特許第6245714号(P6245714)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245714
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】湿潤ゲル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/075 20060101AFI20171204BHJP
   C08L 83/07 20060101ALI20171204BHJP
   C08K 3/00 20060101ALI20171204BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
   C08J3/075CFH
   C08L83/07
   C08K3/00
   C08L83/04
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-529542(P2016-529542)
(86)(22)【出願日】2015年6月19日
(86)【国際出願番号】JP2015067728
(87)【国際公開番号】WO2015198985
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2016年12月20日
(31)【優先権主張番号】特願2014-129294(P2014-129294)
(32)【優先日】2014年6月24日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-100409(P2015-100409)
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】浦田 千尋
(72)【発明者】
【氏名】穂積 篤
【審査官】 小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−145528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/075
C08K 3/00
C08L 83/04
C08L 83/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン樹脂組成物が硬化している架橋シリコーン樹脂と、
該シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能な第一の液体と、
該第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、前記架橋シリコーン樹脂を浸漬した時の膨潤度が、前記架橋シリコーン樹脂をn−ドデカンに浸漬した時の膨潤度未満である第二の液体とを含み、
前記第二の液体は、前記第一の液体と混和することが可能であり、
前記第一の液体に溶解することが可能な固体は、トリステアリン又はハスの葉の抽出物であり、
前記第二の液体は、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、トリクロロオクタデシルシラン、ポリメチルフェニルシロキサン又はフェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体であることを特徴とする湿潤ゲル。
【請求項2】
前記第一の液体は、前記第二の液体を兼ねることを特徴とする請求項1に記載の湿潤ゲル。
【請求項3】
前記シリコーン樹脂組成物は、ビニル基を有する化合物及びヒドロシリル基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の湿潤ゲル。
【請求項4】
前記第一の液体は、アルカン、シリコーンオイル、ポリメチルフェニルシロキサン、トルエン、テトラアルコキシシラン又はポリアルコキシシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載の湿潤ゲル。
【請求項5】
粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の湿潤ゲル。
【請求項6】
前記粒子は、シリカ粒子、アルミナ粒子、銀粒子、金粒子、白金粒子又は磁性粒子であることを特徴とする請求項に記載の湿潤ゲル。
【請求項7】
シリコーン樹脂組成物を、該シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能な第一の液体と、該第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、前記シリコーン樹脂組成物が硬化している架橋シリコーン樹脂を浸漬した時の膨潤度が、該架橋シリコーン樹脂をn−ドデカンに浸漬した時の膨潤度未満である第二の液体との存在下で硬化させる工程を有し、
前記第二の液体は、前記第一の液体と混和することが可能であり、
前記第一の液体に溶解することが可能な固体は、トリステアリン又はハスの葉の抽出物であり、
前記第二の液体は、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、トリクロロオクタデシルシラン、ポリメチルフェニルシロキサン又はフェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体であることを特徴とする湿潤ゲルの製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の湿潤ゲルが固体の表面に形成されていることを特徴とする物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿潤ゲル、湿潤ゲルの製造方法及び物品に関する。
【背景技術】
【0002】
固体の表面に液滴が付着すると、そこを起点として、腐食、劣化、汚染が進行する。例えば、食品用包装容器に食品が付着すると、そこが起点となり、カビ等の発生、意匠性の低下、食品のロス等が生じる。さらに、固体の表面に残存した液滴が乾燥・凝固することに伴い、固着すると、そこを起点に付着が拡大する。このため、難付着性を示す様々なコーティング剤が開発されてきた。
【0003】
特許文献1に、滑りやすい表面を有する物品が開示されている。物品は、超分子ポリマー及び潤滑液を含む少なくとも一つの表面を有する。超分子ポリマーは、一般式
PxSy
で表され、Pは、共有結合で架橋されたポリマーであり、Sは、ポリマーネットワーク内の超分子ブロックであり、x+y=1であり、yは0〜1である。超分子ポリマー及び潤滑液は、潤滑液により膨潤されている超分子ポリマーの表面に滑りやすい潤滑層を形成するのに十分な量で超分子ポリマー内に吸収されるような親和性を互いに有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2014/012080号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、潤滑液により膨潤されている超分子ポリマーの表面に滑りやすい潤滑層を形成するため、潤滑液は、超分子ポリマーに対する所定の親和性を有する液体に限定される。また、特許文献1では、氷に対する付着力が4kPaであり、難付着性が不十分である。さらに、特許文献1では、自発的に潤滑層を形成することができないため、潤滑層を拭き取ると、潤滑層は再生されない。
【0006】
本発明の一態様は、上記従来技術が有する問題に鑑み、導入される液体がポリマーに対する所定の親和性を有する液体に限定されず、難付着性に優れ、自発的に離漿することが可能な湿潤ゲルを提供することを目的とする。
【0007】
