(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スレーブBMSは、前記命令に基づいて前記第2バッテリーラックの状態をオン状態及びオフ状態のうち一つに設定することを特徴とする請求項1に記載のバッテリーシステム。
前記マスターBMSは、前記第2バッテリーラックの状態に関する前記情報を受信し、前記第1バッテリーラックの状態をオン状態及びオフ状態のうち一つに設定することを特徴とする請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
前記第1バッテリーラックの状態は、第2バッテリーラックの状態が前記オン状態に設定された後で、前記オン状態に設定されることを特徴とする請求項3に記載のバッテリーシステム。
前記マスターラック及び前記スレーブラックは、それぞれマスター保護回路及びスレーブ保護回路を備え、前記マスター保護回路は第1スイッチを備え、スレーブ保護回路は第2スイッチを備え、
前記スレーブBMSは、前記命令に基づいて前記第2スイッチの状態を開放状態及び短絡状態のうち一つに設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のバッテリーシステム。
前記マスターBMSは、外部に連結された統合制御器からの他の命令に基づいて前記スレーブBMSに前記命令を提供し、前記マスターBMSは、前記第1バス及び前記第2バスと分離された第3バスを通じて前記外部に連結された統合制御器と通信することを特徴とする請求項9に記載のバッテリーシステム。
前記スレーブラックは複数のスレーブラックのうち一つであり、前記複数のスレーブラックそれぞれは、前記第1バスを通じて前記マスターラックに連結されることを特徴とする請求項8に記載のバッテリーシステム。
前記スレーブラックは保護回路を備え、前記スレーブBMSは、前記保護回路内のスイッチの状態に基づいて前記第2バッテリーラックの状態を定めることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載のバッテリーシステム。
前記スレーブラックは保護回路を備え、前記保護回路は、前記第2バッテリーラックの状態に関する中間情報を前記スレーブBMSに提供する少なくとも一つのスイッチを備えることを特徴とする請求項1乃至12の何れか一項に記載のバッテリーシステム。
前記スレーブBMSは、前記第2バッテリーラックの非正常状態を検出するように構成され、前記スレーブBMSは、前記非正常状態が検出されれば、前記保護回路を通じて前記第2バッテリーラックへの電力供給を遮断するように構成されることを特徴とする請求項13に記載のバッテリーシステム。
【発明を実施するための形態】
【0018】
なお、例示的な実施形態が添付図面を参照して以下でさらに詳細に説明される。しかし、多くの形態に具体化され、本明細書で説明される実施形態に限定されるものではない。かえって、これらの実施形態は本開示を完全かつ完璧にし、例示的な具現例を当業者に完全に伝達できるように提供されるものである。
【0019】
本出願で使った用語は単に特定の実施形態を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、“含む”または“持つ”などの用語は、明細書上に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性を予め排除しないと理解されねばならない。第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。
【0020】
以下、例示的な実施形態が示される添付図面を参照してさらに完璧に実施形態が説明される。全体的に同じ参照番号は同じ構成要素を示す。図面で、同一また対応する構成要素には同じ図面番号がつけられ、これについて繰り返して説明しない。
【0021】
図1は、例示的な実施形態によるエネルギー保存システムのブロック図を示す。
【0022】
図1を参照すれば、本発明の実施形態によるエネルギー保存システム1は、外部の発電システム2及び系統3と連係して外部に連結された負荷4に電力を供給する。
【0023】
発電システム2は、エネルギー源を使って電力を生産するシステムである。発電システム2は電力を生産し、生産した電力をエネルギー保存システム1に供給する。発電システム2は、太陽光発電システム、風力発電システム、及び潮力発電システムからなる群から選択される少なくとも一つを含む。しかし、これは単に例示的であり、発電システム2は、前記種類に限定されるものではない。
【0024】
例えば、太陽熱や地熱などの新材生エネルギーを用いて電力を生産するあらゆる発電システムが発電システム2に含まれる。例示的な実施形態によれば、太陽光を用いて電力を生産する太陽電池が、家庭や工場に設けられるエネルギー保存システム1に適用される。発電システム2は、電力を生産できる複数の発電モジュールを並列に配列することで大容量エネルギーシステムとして機能する。
【0025】
系統3は、例えば、発電所、変電所、送電線などを含む。系統3が正常状態である場合、系統3は、エネルギー保存システム1に電力を供給する。例えば、系統3は、負荷4及びバッテリーシステム20からなる群から選択される少なくとも一つに電力を供給する。系統3は、エネルギー保存システム1から電力を供給される。例えば、系統3は、特にバッテリーシステム20から電力を供給される。系統3が非正常状態である場合、系統3とエネルギー保存システム1との間の電力供給は中断する。
【0026】
負荷4は、発電システム2で生産された電力、バッテリーシステム20に保存された電力、または系統3から供給された電力を消費する。家庭や工場の電気装置が負荷4を構成する一例である。
【0027】
エネルギー保存システム1は、発電システム2で生産した電力をバッテリーシステム20に保存するか、または系統3に供給する。エネルギー保存システム1は、バッテリーシステム20に保存された電力を系統3に供給するか、または系統3から供給された電力をバッテリーシステム20に保存してもよい。また、エネルギー保存システム1は、発電システム2で生産された電力やバッテリーシステム20に保存されている電力を負荷4に供給する。系統3が非正常状態である場合、例えば、停電が発生した場合に、エネルギー保存システム1はUPS(Uninterruptible Power Supply)機能を行って、発電システム2で生産された電力やバッテリーシステム20に保存されている電力を負荷4に供給する。
【0028】
エネルギー保存システム1は、電力を変換する電力変換システム(Power Conversion System、以下“PCS”という)10、バッテリーシステム20、第1スイッチ30、及び第2スイッチ40を備える。
【0029】
PCS 10は、発電システム2、系統3、及びバッテリーシステム20から提供される電力を適当な形態の電力に変換でき、前記適当な形態の電力を所望のところに供給する。PCS 10は、例えば、電力変換部11、DCリンク部12、インバータ13、コンバータ14、統合制御器15を備える。
【0030】
電力変換部11は、発電システム2とDCリンク部12との間に連結される電力変換装置である。電力変換部11は、発電システム2で生産した電力を直流リンク電圧に変換し、前記直流リンク電圧をDCリンク部12に提供する。
【0031】
電力変換部11は、発電システム2の種類によってコンバータ回路、整流回路などの電力変換回路を備える。例えば、発電システム2が直流電力を生産する場合、電力変換部11は、発電システム2が生産した直流電力を他の直流電力に変換するためのDC−DCコンバータ回路を備える。発電システム2が交流電力を生産する場合、電力変換部11は、交流電力を直流電力に変換するための整流回路を備える。
【0032】
例示的な実施形態では、発電システム2が太陽光発電システムである場合、電力変換部11は、日射量、温度などの変化によって発電システム2で生産する電力を最大に得られるように最大電力ポイント追跡(Maximum Power Point Tracking)制御を行うMPPTコンバータを備える。また、発電システム2で生産される電力がない時には、電力変換部11は動作を中止し、それによって電力変換部11に備えられるコンバータ回路または整流回路などの電力変換装置で消費する電力を最小化できる。
