアイレンズ6A,6B,及びビームスプリッター31等をθz方向に180°/N(Nは例えば4以上の整数)回転した状態で、ポラリメータ57で計測される偏光度の計測値が所定の許容値より小さくなるか、又は最小値になるように、回転機構40と角度調整機構10で偏光補正板8の回転角と傾き角αを調整する。具体的には偏光補正板8の傾き角αが0の状態のポラリメータの測定結果の直線偏光方向または楕円偏光長軸方向がs偏光になるように、θzを調整し、その後傾き角αを偏光度の計測値が所定の許容値より小さくなるか、又は最小値になるように調整する。必要があれば、偏光補正板8のθz方向における回転角と傾き角αの微調整を繰り返す。そして、回転機構35による回転角に対応させて回転機構40による偏光補正板8の回転角及び角度調整機構10による偏光補正板8の傾き角αを記憶する。その後、回転機構35を介してビームスプリッター31等をθz方向にさらに180°/N回転して、偏光度の計測値が所定の許容値より小さくなるか、又は最小値になるときの偏光補正板8の回転角及び傾き角αを求めて記憶する動作を回転機構35による回転角が180°になるまで繰り返す。なお、理想的には回転機構35により180°回転した状態は回転前と同じ偏光状態なので、回転機構35の回転角範囲は0°〜180°(−90°〜90°)であるが、180°回転させるかわりに360°回転させてもよい。なお、照野が正方形の場合の照野の回転は90°で十分なため、回転機構35の回転角範囲は0°〜90°(−45°〜45°)でもよい。
【0062】
その後、検査装置100Aを用いてウエハ50表面の固体撮像素子の検査を行う際に、回転機構35を介して被照射面16の照明領域59を回転したときには、その回転角に応じて被照射面16上での偏光度が小さくなるように、回転機構40及び角度調整機構10を介して偏光補正板8の回転角及び傾き角αを調整する。これによって、白色で非偏光な照明光ILを使用したときに、照明領域59を任意の方向に回転しても、照明領域59に照射される光束を非偏光にできる。本実施例では折り返しミラー5Aと5B及びビームスプリッター31が光学部材1に対応する。
【0063】
また、被照射面16を照明する照明装置80Aは、非偏光な光を発生する光源1と、光源1からの光が入射するフライアイレンズ6Bと、光源1からの光の一部を折り曲げるビームスプリッター31と、フライアイレンズ6Bにおける光の射出面からの光で被照射面16を略テレセントリックにケーラー照明するコンデンサレンズ7と、コンデンサレンズ7と被照射面16との間に配置され、その光に対する透過性を有し、折り返しミラー5A,5B及びビームスプリッター31により増加する光の偏光度を低減させる平行平面板よりなる偏光補正板8と、を備えている。照明装置80Aによれば、被照射面16を非偏光な光で照明できる。この場合には、折り返しミラー5A,5Bは必ずしも設けられていなくともよい。
【0064】
なお、本実施形態において、偏光補正板8は、光源1の中心からの光束が光軸AXに略平行になる位置に配置してもよい。また、本実施形態では、折り返しミラー5A,5Bが設けられていない場合でも、偏光補正板8を設けることによって、光量モニター系30のビームスプリッター31によって生じる偏光度を補正することができる。
【0065】
なお、本実施形態においても、偏光度がほぼ0%ではない光(所謂、部分偏光の光、偏光度数%〜10%程度)を発生させる光源を使用してもよく、又は非偏光な光を発生させる光源と所定の光学部材を組合せて偏光度がほぼ0%ではない光を発生させる構成を採用してもよい。この場合、固体撮像素子(被照射面16)が非偏光な光で照明されるように、偏光補正板8の傾き角α及びθz方向における回転角を設定し、偏光補正板8で表面8aに入射した光の偏光度を変化させる。
【0066】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態につき
図8を参照して説明する。なお、
図8において
図1及び
図6に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る照明装置80Bの概略構成を示す。照明装置80Bは、例えば
図1の検査装置100の照明装置として使用可能である。
【0067】
照明装置80Bにおいて、光源1からほぼ+Y方向に射出された非偏光で広帯域の光束(照明光IL)は、コレクタレンズ2、フィルタ群3、第1のリレー光学系4Aを通過し、第1の折り返しミラー5Aによって光路がほぼ+X方向に90°折り曲げられて、第2のリレー光学系4Bに入射する。リレー光学系4Bから射出された光束は、第2の折り返しミラー5Cによって光路がほぼ−Z方向に90°折り曲げられてフライアイレンズ6に入射する。フライアイレンズ6から射出された光束は、コンデンサレンズ7を介して被照射面に入射する。光源1からコンデンサレンズ7までの光学部材から照明装置80Bの光学系が構成されている。
【0068】
本実施形態において、折り返しミラー5A,5Cは
図1の折り返しミラー5と同様の平面ミラーであるが、折り返しミラー5Aの反射面5Aaは、照明装置80BのY軸に平行な光軸に対してθz方向に45°傾斜しており、折り返しミラー5Cの反射面5Caは、照明装置80BのX軸に平行な光軸に対してY軸に平行な軸の回りに45°傾斜している。言い替えると、第2の折り返しミラー5Cの反射面5Caは、第1の折り返しミラー5Aの反射面5Aaを光軸AXの回りに時計回りに90°回転した面に平行である。この結果、光軸AXに平行な光束に関して、折り返しミラー5Aの入射面(XY面)と折り返しミラー5Cの入射面(XZ面)とは垂直に交差しているため、折り返しミラー5Aに関してs偏光(又はp偏光)となる光は折り返しミラー5Cに関してはp偏光(又はs偏光)となる。