ここで、自発的に離漿するとは、内部要因(例えば、親和性の低下、液体の揮発)により離漿する場合に限定されず、外部刺激(例えば、温度、化学反応)により離漿する場合も含む。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、湿潤ゲルにおいて、シリコーン樹脂組成物が硬化している架橋シリコーン樹脂と、該シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能な第一の液体と、該第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、前記架橋シリコーン樹脂を浸漬した時の膨潤度が、前記架橋シリコーン樹脂をn−ドデカンに浸漬した時の膨潤度未満である第二の液体とを含み、前記第二の液体は、前記第一の液体と混和することが可能であり、前記第一の液体に溶解することが可能な固体は、トリステアリン又はハスの葉の抽出物であり、前記第二の液体は、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、トリクロロオクタデシルシラン、ポリメチルフェニルシロキサン又はフェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体である
【0009】
本発明の一態様は、湿潤ゲルの製造方法において、シリコーン樹脂組成物を、該シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能な第一の液体と、該第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、前記シリコーン樹脂組成物が硬化している架橋シリコーン樹脂を浸漬した時の膨潤度が、該架橋シリコーン樹脂をn−ドデカンに浸漬した時の膨潤度未満である第二の液体との存在下で硬化させる工程を有し、前記第二の液体は、前記第一の液体と混和することが可能であり、前記第一の液体に溶解することが可能な固体は、トリステアリン又はハスの葉の抽出物であり、前記第二の液体は、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、トリクロロオクタデシルシラン、ポリメチルフェニルシロキサン又はフェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体である

【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、導入される液体がポリマーに対する所定の親和性を有する液体に限定されず、難付着性に優れ、自発的に離漿することが可能な湿潤ゲルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】実施例1−1の湿潤ゲル及び比較例1の架橋シリコーン樹脂のマヨネーズに対する難付着性の評価結果を示す写真である。
図1B】実施例1−1の湿潤ゲル及び比較例1の架橋シリコーン樹脂のマヨネーズに対する難付着性の評価結果を示す写真である。
図2A】実施例1−1の湿潤ゲル及び比較例1の架橋シリコーン樹脂のケチャップに対する難付着性の評価結果を示す写真である。
図2B】実施例1−1の湿潤ゲル及び比較例1の架橋シリコーン樹脂のケチャップに対する難付着性の評価結果を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
【0013】
湿潤ゲルは、シリコーン樹脂組成物が硬化している架橋シリコーン樹脂と、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能な第一の液体と、第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、架橋シリコーン樹脂を浸漬した時の膨潤度が、架橋シリコーン樹脂をn−ドデカンに浸漬した時の膨潤度未満である第二の液体とを含む。このとき、第二の液体は、第一の液体と混和することが可能である。
【0014】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能な液体とは、シリコーン樹脂組成物と混合した場合に、相分離することなく、透明な溶液となる液体を意味する。
【0015】
また、第一の液体に溶解することが可能な固体とは、第一の液体と混合した場合に透明な溶液となる液体を意味する。
【0016】
さらに、第二の液体が第一の液体と混和することが可能であるとは、第二の液体と第一の液体を混合した場合に、相分離することなく、透明な混合溶液となることを意味する。
【0017】
湿潤ゲルは、離漿した液体により表面が被覆されるため、水、油等の液体が湿潤ゲルと直接接触することを阻害し、難付着性に優れる。また、湿潤ゲルの表面に離漿した液体をコットン、アルコール等により除去したり、酸素プラズマ等により酸化分解したりしても、湿潤ゲルは、徐々に離漿する。このため、湿潤ゲルの表面は、離漿した液体により再度被覆される。架橋シリコーン樹脂が弾性体である場合は、離漿することに伴い、湿潤ゲルの体積が減少する。また、離漿した液体が雰囲気中の水分と反応して固化する場合は、生成した固体により湿潤ゲルの表面が被覆される。この場合も、湿潤ゲルの表面に生成した固体を除去しても、湿潤ゲルは、徐々に離漿するため、湿潤ゲルの表面は、生成した固体により再度被覆される。また、離漿した液体が固体を含む場合は、湿潤ゲルの表面が固体により被覆される。このとき、固体が自己組織化し、フラクタルな微細構造を形成して、湿潤ゲルの表面が超撥水性を示すことがある。この場合も、湿潤ゲルの表面に生成した固体を除去しても、あるいは、湿潤ゲルを切断しても、湿潤ゲルは、継続的に徐々に離漿するため、湿潤ゲルの表面は、生成した固体により再度被覆される。また、離漿は、湿潤ゲルに含まれる架橋シリコーン樹脂の経時変化や第一の液体及び/又は第二の液体の経時変化により誘引される場合もある。さらに、第一の液体が第二の液体を兼ねない場合に、第二の液体よりも蒸気圧が大きい第一の液体を揮発させることにより、離漿を促すことが可能である。
【0018】
なお、湿潤ゲルを冷却すると、湿潤ゲルが透明性を失う場合がある。これは、湿潤ゲルの内部で、第一の液体と架橋シリコーン樹脂の相分離が促進されることにより、光が散乱されるためであると考えられる。
【0019】
また、第一の液体及び第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、第二の液体として、耐熱性に優れる材料を用いることにより、難燃性を付与することができ、湿潤ゲルの表面に付着した物質が乾燥や焦げ付きにより固着しても、容易に除去することができる。
【0020】
湿潤ゲルは、第一の液体と、第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、第二の液体との存在下で、シリコーン樹脂組成物を硬化させることにより製造することができる。
【0021】
シリコーン樹脂組成物は、ビニル基を有する化合物及びヒドロシリル基を有する化合物を含むことが好ましい。これにより、シリコーン樹脂組成物を硬化させると、ヒドロシリル化反応が進行し、架橋シリコーン樹脂が生成する。
【0022】
ビニル基を有する化合物としては、特に限定されないが、ビニル基を有するシリコーン樹脂、ビニル基を有する金属アルコキシド等が挙げられる。
【0023】
ビニル基を有するシリコーン樹脂としては、両末端にビニル基が導入されている変性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン等が挙げられる。
【0024】
ビニル基を有する金属アルコキシドとしては、ビニルトリエトキシシランやアリルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0025】
ヒドロシリル基を有する化合物としては、特に限定されないが、ヒドロシリル基を有するシリコーン樹脂、ヒドロシリル基を有する金属アルコキシド等が挙げられる。
【0026】
ヒドロシリル基を有するシリコーン樹脂としては、ジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。
【0027】
ヒドロシリル基を有する金属アルコキシドとしては、トリエトキシシランやトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0028】
シリコーン樹脂組成物を硬化させる際に、白金系触媒を用いてもよい。
【0029】
白金系触媒としては、特に限定されないが、Karsted’s catalyst(Pt[(MeSiCH=CHO])、HPtCl等が挙げられる。