【0033】
例えば、発電システム2または系統3での瞬時電圧低下によって、または負荷4でのピーク負荷発生によって、直流リンク電圧の大きさが不安定になる場合がある。しかし、直流リンク電圧は、コンバータ14及びインバータ13の正常動作のために安定化されねばならない。DCリンク部12は、電力変換部11とインバータ13との間に連結されて直流リンク電圧を一定または実質的に一定に維持させる。DCリンク部12は、例えば、大容量キャパシタを備える。
【0034】
インバータ13は、DCリンク部12と第1スイッチ30との間に連結される電力変換装置である。インバータ13は、発電システム2及びバッテリーシステム20からなる群から選択される少なくとも一つから出力される直流リンク電圧を系統3の交流電圧に変換し、前記交流電圧を出力するインバータを備える。また、インバータ13は、系統3からの交流電圧を直流電圧に変換して直流リンク電圧を出力する整流回路を備え、例えば、前記直流リンク電圧は、充電モードでバッテリーシステム20に保存される。インバータ13は、入力及び出力の方向が変わりうる双方向インバータである。
【0035】
インバータ13は、系統3に出力される交流電圧で高調波を除去するためのフィルタを備える。インバータ13は、無効電力の発生を抑制するか、または無効電力の発生可能性を低減させるために、インバータ13から出力される交流電圧の位相と系統3の交流電圧の位相とを同期化させるための位相同期ループ(phase locked loop、PLL)回路を備える。インバータ13は、電圧変動範囲の制限、力率改善、直流成分の除去、及び/または過渡現状(transient phenomena)からの保護またはその低減などの機能を行える。
【0036】
コンバータ14は、DCリンク部12とバッテリーシステム20との間に連結される電力変換装置である。コンバータ14は、放電モードでバッテリーシステム20に保存された直流電力を適当なレベルの直流リンク電圧に変換し、前記DCリンク電圧を、DCリンク部12を通じてインバータ13に出力するDC−DCコンバータを備える。コンバータ14は、充電モードで電力変換部11またはインバータ13から出力される直流電力を適当なレベル、例えば、バッテリーシステム20で要求する充電電圧レベルの直流電力に変換し、前記直流電力をバッテリーシステム20に出力するDC−DCコンバータを備える。コンバータ14は、入力及び出力の方向が変わりうる双方向コンバータである。バッテリーシステム20の充電または放電が行われない場合にはコンバータ14の動作が中止されることで、電力消費が最小化または低減する。
【0037】
統合制御器15は、発電システム2、系統3、バッテリーシステム20、及び/または負荷4の状態をモニタリングする。例えば、統合制御器15は、系統3での停電発生如何、発電システム2での電力生産如何、発電システム2で電力が生産される場合に生産される電力量、バッテリーシステム20の充電状態、負荷4の消費電力量、時間などをモニタリングする。
【0038】
統合制御器15は、モニタリング結果及び既定のアルゴリズムによって、電力変換部11、インバータ13、コンバータ14、バッテリーシステム20、第1スイッチ30、及び第2スイッチ40の動作を制御する。例えば、系統3に停電が発生する場合、統合制御器15は、バッテリーシステム20に保存された電力または発電システム2で生産された電力が負荷4に供給されるように制御する。統合制御器15は、負荷4に十分な電力が供給されない場合に、負荷4の電気装置について優先順位を定め、優先順位の高い電気装置に優先して電力を供給するように負荷4を制御してもよい。統合制御器15は、バッテリーシステム20の充電及び放電を制御する。
【0039】
第1スイッチ30及び第2スイッチ40は、インバータ13と系統3との間に直列に連結され、統合制御器15の制御によってターンオン/ターンオフされることで、発電システム2と系統3との間の電流のフローを制御する。発電システム2、系統3、及びバッテリーシステム20の状態によって、第1スイッチ30及び第2スイッチ40がターンオンまたはターンオフされる。
【0040】
例えば、発電システム2及びバッテリーシステム20からなる群から選択される少なくとも一つからの電力が負荷4に供給されるか、または系統3からの電力がバッテリーシステム20に供給される場合、第1スイッチ30はターンオンされる。発電システム2及びバッテリーシステム20からなる群から選択される少なくとも一つからの電力が系統3に供給されるか、または系統3からの電力が負荷4及びバッテリーシステム20からなる群から選択される少なくとも一つに供給される場合には、第2スイッチ40はターンオンされる。
【0041】
系統3で停電が発生した場合には、第2スイッチ40がターンオフされ、第1スイッチ30がターンオンされる。すなわち、発電システム2及びバッテリーシステム20からなる群から選択される少なくとも一つからの電力が負荷4に供給されると同時に、負荷4に供給される電力が系統3に流れることが遮断及び/または防止される。このように、エネルギー保存システム1が単独運転システム(stand alone system)で動作するため、系統3の電力線などで作業する人足が、エネルギー保存システム10から出力される電力による感電事故から保護される。
【0042】
第1スイッチ30及び第2スイッチ40は、大きい電流に耐えられるか、または大きい電流を処理できるリレイ(relay)などのスイッチング装置を備える。
【0043】
バッテリーシステム20は、発電システム2及び系統3からなる群から選択される少なくとも一つから電力を供給されて保存し、保存している電力を負荷4及び系統3からなる群から選択される少なくとも一つに供給する。バッテリーシステム20は、電力を保存する部分及びこれを制御及び保護する部分を備える。バッテリーシステム20の充電及び放電は、統合制御器15によって制御される。以下、
図2を参照してバッテリーシステム20についてさらに具体的に説明する。
【0044】
図2は、例示的な実施形態によるバッテリーシステム20のブロック図を示す。
【0045】
図2を参照すれば、バッテリーシステム20は、複数のラック200を備える。例えば、複数のラック200は、マスターラック200m、及びスレーブラック200s1、200s2を備える複数のスレーブラック200sを備える。バッテリーシステム20は、統合制御器15とマスターラック200mとのデータ通信のための第1バス241、及び複数のラック200間のデータ通信のための第2バス242を備える。例えば、マスターラック200mとスレーブラック200s1、200s1とは、第2バス242を通じて互いに通信する。
【0046】
複数のラック200m、200s1、200s2は、外部、例えば、発電システム2及び/または系統3から供給された電力を保存でき、保存された電力を系統3及び/または負荷4に供給する。マスターラック200mは、マスターBMS(Battery Management System)210m、バッテリーラック220及び保護回路230を備える。スレーブラック200s1、200s2それぞれは、スレーブBMS 210s、バッテリーラック220及び保護回路230を備える。
【0047】
図2で、マスターラック200mとスレーブラック200s1、200s2とは互いに異なる参照番号で表示されているが、マスターラック200m及びスレーブラック200s1、200s2の共通の動作、構成及び機能が説明される場合には、マスターラック200m及びスレーブラック200s1、200s2は、集合的にラック200またはラック200といわれる。マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sについても共通の動作、構成及び機能が説明される場合には、マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sは、集合的にBMS 210といわれる。
【0048】
