特許第6245561号(P6245561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245561
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 19/00 20060101AFI20171204BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20171204BHJP
   H01Q 21/10 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   H01Q19/00
   H01Q21/28
   H01Q21/10
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-23398(P2015-23398)
(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公開番号】特開2016-146591(P2016-146591A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2016年12月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598163064
【氏名又は名称】学校法人千葉工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗 秀哉
(72)【発明者】
【氏名】安藤 篤也
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隆利
(72)【発明者】
【氏名】長 敬三
【審査官】 橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05130718(US,A)
【文献】 実開平05−082120(JP,U)
【文献】 特開2002−368530(JP,A)
【文献】 特開2014−045278(JP,A)
【文献】 特開2011−244136(JP,A)
【文献】 特開平05−275920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の周波数帯域の電磁波を放射する第1の放射部と、
前記第1の周波数帯域の電磁波を反射する第1の反射部と、
前記第1の放射部を基準にして前記第1の反射部とは反対側に配置され、第2の周波数帯域の電磁波を放射する第2の放射部と、
前記第1の放射部と前記第2の放射部との間に配置され、複数の金属素子を周期的に配列させた周期配列構造を有し、前記第1の周波数帯域の電磁波を透過させ、前記第2の周波数帯域の電磁波を反射する第2の反射部と、
を備え
前記第2の反射部は、それぞれが前記周期配列構造を有する複数の反射部から構成されたことを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記第1の放射部は、低周波数用の放射素子であり、
前記第2の放射部は、高周波数用の放射素子である
ことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記第1の放射部と前記第2の反射部との間の距離が可変であることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記複数の金属素子のそれぞれは、環状に形成され、
前記複数の金属素子は、二次元配列されたことを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ装置に関し、更に詳しくは、複数の周波数帯域で共用することができると共にビーム幅を調整することができるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動無線通信の高速・大容量化が要求されている。移動無線通信システムでは、指向性アンテナにより扇状のセルを形成するセクタセル構成が採用されている。セクタセル構成によれば、アンテナの指向方向以外から到来する干渉波を除去することができ、近いセルで同じ周波数帯域を繰り返し使用できるため、周波数利用効率を向上することができる。また、複数の周波数帯域を同時に使用することで大容量化を実現している(例えば、非特許文献1)。
【0003】
通常、移動無線通信用基地局には、放射素子と金属反射板等からなる指向性アンテナが使用周波数帯域毎に設置されている。しかしながら、このようなアンテナの設置形態によれば、使用周波数帯域の数に比例してアンテナの数が増えるため、広いアンテナ設置場所を確保する必要がある。そこで、アンテナ設置場所を削減するための技術として、複数の周波数帯域で同時に使用することが可能な多周波共用アンテナが提案されている(例えば、非特許文献2)。
【0004】
図11に、従来のアンテナ装置の構成を示す。図11に示すように、従来の多周波共用アンテナは、一つの金属反射板1と、周波数帯域毎の放射素子2と、無給電素子3とから構成されている。無給電素子3の配置位置を調整することにより、水平面(図11のXYZ座標系におけるXY平面)内の半値ビーム幅(以下、ビーム幅)を調整することができ、所望のセクタセルを形成することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】長 敬三, 山口 良, 蒋 恵玲, “次世代移動通信システム実現に向けた基地局・端末アンテナ技術”, 信学論文誌B, vol. J91-B, No. 9, pp. 886-900, 2008年9月。
