(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6245729
(24)【登録日】2017年11月24日
(45)【発行日】2017年12月13日
(54)【発明の名称】リードタブ、それを備えるバッテリーパック、及びリードタブの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 2/10 20060101AFI20171204BHJP
H01M 2/20 20060101ALI20171204BHJP
H01M 2/34 20060101ALI20171204BHJP
【FI】
H01M2/10 M
H01M2/20 A
H01M2/34 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-73138(P2013-73138)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-56809(P2014-56809A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0100663
(32)【優先日】2012年9月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】元 熙 淵
(72)【発明者】
【氏名】文 大 淵
【審査官】
田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−127846(JP,A)
【文献】
特開2000−243362(JP,A)
【文献】
特開2007−273179(JP,A)
【文献】
特開2006−236879(JP,A)
【文献】
特開2010−251238(JP,A)
【文献】
特開2000−243360(JP,A)
【文献】
特開2002−343336(JP,A)
【文献】
特開2002−343315(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/20 − 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
突設されたボス部と、第2貫通口と、を含み、電気絶縁素材で形成される絶縁カバーと、
過熱遮断素子と、前記過熱遮断素子に電気的に結合される第1リード及び第2リードと、前記絶縁カバーのボス部に嵌め込まれる孔とを含む過熱遮断素子組立体と、を含み、
前記絶縁カバーのボス部は、前記絶縁カバーと前記過熱遮断素子組立体の分離が制限されるように、その端部が前記孔より大きく形成され、前記過熱遮断素子組立体の前記孔は前記第2リードから延設された結合部に位置し、前記第2リードにおいて前記過熱遮断素子と前記孔との間にリードプレートが溶接され、
前記過熱遮断素子は、前記絶縁カバーの前記第2貫通口を通じて、前記絶縁カバーの底面に露出され、前記過熱遮断素子は前記絶縁カバーの側壁の高さより小さい厚さを有し、前記絶縁カバーの底面はバッテリーセルに接することを特徴とするリードタブ。
【請求項2】
前記絶縁カバーは、第1貫通口を備え、
前記過熱遮断素子組立体の前記第1リードは、前記第1貫通口を通じて、前記絶縁カバーの底面に露出されることを特徴とする請求項1に記載のリードタブ。
【請求項3】
前記絶縁カバーは、前記過熱遮断素子組立体の周囲の少なくとも一部を取り囲む側壁部を含むことを特徴とする請求項1に記載のリードタブ。
【請求項4】
端子を備える複数のバッテリーセルと、
前記バッテリーセルの端子に結合される、請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のリードタブと、を含み、前記第2リードにおいて前記過熱遮断素子と前記孔との間にリードプレートが溶接されたことを特徴とするバッテリーパック。
【請求項5】
突設されたボス部と、第2貫通口と、を含み、電気絶縁素材で形成される絶縁カバーを設けるステップと、
過熱遮断素子と、前記過熱遮断素子に電気的に結合される第1リード及び第2リードと、前記絶縁カバーのボス部が嵌め込まれる孔とを含む過熱遮断素子組立体を設けるステップと、
前記過熱遮断素子組立体の前記孔が、前記絶縁カバーのボス部に嵌め込まれるように、前記過熱遮断素子組立体を、前記絶縁カバーの上側に配置するステップと、
前記過熱遮断素子組立体の前記孔を通じて突出した前記絶縁カバーの前記ボス部の端部を熱加圧するステップと、を含み、
前記過熱遮断素子組立体の前記孔は前記第2リードから延設された結合部に位置し、前記第2リードにおいて前記過熱遮断素子と前記孔との間にリードプレートが溶接され、
前記過熱遮断素子は、前記絶縁カバーの前記第2貫通口を通じて、前記絶縁カバーの底面に露出され、前記過熱遮断素子は前記絶縁カバーの側壁の高さより小さい厚さを有し、前記絶縁カバーの底面はバッテリーセルに接することを特徴とするリードタブの製造方法。
【請求項6】
前記絶縁カバーは、第1貫通口を備え、
前記過熱遮断素子組立体を、前記絶縁カバーの上側に配置するステップにおいて、前記過熱遮断素子組立体の前記第1リードは、前記第1貫通口を通じて、前記絶縁カバーの底面に露出されることを特徴とする請求項5に記載のリードタブの製造方法。
【請求項7】
前記絶縁カバーは、前記過熱遮断素子組立体の周囲の少なくとも一部を取り囲む側壁部を含むことを特徴とする請求項5に記載のリードタブの製造方法。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれか一項に記載のリードタブの製造方法における前記ボス部の端部を熱加圧するステップの後に、