BMS 210は、ラック200の全般的な動作をそれぞれ制御する。BMS 210は、保護回路230を制御することでラック200を保護し、例えば、BMS 210は、非正常状態からラック200を保護する。例えば、過電流が流れるか、または過放電されるなどの異常が発生した場合、BMS 210は、保護回路230のスイッチを開放させてバッテリーラック220と入出力端子T+、T−との電力伝達を遮断する。BMS 210は、バッテリーラック220の状態、例えば、温度、電圧、電流などをモニタリングしてデータを測定する。BMS 210は、測定されたデータ及び既定のアルゴリズムによってバッテリーラック220に備えられたバッテリーセルのセルバランシング動作を制御する。
【0049】
バッテリーラック220は、発電システム2及び/または系統3から供給された電力を保存し、保存された電力を系統3及び/または負荷4に供給する。バッテリーラック220は、直列、並列または直列と並列との組み合わせで連結された少なくとも一つのトレイを備える。
図2で、バッテリーラック220が並列に連結されると示されているが、バッテリーシステム20の要求に応じて、バッテリーラック220は直列に連結されるか、または直列と並列との組み合わせで連結される。
【0050】
保護回路230は、BMS 210からの制御によって電力を供給するためにスイッチを短絡するか、または電力供給を遮断するためにスイッチを開放する。保護回路230は、バッテリーラック220の出力電圧及び出力電流、スイッチの状態、及びヒューズの状態などの情報をBMS 210に提供する。
【0051】
第1バス241は、統合制御器15とマスターBMS 210mとの間にデータや命令を送信する経路である。第1バス241は、例えば、CAN(Controller Area Network)バスである。例えば、統合制御器15は、第1バス241を通じてマスターBMS 210mに命令を送信し、マスターBMS 210mは、ラック200の状態に関する情報を伝送する。スレーブBMS 210sのうち一つが対応するスレーブラック200sで故障を示す場合に、マスターBMS 210mは、故障の発生及び/または故障に関する情報を統合制御器15に伝送する。しかし、実施形態はこれに限定されず、例えば、第1バス241は、バスを使ってデータや命令を送信する適切な通信プロトコルならば、いずれも適用される。
【0052】
第2バス242は、マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sの間にデータや命令を送信する経路である。第2バス242は、CANバスである。しかし、実施形態はこれに限定されず、例えば、第2バス242は、バスを使ってデータや命令を送信する適切な通信プロトコルならば、いずれも適用される。
【0053】
マスターBMS 210mとスレーブBMS 210sそれぞれは、バッテリーラック220及び保護回路230からデータを収集する。例えば、出力電流、出力電圧、スイッチ状態及びヒューズの状態などからなる群から選択される少なくとも一つが、保護回路230から収集されるデータに含まれる。バッテリーセル電圧及び温度などがバッテリーラック220から収集されるデータに含まれる。
【0054】
マスターBMS 210mとスレーブBMS 210sそれぞれは、収集されたデータたちから残余電力量、寿命、充電状態(State of Charge、SOC)などを算出し、対応するバッテリーラック220それぞれに異常が発生したかどうかを判断する。例えば、マスターBMS 210mとスレーブBMS 210sそれぞれは、対応するバッテリーラック220で、(過充電、過放電、過電流、過電圧、過熱、バッテリーセルの不均衡、バッテリーセルの劣化などからなる群から選択される少なくとも一つのような)異常が発生したかどうかを判断する。異常が発生した場合、例えば、非正常状態が検出された場合、前記異常を検出したマスターBMS 210mとスレーブBMS 210sそれぞれは、内部のアルゴリズムによって定められた動作を行える。例えば、マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sは、対応する保護回路230を動作させる。
【0055】
スレーブBMS 210sそれぞれは、対応するバッテリーラック220及び保護回路230から収集したデータを、第2バス242を用いてマスターBMS 210mに提供する。スレーブBMS 210sは、異常発生の如何、異常発生形態に関する情報もマスターBMS 210mに提供する。例えば、マスターBMS 210mは、スレーブラック200s1、200s2それぞれの動作を制御することもできる。例えば、マスターBMS 210mがスレーブラック200s1、200s2の保護回路230を動作させるように、制御命令をスレーブBMS 210sそれぞれに提供する。
【0056】
マスターBMS 210mは、自体のバッテリーラック220、例えば、マスターバッテリーラック及び保護回路230から収集されたデータ、及びスレーブBMS 210sから伝送されたスレーブラック200s1、200s2のデータを、第1バス241を通じて統合制御器15に伝送する。マスターBMS 210mは、ラック200m、200s1、200s2の異常発生の如何、及び/または異常発生形態に関する情報も統合制御器15に提供する。
【0057】
統合制御器15は、PCS 10の状態、例えば、コンバータ14の状態に関する情報をマスターBMS 210mに提供する。例えば、統合制御器15は、コンバータ14及び入出力端子T+、T−の開放如何に関する情報、及び/またはコンバータ14の電流フローに関する情報をマスターBMS 210mに提供する。マスターBMS 210mは、統合制御器15から提供された情報に基づいてバッテリーシステム20の動作を制御する。
【0058】
例えば、マスターBMS 210mは、PCS 10の状態によってスレーブラック200s、例えば、スレーブラック200s1、200s2がターンオンされるように、制御命令をスレーブBMS 210sにそれぞれ伝送し、マスターラック200mをターンオンさせる。具体的に、スレーブBMS 210sは、マスターBMS 210mからの命令に応答して、スレーブラック200s1、200s2をそれぞれ制御する。次いで、スレーブBMS 210sは、スレーブラック200s、例えば、スレーブラック200s1、200s2の状態に関する情報を報告でき、前記情報は、マスターラック200mのターンオンに使われる。例えば、スレーブBMS 210それぞれが対応するスレーブラック200sの動作状態がオン状態であると報告する場合に、マスターBMS 210mは、マスターラック200mをターンオンさせる。よって、マスターBMS 210mは、マスターBMS 210mがスレーブBMS 210sから前記情報を受信した後、例えば、マスターBMS 210mがスレーブラック200s1、200s2それぞれの動作状態に関する情報を受信した後、マスターラック200mを制御する。
【0059】
統合制御器15は、バッテリーシステム20のターンオン/ターンオフを制御する。例えば、統合制御器15は、バッテリーシステム20のオン/オフ制御命令をマスターBMS 210mに送信する。次いで、マスターBMS 210mは、統合制御器15の制御命令に応じてスレーブラック200s1、200s2がターンオンされるように、制御命令をスレーブBMS 210sに送信し、マスターラック200mをターンオンさせる。
【0060】
統合制御器15は、マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sに管理データを提供する。前記管理データは、マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sそれぞれのバッテリーセルに関する情報を含み、例えば、前記情報は、ファームウェア、内部アルゴリズム、バッテリーセル情報、内部管理基準などを含む。
【0061】
マスターBMS 210mは、統合制御器15からの制御命令及び/または内部アルゴリズムによって、スレーブラック200s1、200s2を制御するための命令を該スレーブBMS 210sで伝送する。例えば、マスターBMS 210mは、スレーブラック200s1、200s2の動作状態を制御するために、すなわち、スレーブラック200s1、200s2をターンオン/ターンオフさせるために、命令をスレーブBMS 210sに伝送する。また、マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sにバッテリーラック220の状態に関するデータを伝送するように命令する。