【非特許文献2】杉本 由紀, 恵比根 佳雄, “移動通信における60°と120°ビーム幅を有する3周波共用基地局アンテナ”, 電子情報通信学会技術報告, AP99-47, pp. 35-42, 1999年7月。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
移動無線通信では、さらなる大容量化のため、将来的に、1つのアンテナを共用する周波数帯域の数が増加することが予想され、多周波共用アンテナの更なる多くの周波数での共用化が要求されている。このような要求に対し、コストの観点からすれば、従来のアンテナをそのまま使用することが望ましいが、増加した周波数帯域用のアンテナを既存のアンテナの隣に追加配置する手法は、アンテナ設置場所の観点から望ましくない。また、例えば非特許文献2に示す無給電素子を利用した従来のアンテナ構成法によれば、1つのアンテナを共用する周波数帯域の数が増加するに従って、周波数帯域毎のカップリングにより、1つのアンテナを共用する周波数帯域の数を増やすことが困難になり、アンテナの更なる周波数帯域での共用化が困難になる。
【0007】
また、一般に、アンテナのビーム幅は固定されているが、設置場所の地形や環境に応じて周波数帯域毎にアンテナのビーム幅を変更すれば、通信容量を向上させることができる。しかしながら、アンテナのビーム幅を変更するためには、アンテナを設計し直す必要があり、その場合、アンテナの設計コストが増加する。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、多周波で共用することができると共にビーム幅を調整することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によるアンテナ装置は、第1の周波数帯域の電磁波を放射する第1の放射部と、前記第1の周波数帯域の電磁波を反射する第1の反射部と、前記第1の放射部を基準にして前記第1の反射部とは反対側に配置され、第2の周波数帯域の電磁波を放射する第2の放射部と、前記第1の放射部と前記第2の放射部との間に配置され、複数の金属素子を周期的に配列させた周期配列構造を有し、前記第1の周波数帯域の電磁波を透過させ、前記第2の周波数帯域の電磁波を反射する第2の反射部と、を備えたアンテナ装置の構成を有する。
前記アンテナ装置において、例えば、前記第1の放射部は、低周波数用の放射素子であり、前記第2の放射部は、高周波数用の放射素子である。
前記アンテナ装置において、例えば、前記第1の放射部と前記第2の反射部との間の距離が可変である。
前記アンテナ装置において、例えば、前記第2の反射部は、前記周期配列構造を有する複数の反射板から構成されている。
前記アンテナ装置において、例えば、前記複数の金属素子のそれぞれは、環状に形成され、前記複数の金属素子は、二次元配列されている。
【0010】
また、本発明によるアンテナ装置は、共用する周波数帯域の電磁波をそれぞれ放射する複数の放射素子と、共用する周波数帯域のうち、最低周波数帯域の電磁波を反射する金属反射板と、複数の微細金属素子を周期配列させた周期配列構造を有し、共用する周波数帯域のうち、最低周波数帯域以外の1つの周波数帯域の電磁波を反射し、他の周波数帯域の電磁波を透過する1つ以上の反射板とを備え、これらを電磁波の主放射方向に向かって、金属反射板、最低周波数帯域用の放射素子、周期配列構造の反射板、最低周波数帯域用以外の放射素子の順に配置するアンテナ装置の構成を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、多周波で共用することができると共にビーム幅を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の構成図である。
図2】本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置が備える反射部の構成図である。
図3】本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の1.5GHzの水平面放射パターンの一例を示す特性図である。
図4】本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の1.5GHzのビーム幅の変化の一例を示す特性図である。
図5】本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置の3.6GHzの水平面放射パターンの一例を示す特性図である。
図6】本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置の2.2GHzの水平面放射パターンの一例を示す特性図である。
図7】本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置の2.2GHzのビーム幅の変化の一例を示す特性図である。
図8】本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置の構成図である。
図9】本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置の2.2GHzの水平面放射パターンの一例を示す特性図である。
図10】本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置の2.2GHzのビーム幅の変化の一例を示す特性図である。