前記第2リードの前記過熱遮断素子と前記孔との間にリードプレートを溶接するステップをさらに含むバッテリーパックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードタブ、それを備えるバッテリーパック、及びリードタブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコン、タブレットパソコン、スマートフォンなどの携帯用電子機器が広く使われている。かかる携帯用電子機器は、外部の電源と分離した状態でも一定の時間の間使用可能であるように、電力を保存するバッテリーパックを備える。かかるバッテリーパックは、反復的に使用可能であるように、充放電が可能な二次電池からなる複数のバッテリーセルを備える。
【0003】
一方、バッテリーセルの正極端子または負極端子には、リードタブが結合される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、バッテリーセルの過熱を効果的に防止することが可能なリードタブ、及びそれを備えるバッテリーパックを提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、リードタブを簡単かつ迅速に、低い製造コストで製造することが可能なリードタブの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態によるバッテリーセルのリードタブは、突設されたボス部を備え、電気絶縁素材で形成される絶縁カバー;過熱遮断素子と、前記過熱遮断素子に電気的に結合される第1リード及び第2リードと、前記絶縁カバーのボス部に嵌め込まれる孔とを備える過熱遮断素子組立体;を備え、前記絶縁カバーのボス部は、前記絶縁カバーと前記過熱遮断素子組立体の分離が制限されるように、その端部が前記孔より大きく形成される。
【0007】
また、前記絶縁カバーは、第1貫通口を備え、前記過熱遮断素子組立体の前記第1リードは、前記第1貫通口を通じて、前記絶縁カバーの底面に露出される。
【0008】
また、前記絶縁カバーは、第2貫通口をさらに備え、前記過熱遮断素子組立体の前記過熱遮断素子は、前記絶縁カバーの前記第2貫通口を通じて、前記絶縁カバーの底面に露出される。
【0009】
また、前記過熱遮断素子組立体の前記孔は、前記第2端子から延設された結合部に位置する。
【0010】
また、前記絶縁カバーは、前記過熱遮断素子組立体の周囲の少なくとも一部を取り囲む側壁部を備える。
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の他の実施形態によるバッテリーパックは、端子を備える複数のバッテリーセルと、前記バッテリーセルの端子のうち少なくとも一部に結合される、前述のリードタブと、を備える。
【0012】
前記他の目的を達成するために、本発明のさらに他の実施形態によるバッテリーセルのリードタブの製造方法は、突設されたボス部を備え、電気絶縁素材で形成される絶縁カバーを設けるステップ;過熱遮断素子と、前記過熱遮断素子に電気的に結合される第1リード及び第2リードと、前記絶縁カバーのボス部が嵌め込まれる孔とを備える過熱遮断素子組立体を設けるステップ;前記過熱遮断素子組立体の前記孔が、前記絶縁カバーのボス部に嵌め込まれるように、前記過熱遮断素子組立体を、前記絶縁カバーの上側に配置するステップ;前記過熱遮断素子組立体の前記孔を通じて突出した前記絶縁カバーの前記ボス部の端部を熱加圧するステップ;を含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、バッテリーセルの過熱を効果的に防止することができる。また、本発明によれば、リードタブを簡単かつ迅速に、低い製造コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】バッテリーパックの全体的な構成を概略的に示す図面である。
【
図2】
図1のバッテリーパックの一部の構成を概略的に示す図面である。
【
図3】本発明の一実施形態によるリードタブを概略的に示す図面である。
【
図4】
図3のリードタブを製造する過程の一部を概略的に示す図面である。
【
図5】
図3のリードタブを製造する過程の一部を概略的に示す図面である。
【
図6】
図3のリードタブの一部分の断面を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、添付される図面と共に詳細に説明している実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではなく、多様な形態で具現される。ただし、本実施形態は、本発明の開示を完全にし、当業者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、特許請求の範囲により定義されるだけである。一方、本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は、文言で特に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる“含む(comprises)”及び/または“含んだ(comprising)”は、言及した構成要素、段階、動作及び/または素子が、一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除するものではない。第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素は、用語によって限定されてはならない。用語は、一つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるリードタブを備えるバッテリーパックを概略的に示す分解斜視図である。
【0017】