【0062】
バッテリーラック220が直列に連結された場合、バッテリーラック220の全体バッテリーセルについてセルバランシングが行われねばならない。例えば、マスターBMS 210mが全体バッテリーセルについてのセル電圧データを収集し、スレーブBMS 210sを通じてスレーブラック200s1、200s2のバッテリーセルについてもセルバランシング動作を制御する。
【0063】
マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sは、
図2に示したようにマスター−スレーブシステムを構成する。マスターBMS 210mは、マスターラック200mだけではなく、スレーブBMS 210sを通じてスレーブラック200s1、200s2を制御する。よって、マスターBMS 210mとスレーブBMS 210s及び統合制御器15の間で、マスターBMS 210m及びスレーブBMS 210sを制御するシステムBMSが省略される。例えば、マスターBMS 210mがマスターラック200m内の対応するバッテリーラック220及びスレーブBMS 210sそれぞれをいずれも制御する機能を行えるため、BMS 210、すなわち、マスターBMS 210mとスレーブBMS 210sそれぞれを制御するための統合バッテリー管理システム(BMS)は排除される。すなわち、マスターBMS 210mは、統合制御器15との間にさらなるバッテリー管理システムを設けずに統合制御器15に直接連結される。
【0064】
また、統合制御器15は単にマスターBMS 210mのみと通信できるため、スレーブラック200sの数が増えても、統合制御器15は加えられたスレーブラック200sと通信する必要がない。よって、スレーブラック200sが加えられても統合制御器15の設定は変わらない。
【0065】
図3は、例示的な実施形態によるマスターラック200mのブロック図を示す。
【0066】
図3を参照すれば、マスターラック200mは、マスターBMS 210m、複数のトレイ221を備えるバッテリーラック220、及びマスターBMS 210mと複数のトレイ221との間にデータ通信のための第2バス242を備える。また、マスターラック200mは、
図2に示したように保護回路230を備えるが、保護回路230は
図3に示していない。
【0067】
トレイ221は、バッテリーラック220の下位構成であり、系統3及び/または発電システム2からの電力を保存でき、保存された電力を系統3及び/または負荷4に供給する。トレイ221それぞれは、トレイBMS 222及びバッテリートレイ223を備える。
図3は、容易な説明のためにマスターラック200mがトレイ221を備えると示したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、
図4に示したように、スレーブラック200sの少なくとも一つも類似してトレイ221を備え、トレイ221の構成及び配列は、マスターラック200mについて図示したところと同一である。
【0068】
トレイ221それぞれは、少なくとも一つのトレイBMS 222を備え、前記トレイBMS 222に連結される少なくとも一つのバッテリートレイ223を備える。例えば、トレイ221それぞれは、一つのバッテリートレイ223に連結される一つのトレイBMS 222を備える。
【0069】
バッテリートレイ223は、電力を保存する部分であり、直列、並列または直列と並列との組み合わせで連結される複数のバッテリーセルを備える。前記バッテリーセルは、充電可能な二次電池を備える。例えば、前記バッテリーセルは、ニッケル−カドミウム電池、鉛蓄電池、ニッケル−水素電池(NiMH:nickel metal hydride battery)、リチウム−イオン電池、リチウムポリマー電池などからなる群から選択される少なくとも一つを含む。バッテリートレイ223に備えられるバッテリーセルの数は、所望の出力電圧によって定められる。
【0070】
トレイBMS 222は、バッテリートレイ223の状態、例えば、バッテリーセルの温度、セル電圧、出力電流などからなる群から選択される少なくとも一つを測定でき、測定されたデータを、第2バス242を通じてマスターBMS 210mに伝送する。また、トレイBMS 222は、マスターBMS 210mのセルバランシング制御命令に応じてバッテリートレイ223のセルバランシングを行える。
【0071】
第2バス242は、マスターBMS 210mとマスターラック200mのトレイBMS 222との間にデータや命令が伝送される経路である。また、マスターBMS 210mとスレーブBMS 210sとの間でも、第2バス242を通じてデータや命令が伝送される。前述したように第2バス242は、CANバスである。
【0072】
マスターBMS 210mは、第1バス241を通じて統合制御器15と通信する。また、マスターBMS 210mは、第2バス242を通じてマスターラック200mのトレイBMS 222のそれぞれ、及びスレーブBMS 210sのそれぞれと通信する。例えば、マスターBMS 210mが、同じ第2バス242を通じてスレーブBMS 210sと通信するだけではなく、マスターラック200mのトレイBMS 222とも通信する。よって、マスターBMS 210mは、例えば、さらなるバスまたはバッテリー管理システムなしに、マスターラック200m内のトレイBMS 222それぞれ及びスレーブBMS 210sそれぞれと直接通信する。
【0073】
統合制御器15は、例えば、第1バス241に命令を含むフレーム信号を伝送する。マスターBMS 210mは前記フレーム信号を受信し、前記フレーム信号に含まれた命令に対応する動作を行える。例えば、マスターBMS 210mは、マスターラック200m内のトレイ221及び/またはスレーブBMS 210sに命令を提供する。また、マスターBMS 210mは、第1バス241にデータを含むフレーム信号を伝送する。統合制御器15は、マスターBMS 210mから前記フレーム信号を受信し、所望の動作を行える。
【0074】
統合制御器15からのフレーム信号に含まれる命令に対応する動作を行う場合、マスターBMS 210mは、第2バス242に命令を含むフレーム信号を伝送する。スレーブBMS 210sは、前記フレーム信号を受信し、前記フレーム信号に含まれた命令に対応する動作を行える。スレーブBMS 210sは、第2バス242にデータを含むフレーム信号を伝送する。マスターBMS 210mは、前記フレーム信号を受信し、所望の動作を行える。
【0075】
マスターBMS 210mは、第2バス242に命令を含むフレーム信号を伝送する。マスターラック200mのトレイBMS 222は、前記フレーム信号を受信し、前記フレーム信号に含まれた命令に対応する動作を行える。マスターラック200mのトレイBMS 222は、第2バス242にデータを含むフレーム信号を伝送する。マスターBMS 210mは、前記フレーム信号を受信し、所望の動作を行える。
【0076】
図4は、例示的な実施形態によるスレーブラック200s1のブロック図を示す。
図4は、例示的な目的でスレーブラック200s1を示すが、スレーブラック200s2もスレーブラック200s1と同じ構成を持つ。
【0077】
図4を参照すれば、スレーブラック200s1は、スレーブBMS 210s、複数のトレイ221を備えるバッテリーラック220、及びスレーブBMS 210sと複数のトレイ221との間にデータ通信のための第3バス243を備える。
図2に示したように、スレーブラック200s1は保護回路230を備えるが、
図4では、保護回路230が図示されていない。トレイ221についての説明は
図3を参照して既に説明されたため、繰り返さない。
【0078】
前述したように、第2バス242は、マスターBMS 210mとマスターラック200mのトレイBMS 222との間にデータや命令が伝送される経路である。また、第2バス242は、スレーブBMS 210sとマスターBMS 210mとの間にデータや命令が伝送される経路である。