【0030】
シリコーン樹脂組成物を硬化させる際に、シリコーン樹脂組成物と、第一の液体と、第一の液体に溶解することが可能な固体、又は、第二の液体を含む液は、通常、透明である。
【0031】
シリコーン樹脂組成物を硬化させる際に、加熱してもよい。
【0032】
シリコーン樹脂組成物を硬化させる際の温度は、触媒の添加量に応じて、適宜制御することができるが、通常、20〜150℃である。
【0033】
第一の液体としては、特に限定されないが、アルカン、シリコーンオイル、ポリメチルフェニルシロキサン、トルエン、テトラアルコキシシラン、ポリアルコキシシロキサン等が挙げられる。
【0034】
第一の液体として、テトラアルコキシシランやポリアルコキシシロキサンを用いる場合は、酸や塩基の存在下で、アルコキシ基が加水分解し、架橋シリコーン樹脂との親和性が低下し、第二の液体のように振る舞うことが可能である。
【0035】
アルカンとしては、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、イソセタン等が挙げられる。
【0036】
第一の液体に溶解することが可能な固体としては、特に限定されないが、トリステアリン、ハスの葉の抽出物等が挙げられる。
【0037】
第二の液体としては、特に限定されないが、n−テトラデカン、n−ヘキサデカン、トリクロロオクタデシルシラン、ポリメチルフェニルシロキサン、フェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体等が挙げられる。
【0038】
なお、第二の液体は、第一の液体を兼ねていてもよい。
【0039】
湿潤ゲルは、通常、透明であり、可塑性を有する。
【0040】
湿潤ゲルを冷却すると、架橋シリコーン樹脂と第一の液体及び/又は第二の液体の親和性が低下し、離漿が促される。また、湿潤ゲルを冷却する温度が第一の液体及び/又は第二の液体の融点以下である場合、第一の液体及び/又は第二の液体を固体として析出させることも可能である。
【0041】
また、第一の液体が第二の液体を兼ねない場合、第一の液体が揮発すると、第一の液体及び第二の液体と架橋シリコーン樹脂の親和性が低下し、離漿が促される。
【0042】
湿潤ゲルは、粒子をさらに含んでいてもよい。これにより、湿潤ゲルの硬度や殺菌性を向上させたり、光の透過性を調整したりすることができる。
【0043】
粒子としては、特に限定されないが、シリカ粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、銀粒子、金粒子、白金粒子、磁性粒子等が挙げられる。
【0044】
粒子は、ビニル基、ヒドロシリル基等が表面に導入されていてもよい。これにより、粒子を架橋シリコーン樹脂に固定することができる。
【0045】
湿潤ゲルは、シリコーン樹脂組成物を、第一の液体と、固体、又は、第二の液体との存在下で硬化させることにより製造することができる。
【0046】
なお、湿潤ゲルは、そのまま用いてもよいし、固体の表面に形成して用いてもよい。
【0047】
固体は、ビニル基、ヒドロシリル基等が表面に導入されていてもよい。これにより、湿潤ゲルと固体の密着性を強固にすることができる。
【実施例】
【0048】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例により限定されない。なお、部は、質量部を意味する。
【0049】
[膨潤度]
まず、シリコーン樹脂組成物として、Sylgard184主剤(ダウコーニング社製)1部及びSylgard184硬化剤(ダウコーニング社製)0.1部を混合した後、オーブンを用いて、100℃で2時間硬化させ、架橋シリコーン樹脂を得た。次に、架橋シリコーン樹脂を液体に74時間浸漬した。
【0050】
架橋シリコーン樹脂の体積をV、液体に浸漬した後の架橋シリコーン樹脂の体積をVとし、式
V/V
から、膨潤度を算出した。
【0051】
表1に、液体の膨潤度を示す。
【0052】
【表1】
[実施例1−1]
シリコーン樹脂組成物としての、Sylgard184主剤(ダウコーニング社製)1部及びSylgard184硬化剤(ダウコーニング社製)0.1部、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、n−ヘキサデカン3部を混合し、透明な前駆液を得た。次に、オーブンを用いて、100℃で2時間前駆液を加熱して、シリコーン樹脂組成物を硬化させ、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0053】
Sylgard184主剤は、両末端にビニル基が導入されている変性ポリジメチルシロキサン、2,2−ジメチルビニル基、1,2−ジメチルビニル基及びトリメチルメチル基が表面に導入されている表面処理シリカフィラー、テトラキス(トリメチルシロキシ)シラン、エチルベンゼン、白金系触媒を含む。
【0054】
Sylgard184硬化剤は、ジメチルメチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端にビニル基が導入されている変性ポリジメチルシロキサン、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,2−ジメチルビニル基、1,2−ジメチルビニル基及びトリメチルメチル基が表面に導入されている表面処理シリカフィラー、エチルベンゼンを含む。
【0055】
なお、n−ヘキサデカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。
【0056】
[実施例1−2〜1−9]
n−ヘキサデカンの添加量を1.5部、2部、2.5部、5部、7部、9部、12部、19部に変更した以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0057】
実施例1−1〜1−9の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例1−1〜1−9の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿しており、離漿は、2週間以上継続した。
【0058】
[実施例1−10〜1−12]
n−ヘキサデカンの代わりに、ポリメチルフェニルシロキサンCR100(Sigma−Aldrich社製)、ポリメチルフェニルシロキサンTSF431(MOMENTIVE社製)、フェニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体AS100(Sigma−Aldrich社製)を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0059】
なお、CR100、TSF431、AS100は、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。
【0060】
実施例1−10〜1−12の湿潤ゲルは、1時間放置すると、離漿していた。また、実施例1−10〜1−12の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿しており、離漿は、3ヶ月以上継続した。さらに、実施例1−10〜1−12の湿潤ゲルは、表面をカッターナイフで荒らし、透明性を低下させても、離漿により、表面の透明性が回復した。
【0061】
[比較例1]
n−ヘキサデカンを添加しない以外は、実施例1−1と同様にして、架橋シリコーン樹脂を得た。
【0062】
[比較例2〜7]
n−ヘキサデカンの代わりに、第一の液体としての、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、トルエン、テトラエトキシシランを用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0063】
なお、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、トルエン、テトラエトキシシランは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。