図11】従来のアンテナ装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置100の構成図である。
概略的には、本発明の実施形態によるアンテナ装置100は、放射部111,112と、反射部121,122とを備える。放射部111は、第1の周波数帯の電磁波を放射する放射素子であり、放射部112は、第2の周波数帯域の電磁波を放射する放射素子である。ただし、この例に限定されず、放射部の個数と反射部の個数は任意に設定し得る。
【0014】
放射部111は、1.5GHz帯(第1の周波数帯域)の電磁波を放射する低周波数用の放射素子である。反射部121は、放射部111から放射された1.5GHz帯の電磁波を反射する反射板であり、200mm×200mmの正方形状の金属板から構成されている。反射部121と放射部111との間の距離Lは40mmに設定されている。即ち、1.5GHzの電磁波を放射する放射部111は、反射部121から40mmだけ離して配置されている。放射部111と反射部121は、1.5GHz帯の電磁波を放射するアンテナとして機能する要素であり、既存のアンテナ装置の構成に対応している。
【0015】
放射部112は、3.6GHz帯(第2の周波数帯域)の電磁波を放射する高周波数用の放射素子である。放射部112は、放射部111を基準にして反射部121とは反対側に配置されている。即ち、放射部112は、放射部111から見て、アンテナ装置100の主放射方向Rに配置されている。
【0016】
反射部122は、3.6GHz帯の電磁波を反射し、それ以外の上記1.5GHz帯を含む電磁波を透過させる周波数フィルタ特性を有する反射板である。反射部122は、放射部111と放射部112との間に配置され、後述するように、複数の微細金属素子を二次元状に周期的に配列させた周期配列構造を有している。反射部122と放射部112との間の距離bは、16.7mmに設定されている。即ち、3.6GHzの電磁波を放射する放射部112は、周期配列構造の反射部122から16.7mmだけ離して配置されている。放射部112と反射部122は、3.6GHz帯の電磁波を放射するアンテナとして機能する要素である。放射部111と反射部122との間の距離aは可変である。なお、距離aを変化させても、距離Lは一定値(40mm)に維持され、距離bも一定値(16.7mm)に維持される。ただし、この例に限定されず、放射部111,112からそれぞれ放射される電磁波の周波数帯域に応じて、距離Lおよび距離bは、それぞれ、任意の一定値に設定される。
【0017】
図2は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置が備える反射部122の構成図である。ここで、図2(A)は、反射部122の全体を示し、図2(B)は、図2(A)の丸印(点線)で囲われた反射部122の一部の詳細を示す。
【0018】
反射部122は、プリント基板上などに金属パッチやスロット等の微細金属素子1220を二次元状に周期的に配列した周期配列構造を有する。本実施形態では、図2(A)に例示するように、反射部122は、5行3列の行列状に配列された15個の微細金属素子1220を備えている。図2(A)の例では、垂直方向(Z軸方向)に5行分の微細金属素子1220が配列され、水平方向(Y軸方向)に3列分の微細金属素子1220が配列され、反射部122の水平方向(Y軸方向)の寸法は84.5mmに設定され、垂直方向(Z軸方向)の寸法は141.5mmに設定されている。
【0019】
また、図2(B)に例示するように、微細金属素子1220は、矩形の環状に形成され、その1辺の寸法は27.5mmに設定されている。反射部122は、このような微細金属素子1220の周期配列構造を有することにより、特定の3.6GHz帯の周波数帯域の電磁波を反射すると共に、その他の周波数帯域の電磁波を透過させる周波数フィルタ特性を獲得している。
【0020】
説明を図1に戻す。周期配列構造を有する反射部122は、放射部111に対して導波器(無給電素子)として機能する。放射部111から反射部122までの距離aを変化させることにより、反射部122を透過する1.5GHz帯の電磁波のビーム幅を調整することができる。
【0021】
図3は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置100の1.5GHz帯の水平面放射パターンの一例を示す特性図であり、放射部111と周期配列構造の反射部122との間の距離aを変化させたときの水平面放射パターンを示している。また、図4は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置100の1.5GHz帯のビーム幅の変化の一例を示す特性図であり、放射部111と周期配列構造の反射部122との間の距離aを変化させたときのビーム幅HPBWを示している。
なお、図3における放射パターンの0度方向は、図1における主放射方向R(XYZ座標系のX軸方向)を指す。また、図4に破線で示した値(79.6°)は、従来のアンテナ構成(周期配列構造の反射部122と追加の放射部112を除いた構成)における特性値(参考値)である。
【0022】
1.5GHz帯の電磁波を放射する放射部111を基準にして、反射部121とは反対方向である主放射方向Rに周期配列構造の反射部122を配置すると、反射部122を構成する微細金属素子1220が1.5GHz帯の電磁波に対して導波器として作用する。このため、反射部122を透過した1.5GHz帯の電磁波のビーム幅が狭くなる。このときのビーム幅は、放射部111から反射部122までの距離aを変化させることにより調整することができる。従って、上記距離aを調整することにより、1.5GHz帯の電磁波のビーム幅を微調整することが可能になる。