【0079】
第3バス243は、スレーブBMS 210sとスレーブラック200s1のトレイBMS 222との間にデータや命令が伝送される経路である。第3バス243は、CANバスである。しかし、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、第3バス243は、バスを使ってデータや命令を送信する適当な通信プロトコルならば、いずれも適用される。
【0080】
スレーブBMS 210sは、第2バス242を通じてマスターBMS 210mと通信し、第3バス243を通じてスレーブラック200s1のトレイBMS 222と通信する。
【0081】
スレーブBMS 210sは、第3バス243に命令を含むフレーム信号を伝送する。スレーブラック200s1のトレイBMS 222は、前記フレーム信号を受信し、前記フレーム信号に含まれた命令に対応する動作を行える。また、スレーブラック200s1のトレイBMS 222は、第3バス243にデータを含むフレーム信号を伝送する。スレーブBMS 210sは、前記フレーム信号を受信し、必要な動作を行える。
【0082】
図5は、例示的な実施形態による保護回路230のブロック図を示す。
【0083】
図5を参照すれば、保護回路230は、例えば、電流センサー231、電圧センサー232、第1スイッチ233、第2スイッチ234、プリチャージ抵抗235、及びヒューズ236を備える。
【0084】
電流センサー231は、バッテリーラック220の出力電流を測定する。電流センサー231は、出力電流に対応する信号siをBMS 210に提供でき、前記BMS 210は、マスターBMS 210mまたはスレーブBMS 210sのうち一つに対応する。
図5で、電流センサー231がラック出力端子R+と入出力端子T+との間に配されると示されるが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、電流センサー231は、ラック出力端子R−と入出力端子T−との間に配されてもよい。
【0085】
電圧センサー232はバッテリーラック220の出力電圧を測定し、例えば、前記バッテリーラック220は、マスターラック200mまたはスレーブラック200sのうち一つである。電圧センサー232は、出力電圧に対応する信号svをBMS 210に提供する。
図5で、電圧センサー232がラック出力端子R+、R−の間に配されると示されるが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、電圧センサー232は、要求に応じて入出力端子T+、T−の間に配されてもよい。他の例示的な実施形態によれば、保護回路230は、入出力端子T+、T−間の電圧を測定する電圧センサーをさらに備える。
【0086】
第1スイッチ233は、ラック出力端子R+と入出力端子T+との間の第1ノードN1及び第2ノードN2を短絡または開放するスイッチング素子である。バッテリーラック220を充電または放電させるために、第1スイッチ233が短絡されねばならない。第1スイッチ233が開放されれば、ラック出力端子R+と入出力端子T+との間の電力の流れは中止される。第1スイッチ233は、BMS 210から第1スイッチ制御信号sw1を受信し、第1スイッチ制御信号sw1によって開放または短絡される。第1スイッチ233は、開放/短絡状態をBMS 210に提供してもよい。例えば、第1スイッチ233は、複数のラック200のうち対応するラック200の状態に関する中間情報(例えば、ラック200のうち対応するラック200内のバッテリーラック220の状態に関する情報)を提供でき、前記中間情報は、BMS 210が前記対応するラック200の状態に関する情報を報告するときに使われる。
【0087】
第1スイッチ233がスレーブラック200s1の保護回路230内に位置する場合、例えば、第1スイッチ233は、スレーブラック200s1内のバッテリーラック220の状態に関する中間情報を、スレーブラック200s1内のスレーブBMS 210sに提供する。次いで、スレーブBMS 210sは、バッテリーラック220の状態に関する情報をマスターラック200m内のマスターBMS 210mに報告する。
【0088】
第1ノードN1と第2ノードN2との間に、第2スイッチ234とプリチャージ抵抗235とが直列に連結される。第2スイッチ234は、BMS 210から第2スイッチ制御信号sw2を受信し、第2スイッチ制御信号sw2によって開放/短絡動作を行う。第2スイッチ234は、開放/短絡状態をBMS 210に提供することもできる。例えば、第2スイッチ234は、バッテリーラック220を持つラック200の一つに対応する状態に関する中間情報を提供する。
【0089】
第2スイッチ234がスレーブラック200s1の保護回路230内に位置する場合、例えば、第2スイッチ234は、スレーブラック200s1内のバッテリーラック220の状態に関する中間情報をスレーブラック200s1内のスレーブBMS 210sに提供する。次いで、スレーブBMS 210sは、バッテリーラック220の状態に関する情報をマスターラック200m内のマスターBMS 210mに報告する。
【0090】
第1スイッチ233及び第2スイッチ234は、バッテリーラック220の出力電流を遮断できるリレイで構成される。例えば、第1スイッチ制御信号sw1及び第2スイッチ制御信号sw2は、所定の直流電圧を持つ制御信号である。例えば、第1スイッチ制御信号sw1及び/または第2スイッチ制御信号sw2がDC12Vを持つ時、第1スイッチ233及び/または第2スイッチ234が短絡される。第1スイッチ制御信号sw1及び/または第2スイッチ制御信号sw2が0Vを持つ時、第1スイッチ233及び/または第2スイッチ234は開放される。
【0091】
プリチャージ抵抗235は、入出力端子T+、T−とラック出力端子R+、R−とが連結される時点に流れるインラッシュ(inrush)電流を制限する。ラック出力端子R+、R−の間には、出力電圧を安定させるために大容量キャパシタが連結される。しかし、前記大容量キャパシタが放電した状態で、第1スイッチ233が短絡されれば、前記大容量キャパシタを充電させるためにインラッシュ電流が発生する恐れがある。このような過電流は、バッテリーシステム20を損傷させるか、または破損を引き起こす。
【0092】
プリチャージ抵抗235は、第1スイッチ233を短絡させる前に、第2スイッチ234を短絡させることでインラッシュ電流の発生を防止するか、またはインラッシュ電流の発生可能性を低減させる。第2スイッチ234を短絡させた後で前記大容量キャパシタが充電されれば、第1スイッチ233が短絡され、第2スイッチ234は開放される。
【0093】
ヒューズ236は、ラック出力端子R+と入出力端子T+との間の大電流経路上に形成され、大電流経路上に過電流が流れる場合、ヒューズ236が前記大電流経路を永久的に遮断する。ヒューズ236は、ヒューズの状態を示す信号sfをBMS 210に提供する。
【0094】
保護回路230は、BMS 210と物理的に分離される。BMS 210は、一つ以上の信号線を用いて保護回路230を制御するように構成する。例えば、保護回路230とBMS 210とが互いに異なるボードに形成されるように構成される。これによって、保護回路230を通過する大電流経路がBMS 210を通過しないこともある。
【0095】
図6は、他の例示的な実施形態によるバッテリーシステムのブロック図を示す。
【0096】
図6を参照すれば、バッテリーラック220は、保護回路230を通じて入出力端子T+、T−に並列に連結される。
【0097】
保護回路230それぞれが、第1スイッチ233、第2スイッチ234及びプリチャージ抵抗235を備えると図示されているが、実施形態はこれらに限定されるものではない。例えば、保護回路230は、
図5に示したように電流センサー、電圧センサー、及びヒューズをさらに備える。
【0098】
マスターBMS 210mは、対応する保護回路230、例えば、マスターラック200m内の保護回路230の第1スイッチ233及び第2スイッチ234の短絡及び開放を制御する。同様に、スレーブBMS 210sも、対応する保護回路230、例えば、スレーブラック200sのうち対応するスレーブラック200s内の保護回路230の第1スイッチ233及び第2スイッチ234の短絡及び開放を制御する。