図1を参照すれば、バッテリーパック10は、ケース100、ケース100の内部に収容される複数のバッテリーセル200、及び保護回路モジュール400を備える。
【0018】
ケース100は、複数のバッテリーセル200及び保護回路モジュール400を内部に収容する。ケース100の内部に収容されるバッテリーセル200の外装材は、金属性素材を含むカン211で製作され、この時、バッテリーセル200の不要な電気的接続を避けるために、ケース100は、絶縁性素材を含む。例えば、ケース100は、プラスチック射出物である。
【0019】
ケース100は、上部ケース110及び下部ケース120を備える。上部ケース110と下部ケース120は、側面に沿って形成されたフック構造を通じて互いに結合される。下部ケース120は、バッテリーセル200が載置される空間S1と、保護回路モジュール400が載置される空間S2とを備える。
【0020】
ケース100の全体的な厚さを最小化するために、上部ケース110の上面または下部ケース120の下面は、バッテリーセル200の上面または下面と対応する領域が開放された状態に形成される。上部ケース110と下部ケース120の開放された領域は、上部ケース110と下部ケース120それぞれに付着されるラベル510,520により覆われる。
【0021】
バッテリーセル200は、再充電が可能な二次電池であって、リチウム・イオン電池から構成される。バッテリーセル200は、電極組立体(図示せず)と、電極組立体を収容するカン211とを備える。電極組立体は、正極板、負極板、及びそれらの間に介在されたセパレータを積層した後、ゼリーロール形態に巻き取って製作する。カン211は、金属性素材で製作される。例えば、カン211は、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
複数のバッテリーセル200は、一方向に沿って並んで配置される。バッテリーセル200それぞれの正極と負極とが前面に配置されるように、バッテリーセル200は、並んで配置される。例えば、複数のバッテリーセル200は、リードプレート300により直列に連結される。リードプレート300は、テープ350によりバッテリーセル200に安定して結合される。
【0023】
本実施形態では、三つのバッテリーセル200が直列に連結されて、一つのバッテリーパック10を構成する場合を説明したが、バッテリーパック10を構成するバッテリーセル200の個数や連結方法は、これに制限されず、多様に構成可能である。
【0024】
保護回路モジュール400は、複数のバッテリーセル200と電気的に連結される。保護回路モジュール400は、バッテリーセル200の過充電、過放電または過電流により発生する過熱及び爆発を防止することができる。保護回路モジュール400は、基板410と、基板410の一側または内部に実装される保護素子(図示せず)とを備える。保護素子は、抵抗及びコンデンサのような受動素子や、電界トランジスタのような能動素子からなる安全素子、または集積回路が選択的に形成される。
【0025】
保護回路モジュール400の一側には、外部の電子機器に電力を供給するためのコネクタ420が備えられる。
【0026】
図2は、
図1のバッテリーパック10のバッテリーセル200、リードタブ700及びリードプレート300を示す分離斜視図である。
【0027】
図2を参照すれば、バッテリーセル200それぞれには、正極端子210及び負極端子220が設けられる。
【0028】
リードタブ700は、各バッテリーセル200の負極端子220に接続され、リードプレート300と電気的に連結される。本実施形態では、リードタブ700が負極端子220に配置されるものと説明するが、リードタブ700は、バッテリーセル200の正極端子210にのみ配置されても、正極端子210と負極端子220にいずれも配置されてもよい。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態によるリードタブ700を概略的に示す斜視図であり、
図2及び
図3を参照すれば、リードタブ700は、絶縁カバー710と、過熱遮断素子組立体720とを備える。
【0030】
絶縁カバー710は、過熱遮断素子組立体720を支持し、電気絶縁素材、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂で形成される。
【0031】
絶縁カバー710のボス部712(
図4)は、過熱遮断素子組立体720との安定した結合のために、過熱遮断素子組立体720に形成された孔729に嵌め込まれるが、その端部は、過熱遮断素子組立体720の孔729より広く形成されている。
【0032】
過熱遮断素子組立体720は、過熱遮断素子722、第1リード724、第2リード726及び結合部728を備える。
【0033】
過熱遮断素子(または、TCO(Thermal Cut Off)素子)722は、所定の温度以上に温度が上昇すれば、電流を遮断する素子である。かかる過熱遮断素子の例として、正の熱抵抗を有するサーミスタが利用される。また、過熱遮断素子は、商用化された過熱遮断ヒューズを採用することも可能である。
【0034】
第1リード724は、過熱遮断素子722と、バッテリーセル200の負極端子220とを電気的に連結する。第1リード724は、バッテリーセル200の負極端子220と接続されるように、絶縁カバー710の底面に露出されて配置される。
【0035】
第2リード726は、過熱遮断素子722とリードプレート300とを電気的に連結する。第2リード726は、リードプレート300に溶接により結合される。すなわち、バッテリーセル200の負極端子220は、過熱遮断素子組立体720の第1リード724、過熱遮断素子722及び第2リード726を経て、リードプレート300に電気的に連結される。したがって、バッテリーセル200が所定の温度以上に加熱されれば、過熱遮断素子722が電流を遮断するので、バッテリーセル200のさらなる過熱を直ちに効果的に遮断することができる。