【0023】
図5は、本発明の第1の実施形態によるアンテナ装置100の3.6GHz帯の水平面放射パターンの一例を示す特性図であり、図1におけるXYZ座標系におけるXY平面上の放射パターンに相当する。図5における放射パターンの0度方向は、図1における主放射方向R(XYZ座標系のX軸方向)を指す。同図から理解されるように、反射部122を備えたことにより、放射部112から放射される3.6GHz帯の指向性特性も適切に得られている。
【0024】
従って、第1の実施形態によれば、放射部111と反射部121とに対応する既存のアンテナに、周期配列構造を有する反射部122と放射部112とを付け加えるだけで、1.5GHz帯と3.6GHz帯とで共用することができる多周波共用のアンテナ装置100を簡易に実現することができる。ここで、第1の実施形態によるアンテナ装置100によれば、反射部121、放射部111、反射部122、放射部112が、アンテナ装置100の主放射方向に配置されるので、共用する周波数帯域の数の増大に応じて放射素子の数を増やしても、アンテナ設置場所を拡大する必要がなく、基本的には、既存のアンテナ装置の構成に対応する反射部121の面積に相当する場所があれば足りる。
【0025】
また、第1の実施形態によれば、既存のアンテナ装置の構成要素に対応する放射部111から放射された電磁波が周期配列構造の反射部122を透過する際に、反射部122を構成する微細金属素子が導波器として作用する。これにより既存のアンテナ装置の構成要素に対応する放射部111から放射される電磁波のビーム幅を再調整することができる。また、放射部111と反射部122との間の距離aによりビーム幅を微調整することができる。従って、アンテナ装置100の配置環境等に応じたアンテナ指向特性を得ることができ、通信容量を改善することが可能になる。
【0026】
(第2の実施形態)
次に、図1および図2を援用して、本発明の第2の実施形態を説明する。
上述の第1の実施形態では、1.5GHz帯と3.6GHz帯とで共用可能なアンテナ装置について説明したが、第2の実施形態では、2.2GHz帯と3.6GHz帯とで共用可能なアンテナ装置を説明する。
【0027】
第2の実施形態では、図1に示す第1の実施形態によるアンテナ装置100の構成において、反射部121と放射部111との間の距離Lは27.2mmに設定され、反射部121のサイズは136mm×136mmに設定されている。周期配列構造を有する反射部122の構成は、第1の実施形態における図2に示すものと同様である。放射部111,112の各構成も第1の実施形態と同様である。従って、反射部121と放射部111との間の距離Lと、反射部121のサイズを除けば、第2の実施形態によるアンテナ装置の構成は、第1の実施形態によるアンテナ装置100の構成と同じである。
【0028】
第2の実施形態では、反射部121と放射部111との間の距離Lを27.2mmとし、反射部121のサイズを136mm×136mmとすることにより、放射部111と反射部121は、2.2GHz帯のアンテナとして機能する。また、放射部112と反射部122は、第1の実施形態と同様に3.6GHz帯のアンテナとして機能する。また、周期配列構造を有する反射部122は、第1の実施形態と同様に、放射部112に対しては反射板として機能すると共に、放射部111に対しては導波器(無給電素子)として機能する。
【0029】
図6は、本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置の2.2GHz帯の水平面放射パターンの一例を示す特性図であり、放射部111と周期配列構造の反射部122との間の距離aを変化させたときの水平面放射パターンを示す。また、図7は、本発明の第2の実施形態によるアンテナ装置の2.2GHz帯のビーム幅の変化の一例を示す特性図であり、放射部111と周期配列構造の反射部122との間の距離aを変化させたときのビーム幅HPBWを示す。なお、図7に破線で示した値(83.3°)は、従来アンテナ構成(周期配列構造の反射部122と追加の放射部112を除いた構成)の特性値(参考値)である。
【0030】
図6から理解されるように、距離aに応じて2.2GHz帯の指向特性が変化する。
また、図7から理解されるように、周期配列構造を有する反射部122の微細金属素子が放射部111に対して導波器として作用するため、反射部122を配置しない場合の特性値(破線)と比較して、距離aの増大に伴ってビーム幅HPBWが狭くなる傾向を示す。従って、距離aを変化させることにより、2.2GHz帯のビーム幅を微調整することができ、所望の指向特性を得ることができる。その他については、第1の実施形態と同様である。
【0031】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置300の構成図である。
なお、図8は、主放射方向Rと直交する方向(Y軸方向)から見たアンテナ装置300の構成を示しており、主放射方向Rから見れば、反射部121、放射部111、反射部1221,1222、放射部112のそれぞれの外形は概略四角形である。
【0032】
第3の実施形態によるアンテナ装置300は、第2の実施形態と同様に、2.2GHz帯と3.6GHz帯とで共用可能なアンテナ装置であるが、第2の実施形態で援用する図1に示される周期配列構造を有する反射部122に対応する要素として、周期配列構造を有する二つの反射部(反射板)1221,1222を備えている。