【0099】
前述したように、バッテリーラック220のラック出力端子R+、R−を入出力端子T+、T−に連結する場合、BMS 210は、第2スイッチ234を先ず短絡させた後、所定時間が経た後で第1スイッチ233を短絡させ、第2スイッチ234を開放する。バッテリーラック220のラック出力端子R+、R−を入出力端子T+、T−から分離する場合、BMS 210は、第1スイッチ233を開放する。
【0100】
BMS 210は、内部アルゴリズムによって第1スイッチ233及び第2スイッチ234の短絡及び開放を制御する。例えば、BMS 210は、対応するバッテリーラック220の異常発生を感知した場合、第1スイッチ233を開放する。また、BMS 210は、対応するバッテリーラック220が正常状態に復帰した場合、第2スイッチ234を先ず短絡させた後、所定時間が経た後で第1スイッチ233を短絡させ、第2スイッチ234を開放する。
【0101】
BMS 210は、上位構成要素の制御命令に応じて第1スイッチ233及び第2スイッチ234の短絡及び開放を制御する。例えば、スレーブBMS 210sは、マスターBMS 210mの制御命令に応じて第1スイッチ233及び第2スイッチ234を制御する。また、マスターBMS 210mは、統合制御器15の制御命令に応じて第1スイッチ233及び第2スイッチ234を制御する。例えば、マスターBMS 210mは間接的に、すなわち、スレーブBMS 210sを通じて、統合制御器15の制御命令に応じて第1スイッチ233及び第2スイッチ234の状態を制御する。
【0102】
マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sにラック出力端子R+、R−を入出力端子T+、T−に連結せよというラックオン制御命令を下す。スレーブBMS 210sは、前記ラックオン制御命令に応じて、対応する保護回路230内の第2スイッチ234を先ず短絡させた後、所定時間が経た後で第1スイッチ233を短絡させ、第2スイッチ234を開放する。
【0103】
例示的な実施形態によれば、マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sに対応するラック出力端子R+、R−を入出力端子T+、T−に連結するために、スレーブBMS 210sに第2スイッチオン制御命令、第1スイッチオン制御命令及び第2スイッチオフ制御命令に順次に下す。
【0104】
マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sに制御命令を下した後、前記制御命令による動作が正常に行われたかどうかを確認する。スレーブBMS 210sは、マスターBMS 210mから受信した制御命令による動作を行った後、前記動作の結果をマスターBMS 210mに伝送する。マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sから前記動作の結果を受信した後、他の動作を行える。
【0105】
マスターBMS 210mがスレーブBMS 210sにラックオン命令を下した場合、スレーブBMS 210sは、第1スイッチ制御信号sw1を発生させた後、ラックオン命令が行われたことを示す信号をマスターBMS 210mに提供する。
【0106】
他の例示的な実施形態によれば、スレーブBMS 210sは、第2スイッチ制御信号sw2を発生させた後、ラックオン命令が行われたことを示す信号をマスターBMS 210mに提供する。さらに他の例示的な実施形態によれば、スレーブBMS 210sが第1スイッチ233の開放/短絡状態を確認した後、ラックオン命令が行われたことを示す信号をマスターBMS 210mに提供する。
【0107】
さらに他の例示的な実施形態によれば、スレーブBMS 210sは、ラック出力電流を確認した後、ラックオン命令が行われたことを示す信号をマスターBMS 210mに提供する。さらに他の例示的な実施形態によれば、スレーブBMS 210sは、入出力端子T+、T−間の出力電圧を確認した後、ラックオン命令が行われたことを示す信号をマスターBMS 210mに提供する。
【0108】
ラックオフ命令についても、スレーブBMS 210sは、第1スイッチ制御信号sw1、第1スイッチ233の状態、ラック出力電流、入出力端子T+、T−間の出力電圧を用いて、スレーブラック200sがターンオフされたかどうかを確認する。次いで、スレーブBMS 210sは、ラックオフ命令が行われたことを示す信号をマスターBMS 210mに提供する。
【0109】
マスターBMS 210mは、第1バス241を通じて統合制御器15と通信を行え、統合制御器15からPCS 10の状態に関する情報を受信する。マスターBMS 210mは、内部アルゴリズムによってPCS 10が用意され、バッテリーシステム20をPCS 10に連結できる状態であると判断すれば、バッテリーシステム20のターンオンを定める。マスターBMS 210mは、バッテリーシステム20が異常状態から正常状態に復帰する場合、バッテリーシステム20のターンオンを定める。マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sにラックオン制御命令を下す。
【0110】
スレーブBMS 210sは、第2スイッチ制御信号sw2を通じて第2スイッチ234を短絡させる。次いで、スレーブBMS 210sは、第1スイッチ制御信号sw1を通じて第1スイッチ233を短絡させる。スレーブBMS 210sは、第1スイッチ233の短絡を確認し、前記ラックオン制御命令に応じて正常に動作を行ったことを示す信号をマスターBMS 210mに提供する。また、スレーブBMS 210sは、第2スイッチ制御信号sw2を通じて第2スイッチ234を開放させる。
【0111】
マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sからラックが正常にターンオンされたことを示す信号を受信した後、他のスレーブBMS 210sにラックオン制御命令を下す。このような方式で、マスターBMS 210mが、スレーブラックそれぞれが正常にターンオンされたことを確認する。次いで、マスターBMS 210mは、自体のマスターラック200mを最後にターンオンさせ、例えば、マスターラック200m内のバッテリーラック220をターンオンさせる。
【0112】
他の例示的な実施形態によれば、マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sそれぞれにラックオン制御命令を同時に提供する。スレーブBMS 210sは、前記ラックオン制御命令に応じて自体のスレーブラック200sをそれぞれターンオンさせ、例えば、対応するスレーブラック200s内のバッテリーラック220をターンオンさせる。次いで、スレーブBMS 210sは、スレーブラック200sがターンオンされたことを示す信号を、それぞれマスターBMS 210mに送信する。マスターBMS 210mは、あらゆるスレーブラック200sがいずれもターンオンされたと確認した後、自体のマスターラック200mをターンオンさせる。
【0113】
バッテリーシステム20がターンオンされる時、あらゆるラックがなるべく同時にターンオンされねばならない。ラックのターンオン時点が異なる場合、ラック間に不均衡(imbalancing)が発生する。実施形態のうち一部によれば、マスターBMS 210mが、スレーブBMS 210sを用いてスレーブラック200sを先ずターンオンさせ、マスターラック200mを最後にターンオンさせるため、ラック200のターンオン時点の差が最小化される。例えば、通信によりスレーブラック200sをターンオンさせることが、自体のマスターラック200mをターンオンさせることより長くかかるからである。よって、例示的な実施形態によれば、バッテリーシステム20内の適当なバランシングを提供するために、マスターラック200mの動作が始まる前に、スレーブラック200s(例えば、スレーブラック200s内のバッテリーラック220)の動作が始まる。
【0114】