【0069】
本実施形態において、第1の実施形態の説明より、折り返しミラー5Aでは、s偏光(ここではZ方向の偏光)の光に対する反射率が大きくなるが、そのs偏光の光は折り返しミラー5Cではp偏光となって反射率が小さくなる。つまり、折り返しミラー5Aで反射された光束の偏光度の変化(偏光度の増加分)が、折り返しミラー5Cにおける反射により、低減される。従って、2枚の折り返しミラー5A,5Cを用いて照明装置80Bを小型化できるとともに、光源1から発生される非偏光な光束の偏光度の変化(偏光度の増加)が抑制でき、被照射面を広帯域でかつ非偏光な光束で照明できる。
【0070】
また、折り返しミラー5A,5Cやその他の光学部材で生じた光の偏光度をより抑制する場合は、上記第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に偏光補正板8を用いることができる。この場合、偏光補正板8は、照明装置80Bのコンデンサレンズ7と被照射面16との間において、照明装置80Bの光学系の光軸AXに垂直な平面に対して斜めに配置される。
【0071】
偏光補正板8の光軸AXに垂直な平面に対する傾き角αは、被照射面に入射する光の直線偏光成分の大きさに基づいて、被照射面16に入射する光が可能な限り非偏光な光となるように決定する。また、偏光補正板8のθz方向における回転角は被照射面に入射する光の直線偏光成分の方位に基づいて決定する。
【0072】
照明装置80Bは不図示の角度調整機構を有し、偏光補正板8の傾き角αと偏光補正板8のθz方向における回転角を調整する。なお、偏光補正板8の傾き角αと偏光補正板8のθz方向における回転角は、一度調整した後は固定することも可能である。
【0073】
なお、偏光補正板8は、コンデンサレンズ7と被照射面16との間の他に、例えばフィルタ群3と第1のリレー光学系4Aとの間の位置、第1のリレー光学系4Aと折り返しミラー5Aとの間の位置、折り返しミラー5Aと第2のリレー光学系4Bとの間の位置、第2のリレー光学系4Bと折り返しミラー5Bとの間の位置、又は折り返しミラー5Bとフライアイレンズ6との間の位置にも配置できる。
【0074】
なお、本実施形態では、第2の折り返しミラー5Cの反射面5Caは、第1の折り返しミラー5Aの反射面5Aaを光軸AXの回りに時計回りに90°回転した面に平行であるため、折り返しミラー5Aで生じる偏光度を最も良好に低減できる。しかしながら、第2の折り返しミラー5Cの反射面5Caは、第1の折り返しミラー5Aの反射面5Aaを光軸AXの回りに90°以外の角度で回転した面に平行であってもよい。この場合でも、偏光補正板8により被照射面16に入射する光の偏光度を低減できる。
また、上記の各実施形態では、オプティカルインテグレータとしてフライアイレンズが使用されているが、オプティカルインテグレータとしては、ロッドインテグレータ又はロッドインテグレータとフライアイレンズとの組み合わせ等も使用可能である。
【0075】
次に、上記の実施形態の検査装置100又は100Aを用いて撮像素子(固体撮像素子)を製造する方法の一例につき
図9のフローチャートを参照して説明する。
図9のステップS401(パターン形成工程)では、先ず、露光対象のウエハ(
図1のウエハ50)にフォトレジストを塗布して感光基板を準備する塗布工程、露光装置(不図示)を用いて撮像素子用のマスクのパターンをその感光基板上の多数のパターン形成領域に転写露光する露光工程、その感光基板を現像する現像工程を含むフォトリソグラフィー工程によって、そのウエハ上に所定のレジストパターンが形成される。このフォトリソグラフィー工程に続いて、そのレジストパターンをマスクとしたエッチング工程、CVD工程、及びレジスト剥離工程等を経て、そのウエハ上に多数の電極等を含む多数の固体撮像素子の回路パターンが形成される。そのフォトリソグラフィー工程等は、そのウエハ上のレイヤ数に応じて複数回実行される。
【0076】
その次のステップS402(カラーフィルタ形成工程)では、赤R、緑G、青Bに対応した3つの微細なフィルタの組をマトリクス状に多数配列するか、又は赤R、緑G、青Bの3本のストライプ状の複数のフィルタの組を水平走査線方向に配列することによって、ウエハ表面の多数の固体撮像素子の多数の画素に対応させてカラーフィルタを形成する。その次のステップS403(検査工程)では、上記の実施形態の検査装置100,100Aを用いてウエハ表面の多数の固体撮像素子の性能検査を行う。
【0077】
その後のステップS404(モジュール組立工程)では、そのようにして検査に合格した素子をウエハから切り離し、保護基板等に取り付け、さらにリード端子等を取り付けて、固体撮像素子として完成させる。
上述の撮像素子の製造方法によれば、上記の実施形態の検査装置を用いて固体撮像素子を検査する工程を含んでおり、その検査装置では非偏光な検査光又は偏光方位によらずに光量が均一な直線偏光の検査光を使用できるため、製造された固体撮像素子の性能検査を高精度に行うことができる。従って、高性能の固体撮像素子を製造できる。
【0078】
なお、
図9の撮像素子(固体撮像素子)の製造方法では、ステップ402(カラーフィルタ形成工程)の後にステップ403(検査工程)にて上記実施形態の検査装置100, 100Aを用いて固体撮像素子の性能検査を行うこととしたが、固体撮像素子の性能検査は、ステップ402(カラーフィルタ形成工程)の後に限らず、例えば、ステップ401(パターン形成工程)とステップ402(カラーフィルタ形成工程)との間に実施してもよい。
【0079】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。