【0036】
結合部728は、第2リード726から延設され、孔729が形成されている。
図6は、絶縁カバー710と、過熱遮断素子組立体720の結合部728とを概略的に示す断面図である。
図6を参照すれば、結合部728の孔729には、絶縁カバー710のボス部712が嵌め込まれる。絶縁カバー710のボス部の端部712Aは、ボス部712が結合部728の孔729から抜けないように、結合部728の孔729より大きく広がった形態に形成される。
【0037】
リードプレート300は、各バッテリーセル200を直列または並列に連結するためのものであって、バッテリーセル200の正極端子210に電気的に連結される第1接続部310と、バッテリーセル200の負極端子220に連結されたリードタブ700の第2リード726に電気的に連結される第2接続部320とを備える。リードプレート300の第1接続部310と、バッテリーセル200の正極端子210との接続、及びリードプレート300の第2接続部320と、リードタブ700の第2リード726との接続は、溶接により行われる。リードプレート300は、第1接続部310及び第2接続部320を備える導電プレートと、その導電プレートの第1接続部310及び第2接続部320を除いた部分を覆い包む絶縁フィルムとを備える。
【0038】
次いで、本発明の前述したリードタブ700を製造する方法について説明する。
【0039】
本実施形態によるリードタブ700の製造方法は、絶縁カバー710を設けるステップと、過熱遮断素子組立体720を設けるステップと、過熱遮断素子組立体720を絶縁カバー710の上側に配置するステップと、絶縁カバー710のボス部712を熱加圧するステップとを含む。
【0040】
絶縁カバー710を設けるステップは、ボス部712を備える電気絶縁素材で形成される絶縁カバー710を設けるステップである。
【0041】
図4は、絶縁カバー710及び過熱遮断素子組立体720を概略的に示す斜視図である。
図4を参照すれば、絶縁カバー710は、過熱遮断素子組立体720の第1リード724が挿入される第1貫通口713と、過熱遮断素子組立体720の過熱遮断素子722が挿入される第2貫通口715と、過熱遮断素子組立体720の第2リード726が載置される第2リード載置部716と、過熱遮断素子組立体720の結合部728の孔729に嵌め込まれるボス部712とを備える。また、絶縁カバー710は、その上側に配置される過熱遮断素子組立体720の相対的な移動を制限するように、過熱遮断素子組立体の周囲の少なくとも一部を取り囲む側壁部711を備える。
【0042】
過熱遮断素子組立体720を設けるステップは、前述した過熱遮断素子組立体720を設けるステップである。すなわち、本ステップは、過熱遮断素子722と、前記過熱遮断素子722の両端子にそれぞれ連結される第1リード724及び第2リード726と、前記絶縁カバー710のボス部712が嵌め込まれる孔729とを備える過熱遮断素子組立体720を設けるステップである。
【0043】
過熱遮断素子組立体720を絶縁カバー710の上側に配置するステップは、過熱遮断素子組立体720を絶縁カバー710の上側に結合させるステップである。本ステップにおいて、絶縁カバー710のボス部712は、過熱遮断素子組立体720の結合部728の孔729に嵌め込まれ、その端部は、過熱遮断素子組立体720から上側に突出する。
【0044】
また、過熱遮断素子組立体720と絶縁カバー710とが結合されれば、過熱遮断素子722の第1リード724は、絶縁カバー710の第1貫通口713を通じて、絶縁カバー710の下面に露出されて、バッテリーセル200の負極端子220と連結される。また、過熱遮断素子722は、絶縁カバー710の第2貫通口715を通じて、絶縁カバー710の下面に露出されて、バッテリーセル200と接するので、バッテリーセル200で発生する熱に直接的な影響を受ける。したがって、過熱遮断素子722は、バッテリーセル200で発生する熱に対して敏感に反応する。
【0045】
絶縁カバー710のボス部712を熱加圧するステップは、過熱遮断素子組立体720から突出した絶縁カバー710のボス部712を、
図5に示すように熱融着器Pにより加熱融着するステップである。かかる過程を通じて、ボス部712が過熱遮断素子組立体720の結合部728に融着されることはいうまでもなく、ボス部の端部712Aが、
図6に示すように広がって、過熱遮断素子組立体720が絶縁カバー710から離脱することが効果的に防止される。
【0046】
一方、本出願人は、リードタブ700を製造するための方法として、インサート射出を利用することもあったが、本実施形態によるリードタブ700の製造方法は、インサート射出工程を利用する場合に比べて、工程が簡単かつ迅速であり、材料コストの低減に有利であるという長所を有する。
【0047】
本発明が前述した望ましい実施形態と関連して説明されたが、発明の要旨と範囲から逸脱することなく多様な修正や変形が可能である。したがって、特許請求の範囲には、本発明の要旨に属する限り、かかる修正や変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、例えば、電子機器関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 バッテリーパック
200 バッテリーセル
700 リードタブ
710 絶縁カバー
711 側壁部
712 ボス部
712A ボス部の端部
713 第1貫通口
715 第2貫通口
716 第2リード載置部
720 過熱遮断素子組立体
722 過熱遮断素子
724 第1リード
726 第2リード
728 結合部
729 孔