また、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sのターンオンを確認した後、自体のマスターラック200mをターンオンさせることで、バッテリーシステム20はさらに安定して運用される。例えば、スレーブラック200sがターンオンに失敗した状態で、マスターラック200mのみターンオンされる場合に発生するラック間の不均衡は防止される。
【0115】
バッテリーシステム20の作動中に、異常(abnormality)が発生する。例えば、過充電または過放電が発生する。また、高熱または過電流が発生する。これらの異常は、バッテリーシステム20全体に発生することもあり、ラック200のうち特定ラックに発生することもある。ラック200のうち特定ラックのみに異常が発生する場合、前記特定ラック200のBMS 210は、前記特定ラック200のターンオンまたはターンオフを定める。この場合、前記BMS 210は、保護回路230の第1スイッチ233を開放させる。
【0116】
マスターBMS 210が異常を感知してバッテリーシステム20全体がターンオフされねばならない場合、マスターBMS 210は、スレーブBMS 210sにラックオフ制御命令を送信する。スレーブBMS 210sは、ラックオフ制御命令に応答して、保護回路230の第1スイッチ233を開放させる。次いで、スレーブBMS 210sは、第1スイッチ233が開放されたということをマスターBMS 210mに報告する。次いで、マスターBMS 210mは、他のスレーブBMS 210sにラックオフ制御命令を送信する。このような方式で、マスターBMS 210mはあらゆるスレーブラック200sをターンオフさせた後、自体のマスターラック200mをターンオフさせる。
【0117】
他の例示的な実施形態によれば、マスターBMS 210は、スレーブBMS 210sにラックオフ制御命令を同時に送信する。スレーブBMS 210sそれぞれは、ラックオフ制御命令に応答して、自体の保護回路230の第1スイッチ233を開放させ、第1スイッチ233が開放したことをマスターBMS 210mに報告する。次いで、マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sからあらゆるスレーブラック200sがターンオフされたことを確認した後、自体のマスターラック200mをターンオフさせる。
【0118】
ラック200がターンオンされたということは、ラック200のラック出力端子R+、R−が入出力端子T+、T−に連結されたということを意味する。例えば、第1スイッチ233が短絡されたことを意味する。また、ラック200がターンオフされたということは、ラック200のラック出力端子R+、R−が入出力端子T+、T−と分離されたということを意味する。例えば、第1スイッチ233及び第2スイッチ234がいずれも開放されたことを意味する。第2スイッチ234が短絡され、第1スイッチ233が開放された状態は、プリチャージ動作中であると見なされる。
【0119】
図7は、例示的な実施形態によるバッテリーシステム20の動作シーケンスのフローチャートである。
【0120】
図6と共に
図7を参照すれば、マスターラック及びスレーブラックの動作と、マスターラックとスレーブラックとの間に伝達される命令またはデータを示す。
図7では、一つのスレーブラックが示されるが、本技術分野の当業者ならば、実施形態の範囲を逸脱せずにスレーブラックが複数存在してもよいということを理解できるであろう。マスターラックは、
図2ないし
図6を参照して説明されたマスターラック200mに対応する。スレーブラックは、
図2ないし
図6を参照して説明されたスレーブラック200sに対応する。
【0121】
動作(S11)で、マスターラック200mのマスターBMS 210mに対応するマスターBMSは、決定によってバッテリーシステム20のターンオンを定める。例えば、統合制御器15からバッテリーシステムターンオン制御命令を受信したか、またはバッテリーシステム20の機動を始めようとする場合や、異常状態から正常状態に復帰した場合に、マスターBMS 210mは、バッテリーシステム20のターンオンを定める。
【0122】
動作(S12)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sのスレーブBMS 210sに対応するスレーブBMSに、スレーブラック200sのターンオンのためのラックオン制御命令を送信する。動作(S13)で、スレーブBMS 210sは、マスターBMS 210mからのラックオン制御命令に応答してスレーブラック200sをターンオンさせる。前述したように、スレーブBMS 210sは、スレーブラック200sの第2スイッチ234を短絡させた後、第1スイッチ233を短絡させる。次いで、スレーブBMS 210sは、第2スイッチ234を開放する。
【0123】
動作(S14)で、スレーブBMS 210sは、スレーブラック200sがターンオンされたかどうかを報告する。スレーブBMS 210sは、スレーブラック200sの状態に関する情報をマスターBMS 210mに伝送する。
【0124】
動作(S15)で、マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sから伝送されたスレーブラック200sの状態に関する情報から、スレーブラック200sがターンオンされたかどうかを確認する。動作(S16)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sがターンオンされたと確認した場合、マスターラック200mをターンオンさせる。しかし、動作(S15)で、マスターBMS 210mが、スレーブラック200sがターンオンされていないと確認した場合、動作のシーケンスは動作(S17)に進む。動作(S17)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sのターンオンに失敗したということを示すメッセージを統合制御器15に伝送する。
【0125】
図8は、他の例示的な実施形態によるバッテリーシステム20の動作シーケンスのフローチャートである。
【0126】
図6と共に
図8を参照すれば、マスターラック200mに対応するマスターラックと、スレーブラック200sに対応するスレーブラックの動作、及び前記マスターラックと前記スレーブラックとの間に伝送される命令またはデータが示される。
図8では、一つのスレーブラックが図示されるが、本技術分野の当業者ならば、実施形態の範囲を逸脱せずにスレーブラックが複数存在してもよいというを理解できるであろう。
【0127】
動作(S21)で、マスターラック200mのマスターBMS 210mは、バッテリーシステム20のターンオンを定める。例えば、統合制御器15からバッテリーシステムターンオン制御命令を受信したか、またはバッテリーシステム20の機動を始めようとする場合や、異常状態から正常状態に復帰した場合に、マスターBMS 210mは、バッテリーシステム20のターンオンを定める。
【0128】
動作(S22)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sの第2スイッチ234を短絡させるための第2スイッチオン制御命令をスレーブBMS 210sに送信する。動作(S23)で、スレーブBMS 210sは、マスターBMS 210mからの第2スイッチオン制御命令に応答して、スレーブラック200sの第2スイッチ234をターンオンさせる。動作(S24)で、スレーブBMS 210sは、第2スイッチ234の開放/短絡状態をマスターBMS 210mに報告する。
【0129】
動作(S25)で、マスターBMS 210mは、マスターBMS 210mから受信された第2スイッチオン制御命令に基づいて、スレーブラック200sの第2スイッチ234の短絡如何を確認する。動作(S25)で、マスターBMS 210mが、スレーブラック200sの第2スイッチ234が短絡されたと確認した場合、動作シーケンスは動作(S26)に進む。動作(S26)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sの第1スイッチ233を短絡させるための第1スイッチオン制御命令をスレーブBMS 210sに送信する。動作(S25)で、マスターBMS 210mが、スレーブラック200sの第2スイッチ234が短絡されていないと確認した場合、動作シーケンスは動作(S31)に進む。動作(S31)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sのターンオンに失敗したということを示すメッセージを統合制御器15に伝送する。
