【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明に係る電池セル折り曲げ装置は、正極、分離膜及び負極を含む電極組立体を電池ケースに装着し、熱融着により密封された構造の電池セルの外周面を折り曲げるための折り曲げ装置であって、
前記電池セルが搭載されるベースプレートと、
前記電池セルがベースプレート上に搭載された状態で、電池ケースの左側及び右側の外周面と電極組立体収納部の外面との間に挿入される一対の折り曲げガイドと、
前記折り曲げガイドに対応して電池ケースの外周面を電極組立体収納部の外面側に折り曲げ加圧する加圧ローラと、
前記加圧ローラに隣接して位置し、折り曲げられた電池ケースの外周面を加熱するための加熱部材と、
を含む構造で構成されている。
【0015】
したがって、本発明に係る電池セル折り曲げ装置は、電池セルの外周面を垂直に折り曲げて収納部の側壁に密着させる過程において折り曲げ部位を加熱する加熱部材を含むことによって、外周面の折り曲げと同時に加熱して、時間が経過するにつれて折り曲げ部位が復元されて発生し得る、電池セルの寸法設計に不良が発生する問題点を解決することができる。
【0016】
前記電極組立体は、多数の電極タブを接続して正極と負極とを構成する構造であれば特に制限されるものではなく、好ましくは、フォールディング型構造、スタック型構造及びスタック/フォールディング型構造を挙げることができる。スタック/フォールディング型構造の電極組立体についての詳細な内容は、本出願人の韓国特許出願公開第2001−0082058号、第2001−0082059号及び第2001−0082060号に開示されており、前記出願は、本発明の内容に参照として組み込まれる。
【0017】
本発明に係る電池セル折り曲げ装置は、特に、金属層と樹脂層とを含むラミネートシート、一具体例において、アルミニウムラミネートシートのパウチ型ケースの収納部に電極組立体が内蔵されているパウチ型二次電池に好ましく適用され得る。
【0018】
一具体例において、前記折り曲げガイドは、電池セルの大きさに対応して相互間の間隔の調節が可能な構造からなることができる。このような構造により、様々な大きさの電池セルに応じて安定的に折り曲げ部位を形成させることができる。
【0019】
他の具体例において、前記折り曲げガイドは、電池ケースの外周面と電極組立体収納部の外面との間への挿入方向に直径が減少する構造からなってもよい。このような構造により、電池ケースの外周面が電極組立体の収納部の外面に効果的に密着して折り曲げられ、所望の折り曲げ位置を誘導することができる。具体的に、前記折り曲げガイドは、垂直断面視で三角形状からなることができる。
【0020】
前記加熱部材は、加熱温度を調節できる温度調節器をさらに含むことができ、前記折り曲げ部位を加熱するための最適の温度を設定して加圧と同時に加熱する過程を行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る電池セルは、リチウム含有電解液が電極組立体に含浸されているリチウムイオン二次電池、リチウム含有電解液がゲルの形態で電極組立体に含浸されている、いわゆる、リチウムイオンポリマー電池などのリチウム二次電池に好ましく適用され得る。
【0022】
参考に、リチウム二次電池は、正極、負極、分離膜、及びリチウム塩含有非水電解液で構成されている。
【0023】
前記正極は、例えば、正極集電体上に正極活物質、導電材及びバインダーの混合物を塗布した後、乾燥して製造され、必要に応じて、前記混合物に充填剤をさらに添加することもある。
【0024】
前記正極活物質は、リチウムコバルト酸化物(LiCoO
2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO
2)などの層状化合物や、1つまたはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li
1+xMn
2−xO
4(ここで、xは0〜0.33である)、LiMnO
3、LiMn
2O
3、LiMnO
2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li
2CuO
2);LiV
3O
8、LiFe
3O
4、V
2O
5、Cu
2V
2O
7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi
1−xM
xO
2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、x=0.01〜0.3である)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn
2−xM
xO
2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01〜0.1である)またはLi
2Mn
3MO
8(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土金属イオンで置換されたLiMn
2O
4;ジスルフィド化合物;Fe
2(MoO
4)
3などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
前記導電材は、通常、正極活物質を含んだ混合物の全重量を基準として1〜30重量%で添加される。このような導電材は、当該電池に化学的変化を誘発せずに導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを使用することができる。
【0026】
前記バインダーは、活物質と導電材などの結合及び集電体に対する結合を助ける成分であって、通常、正極活物質を含む混合物の全重量を基準として1〜30重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などを挙げることができる。
【0027】
前記充填剤は、正極の膨張を抑制する成分として選択的に使用され、当該電池に化学的変化を誘発せずに繊維状材料であれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
【0028】