【0064】
比較例2〜7の湿潤ゲルを1時間放置しても、湿潤ゲルは、離漿していなかった。また、比較例2〜7の湿潤ゲルを冷却しても、湿潤ゲルは、離漿していなかった。
【0065】
[マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性]
湿潤ゲル(又は架橋シリコーン樹脂)の表面に、マヨネーズ又はケチャップを付着させた後、傾斜角10°で傾斜させ、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性を評価した。
【0066】
図1に、実施例1−1の湿潤ゲル及び比較例1の架橋シリコーン樹脂のマヨネーズに対する難付着性の評価結果を示す。なお、図1A及び図1Bは、それぞれマヨネーズを表面に付着させた後、傾斜させる前後の湿潤ゲル及び架橋シリコーン樹脂である。
【0067】
図2に、実施例1−1の湿潤ゲル及び比較例1の架橋シリコーン樹脂のケチャップに対する難付着性の評価結果を示す。なお、図2A及び図2Bは、それぞれケチャップを表面に付着させた後、傾斜させる前後の湿潤ゲル及び架橋シリコーン樹脂である。
【0068】
図1及び図2から、実施例1−1の湿潤ゲルは、マヨネーズ及びケチャップが表面に付着せず、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れることがわかる。
【0069】
これに対して、比較例1の架橋シリコーン樹脂は、マヨネーズ及びケチャップが表面に付着し、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に劣る。
【0070】
なお、実施例1−2〜1−12の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。一方、比較例2〜7の湿潤ゲルは、比較例1の架橋シリコーン樹脂と同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に劣っていた。
【0071】
また、実施例1−1〜1−12の湿潤ゲルは、離漿層を拭き取ると、マヨネーズに対する難付着性が一時的に低下したが、時間が経過すると、離漿層を拭き取る前と同様のマヨネーズに対する難付着性を示した。
【0072】
さらに、実施例1−1〜1−12の湿潤ゲルは、表面に付着したマヨネーズ及びケチャップを加熱乾燥させても、乾燥固着物を容易に除去することが可能であった。
【0073】
[実施例2−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、n−デカン0.38部、第二の液体としての、n−ヘキサデカン1.13部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0074】
なお、n−デカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、n−ヘキサデカンは、n−デカンと混和することが可能であった。
【0075】
[実施例2−2]
n−デカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.15部及び1.35部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0076】
[実施例2−3]
n−デカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.08部及び1.42部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0077】
[実施例2−4]
n−デカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.75部及び2.25部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0078】
[実施例2−5]
n−デカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.3部及び2.7部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0079】
[実施例2−6]
n−デカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.16部及び2.84部に変更した以外は、実施例2−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0080】
実施例2−1〜2−6の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例2−1〜2−6の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0081】
実施例2−1〜2−6の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0082】
[実施例3−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、n−ドデカン0.08部、第二の液体としての、n−ヘキサデカン1.42部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0083】
なお、n−ドデカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、n−ヘキサデカンは、n−ドデカンと混和することが可能であった。
【0084】
[実施例3−2]
n−ドデカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.6部及び5.4部に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0085】
[実施例3−3]
n−ドデカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.32部及び5.68部に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0086】
[実施例3−4]
n−ドデカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.16部及び2.84部に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0087】
実施例3−1〜3−4の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例3−1〜3−4の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0088】
実施例3−1〜3−4の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0089】
[実施例4−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、n−テトラデカン0.08部、n−ヘキサデカン1.42部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0090】
なお、n−テトラデカン及びn−ヘキサデカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、n−ヘキサデカンは、n−テトラデカンと混和することが可能であった。
【0091】
[実施例4−2]
n−テトラデカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.63部及び11.37部に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0092】
[実施例4−3]