【0130】
動作(S27)で、スレーブBMS 210sは、マスターBMS 210mからの第1スイッチオン制御命令に応答してスレーブラック200sの第1スイッチ233をターンオンさせる。動作(S28)で、スレーブBMS 210sは、第1スイッチ233の開放/短絡状態をマスターBMS 210mに報告する。
【0131】
動作(S29)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sの第1スイッチ233の短絡如何を確認する。動作(S29)で、マスターBMS 210mが、スレーブラック200sの第1スイッチ233が短絡されたと確認した場合、動作シーケンスは動作(S30)に進む。動作(S30)で、マスターBMS 210mは、マスターラック200mの第1スイッチ233を短絡させる。スレーブラック200sが既にターンオンされたため、入出力端子T+、T−間の大容量キャパシタは充電され、マスターラック200mの第2スイッチ234を先ず短絡させずに直ちにマスターラック200mの第1スイッチ233が短絡されても、インラッシュ電流が発生しない。
【0132】
動作(S29)で、マスターBMS 210mが、スレーブラック200sの第1スイッチ233が短絡されていないと確認した場合、動作シーケンスは、動作(S31)に進む。動作(S31)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sの第1スイッチ233が短絡されていない場合、スレーブラックのターンオンに失敗したということを示すメッセージを統合制御器15に伝送する。
【0133】
図9は、他の例示的な実施形態によるバッテリーシステムの動作シーケンスのフローチャートを示す。
【0134】
図6と共に
図9を参照すれば、マスターラック、例えば、マスターラック200mとスレーブラック、例えば、スレーブラック200sの動作、及び前記マスターラックと前記スレーブラックとの間に伝達される命令またはデータが示される。
図9では、一つのスレーブラックが示されるが、本技術分野の当業者ならば、実施形態の範囲を逸脱せずにスレーブラックが複数存在してもよいということを理解できるであろう。
【0135】
動作(S41)で、マスターラック200mのマスターBMS 210mは、バッテリーシステム20のターンオフを定める。例えば、統合制御器15からバッテリーシステムターンオフ制御命令を受信したか、またはバッテリーシステム20の機動を終了しようとする場合や、バッテリーシステム20に異常が発生した場合に、マスターBMS 210mは、バッテリーシステム20のターンオフを定める。
【0136】
動作(S42)で、マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sにスレーブラック200sのターンオフのためのラックオフ制御命令を送信する。動作(S43)で、スレーブBMS 210sは、マスターBMS 210mからのラックオフ制御命令に応答してスレーブラック200sをターンオフさせる。前述したように、スレーブBMS 210sは、スレーブラック200sの第1スイッチ233を開放させる。
【0137】
動作(S44)で、スレーブBMS 210sは、スレーブラック200sのターンオフ如何を報告する。スレーブBMS 210sは、スレーブラック200sの状態に関する情報をマスターBMS 210mに伝送する。
【0138】
動作(S45)で、マスターBMS 210mは、スレーブBMS 210sから伝送されたスレーブラック200sの状態に関する情報から、スレーブラック200sがターンオフされたかどうかを確認する。
【0139】
動作(S45)で、マスターBMS 210mが、スレーブラック200sの第1スイッチ233が開放されたことを確認した場合、動作シーケンスは、動作(S46)に進む。動作(S46)で、マスターBMS 210mは、マスターラック200mをターンオフさせる。動作(S45)で、マスターBMS 210mが、スレーブラック200sの第1スイッチ233が開放されていないと確認した場合、動作シーケンスは、動作(S47)に進む。動作(S47)で、マスターBMS 210mは、スレーブラック200sのターンオフに失敗したということを示すメッセージを統合制御器15に伝送する。
【0140】
要約及び検討のために、バッテリーシステムは、外部電源から電力を供給され、供給された電力を保存し、保存された電力を外部に供給する。バッテリーシステムは、負荷で消費される電力の量によって多様に設計される。バッテリーシステムを安定して動作させるために、バッテリーシステムは効率的に管理される。
【0141】
実施形態は、エネルギー保存システムに係り、前記エネルギー保存システムで、マスターBMSは並列に連結される複数のバッテリーラックを制御するスレーブBMSと通信することで、バッテリーシステムは、効率的に管理され、かつ安定して運用される。
【0142】
本明細書に図示されて説明された特定具現例は説明のための例であり、いかなる方式でも実施形態の範囲を限定すると意図されない。簡単にするために、従来電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は省略される。また、図面に示した構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示したものであり、実際装置では、代替可能であるか、またはさらなる多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結に具現される。また、“必須の”、“重要に”などの具体的な言及がなければ、必須構成要素と見なされない。
【0143】
実施形態(特に、特許請求の範囲)を記述するに当って、“前記”の用語及びこれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数両方に当る。また、実施形態で範囲を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであり(これに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に前記範囲を構成する各個別的な値を記載したことと同じである。最後に、本発明による方法を構成する段階について明らかに順序を記載するか、またはそれに反する記載がなければ、前記段階は適当な順序に行われる。必ずしも前記段階の記載順序によって本発明が限定されるものではない。本発明であらゆる例または例示的な用語(例えば、等々)の使用は、単純に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記例または例示的な用語によって実施形態の範囲が限定されるものではない。また、当業者は、多様な修正、組み合わせ及び変更が加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件及びファクターによって構成されるということが分かる。
【0144】
例示的な実施形態が本明細書に提示され、特定用語が使われたとしても、この用語は限定を目的として使ったものではなく、一般的で説明のためのものであると解釈されねばならない。一部例で、本出願の出願時の当業者に明らかであるが、特定実施形態に関して説明される特徴、及び/または構成要素は、具体的に異なって記載していない限り、単独で使われてもよく、他の実施形態に関して説明される特徴、及び/または構成要素と共に使われてもよい。よって、本発明の思想は、前記実施形態に限って定められてはならず、特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等な、またはこれから等価的に変わったすべての範囲は本発明の思想の範疇に属するといえる。