前記負極は、負極集電体上に負極活物質を塗布、乾燥して作製され、必要に応じて、上述したような成分が選択的にさらに含まれてもよい。
【0029】
前記負極活物質としては、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;Li
xFe
2O
3(0≦x≦1)、Li
xWO
2(0≦x≦1)、Sn
xMe
1-xMe’
yO
z(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;錫系合金;SnO、SnO
2、PbO、PbO
2、Pb
2O
3、Pb
3O
4、Sb
2O
3、Sb
2O
4、Sb
2O
5、GeO、GeO
2、Bi
2O
3、Bi
2O
4、Bi
2O
5などの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li−Co−Ni系材料などを使用することができる。
【0030】
前記分離膜は、正極と負極との間に介在し、高いイオン透過度及び機械的強度を有する絶縁性の薄い薄膜が使用される。一般に、分離膜の気孔径は0.01〜10μmで、厚さは5〜300μmである。このような分離膜としては、例えば、耐化学性及び疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー;ガラス繊維またはポリエチレンなどで作られたシートや不織布などが使用される。電解質としてポリマーなどの固体電解質が使用される場合には、固体電解質が分離膜を兼ねることもできる。
【0031】
リチウム塩含有非水系電解液は、極性有機電解液とリチウム塩からなっている。電解液としては、非水系液状電解液、有機固体電解質、無機固体電解質などが使用される。
【0032】
前記非水系液状電解液としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ギ酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒を使用することができる。
【0033】
前記有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、リン酸エステルポリマー、ポリエジテーションリシン(agitation lysine)、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、イオン性解離基を含む重合体などを使用することができる。
【0034】
前記無機固体電解質としては、例えば、Li
3N、LiI、Li
5NI
2、Li
3N−LiI−LiOH、LiSiO
4、LiSiO
4−LiI−LiOH、Li
2SiS
3、Li
4SiO
4、Li
4SiO
4−LiI−LiOH、Li
3PO
4−Li
2S−SiS
2などのLiの窒化物、ハロゲン化物、硫酸塩などを使用することができる。
【0035】
前記リチウム塩は、前記非水系電解質に溶解しやすい物質であって、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO
4、LiBF
4、LiB
10Cl
10、LiPF
6、LiCF
3SO
3、LiCF
3CO
2、LiAsF
6、LiSbF
6、LiAlCl
4、CH
3SO
3Li、CF
3SO
3Li、(CF
3SO
2)
2NLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、4フェニルホウ酸リチウム、イミドなどを使用することができる。
【0036】
また、非水系電解液には、充放電特性、難燃性などの改善を目的として、例えば、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノン、N,N−置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2−メトキシエタノール、三塩化アルミニウムなどが添加されてもよい。場合によっては、不燃性を付与するために、四塩化炭素、三フッ化エチレンなどのハロゲン含有溶媒をさらに含ませることもでき、高温保存特性を向上させるために二酸化炭酸ガスをさらに含ませることもできる。
【0037】
本発明はまた、前記電池セル折り曲げ装置を使用して電池セルの外周面を折り曲げる方法であって、
(a)電池セル折り曲げ装置上に電池セルを位置させ、電池セルの外周面を折り曲げる1次折り曲げ過程と、
(b)折り曲げガイドの間隔を調節して電池セルの外周面を加圧する2次折り曲げ過程と、
(c)折り曲げガイドによって加圧した状態で、電池セルの外周面に加熱部材を位置させて加熱と同時に折り曲げる3次折り曲げ過程と、
を含む折り曲げ方法を提供する。
【0038】
一具体例において、前記過程(c)の加熱温度は、150℃〜190℃の範囲であることが好ましく、より詳細には、170℃〜190℃の範囲であることが好ましい。
【0039】
前記加熱温度が低すぎる場合、所望の折り曲げ部位の復元抑制効果を発揮できず、逆に、前記加熱温度が高すぎる場合、樹脂層と金属層とを含むラミネートシートからなる電池ケースの熱的損傷をもたらし得るため好ましくない。
【0040】
具体的に、前記過程(c)の加熱時間は1秒〜3秒の範囲であることが好ましく、折り曲げガイドによって加圧した状態で、電池セルの外周面に加熱部材を位置させて加熱と同時に折り曲げる過程を行い、1.5秒間隔で2回行うことが好ましい。
【0041】
本発明はまた、前記折り曲げ方法で外周面が折り曲げられた電池セルを含む電池パックを提供する。
【0042】
このような電池パックは、小型デバイスの電源として使用される電池セルに使用され得、デバイスの電源として使用される多数の電池セルを含む電池パックに単位電池としても好ましく使用され得る。
【0043】
前記デバイスの好ましい例としては、携帯電話、携帯用コンピュータ、スマートフォン、タブレットPC、スマートパッド、ネットブック、LEV(Light Electronic Vehicle)、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車、及び電力貯蔵装置などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。