n−テトラデカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.32部及び5.68部に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0093】
[実施例4−4]
n−テトラデカン及びn−ヘキサデカンの添加量を、それぞれ0.16部及び2.84部に変更した以外は、実施例4−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0094】
実施例4−1〜4−4の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例4−1〜4−4の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿しており、離漿は、20日以上継続した。
【0095】
実施例4−1〜4−4の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0096】
[実施例5−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、n−デカン0.8部、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、ポリメチルフェニルシロキサンPMM−0021(Gelest社製)0.2部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0097】
なお、n−デカン及びPMM−0021は、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、PMM−0021は、n−デカンと混和することが可能であった。
【0098】
[実施例5−2]
n−デカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ1.8部及び1.2部に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0099】
[実施例5−3]
n−デカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ1.2部及び1.8部に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0100】
[実施例5−4]
n−デカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ0.6部及び2.4部に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0101】
[実施例5−5]
n−デカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ2.4部及び1.6部に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0102】
[実施例5−6]
n−デカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ0部及び3.0部に変更した以外は、実施例5−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0103】
実施例5−1〜5−6の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。このとき、湿潤ゲルを冷却すると、離漿が促進される一方、湿潤ゲルを加熱すると、離漿が抑制された。また、実施例5−1〜5−6の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0104】
実施例5−1〜5−6の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0105】
[氷に対する難付着性1]
湿潤ゲルの表面に水滴50μLを滴下し、−30℃の冷凍庫に30分間放置した後、氷を引き上げ、氷に対する難付着性を評価した。
【0106】
実施例5−1〜5−6の湿潤ゲルは、氷が残存せず、氷に対する難付着性に優れていた。
【0107】
[実施例6]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、n−ドデカン3部、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、ポリメチルフェニルシロキサンPMM−0021(Gelest社製)1部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0108】
なお、n−ドデカン及びPMM−0021は、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、PMM−0021は、n−ドデカンと混和することが可能であった。
【0109】
実施例6の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。このとき、湿潤ゲルを冷却すると、離漿が促進される一方、湿潤ゲルを加熱すると、離漿が抑制された。また、実施例6の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0110】
実施例6の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0111】
[実施例7−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、n−テトラデカン3部、ポリメチルフェニルシロキサンPMM−0021(Gelest社製)1部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0112】
なお、n−テトラデカン及びPMM−0021は、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、PMM−0021は、n−テトラデカンと混和することが可能であった。
【0113】
[実施例7−2]
n−テトラデカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ0.75部及び0.25部に変更した以外は、実施例7−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0114】
[実施例7−3]
n−テトラデカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ1.5部及び0.5部に変更した以外は、実施例7−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0115】
[実施例7−4]
n−テトラデカン及びPMM−0021の添加量を、それぞれ2.25部及び0.75部に変更した以外は、実施例7−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0116】
実施例7−1〜7−4の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。このとき、湿潤ゲルを冷却すると、離漿が促進される一方、湿潤ゲルを加熱すると、離漿が抑制された。また、実施例7−1〜7−4の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0117】
実施例7−1〜7−4の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0118】
[実施例8]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、n−ヘキサデカン3部、ポリメチルフェニルシロキサンPMM−0021(Gelest社製)1部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0119】