【0033】
図8では、周期配列構造を有する二つの反射部(反射板)1221,1222を模式的に表現しているが、二つの反射部1221,1222の各構成は、図2に示す第1の実施形態におけるものと同様のものであり、二つの周期配列構造の反射部1221,1222は同一の寸法および構成を有している。第3の実施形態における反射部1221,1222の各微細金属素子は、第1または第2の実施形態における反射部122の微細金属素子1220を3次元状に拡張して配置したものであると言える。
【0034】
なお、第3の実施形態では、上記周期配列構造を有する二つの反射部1221,1222を備えるものとするが、この例に限定されず、上記周期配列構造を有する反射部の数を3以上の任意の数に拡張してもよい。従って、本実施形態によるアンテナ装置は、上記周期配列構造を有する反射部に関して一般化すれば、上記周期配列構造を有する複数の反射部を備えるものとして構成される。
【0035】
第3の実施形態では、2.2GHz帯のアンテナとしての機能を得る必要上、第2の実施形態と同様に、反射部121と放射部111との間の距離Lは27.2mmに設定され、反射部121のサイズは136mm×136mmに設定されている。放射部111と周期配列構造を有する反射部1221との間の距離a1は13.6mmに設定されている。また、反射部1221と反射部1222との間の距離a2は可変である。反射部1222と放射部112との間の距離a3は、第1の実施形態(または、第2の実施形態)における反射部122と放射部112との間の距離bと同じ値(16.7mm)に設定されている。放射部111,112の各構成も第1の実施形態と同様である。なお、距離a2を変化させても、距離Lは一定値(40mm)に維持され、距離a1も一定値(13.6mm)に維持され、距離a3も一定値(16.7mm)に維持される。ただし、この例に限定されず、放射部111,112からそれぞれ放射される電磁波の周波数帯域に応じて、距離L、距離a1,a3は、それぞれ、任意の一定値に設定される。
【0036】
図9は、本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置300の2.2GHz帯の水平面放射パターンの一例を示す特性図であり、周期配列構造の二つの反射部1221,1222の間の距離a2を変化させたときの水平面放射パターンを示す。図10は、本発明の第3の実施形態によるアンテナ装置300の2.2GHz帯のビーム幅の変化の一例を示す特性図であり、周期配列構造の二つの反射部1221,1222の間の距離a2を変化させたときのビーム幅HPBWを示す。なお、図10に破線で示した値(83.3°)は、従来アンテナ構成(周期配列構造の反射部1221,1222と追加の放射部112を除いた構成)の特性値(参考値)である。
【0037】
図9から理解されるように、距離a2に応じて2.2GHz帯の指向特性が変化する。
また、図10から理解されるように、上述の第1の実施形態または第2の実施形態と同様に周期配列構造を有する反射部1221,1222の微細金属素子が放射部111に対して導波器として作用するため、反射部1221,1222を配置しない場合の特性値(破線)と比較して、距離a2の増大に伴ってビーム幅HPBWが狭くなる傾向を示す。
【0038】
ここで、第3の実施形態では、周期配列構造を有する二つの反射部1221,1222を備えたことにより、上述の第1の実施形態または第2の実施形態と比較してビーム幅を更に狭くすることができる。従って、距離a2を変化させることにより、2.2GHz帯のビーム幅を微調整することができ、しかも、急峻な指向特性を得ることができる。従って、アンテナ装置が設置される環境等に応じてアンテナ指向特性を細かく調整することが可能になる。その他については、第1の実施形態と同様である。
【0039】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の修正、変形、付加、置換等が可能である。
例えば、上述の第1および第2の実施形態では、上記周期配列構造を有する反射部として1つの反射部を備え、第3の実施形態では、上記周期配列構造を有する反射部として二つ反射部(または複数の反射部)を備えたが、本発明によるアンテナ装置は、上記周期配列構造を有する反射部に関して一般化すれば、上記周期配列構造を有する1つ以上の反射部を備えるものとして構成される。
【0040】
また、上述の各実施形態では、低周波数用の放射部111と高周波数用の放射部112との二つの放射部を備えるものとしたが、この例に限定されず、放射部の個数を2以上の任意の個数に拡張してもよい。従って、本発明によるアンテナ装置は、複数の放射部を備えるものとして構成される。
【0041】
また、上述の各実施形態において、上記周期配列構造を有する反射部の各微細金属素子は、複数の周波数帯域でのアンテナの共用化に必要な特性が得られることを限度として、1次元状に配列されてもよく、また、上述の実施形態のように二次元状に配列されてもよく、更には三次元状に配列されてもよい。
また、上述の各実施形態において、高周波数用の放射部112に対する導波器を更に備えてもよい。
【符号の説明】
【0042】
100…アンテナ装置、111,112…放射部、121,122…反射部、300…アンテナ装置、1221,1222…反射部。
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図11