なお、n−ヘキサデカン及びPMM−0021は、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であり、架橋シリコーン樹脂を膨潤させることが不可能であった。また、PMM−0021は、n−テトラデカンと混和することが可能であった。
【0120】
実施例8の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。このとき、湿潤ゲルを冷却すると、離漿が促進される一方、湿潤ゲルを加熱すると、離漿が抑制された。また、実施例8の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0121】
実施例8の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0122】
[実施例9]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、イソセタン2.8部、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、ポリメチルフェニルシロキサンPMM−0021(Gelest社製)1.2部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0123】
なお、イソセタン及びPMM−0021は、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、PMM−0021は、イソセタンと混和することが可能であった。
【0124】
実施例9の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。このとき、湿潤ゲルを冷却すると、離漿が促進される一方、湿潤ゲルを加熱すると、離漿が抑制された。また、実施例9の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0125】
実施例9の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。また、実施例9の湿潤ゲルは、実施例5−1の湿潤ゲルと同様に、氷に対する難付着性に優れていた。
【0126】
[実施例10−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、ポリメチルフェニルシロキサンAR20(Sigma−Aldrich社製)0.6部、第二の液体としての、ポリメチルフェニルシロキサンTSF437(MOMENTIVE社製)2.4部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0127】
なお、AR20は、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、TSF437は、AR20と混和することが可能であった。
【0128】
[実施例10−2]
AR20及びTSF437の添加量を、それぞれ0.9部及び2.1部に変更した以外は、実施例10−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0129】
[実施例10−3]
AR20及びTSF437の添加量を、それぞれ1.2部及び1.8部に変更した以外は、実施例10−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0130】
[実施例10−4]
AR20及びTSF437の添加量を、それぞれ1.8部及び1.2部に変更した以外は、実施例10−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0131】
実施例10−1〜10−4の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。このとき、湿潤ゲルを冷却すると、離漿が促進される一方、湿潤ゲルを加熱すると、離漿が抑制された。また、実施例10−1〜10−4の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0132】
実施例10−1〜10−4の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0133】
[実施例10−5]
AR20及びTSF437の添加量を、それぞれ2.1部及び0.9部に変更した以外は、実施例10−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0134】
[実施例10−6]
AR20及びTSF437の添加量を、それぞれ2.25部及び0.75部に変更した以外は、実施例10−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0135】
[実施例10−7]
AR20及びTSF437の添加量を、それぞれ2.4部及び0.6部に変更した以外は、実施例10−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0136】
[実施例10−8]
AR20及びTSF437の添加量を、それぞれ3部及び0部に変更し、AR20を第二の液体を兼ねる第一の液体として用いた以外は、実施例10−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0137】
実施例10−5〜10−8の湿潤ゲルを1時間放置しても、湿潤ゲルは、離漿していなかった。しかしながら、実施例10−5〜10−8の湿潤ゲルを冷却すると、湿潤ゲルは、離漿していた。次に、湿潤ゲルを加熱すると、離漿が抑制され、離漿した液が湿潤ゲルの内部に吸収されていた。また、湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0138】
[氷に対する難付着性2]
湿潤ゲルの表面にポリプロピレン製の容器を静置した後、容器の中も純水50mLを添加し、−15℃で3時間静置した。次に、ロードセルを用いて、容器を横方向に加圧して、氷に対する付着力を測定し、氷に対する難付着性を評価した。
【0139】
実施例10−8の湿潤ゲルは、氷に対する付着力が3kPaであった。
【0140】
実施例10−6の湿潤ゲルは、氷点下で離漿していた。また、実施例10−6の湿潤ゲルは、氷に対する付着力が0.4kPaであった。さらに、実施例10−6の湿潤ゲルの表面を20°傾斜させると、氷が自重で滑落したことから、実施例10−6の湿潤ゲルは、難付着性に優れることがわかった。
【0141】
比較例1の架橋シリコーン樹脂は、氷に対する付着力が74.1kPaであった。
【0142】
比較例6の湿潤ゲルは、氷に対する付着力が16.7kPaであった。
【0143】
[海藻類に対する難付着性]
湿潤ゲルを海中に1ヶ月間浸漬した後、湿潤ゲルの表面を観察し、式
(湿潤ゲルの海藻類が付着している表面積)/(湿潤ゲルの表面積)×100
により、海藻類の付着率を算出し、海藻類に対する難付着性を評価した。
【0144】
実施例10−3〜10−5の湿潤ゲルは、海藻類の付着率が10%以下であり、海藻類に対する難付着性に優れていた。
【0145】
比較例1の架橋シリコーン樹脂は、海藻類の付着率が50%以上であり、海藻類に対する難付着性に劣っていた。
【0146】
[実施例11−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、トルエン4部、固体としての、トリステアリン0.04部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0147】
なお、トルエンは、シリコーン樹脂組成物及びトリステアリンを溶解させることが可能であった。
【0148】
[実施例11−2]
トリステアリンの添加量を0.03部に変更した以外は、実施例11−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0149】
[実施例11−3]
トルエン及びトリステアリンの添加量を、それぞれ3部及び0.01部に変更した以外は、実施例11−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0150】
[実施例11−4]
トルエン及びトリステアリンの添加量を、それぞれ3部及び0.03部に変更した以外は、実施例11−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0151】
[実施例11−5]
トルエン及びトリステアリンの添加量を、それぞれ3部及び0.06部に変更した以外は、実施例11−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0152】
[実施例11−6]
トルエン及びトリステアリンの添加量を、それぞれ3部及び0.12部に変更した以外は、実施例11−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0153】
[実施例11−7]
トルエン及びトリステアリンの添加量を、それぞれ3部及び0.24部に変更した以外は、実施例11−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0154】
[実施例11−8]
トルエン4部及びトリステアリン0.04部の代わりに、トルエンにハスの葉の抽出物を飽和させた溶液3部を用いた以外は、実施例11−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0155】
実施例11−1〜11−8の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例11−1〜11−8の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0156】
実施例11−1〜11−8の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0157】
[水に対する難付着性]
湿潤ゲルの表面の水に対する静的接触角を測定し、水に対する難付着性を評価した。
【0158】
実施例11−1の湿潤ゲルは、透明であり、水に対する静的接触角が約100°であったが、離漿することに伴い、表面が白濁し、水に対する静的接触角150°以上となり、超撥水性を示した。このため、実施例11−1の湿潤ゲルは、水に対する難付着性に優れることがわかった。また、実施例11−1の湿潤ゲルを切断すると、離漿することに伴い、切断面が白濁し、超撥水性を示した。
【0159】
実施例11−2〜11−8の湿潤ゲルは、実施例11−1の湿潤ゲルと同様に、水に対する難付着性に優れていた。
【0160】
[実施例12]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、n−デカン2.4部、第二の液体としての、トリクロロオクタデシルシラン0.6部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0161】
なお、n−デカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、トリクロロオクタデシルシランは、n−デカンと混和することが可能であった。
【0162】
実施例12の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例12の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0163】
実施例12の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。また、実施例12の湿潤ゲルは、実施例11−1の湿潤ゲルと同様に、水に対する難付着性に優れていた。
【0164】
[実施例13]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、n−ドデカン2.9部、第二の液体としての、トリクロロオクタデシルシラン0.1部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0165】
なお、n−ドデカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、トリクロロオクタデシルシランは、n−ドデカンと混和することが可能であった。
【0166】
実施例13の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例13の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0167】
実施例13の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。また、実施例13の湿潤ゲルは、実施例11−1の湿潤ゲルと同様に、水に対する難付着性に優れていた。
【0168】
[実施例14]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、n−テトラデカン4部、第二の液体としての、トリクロロオクタデシルシラン0.06部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0169】
なお、n−テトラデカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、トリクロロオクタデシルシランは、n−テトラデカンと混和することが可能であった。
【0170】
実施例14の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例14の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0171】
実施例14の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。また、実施例14の湿潤ゲルは、実施例11−1の湿潤ゲルと同様に、水に対する難付着性に優れていた。
【0172】
[実施例15]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、イソセタン2.25部、第二の液体としての、トリクロロオクタデシルシラン0.75部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0173】
なお、イソセタンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、トリクロロオクタデシルシランは、イソセタンと混和することが可能であった。
【0174】
実施例15の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例15の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0175】
実施例15の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。また、実施例15の湿潤ゲルは、実施例11−1の湿潤ゲルと同様に、水に対する難付着性に優れていた。
【0176】
[実施例16−1]
前駆液を調製する際に、平均粒径が10nmの金粒子の1質量%n−ヘキサン分散液(四国計測工業社製)0.15部をさらに添加した以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0177】
なお、n−ヘキサンは、第一の溶媒であり、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。
【0178】
[実施例16−2]
平均粒径が10nmの金粒子の1質量%n−ヘキサン分散液の代わりに、平均粒径が10nmの白金粒子の1質量%ヘキサン分散液(四国計測工業社製)を用いた以外は、実施例16−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0179】
実施例16−1、16−2の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例16−1、16−2の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0180】
実施例16−1、16−2の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0181】
[比較例8−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、テトラエトキシシラン2.4部、オクチルトリエトキシシラン0.6部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0182】
なお、テトラエトキシシラン、オクチルトリエトキシシランは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。
【0183】
[比較例8−2]
テトラエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランの添加量を、それぞれ2.1部及び0.9部に変更した以外は、比較例8−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0184】
[比較例8−3]
テトラエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランの添加量を、それぞれ1.8部及び1.2部に変更した以外は、比較例8−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0185】
[比較例8−4]
テトラエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランの添加量を、それぞれ1.5部及び1.5部に変更した以外は、比較例8−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0186】
[比較例8−5]
テトラエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランの添加量を、それぞれ1.2部及び1.8部に変更した以外は、比較例8−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0187】
[比較例8−6]
テトラエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランの添加量を、それぞれ0.9部及び2.1部に変更した以外は、比較例8−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0188】
[比較例8−7]
テトラエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランの添加量を、それぞれ0.6部及び2.4部に変更した以外は、比較例8−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0189】
[比較例8−8]
テトラエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランの添加量を、それぞれ0.3部及び2.7部に変更した以外は、比較例8−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0190】
比較例8−1〜8−8の湿潤ゲルを1時間放置しても、湿潤ゲルは、離漿していなかった。また、比較例8−1〜8−8の湿潤ゲルを冷却しても、湿潤ゲルは、離漿していなかった。
【0191】
比較例8−1〜8−8の湿潤ゲルは、比較例1の架橋シリコーン樹脂と同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に劣っていた。
【0192】
[実施例17−1]
n−ヘキサデカン3部の代わりに、第一の液体としての、n−デカン0.3部、第二の液体としての、ポリフェニルメチルシロキサンTSF437(MOMENTIVE社製)2.7部を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0193】
なお、n−デカンは、シリコーン樹脂組成物を溶解させることが可能であった。また、ポリフェニルメチルシロキサンは、n−デカンと混和することが可能であった。
【0194】
[実施例17−2]
n−デカン及びTSF437の添加量を、それぞれ0.6部及び2.4部に変更した以外は、実施例17−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0195】
[実施例17−3]
n−デカン及びTSF437の添加量を、それぞれ0.9部及び2.1部に変更した以外は、実施例17−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0196】
[実施例17−4]
n−デカン及びTSF437の添加量を、それぞれ1.2部及び1.8部に変更した以外は、実施例17−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0197】
[実施例17−5]
n−デカン及びTSF437の添加量を、それぞれ1.5部及び1.5部に変更した以外は、実施例17−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0198】
[実施例17−6]
n−デカン及びTSF437の添加量を、それぞれ1.8部及び1.2部に変更した以外は、実施例17−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0199】
[実施例17−7]
n−デカン及びTSF437の添加量を、それぞれ2.1部及び0.9部に変更した以外は、実施例17−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0200】
実施例17−1〜17−7の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。ここで、実施例17−3〜17−7の湿潤ゲルは、n−デカンが揮発することに伴い、TSF437の比率が増加し、離漿した。また、実施例17−1〜17−7の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0201】
実施例17−1〜17−7の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0202】
[実施例18−1]
シリコーン樹脂組成物としての、Sylgard184主剤(ダウコーニング社製)1部及びSylgard184硬化剤(ダウコーニング社製)0.1部、第二の液体を兼ねる第一の液体としての、ポリメチルフェニルシロキサンAR20(Sigma−Aldrich社製)3部を混合し、透明な前駆液を得た。次に、Karsted触媒4×10−4部を添加した後、室温で5分間放置して、シリコーン樹脂組成物を硬化させ、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0203】
[実施例18−2]
Karsted触媒の添加量を4×10−5部に変更し、室温で4時間放置した以外は、実施例18−1と同様にして、湿潤ゲルを得た。湿潤ゲルは、透明であり、可塑性を有していた。
【0204】
実施例18−1、18−2の湿潤ゲルを1時間放置すると、湿潤ゲルは、離漿していた。また、実施例18−1、18−2の湿潤ゲルを切断した後、1時間放置すると、湿潤ゲルは、切断面で離漿していた。
【0205】
実施例18−1、18−2の湿潤ゲルは、実施例1−1の湿潤ゲルと同様に、マヨネーズ及びケチャップに対する難付着性に優れていた。
【0206】
本国際出願は、2014年6月24日に出願された日本国特許出願2014−129294号及び2015年5月15日に出願された日本国特許出願2015−100409号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2014−129294号及び日本国特許出願2015−100409号の全内容を本国際出願に援用する。
図1A
図1B
図2A
図2B